文中において将来について記載した事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。
当社は、「人と地球に優しい住環境を創ることで社会に貢献」することを経営理念としております。断熱等を目的とした、総合ウレタン原料・製品サプライヤーになることで、この理念を実現していく方針です。
経営の基本方針を遂行し、サービスを持続するためには、スケールメリットを活かせる一定規模以上の売上高と、高い収益性の維持が当社経営に不可欠と認識しております。すでに現場発泡ウレタン断熱施工の実績では日本トップとなっておりますが、さらに高い売上高を目指します。収益性については、自己資本利益率(ROE)で15%、配当方針としては配当性向50%を目指します。
①アクアフォーム®採用棟数の拡大
当社は、アクアフォーム®の採用棟数を拡大させるために、営業所をデポ(エリアのハブ拠点として物流機能と事務機能を集約)とサテライト(中小規模拠点)に再編成し営業組織の効率化を図ってまいります。また、施工能力の強化、価格競争力の強化を進めてまいります。断熱施工の営業は、地域密着で地場工務店、ビルダーへアプローチすることが基本であるため、施工能力の確保も重要であり、自社工務の施工能力の強化と併せて認定施工店の施工能力の強化を図ります。
木造戸建住宅の断熱施工は、基本的に認定施工店に委託し、建築物(木造戸建住宅以外)への断熱施工は、自社工務及び当社の独立支援制度で独立した認定施工店で行う体制を構築してまいります。既存の認定施工店の施工能力の拡充と併せてインターネットサイトを利用した新規認定施工店の獲得にも力を入れるとともに、自社工務人員の育成を強化し、さらに独立による施工体制の拡充を進めてまいります。価格競争力においては、自社ブランドによる原料の委託製造を強力に推進したことにより原料コストの引き下げが実現しており、今後も良質で安定した原料を製造することで価格競争力の強化を実現してまいります。さらに、全国を7エリアに分割し、各エリアのハブ拠点を原料の物流拠点として整備、立ち上げが完了しており、この施策により原料の物流費の削減を実現し、コスト低減を進めてまいります。
②建築物(木造戸建住宅以外)向け断熱施工及び原料販売の強化
当社は、引き続き建築物(木造戸建住宅以外)向け断熱施工を強化してまいります。特に本年開催予定の東京オリンピックによる建設特需後は、建築基準法の不燃材料に適合し、国土交通大臣の認定を受けた新製品「不燃性断熱材アクアモエン®」が受注を牽引していくと考えております。「不燃性断熱材アクアモエン®」は、高断熱性能と防炎性能を合わせ持ち、建設現場で発生する溶接・溶断の火花があたっても表面が炭化するだけで着火しません。建設現場の火災リスクを防ぎ、工期を短縮したいと考える大手ゼネコン向けに受注を開始し、建築部門における増収要因となるよう受注件数が順調に積み上がっております。
建築物向け断熱施工は、自社施工と認定施工店の併用で対応する方針で、元請けのゼネコン等が要求する品質、工期を遵守できる自社工務人員・認定施工店の強化・育成に務めてまいります。また、断熱施工の受注獲得と平行して、自社ブランドの原料を他の断熱施工業者への販売も進め、これまで競合してきた断熱施工業者と協力関係を築くことにより、利益確保にも努めてまいります。
③新規事業への進出
当社は、2019年2月25日に公表しました、中期経営計画「Road To 2023」を達成するため、新規事業への進出を行ってまいります。既に「不燃性断熱材アクアモエン®」と「24時間全館空調システム」の販売は開始しており、順調に受注が積み上がってきております。さらに、当社の強みである全国の施工力を活かした「防水事業」や、テクニカルセンターで研究中の新商品を開発し収益の向上を図ることで、当社の経営理念である「人と地球に優しい住環境を創ることで社会に貢献」を体現してまいります。
④人材開発
当社は、優秀な人材の確保と並行して、社内の教育訓練プログラムを充実化し、人材開発に取り組んでまいります。工務社員には、営業所ごとに施工技術の底上げを図ります。営業社員には、OJTを中心としながら、集合研修も組み合わせ、商品知識、営業提案力の向上を図ります。テクニカルセンター及び開発社員には、より高度な専門知識の習得を促進します。また、社員の所属部署に関係なく「熱絶縁施工技能士」等の資格取得を後押してまいります。
⑤断熱関連の技術・商品開発の推進
当社は、テクニカルセンターの活用を充実させることにより、当社の取り扱う商品、製品の品質向上を図ります。自社ブランド原料の委託製造に伴い、テクニカルセンターで様々な環境での実証実験を行うことを推進しており、これまで以上に良質で安定した原料を低価格で製造することを実現してまいります。また、顧客ニーズに対応するために開発部門を中心にテクニカルセンターにて新原料、新商品の開発に取り組んでまいります。この他、断熱材の省エネルギー性能を実証する地域区分・工法区分に応じた第三者認定取得を進める他、原料メーカーや大学の研究機関と共同で新原料の開発にも積極的に取り組んでまいります。
