1【有価証券報告書の訂正報告書の提出理由】

 2020年3月27日に提出しました第20期(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)有価証券報告書の記載事項の一部に訂正すべき事項がありましたので、これを訂正するため、有価証券報告書の訂正報告書を提出するものであります。

 

2【訂正事項】

第一部 企業情報

第2 事業の状況

1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 

3【訂正箇所】

 訂正箇所は___を付して表示しております。なお、訂正箇所が多数に及ぶことから、上記の訂正事項については、訂正後のみを記載しております。

 

第一部【企業情報】

第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。

 

 日本国内の「働き方改革」の機運が高まる中、テレワークは東京オリンピック・パラリンピック開催時の混雑緩和の一手段として注目され、また、テレワークによって長時間の通勤から解放されることで新しい働き方が生まれる等、テレワークが浸透していくことが期待されております。またテレワークは、災害発生時や感染症流行時のような出社が困難な状況においても企業活動を継続できるなど、企業の危機管理対策に欠かせないことから、日本社会全体においてテレワーク制度の導入と定着を目指す風土が醸成されつつあります。

 当社グループではこのようなワークスタイル変革期にある現状を踏まえて、「テレワークで日本を変える、映像コミュニケーションの総合ソリューションプロバイダー」であることを目標とし、「Evenな社会の実現~すべての人が平等に機会を得られる社会の実現~」をミッションとして、大都市一極集中、少子高齢化、長時間労働、教育/医療格差などの社会課題を、映像コミュニケーションを通じて解決し、社会を担うすべての人が機会を平等に得られる社会の実現を目指しています。また、テレワークに関する積極的な情報発信及びその普及に必要なツールや場所に関するサービスを提供することで、テレワーク市場の拡大と社会インフラ化を促し、当社グループの事業成長につなげていくことに取り組んでおります。

 当社グループの経営を取り巻く環境については、テレワークのツールとしてWeb会議の需要が急速に高まり、市場が拡大しつつある一方、Web会議市場では各社が提供しているサービスの機能に遜色がなくなってきたこと等により競争が激化しております。これに対し当社は、主力サービスによって国内におけるシェアを維持することを目標としていくとともに、次頁の表「シーン別利用方法」のようなサービス利用シーンにおけるソリューション提案や、顧客要望に応じたカスタマイズを必要とするため海外大手企業では対応できない、用途特化型の映像コミュニケーションサービス市場の開拓を行うとともに、テレワークを行う場所となる、防音型スマートワークブース「テレキューブ」といったユニークなサービス提供を強みとして取り組んでまいります。

 他方、アジアでは、人口増加を背景とした経済成長によりWeb会議市場は着実に成長していくと見込まれますが、日本と異なり、東南アジアでは有線の通信手段よりもスマートフォン等のモバイル端末を活用したコミュニケーションが発達してきております。これに対し当社は、当社サービスの強みの一つであるマルチデバイス対応を”売り”としてアジア市場の開拓に取り組んでまいります。また、シンガポールでは、子会社のWizlearn Technologies Pte. Ltd.が同国の学校向けにLMS(ラーニングマネジメントシステム)を提供していますが、企業向けにLMSサービスを展開していくことで東南アジア全体を見据えた展開を図っております。

 当社グループの内部環境については、前連結会計年度に引き続き、当連結会計年度においても「選択と集中」を基本に、子会社2社の保有株式の見直しと売却、国内拠点費用の見直しを実施いたしました。今後も損益分岐点比率をより改善していくため、限界利益や固定費について、適時適切にモニタリングすることで厳格に管理してまいります。

 

 これらを実現するために、以下を対処すべき課題としてスピード感をもって重点的に取り組んでまいります。

 

(1) 営業力の強化

 直販・代理店販売の双方における営業人員を充実させるとともに、当社グループ各社の営業担当・代理店と連携し、幅広い顧客に対して、当社グループ製品・サービスを提供してまいります。

 また、大手システムインテグレーター・大手通信事業者などへのOEMによるサービス展開に加え、当社グループの提供するビジュアルコミュニケーションサービスをアライアンス先のITインフラに組み合わせたサービス展開を推し進めてまいります。

 昨今のスマートフォン、タブレット端末の普及により、距離や時間にとらわれないコミュニケーションを実現させる環境がより身近に整いました。少子高齢化やワークスタイルの多様化など、社会環境の変化に伴い多様化するコミュニケーションスタイルに対応し、新たな利用シーンを提案することにより、ビジュアルコミュニケーション市場における販売機会を拡大してまいります。

