第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中において将来について記載した事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、「人と地球に優しい住環境を創ることで社会に貢献」することを経営理念としております。
 

(2)目標とする経営指標

 経営の基本方針を遂行し、サービスを持続するためには、スケールメリットを活かせる一定規模以上の売上高と、高い収益性の維持が当社経営に不可欠と認識しております。すでに現場発泡ウレタン断熱施工の実績では日本トップとなっておりますが、さらに高い売上高を目指します。収益性については、自己資本利益率(ROE)で15%、配当方針としては配当性向50%を目指します。
 

(3)中長期的な会社の経営戦略

①木造戸建向け断熱材アクアフォームLITE®採用棟数の拡大

 脱炭素社会に向けて住宅の省エネ適合義務化への議論がされる中、高気密・高断熱の住宅に不可欠な断熱材「アクアフォームLITE®」に対する需要は増加しています。「アクアフォームLITE®」は、従来のアクアフォームの品質を維持したまま、環境負荷低減に貢献する植物由来の原料を配合し、人・家・環境にやさしく持続可能な社会に貢献する断熱材です。また、アクアフォームLITEは、原料使用量を約30%削減することを可能とした革新的な断熱材であり、同時に企業価値向上にも貢献いたします。

②建築物向け断熱施工及び原料販売の強化

 当社は、引き続き建築物向け断熱施工を強化してまいります。建築基準法の不燃材料に適合し、国土交通大臣の認定を受けた新製品「不燃性断熱材アクアモエン®」が受注を牽引していくと考えております。「不燃性断熱材アクアモエン®」は、高断熱性能と防炎性能を合わせ持ち、建設現場で発生する溶接・溶断の火花があたっても表面が炭化するだけで着火しません。建設現場の火災リスクを防ぎ、工期を短縮したいと考える大手ゼネコン向けに受注を開始し、建築部門における増収要因となるよう受注件数が順調に積み上がっております。

③施工力増強の取組み

 当社の成長エンジンは「施工力」であり、工事体制の整備及び増強することが戸建、建築、防水部門共通の経営課題であります。そこで、昨年来より、当社は認定施工店が抱える課題を解決するための支援、バックアップ、フォローアップ政策を行ってまいりました。具体的な政策は次のとおりであります。

ⅰ 職人不足の解消のための支援、バックアップ

ⅱ ウレタン原料ストックのための防火倉庫を賃貸

ⅲ 吹付機械、施工用トラック車両の譲渡による設備支援 

④新規事業への進出

 当社は、2019年2月25日に公表しました、中期経営計画「Road To 2023」を達成するため、新規事業への進出を行ってまいります。既に「不燃性断熱材アクアモエン®」と「24時間全館空調システム」の販売は開始しており、順調に受注が積み上がってきております。さらに、当社の強みである全国の施工力を活かした「防水事業」や、テクニカルセンターで研究中の新商品を開発し収益の向上を図ることで、当社の経営理念である「人と地球に優しい住環境を創ることで社会に貢献」を体現してまいります。

⑤人材開発

 当社は、優秀な人材の確保と並行して、社内の教育訓練プログラムを充実化し、人材開発に取り組んでまいります。工務社員には、営業所ごとに施工技術の底上げを図ります。営業社員には、OJTを中心としながら、集合研修も組み合わせ、商品知識、営業提案力の向上を図ります。テクニカルセンター及び開発社員には、より高度な専門知識の習得を促進します。また、社員の所属部署に関係なく「熱絶縁施工技能士」等の資格取得を後押してまいります。

 

⑥断熱関連の技術・商品開発の推進

 当社は、テクニカルセンターの活用を充実させることにより、当社の取り扱う商品、製品の品質向上を図ります。自社ブランド原料の委託製造に伴い、テクニカルセンターで様々な環境での実証実験を行うことを推進しており、これまで以上に良質で安定した原料を低価格で製造することを実現してまいります。また、顧客ニーズに対応するために開発部門を中心にテクニカルセンターにて新原料、新商品の開発に取り組んでまいります。この他、断熱材の省エネルギー性能を実証する地域区分・工法区分に応じた第三者認定取得を進める他、原料メーカーや大学の研究機関と共同で新原料の開発にも積極的に取り組んでまいります。
 

