第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 

(1) 経営の基本方針 

当社グループは、グループの存在意義として「Make the World “HOTTO” 知識循環型社会のインフラを担い、世界中の人々が“HOTTO(ほっと)”できる世界の実現に貢献する」を掲げています。ソーシャルメディアが利用され、知恵が社会全体で共有され、企業や個々人のために有効活用されるという、高度な知識循環の社会基盤が構築される中で、長年培ってきたテキストマイニング・機械学習・AI(人工知能)の基礎研究をもとに、真にAIオリエンテッド(AI志向)な企業としてグローバルな情報社会に貢献することを目指し、「データとAIで意思決定をサポートする」ことをグループの事業ミッションとして定めております。


(2) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

ソーシャルメディアが社会に広く普及したことにより、インターネットに接続する環境さえあれば、誰もが双方向のリアルタイムコミュニケーションを行える世の中となりました。現代は、企業側から人々への一方的な情報発信である従来のマスメディアだけではなく、ソーシャルメディアに投稿される様々な「生の声」が人々の購買傾向に大きな影響を与えております。近年、ソーシャルネットワーキングサービス等を利用している企業・個人の割合はともに上昇しており、総務省「平成 30 年通信利用動向調査の結果」報道資料によると、企業の活用状況は平成29年28.9%から平成30年36.7%に、個人の利用状況は同54.7%から60.0%へと年々増加しており、企業のマーケティングにおいても重要度は増しております。また世界においても、デジタルマーケティングの市場規模は、2019年は約36.5兆円、内ソーシャルメディアマーケティングは約11.2兆円、2023年には、それぞれ約46.6兆円、約13.7兆円に拡大すると推定されております(October 2019、Statista調べ)。当社グループの強みは、これらのインターネットやソーシャルメディアに投稿される様々なテキスト情報、画像や動画、位置情報などのソーシャル・ビッグデータをリアルタイムに収集し、人々の発言や行動内容を分析するテクノロジーを、2000年に設立しインターネット検索分析の創成期から事業として積み上げてきたことであります。この自社の分析テクノロジーをベースとし、拡大していくソーシャルメディアマーケティング市場において、企業や団体の様々な活動に貢献することによって企業価値を高めて参ります。


(経営戦略)

当社グループは、ソーシャル・ビッグデータ市場における事業者の役割を、次の3つに分類して捉えております。ソーシャル・ビッグデータの収集・加工・流通を担う「収集領域」、ソーシャル・ビッグデータの分析ツールやレポートを企業へ提供する「分析領域」、ソーシャル・ビッグデータによって企業のマーケティングやブランディング等に活用する「活用領域」です。この3つそれぞれの領域において、複数の事業をポートフォリオとして持ち、有機的に組み合わせ、中期的にはデータと分析テクノロジーを強みとした「活用領域」のマーケティング市場で事業を拡大していくことをグループの成長戦略としております。それぞれの分類における当社グループの事業は、次のとおりであります。

「収集領域」:ソリューション事業内 SNSデータアクセス権販売
「分析領域」:SaaS事業
「活用領域」:ソリューション事業内 日本国内のSNSマーケティング支援、クロスバウンド事業


(3)目標とする経営指標 

主な成長性・収益性の指標として、売上高、売上成長率及び営業利益率を重視しております。なお、当社は中長期的な成長を目指して新サービス開発、M&A等の投資を実行しておりますので、短期的には営業利益率が低下することがあります。

 

 

(4)対処すべき課題

当社グループは、業容の拡大及び経営の安定化を図っていくうえで、以下を会社の対処すべき課題と捉えております。 

 

1) グループ全体

・ガバナンスと経営スピードを両立できるグループ経営管理体制の構築
・IR強化による、市場への十分な事業状況の説明
  

2) SaaS事業

・世界的に進む個人情報保護規制による必要なソーシャルメディアデータの値上がりと、それに伴う利益率の低下への対策

・参入企業の増加とグローバル化による競争の激化への対応
・売上に寄与する新規商品の開発 


3) ソリューション事業 

・日本市場向けSNSマーケティング支援サービスの拡大に対応する人材の採用・育成、および生産性向上のための社内業務の効率化

・SNSデータアクセス権販売における、個人情報保護規制による市場の需要の変化への対策とビジネスチャンス化
 

4) クロスバウンド事業 

・中国市場向けマーケティング支援事業の急速な事業成長に合った体制の進化と強化
 

 