 

 

 

(シーン別利用方法)

利用シーン例

利用方法の例

社内会議

国内に点在する各拠点、海外にある拠点などをつなぎ、インターネット上で一堂に集まり、会議や打ち合わせを行うことができます。また、社外メンバーも招待することができるため、外部の方も参加した会議や打ち合わせも行うことができます。

研修・セミナー

講師も受講生も同じ研修会場に集まることなく集合研修を実現し、移動時間や移動コストの削減と研修の効率化を図ります。また、社内だけでなく、社外パートナーなどへの情報提供・教育や、お客様に対する製品紹介などにも活用されています。

顧客サポート

電話による音声だけでなく、資料や画像も見せながらサポートを行うことで、説明が難しい商材に関する問い合わせ対応を訪問することなく行うことができます。

医療業界

地域の診療所と基幹病院を結び、都心や離れた場所から、レントゲン写真などの医療情報を共有しながら、専門医のいない地域に住む患者に対して通常の検診などを行うことができます。

製薬業界

製薬企業におけるWeb講演会プラットフォームの提供や、製薬企業から医師へのリモートディテーリングプラットフォームの提供などを行っています。

金融業界

地方や遠隔地にある支店などで専門知識が必要な一部の窓口業務を、本部から遠隔サポートできます。また、保険会社から全国の代理店への金融商品の説明などに利用されます。

遠隔教育

教育における情報通信技術活用や、海外の学校との交流などグローバル教育の実現、遠隔指導による共同研究等、物理的な距離にとらわれない教育機会創出などに活用されます。

協働学習

タブレットを使った個別学習やグループでのまとめ作業で、その成果をリアルタイムで電子黒板に送信してクラス全体で共有するなど、電子黒板とタブレット間を連携させ、円滑な協働学習空間を提供しています。

設計・製造業

3D CADをはじめとした高精細データを画面を使って、離れた場所にいても現場にいる感覚で確認し合うなど、メーカーを中心に活用されています。

緊急対応

災害や事故等の緊急時に、拠点・現場間での情報共有・指示で迅速な意思伝達がサポートされます。

 

(2) 開発力の強化

 当社グループは、専任の技術開発部署を設置し、多様なユーザーニーズの具現化、海外からの先端要素技術の導入等、グループ全体の開発機能を当該技術開発部署が担っております。

 構造改革の一環として開発を継続するソフトウエアの絞り込みを行ったことにより、年間のソフトウエア開発投資額の総額を抑制しながら主力サービスの開発に経営資源を集中することとなりました。注力分野の顧客の要望に応え、業界に深く入り込むことで競合のグローバルプレイヤーとの差別化を図ります。

 

(3) グループ管理体制の強化

 当社グループの海外展開においては、海外におけるビジュアルコミュニケーションマーケットの獲得、また、海外拠点とビジュアルコミュニケーションを実施したいというお客様のニーズを踏まえて、海外拠点を設けて、事業展開を進めております。

 当社グループは、人材の育成による組織力の強化や内部統制システムの整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するための体制強化に継続して取り組むとともに、「ブイキューブ行動規範」の徹底を通じてグループ全体の企業倫理の一層の向上及びコンプライアンス体制の充実・強化を図ってまいります。子会社においては、本社との連携体制の構築、海外子会社の管理体制の充実・強化を図る方針であります。

 

(4) 顧客満足度の更なる向上

 当社グループは、優れた「ソフトウエア」はもとより、優れた「サービス」を提供することで顧客の満足度を向上させることが、最も優先される価値基準であると考えております。

 操作方法等に関する24時間・365日のサポート体制の構築(日本)、多言語対応、広範なモバイル端末への対応、より安定した映像・音声の品質向上に向けた取り組み、平均1ヶ月に一度のバージョンアップ等、顧客の様々なニーズに対してスピーディーに対応してまいりました。

 また、特にアジアでの不安定な国際通信回線への対応として、各国のデータセンターに当社のサーバーを配置し、それらを専用回線で接続することにより、国際間での通信の安定性を確保し、快適で安価なサービス利用環境を実現するグローバルプランの提供をしております。今後も国際間のコミュニケーションの必要なグローバル企業等のサポートを積極的に行ってまいります。

 当社グループは、今後も顧客の声を真摯に受け止め、ニーズに合ったソフトウエアの開発やバージョンアップ、サービスの改善に取り組むことで、顧客満足度の向上に努めてまいります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、判断したものであります。