(4)サステナビリティへの取組み

  サステナビリティについての取り組みですが、当社はビジョンとして「我々は、断熱技術の革新によりエネルギー総需要を削減し、地球温暖化防止対策と同時に、人々の健康で快適な生活を実現するために存在している」と定めております。「アクアフォーム」をはじめとする断熱・遮熱部材は、社会や人々の生活、地球環境になくてはならないものであり、住宅省エネ性能を向上する高気密・高断熱の「アクアフォーム」を普及させることによって住宅のCO2排出量(エネルギー消費量)を削減し、省エネルギー住宅を実現してまいります。また、脱炭素を促進するウレタンリサイクルに取り組むことで、住む人の健康・快適で幸せな暮らしを支え、CO2を排出せず地球に優しい再生可能エネルギーで賄える社会を実現させることを目標としております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 (1)及び(4)に記載の、経営方針及び中長期的な会社の経営戦略を実行していくうえで、当社が優先的に対処すべき課題と認識している点は以下のとおりです。

 

(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)

 新型コロナウイルス感染拡大により、当社を取り巻く環境の変化が加速化しております。また、「循環型社会の構築と地球環境の保全」への取組みも待ったなしの状況となっております。こうした中、持続的な成長、中期的な企業価値向上を実現するためには、諸課題を認識し、迅速・果断な意思決定を通じて、企業変革に取組んでまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

 当社が事業を継続していく上で、リスクとして考えられる事項のうち、主なものは以下のとおりです。なお、文中において将来について記載した事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社の経営成績等に与える定量的な影響については、合理的に予見することが困難であると考えており、記載しておりません。

(1) 住宅建築市場の悪化

 断熱工事に対する需要は、マクロ経済指標である新設住宅着工件数の影響を受けます。これまで当社は新設住宅着工件数が伸び悩む中でも、積極的な営業展開、事業の範囲の拡大などで、業績を拡大してまいりました。金融危機の発生、消費税等の増税、金利の上昇、感染症の発生などにより住宅建築市場が悪化した場合、当社の業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、今後においても、着実な成長を持続するために営業所の新設、施工能力の拡充、価格競争力の強化、建築物向け断熱施工の強化などの施策を実行していく所存です。

(2) 原料の調達環境の悪化

 断熱施工に使用するウレタン原料の主成分は石油製品であります。従いまして原油価格の上昇や円安により原料価格が高騰した場合、当社の原料調達価格が上昇する可能性があります。また、原料メーカーが当社以外の断熱施工会社に安価な原料を供給するようになった場合、当社の価格競争力が低下する可能性があります。加えて、自然災害等の理由により、内外の原料メーカーからの調達が困難になり、施工に使用する原料が不足するという状況に陥った場合、工期に遅延が生じる可能性があります。このように、構造的な要因で長期にわたってこれらの事象が発生した場合には、当社の業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、当社は、原料メーカーとの協力関係を強化し、安定購買の継続、中核拠点に原料備蓄倉庫を設置したことにより、これらの事象が発生した場合でもリスクを最小限度に抑えてまいります。

(3) 素原料の調達環境の悪化

 当社が委託製造しております硬質ウレタン原料は、国内外から素原料を調達して生産しています。なお、調達環境が悪化する主な要因は次のとおりであります。

 ①原油・ナフサ・ベンゼン等の価格が高騰するとき

 ②海外から輸入する素原料に、内国産業の保護の観点から反ダンピング(不当廉売)関税が発動されるとき

 ③素原料の大半は海外から輸入していますので、為替レートが円安に進行するとき

④素原料メーカーの設備稼働率が減少する事象(定期修繕、災害・事故等)が発生した場合、世界的需要・供給バランスに影響が出て、供給がタイトになるとき

 当社は、素原料の調達先を多様化することにより長期的、安定的な調達に取り組んでおりますが、上記の事象が複合的に発生した場合には、素原料価格が上昇し、当社の業績に悪影響を与える可能性があります。対応策としては、当社は調達先を多様化して安定化を図ることで、リスクを最小限に抑えてまいります。

