安倍内閣は、平成28年1月22日に閣議決定された第5期科学技術基本計画(平成28~平成32年度)において、国内又は地球規模で顕在化している課題に先手を打って対応するため、「課題解決に向けた科学技術イノベーションの取組を進め、非連続なイノベーションを生み出す研究開発を強化し、新しい価値やサービスが次々と創出される「超スマート社会」を世界に先駆けて実現するための一連の取組を更に深化させつつ「Society 5.0」として強力に推進する。」ことを表明しました。また同日に開催された第190回国会の施政方針演説にて、平成27年9月に一億総活躍への挑戦の一つとして提唱した「介護離職ゼロ」の実現を改めて強調するとともに、日本を「世界で最もイノベーションに適した国」としてゆく決意を表明しました。その際に、国内外の研究機関・大学・企業のオープンな連携からダイナミックなイノベーションが生まれた事例として、当社および筑波大学が連携して開発したHAL®が「夢のロボットスーツ」として取り上げられました。当社グループは、このような事業環境のもとで、革新的サイバニクス技術を駆使することにより、『重介護ゼロ®社会』の実現と、医療・介護福祉・作業支援分野にフォーカスした「人支援産業」という新産業の創出を目指し、研究開発及び事業展開をさらに加速して進めています。
当連結会計期間において、医療分野では、HAL®医療用(下肢タイプ)について、平成27年11月25日に神経・筋難病疾患に対する「新医療機器」として厚生労働省より日本における製造販売承認を取得し、平成28年4月25日に厚生労働省がHAL®医療用(下肢タイプ)を用いた治療に係る技術料等の保険点数解釈を公表し、ロボット治療として世界で初めて公的医療保険の償還価格が決定しました。なお、当該保険算定については、一回あたりの診療報酬が最大で85,100円〜49,600円であり、効果が確認される場合には回数に制限なく算定可能となっています。当社では、今後の他の疾患への適用拡大に向けて、臨床試験を進めてまいります。欧州においては、既に医療機器認証を取得し、ドイツで治療サービス事業を展開しています。ドイツではHAL®医療用(下肢タイプ)を利用した治療に公的労災保険が適用されていますが、新たに公的医療保険への適用拡大を目指し、平成27年10月27日、InEK(病院医療報酬制度協会)に対して、急性期から回復期に相当する期間のすべての対麻痺患者に対する診療報酬に関する申請を提出しました。また、平成27年10月30日にはG-BA(ドイツ連邦合同委員会)に対して、急性期から回復期に相当する期間を終えたすべての対麻痺患者に対する診療報酬に関する申請を提出しました。米国においては、FDA(米国食品医薬品局)に対して医療機器の承認申請を行っており、FDAの早期承認を目指しつつ、各種保険適用を米国事業の重要なマイルストーンとして位置付け、戦略的に推進してまいります。
HAL®医療用(下肢タイプ)は、今後の対象疾患の適用拡大を目指して国内外での臨床試験を推進し、平成28年3月末時点で、臨床試験用も含め国内外あわせて140台が稼働中です。またHAL®自立支援用(単関節タイプ)も臨床研究を目的として日本国内での病院を中心に導入が進み、平成28年3月末時点で154台が稼働中です。
介護福祉の分野においては、HAL®福祉用等の下肢タイプは、動作支援を目的として日本国内の福祉施設や病院等で運用され、平成28年3月末時点で489台が稼働中です。また、介護離職に悩む介護施設での労働環境改善を目的としたHAL®介護支援用(腰タイプ)は、平成28年3月末時点で282台が稼働中ですが、今後は厚生労働省の介護ロボット導入支援事業等の施策により大幅な導入増加が期待されます。
作業支援の分野においては、少子高齢化による労働人口の減少を背景に深刻な人手不足が発生している物流倉庫業や建設業や各種工場での労務環境改善による労働力確保を目的としたHAL®作業支援用(腰タイプ)は、順調に増加して平成28年3月末時点において216台が稼働中です。また、クリーンロボットおよび搬送ロボットは、平成28年3月末時点において14台が稼働中です。
また当社は、平成27年12月25日に、茨城県と県有地取得の仮契約を締結しました。サイバニクスの未来技術と共生する街「サイバニックシティ」の実現に向け、先進的生活支援ロボット等の研究開発から社会実装までを一体として事業推進してまいります。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は主にHAL®腰タイプ(介護支援用・作業支援用)等の新製品の導入台数の大幅増加により1,264,902千円(前年同期比100.4%増加)を計上する一方で、新製品の量産による原価低減効果や子会社のサービス原価の低減により売上原価が401,121千円(同11.5%増加)に留まった結果、売上総利益は863,780千円(同218.2%増加)と大幅に増加し、売上総利益率も68.3%(同25.3%増加)と大幅に向上いたしました。
研究開発費は新製品開発及び臨床試験の推進により1,001,547千円(同1.9%増加)を計上し、その他の販売費及び一般管理費は主に事業税(資本割)等の租税公課の他に人件費や直接販売費の増加により1,154,365千円(同9.5%増加)を計上した結果、営業損失は1,292,132千円(同26.8%減少)と大幅に改善しました。
営業外収益につきましては、主に助成金収入の大幅減少により705,727千円(同33.7%減少)を計上し、営業外費用につきましては、前期の株式交付費99,409千円がなくなったことにより123,674千円(同40.1%減少)を計上することにより、経常損失は710,079千円(同21.8%減少)と改善しました。
また、法人税等11,173千円及び非支配株主に帰属する当期純損失3,195千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は718,057千円(同21.6%減少)と改善しました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比762,887千円減少し18,458,970千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び主な変動要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、258,282千円の資金流出(前連結会計年度は779,286千円の資金流出)となりました。これは主に、減価償却費を280,299千円計上したものの、たな卸資産増加による資金流出が110,417千円、未収入金減少による資金流入が200,633千円、税金等調整前当期純損失710,079千円を計上したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、482,675千円の資金流出(前連結会計年度は26,780,601千円の資金流出)となりました。これは主に、拘束性預金の減少による資金流入20,000,000千円、有価証券の取得による支出2,000,213千円、定期預金純増による資金流入1,500,000千円、有形固定資産取得による資金流出1,354,938千円及び投資有価証券の取得による支出599,980千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、主に割賦債務の返済による資金流出により、21,185千円の資金流出(前連結会計年度は42,441,003千円の資金流入)となりました。
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | |
生産高(千円) | 前年同期比(%) | |
ロボット関連事業 | 665,461 | 272.1 |
合計 | 665,461 | 272.1 |
(注) 1.単一セグメントであるため、セグメント別の生産実績は記載しておりません。