(1)及び(3)に記載の、経営方針及び中長期的な会社の経営戦略を実行していくうえで、当社が優先的に対処すべき課題と認識している点は以下のとおりです。
(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)
新型コロナウイルス感染拡大により、当社を取り巻く環境の変化が加速化しております。また、「循環型社会の構築と地球環境の保全」への取組みも待ったなしの状況となっております。こうした中、持続的な成長、中期的な企業価値向上を実現するためには、諸課題を認識し、迅速・果断な意思決定を通じて、企業変革に取組んでまいります。
①戸建部門
戸建市場では、新型コロナウイルス感染症の影響により、弱含みが継続すると思われます。一方、コロナ禍、テレワークによって快適な住空間と住宅の省エネルギー化ニーズが高まっています。また、政府が掲げる「脱炭素」目標ではグリーン投資として、地方移住者のエコ住宅購入などに最大100万円分のポイントが付与されるなど、追加経済対策の効果が期待される中、積極的な受注拡大活動を展開し、増収を図る所存です。
②建築物部門
建築物市場では、新型コロナウイルス感染症の影響により、工事の遅延がありましたが、今期、遅延現場の工事が始まります。こうした状況の下、断熱・不燃・耐火、防水工事等の多工事化によって増収を図る所存です。
③環境への取組み
ウレタン断熱材の再利用とCO2削減の更なる強化に向けた取り組みを進めるにあたり、仙台リサイクル工場のラインを拡張いたします。また、九州にリサイクル工場を新たに設置する予定であります。
当社は、全国販売ネットワークと全国施工ネットワークを活用し、競争力の向上と市場開発の推進に取り組みます。また、コーポレートガバナンス・コードを踏まえた企業統治体制の確立を目指し、企業価値の向上をもって、株主の皆様への還元拡充に努めてまいりたいと存じます。
当社が事業を継続していく上で、リスクとして考えられる事項のうち、主なものは以下のとおりです。なお、文中において将来について記載した事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社の経営成績等に与える定量的な影響については、合理的に予見することが困難であると考えており、記載しておりません。
(1) 住宅建築市場の悪化
断熱工事に対する需要は、マクロ経済指標である新設住宅着工件数の影響を受けます。これまで当社は新設住宅着工件数が伸び悩む中でも、積極的な営業展開、事業の範囲の拡大などで、業績を拡大してまいりました。金融危機の発生、消費税等の増税、金利の上昇、感染症の発生などにより住宅建築市場が悪化した場合、当社の業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、今後においても、着実な成長を持続するために営業所の新設、施工能力の拡充、価格競争力の強化、建築物向け断熱施工の強化などの施策を実行していく所存です。
(2) 原料の調達環境の悪化
断熱施工に使用するウレタン原料の主成分は石油製品であります。従いまして原油価格の上昇や円安により原料価格が高騰した場合、当社の原料調達価格が上昇する可能性があります。また、原料メーカーが当社以外の断熱施工会社に安価な原料を供給するようになった場合、当社の価格競争力が低下する可能性があります。加えて、自然災害等の理由により、内外の原料メーカーからの調達が困難になり、施工に使用する原料が不足するという状況に陥った場合、工期に遅延が生じる可能性があります。しかし、構造的な要因で長期にわたってこれらの事象が発生した場合には、当社の業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、当社は、原料メーカーとの協力関係を強化し、安定購買の継続、中核拠点に原料備蓄倉庫を設置したことにより、これらの事象が発生した場合でもリスクを最小限度に抑えてまいります。
(3) 素原料の調達環境の悪化
当社が委託製造しております硬質ウレタン原料は、国内外から素原料を調達して生産しています。なお、調達環境が悪化する主な要因は次のとおりであります。
①原油・ナフサ・ベンゼン等の価格が高騰するとき
②海外から輸入する素原料に、内国産業の保護の観点から反ダンピング(不当廉売)関税が発動されるとき
③素原料の大半は海外から輸入していますので、為替レートが円安に進行するとき
④素原料メーカーの設備稼働率が減少する事象(定期修繕、災害・事故等)が発生した場合、世界的需要・供給バランスに影響が出て、供給がタイトになるとき
当社は、素原料の調達先を多様化することにより長期的、安定的な調達に取り組んでおりますが、上記の事象が複合的に発生した場合には、素原料価格が上昇し、当社の業績に悪影響を与える可能性があります。対応策としては、当社は調達先を多様化して安定化を図ることで、リスクを最小限に抑えてまいります。
(4) 委託加工先との契約