(4) 委託加工先との契約

  委託加工先の生産設備が災害・事故等により、稼働不能となって、当社が原料の供給を受けられなくなった場合、断熱工事の受注ができなくなりますので、当社の業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、当社は1社の委託加工先に依存することなく、5社の委託加工先と製造委託契約を締結しております。一部の委託加工先が生産を継続できない事象が発生した場合でも、業績に及ぼす影響を最小限に抑えております。

(5) 受注の伸びに対する施工体制の遅れ

 当社は2021年に自社工務を認定施工店への出向、転籍を進めました。これは新型コロナウィルスやウッドショックによる不安定な経済情勢において、認定施工店の人員の安定化を図ることで、さらに施工体制を強化する必要があると判断したためであります。さらに、防水事業の開始に伴い、施工体制の強化が急務となっています。何らかの理由で工務社員の新規採用や認定施工店の新規開拓が困難になった場合、これを原因として受注機会を逸する可能性があり、当社の業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、当社は新規採用のみならず、有能な社員を当社の認定施工店として独立支援することや、認定施工店の新たな発掘で包括的な施工体制の強化を図っております。

 

(6) 高性能断熱材市場への新規参入

 アクアフォーム®は、硬質ウレタンフォーム以外の断熱材に比べ、相対的に高価格である一方、高い断熱性能を有しております。しかしながら、当社と同じ硬質ウレタンフォームを使用して性能等で優位性のある製品を供給する業者が現れた場合や、新しい素材を使用して優れた断熱性能を発揮する強力な断熱材が商品化された場合、当社の事業成長に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、常に開発部とテクニカルセンターで新製品を開発していくことで、優位性を保ってまいります。

(7) 自社原料の生産に伴う資金負担の増加

 当社は、原料の仕入価格を低下させるため、2015年12月期より自社ブランド原料の委託製造を本格化させております。原料は、委託加工先の生産プラントにおいて、素原料、触媒、難燃材等をブレンドして生産します。当社の生産計画に基づき、各委託加工先に有償支給する素原料等は、主に近隣のアジア諸国及び北米より調達しております。

 原料の生産ラインを効率よく動かし、生産計画を実現させるために素原料等を自社で在庫する必要があり、その為の資金負担が増加しております。原料製造代金の回収は断熱工事が完成・引き渡しされた後に、得意先が振り出す約束手形が資金化又は売掛金が現金で回収されますが、原料製造及び原料仕入に係る買掛金の決済がこれに先行して到来することもあり、この場合に資金収支にズレが生じるため、当社の業容拡大によって原料の委託製造量が増大する場合、当社の資金の負担が増加するリスクがあります。対応策としては、資金の回収期間の短縮に取り組んでおります。

(8) 事故や瑕疵による当社に対する信頼感の低下

 当社は、断熱施工会社としてその施工中の事故や施工の瑕疵に対して責任を負います。自社または認定施工店で、施工者の不注意により重大な事故が発生した場合、工事や断熱原料に由来する瑕疵に対して重大なクレームが発生した場合は、当社に対する信頼感が低下し、当社業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、当社は作業の安全と施工品質の確保のため、自社の工務社員はいうまでもなく認定施工店に対しても研修と指導を行っております。また、新しい断熱材の原料を導入する際には、テストを繰り返して仕様を改良してから採用しています。

(9) 売上の季節変動

 当社の断熱工事は、住宅が完成する2、3か月前に行いますので、住宅の引渡しが多くなる年度末12月の2、3か月前より完工がピークとなり、その傾向は、第3四半期に増加し始め、第4四半期に集中する傾向があります。その結果、第1四半期及び第2四半期で売上が停滞し経費が過多になるため、損失が発生するリスクがあります。対応策としては、売上時期の分散のため、防水事業等の新規事業への事業領域の拡大を図ります。

  なお、第17期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)及び第18期事業年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)の各四半期における売上高を参考までに掲げると以下の通りです。

四半期ごとの売上高の推移 

 

 

第1四半期
(1月~3月)

第2四半期
(4月~6月)

第3四半期
(7月~9月)

第4四半期

(10月~12月)

 

2020年12月期(千円)

