当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当第1四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、『人』+『サイバー・フィジカル空間』を一体的に扱う新領域「サイバニクス(人・ロボット・AI/情報系の融合)」を駆使して、誰ひとり取り残さないイノベーションによって人とテクノロジーが共生し相互に支援し合う「テクノピア・サポート社会」の実現、ロボット産業、IT産業につづく新産業「サイバニクス産業」の創出による社会変革・産業変革を目指しています。
サイバニクスを駆使した「健康未来社会」
当社グループは、IoH/IoT(ヒトとモノのインターネット)を介して取得されるヒューマンビッグデータ (人間に関わる生理・心理・生活・行動・環境情報など)を集積・解析・AI処理し、人間の機能改善・再生・拡張・支援が可能な各種サイバニクス技術の社会実装を推進しています。サイバニクスで取り扱うデバイス・ソフトウェア等はすべて通信機能を有しており、IoH/IoTを介した クラウドによって病院、介護施設、自宅、職場までをデータやサービスの連携でシームレスに繋げ、人々の多様な活動シーンに対応しています。当社グループは、廃用・疾患・障がいという身体状態であっても、高い自立度と健康度を維持しながら社会参加を実現する「健康未来社会」、健康で持続可能な社会としての「Society5.0/5.1」の実現を進めてまいります。
事業推進の状況
《医療:サイバニス治療》
当社グループは、世界初の装着型サイボーグHAL®を利用した脳・神経・筋系の機能改善・機能再生を促進するサイバニクス治療を、グローバルな標準治療とする取り組みを進めています。
(日本)
医療用HAL®「下肢タイプ」(両脚モデル)については、緩徐進行性の神経筋難病疾患に対する使用成績調査での高い有効性と安全性を示す結果を踏まえ、令和4年度診療報酬改定において、難病医療拠点病院等の約8割を占める DPC対象病院の入院患者に対しても医療用HAL®の診療報酬の算定が認められ、さらに診療報酬点数が増点されたことを受けて、医療用HAL®の国内での普及活動を進めています。今後、この使用成績調査結果を世界各国の保険収載などの手続きにも活用することで、有効な治療法が確立されていない進行性神経筋難病疾患にとっての標準治療化と、医療用HAL®のグローバル展開を加速してまいります。
医療用HAL®「下肢タイプ」(単脚モデル)の脳卒中片麻痺患者に対する医師主導治験については、本治験の評価ポイントとして最重要とされている臨床的な意義と主要評価項目の統計学的有意差について、治験調整医師や統計専門家を交えて当局と協議しております。なお、本治験の有効性と安全性の評価結果は、諸外国での脳卒中患者に対する医療保険の適用申請にも有用なデータになると考えています。
また、2022年1月には新たに小児脳性麻痺等に伴う運動姿勢障害を呈する患児の粗大運動能力の向上を目的とする医師主導治験が、筑波大学附属病院を中心に開始されました。
(米国)
医療サービス子会社のRISEヘルスケアグループ(RHG) 社は現在の20拠点(年初から4拠点増加)から更なる拠点拡大を進めるとともに、当社の革新的な医療技術との複合サービスのトライアルを進めています。
(EMEA:欧州や中東)
昨年度に続いて、今年度はトルコなど主要各国でのサイバニクス治療の普及を進めています。
(APAC:アジア太平洋)
2022年2月にAPACの事業推進拠点として、マレーシアにCYBERDYNE MALAYSIA社を設立し、サイバニクス治療の更なる普及を加速しております。マレーシアでは、当社の事業提携パートナーである政府系の従業員社会保障機構 (SOCSO)が提供する公的従業員社会保障制度により、SOCSO被保険者に対するHAL®によるサイバニクス治療が拡大を続けております。また、シンガポールでも同国最大のシンガポール総合病院にてサイバニクス治療が開始しました。
《介護・自立支援》
当社グループは、主に高齢者の自立度の改善や重度化防止及び加齢により身体機能が低下するフレイル予防や自立維持に向けて、歩行運動に対応した「下肢タイプ」、肘・膝・足首の関節運動に対応した「単関節タイプ」、体幹運動に対応した「腰タイプ」など様々な種類のHAL®自立支援用を展開しています。
(施設型サービスの展開)