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社及び当社の連結子会社で構成される当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、投資者の判断に重要な影響をおよぼす可能性のある事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限られるものではありません。

 

① ソーシャルメディアデータの法整備について

今般、ソーシャルメディアが益々浸透し、生活者がインターネット上に発信するデータが日々大量に生成されるようになりました。このような状況において、ソーシャルメディアデータに関する法整備においては、過去二度にわたる著作権法の改正により、インターネット上の検索サービスを提供する事業者がその検索サービスに必要な情報を収集する行為が一定の条件下で認められるようになったほか、柔軟性のある権利制限規定が設けられ、著作物の利用について従来より一定程度の緩和がされるようになりました。しかしながら、今後の新たな法律の制定や既存の法律の変更により、自主規制が求められるようになる可能性があります。また、EU一般データ保護規則をはじめとする諸外国・地域における法令等の制定や変更により、当社グループのビジネスに影響を与え得る事態が生じることも想定されます。このように当社グループのサービスを提供する上での情報収集やサービスの提供の仕方自体に何らかの制約を受けた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 情報の取得について

当社グループは、ソーシャルメディアから日々大量に生成されるソーシャルメディアデータを有償又は無償にて情報取得しております。しかしながら、ソーシャルメディアの運営側の方針転換により、情報提供の方針に変更が加えられた場合、サービスの品質が低下し、また、情報の取得に対して追加コストが発生し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ システム障害について

当社グループの事業は、サービスの基盤を大規模なコンピュータサーバー群やインターネット通信網に依存しております。そのため、顧客へのサービス提供が妨げられるようなシステム障害の発生やサイバー攻撃によるシステムダウン等を回避すべく、稼働状況の監視及びシステムの冗長化、セキュリティー対策等の未然防止策を実施しております。しかしながら、このような対応にもかかわらず大規模なシステム障害が発生した場合には、サービスの提供に支障をきたし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 投資に関するリスク

当社グループは、更なる成長領域の拡大のために、新たな事業への進出あるいは他企業等への出資その他投資を行うことがありますが、この投資が所期する効果を得られない可能性、これら投資先企業の経営の悪化あるいは運用成績の悪化により投資額の価値が著しく下落し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 知的財産権におけるリスク

・当社グループ保有の知的財産権について

当社グループでは「ホットリンク/HOTTO LINK」「Trend Express」「BUZZ SPREADER」「ULSSAS」等の社名及びサービス名について商標登録を行っております。今後も知的財産権の保全に積極的に取り組む予定ですが、当社グループの知的財産権が第三者に侵害された場合には、解決までに多くの時間及び費用がかかるなど、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

・当社による第三者の知的財産権侵害について

当社グループによる第三者の知的財産権の侵害については、可能な範囲で調査を行い対応しております。しかしながら、当社グループの事業領域における第三者の知的財産権を完全に把握することは困難であり、当社グループが認識せずに他社の特許を侵害してしまう可能性は否定できません。この場合には当社グループに対する損害賠償請求や、ロイヤリティの支払要求等が行われることにより、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 人材確保・維持について

当社グループの成長を支えている最大の資産は人材であり、優秀な人材の採用と維持は当社にとって重要な課題であると認識しております。当社グループでは、優秀な人材の確保と育成については最大限の努力を払っておりますが、優秀な人材を確保・育成できない場合、また事業変革に伴うニーズにマッチした人材の補充ができない場合、当社グループの経営成績や成長に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 内部管理体制について

当社グループは今後の業容拡大を踏まえ、内部管理体制の強化を進めており、具体的には規程・マニュアルの制定、監査役監査及び内部監査の実施により、法令やルールを順守する体制の充実を図っております。しかしながら、このような対応にもかかわらず法令等に抵触する事態や不正行為等が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ M&Aに関するリスク