4,889,985

5,099,076

5,383,216

6,499,939

 

2021年12月期(千円)

5,101,370

5,610,811

6,321,546

6,869,692

 

(10) 親会社及びその関係会社との関係

 ①資本的関係について

  当社は、㈱ヒノキヤグループの連結子会社であり、2021年12月末現在、同社は当社株式の議決権等の所有割合で54.78%を保有しております。同社グループは注文住宅の請負・販売、設計、施工及び監理を行う注文住宅事業、戸建分譲住宅の設計、施工、販売並びに土地の分譲及び仲介を行う不動産事業、保育事業等を中心とした事業を営んでおります。2009年2月の株式譲渡により当社は同社の子会社となり、以降、当社は同社グループにおいて断熱材事業を行っております。また、2020年10月29日付の㈱ヒノキヤグループ株の公開買付けにより、㈱ヤマダホールディングスが㈱ヒノキヤグループの親会社となりました。㈱ヤマダホールディングスは㈱ヒノキヤグループを通じて当社株式を間接的に保有することになるため、同日付で当社の親会社となっております。

 ②人的関係について

  当社取締役6名のうち、㈱ヤマダホールディングス、㈱ヒノキヤグループ及びその子会社出身者及び受入出向者はおりません。

 

 ③取引関係について

  ㈱ヤマダホールディングス及び㈱ヒノキヤグループの関係会社は、断熱材施工販売事業において当社の販売先の位置付けにあります。この取引にかかる価格をはじめとする取引条件は、他の取引先と同水準にて設定しております。

 ④経営の独立性について

  上記のとおり、当社は㈱ヤマダホールディングス及び㈱ヒノキヤグループを親会社としつつも、今後も㈱ヤマダホールディングス及び㈱ヒノキヤグループが当社の大株主であることは継続すると見込まれるため、両社の事業戦略やグループ管理方針等の変更がされた場合、当社の経営に影響を及ぼすリスクがあります。しかしながら、当社売上高に占める同社グループへの依存度は1割を下回ることから、経営や取引における独立性は確保している状況にあります。

(11) 法的規制

  当社は、建設業法、建築基準法、住宅の品質確保の推進等に関する法律、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、消防法、道路交通法、土壌汚染対策法等、多くの法令や規制のもとで事業活動を遂行しております。万一役職員の一部がこれらの法令等の遵守を怠った場合は、当社の社会的信用が失墜し、当社の経営に重大な悪影響が及ぶリスクがあります。また、当社にとって対応が困難な法的規制が新たに設けられた場合、当社の業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、これらの法令等を遵守するため、役職員のコンプライアンス意識の強化に取り組んでおります。

(12) 主要な事業活動の前提となる事項について

  当社の主要な事業活動である熱絶縁工事業は建設業許可が必要な事業であり、当社では一般建設業許可(熱絶縁工事業)を取得しております。建設業許可は、5年ごとの更新が義務付けられており、本書提出日現在の許可の有効期限は2024年1月であります。また、建設業法第29条に建設業許可の取消し、第28条において業務停止等の処分の要件が規定されており、当該要件に抵触した場合には、許可の取消しまたは期間を定めてその業務の全部もしくは一部の停止等を命じられる可能性があります。当社には、現時点において許可の取消しまたは業務の停止等の事由となる事実はないと認識しておりますが、当該許可の取消しまたは業務の停止等を命じられた場合には、社会的信頼の毀損や契約破棄等により当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。対応策としては、免許の更新時期のチェック等や、安全管理の大会を定期的に行っております。

(13) 個人情報の取扱いについて

  当社は事業を行う上で入手したお客様に関する個人情報を保有しております。万が一これらの情報が外部に漏洩した場合、当社に対する信用失墜や損害賠償請求等によって当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。これらの情報管理に関しましては、社内規定の整備、社員教育の徹底、管理体制の強化に努めておりますが、万が一これらの情報が外部に漏洩した場合、当社に対する信用失墜や損害賠償請求等によって当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。対応策としては、これらの情報管理に関しましては、社内規程の整備、社員教育の徹底、管理体制の強化に努めております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度におけるわが国経済は、引き続き新型コロナウイルス感染症が大きな影響を及ぼしました。感染対策の徹底及びワクチン接種が促進されるなか、各種政策の効果や海外経済の改善もあり、景気は持ち直しの動きが見られました。しかし、変異ウイルスなどの感染症は依然として収束しておらず、景気の先行きは予断を許さない状況が続いております。