 

① 経営成績の状況

 当連結会計年度における我が国経済は、設備投資に増加が見られ、企業収益、雇用情勢についても改善傾向にあるなど、景気は緩やかな回復が続いております。

 当社グループが注力するクラウドサービスを取り巻く環境につきましては、東京オリンピック・パラリンピック開催が迫ったことで、開催時期の交通機関混雑を回避する手段として改めてテレワークやサテライトオフィスが注目された年でありました。オリンピック・パラリンピック開催時期にあたる7月から9月にかけて実施された「テレワーク・デイズ」では2,887団体、約68万人が参加するなど企業のテレワーク推進の機運が高まりました。この中で、『2020 ビデオ会議/Web会議の最新市場とビデオコミュニケーション機器・サービス動向』(株式会社シード・プランニング発行)において、「ASP(SaaS)型」および、同「ASP(SaaS)型+SI(オンプレミス)型」の分野における13年連続シェアNo.1を獲得しました。

 また、災害発生時や感染症流行時に対する危機管理の一環としてテレワーク導入の必要性も広く認知された年でもあり、テレワークに対するニーズは急速に上昇しております。

 このような環境の下、当社グループではテレワーク文化の浸透と定着を目指し、従来から提供してきたWeb会議やWebセミナーなどのツールの顧客満足度向上のための新バージョンの提供のみならず、テレワークをするための場所となる防音型スマートワークブース「テレキューブ」の累計設置台数を2018年末の84台より2019年度は384台まで拡大した他、従来のテレビ会議システムに代替する「V-CUBE BOX」の金融機関への提供や、営業の働き方改革を実現させる「V-CUBE セールスプラス」の提供開始し、やWeb会議のノイズキャンセリングアプリケーション「Krisp(クリスプ)」の国内独占販売を開始する等様々な商材を提供することで、映像コミュニケーションのソリューション提供を展開して参りました。また、NTTテクノクロス株式会社と新たな市場創造に向けた映像コミュニケーション分野における業務提携を行った他、上述のテレワークのニーズや働き方改革の機運が高まる中、当社の認知度向上を図るとともにオフィスの会議室が不足している社会課題の解決を訴求する「テレキューブ」のマス広告を実施することによって、当社の顧客層を広げることにより、テレワーク市場の拡大や映像コミュニケーション市場における販売機会を拡大に貢献いたしました。

 

 当連結会計年度の業績は以下のとおりです。

(単位:千円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

増減率

(%)

売上高

7,960,678

6,369,887

△1,590,791

△19.9%

営業利益

345,536

△284,953

△630,489

経常利益

259,522

△341,846

△601,368

親会社帰属当期純利益

456,121

34,386

△421,735

△92.5%

 

 当連結会計年度において、売上高は、前年同期比で19.9%減少いたしました。これは、前連結会計年度の電子黒板サービス事業の売却及び、連結子会社であったアイスタディ株式会社(以下「アイスタディ」という)の株式売却により、同社を第2四半期連結会計期間より連結範囲から除外したことが主な要因です。なお、これら売却事業等の影響を除いた場合の売上高は、前年同期比で10.6%の増加となります。また、「会計方針の変更」に記載のとおり、当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2018年3月30日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2018年3月30日)を適用したことにより、従前の会計基準を適用した場合と比べて、当連結会計年度の売上高が158,481千円減少しております。

 主力であるビジュアルコミュニケーション事業の「V-CUBE」各サービスは、既存サービスの機能強化や新製品のリリースを計画通りかつ効率的に行いつつ、開発投資を前連結会計年度より更に抑制した中で、堅調に推移いたしました。また、アプライアンス事業の「テレキューブ」「V-CUBE BOX」等が伸長したものの、一方で、上述の会計方針の変更やロイヤルティの一括計上に加え、マス広告の実施によるマーケティング費用の計上の影響により当連結会計年度において営業損失を計上しました。

 営業外損益においては、有利子負債のリストラクチャリングを目的としたシンジケートローンの組成により支払手数料を計上した一方で、グループ内の資金取引の再構築による為替エクスポージャーの縮小により、為替差益1,552千円(前年同期は為替差損41,047千円)を計上しました。また、持分法適用会社であるテレキューブサービス株式会社では主要なオフィスビルや駅を中心とした公共空間における積極的な展開による先行投資により、持分法による投資損失25,614千円を計上しました。