2.金額は、製造原価及び自社製作資産により表示しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | |||
受注高 | 前年同期比 | 受注残高 | 前年同期比 | |
ロボット関連事業 | 213,078 | 130.3 | 64,529 | 141.2 |
合計 | 213,078 | 130.3 | 64,529 | 141.2 |
(注) 1.単一セグメントであるため、セグメント別の受注実績は記載しておりません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | |
販売高(千円) | 前年同期比(%) | |
ロボット関連事業 | 1,264,902 | 200.4 |
合計 | 1,264,902 | 200.4 |
(注) 1.単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績は記載しておりません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 | 前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) | 当連結会計年度 | ||
販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
大和ハウス工業株式会社 | 69,728 | 11.0 | 98,136 | 7.8 |
神奈川県 | ― | ― | 172,227 | 12.8 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、人・機械・情報系を融合・複合した新しい研究領域であるサイバニクスを事業のドメインとして、サイバニクス技術を用いて人や社会の役に立つ製品・サービスを開発・提供することを事業の目的としております。この革新的なサイバニクス技術を駆使して開発したロボットスーツHAL®は、世界で初めて人間装着型ロボットとして実用化に成功しており、これを世界規模での社会貢献に役立てるための当社グループの課題としては、次のように考えております。
(1) 革新技術・新産業創出のための研究開発活動
当社グループの研究開発活動は、「チャレンジ(挑戦)」「海外展開」「イノベーション(革新)」の3つのキーワードを柱とし、高齢化社会を支えるイノベーション企業として「革新技術の創出」「新産業創出」を含む「社会実装」を実現し事業推進するための研究開発や事業戦略の研究開発などを複眼的に行っています。
最先端サイバニクス技術を駆使したロボット医療機器を革新技術として創出するためには、国内の大学・研究機関、病院、行政機関、企業等と連携し、また医薬品や再生医療との複合療法などの研究開発を推進して参ります。
(2) 目的志向の研究開発を基軸とした人材育成
当社グループは、日本発の革新技術を国際展開して新産業として創出するために、「目的指向の研究開発」を基軸としています。その担い手である当社グループの研究員には、人や社会事業としての目標達成の観点から必要とあれば、たとえ異分野の研究開発、ノウハウ習得であってもその専門家となって研究開発活動等を推進する突出した能力、自分の専門にこだわらない適応性・柔軟性、そして「出口指向の発想力」が求められています。今後、海外の病院や大学、企業や自治体等と連携して、革新技術・機器を用いた新しい治療手法や運用技術そして海外拠点でプロモータとして活躍すべき人材を当社グループに集積し、グローバルに活躍できる人材の育成を図って参ります。
(3) EU主要各国での各種保険の収載
HAL®医療用(下肢タイプ)は、平成25年6月にロボット治療機器として、EU市場へ医療機器を輸出するために必要なMDD(欧州医療機器指令)について、第三者認証機関であるTÜV Rheinlandより適合認証を取得しております。これにより、HAL®医療用(下肢タイプ)は、CEマーキングを表示することによって、EUの国別の規制を受けることなく、世界の医療機器市場の31%(※1)を占めるEU域内で自由に流通・販売させることができます。また現在、EU最大の医療機器市場であるドイツにおいて、HAL®医療用(下肢タイプ)を利用した機能改善治療の治療費の全額が、公的労災保険に収載されており、さらに公的医療保険にも平成27年10月に申請し、医療機器としてのロボットスーツHAL®の新市場が開拓される過程にあります。
一方で、今後EUにおいてロボットスーツHAL®が世界標準の医療・介護福祉機器として販路・数量の拡大を加速するためには、EUの主要な国々における医療保険制度や介護保険制度において、保険収載され、かつ、適切な保険点数を獲得する必要があります。当社グループは、現在各国への適用拡大を目指すために、スウェーデンのカロリンスカ研究所(ダンドリード病院)とドイツのベルクマンスハイル大学病院においてHAL®の臨床試験を実施し、EUの主要な国々での各種保険の早期かつ好条件での収載を目指します。
(4) 米国での医療機器販売許可
今後当社グループがHAL®を世界の医療機器市場の39%(※1)を占める米国内で流通させるためには、医療機器としてFDA(米国食品医薬品局)の販売許可を取得する必要があり、平成26年11月にFDAにHAL®医療用(下肢タイプ)の医療機器承認の申請書類を提出しております(平成27年6月には510k(510kとは、クラスIならびに一部のクラスIIの医療機器について米国市販承認を求めるプロセスです。申請者が意図する使用(intended use)、技術的な特徴 (technological characteristics) 及び性能評価(performance testing)において米国での市販品と同等以上の安全性と有効性を有することを示すことで、FDAによる審査を経て承認が与えられます。)に変更申請)。当社グループとしては、FDAの早期承認を目指しつつ、各種保険適用を米国事業の重要なマイルストーンとして位置付け、戦略的に推進してまいります。
(5) 日本国内での医療機器の許認可取得
世界の医療機器市場の9%(※1)を占める日本国内においては、HAL®医療用(下肢タイプ)について、平成27年11月25日に神経・筋難病疾患に対する「新医療機器」として厚生労働省より日本における製造販売承認を取得し、平成28年4月25日に厚生労働省がHAL®医療用(下肢タイプ)を用いた治療に係る技術料等の保険点数解釈を公表し、ロボット治療として世界で初めて公的医療保険の償還価格が決定しました。なお、当該保険算定については、一回あたりの診療報酬が最大で85,100円〜49,600円であり、効果が確認される場合には回数に制限なく算定可能となっています。また、今後は、神経・筋難病疾患以外にも適用疾患の拡大を目指し、脳卒中や脊髄疾患に対しても臨床試験を実施してまいります。
(6) 介護福祉ロボット事業の推進
現在、日本は超高齢社会となり、65歳以上の高齢者が平成26年10月1日現在約3,300万人(総人口の26.0%)、介護保険制度における要介護者または要支援者は平成24年度末で約545.7万人(※2)となっており、年々増加傾向にあります。また、介護従事者は、平成37年には、現在の2倍、約250万人が必要とされると予測され(※3)、介護離職ゼロに向けて今後は厚生労働省の介護ロボット導入支援事業等の国による普及のための施策により大幅な導入増加が期待されています。
当社は、平成26年度に介護福祉用HAL®として、介護が必要な方の体に装着して立ち座りや歩行などをサポートする福祉用(下肢タイプ)及びベッドで寝たままの姿勢で腕や脚の関節のトレーニングに対応する自立支援用(単関節タイプ)、介助者の腰の負担を軽減する介護支援用(腰タイプ)の製品化を実現し、今後更なる高機能化を進めて参ります。
(7) 製品ラインナップの早期拡充