このような環境の中、当社は断熱材技術の革新とリサイクル技術により住まいの省エネルギー化を促進、住宅・建築物の「脱炭素」の課題に取り組む基本方針の下、高気密・高断熱性能を有する「アクアフォーム」の商品力と全国施工ネットワークを有する強みを活用し、各部門において積極的な受注活動を展開してまいりました。

この結果、当事業年度の当社の業績につきましては、売上高は、23,903百万円と前期比で9.3%の増収となりました。一方、売上原価はウレタン原料市況の上昇により19,163百万円と前期比で15.7%増加しました。この結果、営業利益は、1,412百万円と前期比で25.5%の減益となり、経常利益は1,429百万円と前期比で25.2%の減益、当期純利益につきましては953百万円と前期比で29.0%の減益となりました。

当社は利益改善の取り組みとして、主力の戸建部門に原料使用量を約30%削減する新開発「アクアフォームLITE」を当事業年度の6月より投入、ウレタン原料市況が高止まりする中において工事利益の改善を図りました。

品目別の業績は次のとおりであります。

① 戸建住宅向け断熱材

戸建住宅市場において、新設住宅着工は持ち直しの動きがみられ、脱炭素社会に向けて住宅の省エネ適合義務化への議論がされる中、高気密・高断熱の住宅に不可欠な断熱材「アクアフォーム」に対する需要は増加しており、戸建部門の売上高は13,185百万円と前期比で5.9%の増収となりました。

② 建築物向け断熱材

建築物市場においては、断熱・耐火工事・防水等の多工事化の取組みにより、建築物部門の売上高は、5,499百万円と前期比で13.4%の増収となりました。

③ 商品販売

原料販売・機械等の売上高は5,217百万円と前期比で14.0%の増収となりました。

 

(2) 財政状態の状況の概要

 当事業年度末における総資産は18,279百万円(前事業年度末比14.1%増)となり、前事業年度末に比べ2,257百万円の増加となりました。当事業年度末における負債合計は10,327百万円(前事業年度末比23.2%増)となり、前事業年度末に比べ1,944百万円の増加となりました。当事業年度における純資産は7,951百万円となり、前事業年度より313百万円の増加となりました。この増加の主な要因は、当期純利益による利益剰余金が953百万円増加したことに対し、配当により利益剰余金が646百万円減少したことによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の概要

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ、274百万円増加し、1,926百万円(前年同期1,651百万円)となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローはそれぞれ、営業活動によるキャッシュ・フローは520百万円の収入(前事業年度は694百万円の収入)、投資活動によるキャッシュ・フローは355百万円の支出(前事業年度は609百万円の支出)、財務活動によるキャッシュ・フローは109百万円の収入(前事業年度は311百万円の支出)となりました。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

 当社の主たる事業である断熱材の施工販売は、受注を契機として施工を行い、かつ主力の戸建住宅分野では施工期間が原則1日間と短期であることから、生産実績と販売実績とは近似しており、記載を省略しております。

(2) 受注実績

 当事業年度における建築物分野の受注実績は以下のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

建築物向け断熱材

5,676,609

2,161,565

+16.5

 

(注)1. 前期の受注総数においては統計を取っていないため、前期比は(-)表示としております。

 2.  戸建住宅分野において、受注から施工実施、販売までの期間が短期であることから、受注実績と販売実績とは近似しており、記載を省略しております。

 3. 上記の金額には、消費税は含まれておりません。

(3) 販売実績

 当社は、単一セグメントでの事業を行っておりますが、当事業年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)における販売実績を品目別及び地域別に示すと、次のとおりであります。

品目別販売実績 

品目

当事業年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

戸建住宅向け断熱材

13,185,835

105.9

建築物向け断熱材

5,499,852

113.4

商品販売

5,217,734

114.0

合計

23,903,421

109.3

 