委託加工先の生産設備が災害・事故等により、稼働不能となって、当社が原料の供給を受けられなくなった場合、断熱工事の受注ができなくなりますので、当社の業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、当社は1社の委託加工先に依存することなく、5社の委託加工先と製造委託契約を締結しております。一部の委託加工先が生産を継続できない事象が発生した場合でも、業績に及ぼす影響を最小限に抑えております。
(5) 受注の伸びに対する施工体制の遅れ
当社は2011年に自社施工を本格化しました。これは認定施工店のみでは、当面の受注拡大に対応が困難になると判断したためであります。その後、自社の工務社員数を積極的に増やし、国内全域にわたって施工に対応しうる体制を整えました。さらに、建築物分野事業の開始に伴い、施工体制の強化が急務となっています。何らかの理由で工務社員の新規採用や認定施工店の新規開拓が困難になった場合、これを原因として受注機会を逸する可能性があり、当社の業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、当社は新規採用のみならず、有能な社員を当社の認定施工店として独立支援することや、認定施工店の新たな発掘で包括的な施工体制の強化を図っております
(6) 高性能断熱材市場への新規参入
アクアフォーム®は、硬質ウレタンフォーム以外の断熱材に比べ、相対的に高価格である一方、高い断熱性能を有しております。しかしながら、当社と同じ硬質ウレタンフォームを使用して性能等で優位性のある製品を供給する業者が現れた場合や、新しい素材を使用して優れた断熱性能を発揮する強力な断熱材が商品化された場合、当社の事業成長に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、常に開発部とテクニカルセンターで新製品を研究していくことで、優位性を保ってまいります。
(7) 自社原料の生産に伴う資金負担の増加
当社は、原料の仕入価格を低下させるため、2015年12月期より自社ブランド原料の委託製造を本格化させております。原料は、委託加工先の生産プラントにおいて、素原料、触媒、難燃材等をブレンドして生産します。当社の生産計画に基づき、各委託加工先に有償支給する素原料等は、主に近隣のアジア諸国及び北米より調達しております。
原料の生産ラインを効率よく動かし、生産計画を実現させるために素原料等を自社で在庫する必要があり、その為の資金負担が増加しております。原料製造代金の回収は断熱工事が完成・引き渡しされた後に、得意先が振り出す約束手形が資金化又は売掛金が現金で回収されますが、原料製造及び原料仕入に係る買掛金の決済がこれに先行して到来することもあり、この場合に資金収支にズレが生じるため、当社の業容拡大によって原料の委託製造量が増大する場合、当社の資金の負担が増加するリスクがあります。対応策としては、当社は在庫の積み増しによる資金負担増の軽減及び資金収支のズレを改善するため、資金の回収期間の短縮に取り組んでおります。
(8) 事故や瑕疵による当社に対する信頼感の低下
当社は、断熱施工会社としてその施工中の事故や施工の瑕疵に対して責任を負います。自社または認定施工店で、施工者の不注意により重大な事故が発生した場合、工事や断熱原料に由来する瑕疵に対して重大なクレームが発生した場合は、当社に対する信頼感が低下し、当社業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、当社は作業の安全と施工品質の確保のため、自社の工務社員はいうまでもなく認定施工店に対しても研修と指導を行っております。また、新しい断熱材の原料を導入する際には、テストを繰り返して仕様を改良してから採用しています。
(9) 売上の季節変動
断熱工事に対する売上計上基準は、工事完成基準により行います。また、当社の断熱工事は、住宅が完成する2、3か月前に行いますので、住宅の引渡しが多くなる年度末12月の2、3か月前より完工がピークとなり、その傾向は、第3四半期に増加し始め、第4四半期に集中する傾向があります。その結果、第1四半期及び第2四半期で売上が停滞し経費が過多になるため、損失が発生するリスクがあります。対応策としては、売上時期の分散のため、防水事業等の新規事業への事業領域の拡大を図ります。
なお、第16期事業年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)及び第17期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)の各四半期における売上高を参考までに掲げると以下の通りです。
四半期ごとの売上高の推移
(10) 親会社及びその関係会社との関係
①資本的関係について
