当社グループにおいて、業容の拡大及び経営の安定化を図っていくうえで、会社の対処すべき課題と中長期的な成長戦略は以下のとおりであります。
(成長戦略)
世界規模のデータアクセス権と、独自に培ってきたデータ解析技術を強みとした複数の事業をポートフォリオとして持ち、有機的に組み合わせ、データ活用領域で、事業拡大していきます。
ソーシャル・ビッグデータ”活用”領域での事業を拡大して参ります。
SNSデータ流通におけるキープレーヤーとしてさらなる地位の強化をして参ります。
(対処すべき課題)
当社グループは、以下の点を主な経営課題と捉えております。
1)グループ全体
・IR強化による、市場への十分な事業状況の説明
・有効なガバナンス構築に向けたホールディングス化の検討
2)日本市場向けSNSマーケティング支援事業
・戦略投資してきた事業の立ち上げと、着実な成長
・より包括的な解析及び提案能力の構築
3)中国市場向けマーケティング支援事業
・商品ラインナップと販売チャネルの拡充による越境ECサービスの強化な成長
・急速な事業拡大に合わせた体制の進化と強化
4)SNSデータアクセス権販売事業
・さらなるデータアクセス権の獲得
・EUのデータ保護規制の改正などへの準備と対策
以下において、当社及び当社の連結子会社で構成される当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、投資者の判断に重要な影響をおよぼす可能性のある事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限られるものではありません。
今般、ソーシャルメディアが増々浸透し、生活者がインターネット上に発信するデータが日々大量に生成されるようになりました。このような状況において、ソーシャルメディアデータに関する法整備においては、2010年1月に施行された改正著作権法でインターネット上の検索サービスを提供する事業者がその検索サービスに必要な情報を収集する行為が一定の条件下で認められるようになったほか、2019年1月に施行された改正著作権法では、柔軟性のある権利制限規定が設けられ、著作物の利用について従来より一定程度の緩和がされるようになりました。しかしながら、今後の新たな法律の制定や既存の法律の変更により、自主規制が求められるようになる可能性があります。また、EU一般データ保護規則をはじめとする諸外国・地域における法令等の制定や変更により、当社グループのビジネスに影響を与え得る事態が生じることも想定されます。このように当社グループのサービスを提供する上での情報収集やサービスの提供の仕方自体に何らかの制約を受けた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、ソーシャルメディアから日々大量に生成されるソーシャルメディアデータを有償又は無償にて情報取得しております。しかしながら、ソーシャルメディアの運営側の方針転換により、情報提供の方針に変更が加えられた場合、サービスの品質が低下し、また、情報の取得に対して追加コストが発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業は、サービスの基盤を大規模なコンピュータサーバー群やインターネット通信網に依存しております。そのため、顧客へのサービス提供が妨げられるようなシステム障害の発生やサイバー攻撃によるシステムダウン等を回避すべく、稼働状況の監視及びシステムの冗長化、セキュリティー対策等の未然防止策を実施しております。しかしながら、このような対応にもかかわらず大規模なシステム障害が発生した場合には、サービスの提供に支障をきたし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
2018年12月期現在、普千商務諮詢有限公司に12百万円を出資しております。これら投資先の経営の悪化あるいは運用成績の悪化により投資額の価値が著しく下落し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
・当社グループ保有の知的財産権について
当社グループでは「ホットリンク/HOTTO LINK」「トレンドExpress」「BuzzSpreader」等の社名及びサービス名について商標登録を行っております。今後も知的財産権の保全に積極的に取り組む予定ですが、当社グループの知的財産権が第三者に侵害された場合には、解決までに多くの時間及び費用がかかるなど、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
・当社による第三者の知的財産権侵害について
当社グループによる第三者の知的財産権の侵害については、可能な範囲で調査を行い対応しております。しかしながら、当社グループの事業領域における第三者の知的財産権を完全に把握することは困難であり、当社グループが認識せずに他社の特許を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合には当社グループに対する損害賠償請求や、ロイヤリティの支払要求等が行われることにより、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 人材確保・維持について
