当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて、以下に記載の(継続企業の前提に関する重要事象等)を除き、重要な変更はありません。
(継続企業の前提に関する重要事象等)
当社グループは、前連結会計年度において主に連結子会社TEN Holdings, Inc.の業績悪化の継続と、NASDAQ上場準備に伴う費用負担等により2期連続で連結営業損失を計上し、さらにソフトウエアの減損損失等の影響も加わったことで、純資産が毀損いたしました。これにより、金融機関と締結した借入契約における財務制限条項に抵触いたしました。当該財務制限条項が適用され、期限の利益喪失請求権が行使された場合、資金繰りに影響が生じるため、当中間連結会計期間末においても、前連結会計年度に引き続き継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象が存在しております。
このような事象又は状況を解消するために、当中間連結会計期間においては、連結子会社TEN Holdings, Inc.のNASDAQ市場への上場とそれに伴う追加の資金調達を実施した他、同じく連結子会社であるWizlearn Technologies Pte. Ltd.が保有する投資有価証券の一部の売却により、当中間連結会計期間末における純資産は1,250,824千円まで回復いたしました。下期には、TEN Holdings, Inc.の追加資金調達及び同社株式の一部売却を進め、また、同社の連結除外を実行していくことにより更なる財務体質の改善を進めてまいります。
更に、当社は金融機関との連携を強めており、上記の施策に加えて、金融機関と協議の上で財務体質の改善に向けた施策を実行してまいります。これにより、今回の財務制限条項への抵触に関しても、期限の利益の喪失の権利行使をせず、事業継続に必要と認められる支援を継続していく旨の同意を得ております。以上により、当面の資金繰りには問題なく、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間の業績は以下のとおりです。
(単位:千円)
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減 |
増減率 |
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売上高 |
5,619,366 |
5,013,052 |
△606,314 |
△10.8 |
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営業利益又は営業損失(△) |
229,004 |
△816,647 |
△1,045,651 |
- |
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経常利益又は経常損失(△) |
191,582 |
△988,647 |
△1,180,229 |
- |
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親会社株主に帰属する中間純損失(△) |
△212,861 |
△634,816 |
△421,955 |
- |
当中間連結会計期間においては、主に企業向けの防音型個室ブースの設置販売が堅調に推移した一方で、前連結会計年度に実施したプロフェッショナルワーク事業の事業譲渡による減収により、売上高は前年同期比で10.8%減の5,013,052千円となりました。
営業損失については、主に連結子会社のTEN Holdings, Inc.のNASDAQ市場への上場に伴う株式報酬費用を522,349千円計上したことにより、816,647千円(前年同期は営業利益229,004千円)となりました。
営業外損益及び特別損益においては、主に今後十分な収益性が見込まれない一部のソフトウエアについて減損損失63,675千円を計上したほか、為替相場が急激な円高基調にある中でのグループ間のローンの決済及び換算により為替差損73,980千円(前年同期比342.6%増)、支払利息47,174千円(前年同期比70.1%増)を計上いたしました。
セグメント別の業績は、次のとおりです。
Ⅰ.エンタープライズDX事業
(単位:千円)
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減 |
増減率 (%) |
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売上高 |
2,131,606 |
1,792,059 |
△339,547 |
△15.9 |
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セグメント利益 |
353,419 |
303,682 |
△49,737 |
△14.1 |
エンタープライズDX事業は、主に企業や官公庁等を対象に、社内外のコミュニケーションにおけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するサービスを提供しております。
具体的には、「Zoom」や「Zoom phone」等の Zoom Communications Inc.の提供するサービスのリセール販売を中心としたハイブリッドワーク事業、高品質な通 話・配信・会話型AIの機能を簡単に実装できる「Agora」を中心としたビジネスグロース事業、動画の制作・管理・配信が可能な企業向け動画配信プラットフォーム「Qumu」を中心としたリスキリング事業で構成されています。
当中間連結会計期間のセグメント売上高は、前年同期比15.9%減の1,792,059千円、セグメント利益は前年同期比14.1%減の303,682千円となりました。これは、Agoraの従量課金やZoomの販売などが堅調に推移している一方で、前連結会計年度に実施したプロフェッショナルワーク事業の事業譲渡による減収によるものであります。
Ⅱ.イベントDX事業
(単位:千円)
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減 |
増減率 (%) |
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売上高 |
2,073,818 |
1,935,139 |
△138,679 |
△6.7 |
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セグメント損失(△) |
△23,529 |
△982,836 |
△959,307 |
- |
イベントDX事業は、様々な分野におけるイベント、セミナーのリモート化を支援する事業であります。
具体的には、Webセミナー配信サービス「V-CUBE セミナー」や「EventIn」などのセミナー配信プロダクトを提供するほか、イベント配信に係る運用設計、当日の配信サポートや後日のイベントデータ解析などの運用支援サービスを提供しております。
当中間連結会計期間のセグメント売上高は、前年同期比6.7%減の1,935,139千円となりました。これは、主に国内の製薬業界の講演会市場の縮小は底打ちし、今後の注力領域であるハイブリッドイベントが成長したものの、特定の大口顧客の案件減少の影響によるものです。
