当事業年度におけるわが国経済は、政府による経済対策などにより企業収益や雇用情勢に改善がみられ、期央までは緩やかな回復傾向にありましたが、中国や米国の景気減速への懸念が為替や株価に影響し、期後半には先行きの不透明感が増してまいりました。
このような経済環境の下、当社の主力取引先である外食産業は、平成27年においては、前半の下落傾向が夏場から回復し前年並みに持ち直しました。また、物販・小売産業においても、消費税増税からの影響を脱し、全体の売上高は前年と比べて増加傾向にあります。
当社が展開するメンテナンスサービス事業は、店舗の設備・機器の修理・修繕といった店舗運営には欠かせない業務を当社がアウトソーサーとして担うことによって顧客へ利便性・効率性・経済性を提供しております。メンテナンスのニーズそのものは、設備・機器の存在がある以上、底堅いものがあり、当社としても、より素早く的確な対応が実現できるように、当社人員の増強による量的強化及び教育研修による質的強化に加え、メンテナンス協力業者のネットワーク拡充を継続して行っております。また営業面におきましては、サービス対象業界の拡大及びサービス対象店舗数の増加を目指した営業活動を強化し、規模及び価格での競争力を高めるよう徹底して推進すると同時に、顧客の多様なニーズに対する新たなメンテナンスの提案・計画・実施を推進しております。
これらのことから当社売上高の大半を占める「緊急メンテナンスサービス」につきましては、大口の新規顧客獲得やメンテナンス業務をアウトソーシングしようと取り組む一部既存顧客との取引量拡大のほか、既存顧客のサービス対象店舗数増加によるメンテナンス依頼数の増加があったことで、前年に引き続き、創業以来最高の売上高を達成いたしました。
突発的な設備・機器の不具合発生を未然に防ぐための「予防メンテナンスサービス」につきましては、当社のメンテナンス実績が評価され、大手チェーン企業の店舗を中心に既存サービスであるエアコン、冷凍・冷蔵機器についての事前整備・点検・洗浄が好調に推移しました。加えて、グリストラップの清掃、電気・消防設備の点検等のサービスメニューを拡大したことにより、受注顧客数、受注アイテム数ともに増加となりました。
上記の結果、当事業年度の売上高は4,936,002千円(前年同期比14.6%増)、経常利益211,643千円(前年同期比100.8%増)、当期純利益は120,764千円(前年同期比70.6%増)となりました。
現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ160,987千円増加し、当事業年度末では1,057,882千円になりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローは下記のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により得られた資金は250,785千円(前年同期は37,335千円)となりました。これは主に、税引前当期純利益188,996千円及び仕入債務の増加額66,879千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により使用した資金は68,443千円(前年同期は68,344千円)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出100,000千円及び保険積立金の払戻による収入29,505千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により使用した資金は21,354千円(前年同期は25,951千円)となりました。これは主に、配当金の支払額25,866千円及び株式の発行による収入6,589千円によるものであります。
当社は、顧客店舗の設備・機器に対するメンテナンスサービスの提供を主軸に事業を展開しており、単一セグメントに属しているため、セグメント情報は記載を省略しております。
当社は生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
当事業年度の外注実績を示すと、次のとおりであります。
サービス内容 | 外注高(千円) | 前年同期比(%) |
メンテナンスサービス | 3,718,686 | 112.9 |
合計 | 3,718,686 | 112.9 |
(注)1.金額は、外注価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、受注によるサービスの提供を行っておりますが、売上までの期間が短いため、記載を省略しております。
当事業年度の販売実績を示すと、次のとおりであります。
サービス内容 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
メンテナンスサービス | 4,936,002 | 114.6 |
合計 | 4,936,002 | 114.6 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 | 前事業年度 (自 平成26年3月1日 至 平成27年2月28日) | 当事業年度 (自 平成27年3月1日 至 平成28年2月29日) | ||
販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
㈱アトム | 472,330 | 11.0 | - | - |
㈱モンテローザ | 434,942 | 10.1 | - | - |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当事業年度においては、損益計算書の売上高割合が10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
現在、当社は、店舗に対するトータルメンテナンスサービスを提供する事業を中心に展開を進めておりますが、飲食店や小売店等からのあらゆるメンテナンスの要求に対して、的確なサービスをワンストップで提供するために、次の項目を課題として認識しております。
当社は、日々発生する店舗のメンテナンスを管理するオペレーション部門に優れた管理能力やコミュニケーション能力を持つ人材を配置することは、今後ますます増加するメンテナンス依頼に対応する上で重要な課題と考えております。
また、店舗運営の上での設備・機器のメンテナンスに関連する課題を解決する提案能力を有する人材を確保することは、今後の当社の成長にとって重要な課題です。
社員に対する新たな知識、技術の習得に加え、問題解決能力や提案力の強化等、教育訓練等の育成活動を実施してまいります。
