第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中において将来について記載した事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社は、「人と地球に優しい住環境を創ることで社会に貢献」することを経営理念としております。
 

(2)目標とする経営指標

 経営の基本方針を遂行し、サービスを持続するためには、スケールメリットを活かせる一定規模以上の売上高と、高い収益性の維持が当社経営に不可欠と認識しております。すでに現場発泡ウレタン断熱施工の実績では日本トップとなっておりますが、さらに高い売上高を目指します。収益性については、自己資本利益率(ROE)で15%、配当方針としては配当性向50%を目指します。
 

(3)中長期的な会社の経営戦略

①全社的な取り組みについて
 ⅰ.事業活動全般について
 会社設立以来、断熱材を事業の中心に据えてきた当社ならではの知見を活用し、断熱の効果は、省エネだけでなく脱炭素や健康維持にも貢献することを訴求するとともに、断熱性能に合わせた施工方法や各種支援策の活用などを提案することで事業の拡大に繋げてまいります。
 ⅱ.サステナビリティへの取り組み
 当社は、「人と地球にやさしい住環境を創ることで社会に貢献」の経営理念の下、「アクアフォームシリーズ」を普及させることによって住宅・建築物のCO2排出量を削減し、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。直近では、ウレタン断熱材のリサイクルに注力しており、施工現場からウレタン端材を回収し、ブローイング断熱材として再製品化することで、産廃処理で発生するCO2排出量の削減に取り組んでいます。2022年には、リサイクル工場を関西、関東に新設し、既存の九州、仙台と合わせて全国4ケ所で稼働しております。
 ⅲ.「施工力」増強への取り組み
 当社の競争力の源泉は「施工力」であり、当社工務社員及び認定施工店社員の増員と吹付機械台数の増加、稼働率の向上により工事体制を拡充することが戸建、建築物、防水部門共通の課題であります。そのために、当社工務社員の増員を最優先事項と捉えて働き方改革を進め、完全週休2日制(2023年度からは土日休み)の導入、首都圏手当や子育て支援手当など各種手当の拡充に伴う賃金の引き上げ、SNS等を活用した求人募集、全国各地への営業拠点の設置等の施策を講じ、積極的な採用活動に取り組んでいます。また、一定の条件を満たす認定施工店に支援金を支給することで、認定施工店社員の人員確保につなげています。
 ⅳ.プライム市場上場維持について
 当社は、2021年12月20日付にて「新市場区分における上場維持基準の適合に向けた計画書」を開示し、2023年12月末までにプライム市場の上場維持基準を満たすため、企業価値を向上させるとともに、サステナビリティへの貢献を図り、株式市場で適正な評価を得ること及び当社株式の流動性を向上させることを課題として捉えています。その取り組みとして、2022年12月に流通株式数の増加等を目的とした新株予約権の発行を取締役会で決議したほか、高気密・高断熱性の「アクアフォームシリーズ」で住まいの省エネルギー化(脱炭素)の促進、IRの強化、株主還元の拡充を行っております。

 ⅴ.人材開発

 当社は、優秀な人材の確保と並行して、社内の教育訓練プログラムを充実化し、人材開発に取り組んでまいります。認定施工店や工務社員には、エリアごとに施工技術の底上げを図ります。営業社員には、OJTを中心としながら、集合研修も組み合わせ、商品知識、営業提案力の向上を図ります。テクニカルセンター及び開発社員には、より高度な専門知識の習得を促進します。

 

 ⅵ.断熱関連の技術・商品開発の推進

 当社は、テクニカルセンターの活用を充実させることにより、当社の取り扱う商品、製品の品質向上を図ります。自社ブランド原料の委託製造に伴い、テクニカルセンターで様々な環境での実証実験を行うことを推進しており、これまで以上に良質で安定した原料を低価格で製造することを実現してまいります。また、顧客ニーズに対応するために開発部門を中心にテクニカルセンターにて新原料、新商品の開発に取り組んでまいります。この他、断熱材の省エネルギー性能を実証する地域区分・工法区分に応じた第三者認定取得を進める他、原料メーカーや大学の研究機関と共同で新原料の開発にも積極的に取り組んでまいります。