 特別損益においては、中国自動車企業向けサービスのソフトウェアの減損損失371,445千円や香港企業に対する投資の評価損370,545千円を計上したものの、アイスタディをはじめとする子会社の株式売却により、特別損失額を上回る子会社株式売却益1,226,201千円を計上しました。なお、PT.V-CUBE INDONESIA株式売却に伴い、同社に対する債権を整理したことにより、債権売却損141,746千円を計上しております。結果として親会社株主株主に帰属する当期純利益では黒字を確保致しました。

 

 セグメント別の業績は、次のとおりです。

 なお、当連結会計年度より、経営管理体制の強化と経営資源のより最適な配分を実施すること及び事業内容を明瞭に表現する目的で、報告セグメントの区分をビジュアルコミュニケーションサービス事業の単一セグメントから「ビジュアルコミュニケーション事業」、「ラーニングマネジメントシステム事業」、「アプライアンス事業」の3区分に変更しております。以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

 

Ⅰ.ビジュアルコミュニケーション事業

(単位:千円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

増減率

(%)

売上高

4,132,596

4,068,869

△63,727

△1.5%

セグメント利益

580,181

274,306

△305,875

△52.7%

 

 主力のWeb会議サービス「V-CUBE ミーティング」やWebセミナー配信サービス「V-CUBE セミナー」をはじめとする「V-CUBE」各サービスについて、「クラウド」型、「オンプレミス」型による提供をしております。

 当連結会計年度では、主力の「V-CUBE」各サービスが堅調に推移し、また、製薬業界を中心としたセミナー配信ビジネスが増加したものの、会計方針の変更により従来の方法に比べて売上高およびセグメント利益が88,020千円減少した他、ロイヤルティの一括計上により前連結会計年度よりセグメント利益は減少しました。

 

 

Ⅱ.ラーニングマネジメントシステム事業

(単位:千円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

増減率

(%)

売上高

1,776,563

1,051,001

△725,562

△40.8%

セグメント利益

99,451

△13,813

△113,264

 

シンガポール子会社Wizlearn Technologies Pte. Ltd.が、学習管理システム「ASKnLearn」を主にASEANの学校・企業向けに提供しております。

 当連結会計年度では、第2四半期連結会計期間初にアイスタディが株式売却により連結除外となった他、シンガポールにおける主力市場が学校向け市場から企業向け市場へシフトする端境期にあることから、前連結会計年度より売上高は前年比で40.8%減少しました。また、主にアイスタディの第1四半期連結会計期間の季節性に起因する収益性の悪化により、13,813千円のセグメント損失を計上しました。

 

Ⅲ.アプライアンス事業

(単位:千円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

増減率

(%)

売上高

2,051,519

1,250,016

△801,503

△39.0%

セグメント利益

66,938

131,700

64,762

96.7%

 

テレビ会議システム「V-CUBE BOX」や防音型スマートワークブース「テレキューブ」、ディスカッションテーブル「V-CUBE Board」のほか、ビジュアルコミュニケーションに関わるハードウエア(Webカメラ、ヘッドセット、エコーキャンセラー付きマイク、大型液晶ディスプレイ等)の販売を行いました。

 当連結会計年度では、会計方針の変更により従来の方法に比べて売上高が68,631千円およびセグメント利益が33,402千円減少しました。また、前連結会計年度末において電子黒板サービス事業を売却した影響から、前連結会計年度より売上高は801,503千円減少しましたが、収益性は大幅に改善しました。

 

 

② 財政状態の状況

(単位:千円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

資産

10,585,157

7,002,932

△3,582,225

負債

6,055,045

3,953,863

△2,101,182

純資産

4,530,111

3,049,069

△1,481,042

 

a.資産

 第2四半期連結会計期間におけるアイスタディの売却による連結除外により、現金及び預金の他、主に売掛金や前渡金等の運転資本、のれんが減少しました。また、中国自動車企業向けサービスのソフトウェアの減損処理によりソフトウェアの残高が減少しました。また、元グループ企業に対する貸付金は香港を中心としたアジア市場における教育事業への投資を行うために、投資有価証券に振替を行ったものの、中国に対する保守的な対応から減損処理を行いました。他方、有利子負債の削減を継続的に実施したのみならず、期末時点で一時的に借入水準を減少させたことにより連結会計年度末の現金及び預金が残高が減少しております。

 

b.負債

 資産の状況と同様に、アイスタディの売却による連結除外により、買掛金等の運転資本が減少しました。また、一連の事業・子会社の売却およびシンジケートローンの実行により、有利子負債のリストラクチャリングを実施したとともに、上述の期末時点の一時的な借入水準の減少により、短期借入金および長期借入金は著しく減少しております。