HAL®を使用した脳・神経・筋系の機能改善を促すプログラム「Neuro HALFIT」を提供するロボケア事業は、 個人向けの医療ヘルスケアサービス事業のハブ拠点として、当社グループ並びに各地域の事業パートナーとの協働 により全国16箇所で展開し、今後、更なる拠点拡大を計画しています。
(個人向けサービス「自宅でNeuro HALFIT」の展開)
個人向けレンタルとして非接触型の在宅サービス「自宅でNeuro HALFIT」は、サイバーダインのクラウドとデータ連動し、身体動作を指令する生体電位信号や姿勢情報等を可視化するHALモニターによって、装着者自身が視覚的にフィードバックを得ることができるだけでなく、セラピストやトレーナーなどの専門スタッフによる遠隔でのオンラインサポートを提供しています。また、訪問事業者とも連携して、自宅での機器のセットアップからプログラム実施までの対面サポートも推進しています。
≪予防・早期発見≫
心活動、脳活動、体温、SpO2、活動量など様々なヘルスケアデータを日常的に集積・解析・AI処理することで、 不整脈や心房細動などのリスクを管理し、心筋梗塞や脳梗塞などを予防することを目的とした超小型バイタルセンサー「Cyvis(サイビス)」シリーズの製品化を進めています。また、「Cyvis」は、睡眠時の呼吸状態の計測というオプション機能も備えており、SAS(睡眠時無呼吸症候群)のリスクを簡便に高精度スクリーニングすることが可能となります。また、2021年8月に睡眠を見える化するヘルスケア・アプリ「熟睡アラーム」を開発・運営するC2社を買収し、当社グループとしてヘルスケア事業の強化を進めています。なお、Cyvisシリーズの初モデル「Cyvis-1」は2022年4月に医療機器届出を行い、同年5月よりユーザー向けに試験提供を開始しています。
《生活・職場分野》
(介護支援用途)
2021年10月より英国ハンプシャー州の介護施設向けに「HAL®腰タイプ介護自立支援用」の出荷が開始し、今後はハンプシャー州との契約をモデルケースとして、同州と協力して英国の他のエリアや欧州各国への展開を進めてまいります。
(作業支援用途)
防塵・防水対応の「HAL®腰タイプ作業支援用」は、空港、建設現場、物流倉庫などの大口ユーザーへの導入を進めるとともに、労働者の作業負荷や身体状態を可視化して労務管理と作業効率を統合した生産管理の実用化を進めています。
(除菌・清掃用途)
世界最高水準のSLAM技術による高速自律走行を実現した次世代型清掃ロボット「CL02」は、空港、公共施設、 オフィスビル等で導入を進めています。また、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に対応して除菌剤噴霧機能や紫外線照射機能による非対面・非接触での除菌作業が実現するとともに、マルチベンダー型エレベータ連動ユニットにより、人を介さずにエレベータ自動昇降も可能となっており、ポストコロナ社会での次世代技術の実用化を進めています。
研究・製品開発の状況
微細血管情報のリアルタイム解析のための光音響イメージングは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構 (AMED)の「医工連携イノベーション推進事業(開発・事業化事業)」に採択され、新しいイメージングモダリティの画像診断装置の事業化に向けた研究開発を進めています。
また、当社グループは、高齢者や障がい者向けの自立支援ロボットとして、歩行機能を維持向上するための衣服型HAL、バイタル・環境情報を取得しつつ会話機能を備えてADL(日常生活動作)を維持向上するための見守り・コミュニケーションロボット、歩行困難な方のためのパーソナルモビリティロボットなどの研究開発を進めています。
なお、川崎市の殿町国際戦略拠点(キングスカイフロント)において、HAL®等のサイバニクス治療の臨床研究に加えて再生医療や創薬などのバイオ系の研究を推進するサイバニクス・メディカル・イノベーションベースA棟の本体建屋が2022年3月に完成し、追加の内装工事を進めています(2022年度中に稼働予定)。
製品稼働状況について