② 品目別の見通しについて
 ⅰ.戸建部門
 戸建部門では、「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」の成立を好機と捉え、ZEH基準(断熱等級5相当)や上位基準の施工方法の提案を推進することで、施工単価の向上を図るとともに、施工力の拡充を背景に既存取引先の深掘りや新規取引先の開拓を進めることで施工棟数の増加を図ってまいります。
 ⅱ.建築物部門
 建築物部門では、戸建部門と同様に断熱性能を高めた提案を行うとともに、建築現場における火災リスク回避のニーズに資する不燃断熱材「アクアモエンNEO」とともに、2023年2月より溶接・溶断火花による着火を防ぎ、防火性を発揮する新製品「アクアバリア」をラインナップに加えることで、建築物の用途に合わせた幅広い対応を行ってまいります。

 ⅲ.防水部門

 防水部門では、ポリウレア防水材の「アクアハジクン」の拡販を進めてまいります。戸建部門との協業で全国ハウスビルダーや工務店の採用を図るとともに、建築物部門と協業し、工場や商業施設を始めとする大型案件の獲得を進めてまいります。

 

2 【事業等のリスク】

 当社が事業を継続していく上で、リスクとして考えられる事項のうち、主なものは以下のとおりです。なお、文中において将来について記載した事項は、本書提出日現在において当社が判断したものです。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社の経営成績等に与える定量的な影響については、合理的に予見することが困難であると考えており、記載しておりません。

(1) 住宅建築市場の悪化

 断熱工事に対する需要は、マクロ経済指標である新設住宅着工件数の影響を受けます。これまで当社は新設住宅着工件数が伸び悩む中でも、積極的な営業展開、事業の範囲の拡大などで、業績を拡大してまいりました。金融危機の発生、消費税等の増税、金利の上昇、感染症の発生などにより住宅建築市場が悪化した場合、当社の業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、今後においても、着実な成長を持続するために営業所の新設、施工能力の拡充、価格競争力の強化、建築物向け断熱施工の強化などの施策を実行していく所存です。

(2) 原料の調達環境の悪化

 断熱施工に使用するウレタン原料の主成分は石油製品であります。従いまして原油価格の上昇や円安により原料価格が高騰した場合、当社の原料調達価格が上昇する可能性があります。また、原料メーカーが当社以外の断熱施工会社に安価な原料を供給するようになった場合、当社の価格競争力が低下する可能性があります。加えて、自然災害等の理由により、内外の原料メーカーからの調達が困難になり、施工に使用する原料が不足するという状況に陥った場合、工期に遅延が生じる可能性があります。このように、構造的な要因で長期にわたってこれらの事象が発生した場合には、当社の業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、当社は、原料メーカーとの協力関係を強化し、安定購買の継続、中核拠点に原料備蓄倉庫を設置したことにより、これらの事象が発生した場合でもリスクを最小限度に抑えてまいります。

(3) 素原料の調達環境の悪化

 当社が委託製造しております硬質ウレタン原料は、国内外から素原料を調達して生産しています。なお、調達環境が悪化する主な要因は次のとおりであります。

 ①原油・ナフサ・ベンゼン等の価格が高騰するとき

②海外から輸入する素原料に、内国産業の保護の観点から反ダンピング(不当廉売)関税が発動されると き

 ③素原料の大半は海外から輸入していますので、為替レートが円安に進行するとき

④素原料メーカーの設備稼働率が減少する事象(定期修繕、災害・事故等)が発生した場合、世界的需要・供給バランスに影響が出て、供給がタイトになるとき

 当社は、素原料の調達先を多様化することにより長期的、安定的な調達に取り組んでおりますが、上記の事象が複合的に発生した場合には、素原料価格が上昇し、当社の業績に悪影響を与える可能性があります。対応策としては、当社は調達先を多様化して安定化を図ることで、リスクを最小限に抑えてまいります。