当社グループの成長を支えている最大の資産は人材であり、優秀な人材の採用と維持は当社にとって重要な課題であると認識しております。当社グループでは、優秀な人材の確保と育成については最大限の努力を払っておりますが、優秀な人材を確保・育成できない場合、また事業変革に伴うニーズにマッチした人材の補充ができない場合、当社グループの経営成績や成長に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは今後の業容拡大を踏まえ、内部管理体制の強化を進めており、具体的には規程・マニュアルの制定、監査役監査及び内部監査の実施により、法令やルールを順守する体制の充実を図っております。しかしながら、このような対応にもかかわらず法令等に抵触する事態や不正行為等が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、成長戦略のひとつとして、既存事業の関連分野におけるM&Aを国内外において検討・実施しており、これにより企業価値の向上と成長の加速を目指しております。
M&Aの実施に当たっては、事前に収益性や投資回収可能性に関する十分な調査及び検討を行っておりますが、買収後における事業環境の急変や想定外の事態の発生等により、買収事業が当初の目標どおりに推移せず、場合によっては当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは現在、成長過程にあると認識しており、獲得した資金については優先的にシステム等の設備投資、又は人材の採用、育成に充てるため、過去においては配当を行っておりませんでした。今後につきましては、株主に対する利益還元を経営上の重要な課題の一つとして認識し、将来的には中間配当又は期末配当による株主への利益還元を予定しております。しかしながら、重要な事業投資を優先する場合やキャッシュ・フローの状況によっては、配当を実施しない、あるいは予定していた配当を減ずる可能性もあります。
当社グループでは、グローバル展開を積極化しており、海外事業の存在感は徐々に高まってきております。海外事業においては、グローバル経済や為替などの動向、投資や競争などに関する法的規制、商習慣の相違、労使関係、国際政治など、さまざまなリスク要因があり、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績に大きな影響を与える可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度の業績は、売上高3,241百万円(前年同期比25.5%増)、営業利益328百万円(前年同期比160.9%増)、当期利益82百万円(前年同期比40.5%減)となりました。なお、EBITDAは704百万円(前年同期比45.0%増)となりました。
※EBITDA=営業利益+減価償却費及び償却費
事業毎の経営成績は、次のとおりであります。
当事業は、SNSの分析ツールである「クチコミ@係長」シリーズ、ソーシャルリスクの監視ツールである「e-mining」シリーズ及びSNSマーケティングツールである「BuzzSpreader®(バズスプレッダー)」から成り立っております。
「クチコミ@係長」シリーズは前期より堅調に推移したものの、「e-mining」シリーズは前期より減少し、当事業の売上高は755百万円(前年同期比5.0%減)となりました。
なお、12月にe-mining事業を行う連結子会社である株式会社リリーフサインの発行済株式の過半数を、有限会社エスフロントに譲渡しております。
当事業は、主にSNSデータアクセス権の販売から成り立っております。
当社の米国子会社であるEffyis,Inc.のSNSデータアクセス権の販売が継続して好調だったことにより、当事業の売上高は1,878百万円(前年同期比22.3%増)となりました。
当事業は、主にソーシャル・ビッグデータを活用したクロスバウンドの消費行動を分析するレポーティングサービスとプロモーション支援サービスから成り立っております。
レポーティングサービスは堅調な売上を維持しております。プロモーションサービスは前年度の後半よりサービスを開始しており、売上は順調に推移しております。以上のことから、当事業の売上高は606百万円(前年同期比141.6%増)となりました。
主な費用の項目は以下の通りになります。
販管費及び一般管理費は1,382百万円(前年同期比27.2%増)となりました。主な要因は、業容拡大に伴う人件費が増加したこと、ソリューション事業(海外)における売上増加に資する営業人件費が増加したこと及び新規顧客獲得のための広告宣伝費が増加したことによるものであります。
金融費用は23百万円(前年同期比24.9%減)となりました。主な要因は、借入金返済に伴う金融機関等への支払利息の減少によるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度に比べて901百万円増加し1,976百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、222百万円(前期は470百万円の増加)となりました。この主な要因は、減価償 却費及び償却費376百万円の調整によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、104百万円(前期は389百万円の使用)となりました。この主な要因は、無形資産の取得による支出439百万円、子会社株式(株式会社リリーフサイン)の売却による収入387百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、790百万円(前期は80百万円の増加)となりました。この主な要因は、借入金の返済1,088百万円、ストックオプションの行使による資本の増加1,810百万円によるものであります。
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