当社グループは、成長戦略のひとつとして、既存事業の関連分野におけるM&Aを国内外において検討・実施しており、これにより企業価値の向上と成長の加速を目指しております。
M&Aの実施に当たっては、事前に収益性や投資回収可能性に関する十分な調査及び検討を行っておりますが、買収後における事業環境の急変や想定外の事態の発生等により、買収事業が当初の目標どおりに推移せず、場合によっては当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 配当政策について

当社グループは現在、成長過程にあると認識しており、獲得した資金については優先的にシステム等の設備投資、又は人材の採用、育成に充てるため、過去においては配当を行っておりませんでした。今後につきましては、株主に対する利益還元を経営上の重要な課題の一つとして認識し、将来的には中間配当又は期末配当による株主への利益還元を予定しております。しかしながら、重要な事業投資を優先する場合やキャッシュ・フローの状況によっては、配当を実施しない、あるいは予定していた配当を減ずる可能性もあります。

 

⑩ 海外展開等に伴うリスクについて


当社グループでは、グローバル展開を積極化しており、海外事業の存在感は徐々に高まってきております。日本国内のみならず海外事業においても、グローバル経済や為替などの動向、投資や競争などに関する法的規制、商習慣の相違、労使関係、国際政治、テロ攻撃、地域紛争、戦争、疫病の発生・蔓延など、さまざまなリスク要因があり、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績に大きな影響を与える可能性があります。

 

⑪ 重要な訴訟について

当社グループは、米国子会社Effyis, Inc.と共同で、元取締役のDarren Kelly氏に対し、和解合意の有効性の確認等で、ミシガン州東部地区連邦地方裁判所に提訴しております。この訴訟においては、同氏より控訴がなされており、今後の訴訟の展開によっては、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度(以下「当期」という)における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当社グループは、当期において事業規模の拡大を最優先し、過去最高の売上高を実現するため積極的に投資を進めることを事業方針としました。この結果、当期の売上高は3,695百万円(前年同期比14.0%増)と過去最高を計上することができました。

一方、利益面においては、人材等の先行投資や一時的費用がかさんだことに加え、ヨーロッパにおけるプライバシー保護規則(GDPR)の影響によりソーシャルメディアビッグデータアクセス権の市場環境が大きく変化し、この変化への対応に時間を要したため、米国子会社Effyis.Incの利益率が悪化しました。これらの要因により、営業損失1,699百万円(前年同期は328百万円の利益)、当期損失1,679百万円(前年同期は82百万円の利益)となりました。なお、EBITDAは△278百万円(前年同期は704百万円)となりました。
※EBITDA=営業利益+減価償却費及び償却費

 

財政状態については、次のとおりであります。

当期末の資産合計は、前期末に比べ430百万円減少し、5,385百万円となりました。
当期末の負債合計は、前期末に比べ1,155百万円増加し、2,332百万円となりました。
当期末の資本合計は、前期末に比べ1,585百万円減少し、3,053百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前期に比べて275百万円減少1,700百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は、379百万円(前期は222百万円の増加)となりました。この主な要因は、税引前損失1,707百万円、法人所得税の支払194百万円により資金が減少した一方、減損損失759百万円、減価償却費及び償却費482百万円、無形資産の除却損178百万円などの非資金項目の調整により資金が増加したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、538百万円(前期は104百万円の使用)となりました。この主な要因は、無形資産の取得による支出456百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、648百万円(前期は790百万円の増加)となりました。この主な要因は、子会社の新株発行による収入479百万円、長期借入による収入319百万円、長期借入金の返済による支出67百万円、リース負債の返済による支出87百万円によるものであります。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等連結財務諸表注記3.重要な会計方針及び4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当期末時点において判断したものです。

 

当社グループは、ソーシャルメディアマーケティング支援事業の単一セグメントであり、当該事業は、SaaS事業、ソリューション事業及びクロスバウンド事業の各サービスにより構成されております。当期のグループ全体、事業別の振り返りは、次のとおりであります。

 