(4) 委託加工先との契約

  委託加工先の生産設備が災害・事故等により、稼働不能となって、当社が原料の供給を受けられなくなった場合、断熱工事の受注ができなくなりますので、当社の業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、当社は1社の委託加工先に依存することなく、6社の委託加工先と製造委託契約を締結しております。一部の委託加工先が生産を継続できない事象が発生した場合でも、業績に及ぼす影響を最小限に抑えております。

(5) 受注の伸びに対する施工体制の遅れ

 当社は2021年に自社工務社員の認定施工店への出向、転籍を進めました。これは新型コロナウィルスやウッドショックによる不安定な経済情勢において、認定施工店の人員の安定化を図ることで、さらに施工体制を強化する必要があると判断したためであります。さらに、防水事業の開始に伴い、施工体制の強化が急務となっています。何らかの理由で工務社員の新規採用や認定施工店の新規開拓が困難になった場合、これを原因として受注機会を逸する可能性があり、当社の業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、当社は新規採用のみならず、有能な社員を当社の認定施工店として独立支援することや、認定施工店の新たな発掘で包括的な施工体制の強化を図っております。

 

(6) 高性能断熱材市場への新規参入

 「アクアフォーム」は、硬質ウレタンフォーム以外の断熱材に比べ、相対的に高価格である一方、高い断熱性能を有しております。しかしながら、当社と同じ硬質ウレタンフォームを使用して性能等で優位性のある製品を供給する業者が現れた場合や、新しい素材を使用して優れた断熱性能を発揮する強力な断熱材が商品化された場合、当社の事業成長に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、常に開発部とテクニカルセンターで新製品を開発していくことで、優位性を保ってまいります。

(7) 自社原料の生産に伴う資金負担の増加

 当社は、原料の仕入価格を低下させるため、2015年12月期より自社ブランド原料の委託製造を本格化させております。原料は、委託加工先の生産プラントにおいて、素原料、触媒、難燃材等をブレンドして生産します。当社の生産計画に基づき、各委託加工先に有償支給する素原料等は、北米やアジア諸国を含めたグローバル調達を行っております。

 原料の生産ラインを効率よく動かし、生産計画を実現させるために素原料等を自社で在庫する必要があり、その為の資金負担が増加しております。原料製造代金の回収は断熱工事が完成・引き渡しされた後に、得意先が振り出す約束手形が資金化又は売掛金が現金で回収されますが、原料製造及び原料仕入に係る買掛金の決済がこれに先行して到来することもあり、この場合に資金収支にズレが生じるため、当社の業容拡大によって原料の委託製造量が増大する場合、当社の資金の負担が増加するリスクがあります。対応策としては、資金の回収期間の短縮に取り組んでおります。

(8) 事故や瑕疵による当社に対する信頼感の低下

 当社は、断熱施工会社としてその施工中の事故や施工の瑕疵に対して責任を負います。自社または認定施工店で、施工者の不注意により重大な事故が発生した場合、工事や断熱原料に由来する瑕疵に対して重大なクレームが発生した場合は、当社に対する信頼感が低下し、当社業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、当社は作業の安全と施工品質の確保のため、自社の工務社員はいうまでもなく認定施工店に対しても研修と指導を行っております。また、新しい断熱材の原料を導入する際には、テストを繰り返して仕様を改良してから採用しています。

(9) 売上の季節変動

 当社の断熱工事は、住宅が完成する2、3か月前に行いますので、住宅の引渡しが多くなる年度末12月の2、3か月前より完工がピークとなり、その傾向は、第3四半期に増加し始め、第4四半期に集中する傾向があります。その結果、第1四半期及び第2四半期で売上が停滞し経費が過多になるため、損失が発生するリスクがあります。対応策としては、売上時期の分散のため、防水事業等の新規事業及び建築物事業への領域の拡大を図ります。

  なお、第18期事業年度(自 2021年1月1日 至 2021年12月31日)及び第19期事業年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)の各四半期における売上高を参考までに掲げると以下の通りです。

四半期ごとの売上高の推移 

 

 

第1四半期
(1月~3月)

第2四半期
(4月~6月)

第3四半期
(7月~9月)

第4四半期

(10月~12月)