また、セグメント損失は982,836千円(前年同期はセグメント損失23,529千円)となりました。これは、連結子会社のTEN Holdings, Inc.のNASDAQ市場への上場に伴う株式報酬費用522,349千円を計上したことによるものであります。
Ⅲ.サードプレイスDX事業
(単位:千円)
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減 |
増減率 (%) |
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売上高 |
1,413,941 |
1,285,853 |
△128,088 |
△9.1 |
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セグメント利益 |
469,546 |
345,244 |
△124,302 |
△26.5 |
サードプレイスDX事業は、自宅や職場とは異なるサードプレイス(第3の場所)の提供や運用支援を行うことで、昨今日本に浸透しつつあるテレワークを1つのワークスタイルとして定着させることを目的とする事業であります。
具体的には、企業及び公共空間への「テレキューブ」の提供、公共空間における防音型個室ブースの管理運営システムの開発、「テレキューブ」において提供する関連サービスの開発を行っております。
当中間連結会計期間では、セグメント売上高は前年同期比9.1%減の1,285,853千円となりました。これは、企業向けの防音型個室ブースは引き続き底堅い需要があるものの、公共向けの需要は一巡し、増加ペースが緩やかになったためであります。
また、セグメント利益は前年同期比26.5%減の345,244千円となりました。これは、多様な販売モデルを提供したことによるセールスミックスが変化したためであります。
(2)財政状態の状況
(単位:千円)
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前連結会計年度 |
当中間連結会計期間 |
増減 |
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資産 |
10,481,052 |
10,944,365 |
463,313 |
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負債 |
10,457,387 |
9,693,540 |
△763,847 |
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純資産 |
23,664 |
1,250,824 |
1,227,160 |
①資産
当中間連結会計期間末において、資産残高は前連結会計年度末比463,313千円増の10,944,365千円となりました。これは、主に売掛金残高が増加したこと、連結子会社であるTEN Holdings, Inc.の上場後の資金調達関連費用等によりその他流動資産残高が増加したことによるものであります。
②負債
負債残高は、前連結会計年度末比763,847千円減の9,693,540千円となりました。これは主に長期借入金の返済により残高が減少したことによるものであります。
③純資産
親会社株主に帰属する中間純損失を計上したものの、当社の連結子会社であるTEN Holdings, Inc.が2025年2月にNASDAQ市場へ上場し、公募による新株式の発行を行ったこと等により、純資産残高は前連結会計年度末比1,227,160千円増の1,250,824千円となりました。この純資産増加の影響により、自己資本比率は5.3%(前連結会計年度末は△1.3%)となりました。
(3)キャッシュ・フローの分析
(単位:千円)
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
増減 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
623,352 |
△1,009,729 |
△1,633,081 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
△688,620 |
△11,804 |
676,816 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
△126,054 |
1,098,616 |
1,224,670 |
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現金及び現金同等物の中間期末残高 |
1,240,977 |
1,074,583 |
△166,394 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において営業活動により支出した資金は1,009,729千円(前年同期は623,352千円の獲得)となりました。これは主に、非資金項目である減損損失や株式報酬費用の計上による増加があった一方で、前年同期と比較して税金等調整前中間純利益が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において投資活動の結果支出した資金は11,804千円となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入があった一方で、有形及び無形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において財務活動の結果得られた資金は1,098,616千円となりました。これは主に、短期借入金及び長期借入金の返済による支出があった一方で、非支配株主からの払込みによる収入があったことによるものであります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は1,710千円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(株式購入契約の締結)
当社の連結子会社 TEN Holdings, Inc.(以下「TEN」という。)はLincoln Park Capital Fund, LLC(以下「LPC」という。)と株式購入契約(以下「本契約」という。)を締結し、2025年6月25日(米国時間)に米国証券取引委員会(以下「SEC」という。)へForm 8-Kを提出しておりましたが、2025年8月12日(米国時間)に本契約の内容が承認され、本契約の内容が実行されることとなりました。
1.現時点の状況
当社は2025年5月20日に開示いたしました「米国子会社の再編に関する方針決定のお知らせ」のとおり、TENを連結の範囲から除外する方針を決定いたしました。
現在TENは事業拡大の為の資金調達を予定しており、TENはLPCと株式購入契約を締結し、2025年6月25日(米国時間)にSECへForm 8-Kを提出いたしました。
その後、登録届出書であるForm S-1(以下「S-1」)をSECへ提出し、審査を受けて2025年8月12日(米国時間)に承認が得られました。これにより、本契約が有効となり、LPCによる株式購入が開始される予定です。