1) グループ全体

当社グループは、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略」に記載の経営戦略の元、当期においては、事業規模の拡大を最優先し、過去最高の売上高を実現するため積極的に投資を進めることを事業方針としました。その結果、売上高については、3,695百万円と過去最高を計上することができました。しかし、中国経済の減速の影響により、クロスバウンド事業における越境ECサービスの中国国内での購買意欲の低下が続いたこと、ソーシャルメディアビッグデータアクセス権の市場環境が大きく変化した等の影響から、全体的には好調に推移したものの、売上成長率は当初見込みより下回る前年同期比14.0%増に留まることとなりました。利益面においても、ソーシャルメディアビッグデータアクセス権の市場環境の変化への対応の影響が大きかったことから、機動的かつグループ一体で効果的な施策を打つため、当サービスを担う米国子会社Effyis,Inc. のCEOに2019年12月より当社代表取締役内山幸樹が就任しております。当期の状況については、各四半期の決算補足資料において説明し、また年2回の決算説明会、投資家とのワンオンワンミーティング等を通じて、市場への十分な事業説明に努めて参りました。
 

 2) SaaS事業

当事業は、SNSの分析/マーケティングツールである「BuzzSpreader powered byクチコミ@係長」シリーズから成り立っております。「BuzzSpreader powered byクチコミ@係長」シリーズは前年同期と比較し堅調に推移したものの、当事業の売上高は478百万円(前年同期比36.7%減)となりました。これは2018年12月にe-mining事業を行う連結子会社である株式会社リリーフサインの発行済株式の過半を、有限会社エスフロントに譲渡したことにより、「e-mining」シリーズの売上高が当期以降では計上されないためとなります。分析に必要なSNSプラットフォーマーからのデータ原価が前期より値上りしましたが、社内効率化努力などにより一定の利益率は保持しております。当市場においては、グローバル企業による日本市場への参入と価格帯ごとの競争環境の激化が起こっておりますが、設立以来蓄積してきた分析技術とソーシャル・ビッグデータを強みとし、顧客の求める十分で使いやすい機能を提供することで一定の評価をいただいております。また、売上に寄与する新規商品の開発については引き続き努めて参ります。
 

3) ソリューション事業

当事業は、主に日本国内のSNSマーケティング支援と、SNSデータアクセス権の販売から成り立っております。

日本国内のSNSマーケティング支援および当社の米国子会社であるEffyis,Inc.のSNSデータアクセス権の販売が継続して好調だったことにより、当事業の売上高は2,126百万円(前年同期比13.2%増)となりました。

SNSマーケティング支援のサービスについては、2018年度よりを本格的に開始しており、当期においても順調に実績を積み上げております。当サービスは、当社が保有する膨大なデータと、長年に渡り蓄積してきたSNS分析・運用ノウハウで、分析から施策立案、効果測定までを一気通貫でサポートするものであります。人材の採用及び育成が重要な要素であるため、人材投資を重点的に行い、順調に体制の整備が進んでおります。また、SNS広告・コンサルの社内業務の効率化に資するAI搭載のシステムを開発しております。

SNSデータアクセス権の販売のサービスは、指標となる顧客からの月額利用料が順調に増加しております。これは、世界中のソーシャル・ビッグデータを保有するメディアとの間で良好な関係を維持しており、安定したデータ提供や新規メディアからのデータアクセス権の契約が順調に獲得できていることが背景にあります。2018年度において発生した新規SNSデータアクセス権の獲得に伴うミニマムギャランティーについては、当第3四半期連結会計期間から投資の回収フェーズに入っております。一方、ヨーロッパにおけるプライバシー保護規則(GDPR)によりデータアクセス権の販売構成が変わるなど、世界のソーシャルメディアビッグデータアクセス権市場環境は大きく変化しており、効果的な新規市場の選別と開拓に取り組んでおります。

 

4)クロスバウンド事業

当事業は、主にソーシャル・ビッグデータを活用したクロスバウンドの消費行動を分析するレポーティングとプロモーション支援、越境ECサービスから成り立っております。レポーティング等は堅調な売上を維持、プロモーションサービスの売上は好調に推移しました。以上のことから、当事業の売上高は1,090百万円(前年同期比79.8%増)となりました。