 

2021年12月期(千円)

5,101,370

5,610,811

6,321,546

6,869,692

 

2022年12月期(千円)

5,697,482

6,044,551

6,517,243

7,410,928

 

(10) 親会社及びその関係会社との関係

 ①資本的関係について

  当社は、㈱ヒノキヤグループの子会社であり、同社は㈱ヤマダホールディングスの完全子会社であります。㈱ヒノキヤグループは、2022年12月末現在、当社株式の議決権等の所有割合で56.52%を保有しており、㈱ヤマダホールディングスグループでは、住建事業として戸建住宅を中心とした住宅販売やその周辺事業を営んでおります。

 ②人的関係について

  当社取締役11名のうち、㈱ヤマダホールディングス、㈱ヒノキヤグループ及びその子会社出身者及び受入出向者はおりません。

 

 ③取引関係について

  ㈱ヤマダホールディングス及び㈱ヒノキヤグループの関係会社は、断熱材施工販売事業において当社の販売先の位置付けにあります。この取引にかかる価格をはじめとする取引条件は、他の取引先と同水準にて設定しております。

 ④経営の独立性について

  上記のとおり、当社は㈱ヤマダホールディングス及び㈱ヒノキヤグループの子会社であり、今後も両社による当社株式の所有は継続すると見込まれるため、両社の事業戦略やグループ管理方針等の変更がされた場合、当社の経営に影響を及ぼすリスクがあります。しかしながら、当社は、監査等委員会設置会社として過半数の独立社外取締役を選任することで経営の透明性・公正性を担保しており、また当社売上高に占める同社グループへの依存度は1割を下回ることから、経営や取引における独立性は確保している状況にあります。

(11) 法的規制

  当社は、建設業法、建築基準法、住宅の品質確保の推進等に関する法律、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、消防法、道路交通法、土壌汚染対策法等、多くの法令や規制のもとで事業活動を遂行しております。万一役職員の一部がこれらの法令等の遵守を怠った場合は、当社の社会的信用が失墜し、当社の経営に重大な悪影響が及ぶリスクがあります。また、当社にとって対応が困難な法的規制が新たに設けられた場合、当社の業績に悪影響が及ぶリスクがあります。対応策としては、これらの法令等を遵守するため、役職員のコンプライアンス意識の強化に取り組んでおります。

(12) 主要な事業活動の前提となる事項について

  当社の主要な事業活動である熱絶縁工事業は建設業許可が必要な事業であり、当社では一般建設業許可(熱絶縁工事業)を取得しております。建設業許可は、5年ごとの更新が義務付けられており、本書提出日現在の許可の有効期限は2024年1月であります。また、建設業法第29条に建設業許可の取消し、第28条において業務停止等の処分の要件が規定されており、当該要件に抵触した場合には、許可の取消しまたは期間を定めてその業務の全部もしくは一部の停止等を命じられる可能性があります。当社には、現時点において許可の取消しまたは業務の停止等の事由となる事実はないと認識しておりますが、当該許可の取消しまたは業務の停止等を命じられた場合には、社会的信頼の毀損や契約破棄等により当社の業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。対応策としては、免許の更新時期のチェック等や、安全管理の大会を定期的に行っております。

(13) 個人情報の取扱いについて

  当社は事業を行う上で入手したお客様に関する個人情報を保有しております。万が一これらの情報が外部に漏洩した場合、当社に対する信用失墜や損害賠償請求等によって当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。これらの情報管理に関しましては、社内規程の整備、社員教育の徹底、管理体制の強化に努めておりますが、万が一これらの情報が外部に漏洩した場合、当社に対する信用失墜や損害賠償請求等によって当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。対応策としては、これらの情報管理に関しましては、社内規程の整備、社員教育の徹底、管理体制の強化に努めております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当事業年度(2022年1月1日から2022年12月31日まで)における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要及び経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討結果は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものです。

 

(1) 経営成績

当事業年度(2022年1月1日から2022年12月31日まで)におけるわが国経済は、緩やかに持ち直しているものの、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクや、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響などが懸念されています。