当社は、㈱ヒノキヤグループの連結子会社であり、2020年12月末現在、同社は当社株式の議決権等の所有割合で54.79%を保有しております。同社グループは注文住宅の請負・販売、設計、施工及び監理を行う注文住宅事業、戸建分譲住宅の設計、施工、販売並びに土地の分譲及び仲介を行う不動産事業、保育事業等を中心とした事業を営んでおります。2009年2月の株式譲渡により当社は同社の子会社となり、以降、当社は同社グループにおいて断熱材事業を行っております。また、2020年10月29日付の㈱ヒノキヤグループ株の公開買付けにより、㈱ヤマダホールディングスが㈱ヒノキヤグループの親会社となりました。㈱ヤマダホールディングスは㈱ヒノキヤグループを通じて当社株式を間接的に保有することになるため、同日付で当社の親会社となっております。
②人的関係について
当社取締役6名のうち、㈱ヤマダホールディングス、㈱ヒノキヤグループ及びその子会社出身者は、取締役江川弘の1名であり、受入出向者はおりません。
③取引関係について
㈱ヤマダホールディングス及び㈱ヒノキヤグループの関係会社は、断熱材施工販売事業において当社の販売先の位置付けにあります。この取引にかかる価格をはじめとする取引条件は、他の取引先と同水準にて設定しております。
④経営の独立性について
上記のとおり、当社は㈱ヤマダホールディングス及び㈱ヒノキヤグループを親会社としつつも、取締役における同社出身者は1名でありますが、今後も㈱ヤマダホールディングス及び㈱ヒノキヤグループが当社の大株主であることは継続すると見込まれるため、両社の事業戦略やグループ管理方針等の変更がされた場合、当社の経営に影響を及ぼすリスクがあります。しかしながら、当社売上高に占める同社グループへの依存度は1割を下回ることから、経営や取引における独立性は確保している状況にあります。
(11) 法的規制
当社は、建設業法、建築基準法、住宅の品質確保の推進等に関する法律、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、消防法、道路交通法、土壌汚染対策法等、多くの法令や規制のもとで事業活動を遂行しております。万一役職員の一部がこれらの法令等の遵守を怠った場合は、当社の社会的信用が失墜し、当社の経営に重大な悪影響が及ぶリスクがあります。また、当社にとって対応が困難な法的規制が新たに設けられた場合、当社の業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、これらの法令等を遵守するため、役職員のコンプライアンス意識の強化に取り組んでおります
(12) 主要な事業活動の前提となる事項について
当社の主要な事業活動である熱絶縁工事業は建設業許可が必要な事業であり、当社では一般建設業許可(熱絶縁工事業)を取得しております。建設業許可は、5年ごとの更新が義務付けられており、本書提出日現在の許可の有効期限は2024年1月であります。また、建設業法第29条に建設業許可の取消し、第28条において業務停止等の処分の要件が規定されており、当該要件に抵触した場合には、許可の取消しまたは期間を定めてその業務の全部もしくは一部の停止等を命じられる可能性があります。当社には、現時点において許可の取消しまたは業務の停止等の事由となる事実はないと認識しておりますが、当該許可の取消しまたは業務の停止等を命じられた場合には、社会的信頼の毀損や契約破棄等により当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。対応策としては、免許の更新時期のチェック等や、安全管理の大会を定期的に行っております。
(13) 個人情報の取扱いについて
当社は事業を行う上で入手したお客様に関する個人情報を保有しております。万が一これらの情報が外部に漏洩した場合、当社に対する信用失墜や損害賠償請求等によって当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。これらの情報管理に関しましては、社内規定の整備、社員教育の徹底、管理体制の強化に努めておりますが、万が一これらの情報が外部に漏洩した場合、当社に対する信用失墜や損害賠償請求等によって当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。対応策としては、これらの情報管理に関しましては、社内規程の整備、社員教育の徹底、管理体制の強化に努めております
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、依然として厳しい状況にあります。当社の属する戸建住宅市場は、消費増税後の反動減及び新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、弱含みで推移しました。新設住宅着工総計は2019年7月から2020年12月まで18か月連続、前年度同月比を割り込みました。当事業年度(2020年1月~12月)における新設住宅着工総計は、815千戸、前年対比で9.9%減となりました。このような状況の下、当社経営理念「人と地球に優しい住環境を創ることで社会に貢献」に基づき持続的な事業の成長と企業価値向上に向け、各部門において収益拡大に取組んで参りました。
