第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、本書提出日(2020年6月25日)現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社の経営の基本方針は、中古住宅再生事業を通じて、良質廉価な住まいを提供することで社会に貢献していく、という理念に立ち、お客様に満足して頂ける住まいを提供し、また、社会的に信頼される企業であり続けることであります。

 これらを実現していくために、商品の品質向上を図っていくとともに、法令遵守を徹底し、経営体制の一層の強化を目指してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社は財務健全性と資本効率性を重視し、自己資本比率及び自己資本利益率(ROE)等の指標の維持・向上を図ってまいります。また、会社業績に応じた配当を安定的かつ継続的に実施し、株主還元の充実に努めてまいります。

 

(3)経営環境及び経営戦略の現状と見通し

 当社が属する中古住宅流通市場では、中古住宅の取引件数が年々増加傾向にあり、今後につきましても市場の伸長が続くことが期待されます。しかしながら、足元では多数の競合他社の新規参入や価格の高騰等による厳しい仕入環境が継続しており、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴う実体経済への影響懸念も加わって、これまで堅調に推移していた中古住宅流通業界の動向について、見通しが立ちづらい状況となっております。

 このような市場環境の下で当社は、今後も仕入物件を厳選し、利益率の確保を目指すとともに、効率的かつ機動的な仕入・販売体制の拡充を図り、景気や市場動向を注視しながら事業運営にあたってまいります。また、新型コロナウイルス感染症拡大への予防措置として、衛生管理の徹底やテレワークの推進を図る等、事業を継続できる体制の整備に努めてまいります。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社といたしましては、事業を取り巻く環境変化に柔軟に対応しつつ、主たる事業である中古住宅再生事業において、より一層お客様のニーズに沿ったかたちの、「安心して暮らせる良質廉価な中古再生住宅を供給すること」に主眼を置いて、以下の事項を対処すべき課題として今後の事業拡大を図ってまいります。

 

① 事業エリアの拡大と収益獲得機会の拡充

 現在の首都圏、札幌、関西圏に加えて新たに展開した名古屋エリアでの事業基盤を固めつつ、今後も新たなエリアへの展開を図ることで年間1,000戸販売体制を確立し、事業規模の拡大を図ってまいります。また、収益用物件の再生・再販ノウハウを着実に積み上げる体制を構築するとともに、ストック収益である賃貸収入の拡充を目指してまいります。

 

② 仕入力の強化

 中古住宅市場は今後も拡大が期待される成長市場でありますが、新規事業者の参入も多く、仕入環境は年々厳しさを増しております。そのような環境の中で、当社は効率的かつ機動的な営業体制の構築、業務のシステム化、継続的な増員と教育機会の拡充によって生産性を向上させることで、仕入力の強化に取組んでまいります。

 

③ 株主価値向上に向けた財務・資本政策

 在庫回転率や自己資本利益率(ROE)の維持向上を図ることで、財務健全性を保つとともに、資本効率の向上を図ってまいります。併せて株主還元の充実にも努めてまいります。

 

④ 品質管理の拡充

 当社では、お客様が中古住宅を購入する際に抱く建物や品質への不安を解消するため、既存住宅売買瑕疵保険の加入等、品質向上のための取組みを推進してまいります。

 

⑤ コンプライアンス体制の強化

 当社は、企業価値の最大化を図るためには、経営の健全性、透明性及び客観性を高めることが重要であると考えております。監査体制の充実、社内諸規程・業務マニュアルの整備、社員教育の拡充、定期的な内部監査によって内部統制の有効性を高め、多様化するリスクを適切に管理する体制を整備・構築してまいります。

2【事業等のリスク】

 以下には、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資判断上重要と考えられる事項について、投資家に対する積極的情報開示の観点から記載しております。なお、当社は、これらのリスク発生の可能性を十分に認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に対する投資判断は、本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えます。また、以下の記載は、当社株式への投資に関するリスクをすべて網羅するものではありませんので、ご留意ください。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日(2020年6月25日)現在において当社が判断したものであり、不確実性を内包しているため、実際の結果とは異なる場合があります。