 

c.純資産

 収益認識基準の変更の影響により期首利益剰余金が減少した他、一連の子会社株式の売却による連結除外の影響により、純資産は前連結会計年度末より著しく減少しました。なお、主に上述の有利子負債の削減の影響により、自己資本比率は43.2%(前連結会計年度末は35.0)と改善しました。

 なお、減資の実行により、欠損填補による財務基盤の安定化を図るとともに、将来の機動的な資本政策を実行することが可能になりました。この結果、一連の事業売却を踏まえた株主還元策として、自己株式の取得を実施しました。

 

③ キャッシュ・フローの状況

(単位:千円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

963,741

373,242

△590,499

投資活動によるキャッシュ・フロー

△558,206

△746,222

△188,016

財務活動によるキャッシュ・フロー

△1,035,274

△1,581,884

△546,610

現金及び現金同等物の当期末残高

2,719,868

790,148

△1,929,720

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動により得られた資金は373,242千円となりました。営業損失の計上、減価償却費852,892千円およびのれん償却額83,904千円の他、電子黒板サービス事業の売却による売上債権や仕入債務等の運転資本の変化により、前連結会計年度より減少しました。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は746,222千円となりました。これは主に当社グループサービスの開発投資としての無形固定資産の取得による支出733,937千円、当社の本社移転に伴う有形固定資産の取得による支出218,166千円によるものです。また、アイスタディ売却に伴って、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却より308,245千円増加し、テレキューブサービス株式会社への出資に伴う関係会社株式の取得により133,000千円減少しました。

 

  (財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果減少した資金は1,581,884千円となりました。これは主に、シンジケートローンの実行を中心とした有利子負債のリストラクチャリングおよび削減を目的とした借入金の返済によって1,819,561千円減少したことによるものです。このほか、自己株式の取得により100,000千円減少し、子会社株式の一部売却により330,000千円増加しました。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの主な資金需要は、当社サービスの新規開発や機能拡充のための開発投資や、テレキューブ等のハードウェアの調達であります。これらにつきましては、基本的にフリーキャッシュ・フローや自己資金の他、必要に応じて金融機関からの借入による資金調達で対応していくこととしております。

 なお、キャッシュ・フロー関連指標は以下のとおりです。

 

キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2015年12月期

2016年12月期

2017年12月期

2018年12月期

2019年12月期

自己資本比率(%)

42.2

34.4

30.1

35.0

43.2

時価ベースの

自己資本比率(%)

187.9

119.9

118.7

83.6

226.9

キャッシュ・フロー対

有利子負債比率(年)

7.2

3.9

5.6

4.0

5.9

インタレスト・

カバレッジ・レシオ(倍)

23.4

50.5

25.9

33.6

17.9

(注)1.各指標の計算方法は以下のとおりであります。

自己資本比率           :自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率     :株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い

2.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

5.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を利用しております。

 

⑤ 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

 

(2)生産、受注及び販売の実績

① 生産実績及び受注実績

 当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績及び受注状況の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

② 販売実績

 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況 に記載のとおりです。

 

 

(3)経営者による分析

Ⅰ.ビジュアルコミュニケーション事業

 当社の主力セグメントであるビジュアルコミュニケーション事業においては、主に汎用型Web会議サービス等の月額サブスクリプション型のサービス(以下、「月額サブスク」)や、セミナー配信事業を中心とした年額サブスクリプション型のサービス(以下、「年額サブスク」)を中心に展開しております。

サブスクリプション型サービス売上高と解約率            (単位:百万円)

種別

2018年12月期

2019年12月期

増減

増減率

(%)

月額サブスク

2,046

2,020

△26

△1.2%

年額サブスク

1,022

1,192

170

+16.6%

合計

3,068

3,212

144

+4.6%

解約率(%)

12.2%

10.7%

△1.5%

 

 月額サブスクでは、国内トップシェアを維持し続けているものの、競合他社は多く、常に厳しい競争にさらされるレッドオーシャン市場と認識しております。新機能のリリースや品質改善は継続的に行った結果として解約率は低減しているものの、月額サブスクの売上高は概ね横ばいの傾向が続いております(前年比98.8%)。

