第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)業績の状況

当社グループは、超高齢社会が直面する諸課題を解決するため、人・ロボット(機械)・情報系が融合複合した新領域《サイバニクス》の技術を駆使し、医療、福祉、生活(職場環境を含む)分野を対象として研究開発から社会実装に至るまでを一貫して推進しています。

サイバニクスは、人とロボット系及び情報系を機能的につなぎ、物理的・情報的・生理的インタラクションを実現するものです。当社グループは、現在の情報社会の次に続く「Society 5.0」(情報空間と物理空間が融合した超スマート社会)をさらに一歩進め、サイバニクスを駆使しながら『人』を中心に再構成し進化させる新たなビジョンとして『人』+『サイバー・フィジカル空間』の融合、すなわち、人とテクノロジーが共生する未来社会「Society 5.1」の実現を目指してまいります。

 

当第3四半期連結累計期間において、医療分野では歩行機能改善を目的としたHAL®医療用下肢タイプ両脚モデルが、2016年9月以降、神経筋難病疾患に対する公的な医療保険診療のために国内拠点病院を中心に導入が進んでいますが、並行して脳卒中への適用拡大に向けて2016年9月よりHAL®医療用下肢タイプ単脚モデルの医療機器承認のための医師主導治験が進行しています。

欧州においては、既に医療機器認証(適用疾患:脳卒中、脊髄損傷、神経・筋難病など)を取得し、ドイツで治療サービス事業を展開しています。ドイツでは医療用HAL®を利用した治療に公的労災保険が適用されていますが、公的医療保険への適用拡大を目指し、各種手続きを進めています。また、ポーランドの医療機関においても2017年7月より民間の保険適用による治療が行われています。

米国においては、2017年12月にFDA(米国食品医薬品局)より医療機器としての市販承認を取得しました。今回の承認では、使用目的が医療用HAL®による治療を行なった後の歩行機能の改善であることが明確に示され、その医学的治療効果が認められるものとなりました。今回の承認取得を受け、当社は全米有数のリハビリテーション医療グループであるBrooks Rehabilitationとの合弁会社設立の準備を進めており、今年度中に、米国フロリダ州ジャクソンビルにサイバニクス治療センターを創設して医療用HAL®による治療サービスを展開するとともに、世界最大の医療市場である米国全域への普及活動を開始する予定です。

そのほか、サウジアラビアでは、2017年8月にSFDA(サウジアラビア食品医薬品局)より医療用HAL®の製造販売承認を取得し、2017年10月に当社のビジネスパートナーであるAbdul Latif Jameelグループの医療機関(Abdul Latif Jameel Hospital)に医療用HAL®を納入しました。医療用HAL®は、2017年12月末時点で臨床試験用も含め国内外あわせて237台(内、国内レンタル60台)が稼働中です。

超軽量・コンパクトで肘・膝関節に対応したHAL®単関節タイプは、2017年10月に、脳卒中急性期の治療を目的として京都大学医学部附属病院を研究開発代表機関とする医師主導治験がAMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の補助事業として採択されました。今後の医師主導治験を経て、医療機器化を進めてまいります。HAL®単関節タイプは、臨床研究を目的として日本国内での病院を中心に導入されており、2017年12月末時点で234台が稼働中です。なお、手のひらサイズの動脈硬化度・心電計であるバイタルセンサーについては、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)と医療機器申請に向けた事前相談を行い、医療機器化に向けた準備を進めております。

 

福祉の分野では、HAL®福祉用等の下肢タイプは、自立動作支援を目的として日本国内の福祉施設や病院等で運用され、2017年12月末時点で402台が稼働中です。また、介護離職に悩む介護施設での介助者の腰部負荷低減による労働環境改善を目的としたHAL®腰タイプ介護支援用は、2017年12月末時点で790台が稼働中です。さらに当社は、2017年10月に、足腰などが弱った方の体幹・下肢機能の維持向上を目的とする新製品「HAL®腰タイプ自立支援用」の販売を開始いたしました。本製品の導入により、介助なしでの立ち座りなど、介護される人のQOL(クオリティ オブ ライフ:生活の質)が向上することに加えて、介護する人の身体的負担が大きく軽減されることが期待され、2017年12月末時点で24台が稼働中で、今後の大幅な拡大を見込んでおります。