 

-当社の事業に関連するリスクについて-

 

① 不動産市況等の動向と当社の業績について

 当社は、不動産競売市場や一般の中古住宅市場から中古不動産を仕入れ、リフォームにより住宅としての機能を回復させて販売する中古住宅再生事業を主たる事業としております。一般に、景況感が悪化し不動産市況が低迷した場合には計画通りに物件の販売ができなくなり、販売価格の引下げが必要となる等のリスクが生じる一方で、中古不動産の仕入価格は低下する傾向があります。他方、景況感が改善し不動産市況が活況である際には、在庫不動産の回転が早期化することや販売価格が上昇する等のメリットが生じる一方で、中古不動産の仕入価格が上昇する可能性があります。また、消費税率の改定や金利の高低が不動産を購入する顧客層の購買動機に影響を及ぼし、当社の物件販売にも影響を及ぼす可能性があります。

 このように、当社の業績は景気動向や金利動向及び不動産市況の影響を受ける特徴があり、過年度の業績推移は、将来の業績を予測するうえで、必ずしも適切な指標とはならないと考えられます。

 

② 不動産に係る税制改正等の政策について

 景気動向の変化による政府の経済政策の一環として、住宅ローン減税や住宅取得における贈与税の非課税枠等、不動産関連の税制の変更等が行われることがあり、政策の内容によっては、不動産を購入する顧客層の購買動機に影響を及ぼし、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ たな卸資産の長期在庫について

 当社は、各地域での需要予測、近隣地域環境、お客様のニーズ等を慎重に分析調査を行ったうえで、物件の仕入、リフォーム、販売を行っております。しかし、不動産市況の悪化等によって物件の販売が滞った場合、物件保有期間の長期化に繋がる可能性があります。当社のビジネスモデルとして、長期在庫となった場合は販売価格等を見直しての売却処分やたな卸資産の評価損処理が必要となる場合があるほか、滞留在庫の増加により有利子負債が増加する等、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 不動産競売における明渡しについて

 当社では、主たる事業である中古住宅再生事業において、不動産競売による物件仕入を行っております。当社が競売により落札取得した物件に占有者がいる場合には、当該物件の明渡し業務が発生する場合があります。民事執行法では、買受人が簡易かつ迅速に競売物件の引渡しを受けられるように、引渡命令の手続きが定められております。ただし同命令の申立は、代金納付から6か月以内(6か月猶予の適用のある賃借人のいる場合(注)は、9か月以内)に行わなければならず、この期間を経過した場合は明渡し訴訟の提起が必要になります。この場合には、物件の明渡し期間が長期化することによって当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、各地方裁判所の引渡命令や明渡し訴訟の手続きが何らかの事情により遅滞ないし延期された場合にも、物件の明渡し期間が長期化し、当社の業績に影響する可能性があります。

 

(注)6ヶ月猶予とは、抵当権に対抗できない賃貸借によって差押え前から使用または収益をしている物件について、抵当権の実行による競売が実施された場合でも、賃借人は競落人の買受の日から6ヶ月間に限り、当該物件の明け渡しを要求されないという制度であり、民法第395条(抵当建物使用者の引渡しの猶予)に定められております。

 

 

⑤ リフォーム工事について

 当社では、取得した中古住宅のリフォーム工事を全てリフォーム工事業者に外注しておりますが、今後、仕入件数の増加に伴い、それに見合う外注先を十分に確保できなかった場合、また、外注先の経営状態の悪化や資材・住宅設備機器の流通不安定化等により工期の遅延が発生して早期の販売活動ができなくなった場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 有利子負債への依存と資金調達について

 当社では、物件の仕入資金を主として金融機関からの借入によって調達しているため、有利子負債への依存度は比較的高い水準にあります。そのため、市場金利が上昇した場合には、支払利息が増加する等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社では財務状態を良好に保つために自己資本の充実に注力しておりますが、財務状態の著しい悪化等により当社の信用力が低下し、資金調達に制約を受けた場合は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

2018年3月期

2019年3月期

2020年3月期

期末有利子負債残高(千円)

