(1)経営の基本方針
当社グループは、「質の高い総合金融サービスの提供を通じ、地域とともに、ゆたかな未来を創り続けます。」をグループ経営理念に掲げ、グループの創意を結集し、地域の持続的成長に貢献していく方針です。また「地域の未来を創造する総合金融サービスグループ」を目指す姿に掲げ、株式会社常陽銀行と株式会社足利銀行が培ってきたお客さま、地域とのリレーション、地域への深い理解を維持・深化しつつ、広域ネットワークを活用した経済交流圏域の広がりの追求、総合金融サービスの規模・範囲の拡大を図り、「地域産業の掘り起し、地域経済の活性化や新たな市場創造」に取り組み、地域とともに成長を目指してまいります。
(2)経営環境及び優先的に対処すべき課題
①金融経済環境
2020年度のわが国経済は、世界規模で拡大した新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」といいます。)に翻弄された一年となりました。年度当初は、4月に全国に発せられた緊急事態宣言に伴う経済活動の大幅な縮小により、個人消費や企業収益が急速に悪化しました。夏場以降は感染拡大の防止策を講じながら社会経済活動のレベルが徐々に引き上げられたことにより、年度後半は景気に持ち直しの動きが見られましたが、新型コロナの深刻化や長期化の懸念は拭えず、先行き不透明な状況が続きました。
当社グループの主要営業地盤である北関東地域においても、わが国経済と同様に、景気は年度初めの大幅な落ち込みからの持ち直しの動きは続いたものの、業種により業績の強弱が明確に見られるなど、予断を許さない状況が続きました。
金融市場では、円の対米ドル相場は、年度初めから年明けまで緩やかな円高基調で推移し、1ドル・102円台まで円高ドル安が進みましたが、米国の追加景気対策への期待や新型コロナワクチン供給量の拡大見通しなどから、年度末にかけて円安ドル高が進み、1ドル・110円台後半の水準となりました。日経平均株価は、国内での新型コロナ感染者の抑制状況や、各国における新型コロナ景気対策の前進、ならびに新型コロナワクチン開発の進展などを背景に、年度を通じて概ね右肩上がりで株高が進み、年度末は29,000円前後での値動きとなりました。また、長期金利は米国の金利上昇などを受け、年明け以降急上昇し、一時約5年ぶりに0.16%を超えましたが、年度末は0.1%を下回る水準となりました。
②経営環境
地域金融機関を取り巻く経営環境は、長引く金融緩和政策や競争の激化などにより、預金や貸出金といった伝統的な金融サービス分野において厳しさを増しています。また、地域の課題は、人口減少や少子高齢化の進行に留まらず、気候変動に起因する自然災害や環境保全、デジタライゼーションへの対応など多岐にわたっております。さらに、新型コロナの世界的な感染拡大は、社会経済活動に未曾有の影響を及ぼすと同時に、社会生活や行動態様にも大きな変化をもたらし、感染拡大前からの環境変化のスピードを加速させています。
③優先的に対処すべき課題
上記の経営環境を踏まえ、当社グループは、子銀行である常陽銀行、足利銀行(以下、常陽銀行と足利銀行をあわせて「両子銀行」といいます。)が長年培ってきた地域への深い理解やお客さまとのリレーション、経営統合によって生まれた広域ネットワークを最大限に活かし、お客さまと地域の成長・課題解決支援へ取り組むとともに、デジタル化やデータの利活用を通じたサービスレベル向上や構造改革による生産性向上をより一層進め、お客さまと地域の課題解決に貢献していく必要があると認識しております。
このため、当社グループは、第2次グループ中期経営計画の目指す姿である「地域の未来を創造する総合金融サービスグループ」を実現すべく、バンキングアプリをはじめとする、ITやデジタル技術を活用した取引チャネルの多様化によるお客さまとの接点の多様化、ならびにコンサルティング機能の強化を中心に、地域とともに成長するビジネスモデルを構築するとともに、SDGsの達成に向けた取り組みを強化していくことで当社グループの持続的な成長による企業価値の向上に取り組んでまいります。これらの活動の中で、新型コロナの影響を受けた地域とお客さまの支援に全力で取り組み、円滑な金融サービス機能の提供を通じて地域経済の持続的成長に貢献してまいります。また、グループ経営の更なる効率化と次なる成長に向けた経営資源捻出のためのチャネル・ネットワークの最適化や、グループ内子会社・子銀行組織の統一化などの構造改革をより一層進めてまいります。
(3)中期的な経営戦略
当社グループは、目指す姿を「地域の未来を創造する総合金融サービスグループ」とする第2次グループ中期経営計画(計画期間:2019年度から2021年度までの3年間)を展開しております。当期におきましても、「地域とともに成長するビジネスモデルの構築」、「生産性向上に向けた構造改革」、「価値創造を担う人材の育成」の3つの基本戦略のもと、経営統合の本格的な成果を実現し、次なる成長につなげるための諸施策に取り組みました。あわせて、お客さまや社員の新型コロナ感染予防に万全を尽くしつつ、新型コロナの影響を受けた取引先事業者や個人のお客さまに対し、実質無利子・無担保融資等を活用した資金繰り支援をはじめ、円滑な金融サービス機能の提供に当社グループをあげて全力を尽くしました。
① 地域とともに成長するビジネスモデルの構築
両子銀行は、法人向けコンサルティング営業体制を強化し、取引先事業者の経営課題の解決やデジタル化支援、両子銀行のネットワークを活用した販路拡大などに取り組みました。また、ベンチャー企業の育成・支援や事業承継・事業再生に取り組む企業への資金提供、経営支援を積極的に行うべく、両子銀行において投資専門子会社を設立し、ファンド運営及び積極的なエクイティ投資をはじめとした金融仲介機能を拡充いたしました。