当社は実際のメンテナンスサービスを外注先であるメンテキーパーに委託しているビジネスモデルのため、メンテキーパーの資質、メンテナンススキル、機動性、工事を実施するための資格保有状況、過去の実績等の把握とメンテキーパーのサービスレベルの維持・向上は、非常に重要な経営課題のひとつです。
今後もサービスレベルの向上の観点からメンテキーパーの教育・研修や指導、管理により一層注力してまいります。
チェーン展開、多店舗展開している企業の店舗や施設がある一定の規模になれば、相応の設備・機器等のメンテナンス業務が必要となり、企業の成長と共にその業務も増大していく傾向にあります。業務量増加に企業独自で対応しようとした場合、人員の確保や労働環境の整備、効率的なリソース活用など課題が出てきます。
当社は、メンテナンス業務のアウトソーシングを通じて、スムーズな業務遂行を行い、顧客企業に対して高い利便性、効率性、経済性を提供することができ、顧客企業の成長をサポートできる点を更に認知させることに努め、より一層のマーケットシェア拡大に努めてまいります。
当社の事業は、店舗で実施するメンテナンスを個別にかつ的確に管理し、必要な時に迅速に情報把握をできることが業務遂行上重要であり、その管理の根幹をなす当社の基幹システムである「メンテシステム」を安定的に稼働させることが経営戦略上非常に重要な課題であります。昨今の事業拡大、事業の継続的発展に伴い当該システムに対する負荷は、比例的に増大いたしますので、機能の拡充を継続的に実施していく方針であります。
当社が継続的な企業価値の向上を目指すためには、内部管理体制の強化・充実が不可欠であります。社内各部署の業務手順の適合性や部門間の連携を再点検し、適正かつ効率的な内部牽制機能が備わった体制を構築してまいります。
また、従業員一人ひとりの意識の向上を図るとともに、モニタリング機能やリスク管理体制の強化・充実に努めてまいります。
当社の事業上のリスクと考えられる主な事項を以下に記載しております。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項であっても、投資判断上、あるいは当社を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及びその対応に努める方針ではありますが、投資判断は、記載事項及び本稿以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があります。
また、以下の記載は本株式への投資に関するリスクすべてを網羅するものではありませんので、その点にご留意下さい。なお、文中における将来に関する事項は、当該事業年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、創業当初より飲食チェーン店舗のメンテナンスを手掛けており、外食業界に属する企業に対する売上高は、全体の86.2%を占めております(平成28年2月期)。
当社は、外食産業以外のチェーン展開を行う企業等に対して市場開拓を行う等、外食業界への依存度低下を図っておりますが、他社との競合による価格競争の発生等の影響で、主力取引先である外食産業からのメンテナンス依頼が減少する等の影響により、当該業績が悪化する可能性があります。また、計画どおりに新規市場での顧客獲得ができない場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、売上高の51.8%、売上総利益の46.7%を販売先上位10社に依存しております(平成28年2月期)。当社は、当該販売先との良好な関係を構築しておりますが、当該販売先との取引の失注、契約終了等が生じた場合や、当該販売先のメンテナンス需要の動向等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の主力取引先である外食産業では、冷凍・冷蔵機器及び空調設備は重要な設備機器であり、これらの設備機器への負荷が大きくなる夏場(6~8月)にかけて、緊急メンテナンスサービスの需要が高くなる傾向にあります。この夏場における気候の状況によっては、外食産業におけるメンテナンス需要が変動し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社の事業は、顧客である店舗本部及び各店舗等からのメンテナンス依頼の受託であります。顧客が外注割合を高め、当社に対する発注を増やした場合には、当社の売上・利益は増加し、逆に顧客が店舗のメンテナンスの内製化を強化し、当社に対する発注を減らした場合には、当社の売上・利益は減少することになります。したがって、顧客の店舗メンテナンスに関する外注政策により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社ではメンテナンス業務のほとんどを外注先であるメンテキーパーに委託しております。メンテキーパーへ業務を委託するにあたり、資質、メンテナンススキル、機動性、資格の保有状況及び過去の実績等を総合的に調査の上で決定し、管理を行っております。
しかしながら、メンテキーパーのメンテナンス能力低下・経営状況の悪化、メンテキーパーの対応不良による得意先からのクレーム発生、現場での事故発生等による当社評判の低下及び損害賠償責任の負担、メンテキーパーの新規開拓の遅れ、当社によるメンテキーパーの維持管理状況の悪化等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社が事業を遂行するメンテナンス市場は、厳しい競合状況に置かれています。当社は、国内の同業他社、店舗の施工業者及びメンテナンスサービスを提供する業者と競合しておりますが、これらの競合会社のなかには、対応スピード、修繕等の技術、人材等、一部の面で、当社よりも優位性のある会社が存在する可能性があります。
メンテキーパーは、対応スピード、修繕技術等の競争力を有していると当社は認識しております。しかし、メンテキーパーの競争力が低下した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