9,850,559

10,401,842

10,037,894

期末総資産額(千円)

17,294,651

17,879,895

18,498,557

有利子負債依存度(%)

57.0

58.2

54.3

 

⑦ 競合他社の参入について

 中古不動産の売買自体は、継続的に業として行う場合に宅地建物取引業免許の取得が必要となるほかは、新規参入に特段の制約はなく、新規参入の障壁が高いとは言えません。また、競売は各地方裁判所で行なわれる公的な制度であり、競売への応札に特別な許認可や登録等は必要ありません。したがって、今後、競合他社の参入状況によっては、物件の仕入や販売において価格競争等が生じる、あるいは競売への応札者が増加し競売での落札数が減少するまたは落札価格が上昇する等の事象が生じた結果、仕入や販売の件数が減少した場合、また仕入価格の上昇や販売価格の下落によって利益率が低下した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 固定資産の減損について

 当社は、その他不動産事業として賃貸事業を営んでおります。現在の事業規模はまだ僅少でありますが、今後は賃貸用不動産の保有を増やしていく方針であります。これら保有している賃貸用不動産について、地価の下落等の影響により固定資産の減損損失を計上することとなった場合には、当社の業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

-当社事業に関連する諸制度に関するリスクについて-

 

⑨ 法的規制や免許・許認可事項について

 当社の事業は、宅地建物取引業法をはじめ、建築基準法、都市計画法等の各種法令による規制を受けております。当社では法令遵守の徹底を図るとともに、法令の改廃等の情報を日頃より収集して社内に伝達しておりますが、今後これらの関係法規の改廃や、新たな法的規制が生じた場合には、当社の事業活動において制限を受ける可能性があり、その場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、宅地建物取引業免許は、当社の主要な事業活動に必須の免許であります。現時点において当該免許の取消事由や更新欠格事由は発生しておりませんが、将来何等かの理由により、免許の取消や更新欠格による失効等があった場合は、当社の事業活動に大きく支障をきたし、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 不動産登記に公信力がないことについて

 不動産については様々な権利義務が存在します。日本の不動産登記には公信力(公示を信頼して取引した者には、公示どおりの権利状態があったのと同様の保護を与える力)がないことから、登記を信頼して取引した場合でも保護されない場合があります。また登記から事前に不動産に係る権利義務を知りえない場合があります。したがって、当社が取得した権利が第三者の権利や行政法規等により制限を受け、あるいは第三者の権利を侵害していることが後になって判明する可能性があります。当社は、仕入に際して登記内容を確認する他、物件の権利関係に関する情報を可能な限り入手するようにしておりますが、現実にこのような事態が発生した場合には、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ 不動産物件の欠陥・瑕疵について

 当社が物件を仕入れた後、当該物件に欠陥や瑕疵が見つかった場合、必ずしも物件売主に対してその責任を追及できるとは限らず、重大な欠陥・瑕疵があった場合には、その修復のため追加費用の負担が発生し、当社の業績に影響する可能性があります。また、当社が販売した物件について重大な欠陥・瑕疵があった場合には、それに起因する契約解除や損賠賠償請求を受けたり、瑕疵の修復のための費用が発生するとともに、当社の責任の有無また実際の瑕疵の有無にかかわらず、当社の信用が失墜する事態が考えられ、その場合には、当社の業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

⑫ 訴訟等について

 当社は、事業活動の中で生じる各業務について、適法かつ適正な業務処理を行っており、現時点において業績に影響を及ぼす重要な訴訟を提起されている事実はありません。特に、不動産競売における明渡し業務については、社内でガイドラインを定めて、適法かつ適正な業務処理を行うことを徹底しており、社内講習の実施等により教育・周知をしております。しかしながら、業務手続に適法性や適正性を欠いた場合にはクレーム等を受ける可能性があり、また、それらに起因する訴訟その他の請求が発生する可能性があります。このような訴訟・係争ないしは請求が生じることのないようマニュアルや業務フローを定める等、社内体制の整備に努めてはおりますが、今後そうした事態が発生した場合、その内容及び結果によっては、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬ 個人情報等の管理について