個人のお客さまには、新型コロナ禍で加速する非対面取引ニーズへの対応として、WEBを活用した面談ツールや来店予約サービスの導入、WEB完結型医療保険の提供を開始したほか、2021年3月には「銀行を持ち歩く」をコンセプトに、株式会社りそなホールディングスと共同で開発した、お客さまに日常使いしていただくための「バンキングアプリ」のサービス提供を開始いたしました。高齢社会における金融ジェロントロジーの知見を活用した取り組みでは、緊急時に事前にご登録いただいたご本人の家族に連絡することを可能とする「家族連絡先登録制度」を開始したほか、ご自宅等の不動産を有効活用し、自宅に居住しながらゆとりある暮らしを応援するリバースモーゲージ型住宅ローン及びリースバックの取扱いを開始するなど、地域の皆さまが安心して暮らし続けることができる地域社会の実現に向けた取り組みを強化いたしました。
② 生産性向上に向けた構造改革
2020年1月に実施した、両子銀行の基幹システム統合のメリットを最大限に享受すべく、当社グループ内の事務の共通化・共同化・統合を牽引する部署を当社内に新設いたしました。また、非対面取引チャネルの充実と合わせ、両子銀行の店舗統廃合や店舗形態見直し、店舗の共同化など、チャネル・ネットワークの最適化を進めるとともに、税金等にかかる預金口座振替手続きに際しての押印省略や普通預金口座解約時の事務手続き簡素化など、お客さまの店頭窓口での利便性向上にも積極的に取り組みました。
さらに、グループガバナンス態勢を強化すべく、両子銀行が新規に取り扱うローンに対する保証業務をめぶき信用保証株式会社に一本化しグループ経営資源の最適化を図りました。
③ 価値創造を担う人材の育成
ITやデジタル技術を活用できる人材の育成を目的としたITパスポート試験等の資格取得支援や、女性従業員の活躍推進に向けた「めぶき女性塾」の両子銀行での合同開催など、新たな価値創造を担う人材の育成強化と当社グループの更なる融合に取り組みました。
上記の取り組みに加え、気候変動にかかる影響を分析・開示する国際的な枠組みである「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言に賛同するとともに、「環境・社会に配慮した投融資方針」に基づき適切に対応することで、環境・社会への影響の低減・回避に取り組んでおります。
更に、気候変動および環境保全への対応を含む地域の持続的な成長(SDGsの達成)に向けた取り組みを推進するとともに、SDGs委員会(委員長:取締役社長)を立ち上げ、取組方針の策定および進捗を一元的に管理できる体制を整備しました。
こうした取り組みを通じて、質の高い総合金融サービスの提供を実践するとともに、当社グループの企業価値の向上を図り、地域とともに持続的な成長を目指してまいります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、第2次グループ中期経営計画の中で以下の経営指標を目標として利用し、各種施策に取り組んでおります。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクを記載しております。なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載が無い限り、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。当該リスクについては、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載のリスク管理体制のもと、適切に対応しております。
(1) 新型コロナウイルス感染症拡大の影響
当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により業況が悪化している事業者への支援に取り組んでおりますが、今後、更に経営環境が悪化した場合は、与信関係費用が増加し、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、当社グループが保有する有価証券については、適切なリスク管理態勢を構築しておりますが、金融市場が大きく変動した場合は、保有する有価証券の価格が下落し、減損処理等の損失発生により、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
(2) 戦略リスク
①ビジネス戦略
当社グループは、2019年4月から2022年3月までを計画期間とする第2次グループ中期経営計画(以下、「中期経営計画」といいます。)のほか、さまざまなビジネス戦略を実施しております。しかしながら、以下のような要因から、中期経営計画において業績目標としている利益等については、想定した結果を得られない可能性があります。
・中堅・中小企業を中心とした法人、および個人向けの貸出が想定通りに拡大しないこと
・市場金利の変化や競合激化により、貸出利回りが想定通りに推移しないこと
・経済環境の悪化による貸出先の業況悪化等により、与信関係費用が想定通りに推移しないこと
・株式市場の低迷や企業業績の悪化等により、株式等関連損益が想定通りに推移しないこと
・投資信託や保険等の預り資産商品の販売が想定通りに拡大しないこと
・長期金利の変動等により、債券関連損益等が想定通りに推移しないこと
②地域経済の動向に影響を受けるリスク
当社グループは、茨城県、栃木県およびその隣接地域を主な営業地盤としていることから、地域経済が悪化した場合は、業容の拡大が図れないほか、信用リスクが増加するなどして当社の業績および財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
③競争
金融制度の規制緩和や主要行等の中堅・中小企業向け貸出の強化などにより、一層競争が激化することで、当社グループの競争力が相対的に低下し、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
④自己資本比率
・自己資本比率の悪化