今回承認された枠は最大で6,117,855株の新株発行枠となっております。この枠がすべて実行された後も、当社の議決権所有割合は50%を超えるため、TENが連結範囲から外れることにはなりませんが、本契約では2,000万米ドルの調達に到達するまでS-1を繰り返しSECへ提出し承認を得て、資金調達を進めてまいります。資金の用途は、主にTENの次世代配信プラットフォームの開発及び競争力を補完する企業へのM&Aを通じたロールアップ戦略の実行であり、本件の資金調達によりTENは成長を目指してまいります。
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(1) |
異動前の所有株式数 |
22,800,000株 (議決権所有割合:64.93%) ※2025年6月30日時点 |
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(2) |
異動後の所有株式数 |
22,800,000株 (議決権所有割合:55.29%) |
(注)今回承認枠がすべて実行された場合
今回承認の次のステップとして、7,000,000株以上を新株発行枠とするS-1を順次提出し、期間を空けることなく、本契約を実行していく予定です。NASDAQ市場の上場規則に基づき、新株発行は発行済株式総数の19.99%までと定められていますが、既存株主の合意により20%以上の新株発行が可能となっております。そのため、本件の資金調達の進捗次第で当社が保有するTENの議決権所有割合が変動し、TENが連結範囲から外れる可能性があります。
他方、行使が進まない場合は引き続き連結子会社となりますが、将来的な連結除外の方針に変更はありません。仮に本件の資金調達のみで連結除外に至らなくても、当社は引き続き他の施策で連結除外を進めていく方針です。
2.本契約の概要
(1)株式購入開始日
SECからS-1の承認が下り、本契約に定めるその他の条件が満たされた日
(2)株式購入終了日
開始日から24ヶ月後の月の初日
2025年9月30日までに売買が開始されない場合、いずれかの当事者が契約を終了させることが可能
(3)調達額
最大2,000万米ドル
(4)株式購入条件
LPCは1営業日ごとに購入指示をTENへ送付することができる。
フロアプライス(Floor Price)という最低株価条件が定められおり、購入を指示する日の普通株式の終値が、$0.25以上でなければならない。
通常購入(Regular Purchase)
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(1) |
購入日 |
米国東部時間(Eastern Time)の午後6時までに通知が届いた場合、通知受領日当日。 米国東部時間(Eastern Time)の午後6時以降に通知が届いた場合、翌営業日。 |
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(2) |
1回の購入指示における発行株数上限 |
上限100,000株 株価連動による上限株数増加: 終値が$1.00以上の場合、上限は125,000株に増加 終値が$2.00以上の場合、上限は150,000株に増加 終値が$3.00以上の場合、上限は175,000株に増加 |
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(3) |
発行株価 |
通常購入の株価は、2つの基準株価を比較し、より低い方の価格の97%に設定される。 基準株価1:購入日の取引時間中における最も低い株価 基準株価2:購入日の前営業日を最終日とする過去10営業日間で、終値が最も低かった3日間の平均値 |
超過購入 (Accelerated Purchase)
LPCは通常購入の指示を行った日に限り、超過購入を指示することができる。ただし、対応する通常購入の上限株数を指示しており、それまでに行われた全ての購入指示によって発行された株式が全てLPCにて受領済みでなければならない。TENは購入日から2営業日以内に株式を発行する義務がある。
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(1) |
購入日 |
対応する通常購入日の翌営業日 |
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(2) |
1回の購入指示における発行株数上限 |
以下のうち、少ない方の数が上限となる。 ・対応する通常購入で指示した株式数の300% ・特定の取引時間帯における、市場での全取引量の30% |
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(3) |
発行株価 |
以下の2つの価格を比較し、低い方の価格の97% ・特定の取引時間帯における出来高加重平均価格(VWAP) ・購入日の終値 |
(注)取引時間帯・・・購入日の取引開始(午前9時半)から、①取引終了(午後4時)、②本契約に定められた出来高上限到達、③本契約に定められた最低価格閾値割れのいずれか最も早い時点まで。
追加超過購入 (Additional Accelerated Purchase)
LPCは超過購入の購入日にのみ、追加超過購入を指示することができる。つまり、前日には通常購入の上限が指示されていることが前提となる。ただし、それまでに行われた全ての購入指示によって発行された株式が全てLPCにて受領済みでなければならない。
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(1) |
購入日 |
対応する超過購入と同日 ただし、米国東部時間午後1時までにTENが指示を受領できなかった場合は翌営業日 |
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(2) |
1回の購入指示における発行株数上限 |
以下の2つのうち、少ない方の数が上限 ・「追加超過購入の起点となる通常購入」で指示した株式数の300% ・この「追加超過購入」のために設定された、特定の取引時間帯における全取引量の30% |
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(3) |
発行株価 |
以下の2つの価格を比較し、低い方の価格の97% ・直前の購入の取引時間帯が終了し、その株式がLPCに受領された後から開始される取引時間帯における出来高加重平均価格(VWAP) ・購入日の終値 |
(注)取引時間帯:先行する購入(加速購入または直前の追加加速購入)の取引時間帯が終了し、かつその株式が受領された後から、取引終了等の条件まで。
3.株式取得の相手先の概要
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(1) |
名称 |
Lincoln Park Capital Fund, LLC |
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(2) |
所在地 |
415 N. LaSalle Drive, Suite 700B, Chicago, IL 60654 |
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(3) |
上場会社と当該ファンドとの間の関係 |
該当事項はありません。 |