 当社は、お客様や取引先等の個人情報や重要な経営情報等の内部情報等の情報管理につきましては、「個人情報保護管理規程」「特定個人情報等取扱規程」及び「機密取扱規程」を制定、運用して、社員への教育・周知に努めております。また、マイナンバー制度にも対応した管理体制や情報システムのセキュリティ対策の強化にも努めております。しかしながら、万が一、当社が保有する個人情報等が何等かの理由で社外に漏えいしてしまった場合には、当社の信用が失墜し、また、損害賠償による損失が発生した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

-組織・人材に関連するリスクについて-

 

⑭ 人材の確保と育成について

 当社では、主たる事業である中古住宅再生事業において業務を遂行するうえでは、宅地建物取引業法はもとより不動産に係る幅広い法令や業務に関する知識が求められます。したがって今後業容を拡大するうえで、優秀な人材の獲得と育成を図るために、良好な労働環境の整備と社内教育制度の拡充に努めております。また、マネージャー育成を強化し、事業拡大に伴う組織体制の整備に努めております。しかしながら、人材の確保・育成が計画通り進まない場合や、社外流出等何等かの事由により既存の人材が業務に就くことが困難になった場合は、当社の事業活動に支障が生じ、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

その他のリスク-

 

⑮ 自然的災害、人為的災害及び不測の事故等について

 当社では、広域にわたって事業を展開することにより、特定エリアで発生する落雷、大雨、台風及び地震等の自然災害や、火災、事件、暴動等(以下、「災害事故等」という。)によるリスクの分散を図っております。また、原則として、当社が保有する不動産物件については火災保険等を付保して、災害事故等に備えております。しかしながら、万が一、甚大な災害事故等が発生した際に、当社が保有している物件につき滅失、劣化または毀損等が生じたり、保険でカバーできない場合や、消費者の購入マインドが著しく低下した場合には、当社の業績に影響する可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症をはじめとする大規模な疾病の流行等、不測の事態が起きた場合には、被害の発生状況および行政当局の指示・要請によっては、営業活動の自粛や事業所の休業等の措置が必要となり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度(2019年4月1日~2020年3月31日)におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の緩やかな改善がみられましたが、2019年10月に実施された消費税増税や大型台風等の影響もあり、2019年10~12月期の実質GDP成長率は1.8%減(年率7.1%減)と5四半期ぶりのマイナス成長になりました。また、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、国内外の消費活動が落ち込むなど、景気の先行きは不透明感を強めております。

 当社が属する中古住宅流通市場におきましては、公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)によると、首都圏中古マンションの平均成約価格・成約件数はともに高い水準を維持しております。しかし、年度末にかけて新型コロナウイルス感染症の拡大による外出自粛の要請や一部住宅設備機器の供給の不安定化等、事業活動を維持するうえで慎重な対応が求められる状況になってまいりました。

 当社の主たる事業である中古住宅再生事業におきましては、依然として競合の増加、価格の上昇等による厳しい仕入環境が続きました。このような状況の中、当社では利益率の確保に重点をおいて物件を厳選する仕入方針を採り、当事業年度における仕入件数は、前事業年度の917件から964件(前事業年度比5.1%増)となりました。

 販売につきましては、横浜支店を中心に全社的に販売件数が伸び、当事業年度における販売件数は、前事業年度の857件から938件(前事業年度比9.5%増)となりました。なお、当事業年度に販売した物件はいずれも3月の上旬までには売買契約を締結しているため、販売活動において、新型コロナウイルス感染症による影響は僅少でありました。

 利益面につきましては、利益率の高い収益用一棟マンション3棟の売却により、売上総利益率は前事業年度の15.3%から17.1%となりました。

 以上の結果、当事業年度における売上高は20,464百万円(前事業年度比12.6%増)、営業利益は1,451百万円(同60.5%増)、経常利益は1,262百万円(同76.1%増)、当期純利益は869百万円(同77.8%増)となりました。