当社グループの2021年3月末の自己資本比率は10.87%(連結ベース)です。当社または銀行子会社の自己資本比率が国内基準で要求される4%を下回る場合は、金融庁から業務の全部または一部の停止等の命令を受けることとなります。
・繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得に関する予測・仮定を含めて繰延税金資産を算出しておりますが、予測・仮定の前提条件が変わることにより、繰延税金資産の全部または一部を回収できない場合には、当社グループの業績及び自己資本比率に悪影響が及ぶ可能性があります。
⑤規制変更
将来における法律、規則、会計基準、政策、実務慣行、解釈等の変更により、当社グループの業績遂行等に影響が発生し、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
(3) 信用リスク
①不良債権の状況
当社グループの金融再生法ベースの不良債権額(破産更生債権及びこれらに準ずる債権、危険債権、要管理債権の合計額)は、2021年3月末現在で1,810億円、総与信額に占める割合は、1.53%です。将来の景気、金融政策、地域経済の動向、不動産価格等の変動、当社グループの貸出先の業況の変動等によっては、予想以上に不良債権が増加し、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
②貸倒引当金の状況
当社グループは、貸倒による損失の発生状況や貸出先の状況、不動産・有価証券等担保の価値などに基づいて、貸倒引当金を計上しています。貸倒発生の増加、貸出先の業況の悪化、担保価値の下落等により貸倒引当金が増加し、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
③貸出先への対応
・中小企業等に対する貸出金について
当社グループは、地元の中小企業及び個人向け貸出金の増強に継続して取り組んでおり、小口化によるリスクの分散を図っておりますが、中小企業の業績や担保不動産の価格、個人の家計等の動向により、当社グループの業績及び財務内容に悪影響が及ぶ可能性があります。
・特定の業種等への取引集中に係るリスク
当社グループは、小口分散化された貸出ポートフォリオの構築を進めてきておりますが、不動産及び製造業に対する貸出金の占める割合が他の業種に比べて高くなっております。今後これらの業種の経営環境が悪化した場合は、不良債権額及び与信関係費用が増加し、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
(4)市場リスク
①保有株式のリスク
当社グループは、市場性のある株式を保有しておりますが、景気・市場の動向、株式発行体の業績悪化等により株式の価格が下落し、減損処理等の損失発生により、当社の業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
②投資活動に伴うリスク
当社グループは投資活動において、債券、投資信託等を保有するとともに、デリバティブ取引等を行っております。これらは、金利、為替、株価及び債券価格の変動リスク等を負っておりますので、当社グループに不利に変動した場合には、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
また、市場の混乱等により取引が出来ない、通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされる、あるいは減損処理等の損失発生の可能性があります。
③為替リスク
当社グループの資産及び負債の一部は外貨建てとなっております。これらの外貨建資産と負債の額が通貨毎に同額で相殺されない場合、または適切にヘッジされていない場合には、為替相場の不利な変動によって、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
(5) 流動性リスク
内外の経済情勢や市場環境が大きく変化した場合に、当社グループの資金繰りに悪影響を及ぼしたり、通常より高い金利での調達を余儀なくされる可能性があります。
格付機関により当社や銀行子会社の信用格付が引き下げられた場合には、インターバンク市場における当社グループへの与信限度額圧縮や短期借入金等の調達コストの増加を招き、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
(6)オペレーショナルリスク
①システムリスク
プログラムの不備、情報通信機器の故障、外部委託先の役務提供の瑕疵等の内的要因に加えて、災害、コンピューターの不正使用、サイバー攻撃等の外的要因により、当社グループの情報通信システムが停止または誤作動し、業務処理の誤りや遅延、情報の破壊や流出が生じるおそれがあります。この場合、損害賠償やシステムの機能回復等にかかる損失の発生、当社グループの社会的信用の低下等により、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
②事務リスク
当社グループはお客さまとの取引等に伴い膨大な事務処理を行っておりますが、適正な処理が行われなかった場合には、損害賠償責任を負うこと等により、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
③情報漏洩等
当社グループが管理している顧客情報や経営情報などについて漏洩、紛失、改ざん、不正使用等が発生した場合、損害賠償責任を負うことや社会的信用の低下等により、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
④内部管理
コンプライアンスが徹底しないことやリスク管理・内部監査態勢が適切に機能しないこと等により、不祥事件等を防げない場合には、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