 

地域別販売実績

地域

当事業年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

北海道・東北ブロック

2,866,053

109.6

関東ブロック

6,911,286

107.0

中部ブロック

4,237,686

104.7

関西ブロック

3,040,977

110.5

中国四国ブロック

1,940,184

104.8

九州ブロック

3,729,722

101.7

営業本部

1,177,511

246.5

合計

23,903,421

109.3

 

(注)当事業年度より北信越ブロックは、関東・中部の各ブロックに統合されております。前年同期比は、前年販売高を当期の各ブロック区分で再集計したうえで比較しています。

 

 

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2020年1月1日

至 2020年12月31日)

当事業年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

伊藤忠建材㈱

2,448,684

11.2

2,450,087

10.2

 

1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1) 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

①売上高

 売上高は、23,903百万円(前事業年度と比べ2,031百万円、前年同期比9.3%増)となりました。これは、戸建住宅向け断熱材の施工販売が13,185百万円(前年同期比5.9%増)、建築物向け断熱材の施工販売が5,499百万円(前年同期比13.4%増)、機械販売が1,098百万円(前年同期比68.8%増)、商品販売が4,119百万円(前年同期比5.0%増)となったことによるものです。戸建住宅部門は、新設住宅着工は持ち直しの動きがみられ、脱炭素社会に向けて住宅の省エネ適合義務化への議論がされる中、高気密・高断熱の住宅に不可欠な断熱材「アクアフォーム」に対する需要は増加しております。建築物部門は、断熱・耐火工事等の多工事化の取組みにより増収となったものであります。商品販売は、施工力強化のための認定施工店支援システムである新事業モデル推進により機械販売が増加したこと、原料販売・空調システム等の拡販などにも取組んだことから増収となったものであります。

②売上原価

 売上原価は19,163百万円(前事業年度と比べ2,601百万円、前年同期比15.7%増)となりました。前事業年度と比べて、売上原価率が上昇しましたが、これは主に北米のハリケーン被害等による原料価格の高騰の影響によるものです。売上総利益率は前事業年度の24.3%から19.8%に低下いたしました。

③販売費及び一般管理費

 販売費及び一般管理費は、3,327百万円(前事業年度と比べ85百万円、前年同期比2.5%減)となりました。これは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、採用の抑制による人件費の減少と展示会の出店自粛による広告宣伝費の減少によるものであります。販売費及び一般管理費の売上高に占める割合については13.9%となり、前事業年度と比べ1.7ポイント減少いたしました。

④営業外損益

 営業外収益は、49百万円(前事業年度と比べ3百万円、前年同期比6.7%増)となり、営業外費用は、32百万円(前事業年度と比べ1百万円、前年同期比5.0%増)となりました。

⑤特別損益

 特別利益は、0百万円(前事業年度と比べ4百万円、前年同期比97.8%減)となり、特別損失は1百万円(前事業年度と比べ10百万円、前年同期比89.8%減)となりました。

⑥法人税等合計

 法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合わせた法人税等合計は474百万円(前事業年度と比べ88百万円、前年同期比15.7%減)と、前事業年度に比べ大幅に減少となりました。これは、原料価格高騰による原価上昇により、税引前当期純利益が減少したことによるものであります。以上の結果、当期純利益は953百万円(前事業年度と比べ388百万円、29.0%減)となりました。

⑦収益性

 目標とする経営指標として収益性については、自己資本利益率(ROE)で15%、配当方針としては配当性向50%を設定しておりましたが、当事業年度において自己資本利益率(ROE)は12.2%、配当性向は67.7%となりました。この要因としては、自己資本利益率(ROE)については、原料価格高騰により当期純利益が減益となったため、目標を2.8%下回りました。配当性向については当期純利益は減益となったものの、今後の事業成長性を勘案し、配当を当初計画から据え置きにしたことにより大幅に上回ったものであります。

 