当社グループは健康長寿社会及び重介護ゼロ®社会の実現を目指して、1)患者の身体機能改善を目的とした医療用、2)体に障がいのある方の自立動作補助を目的とした生活支援用、3)介護や工場での重作業の負荷軽減を目的とした介護・作業支援用の各分野を対象とするHAL®の製品化を実現し、更なる高機能化を推進しております。また、自動搬送ロボットや自動清掃ロボット、病気を未然に防ぐバイタルセンサーの開発を行っています。当社グループは、これらの製品ラインナップの早期展開に向けて、新製品の設計・開発だけでなく、現場ユーザーと協力して実運用フィールドからのフィードバックを図り、更なる高機能化に取り組んでまいります。
(8) 経営管理体制の強化及び人材の育成
当社グループは、グローバル展開に対応するための経営管理体制の強化及び次世代の人材育成を進める必要があります。当社グループは、当期において、内部統制システムの強化が重要な課題と考えており、今後の事業拡大に合わせて、充分な経営管理体制を維持強化すべく、高度で幅広い専門知識や経験を有する次世代の人材の育成を進めて参ります。
出典
※1.Espicom Business Intelligence, “The World Markets Fact Book 2013”
※2.内閣府「平成27年度版 高齢社会白書」
※3.厚生労働省「平成27年版 厚生労働白書」
以下において、当社グループの事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で、行われる必要があると考えております。
また、以下の記載は本株式への投資に関連するリスク全てを網羅するものではありませんので、この点にご留意下さい。なお、当該記載事項は本書提出日現在における当社グループの認識を基礎とした記載であり、将来の環境変化等によって当該認識は変化する可能性があります。
1.当社グループの事業遂行上のリスク
(1) 当社グループの事業が新しい事業領域であることについて
当社グループの主力製品であるHAL®は、当社の代表取締役社長山海嘉之が開発した世界で初めて人間の生体電位を活用した人間装着型ロボットです(注1)。当社グループは、現状、ドイツと日本においてHAL®医療用(下肢タイプ)を、国内においてHAL®福祉用(下肢タイプ)、HAL®自立支援用(単関節タイプ)、HAL®介護・作業支援用(腰タイプ)等を事業展開しております。当社グループの技術は、医療・介護福祉分野、労働・重作業分野、エンターテインメント分野等さまざまな領域に活用できると考えておりますが、従来にない新しい事業領域であることによる不確実性が高く、市場が順調に成長する保証はなく、また当社グループ製品の市場への浸透が計画通りに進まないあるいは収益性を確保することができない場合等には、当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 競争について
当社グループは、HAL®を中心として、医療・介護福祉分野、労働・重作業分野への進出を計画しております。現在、国内外の企業により自律制御を用いた装着型ロボットの開発が行われていますが、人間の脳から発する生体電位信号を活用する随意制御技術は当社グループ独自(注2)のものであり、差別化による当社グループ製品の優位な競争力は保たれていると認識しております。この様な最先端の技術を利用したHAL®の知的財産については、当社グループと国立大学法人筑波大学が特許を共同保有しております。当社グループは、この全ての特許権を独占的に使用する専用実施権を設定しており、人間装着型ロボットの市場における強みと考えておりますが、国内外の様々な企業が人間装着型のロボットの研究や実用化を進めており、また、巨大なテクノロジー企業を含む多数の企業が商業用ロボットの分野に新規参入するなど、当社グループを取り巻く競争環境は変化しており、競合他社が当社グループと比べて、資本、人材、コスト構造の効率性、ブランド、製品の多様性等の点において、より競争優位性を有する可能性があります。HAL®のような先進的技術を用いた製品の開発、実証試験、安全規格認証や医療機器認証の取得及び保険適用等を含む商用化には多大な時間と費用を要する一方で、これが成功する保証はありません。上記のような事業環境において、他社が当社グループの製品よりも新しい技術やより有用な製品の開発に成功した場合には、当社グループの製品の優位な競争力が持続できず、当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(注1、2) 人間の動作意思とロボットを一体化させるサイバニック随意制御技術は、装着する人間の身体機能を改善・補助・拡張・再生させる世界初の技術であり、その基本特許は下記の通り登録されています。
出願番号/登録番号 | 発明の名称 |
特願 2004-068790 特許第4200492号 (出願日 2004.3.11) | 装着式動作補助装置 発明者:山海嘉之 |
特願 2004-040168 特許第4178185号 (出願日 2004.2.17) | 装着式動作補助装置、装着式動作補助装置における駆動源の制御方法、及びプログラム 発明者:山海嘉之 |
特願 2004-045354 特許第4178186号 (出願日 2004.2.20) | 装着式動作補助装置、装着式動作補助装置の制御方法及び制御用プログラム 発明者:山海嘉之 |
特願 2005-018295 特許第4178187号 (出願日 2005.1.26) | 装着式動作補助装置及び制御用プログラム 発明者:山海嘉之 |
(3) 会社組織に関するリスク
当社は、平成16年6月24日に設立されましたが、下記のようなベンチャー企業特有の課題があると認識しております。
①経営面及び新技術の開発において創業者である代表取締役社長山海嘉之に多くを依存しております。今後何らかの要因により同氏の業務執行が困難となった場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
②優秀な研究開発人材を多数有しておりますが、当社グループが必要とする優秀な人材が退職した場合には、当社グループ製品開発のスピードに影響を及ぼす可能性があります。
③今後は事業の拡大に伴い、営業・生産・管理部門の人員増強及び内部管理体制の一層の充実を図る方針でありますが、優秀な人員の確保及び内部管理体制の充実が円滑に進まなかった場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 特定製品への依存リスク
当社グループの主力製品はHAL®であり、平成28年3月期において、それに関連する売上高は当社グループの売上高の大半を占めています。今後につきましても、当面の間HAL®が収益源になると予測しておりますが、米国における医療機器承認の遅れや、各国の法規制、医療政策、医療保険などの保険制度の整備の遅れ等が生じた場合には、当社グループの事業及び収益性に影響を及ぼす可能性があります。これらの要因に加え、HAL®の使用またはこれに関連した訴訟等の提起、HAL®に代替する新規技術や技術革新、より競争力のある同種製品の発表、関連する法規制等の変更、筑波大学との間のHAL®に関する特許権の独占的に使用する専用実施権の付与に関する関係の変化等、何らかの要因により、HAL®の持続的な市場拡大が見込めなくなった場合には、当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 医療機器承認について
HAL®を中心とした当社グループの製品について、医療機器として販売するためには、各国又は地域における法規制に基づき、一定の治験・審査等を経た上で当局の承認を得ることが必要になります。当社グループは、EUと日本においてHAL®につき医療機器としての承認を得ておりますが、それ以外の国又は地域において、HAL®又はその他の当社グループ製品について医療機器としての承認を受けられる保証はなく、また承認を受けられるとしてもその時期は各国・地域毎に異なる可能性があります。また、承認後に当該国又は地域における法規制や制度に変更等が生じた場合には、既に得られた承認が更新できるとは限らず、また取り消される可能性もあります。このような場合において、当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 保険収載について