また、2018年1月にはHAL®の技術を応用し、発話や身体動作が著しく困難な方であっても、意思伝達やナースコールなどさまざまな環境制御機器の操作を可能にする新たなサイバニックインタフェース「Cyin™福祉用」を、今春に販売開始することを発表しました。神経・筋難病など重度の疾患により発話や身体動作が著しく困難な方にご利用いただくとともに、今後、Cyin™を更に進化させ、生体電位信号をはじめとする生体情報の解析・処理を行う研究用途への応用等にも展開することを見込んでおります。

 

生活の分野では、特に職場での作業支援に注力しており、少子高齢化による労働人口の減少を背景に深刻な人手不足が発生している物流倉庫業や建設業や各種工場での、作業者の腰部負荷低減による労務環境改善を目的としたHAL®腰タイプ作業支援用は、2017年12月末時点において284台が稼働中です。2017年11月に防塵・防水対応の新モデル(LB03)を発表し、今後、雨天時や粉塵の多い建設現場などの屋外作業や、高湿の屋内作業などへの大幅な利用範囲拡大を見込んでおります。清掃ロボット及び搬送ロボットは、2017年12月末時点において25台が稼働中です。清掃ロボットは高機能化新モデルの開発を完了し、現在、製造・販売に向けた準備を進めており、今後の大幅な拡大を見込んでいます。

 

当社は、HAL®の普及に向けて公的保険に加え民間保険会社との業務提携による協働の取り組みを進めています。大同生命保険株式会社は、医療用HAL®による難病治療に対する受療者の治療費用負担軽減のための「HALプラス特約」の販売に加えて、2018年1月には難病の方々に対するコミュニケーション支援として、Cyin™福祉用を、11の患者団体・患者支援団体に寄贈することを発表しました。AIGジャパン・ホールディングス株式会社は、2017年10月に社会貢献の一環として、脊髄に障害を持つ神奈川県内の小中高生50名を対象に、HAL®を活用した歩行機能向上促進プログラムを無償で提供することを発表しました。さらに当社は、損害保険ジャパン日本興亜株式会社と、2017年10月に革新的サイバニクス技術とリスクファイナンスの融合による、健康で豊かな社会システムの構築を目的とした包括的業務連携に関する協定を締結して、介護分野を手始めに取り組みを進めています。

 

また、当社は超高齢社会の課題解決のため、サイバニクスを中核とした新たな産業変革・社会変革を目指しており、2017年12月に株式会社みずほ銀行及びグローバル・ブレイン株式会社と共に、ベンチャーの支援・育成の新たな産業インフラとして「CEJファンド」の立ち上げを発表し、現在、準備を進めています。

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は主に医療用HAL®の導入台数の増加により1,163,539千円(前年同期比10.3%増加)を計上した結果、売上総利益は815,489千円(同18.4%増加)と増加しました。

研究開発費は前年度に引き続き新製品の自社開発及びJST(国立研究開発法人科学技術振興機構)の革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)における「重介護ゼロ社会を実現する革新的サイバニックシステム」の受託研究事業の実施により627,003千円(同4.2%減少)を計上、その他の販売費及び一般管理費は1,013,258千円(同1.8%増加)への増加に留まった結果、営業損失は137,080千円改善し、824,772千円を計上しました。

営業外収益は、受託研究事業収入などにより254,865千円を計上する一方で、営業外費用は持分法による投資損失などにより25,178千円を計上した結果、経常損失は62,423千円改善し、595,085千円を計上しました。

また、投資有価証券売却による特別利益99,990千円、法人税等3,467千円を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純損失は164,020千円改善し、498,563千円を計上しています。

(2)財政状態の分析

①  資産

当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて445,588千円減少46,402,678千円となりました。これは、主として現金及び預金が2,673,782千円減少、有価証券が800,000千円増加、投資有価証券が809,912千円増加したことによるものです。

②  負債

当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて55,060千円増加677,180千円となりました。

③  純資産

当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて500,648千円減少45,725,498千円となりました。これは、主として親会社株主に帰属する四半期純損失の計上に伴う利益剰余金の減少によるものです。

 

(3)経営方針・経営戦略等

当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は627,003千円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。