第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

  当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当社グループは、超高齢社会が直面する諸課題を解決するため、人・ロボット(機械)・情報系が融合複合した新領域《サイバニクス》の技術を駆使し、医療、福祉、生活(職場環境を含む)分野を対象として研究開発から社会実装に至るまでを一貫して推進しています。

 

サイバニクスは、人とロボット系及び情報系を機能的につなぎ、物理的・情報的・生理的インタラクションを実現するものです。当社グループは、現在の情報社会の次に続く「Society 5.0」(情報空間と物理空間が融合した超スマート社会)をさらに一歩進め、サイバニクスを駆使することにより、『人』を中心に再構成し進化させる新たなビジョンとして『人』+『サイバー・フィジカル空間』の融合、すなわち、人とテクノロジーが共生する未来社会「Society 5.0/5.1」の実現を目指してまいります。

 

当第1四半期連結会計期間において、医療分野では歩行機能改善を目的としたHAL®医療用下肢タイプ両脚モデル(以下、「医療用HAL®」という。)が、前年度に引き続き、神経・筋難病に対する公的な医療保険診療のために国内拠点病院を中心に導入されています。また、並行して脳卒中への適用拡大に向けてHAL®医療用下肢タイプ単脚モデルの医療機器承認のための医師主導治験が進行しています。

欧州においては、既に医療機器認証を取得し、ドイツで治療サービス事業を展開しています。ドイツでは医療用HAL®を利用した治療に公的労災保険が適用されていますが、公的医療保険への適用拡大を目指し、各種手続きを進めています。また、ドイツ以外では、既にポーランドの医療機関に導入されていますが、更に他のEU諸国においても導入に向けた協議が進められています。

米国においては、2017年12月にFDA(米国食品医薬品局)より医療機器としての市販承認を取得し、当社は全米有数のリハビリテーション医療グループであるBrooks Rehabilitationとの合弁会社CYBERDYNE & BROOKS,Inc.を設立し、2018年3月に、米国フロリダ州ジャクソンビルにBROOKS CYBERNIC TREATMENT CENTERを創設して医療用HAL®による治療サービスを開始するとともに、世界最大の医療市場である米国全域への普及活動を行なっています。また、今回の承認では、使用目的が医療用HAL®による治療を行うことによる患者の歩行機能そのものの改善であることが明確に示され、その医学的治療効果が認められるものとなったことを踏まえ、民間の労災保険などの保険適用に向けた協議を進めています。

そのほか、サウジアラビアでは、2017年8月にSFDA(サウジアラビア食品医薬品局)より医療用HAL®の製造販売承認を取得し、当社のビジネスパートナーであるAbdul Latif Jameelグループの医療機関(Abdul Latif Jameel Hospital)にて医療用HAL®によるサイバニクス治療が行われています。また、欧米で医療機器承認を取得したことを踏まえ、アジアにおいても導入に向けた協議が進められています。医療用HAL®は、2018年6月末時点で臨床試験用も含め国内外あわせて261台(内、国内レンタル68台)が稼働中です。

超軽量・コンパクトで肘・膝関節に対応したHAL®単関節タイプは、2017年10月に、脳卒中急性期の治療を目的として京都大学医学部附属病院を研究開発代表機関とする医師主導治験がAMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)の医療機器開発推進研究事業として採択されました。今後の医師主導治験を経て、医療機器化を進めてまいります。HAL®単関節タイプは、臨床研究を目的として日本国内での病院を中心に導入されており、2018年6月末時点で241台が稼働中です。

また、脳卒中や心筋梗塞等の循環器系疾患の主たる原因である動脈硬化・不整脈を早期に捉えることを目的とした手のひらサイズの小型バイタルセンサーについて、2018年6月にPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)に対して医療機器としての製造販売承認申請を行っております。

福祉の分野では、介護される側の自立度向上に向けて、当社は各種の自立支援機器の開発・製造・販売を推進しています。まず、下肢に障がいがある維持期・生活期の方や脚力が弱くなった方の下肢機能向上の促進を目的に、HAL®福祉用(下肢タイプ)の後継モデルとして、2018年4月から「HAL®自立支援用下肢タイプPro」の販売活動を開始しました。HAL®福祉用等の下肢タイプは、日本国内の福祉施設や医療機関等で運用され、2018年6月末時点で387台が稼働中です。次に、2017年10月に販売を開始した、足腰などが弱った方の体幹・下肢機能の向上促進を目的とするHAL®腰タイプ自立支援用は、介助なしでの立ち座りなど、介護される人のQOL(クオリティ オブ ライフ:生活の質)が向上することに加えて、介護する人の身体的負担が大きく軽減されることが期待され、2018年6月末時点で57台が稼働中です。また、当社は2018年1月に、HAL®の技術を応用し、発話や身体動作が著しく困難な方であっても、意思伝達やナースコールなどさまざまな環境制御機器の操作を可能にする新製品「Cyin™福祉用」を発表しました。2018年3月にHAL®やCyin™の臨床研究に協力された11の患者団体・患者支援団体に対して納入し(大同生命保険株式会社からの寄贈)、現在、各団体への説明会を行うとともに、一般販売に向けた準備を進めています。神経・筋難病など重度の疾患により発話や身体動作が著しく困難な方にご利用いただくとともに、今後、Cyin™を更に進化させ、生体電位信号をはじめとする各種生体情報の解析・処理を行うセンシングデバイス等にも展開することを見込んでいます。