 事業別の状況は次のとおりであります。

<中古住宅再生事業>

 中古住宅再生事業におきましては、居住用物件による売上が18,495百万円、収益用一棟マンションを含む収益用物件による売上が1,546百万円となり、物件販売による売上高は20,041百万円となりました。また、収益用物件の保有期間中の賃貸収入が193百万円となりました。その結果、当事業年度における中古住宅再生事業の売上高は20,285百万円(前事業年度比13.1%増)となりました。

<その他不動産事業>

 その他不動産事業におきましては、賃貸用不動産の賃貸収入等によって、当事業年度におけるその他不動産事業の売上高は178百万円(前事業年度比28.6%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度に比べて162百万円増加し、3,156百万円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度の営業活動の結果、獲得した資金は1,298百万円(前年同期は1,187百万円の使用)となりました。これは主に、税引前当期純利益が1,262百万円、支払利息が150百万円となり、たな卸資産が169百万円減少した一方で、利息を155百万円、法人税等を144百万円支出したことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度の投資活動の結果、使用した資金は532百万円(前年同期は38百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の預入により415百万円、有形固定資産の取得により531百万円を支出した一方、定期預金の払戻により418百万円を得たことによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度の財務活動の結果、使用した資金は603百万円(前年同期は311百万円の獲得)となりました。これは主に、新規の短期借入16,573百万円、新規の長期借入960百万円を実行した一方で、短期借入金16,599百万円、長期借入金1,022百万円を返済し、社債の償還により276百万円、配当金の支払により239百万円を支出したことによります。

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

b.仕入実績

 当事業年度の仕入実績を事業別に示すと、次のとおりであります。

事業別

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比

(%)

仕入件数

仕入高

(千円)

中古住宅再生事業

964

13,291,004

△3.0

その他不動産事業

合計

964

13,291,004

△3.0

(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2.販売用不動産の仕入実態を明確にするため、上記仕入高には販売用不動産本体価格を記載し、リフォーム資材を含む仕入に係る付随費用等は除いております。

 

c.受注実績

 当社は受注活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

d.販売実績

 当事業年度の販売実績を事業別に示すと、次のとおりであります。

事業別

当事業年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

前年同期比

(%)

販売件数

売上高

(千円)

中古住宅再生事業

物件販売

938

20,041,662

12.6

その他収入

243,912

85.3

小計

938

20,285,574

13.1

その他不動産事業

178,499

△28.6

合計

938

20,464,074

12.6

(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2.販売実績を明確に表示するため、中古住宅再生事業の売上高は、物件販売とその他収入を区分して表示しております。なお、その他収入は短期賃料収入、固定資産税及び都市計画税精算金による売上であります。

3.総販売実績に対する割合が10%以上の相手先はありません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。当社の財務諸表作成のための会計方針については「第5 経理の状況 1 財務諸表等 重要な会計方針」に記載のとおりであります。

 この財務諸表の作成に当たりまして、経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。これらの見積りについては、基本的には過去の実績等を勘案し合理的に判断しております。

(たな卸資産)

 たな卸資産については、市場価格の下落等により収益性の低下が見込まれる場合、市場価格に基づく時価の見積額が個別法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)による評価額を下回る場合は、その差額をたな卸評価損として計上しておりますが、将来の市況悪化等により、時価の見積額がより悪化した場合は、追加のたな卸評価損が計上される可能性があります。

(減損損失)

 各固定資産について、減損の兆候があり、かつ資産の回収可能額が帳簿価額を下回る場合は、回収可能額まで減損処理を行うこととしておりますが、将来の市況悪化等により事業計画が修正される場合、追加の減損処理を行う可能性があります。

(繰延税金資産)

 繰延税金資産については、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性あると判断した将来減算一時差異を計上しておりますが、見積りの前提となった仮定や条件が変更され、当該課税所得の見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

 また、新型コロナウイルス感染症による影響については、2021年3月期第1四半期は外出自粛要請により営業活動が制限されるものの、当第2四半期より徐々に回復し、当第3四半期には正常化していると仮定して見積りを実施しております。

 なお、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

 