当社グループは、HAL®を中心とした当社グループ製品を使用した治療が多くの国又は地域で公的及び民間の医療保険に収載され、これによりHAL®を中心とした当社グループ製品を使用した治療に対し、公的保険機関又は民間保険会社等からの保険金の支払いを受けることができることが、HAL®を中心とした当社グループ製品を使用した治療が普及・浸透するための重要な要素であり、当社グループの事業展開における大きな課題であると認識しております。しかしながら、保険制度は各国又は地域により異なる場合があるほか、保険収載に際して適用疾患の範囲や保険金支払いの程度等は各国又は地域の公的保険機関や民間保険会社等によりそれぞれ決定されるため、その状況如何によって当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 提携、買収等について
当社グループは、特許権等の知的財産や事業の買収、国内外企業とのジョイントベンチャーや戦略的業務提携を行っていくことが、当社グループの事業展開を加速するための大きな課題であると認識しており、今後も積極的に検討して参ります。しかしながら、買収又は提携等を行うに際して、買収又は提携による効果を事前に完全に予測することは困難であり、かかる買収又は提携等が円滑に行われる保証はありません。買収した知的財産や事業、ジョイントベンチャーや戦略的業務提携が、当初見込み通りの期間で予想どおりの効果を得られるという保証はなく、買収又は提携等による効果を当社グループが適切に活用できない可能性があります。これらの事情により、当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(8) EUにおける事業化に関するリスク
①当社グループのHAL®は、平成25年6月にロボット医療機器として世界で初めて、EU市場へ医療機器を輸出するために必要なEUの法規制への適合を証するMDD(欧州医療機器指令)のクラス IIaを、世界有数の第三者認証機関であるTÜV Rheinlandより認証取得し、医療機器としてのCEマーキングを取得しております。この認証は当社グループがEUにおいてHAL®の事業活動を行う上で重要であります。しかしながら、HAL®がMDD(欧州医療機器指令)やISO13485(医療機器の品質マネジメントシステムの国際規格)等の要求事項を満たさないことが確認された場合には、CEマーキングを取り消す等の可能性があり、これにより当社グループのEU市場での事業展開に支障が生じた場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
②当社グループは、平成25年8月よりドイツにおいて事業を開始しました。当社グループのドイツにおける事業展開においては、DGUVが労災保険適用を認めることにより、公的労災保険適用者に対しBG RCIから利用料の全額が労災保険として支払われるスキームとなっています。現時点において、当社グループは、BG RCIをビジネスパートナーとし、公的労災保険適用者を中心に治療の提供をしており、今後更にBG RCI系列の病院を中心としてドイツでの事業展開を進め、その後EU全域への事業展開を計画しております。しかし今後、ビジネスパートナーであるBG RCIの方針変更等により、BG RCI系列の病院への事業展開の計画変更を余儀なくされる等の事象が起きた場合には、ドイツでの事業展開のみでなく、EUにおける将来の事業展開に影響を及ぼす恐れがあります。その場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 海外事業全般に関するリスク
当社グループは、事業地域を海外においても拡大していくことを企図しておりますが、海外事業の運営において下記のようなリスクがあると認識しており、これらのリスクは当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
・政治状況、経済状況等の地政学リスク
・法制度、税制等が変更されるリスク
・商習慣等が異なるリスク
・大規模なストライキ等、労働環境が混乱するリスク
・文化的な違い等による、現地採用人材、事業運営等の管理が困難となるリスク
・日本への送金等が困難となるリスク
・為替に関するリスク
(10) 製品の不具合による顧客の損失について
当社グループは、ISO13485(医療機器の品質マネジメントの国際標準規格)に基づいて製品品質の更なる向上に継続的に取り組んでいますが、将来にわたって製品に欠陥がなく、製造物賠償責任請求及びリコール等に伴う費用が発生しないという保証はありません。万が一、製品の欠陥により損害が生じた場合は、製造物責任請求についてはその全部又は一部について製造物責任(PL)保険の対象となりますが、当社グループ及び製品の社会的信用が低下することにより、当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(11)知的財産権について
①当社グループのHAL®は人間の生体電位信号を活用する独自の技術を利用するものですが、HAL®に利用されるこのような技術について、当社グループは国立大学法人筑波大学と特許権に関する独占的実施許諾契約を締結することで特許技術の利用を行っております。この契約は当社グループが事業活動を行う上で重要な事項であり、許諾を受けた知的財産権の権利期間の満了日まで効力を有するものの、本契約に違反した場合、合併や重要資産の買収がなされた場合や当社事業の重要部分が譲渡された場合など何らかの理由によりこの契約の継続が困難となった場合には、当社グループの経営成績、財政状態及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
②当社グループの事業に関連した特許権等の知的財産権について、現時点において、第三者との間で訴訟やクレームといった問題が発生したという事実はなく、当社グループの事業に関し他者が保有する特許権への侵害等の知的財産権侵害に関する問題の発生により、当社グループの事業に重大な支障を及ぼす可能性は低いものと認識しております。また、技術調査等を継続して行っていくことで知的財産権侵害問題の発生を回避するよう努めております。しかしながら、当社グループのような研究開発型の企業にとって、知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であります。今後、当社グループが第三者との間の法的紛争等に巻き込まれた場合、弁護士や弁理士と協議の上、その内容によって個別具体的に対応策を検討していく方針でありますが、当該第三者の主張の適否にかかわらず、解決に時間及び多額の費用を要する可能性があり、また、当社グループの技術に関しては、細心の注意を払って管理しておりますが、第三者が当社グループの技術を侵害した場合であっても、解決に時間及び多額の費用を要する可能性があります。その場合には当社グループの事業戦略、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(12)法的なリスクについて