当事業を構成するサービスは、子会社である株式会社トレンドExpressが提供しており、中国国内での事前の市場調査の実施、訴求戦略の策定、露出メディアの選定、プロモーション実施後の効果測定までの一連のサービスを提供する、「トレンドPR」を販売し、順調に販売を伸ばしております。また、中国最大級のCtoCソーシャルコマースアプリ「微店」と日中間の越境EC事業について業務提携を行いました。本提携により、日中間で45万店舗に及ぶソーシャルバイヤーネットワークを活かし、販路拡大を実現する越境ECサービス「越境EC X(クロス)」の販売を開始、さらに、2019年5月よりソーシャルバイヤーの活動支援および中国での日本商品の認知度拡大を図るアプリ「World X」を本格展開しております。急速に伸びている当事業の株式会社トレンドExpressの成長資金として、第三者割当増資による479百万円の資金調達を行いました。

 

(連結財政状態計算書)

・資産の部

 流動資産は、現金及び現金同等物が減少したこと等により、前期末に比べて112百万円減少し、2,328百万円となりました。これは主に、事業拡大に向け新規顧客の開拓及び事業活動に必要となる人材への投資によるものです。

非流動資産は、前期末に比べて317百万円減少し、3,056百万円となりました。これは主に、米国子会社Effyis.Incに係るのれんの減損759百万円および当社におけるソフトウェアの除却損178百万円を計上した一方、IFRS第16号リースの適用により使用権資産が770百万円増加したことによるものです。

以上により、当期末における総資産は前期末に比べて430百万円減少し、5,385百万円となりました。
 

 ・負債の部

流動負債は、営業債務及びその他の債務が143百万円増加したことにより、前期末に比べて172百万円増加し、792百万円となりました。

非流動負債は、前期末に比べて982百万円増加し、1,539百万円となりました。これは主に、IFRS第16号の適用によるリース負債の増加698百万円と、借入金の増加232百万円によるものであります。

以上により、当期末における負債の合計は前期末に比べて1,155百万円増加し、2,332百万円となりました。

 

・資本の部

資本合計は、前期末に比べて1,585百万円減少し、3,053百万円となりました。これは主に、のれんの減損759百万円を計上したこと及び、事業拡大に向け先行投資を行いましたが、現時点で利益に寄与する段階ではなく、利益剰余金が1,819百万円減少したことによるものであります。
 

 

(連結損益計算書)

・売上高

当期において事業規模の拡大を最優先し、過去最高の売上高を実現するため積極的に投資を進めることを事業方針としました。この結果、前期に比べて454百万円(+14.0%)増加し、3,695百万円となりました。

事業別の売上高は、次のとおりであります。

サービスの名称

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

ソーシャルメディアマーケティング支援事業

 

 

SaaS

478,469

63.3

ソリューション

2,126,465

113.2

日本市場向けSNSマーケティング支援

477,689

188.6

SNSデータアクセス権販売

1,648,775

101.4

クロスバウンド

1,090,872

179.8

合計

3,695,806

114.0

 

 

・営業費用及び営業利益

利益面においては、事業規模拡大のための人材等の先行投資や一時的費用がかさんだことに加え、ヨーロッパにおけるプライバシー保護規則(GDPR)の影響によりソーシャルメディアビッグデータアクセス権の市場環境が大きく変化し、この変化への対応に時間を要したため、米国子会社Effyis.Incの利益率が悪化しました。

 

売上原価は、前連結会計年度に比べて669百万円(+35.0%)増加し、2,582百万円となりました。これは、売上高増に伴う増加の他、SaaS事業の分析に必要なSNSプラットフォーマーからのデータ原価の値上り、またソリューション事業のSNSデータアクセス権市場において、ヨーロッパにおけるプライバシー保護規則(GDPR)の影響により、ロイヤリティ(権利使用料)の付加された原価の高いデータアクセス権の売上比率が上がったこと、これに対応するための新規市場向け開発コストがかかったこと等が主な要因であります。