人的過失、自然災害、停電など様々な原因により、メンテシステムがシステムダウンを起こし、メンテキーパー手配、請求業務等が利用できない等の障害が発生する可能性があります。当社では、システムのバックアップを行うとともに、緊急時の対応については、システム会社等による早期の復旧を図る体制を構築しております。しかしながら、大規模災害等、想定を超えるシステム障害が発生した場合には、メンテキーパーへの手配遅延等による当社サービスの低下等が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、当該事業年度末現在、取締役5名、監査役3名、従業員76名と小規模組織で事業展開しており、内部管理体制もこの組織規模に応じたものになっております。今後は事業拡大と共に人材の育成・増強と内部管理体制の一層の充実を図る予定であります。
しかしながら、優秀な人材の確保が予定どおり進まなかった場合、また既存の主要な人材が社外に流出した場合には、当社の経営活動に支障が生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社経営陣は、創業者である内藤秀雄を始めとして、メンテナンス業務及び当該業務に付随する特有の管理業務に関する豊富な経験と知識を有しており、当社の経営方針・利益計画の策定及び執行、メンテキーパーに対する管理等につき、重要な役割を果たしております。
当社は、組織体制の整備を図り、特定の取締役に依存しない体制の構築に努めておりますが、予期せぬ事情により、当該取締役が離職した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では、役員及び従業員の業績向上に対する士気を高める目的で新株予約権を付与しております。当該事業年度末現在、新株予約権による潜在株式総数は36,200株(潜在株式総数を含めた発行済株式総数に対する比率2.00%)であり、今後も業績向上等、当社の成長に貢献すると考えられる役員及び従業員には、新株予約権の付与を行っていく方針であります。そのため、これらの新株予約権の行使がなされた場合は、当社の1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。
当社の前事業年度に行った公募増資による調達資金については、主に事業規模拡大に伴うシステム投資に充当する計画で当事業年度において進行中でありますが、当初の想定どおりの成果が得られない場合もあります。これらの場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社役職員の大半は、当社本社において業務を行っているため、地震・台風・津波等による激甚災害、テロ、強毒性インフルエンザ等の感染症等により、本社又は役職員が被害を受けた場合、当社の事業活動の継続に支障をきたす可能性があります。また、大規模災害等によりメンテキーパー等が罹災し、サービスの提供が困難になった場合には、当社への発注が減少する等、事業及び業績に影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この財務諸表の作成にあたりまして、当事業年度末における資産・負債及び当事業年度の収益、費用の報告数値、並びに開示に影響を与える見積りを行っております。当該見積りに際しては、過去の実績や状況に応じて、合理的と考えられる要因等に基づき行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性により、実際の結果は異なる場合があります。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は1,801,299千円となり、前事業年度末と比較して339,193千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の増加(301,987千円)、売上増に伴う売掛金の増加(28,114千円)によるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は75,821千円となり、前事業年度末と比較して57,106千円減少いたしました。これは主に、長期預金の減少(50,000千円)によるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は924,056千円となり、前事業年度末と比較して170,030千円増加いたしました。これは主に、買掛金の増加(66,879千円)、未払法人税等の増加(65,556千円)、役員退職慰労引当金の増加(35,000千円)によるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は19,357千円となり、前事業年度末と比較して10,913千円増加いたしました。これは主に、リース債務の増加(11,155千円)によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は933,707千円となり、前事業年度末と比較して101,143千円増加いたしました。これは主に、当期純利益(120,764千円)を計上したことによる利益剰余金の増加によるものであります。
(売上高)
当事業年度は、前事業年度と比較して628,632千円増加し、4,936,002千円(前年同期比114.6%)となりました。これは主に、新規顧客獲得やメンテナンス業務をアウトソーシングしようと取り組む一部既存顧客との取引増加、その他全体的な既存顧客からの依頼数の増加によるものであります。
(売上総利益)
当事業年度は、前事業年度と比較して184,613千円増加し、1,084,531千円(前年同期比120.5%)となりました。これは主に、売上の増加及び売上総利益率の増加したことによるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当事業年度は、前事業年度と比較して78,091千円増加し、873,278千円(前年同期比109.8%)となりました。これは主に、業務拡大に伴う人員増加等による人件費等の増加によるものであります。
(営業利益)
上記の結果、当事業年度の営業利益は、前事業年度と比較して106,522千円増加し、211,253千円(前年同期比201.7%)となりました。
(経常利益)
当事業年度の経常利益は、前事業年度と比較して106,255千円増加し、211,643千円(前年同期比200.8%)となりました。
(税引前当期純利益)
当事業年度の税引前当期純利益は、前事業年度と比較して83,608千円増加し、188,996千円(前年同期比179.3%)となりました。
(当期純利益)
当事業年度の当期純利益は、前事業年度と比較して49,966千円増加し、120,764千円(前年同期比170.6%)となりました。
各キャッシュ・フローの分析とそれらの要因につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。