⑤業務委託リスク
当社グループ業務の委託先において、当社グループが委託した業務に関し、事務事故、システム障害、情報漏洩などの事故が発生した場合、社会的信用の低下等により、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
⑥金融犯罪等に係るリスク
当社グループでは、キャッシュカードの偽造・盗難や振り込め詐欺等の金融犯罪による被害を防止するため、セキュリティ強化に向けた対策を講じております。また、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与防止を経営の重要な課題と位置付け、管理態勢の強化に取り組んでおります。しかしながら、高度化する金融犯罪等の発生により、不公正・不適切な取引を未然に防止できなかった場合、不測の損失の発生や信用失墜等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦自然災害等のリスク
地震や風水害等の自然災害、犯罪等により、当社グループの有形資産等が毀損することなどで、事業活動に支障が生じ、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。また、貸出先が被害を受けたり、不動産価格の低下による担保価値の下落の影響を受けることにより、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
⑧感染症の流行
新型インフルエンザ等感染症の流行により、地域の経済活動が停滞し、また、当社グループの事業活動に支障が生じ、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
⑨風評リスク
当社グループに関する謂れなき風評等により当社グループに対する信頼が低下し業務運営に支障をきたした場合、社会的信用の失墜等によって当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
(7) 気候変動リスク
気候変動に伴う異常気象や自然災害等によってもたらされる物理的な被害、気候関連の規制強化や低炭素社会への移行が当社グループ および貸出先の事業や財務状況に及ぼす悪影響等を通し、当社グループの業績及び財務状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
(8) その他のリスク
①退職給付に係る資産・負債
当社グループの年金資産の時価下落や、退職給付債務を計算する前提条件の変更などにより、退職給付費用が増加し、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
②固定資産の減損会計
固定資産の減損に係る会計基準および適用指針を適用し、所有する固定資産に損失が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
③財務報告に係る内部統制に関するリスク
当社は、金融商品取引法に基づき財務報告に係る内部統制の有効性を評価し、その結果を内部統制報告書において開示しております。
当社グループは、自らの事業活動全体が効率的かつ適正に行われ、財務報告の信頼性が確保できるよう適切な内部統制の構築に努めておりますが、予期しない重要な不備が発生した場合や、監査人より財務報告に係る内部統制が十分に機能していないと評価された場合は、当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
④持株会社のリスク
当社は銀行持株会社であるため、当社の収入の大部分を傘下の銀行子会社から受領する配当金に依存しております。一定の状況下で、様々な規制上または契約上の制限により、その金額が制限される場合があります。また、銀行子会社が十分な利益を計上することができず、当社に対して配当を支払えない状況が生じた場合には、当社株主に対する配当の支払が不可能となる可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、当社グループは、銀行業務を中心とした総合金融サービスを提供しております。当社グループが営む銀行業務以外の事業については重要性が乏しいことから、セグメント情報の記載を省略しております。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループの連結業績は、経常収益が前連結会計年度比80億11百万円減少の2,747億26百万円となり、経常費用が前連結会計年度比89億40百万円減少の2,206億17百万円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度比9億28百万円増加の541億8百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比1億8百万円増加の364億78百万円となりました。
また、包括利益は前連結会計年度と比べ1,498億30百万円の増加となりました。
当社グループの連結財政状態につきましては、総資産が、日本銀行への預け金の増加および個人・法人向け貸出金の増加等により、前連結会計年度比5兆303億円増加し22兆8,351億円となり、純資産はその他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度比1,166億円増加し9,989億円となりました。