当社グループの事業は、以下の事項を含め、各国又は地域における各種法令、規則その他の規制の適用を受けており、これらの法規制等による制約に服しております。例えば、当社グループの様々な事業活動において、国内外を問わず、当社グループが関与する技術・製品・サービス等についての知的財産権や製造物責任、また薬事、商取引、輸出入規制、関税を含む税務、贈賄や腐敗防止に関する法規制、競争法、労働法、消費者関連法、個人情報保護法、環境法、外為法その他事業に関連して様々な法規制等の適用を受けており、またこれらの法規制等や慣行を巡って予期しない課題が提起される場合があります。特に、当社グループが現在取り扱っている製品の一部は、日本では薬機法により定められた医療機器として厚生労働省による製造販売承認を取得しており、日本とEU以外の各国又は地域においても同様の規制当局による承認等が必要であるとともに監督当局による監督に服します。この承認審査は、製品の有効性、安全性等の確認を目的として行われるものであり、審査の結果、製造の承認が取得できなかったり、承認の時期が遅れたりする可能性があります。さらに、承認の取得後、製品を販売している間においても、当該製品の有効性、安全性に問題が生じた場合には、承認が取り消されることもあります。上記のほか、当社グループが、当社グループの事業に適用のある法規制等に違反した場合、民事、行政、刑事上の制裁を課される可能性があり、また当社グループの社会的信用に影響する可能性があります。これらの場合には当社グループの事業、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(13)個人情報に関するリスク
当社グループではHAL®の利用者の個人情報を取得しております。当社グループでは、当該情報に接することができる者を制限するとともに、全役職員との間で守秘義務契約書を締結しております。また、当社グループは、個人情報保護規程を制定するとともに、個人情報保護管理者を任命する等、個人情報の管理には十分留意し、現在まで顧客情報の流出等による問題は発生しておりません。しかしながら、今後、顧客情報の流出等の問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や当社グループの社会的信用の低下等により、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(14)平和倫理委員会について
当社グループは、当社グループの先進技術が人の殺傷や兵器利用を目的に利用されることを防止するため、平和倫理委員会を設置しております。平和倫理委員会は、代表取締役社長及び全ての社外役員により構成され、審議事項の判定は、出席委員の3分の2以上の賛成をもって行うものとしており、当社グループの企業行動規範で定める「医療、介護福祉、災害復旧」の事業領域に含まれないおそれがある事業領域へ参入する際に、その参入により、当社グループの先進技術が人の殺傷や兵器利用を目的に利用される可能性の有無について審議・検証し、判定の結果を取締役会へ報告します。
この平和倫理委員会の審議・検証の結果が、短期的には当社グループの業績向上に必ずしも資さない可能性があります。
2.大学教授兼任に関するリスク
(1) 国立大学法人筑波大学教授等の兼任について
当社代表取締役社長である山海嘉之は国立大学法人筑波大学の教授職並びに内閣府の革新的研究開発推進プログラム(以下「ImPACT」)のプログラム・マネジャー(以下「PM」)を兼業しております。当該兼業に伴う①代表取締役社長及び大学教授並びにImPACTのPMを兼ねていることによる当社グループと国立大学法人筑波大学並びに内閣府のImPACTの実施機関である国立研究開発法人科学技術振興機構(以下「JST」)との間における利益相反防止体制、②代表取締役社長兼務への支障の有無については、それぞれ以下の通りです。
①利益相反防止体制
大学並びにJSTとの取引や共同研究契約の締結など利益相反に係る意思決定は全て取締役会決議を行っており、当該決議に際しては、山海嘉之を含む国立大学法人筑波大学関係者を除いた取締役5名(うち社外取締役3名)並びにJST関係者である山海嘉之を除いた取締役6名(うち社外取締役3名)によって意思決定を行うことにより、利益相反を防止する体制を構築しております。更に監査役監査にて利益相反に係る事項を日々モニタリングし、取締役会で報告する体制を構築しております。
②代表取締役社長業務への支障の有無
サイバニクス研究にかかる当社グループと国立大学法人筑波大学並びに内閣府ImPACTでの業務は一体的且つ不可分でありますが、純粋な国立大学法人筑波大学職員としての職務(授業、大学教授としての学内会議への出席等)並びにImPACTのPMとしての職務(企画・マネジメント等)の当社代表取締役社長固有の業務(取締役会出席、稟議決裁、投資家対応等)への影響は限定的であり、代表取締役社長としての職務執行が十分に可能な状態にあります。
しかしながら、山海嘉之が当社代表取締役社長としての立場よりも大学教授並びにImPACTのPMの立場を優先した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
3.先端機器事業全般に関する事項
(1) 開発事業全般に関するリスク
先端ロボット開発の分野では、世界各国の企業が技術革新の質とスピードを競い合っております。また、先端ロボットの基礎研究、開発から製造及び販売に至る過程では、各国における諸規制に従ってこれを推進していくことから、長期間にわたり多額の資金を投入することになります。このため、研究開発には多くの不確実性が伴い、当社グループの現在及び将来における開発品についてもこのようなリスクが内在しております。また、当社グループは、事業計画に基づき、事業領域(各種疾病・介護等)を拡大していき、各国における各種保険収載に向けて事業を展開してまいりますが、事業領域が計画通り拡大する保証はなく、また適用された保険制度が将来的に見直されたり、保険の対象範囲や保険金支払いの程度が変更されるリスクが存在しております。このようなリスクが顕在化した場合は、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 新規開発品の創出に関するリスク
当社グループは、国立大学法人筑波大学を中心に研究機関と共同研究を行うことで、新規開発品の探索及び創出を図っており、既に事業化されているHAL®下肢タイプ(福祉用・医療用)や単関節タイプ(自立支援用)や腰タイプ(作業支援用・介護支援用)に加えて、複数の新規開発製品をリリースすることを重要な事業戦略としております。
しかしながら、これらの新規開発品の探索及び創出が確実にできる保証はありません。このため、何らかの理由により、新規開発品の探索及び創出活動に支障が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 研究開発に内在する進捗遅延に関するリスク
当社グループは、研究開発型企業グループとして国立大学法人筑波大学との共同研究関係を中心として外部との協力関係を構築することで効率的な研究開発の推進を図っております。しかしながら、研究開発活動が計画通り進む保証はなく、当初計画したとおりの研究開発による結果が得られない場合、各種試験の開始又は完了に遅延が生じた場合あるいは医療機器としての製造販売承認の取得が遅れる又は制限される可能性などは否定できません。当社グループは、このような事態を極力回避すべく、各開発品の進捗管理及び評価を適時に行い、各開発品の優先順位付け、投下する経営資源の強弱の変更あるいは一時中断の決定などの対応を図っております。このように、当社グループは研究開発費が大きく増加するリスクを低減しておりますが、研究開発が計画どおりに推移しない場合には、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
4.B種類株式の導入について
(1) 本スキームの概要
当社グループは、「テクノロジーは人や社会に役立ってこそ意味がある」という理念のもとで、HAL®を中心とした先進技術を平和的な目的の場で活用しており、人の身体能力を改善・補助・拡張・再生するサイバニクス技術を平和目的に利用することは、今後到来する超高齢化社会のニーズと合致し、当社グループの長期的な企業価値の向上に繋がるものであります。一方で、当該技術は、人の殺傷や兵器利用を目的とした軍事産業への転用など、平和的な目的以外の目的で利用される可能性があります。そこで、当社は、資本市場から資金調達を行いつつ、先進技術の平和的な目的での利用を確保するため、上場する普通株式とは異なる種類のB種類株式を発行しております(当社のB種類株式を用いたスキームを、以下「本スキーム」といいます。)。