厳しい市場環境の下、戸建部門の売上高は12,448百万円と前年同期比で6.0%減に留り、かつ、当社が属する建築物市場においては、断熱・耐火工事等の多工事化の取組みにより、建築物部門の売上高は4,848百万円と前年同期比で17.0%増となりました。さらに、その他部門では、原料販売・機械・空調システム等の拡販などにも取組み、売上高は4,575百万と前年同期比で15.0%増となりました。
これらの結果、当事業年度の売上高は21,872百万円と前年同期比で2.4%増となりました。利益面では営業利益は1,896百万円と前年同期比で0.7%減、経常利益は1,911百万円と前年同期比で0.1%増、当期純利益につきましては1,342百万円と前年同期比で5.3%増となりました。
当事業年度末における総資産は16,021百万円(前事業年度末比4.2%増)となり、前事業年度末に比べ642百万円の増加となりました。当事業年度末における負債合計は8,383百万円(前事業年度末比1.8%減)となり、前事業年度末に比べ152百万円の減少となりました。当事業年度における純資産は7,638百万円となり、前事業年度より795百万円の増加となりました。この増加の主な要因は、当期純利益による利益剰余金が1,342百万円増加したことに対し、配当により利益剰余金が549百万円減少したとによるものであります。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ、226百万円減少し、1,651百万円(前年同期1,878百万円)となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローはそれぞれ、営業活動によるキャッシュ・フローは694百万円の収入(前事業年度は1,657百万円の収入)、投資活動によるキャッシュ・フローは609百万円の支出(前事業年度は769百万円の支出)、財務活動によるキャッシュ・フローは311百万円の支出(前事業年度は902百万円の支出)となりました。
当社の主たる事業である断熱材の施工販売は、受注を契機として施工を行い、かつ主力の戸建住宅分野では施工期間が原則1日間と短期であることから、生産実績と販売実績とは近似しており、記載を省略しております。
当社の主たる事業である断熱材の施工販売は、そのほとんどにおいて、受注から施工実施、販売までの期間が短期であることから、受注実績と販売実績とは近似しており、記載を省略しております。
当社は、単一セグメントでの事業を行っておりますが、当事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)における販売実績を品目別及び地域別に示すと、次のとおりであります。
品目別販売実績
地域別販売実績
(注)当事業年度より北関東・南関東ブロックを統合し、北信越ブロックを設置しました。関東・中部・北信越の各ブロックを比較するため、前年同期比は当期のブロックにさかのぼって再集計し、比較しています。
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、重要な会計方針等に基づき、資産・負債の評価及び収益・費用の認識に影響を与える見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断に関しましては、継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性のため、実際の結果は見積りと異なる可能性があります。
財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
・繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、予算の前提となった数値を、経営環境等の外部要因に関する情報や当社が用いている内部の情報と整合的に修正し見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(2) 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
①売上高
売上高は、21,872百万円(前事業年度と比べ505百万円、前年同期比2.4%増)となりました。これは、戸建住宅向け断熱材の施工販売が12,448百万円(前年同期比6.0%減)、建築物向け断熱材の施工販売が4,848百万円(前年同期比17.0%増)、商品販売が4,575百万円(前年同期比15.0%増)となったことによるものです。戸建住宅部門は、消費増税後の反動減及び新型コロナウイルス感染症拡大の影響で住宅着工戸数が前年比で9.9%減少したものの、当社の主力商品である「アクアフォーム®」の商品力と認知度の向上で前年比で6.0%減に留ったものであります。建築物部門は、断熱・耐火工事等の多工事化の取組みにより大幅に増収となったものであります。商品販売は原料販売・機械・空調システム等の拡販などにも取組んだことから増収となったものであります。