 

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ512百万円(+37.1%)増加し、1,895百万円となりました。主な要因は、事業規模の拡大に伴う人件費および業務委託費が増加したこと、ソーシャルメディアビッグデータアクセス権の市場環境が大きく変化したことにより一部の顧客の経営環境が悪化し、貸倒引当金繰入額が増加したこと等によるものであります。
 

米国子会社Effyis.Incは当連結会計年度において上記の要因から利益率が悪化し、想定されていた利益が見込まれないこととなったため、国際会計基準(IFRS)に基づく減損テストを実施し、その公正価値が帳簿価額を下回ることとなったため、のれんの減損損失759百万円を計上しました。

当期は、その他の費用942百万円を計上しておりますが、内759百万円がこののれんの減損です。この他の主な要因は、ソフトウェアの除却損178百万円であります。

 
 以上の結果、営業損失は1,699百万円(前連結会計年度は営業利益328百万円)となりました。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当期の税引前損失1,707百万円、法人所得税の支払194百万円により資金が減少しましたが、のれんの減損損失759百万円、減価償却費及び償却費482百万円、ソフトウェアの除却損178百万円などの非資金項目の調整を行った結果、営業活動によるキャッシュ・フローは379百万円の支出となりました。
 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、538百万円の支出となりました。これは主としてソフトウェアの開発に係る無形資産の取得による支出456百万円によるものであります。

 
 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

子会社の成長資金のための新株発行479百万円、当社グループの経営の機動性を確保するための長期借入金319百万円などの資金調達を行った一方で、長期借入金の返済67百万円やリース負債の返済87百万円などを行ったことから、財務活動によるキャッシュ・フローは648百万円の収入となりました。

 
 ④ 資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、運転資金及び設備投資資金(主にソフトウェア等)につきましては、資金需要は手元資金で賄うことを基本としつつ、短期の運転資金の調達のために、必要に応じて変動金利の有利子負債による資金調達を実施しております。

当連結会計年度においては、子会社の成長資金として、第三者割当増資による479百万円の資金調達を行いました。

当期末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、1,388百万円となっています。また、当期末における現金及び現金同等物の残高は1,700百万円となっています。
 

⑤ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、売上高、売上成長率及び営業利益率を重視しております。当連結会計年度における売上高は3,695百万円、売上成長率は14.0%(前連結会計年度は25.5%)であります。営業利益率については、営業損失1,699百万円(前年同期は328百万円の利益)となりました。詳細につきましては、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」をご参照ください。
 

4 【経営上の重要な契約等】

 

契約会社名

契約締結先

契約の内容

契約期間

㈱ホットリンク

東京プラス㈱

㈲未来検索ブラジル

2ちゃんねるサイトの掲載情報及びコンテンツの独占利用許諾

2012年10月1日から1年間

(以後1年ごとの自動更新)

㈱ホットリンク

㈱エヌ・ティ・ティ・データ

Twitterデータの購入

2019年2月1日から半年間(以後半年ごとの自動更新)

数慧光(上海)商務諮詢有限公司

普千(上海)商務諮詢有限公司

普千(上海)商務諮詢有限公司の全部の事業の譲受け

 

(注)詳細は「第5経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記30.後発事象」に記載のとおりであります。

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、ソーシャルメディアマーケティングの効率化・高付加価値化や新規サービスの開発に向け、AI(人工知能)技術を用いてソーシャル・ビッグデータを分析し、ソーシャルメディアアカウント運用や広告出稿を支援する機能の開発を進めております。AI(人工知能)技術のうち、特にテキストマイニング、情報拡散分析、画像解析に注力しております。同じく新規サービスの開発及び既存サービスの機能向上を図る目的で、AI(人工知能)技術を用いてソーシャル・ビッグデータから社会課題を発見する手法を大学及びPR会社と共同で進めております。また、ブロックチェーン技術にも着目し、東京大学のブロックチェーン寄付講座に参画すると共に、ブロックチェーン技術を用いた新たなサービス・事業の可能性について検討を重ねております。当連結会計年度における研究開発費は44百万円となっております。