② 財政状態の分析

 当事業年度末における総資産は、18,498百万円となり、前事業年度末の17,879百万円から618百万円の増加となりました。

(流動資産)

 当事業年度末における流動資産は、16,621百万円となり、前事業年度末の15,994百万円から627百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が159百万円、販売用不動産が428百万円、競売保証金が142百万円増加した一方で、仕掛販売用不動産が91百万円減少したことによります。

(固定資産)

 当事業年度末における固定資産は、1,876百万円となり、前事業年度末の1,885百万円から8百万円の減少となりました。これは主に、投資その他の資産が36百万円増加した一方で、有形固定資産が42百万円減少したことによります。

(流動負債)

 当事業年度末における流動負債は、8,173百万円となり、前事業年度末の7,634百万円から539百万円の増加となりました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が234百万円、未払法人税等が292百万円増加したことによります。

(固定負債)

 当事業年度末における固定負債は、2,918百万円となり、前事業年度末の3,469百万円から551百万円の減少となりました。これは主に、社債が252百万円、長期借入金が297百万円減少したことによります。

(純資産)

 当事業年度末における純資産は、7,406百万円となり、前事業年度末の6,775百万円から630百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金が630百万円増加したことによります。

③ 経営成績の分析

(売上高)

 当事業年度の売上高は、20,464百万円となり、前事業年度の18,180百万円から2,283百万円の増加(前事業年度比12.6%増)となりました。その主な要因は、主力である中古住宅再生事業の販売件数が前事業年度の857件から938件に増加したことによります。

(売上原価、売上総利益)

 当事業年度の売上原価は、16,963百万円となり、前事業年度の15,401百万円から1,562百万円の増加(前事業年度比10.1%増)となりました。

 その主な要因は、主力である中古住宅再生事業の販売件数が前事業年度の857件から938件に増加したことによります。

 以上の結果により、当事業年度の売上総利益は、3,500百万円(前事業年度比25.9%増)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業利益)

 当事業年度の販売費及び一般管理費は、2,048百万円となり、前事業年度の1,875百万円から173百万円の増加(前事業年度比9.3%増)となりました。その主な要因は、販売件数増加に伴う仲介手数料の増加、人員増加に伴う人件費の増加によるものであります。

 以上の結果により、当事業年度の営業利益は、1,451百万円(前事業年度比60.5%増)となりました。

(営業外損益、経常利益)

 当事業年度の営業外収益は、受取配当金及び契約収入等の計上により、29百万円となりました。また、当事業年度の営業外費用は、支払利息等の計上により、217百万円となりました。

 以上の結果により、当事業年度の経常利益は、1,262百万円(前事業年度比76.1%増)となりました。

(当期純利益)

 当事業年度の当期純利益は、869百万円となり、前事業年度の489百万円から380百万円の増加(前事業年度比77.8%増)となりました。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 「2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(資金需要)

 当社の資金需要は、主として販売用不動産の仕入のための仕入資金があります。また、設備資金としては賃貸用不動産の設備投資があります。

(財務政策)

 販売用不動産の仕入資金は、主に物件毎に短期借入金で調達しておりますが、機動的かつ効率的に調達するため、各金融機関と当座貸越やコミットメントラインによる極度額の設定を進めております。

 設備資金につきましては、融資条件等を慎重に比較検討のうえ、案件毎に借入先金融機関を決定しております。賃貸用不動産購入資金は、原則として長期借入金または社債(私募債)で調達しております。

 

⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗情報

 当社は財務健全性と資本効率性を重視し、自己資本比率及び自己資本利益率(ROE)等の指標の維持・向上を図っております。中期経営計画では、自己資本比率を30%以上、ROEを12%以上とすることを目標にしております。

 中期経営計画の最終年度となる当事業年度におきましては、自己資本比率は前事業年度の37.6%から39.8%に向上し、ROEも当期純利益が前事業年度の489百万円から380百万円の増加(前事業年度比77.8%増)したことにより、前事業年度の7.4%から12.3%に改善しており、いずれの指標も中期経営計画の目標値を達成いたしました。翌事業年度も引き続き自己資本比率及びROEの向上に努めてまいります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。