主要勘定の残高につきましては、預金は、コロナ禍の影響等により、個人・法人預金を中心に前連結会計年度比1兆4,669億円増加の16兆2,236億円、貸出金は、住宅ローンや法人向け資金繰り支援の強化等により前連結会計年度比2,958億円増加の11兆6,383億円、有価証券は、相場動向に応じた適切なポートフォリオ運営に取り組んだ結果、前連結会計年度比2,570億円増加の4兆3,332億円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、個人向け及び法人向け貸出金が増加した一方、預金及び日本銀行からの借用金等の残高が増加したことから、前連結会計年度に比べ4兆3,052億円収入が増加し、4兆6,613億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得等により前連結会計年度に比べ2,884億円支出が増加し、1,123億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、劣後特約付借入金の返済による支出等があったものの、前年度の新株予約権付社債の償還による支出の剥落により、前連結会計年度に比べ75億円支出が減少となる426億円の支出となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べ4兆5,064億円増加し、6兆4,230億円となりました。
(参考)
(1) 国内・国際業務部門別収支
資金運用収支については、国内業務部門で1,363億40百万円、国際業務部門で138億50百万円、全体では1,501億68百万円となりました。
また、役務取引等収支については、国内業務部門で423億65百万円、国際業務部門で73百万円、全体では386億54百万円となりました。
(注)1 「国内」「海外」の区分に替えて、「国内業務部門」「国際業務部門」で区分しております。
国内業務部門は当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引及び特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 相殺消去額は、連結会社間の相殺消去及び国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借利息を計上しております。
3 資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度68百万円、当連結会計年度0百万円)を控除して表示しております。
資金運用勘定の平均残高は、国内業務部門で17兆2,590億円、国際業務部門で1兆846億円となり、合計で17兆957億円となりました。また、利回りは、国内業務部門が0.80%、国際業務部門で1.72%となり、全体で0.91%となりました。
一方、資金調達勘定の平均残高は、国内業務部門が19兆3,350億円、国際業務部門が1兆826億円となり、合計で19兆8,978億円となりました。また、利回りは、国内業務部門が0.00%、国際業務部門が0.45%となり、全体で0.03%となりました。
(注)1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、銀行業以外の連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 国内業務部門は、当社及び連結子会社の円建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度2,061,454百万円、当連結会計年度3,222,249百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度―百万円、当連結会計年度1,687百万円)及び利息(前連結会計年度―百万円、当連結会計年度0百万円)をそれぞれ控除して表示しております。
(注)1 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、銀行業以外の連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2 国際業務部門は、当社及び連結子会社の外貨建取引であります。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度3,415百万円、当連結会計年度2,042百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度3,800百万円、当連結会計年度1百万円)及び利息(前連結会計年度68百万円、当連結会計年度0百万円)をそれぞれ控除して表示しております。
(注)1 相殺消去額は、連結会社間の相殺消去並びに国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息を計上しております。
2 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度2,064,869百万円、当連結会計年度3,224,291百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度3,800百万円、当連結会計年度1,689百万円)及び利息(前連結会計年度68百万円、当連結会計年度0百万円)をそれぞれ控除して表示しております。
役務取引等収益は、国内業務部門が580億56百万円、国際業務部門が4億9百万円となり、合計で528億33百万円となりました。
一方、役務取引等費用は国内業務部門が156億90百万円、国際業務部門が3億36百万円となり、合計で141億79百万円となりました。
(注)1 国内業務部門は当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引及び特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 相殺消去額は、連結会社間の相殺消去額を計上しております。
特定取引収益は、国内業務部門で商品有価証券収益に86百万円、特定金融派生商品収益に3億12百万円、その他の特定取引収益に2百万円、国際業務部門で商品有価証券収益に38億50百万円計上いたしました。特定取引費用は、ありません。