②売上原価
売上原価は16,562百万円(前事業年度と比べ599百万円、前年同期比3.8%増)となりました。前事業年度と比べて将来の建築部門の規模拡大に備えた工務人員の増加に伴い、売上原価率が上昇しましたが、これは建築部門の好調に向けて施工体制を強化したことによるものです。売上総利益率は前事業年度の25.3%から24.3%に低下いたしました。
③販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、3,413百万円(前事業年度と比べ79百万円、前年同期比2.3%減)となりました。これは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、採用の抑制による人件費の減少と展示会の出店自粛による広告宣伝費の減少によるものであります。販売費及び一般管理費の売上高に占める割合については15.6%となり、前事業年度と比べ0.8ポイント減少いたしました。
④営業外損益
営業外収益は、46百万円(前事業年度と比べ15百万円、前年同期比50.9%増)となり、営業外費用は、31百万円(前事業年度と比べ0百万円、前年同期比1.0%減)となりました。
⑤特別損益
特別利益は、4百万円(前事業年度と比べ2百万円、前年同期比111.5%増)となり、特別損失は11百万円(前事業年度と比べ9百万円、前年同期比298.4%増)となりました。
⑥法人税等合計
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた法人税等合計は562百万円(前事業年度と比べ71百万円、前年同期比11.2%減)と、前事業年度に比べ大幅に減少となりました。これは、所得拡大税制の適用により法人税等が前年より大幅に減少したことによります。以上の結果、当期純利益は1,342百万円(前事業年度と比べ67百万円、5.3%増)となりました。
⑦収益性
目標とする経営指標として収益性については、自己資本利益率(ROE)で15%、配当方針としては配当性向50%を設定しておりましたが、当事業年度において自己資本利益率(ROE)は18.5%、配当性向は48.1%となりました。この要因としては、自己資本純利益率(ROE)については、所得拡大税制の適用により当期純利益が想定以上の増益となったため目標を3.5%上回りました。配当性向については増益を見込んで増配としたものの、今後の設備投資計画を勘案し、内部留保の必要があると判断したことで50%に届かなかったものであります。
(3) 財政状態の分析
(総資産)
当事業年度末における総資産は16,021百万円(前事業年度末比4.2%増)となり、前事業年度末に比べ642百万円の増加となりました。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は11,469百万円(前事業年度末比2.1%増)となり、前事業年度末に比べ231百万円の増加となりました。この増加の主な要因は、売掛金が581百万円、商品が47百万円、未収入金が289百万円増加したことに対し、現金及び預金が226百万円、原材料及び貯蔵品が481百万円減少したことなどによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は4,552百万円(前事業年度末比9.9%増)となり、前事業年度末に比べ、411百万円の増加となりました。この増加の主な要因は、秋田営業所開設用の土地取得37百万円、松本営業所開設用の土地取得66百万円、金沢営業所、神奈川営業所、青森営業所、秋田営業所、松本営業所の建物の建設486百万円、建物付属設備127百万円、構築物114百万円の増加に対し、建設仮勘定の建物等への振替による減少が220百万円、減価償却による資産の減少が186百万円、繰延税金資産の減少が33百万円あったことなどによるものであります。
(負債合計)
当事業年度末における負債合計は8,383百万円(前事業年度末比1.8%減)となり、前事業年度末に比べ152百万円の減少となりました。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は8,186百万円(前事業年度末比2.5%減)となり、前事業年度末に比べ206百万円の減少となりました。この減少の主な要因は、買掛金の225百万円の増加、短期借入金300百万円の増加に対し、返済による1年以内返済予定の長期借入金103百万円の減少、未払費用202百万円の減少、中間納付の増加による未払法人税等の480百万円の減少などによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は197百万円(前事業年度末比37.3%増)となり、前事業年度末に比べ53百万円の増加となりました。この増加の主な要因は、長期借入金が66百万円増加したことなどによるものであります。