当連結会計年度の販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。なお、セグメント情報を記載していないため、サービス別に記載しております。
(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針及び 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
a.当社グループの当連結会計年度末における経営成績の状況は、次のとおりであります。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は3,241百万円(前年同期比25.5%増)となりました。この主な要因は、米国子会社であるEffyis,Inc.のSNSデータアクセス権の販売が継続して好調だったこと、プロモーションサービスの売上が順調に推移したことによります。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は1,912百万円(前年同期比39.5%増)となりました。この主な内訳は、減価償却費及び償却費368百万円、支払手数料633百万円、賃借料122百万円、業務委託費424百万円であります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,382百万円(前年同期比27.2%増)となりました。この主な内訳は、人件費(役員報酬、従業員給料及び手当、賞与引当金繰入額、法定福利費)611百万円、業務委託費212百万円、支払報酬75百万円、広告宣伝費87百万円であります。
(金融収益及び金融費用)
金融収益及び金融費用の主な内訳は支払利息18百万円(前年同期比36.0%減)であります。
以上の結果、当連結会計年度における業績は、売上高3,241百万円(前年同期比25.5%増)、営業利益328百万円(前年同期比160.9%増)、当期利益82百万円(前年同期比40.5%減)となりました。
b.当社グループの当連結会計年度における財政状態の状況は、次のとおりであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は2,441百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,014百万円増加いたしました。この主な要因は、新株予約権の行使により現金及び現金同等物が増加したことによるものであります。
(非流動資産)
当連結会計年度末における非流動資産の残高は、3,374百万円となり、前連結会計年度末に比べて208百万円増加いたしました。この主な要因は、投資有価証券の時価評価により増加したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、619百万円となり、前連結会計年度末に比べて836百万円減少いたしました。この主な要因は、借入金の返済によるものであります。
(非流動負債)
当連結会計年度末における非流動負債の残高は、557百万円となり、前連結会計年度末に比べて32百万円増加いたしました。この主な要因は、投資有価証券の時価評価により繰延税金負債が増加したことによるものであります。
(資本合計)
当連結会計年度末における資本合計の残高は、4,638百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,027百万円増加いたしました。この主な要因は、新株予約権の行使により、資本金及び資本剰余金が増加したことによるものであります。
当社グループの当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、業界の動向による影響や法的規制、人材の確保等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与えると認識しております。そのため、常に顧客ニーズに応えていくことにより、各リスク要因を把握し、そのリスクを分散・低減してまいります。
IFRSにより作成した連結財務諸表と日本基準により作成した連結財務諸表の経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異は次のとおりです。
(のれんの償却に関する事項)
日本基準において、のれんの償却についてはその効果の及ぶ期間を見積り、その期間で償却することとしておりましたが、IFRSではIFRS移行日以降の償却を停止しております。この影響によりIFRSでは日本基準に比べて、のれん償却額(販売費及び一般管理費)が前連結会計年度164,222千円、当連結会計年度137,889千円減少しております。
(注)詳細は「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 6.企業結合」に記載のとおりであります。
当社グループは、新規サービスの開発に向け、AI(人工知能)技術を用いてソーシャル・ビッグデータを分析し、SNSマーケティングや広告出稿を支援する機能の開発を進めております。AI(人工知能)技術のうち、特にテキストマイニング、情報拡散分析、画像解析に注力しております。同じく新規サービスの開発及び既存サービスの機能向上を図る目的で、AI(人工知能)技術を用いてソーシャル・ビッグデータから社会課題を発見する手法を大学及びPR会社と共同で進めております。また、ブロックチェーン技術にも着目し、東京大学のブロックチェーン寄付講座に参画すると共に、ブロックチェーン技術を用いた新たなサービス・事業の可能性について検討を重ねております。当連結会計年度における研究開発費は28百万円となっております。