(注)1 国内業務部門は、当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 相殺消去額は、連結会社間の相殺消去額を計上しております。
② 特定取引資産・負債の内訳(末残)
特定取引資産は、国内業務部門で商品有価証券に29億11百万円、特定金融派生商品に25億14百万円、その他の特定取引資産に69億99百万円計上いたしました。
特定取引負債は、国内業務部門で特定金融派生商品に10億24百万円計上いたしました。
(注)1 国内業務部門は、当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
2 相殺消去額は、連結会社間の相殺消去額を計上しております。
○ 預金の種類別残高(末残)
(注)1 流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
2 定期性預金=定期預金+定期積金
3 国内業務部門は当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引及び特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
4 相殺消去額は、連結会社間の相殺消去額を計上しております。
① 業種別貸出状況(末残・構成比)
(注)「国内」とは、当社及び連結子会社であります。
② 外国政府等向け債権残高(国別)
「外国政府等」とは、外国政府、中央銀行、政府関係機関又は国営企業及びこれらの所在する国の民間企業等であり、「銀行等金融機関の資産の自己査定並びに貸倒償却及び貸倒引当金の監査に関する実務指針」(日本公認会計士協会銀行等監査特別委員会報告第4号2012年7月4日)に規定する特定海外債権引当勘定を計上している国の外国政府等の債権残高を掲げることとしております。ただし、前連結会計年度及び当連結会計年度の外国政府等向け債権残高は該当ありません。
(7) 国内・国際業務部門別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
(注)1 「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
2 国内業務部門は当社及び連結子会社の円建取引、国際業務部門は当社及び連結子会社の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引及び特別国際金融取引勘定分等は国際業務部門に含めております。
3 相殺消去額は、連結会社間の相殺消去額を計上しております。
(8)「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、株式会社常陽銀行及び株式会社足利銀行の2行であります。
(注) 共同信託他社管理財産については、前連結会計年度及び当連結会計年度の取扱残高はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
また、当社グループは、銀行業務を中心とした総合金融サービスを提供しております。当社グループが営む銀行業務以外の事業については重要性が乏しいことから、経営成績等の状況に関する分析・検討内容の記載を省略しております。
①財政状況
(ⅰ)主要勘定の状況
当連結会計年度末の預金等(譲渡性預金を含む)及び貸出金の残高は、コロナ禍の状況下、当社の第2次グループ中期経営計画の基本戦略である「地域とともに成長するビジネスモデルの構築」に一層注力した結果、いずれも増加いたしました。
うち、預金等の残高は、個人預金を中心に前連結会計年度末に比べ、1兆4,752億円増加(増加率9.8%)となる16兆5,150億円(うち預金は16兆2,236億円)となりました。また、貸出金の残高は、住宅ローンやコロナ禍における企業向け資金繰り支援への積極的な取り組み等により、前連結会計年度末に比べ2,958億円増加(増加率2.6%)となる、11兆6,383億円となりました。
また、有価証券の残高は、相場動向に応じた適切なポートフォリオ運営に取り組んだ結果、前連結会計年度末に比べ2,570億円増加となる4兆3,332億円となりました。
(単位:百万円)
なお、当連結会計年度末における連結ベースのリスク管理債権残高は、1,797億円で、前連結会計年度末に比べて113億円増加となりました。
(単位:百万円)
(ⅱ)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、コロナ禍の状況下、当社の第2次グループ中期経営計画の基本戦略である「地域とともに成長するビジネスモデルの構築」への取り組み等により、個人向け及び法人向け貸出金が増加した一方、預金及び日本銀行からの借用金等の残高が増加したことから、前連結会計年度に比べ4兆3,052億円収入が増加し、4兆6,613億円の収入となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、相場動向に応じた適切な有価証券ポートフォリオ運営に取り組み、ポートフォリオのリバランスを実施した結果、有価証券の取得による支出が増加し、前連結会計年度に比べ2,884億円支出が増加し、1,123億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度に劣後特約付借入金の返済(300億円、支出要因)があったものの、前連結会計年度における新株予約権付社債の償還(332億円)や自己株式の取得(40億円)による支出等の剥落により、前連結会計年度に比べ75億円支出が減少し、426億円の支出となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度末に比べ4兆5,064億円増加し、6兆4,230億円となりました。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については以下のとおりです。