当社グループの将来ビジョンである、少子高齢化という社会が直面する課題を解決しつつ、人支援産業という新しい産業分野を開拓するためには、サイバニクス技術の研究開発と事業経営を一貫して推進する必要があります。当社代表取締役社長である山海嘉之は、このサイバニクス技術を創出し、現在もサイバニクス研究の中心的な存在であり、更にその革新的な技術を社会に還元するための事業推進者でもあります。このため、当社グループの企業価値向上(株主共同利益)には、当面の間、山海嘉之が経営に安定して関与し続けることが必要であると考えており、これを実現可能とする本スキームは、株主共同利益の観点で必要性の高いスキームであると認識しています。
具体的には、当社は、上場する普通株式と比較して、剰余金の配当及び残余財産の分配については同一の権利を有しますが、単元株式数について異なるB種類株式を設けております。普通株式の単元株式数を100株とし、B種類株式の単元株式数を10株とすることにより、B種類株式を有する株主(以下「B種類株主」といいます。)が有する議決権の数は、同数の普通株式を有する株主(以下「普通株主」といいます。)に比べて、10倍となります。B種類株主は、山海嘉之、山海嘉之が代表理事を務める一般財団法人山海健康財団及び一般財団法人山海科学技術振興財団(以下「本財団法人」と総称します。)のみであり、山海嘉之は、当連結会計年度末時点において普通株式及びB種類株式の発行済株式総数の約38%にあたる普通株株式42,000株及びB種類株式77,696,000株を有し、その有する議決権の数は、当社の総株主の議決権の数の約86%となります。
普通株式及びB種類株式並びに本スキームの概要は、以下の通りです。
(i) 株式の概要
| 普通株式 | B種類株式 |
剰余金の配当・ | 同順位・同額 | |
単元株式数 | 100株 (100株につき1個の議決権) | 10株 (10株につき1個の議決権) |
譲渡制限 | 制限なし | 取締役会の承認が必要 (B種類株主間の譲渡には不要) |
種類株主総会の決議を | あり | なし |
取得請求権 | なし | あり (B種類株式1株を |
取得条項 | なし | あり (B種類株式1株につき |
株式の分割・ | 同時・同一の割合 | |
上場 | 上場 | 非上場 |
(ⅱ) 単元株式数の相違
普通株式とB種類株式は、剰余金の配当及び残余財産の分配は同順位かつ同額で受領する権利を有しますが、単元株式数については、普通株式は100株、B種類株式は10株と異なります。これにより、例えば、B種類株式100株を有するB種類株主は株主総会において10個の議決権を有するのに対し、同数(100株)の普通株式を有する普通株主は株主総会において1個の議決権を有することとなり、B種類株主は、普通株主に比べて同数の株式につき10倍の議決権を有することとなります。
なお、当連結会計年度末時点における当社の普通株式の発行済株式の数は125,576,000株、B種類株式の発行済株式の数は77,770,000株であり、山海嘉之は、普通株式及びB種類株式の発行済株式総数の約38%にあたる普通株式42,000株及びB種類株式77,696,000株を有し、その有する議決権の数は、当社の総株主の議決権の数の約86%を有するため、取締役の選任及び組織再編を含む株主総会の決議事項を自らの議決権行使により可決させることができます。
(ⅲ) B種類株主の変更を抑制するための仕組み
B種類株式は、当社グループの先進技術の平和的な目的での利用を確保するために発行されたものです。そこで、B種類株式が本書提出日におけるB種類株主又は当社以外の者に譲渡されることを防止するため、定款上、①B種類株主以外の者がB種類株式を譲渡により取得するには、取締役会の承認を要する旨、及び、②B種類株主以外の者によるB種類株式の取得について譲渡承認請求(会社法第136条又は第137条に定める承認の請求をいいます。)がなされた場合及びB種類株主が死亡した日から90日が経過した場合(ただし、他のB種類株主に相続又は遺贈されたB種類株式及び当該90日以内に他のB種類株主に譲渡されたB種類株式を除く。)には、当該請求がなされたB種類株式又は当該死亡したB種類株主が有していたB種類株式の全部を普通株式に転換(当社がB種類株式を取得し、B種類株式1株と引換えに、B種類株主に対して、普通株式1株を交付することをいいます。以下同じです。)する旨が定められています。
本書提出日における当社のB種類株主は、山海嘉之及び本財団法人であり、それぞれが有するB種類株式は、山海嘉之が77,696,000株、本財団法人が4,000株です。山海嘉之は、本スキームの継続性を確保するため、その時点で有するB種類株式の一部を本財団法人へ無償で譲渡することを予定しております。また、本財団法人は、B種類株式を継続して保有する予定であるとのことです。
なお、B種類株主である本財団法人は、当社グループの先進技術の平和的な目的での利用を確保し、当社グループの企業価値が毀損されることを防止するため、いずれも以下の内容の議決権行使ガイドラインを定めています。
財団法人は、その所有する当社が発行するB種類株式について、株主総会及び種類株主総会において議決権を行使するに当たり、次の各号に規定する決議事項について、それぞれ当該各号に規定する場合には、反対の議決権を行使するものとする。なお、財団法人は、議決権行使ガイドラインの内容を変更する場合には、理事会の決議による承認を得るものとし、財団法人が定める方法により変更内容を公表する。
a. 取締役の選解任に係る決議については、当該取締役の選解任によって、当社グループにおける先進技術の平和的利用が妨げられ、又は当社グループの企業価値が毀損される形での経営が行われると判断される場合
b. その他の決議については、当該決議が可決されると、当社グループにおける先進技術の平和的利用が妨げられ、又は当社グループの企業価値が毀損されると判断される場合
(ⅳ) ブレークスルー条項
当社は、極めて小さい出資割合で会社を支配するような状況が生じた場合には本スキームの解消が可能となるようにするため、当社の発行する株式につき公開買付けが実施された結果、公開買付者の所有する当社の株式の数が当社の発行済株式(自己株式を除きます。)の総数に対して占める割合が4分の3以上となった場合には、B種類株式の全部を普通株式に転換する旨のブレークスルー条項(注)を定款に定めております。
(注)「ブレークスルー条項」とは、発行済株式総数のうち一定割合の株式を取得した者が現れた場合にスキームを解消させる条項をいいます。
(ⅴ) サンセット条項
B種類株式は、上記(ⅲ)のとおり、山海嘉之は、本スキームの継続性を確保するため、その時点で有するB種類株式の一部を本財団法人へ無償で譲渡し、本財団法人はB種類株式を継続して保有する予定であり、本スキームは、当社グループの先端的なロボット技術の開発を行った山海嘉之が当社の取締役を退任し、又は死亡した後も継続することが予定されています。しかし、山海嘉之が取締役を退任した後も本財団法人がB種類株主として当社議決権を行使することが、普通株主を含む当社株主の意思と合致しない可能性があるため、山海嘉之が取締役を退任(但し、重任その他退任と同時若しくは直後に選任される場合を除く。)した場合は、当該退任の日(当該退任と同日を含む。)から1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までに、また直前の株主意思確認手続の日の後5年以内に終了する事業年度のうち最終のものの終了後3か月以内に普通株式及びB種類株主全体の意思を確認するための株主意思確認手続を実施することとしております。具体的には、B種類株式の単元株式数を100株とみなして計算される普通株主及びB種類株主の議決権の3分の1以上を有する株主の意思が確認でき、意思を確認した当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数が賛成した場合には、B種類株式の全部を普通株式に転換する旨のサンセット条項(注)を定款に定めております。