一方で、介護する側の負担軽減に向けて、介護離職に悩む介護施設での介助者の腰部負荷低減による労働環境改善を目的としたHAL®腰タイプ介護支援用は、2018年6月末時点で798台が稼働中です。2018年4月より、厚生労働省の人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース)において、助成対象となる介護福祉機器として、当社のHAL®腰タイプ介護支援用が含まれることになりました。

 

生活の分野では、作業者の腰部負荷低減による労務環境改善を目的としたHAL®腰タイプ作業支援用は、2017年12月に販売開始した防塵・防水対応の新モデル(LB03)の導入が進んでおり、2018年6月末時点において429台が稼働中です。また、清掃ロボットは、2018年3月に最先端技術による卓越した自律走行と清掃能力を実現した新モデル(CL02)を販売開始しました。2018年3月に三井不動産グループが運営するショッピングセンター「ダイバーシティ東京 プラザ」に納入するとともに、住友商事グループのオフィスビルに、順次導入を進めています。本製品は、清掃エリアの広い建物、複雑な形状の建物など幅広く対応ができるため、今後、商業施設をはじめ、オフィスビル、空港など様々な大型施設での導入が見込まれており、下期より本格出荷を開始してまいります。清掃ロボット及び搬送ロボットは、2018年6月末時点において30台が稼働中です。

 

また、当社は、ベンチャー企業へのイノベーション創出支援、事業支援、資金供給を通じて、当社が目指す超高齢社会の課題解決と、サイバニクスを中核とした新たな産業変革・社会変革を更に大規模に加速させることを目的として、2018年7月に、当社とグローバル・ブレイン株式会社及び株式会社みずほ銀行の子会社であるみずほキャピタル株式会社の3社で共同設立したCEJキャピタル株式会社を無限責任組合員として、サイバニクス・エクセレンス・ジャパン1号投資事業有限責任組合(CEJファンド)を設立しました。設立時点において、有限責任組合員には、当社に加え、CEJファンドのビジョンに賛同する大和ハウス工業株式会社、損害保険ジャパン日本興亜株式会社、大同生命保険株式会社、株式会社みずほ銀行、みずほキャピタル株式会社が参画しています。

 

以上の結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上収益は医療用HAL®を中心にレンタル売上等増加の一方で、前期の一時売上の影響により、335百万円(前年同期比5.3%減少)を計上しました。売上総利益は、粗利率が69.2%と前年同期比0.8ポイント向上した結果、232百万円(同4.3%減少)となりました。

研究開発費は前年度に引き続き新製品の自社開発及びJST(国立研究開発法人科学技術振興機構)の革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)における「重介護ゼロ社会を実現する革新的サイバニックシステム」の受託研究事業の実施により217百万円(同9.2%増加)を計上、その他の販売費及び一般管理費は295百万円(同1.1%増加)へ増加しました

その他の収益は、受託研究事業収入などにより79百万円(同49.4%増加)を計上、その他の費用4百万円(同270.2%増加)を計上した結果、営業損失は207百万円(同4.6%増加)を計上しました。

また、金融収益11百万円(同343.3%増加)、金融費用0百万円(同65.7%減少)、持分法による投資損失を3百万円、法人所得税費用2百万円を計上した結果、四半期損失は197百万円(同1.3%増加)を計上しています。

 

(2)財政状態の分析

①  資産

当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度比226百万円減少し、46,372百万円となりました。これは主として、現金及び現金同等物が289百万円、営業債権及びその他の債権が204百万円減少し、その他の金融資産(非流動)が318百万円増加したこと等によるものです。

 

②  負債

当第1四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末比131百万円減少し、793百万円となりました。これは主として繰延税金負債が44百万円増加したものの、営業債務及びその他の債務が48百万円、その他の流動負債が127百万円減少したこと等によるものです。

 

③  資本

当第1四半期連結会計期間末における資本は、前連結会計年度末比95百万円減少し、45,579百万円となりました。これは、主としてその他の資本の構成要素が101百万円増加したものの、親会社の所有者に帰属する四半期損失の計上に伴う利益剰余金の減少等によるものです。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当第1四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ289百万円減少し10,531百万円となりました。当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、44百万円の資金流出(前年同四半期累計期間は51百万円の資金流出)となりました。これは主に、減価償却費及び償却費を103百万円計上、営業債権及びその他の債権の減少による資金流入204百万円を計上したものの、税引前四半期損失199百万円を計上したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、238百万円の資金流出(前年同四半期累計期間は4,407百万円の資金流出)となりました。これは主に、投資有価証券取得による支出168百万円、有形固定資産の取得による資金流出70百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第1四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、6百万円の資金流出(前年同四半期累計期間は6百万円の資金流出)となりました。

(4)経営方針・経営戦略等

当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

(5)研究開発活動

当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は217百万円です。

なお、当第1四半期連結累計期間において当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

  当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。