 一方で、年額サブスクにおいては、製薬業界におけるウェブ講演会、映像組込(SDK)サービスを中心に用途特化の映像コミュニケーションサービスを展開しており、蓄積されたノウハウに基づいたカスタマイズによる顧客の細かなニーズにも対応する他、海外企業の技術の国内独占供給権に基づくオンリーワンサービスを提供しております。このため、これらの分野は競合他社が少ないブルーオーシャン市場であると考えており、前年度より売上高は16.6%増加し、かつ、今後の成長が見込まれるため注力分野として経営資源を配分していく方針です。

 また、競合他社がクラウド型のサービスに移行して行く傾向においても、金融機関や自治体を中心にオンプレミス型のサービスのニーズが根強く残ることから、上述のサブスクリプション型のサービスのみならず、スポット取引であるオンプレミスの提供も継続して参ります。

 以上より、当社の基本戦略として、レッドオーシャン市場である汎用Web会議サービスでは国内シェアを維持し、ブルーオーシャン市場である用途特化型サービスでの成長を目指して参ります。

 

Ⅱ.ラーニングマネジメントシステム事業

 ラーニングマネジメントシステム事業においては、当連結会計年度において、子会社であったアイスタディ株式会社が株式売却により当社グループから外れたため、当セグメントはシンガポール子会社であるWizlearn Technologies Pte. Ltd.(以下「Wizlearn」とする)の事業が主体となりました。

 Wizlearnでは学校向けのLMSサービスを主力としておりましたが、昨今のシンガポール政府の政策により、同政府が一部の学校向けのLMSの導入を進めたことにより、当連結会計年度における学校向けの売上高が減少いたしました。他方で、政府補助金が支給される政策も追い風となり、企業向けサービスの市場が成長すると見込んでおります。Wizlearnにおいても企業向けサービスへのシフトを進めた結果、2期連続売上が増加(2019年は前期比10.9%増)いたしました。

 以上の結果、2019年は学校向けサービスから企業向けサービスへの転換の端境期にあることから、Wizlearnの売上高は前連結会計年度より減少致しましたが、学校向けサービスの継続を図りつつ、企業向けサービスへの転換を更に進めることにより、今後の成長を目指して参ります。

LMS アジアの販売先別売上高推移                (単位:千SGD)

種別

2017年12月期

2018年12月期

2019年12月期

LMS アジア

企業向け

3,120

3,655

4,053

学校向け

6,627

6,491

5,124

その他

1,999

2,250

1,432

合計

11,745

12,397

10,609

(注) 為替変動の影響を除外するため、現地通貨で記載しております。

 

 

Ⅲ.アプライアンス事業

 アプライアンス事業においては、前連結会計年末に実施した電子黒板事業の売却(2018年度の売上高:1,559百万円)により売上高は著しく減少したものの、従来のテレビ会議に代替する「V-CUBE BOX」の大型案件による増加の他、防音型スマートワークブースの「テレキューブ」事業が大きく成長拡大いたしました。

 特にテレキューブは、企業においてはセキュアなコミュニケーションスペースの確保や会議室不足といった課題解決に貢献し、また、主要駅やオフィスビルを中心とした公共空間においては、ビジネスマンに対してリモートワーク時の場所を提供するソリューションとして本格展開を進めて参りました。この結果、当連結会計年度における販売実績台数は345台、前年比472%と急速に拡大いたしました。国内における働き方改革の機運に加え、新型コロナウイルス感染の拡大によるテレワークへの注目は更なる高まることが予想される中、当社はテレワーク文化の拡大及び定着に対してテレキューブが重要な役割を果たすと考えており、今後も企業および公共空間での拡大を目指して参ります。

テレキューブ累積設置台数                             (単位:台)

種別

2019年

第1四半期末

2019年

第2四半期末

2019年

第3四半期末

2019年期末

公共向け

3

13

50

65

企業向け

105

148

228

319

合計

108

161

278

384

 

 

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

 「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

(5)重要事象等について

 「2 事業等のリスク」に記載のとおり、当社が取引金融機関との間で締結している借入金契約には、財務制限条項が付されているものがあり、当連結会計年度末において、連結子会社の売却による非支配株主持分の減少の他、「収益認識に関する会計基準」の適用により期首剰余金が減少したことから、前連結会計年度の純資産の75%を維持する財務制限条項に抵触しております。これにより、当社グループには継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

 このような状況を解消すべく取引金融機関と協議を行った結果、財務制限条項に係る期限の利益喪失につき権利行使をしないことについて、当該取引金融機関の合意を得ております。

 したがって、当社グループには、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。