当面の設備投資、成長分野への投資ならびに株主還元等は自己資金で対応する予定であります。
また、当社グループは正確な資金繰りの把握及び資金繰りの安定に努めるとともに、適切なリスク管理体制を構築しております。貸出金や有価証券の運用については、大部分をお客さまからの預金にて調達するとともに、必要に応じて日銀借入金やコールマネー等により資金調達を行っております。なお、資金の流動性の状況等については定期的にALM・リスク管理委員会ならびに取締役会に報告しております。
次連結会計年度において計画している重要な設備の新設等及び資金調達方法は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1) 新設、改修」に記載のとおりです。今後の配当を含む株主還元については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。
経営成績
(ⅰ)経営戦略
当社グループは、目指す姿を「地域の未来を創造する総合金融サービスグループ」とする第2次グループ中期経営計画(計画期間:2019年度から2021年度までの3年間)を展開しております。当期におきましても、「地域とともに成長するビジネスモデルの構築」、「生産性向上に向けた構造改革」、「価値創造を担う人材の育成」の3つの基本戦略のもと、経営統合の本格的な成果を実現し、次なる成長につなげるための諸施策に取り組みました。あわせて、お客さまや社員の新型コロナ感染予防に万全を尽くしつつ、新型コロナの影響を受けた取引先事業者や個人のお客さまに対し、実質無利子・無担保融資等を活用した資金繰り支援をはじめ、円滑な金融サービス機能の提供に当社グループをあげて全力を尽くしました。
「地域とともに成長するビジネスモデルの構築」では、子銀行である常陽銀行、足利銀行(以下、常陽銀行と足利銀行をあわせて「両子銀行」といいます。)の法人向けコンサルティング営業体制を強化し、取引先事業者の経営課題の解決やデジタル化支援、両子銀行のネットワークを活用した販路拡大などに取り組みました。また、ベンチャー企業の育成・支援や事業承継・事業再生に取り組む企業への資金提供、経営支援を積極的に行うべく、両子銀行において投資専門子会社を設立し、ファンド運営及び積極的なエクイティ投資をはじめとした金融仲介機能を拡充いたしました。
個人のお客さまには、新型コロナ禍で加速する非対面取引ニーズへの対応として、WEBを活用した面談ツールや来店予約サービスの導入、WEB完結型医療保険の提供を開始したほか、2021年3月には「銀行を持ち歩く」をコンセプトに、株式会社りそなホールディングスと共同で開発した、お客さまに日常使いしていただくための「バンキングアプリ」のサービス提供を開始いたしました。高齢社会における金融ジェロントロジーの知見を活用した取り組みでは、緊急時に事前にご登録いただいたご本人の家族に連絡することを可能とする「家族連絡先登録制度」を開始したほか、ご自宅等の不動産を有効活用し、自宅に居住しながらゆとりある暮らしを応援するリバースモーゲージ型住宅ローン及びリースバックの取扱いを開始するなど、地域の皆さまが安心して暮らし続けることができる地域社会の実現に向けた取り組みを強化いたしました。
「生産性向上に向けた構造改革」では、2020年1月に実施した、両子銀行の基幹システム統合のメリットを最大限に享受すべく、当社グループ内の事務の共通化・共同化・統合を牽引する部署を当社内に新設いたしました。また、非対面取引チャネルの充実と合わせ、両子銀行の店舗統廃合や店舗形態見直し、店舗の共同化など、チャネル・ネットワークの最適化を進めるとともに、税金等にかかる預金口座振替手続きに際しての押印省略や普通預金口座解約時の事務手続き簡素化など、お客さまの店頭窓口での利便性向上にも積極的に取り組みました。
さらに、グループガバナンス態勢を強化すべく、両子銀行が新規に取り扱うローンに対する保証業務をめぶき信用保証株式会社に一本化しグループ経営資源の最適化を図りました。
「価値創造を担う人材の育成」では、ITやデジタル技術を活用できる人材の育成を目的としたITパスポート試験等の資格取得支援や、女性従業員の活躍推進に向けた「めぶき女性塾」の両子銀行での合同開催など、新たな価値創造を担う人材の育成強化と当社グループの更なる融合に取り組みました。
上記の取り組みに加え、気候変動にかかる影響を分析・開示する国際的な枠組みである「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言に賛同するとともに、「環境・社会に配慮した投融資方針」に基づき適切に対応することで、環境・社会への影響の低減・回避に取り組んでおります。
更に、気候変動および環境保全への対応を含む地域の持続的な成長(SDGsの達成)に向けた取り組みを推進するとともに、SDGs委員会(委員長:取締役社長)を立ち上げ、取組方針の策定および進捗を一元的に管理できる体制を整備しました。
(ⅱ)損益の状況
当社グループにおける当連結会計年度の損益の状況は以下のとおりです。
(ア)損益概要
当社グループの連結粗利益は、相場動向に応じて国内外の債券等の入れ替えを行った結果、「その他業務利益」がマイナスとなったことを主因として、前連結会計年度比44億91百万円減少の1,880億46百万円となりました。経常利益は、与信関係費用が増加したものの、営業経費の減少および株式等関係損益の増加により、前連結会計年度比9億28百万円増加となる541億8百万円となりました。
以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比1億8百万円増加し、364億78百万円となりました。
(イ)資金利益