医療用HAL®下肢タイプは、主にAPAC向けレンタルの増台により、2022年6月末時点で臨床試験用も含め国内外あわせて373台(内、国内レンタル契約83台)が稼働中です。HAL®単関節タイプは、医療用の増加により、 2022年6月末時点で521台が稼働中です。HAL®福祉用等の下肢タイプは、2022年6月末時点の稼働台数は342台となっています。また、HAL®腰タイプ介護・自立支援用は、2022年6月末時点で1,148台が稼働中です。 HAL®腰タイプ作業支援用は、2022年6月末時点の稼働台数は420台となっています。また、清掃ロボット及び搬送ロボットは、2022年6月末時点において154台が稼働中です。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上収益は、米国での医療サービス売上及びアジア・欧州向けレンタル売上が大幅に増加したため、751百万円(前年同期比97.6%増加)を計上し、売上総利益は490百万円(同76.9%増加)を計上しました。
研究開発費は前年度に引き続き新製品開発、臨床研究及び受託研究事業の実施により151百万円(同19.5%減少)を計上、その他の販売費及び一般管理費は前期のM&Aによる増加により564百万円(同44.2%増加)を計上しました。
その他の収益は、為替差益や受託研究事業収入などにより51百万円(同168.2%増加)を計上した結果、営業損失は174百万円(同38.5%減少)を計上しました。
また、金融収益は投資有価証券評価益や為替差益などにより545百万円、CEJファンドに係る損益14百万円、法人所得税費用は繰延税金費用などにより141百万円等を計上した結果、親会社の所有者に帰属する四半期利益は244百万円(前年同期276百万円の損失)を計上しています。
なお、当社は独自技術をもったスタートアップ企業との業務提携や資本提携を行っており、当該非上場株式についてIFRS第9号「金融商品」に基づき公正価値を算定しています。当第1四半期連結会計期間において、公正価値を算定した結果、投資有価証券評価益447百万円を「金融収益」として計上しました。また、当該評価に関する繰延税金費用56百万円を「法人所得税費用」として計上した結果、「四半期利益」に与える影響額は391百万円となります。
(2)財政状態の分析
① 資産
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度比で1,124百万円増加し、50,583百万円となりました。これは主として、その他の金融資産(流動)が1,931百万円減少したものの、その他の金融資産(非流動)が2,048百万円、現金及び現金同等物が876百万円増加したことによるものです。
② 負債
当第1四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末比で727百万円増加し、6,730百万円となりました。これは主として、営業債務及びその他の債務が41百万円減少したものの、CEJファンドにおける外部投資家持分が625百万円、繰延税金負債が138百万円増加したことによるものです。
③ 資本
当第1四半期連結会計期間末における資本は、前連結会計年度末比で396百万円増加し、43,853百万円となりました。これは、親会社の所有者に帰属する四半期利益の計上に伴う利益剰余金の増加等によるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ876百万円増加し6,554百万円となりました。当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、67百万円の資金流出(前年同四半期連結累計期間は135百万円の資金流出)となりました。これは主に、税引前四半期利益376百万円、減価償却費及び償却費141百万円を計上したものの、金融収益545百万円を計上したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、194百万円の資金流入(前年同四半期連結累計期間は384百万円の資金流出)となりました。これは主に、投資の取得による支出3,000百万円、投資有価証券の取得による支出1,643百万円を計上したものの、投資の償還による収入4,000百万円、定期預金の払戻による収入1,000百万円を計上したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、649百万円の資金流入(前年同四半期連結累計期間は21百万円の資金流出)となりました。これは主に、CEJファンドにおける外部投資家からの払込による収入680百万円を計上したことによるものです。
(4)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は151百万円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。