(2) 財政状態の分析

(総資産)
 当事業年度末における総資産は18,279百万円(前事業年度末比14.1%増)となり、前事業年度末に比べ2,257百万円の増加となりました。

(流動資産)
 当事業年度末における流動資産は13,591百万円(前事業年度末比18.5%増)となり、前事業年度末に比べ2,121百万円の増加となりました。この増加の主な要因は、現金及び預金が274百万円、売掛金が1,279百万円、未収入金が806百万円増加したことに対し、商品が125百万円、仕掛品が157百万円減少したことなどによるものであります。

(固定資産)
 当事業年度末における固定資産は4,688百万円(前事業年度末比3.0%増)となり、前事業年度末に比べ、135百万円の増加となりました。この増加の主な要因は、仙台リサイクル工場によるものであり、建物の取得により172百万円増加、機械装置の取得により122百万円増加したことに対し、減価償却による資産の減少が207百万円あったことによるものであります。

(負債合計)
 当事業年度末における負債合計は10,327百万円(前事業年度末比23.2%増)となり、前事業年度末に比べ1,944百万円の増加となりました。

(流動負債)
 当事業年度末における流動負債は10,166百万円(前事業年度末比24.2%増)となり、前事業年度末に比べ1,980百万円の増加となりました。この増加の主な要因は、買掛金の1,215百万円の増加、短期借入金800百万円の増加に対し、未払消費税等の139百万円の減少などによるものであります。

(固定負債) 

 当事業年度末における固定負債は161百万円(前事業年度末比18.4%減)となり、前事業年度末に比べ36百万円の減少となりました。この減少の主な要因は、長期借入金が33百万円減少したことなどによるものであります。

(純資産) 

 当事業年度における純資産は7,951百万円となり、前事業年度より313百万円の増加となりました。この増加の主な要因は、利益剰余金が当期純利益により953百万円増加したことに対し、配当により利益剰余金が646百万円減少したことによるものであります。

(3) キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ、274百万円増加し、1,926百万円(前年同期1,651百万円)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー) 

 当事業年度における営業活動による資金の増加は520百万円(前年同期は694百万円の増加)となりました。これは主に税引前当期純利益1,428百万円に加え、減価償却費207百万円、たな卸資産の減少299百万円、仕入債務の増加1,215百万円による資金の増加の一方、売上債権の増加1,343百万円、未収入金の増加759百万円、法人税等の支払438百万円による資金の減少等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー) 

 当事業年度における投資活動による資金の減少は355百万円(前年同期は609百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得327百万円、無形固定資産の取得27百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)  

 当事業年度における財務活動による資金の増加は109百万円(前年同期は311百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払いによる支出646百万円、長期借入金の返済による支出33百万円に対し、短期借入金の純増加額800百万円などによるものであります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 現状における当社の資金需要の主なものは、運転資金、納税資金、固定資産への投資資金です。運転資金の主な内容は、ウレタン原料の製造及び仕入代金、認定施工店への外注費、副資材の仕入代金、販売費及び一般管理費等の営業費用です。販売費及び一般管理費の内訳は、人件費、広告宣伝費、販売手数料等です。固定資産への投資資金の主な内容は、ハブ拠点建設の土地及び建物等の有形固定資産、ソフトウエア等の無形固定資産、並びに敷金及び保証金等の投資その他の資産への投資資金です。

 資金調達については、主に銀行借入と内部留保資金により調達しております。今後、大きな資金需要が発生した場合には、増資等による資金調達の可能性もありますが、当面必要な運転資金、固定資産への投資資金については、銀行借入と内部留保資金及び営業活動によるキャッシュ・フローにより十分調達可能であると考えております。

(5) 経営者の問題認識と今後の方針について

 当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき、新型コロナウイルス感染拡大の防止策を講じつつ、最善の経営方針を立案するように努めております。現在の経営方針は以下のとおりであります。

1.全社的取り組みについて
(1) 断熱工事について
 当社の断熱工事については、各行政機関からの要請・方針、並びに元請会社と連携を図りながら、感染防止対策を徹底したうえで行ってまいります。今後も施工人員の安全や感染拡大防止の対策を徹底し、対応措置を継続いたします。