 当社が属する建築・住宅業界におきましては、わが国の2030年に向けた温室効果ガスの削減目標に合わせ、2022年6月13日に「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」(以下、「建築物省エネ法」改正法と言う。)が成立し、2025年度以降新築する全ての住宅・建築物に省エネ基準への適合が義務付けられました。これを受け、2022年10月より住宅ローンの「フラット35」では、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準の住宅取得を対象とした借入金利を一定期間引き下げる「フラット35S(ZEH)」の新設などが行われ、住宅の断熱性や省エネ性に大きな関心が寄せられています。このような環境下、当社は、高気密・高断熱性能を有する「アクアフォームシリーズ」の商品力と全国施工ネットワークを有する強みを活用し、各部門において積極的な受注活動を展開してまいりました。

戸建部門においては、東京都の「東京ゼロエミ住宅」ほか各自治体による高い断熱性能や省エネ性能の基準設定とともに、昨今の電気料金の高騰等を背景に「アクアフォームシリーズ」は安定した受注を確保し、同部門の売上高は過去最高の13,873百万円となりました。建築物部門においては、2021年から2022年にかけてウレタン原料の国際需給が逼迫した際、当社は独自の調達ルートを駆使し原料の安定供給に取り組み、顧客企業の満足と信頼の獲得に努めました。こうした原料調達から施工までの一気通貫型ビジネスモデルが改めて評価され大型案件の増加と、建築現場の火災リスク回避ニーズに即した当社不燃断熱材への引き合い継続により、同部門の売上高も過去最高の6,838百万円となりました。防水部門の売上高は315百万円、その他部門である、原料販売・機械等の売上高は4,642百万円となりました。なお、当事業年度期首より、リフォーム工事を従来のその他部門から親和性が高い戸建部門に変更し、今後の伸長を重視している防水工事を建築物部門から独立した防水部門とする組み替えを行っております。

                                        (単位:百万円、%)

 

第18期

前事業年度
(組み替え後)

第19期

当事業年度

増減額

増減比

戸建部門

13,521

13,873

+351

+2.6

建築物部門

5,371

6,838

+1,467

+27.3

防水部門

128

315

+187

+145.3

その他部門

4,882

4,642

△240

△4.9

売上高合計

23,903

25,670

+1,766

+7.4

 

 

この結果、当事業年度の売上高は、25,670百万円と前年同期比で7.4%の増収となりました。一方、ウレタン原料の素原料である原油、ナフサ、ベンゼン等の価格は需要減退懸念から足元では落ち着いた推移となっていますが、当社の調達価格については、高止まりが続いております。このような原料調達環境の中、当社では複数社調達を始めとする原料確保と商品の安定供給に努め、コストアップ対策として商品販売価格の改定を行いつつ、継続的な改善を通じた品質の安定化と原価低減に取り組みました。

さらに、全社として受注時における工事採算性の重視を徹底することで収益の確保に努めるとともに、当社の強みである「施工力」の一層の強化に向け、認定施工店に対する施工代金の増額、当社社員の独立支援制度の拡充、保管倉庫等の施設賃貸といった様々な支援を実施いたしました。

以上により、売上総利益率は22.5%と前年同期比で2.7ポイントの改善、営業利益は2,329百万円と前年同期比で64.9%の増益、経常利益は2,359百万円と前年同期比で65.1%の増益、当期純利益につきましては1,549百万円と前年同期比で62.4%の増益となり、売上高、各段階利益とも過去最高を更新いたしました。

 

(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)

 当社は2019年2月25日に2019年度から2023年度までの5ヶ年を対象とした中期経営計画「Road To 2023」を策定し、目標とする経営指標としてROE15%以上、配当性向50%としております。2022年12月期につきましては、上記(1)経営成績に記載した取り組みが奏功し、ROEは19.5%、1株当たり当期純利益額は47円99銭となりました。これに合わせ目標配当性向50%を踏まえ、1株当たり配当額は24円といたしました。また、最終年度となる2023年12月期の目標につきましては、足元の事業環境を勘案して一部見直しましたが、経常利益の目標は当初計画25億円を上回る27億5千万円としております。