(注) 「サンセット条項」とは、議決権種類株式導入の目的が終了した場合又はこれらの事由が生じたとみなすことのできる場合に、スキームを解消させる条項をいいます。
(ⅵ) 普通株主を構成員とする種類株主総会の排除
当社は、会社法第322条第1項各号に掲げる行為をする場合には、法令又は定款に別段の定めがある場合を除き、普通株主を構成員とする種類株主総会の決議を要しない旨を定款に定めております。
但し、種類株主総会を排除しても普通株主が不当に害されないようにするため、会社法第322条第1項各号に掲げる行為のうち、①株式の併合、株式の分割、株式無償割当て、新株予約権無償割当て、株式及び新株予約権の株主割当、株式移転(他の株式会社と共同して株式移転をする場合を除きます。)並びに単元株式数の変更については、同時に同一の割合で(株式移転については同一の割合で)行う旨を定款に定めており、また、②当社が消滅会社となる合併、完全子会社となる株式交換又は株式移転(他の株式会社と共同して株式移転をする場合に限ります。)にかかる議案が全ての当事会社の株主総会(株主総会の決議を要しない場合は取締役会)で承認された場合には、B種類株式の全部を普通株式に転換する旨の取得条項を定款に定めております。
(2) 本スキームのリスク
B種類株式は、当社グループの先進技術の平和的な目的での利用を確保するために発行されたものですが、本スキーム導入により想定されるリスクには、以下のものが含まれます。これらのリスクが顕在化した場合、当社の普通株式を保有する株主の権利や利益に影響を及ぼす可能性があります。
①B種類株主の議決権行使による強い影響力に関するリスク
当連結会計年度末において、山海嘉之は、普通株式及びB種類株式の発行済株式総数の約38%にあたる普通株式42,000及びB種類株式77,696,000株を有し、その有する議決権の数は、当社の総株主の議決権の数の約86%を有することとなり、当社の事業運営に強い影響力を有することとなります。これにより、普通株主による議決権行使による当社に対する影響力は限定的となります。また、B種類株主の議決権行使は、特に当社グループの先進技術の平和的な目的での利用を確保するために行使される場合、普通株主の利益と相反する可能性があります。
②当社株式の買付けを妨げるリスク
本スキームの導入により、B種類株主は、普通株主に比べて同数の株式につき10倍の議決権を有することとなり、より少ない数のB種類株式でより多くの議決権を有することが可能です。当社定款にはブレークスルー条項及びサンセット条項が定められていますが、ブレークスルー条項及びサンセット条項によりB種類株式の全部が普通株式に転換するのは、それぞれ、公開買付者が普通株式及びB種類株式の発行済株式総数の4分の3以上を所有することとなった場合及び株主意思確認手続(上記(1)(ⅴ)に記載)において3分の2以上の多数の株主が普通株式への転換に賛成した場合に限られます。よって、本スキームは、普通株主にとって利益となるような当社株式の買付けを妨げる可能性があります。
③普通株式を構成員とする種類株主総会の排除に関するリスク
当社は、会社法第322条第1項各号に掲げる行為をする場合(法令又は定款に別段の定めがある場合を除きます。)であっても、普通株主を構成員とする種類株主総会の決議を要せず当該行為を行うことができるため、普通株主の意思が当社の意思決定に反映されない可能性があります。
④B種類株式の転換に関するリスク
B種類株式には普通株式を対価とする取得請求権及び取得条項が付されているため、今後、B種類株式が普通株式に転換することにより、上場している普通株式の発行済株式の数が増加し、普通株式の市場価格に影響を与える可能性があります。
5.その他のリスク
(1) 配当政策について
当社は、創業以来配当を実施しておらず、本書提出日現在においても、会社法の規定上、配当可能な状態にはありません。当面は早期の黒字化を目指し、内部留保による財務体質の強化及び研究開発活動への再投資を優先する方針であります。一方で、株主への利益還元についても重要な経営課題として捉え、財政状態及び経営成績を勘案しつつ配当の実施を検討してまいります。しかしながら、利益計画が想定通りに進捗せず、今後も安定的に利益を計上できない状態が続いた場合には、配当による株主還元が困難となる可能性があります。
(2) 資金繰り及び資金調達等に関するリスク
当社グループでは、研究開発活動の進捗に伴い多額の研究開発費が先行して計上され、継続的な営業損失が生じております。今後も事業の進捗に伴って運転資金、研究開発投資、設備投資及びM&A等の資金需要の増加が予想されます。今後も継続的に財務基盤の強化を図ってまいりますが、収益確保または資金調達の状況によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) マイナスの繰越利益剰余金を計上していることについて
当社グループは、これまで研究開発活動を重点的に推進してきたことから、多額の研究開発費用が先行して計上され、マイナスの繰越利益剰余金を計上しております。当社グループは、早期の黒字化を目指しており、その後も安定的な利益計上による強固な財務基盤の確立を目指しておりますが、当社グループの事業が計画通り進展せず、マイナスの繰越利益剰余金が計画通りに解消できない可能性があり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 税務上の繰越欠損金について
当社グループは研究開発型企業として先行的に開発投資を行ってきたため、本書提出日現在において、税務上の繰越欠損金を有しております。今後の税制改正により欠損金の繰越控除制度が見直され、欠損金の繰越控除制限が強化された場合、研究開発に投下した資本の一部を回収する機会を喪失する等、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 為替相場の変動について
当社グループの連結決算においては、海外グループ会社決算を現地通貨から邦貨換算して当社の連結財務諸表に反映するため、為替変動による影響を受けるリスクがあります。従いまして、今後、大幅な為替変動が生じた場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 特許等の独占的実施許諾に関する契約
相手先の名称 | 相手先の所在地 | 契約 | 契約期間 | 契約内容 |
国立大学法人 | 茨城県つくば市 | 平成24年 | 契約締結日から許 | ロボットスーツの製品に関する許諾特許及び本技術を実施する独占的実施権 |
(注) 1. 特許経費として許諾特許維持のために必要な経費を負担することになっています。
2. 実施料として正味販売価格の3%に相当する金額を支払うことになっています。
(2) 共同研究契約
相手先の名称 | 相手先の所在地 | 契約 | 契約期間 | 契約内容 |
国立大学法人 | 茨城県つくば市 | 平成23年 | 平成23年4月1日から | ロボットスーツを始めとするサイバニクス分野に属する技術の実用化、高機能化に関する研究開発 |
(3) 会社設立及び運営に関する契約
相手先の名称 | 相手先の所在地 | 契約 | 契約期間 | 契約内容 |
Berufsgenossenschaft | Kurfürsten-Anlage 62,69115 | 平成25年 | 平成25年8月12日から | Cyberdyne Care Robotics GmbH の設立及び運営方法 |