(2)事業所における新型コロナウイルス感染症の拡大防止について

 ①従業員にマスクの着用の徹底を周知しています。

 ②消毒備品等を各所に配置し、利用者・従業員に手洗いや手指消毒の徹底を周知しています。

 ③複数の人が触れる場所は、こまめに清掃・消毒をしています。

 ④従業員に出勤前に検温や体調確認をさせ、毎日報告させています。

 ⑤体調不良の従業員に休養を促し、勤務中に体調不良になったものは直ちに帰宅させています。
(3)業務執行・監督について
 取締役会、社内の会議は、感染防止対策の観点から、電話会議システムまたはビデオ会議システムをフル運用して重要な業務の決定や業務執行の監督は平常通り行われています。

2.品目別の見通しについて

(1)戸建住宅向け断熱材

戸建市場では、省エネ性能を有する住宅ストックの形成を図ることを目的として「こどもみらい住宅支援事業(令和3年度補正予算)」制度が成立しました。本制度ではZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)に適合する省エネ新築住宅には、100万円/1戸の補助金が支給されます。そこで、当社は高気密・高断熱の「アクアフォームLITE(壁)」と「脱炭素」を促進するウレタンリサイクル品「アクアブロー(天井)」を組み合わせることでZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)基準に適合する断熱ソリューションを提供し増収を図ります。

(2)建築物向け断熱材

建築物市場では、新型コロナウイルス感染症の影響により、工事の遅延がありましたが、遅延現場の工事が始まっております。こうした状況の下、断熱・耐火の多工事化と施工力強化によって増収を図ります。なお、建築物市場において、ウレタン原料はサプライチェーンの混乱により供給タイト化が顕在化しておりますが、当社はこれまでも北米、中国、国内メーカーより分散調達を継続し調達価格の上昇を抑制しているうえ、供給ルートの多様化の取り組みにより、断熱工事に影響が出ないように努めております。

 

(3)防水部門

当社は、2020年9月より、新製品「超速硬化防水アクアハジクン」をもって戸建、建築物の防水市場に参入しました。アクアハジクンはポリウレアを原料とした防水材で、超速硬化による短工期とリファレンスサービスライフ15年の長寿命性能を有するうえ、建築基準法に定める飛び火認定を取得しております。飛び火認定とは、火災時の延焼防止を目的としたもので防火・準防火地域の住宅・建築物の屋根、ベランダ、バルコニーの防水工事に適用されるものです。戸建向けでは屋根、バルコニーなどの防水工事に需要があり、大手共同住宅建設会社から共用廊下、ベランダなどに引き合いを受けております。建築物向けでも需要のすそ野は広く工場や鉄道駅舎の屋根やマンションの屋上、立体駐車場のスロープ向けなど新築および改修物件に販売をしており今後も施工力強化によって増収を図ります。

(4)環境(脱炭素)への取組み新規投資について

当社は環境省広域認定制度(認定番号第253号)の下、施工現場からウレタン端材を回収し、ブローイング断熱材として再製品化することで産廃処理で発生するCO2排出量を削減しております。ウレタン断熱材の再利用とCO2削減の更なる強化に向けた取り組みを進めるにあたり、次のとおりリサイクル工場を新たに設置しました。

①2021年9月、仙台営業所(仙台市宮城野区)敷地内に仙台リサイクル工場が完成、10月より拡張ラインが稼働開始しました。

②2021年9月、九州リサイクル工場にブローイング製造機械を設置し、10月より稼働を開始しました。リサイクル工場が新たに稼働することにより、CO2を年間で500t削減(前年度比+200t増)する見込みです。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

   該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当事業年度の研究開発活動は、テクニカルセンターの活用を充実させることにより、当社の取り扱う商品、製品の品質向上と地球環境に配慮した製品の開発を図っております。また、テクニカルセンターでは様々な環境での実証実験を行うことを推進しており、これまで以上に良質で安定した原料を低価格で製造することを実現してまいります。

研究開発体制は、テクニカルセンターと開発部にて新原料、新製品の開発の他、断熱材の省エネルギー性能を実証する地域区分・工法区分に応じた第三者認定取得を進め、原料メーカーや大学の研究機関と連携・協力関係を保ち、新原料の開発にも積極的に取り組んでまいります。

当事業年度の当社が支出した研究開発費の総額は、34,271千円であります。