 

 

2019年度

実績

2020年度

実績

2021年度

実績

2022年度

実績

2023年度

修正計画

2023年度

当初計画

売上高(百万円)

21,366

21,872

23,903

25,670

29,021

30,000

経常利益(百万円)

1,909

1,911

1,429

2,359

2,750

2,500

経常利益率(%)

8.9

8.7

6.0

9.2

9.5

8.3

当期純利益(百万円)

1,275

1,342

953

1,549

1,828

1,625

ROE(%)

20.0

18.5

12.2

19.5

15.0以上

15.0以上

1株当たり当期純利益金額(円)

39.50

41.57

29.52

47.99

58.41

1株当たり配当額(円)

17.00

20.00

20.0

24.00

30.00

配当性向(%)

43.0

48.1

67.7

50.0

51.3

50.0

 

 

(2) 財政状態

(総資産)
 当事業年度末における総資産は21,969百万円(前事業年度末比20.2%増)となり、前事業年度末に比べ3,690百万円の増加となりました。

(流動資産)
 当事業年度末における流動資産は17,136百万円(前事業年度末比26.1%増)となり、前事業年度末に比べ3,545百万円の増加となりました。これは主として価格の上昇と在庫の増加により原料及び貯蔵品が2,188百万円増加、現金及び預金が749百万円増加、未収入金が530百万円増加、未収消費税等が134百万円増加したことに対して、売掛金146百万円が回収により減少したことなどによるものであります。

(固定資産)
 当事業年度末における固定資産は4,833百万円(前事業年度末比3.1%増)となり、前事業年度末に比べ、145百万円の増加となりました。これは主として減価償却による資産の減少が221百万円であったことに対して、営業所建設の建設仮勘定が92百万円増加、宮崎営業所及び北関東営業所建設用地の取得により土地が68百万円増加、新規の取得により機械装置が79百万円増加、車両運搬具が27百万円増加、ソフトウェアが16百万円増加、繰延税金資産が57百万円、事務センター開設に伴い敷金及び保証金が14百万円増加したことなどによるものであります。

(負債合計)
 当事業年度末における負債合計は14,003百万円(前事業年度末比35.6%増)となり、前事業年度末に比べ3,675百万円の増加となりました。

(流動負債)
 当事業年度末における流動負債は13,902百万円(前事業年度末比36.7%増)となり、前事業年度末に比べ3,735百万円の増加となりました。これは主としては、短期借入金が2,900百万円増加、未払金が304百万円増加、買掛金が216百万円増加、未払法人税等が415百万円増加したことなどに対して、未払消費税等が43百万円減少したことなどによるものであります。

(固定負債)
 当事業年度末における固定負債は101百万円(前事業年度末比37.2%減)となり、前事業年度末に比べ59百万円の減少となりました。この減少の主な要因は、長期借入金が33百万円減少、長期のリース債務が32百万円減少したことなどによるものであります。

(純資産)
 当事業年度末における純資産は7,966百万円(前事業年度末比0.2%増)となり、前事業年度末に比べ15百万円の増加となりました。これは主として当期純利益により1,549百万円の増加となったことに対して、自己株式の取得により889百万円減少、配当の支払いにより646百万円が減少したことなどによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フロー

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ、749百万円増加し、2,676百万円(前年同期1,926百万円)となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー) 

 当事業年度における営業活動による資金の減少は297百万円(前年同期は520百万円の増加)となりました。これは主に税引前当期純利益2,360百万円に加え、減価償却費221百万円、売上債権の減少47百万円、仕入債務の増加216百万円による資金の増加の一方、棚卸資産の増加2,169百万円、未収入金の増加576百万円、法人税等の支払459百万円による資金の減少等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー) 

 当事業年度における投資活動による資金の減少は293百万円(前年同期は355百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得271百万円、無形固定資産の取得17百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)  