貸出金は、住宅ローンやコロナ禍における企業向け資金繰り支援への積極的な取り組み等により、前連結会計年度末に比べ貸出金残高が2,958億円増加(増加率2.6%)となりましたが、海外金利の低下に伴う外貨建て貸出金利回り低下の影響も大きく、貸出金利息は前連結会計年度比40億53百万円減少となる1,082億77百万円となりました。また、有価証券利息配当金も、運用利回りの低下を主因として、前連結会計年度比68億10百万円減少となる458億64百万円となりました。一方、資金調達費用は、海外金利低下に伴う外貨調達費用の減少を主因として前連結会計年度比104億72百万円減少となる59億75百万円となりました。
これらの結果、資金利益は前連結会計年度比2億55百万円増加となる1,501億68百万円となりました。
(ウ)役務取引等利益
コロナ禍の状況下、「地域とともに成長するビジネスモデルの構築」に取り組むなかコンサルティング機能を発揮し、ビジネスマッチングやM&A関連の手数料が増加したことに加え、銀証連携強化による預り資産関連手数料も増加しましたが、コロナ禍による外訪自粛や資金繰り支援を最優先に取り組んだことなどから、与信関連手数料が減少となり、役務取引等収益は前連結会計年度比4億10百万円減少となる528億33百万円となりました。一方、役務取引等費用は、為替業務にかかる費用の減少等により、前連結会計年度比5億39百万円減少となる141億79百万円となりました。この結果、役務取引等利益は前連結会計年度比1億15百万円増加し386億93百万円となりました。
(エ)その他業務利益
相場動向に応じた適切なポートフォリオ運営に取り組み国内外の債券等の入れ替えを行った結果、国債等債券売却益の減少を主因として、その他業務収益は前連結会計年度比51億30百万円減少となる22億54百万円となりました。一方、その他業務費用も、国債等債券売却損の増加を主因として、前連結会計年度比1億43百万円増加となる73億22百万円となりました。この結果、その他業務利益は前連結会計年度比52億74百万円減少し50億67百万円の損失となりました。
(オ)営業経費
営業経費は、「生産性向上に向けた構造改革」に取り組むなかでグループ内の組織再編が進展し、業務委託費が減少したほか、人員のスリム化により給与・手当が減少し、前連結会計年度比38億66百万円減少となる1,157億63百万円となりました。
(カ)与信関係費用
与信関係費用は、コロナ禍の長期化を踏まえ予防的な引当実施により、前連結会計年度比26億85百万円増加し234億6百万円となりました。
(キ)株式等関係損益
相場動向に応じた適切な有価証券ポートフォリオ運営に取り組みポートフォリオのリバランスを実施したほか、政策保有株式の縮減にも取り組んだ結果、株式等関係損益は前連結会計年度比43億37百万円増加し、35億43百万円となりました。
(注) 連結粗利益=(資金運用収益-(資金調達費用-金銭の信託運用見合費用))+(役務取引等収益+信託報酬-役務取引等費用)
+(特定取引収益-特定取引費用)+(その他業務収益-その他業務費用)
(ⅲ)経営成績
これらの取り組みの結果、当連結会計年度における経営成績は、以下のとおりとなりました。
(注) 1. 連結ROE=親会社株主に帰属する当期純利益÷((期首自己資本※1+期末自己資本※1)÷2)
※1 自己資本=純資産の部合計-新株予約権-非支配株主持分
2. コアOHR = 経費※2÷(業務粗利益※3-国債等債券損益)
※2 経費は、子銀行における基幹システムの統合費用を除いて算出しております。
※3 業務粗利益は、投信解約損益を除いて算出しております。
当社グループは、第2次グループ中期経営計画において「地域の未来を創造する総合金融サービスグループ」を目指す姿に掲げ、業務プロセスや組織体制を中心とした構造改革を進め、経営資源を捻出するとともに、捻出した経営資源をコンサルティング営業やIT分野へと投入し、地域とともに成長するビジネスモデルを構築してまいります。こうした取り組みを通じて、質の高い総合金融サービスの提供を実践するとともに、当社グループの企業価値の向上を図り、地域とともに持続的な成長を目指してまいります。
(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたっては、資産、負債、収益及び費用の額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(自己資本比率等の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第52条の25の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第20号。)に定められた算式に基づき、連結ベースについて算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法を採用し、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては粗利益配分手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、株式会社常陽銀行及び株式会社足利銀行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、3ヵ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
(注)上記は自己査定に基づき、与信関連債権の査定結果を記載しております。
なお、金額は単位未満を四捨五入しております。
「生産、受注及び販売の実績」は、銀行持株会社における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
当社は、当社の直接出資子会社との間で、当社が行う経営管理について、「経営管理業務委託契約書」及び「経営管理業務委託契約書に関する覚書」を締結しております。
該当ありません。