当連結会計年度(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日)
当社グループは研究開発型のテクノロジー企業として、設立以来、サイバニクス技術を用いて人や社会の役に立つ製品・サービスを研究・開発しており、当連結会計年度の研究開発費の総額は1,001,547千円と、販売費及び一般管理費全体の46.5%であり大きな割合を占めています。当社グループの製品やサービスの研究開発については、共同研究先の国立大学法人筑波大学の研究成果を活用することで、HAL®福祉用はパーソナルケアロボットの国際安全規格(ISO/DIS13482)の認証を世界で初めて取得し、HAL®医療用はロボット治療機器として世界で初めてEUにおける医療機器の認証(CEマーキング)を世界で初めて取得し、また日本では厚生労働省より医療機器として製造販売承認を取得し、世界で初めて公的医療保険の適用が認められました。さらにHAL®作業支援用(腰タイプ)とHAL®介護支援用(腰タイプ)は作業支援用装着型ロボットとして世界で初めてパーソナルロボットの国際安全規格(ISO13482)を取得しております。今後とも受託研究や補助金等の公的資金も有効活用しながら研究開発活動を加速しております。当事業年度末の研究開発従事人員数は33名です。
人支援技術の研究開発
研究開発に関しては、社会が直面する高齢化社会に伴う様々な課題に対処できる技術開発として、サイバニクス技術を駆使して、(1)次世代サイバニクス技術、(2)ロボット医療技術、(3)生活支援ロボット技術までを広く包括できる人支援技術を研究開発しております。基礎研究レベルから社会実装に至るまでの人と機械と情報系が混在したトータルシステムの研究開発に注力しております。
文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、期末日における資産・負債の数値、及び決算期における収益・費用の数値に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。
これら見積りや判断には不確実性が存在する為、見積もった数値と実際の結果の間には乖離が生じる可能性があります。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日)
当連結会計年度の売上高は主にHAL®腰タイプ(介護支援用・作業支援用)等の新製品の導入台数の大幅増加により1,264,902千円(前年同期比100.4%増加)を計上する一方で、新製品の量産による原価低減効果や子会社のサービス原価の低減により売上原価が401,121千円(同11.5%増加)に留まった結果、売上総利益は863,780千円(同218.2%増加)と大幅に増加し、売上総利益率も68.3%(同25.3%増加)と大幅に向上いたしました。
研究開発費は新製品開発及び臨床試験の推進により1,001,547千円(同1.9%増加)を計上し、その他の販売費及び一般管理費は主に事業税(資本割)等の租税公課の他に人件費や直接販売費の増加により1,154,365千円(同9.5%増加)を計上した結果、営業損失は1,292,132千円(同26.8%減少)と大幅に改善しました。
営業外収益につきましては、主に助成金収入の大幅減少により705,727千円(同33.7%減少)を計上し、営業外費用につきましては、前期の株式交付費99,409千円がなくなったことにより123,674千円(同40.1%減少)を計上することにより、経常損失は710,079千円(同21.8%減少)と改善しました。
また、法人税等11,173千円及び非支配株主に帰属する当期純損失3,195千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は718,057千円(同21.6%減少)と改善しました。
(3) 財政状態の分析
当連結会計年度(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日)
① 資産
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度比754,582千円減少し、47,534,470千円となりました。これは主として、現金及び預金が15,263,391千円減少し、有価証券が13,000,717千円増加し、建設仮勘定が662,771千円増加し、投資有価証券が599,980千円増加したこと等によるものです。
② 負債
当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末比41,218千円減少し、20,470,536千円となりました。これは主として買掛金が44,074千円減少したことによるものです。
③ 純資産
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末比713,363千円減少し、27,063,934千円となりました。これは主として当期純損失を721,253千円計上したことによるものです。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
本書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5) 戦略的現状と見通し
医療分野におきましては、 HAL®医療用(下肢タイプ)の日本での公的医療保険の対象疾患の適用拡大やドイツでの公的医療保険収載及び米国での医療機器承認を推進すると共に、新タイプの製品開発や国内外での臨床試験の強化に努めて参ります。
非医療分野におきましては、 HAL®作業支援用(腰タイプ)やHAL®介護支援用(腰タイプ)、 HAL®自立支援用(単関節タイプ)や搬送・清掃ロボットの普及に向けて製造・販売体制の強化に努めて参ります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日)
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比762,887千円減少し18,458,970千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び主な変動要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、258,282千円の資金流出(前連結会計年度は779,286千円の資金流出)となりました。これは主に、減価償却費を280,299千円計上したものの、たな卸資産増加による資金流出が 110,417千円、未収入金減少による資金流入が200,633千円、及び税金等調整前当期純損失710,079千円を計上したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、482,675千円の資金流出(前連結会計年度は26,780,601千円の資金流出)となりました。これは主に、拘束性預金の減少による資金流入20,000,000千円、有価証券の取得による支出20,000,213千円、定期預金純増による資金流入1,500,000千円、有形固定資産取得による資金流出1,354,938千円及び投資有価証券の取得による支出599,980千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、主に割賦債務の返済による資金流出により、21,185千円の資金流出(前連結会計年度は42,441,003千円の資金流入)となりました。
(7) 経営者の問題意識と今後の方針について
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、社会貢献を前提として企業価値を最大限に高めるべく努めております。具体的には「3対処すべき課題」に記載のとおりであります。