 当事業年度における財務活動による資金の増加は1,340百万円(前年同期は109百万円の増加)となりました。これは主に、自己株式の取得889百万円、配当金の支払いによる支出646百万円、長期借入金の返済による支出33百万円に対し、短期借入金の純増加額2,900百万円などによるものであります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 現状における当社の資金需要の主なものは、運転資金、納税資金、固定資産への投資資金です。運転資金の主な内容は、ウレタン原料の製造及び仕入代金、認定施工店への外注費、副資材の仕入代金、販売費及び一般管理費等の営業費用です。販売費及び一般管理費の内訳は、人件費、旅費交通費、地代家賃等です。固定資産への投資資金の主な内容は、ハブ拠点建設の土地及び建物等の有形固定資産、ソフトウエア等の無形固定資産、並びに敷金及び保証金等の投資その他の資産への投資資金です。

 資金調達については、主に銀行借入と新株予約権の行使、内部留保資金により調達しております。今後、大きな資金需要が発生した場合には、増資等による資金調達の可能性もありますが、当面必要な運転資金、固定資産への投資資金については、銀行借入と新株予約権の行使、内部留保資金及び営業活動によるキャッシュ・フローにより十分調達可能であると考えております。

 

(5) 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

  当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成に当たりましては、一定の会計基準の範囲内において、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りにつきましては、経営者が過去の実績や現在の取引状況ならびに入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と考えられる見積りや仮定を継続的に使用しておりますが、見積り及び仮定には不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があります。また、財務諸表の作成のための重要な会計方針等は「第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載されているとおりであります。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

(1) 経営成績等、(2) 財政状態、(3) キャッシュ・フローをご参照ください。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

 当社の主たる事業である断熱材の施工販売は、受注を契機として施工を行い、かつ主力の戸建住宅分野では施工期間が原則1日間と短期であることから、生産実績と販売実績とは近似しており、記載を省略しております。

(2) 受注実績

 当事業年度における建築物分野の受注実績は以下のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

建築物向け断熱材

7,859,811

138.5

3,182,610

147.2

 

(注)1.  戸建住宅分野において、受注から施工実施、販売までの期間が短期であることから、受注実績と販売実績とは近似しており、記載を省略しております。

 2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3) 販売実績

 当社は、単一セグメントでの事業を行っておりますが、当事業年度(自 2022年1月1日 至 2022年12月31日)における販売実績を品目別及び地域別に示すと、次のとおりであります。

品目別販売実績 

品目

当事業年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

戸建住宅向け断熱材

13,873,456

105.2

建築物向け断熱材

6,838,766

124.3

戸建及び建築物向け防水材

315,961

245.3

商品販売

4,642,022

89.0

合計

25,670,205

107.4

 

 

地域別販売実績

地域

当事業年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

北海道・東北ブロック

3,218,414

112.3

関東ブロック

9,797,127

110.9

中部ブロック

2,532,692

109.5

関西ブロック

3,389,860

111.5

中国四国ブロック

1,980,367

102.1

九州ブロック

4,555,802

122.1

営業本部

195,940

16.6

合計

25,670,205

107.4

 

(注)当事業年度より中部ブロックのうち、松本・金沢の各営業所が関東ブロックに移管されております。前年同期比は、前年販売高を当期の各ブロック区分で再集計したうえで比較しています。

 

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前事業年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

当事業年度

(自 2022年1月1日

至 2022年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

伊藤忠建材㈱

2,450,087

10.2

2,509,212

9.8

 

1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

4 【経営上の重要な契約等】

   該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当事業年度の研究開発活動は、テクニカルセンターの活用を充実させることにより、当社の取り扱う商品、製品の品質向上と地球環境に配慮した製品の開発を図っております。また、テクニカルセンターでは様々な環境での実証実験を行うことを推進しており、これまで以上に良質で安定した原料を低価格で製造することを実現してまいります。

研究開発体制は、テクニカルセンターと開発部にて新原料、新製品の開発の他、断熱材の省エネルギー性能を実証する地域区分・工法区分に応じた第三者認定取得を進め、原料メーカーや大学の研究機関と連携・協力関係を保ち、新原料の開発にも積極的に取り組んでまいります。

当事業年度の当社が支出した研究開発費の総額は、16,139千円であります。