(純資産)
当事業年度における純資産は7,638百万円となり、前事業年度より795百万円の増加となりました。この増加の主な要因は、当期純利益による利益剰余金が1,342百万円増加したことに対し、配当により利益剰余金が549百万円減少したことによるものであります。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ、226百万円減少し、1,651百万円(前年同期1,878百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金の増加は694百万円(前年同期は1,657百万円の増加)となりました。これは主に税引前当期純利益1,905百万円に加え、減価償却費186百万円、たな卸資産の減少426百万円、仕入債務の増加225百万円による資金の増加の一方、売上債権の増加586百万円、未収入金の増加289百万円、法人税等の支払988百万円による資金の減少等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金の減少は609百万円(前年同期は769百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得652百万円、無形固定資産の取得33百万円に対し、有形固定資産の売却41百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動による資金の減少は311百万円(前年同期は902百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払いによる支出549百万円、長期借入金の返済による支出136百万円に対し、短期借入金の純増減額300百万円、長期借入金の収入100百万円などによるものであります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
現状における当社の資金需要の主なものは、運転資金、納税資金、固定資産への投資資金です。運転資金の主な内容は、ウレタン原料の製造及び仕入代金、認定施工店への外注費、副資材の仕入代金、販売費及び一般管理費等の営業費用です。販売費及び一般管理費の内訳は、人件費、広告宣伝費、販売手数料等です。固定資産への投資資金の主な内容は、ハブ拠点建設の土地及び建物等の有形固定資産、ソフトウエア等の無形固定資産、並びに敷金及び保証金等の投資その他の資産への投資資金です。
資金調達については、主に銀行借入と内部留保資金により調達しております。今後、大きな資金需要が発生した場合には、増資等による資金調達の可能性もありますが、当面必要な運転資金、固定資産への投資資金については、銀行借入と内部留保資金及び営業活動によるキャッシュ・フローにより十分調達可能であると考えております。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、新型コロナウイルス感染拡大の防止策を講じつつ、最善の経営方針を立案するように努めております。現在の経営方針は以下のとおりであります。
1.全社的取り組みについて
(1) 断熱工事について
当社の断熱工事については、元請会社と連携を図りながら、感染防止対策を徹底したうえで行ってまいります。今後も工務人員の安全や感染拡大防止の対策を徹底してまいります。
(2)業務執行・監督について
取締役会、社内の会議は、感染防止対策の観点から、電話会議システムまたはビデオ会議システムをフル運用して重要な業務の決定や業務執行の監督は平常通り行われています。
2.各部門の見通しについて
(1)戸建部門
戸建市場では、新型コロナウイルス感染症の影響により、弱含みが継続すると思われます。一方、コロナ禍、テレワークによって快適な住空間と住宅の省エネルギー化ニーズが高まっています。また、政府が掲げる「脱炭素」目標ではグリーン投資として、地方移住者のエコ住宅購入などに最大100万円分のポイントが付与されるなど、追加経済対策の効果が期待される中、積極的な受注拡大活動を展開し、増収を図る所存です。
(2)建築物部門
建築物市場では、新型コロナウイルス感染症の影響により、工事の遅延がありましたが、今期、遅延現場の工事が始まります。こうした状況の下、断熱・不燃・耐火、防水工事等の多工事化によって増収を図る所存です。
(3)原料調達について
ウレタン原料はこれまでも北米、中国、国内メーカーより分散調達をしており、サプライチェーンの寸断による、施工並びに原料販売への影響は発生しておりません。
(4)環境への取組み及び新規投資について
①ウレタン断熱材の再利用とCO2削減の更なる強化に向けた取り組みを進めるにあたり、仙台リサイクル工場のラインを拡張いたします。また、九州にリサイクル工場を新たに設置する予定であります。
②全国販売ネットワークと全国施工ネットワークを活用し、防水市場における競争力の向上と市場開発の推進に取り組みます。
該当事項はありません。
該当事項はありません。