第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは「個と組織をポジティブに変革するチェンジエージェント・グループ」をミッションとして掲げ、ビジョンとして、「Working(働く)」「Interesting(遊ぶ)」「Learning(学ぶ)」「Living(暮らす)」の各事業領域において、期待価値の高いブランディングカンパニーを創出し、各領域においてNo.1の存在になる「WILLビジョン」を掲げています。競争が激化する中で顧客から選ばれ続けるために、特定の事業領域に特化し、そのカテゴリーにおけるサービス品質の強化を図っています。事業領域については、国内では、家電量販店等の販売現場、コールセンター、食品等の工場、介護施設、建設業等、海外ではオーストラリア、シンガポールを中心にサービスを展開しています。

 人材サービス市場における、今後の見通しについては、国内及び世界経済は緩やかに成長していく一方で、中東情勢を中心とした地政学リスクを背景に、原油価格の高止まりなど経済への影響は先行き不透明な状況が続いています。国内においては好調な企業業績を背景とした堅調な人材需要に対して、採用環境が厳しさを増しています。また、当社グループが海外で主に事業展開を行っているオーストラリア、シンガポールにおいては、人口・経済は緩やかに拡大基調であり、今後も安定的に推移する見通しである一方、インフレや金利上昇、中東情勢を背景とした景況感の悪化が懸念されており、引き続き注視していく必要があります。

 また、当社グループの持続的な成長の実現にむけて、2026年5月14日に中期経営計画(WILL-being 2029)を新たに策定しました。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループの重視する経営指標は、営業利益です。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループの中長期的な成長の実現に向けては、利益構造改革が重要となります。

 そのため、中期経営計画(WILL-being 2029)においては、前中期経営計画で得られた成果(「建設技術者領域の黒字化」「正社員派遣/請負、外国人雇用支援への投資有効性の確認」「人材紹介オペレーションの獲得」「海外Working事業の生産性改善」)を基盤に、収益構造改革を進め、さらなる利益成長を図ります。

 連結営業利益※は、達成可能性を重視し、2029年3月期に47億円を目標とします。そして、既存事業のさらなる成長に加え、新規事業やM&A等による上振れとして2025年11月に発行した、有償ストック・オプションの行使条件である55億円を目指します。また、資本効率においては、中長期的にROE15%以上に向けて、収益構造改革と資本効率改善を推進します。

 ※一過性の損益を除いたノーマライズド連結営業利益

 

 ■戦略テーマ

   国内Working事業:正社員・外国人HRビジネスの拡大

   海外Working事業:生産性を重視した収益力の強化

 ■経営目標

   2029年3月期 連結営業利益 47億円(2026年3月期を起点としたCAGR +16.1%)

 

 国内Working事業においては、「正社員・外国人HRビジネスの拡大」を戦略テーマとします。前中期経営計画で投資有効性が確認できた正社員派遣/請負及び外国人雇用支援、新たな成長オプションとして獲得した人材紹介を一層強化し、AI代替可能性の低いエッセンシャル領域※を主戦場とすることで、再現性の高い利益成長を目指します。加えて、これまで一般派遣で培った採用・配置・定着のノウハウを活用し、より高い収益性と成長性が見込める領域へシフトすることで、グループ全体の収益構造改革を推進します。

 ※社会生活を維持するために必要不可欠、かつ AI 代替・自動化されにくい領域。一般的にエッセンシャルワーカーと呼ばれる領域を含む。

 海外Working事業においては、「生産性を重視した収益力の強化」を戦略テーマとします。既存の顧客基盤と専門性を活かしながら生産性向上を推進し、安定的な収益基盤の確立を図ります。加えて、為替や政策変動のリスクを踏まえた収益管理を徹底するとともに、市場性と収益性を見極めながら、事業展開国の拡大や新領域参入を検討し、中長期の成長機会を探索します。市場環境の変化に左右されにくい収益力を強化することで、ポストコロナの急激な人材需要拡大前の安定的な利益水準への回帰を目指します。

 

(4)会社の対処すべき課題

 現状及び今後の経営環境を踏まえ、以下、当社グループが中長期観点から対処すべき課題を記載します。

 

①国内Working事業「正社員・外国人HRビジネスの拡大」

 当社グループの持続的な成長及び企業価値向上を実現するためには、国内Working事業において、一般派遣を中心とした従来の事業構造から、より収益性の高いビジネスモデルへ転換していくことが重要となります。そのため、労働需給ギャップが大きく、AIやロボットによる代替可能性が低いエッセンシャル領域を主戦場とし、正社員・外国人HRビジネスの拡大に向けて、以下3点に取り組みます。

 

 (ⅰ)正社員派遣/請負

  建設、製造、介護等、労働需給ギャップが大きく、定着・教育まで含めた支援ニーズが高いエッセンシャル領域を中心に、正社員派遣/請負の拡大に取り組みます。一般派遣で培った採用、配置、定着のノウハウや、当社グループの顧客基盤、全国拠点網を活用し、事業を拡大していきます。

 

 (ⅱ)外国人雇用支援

  製造、介護、宿泊、外食等、国内人材だけでは充足しにくい領域が増加する中、適切な受入プロセスを前提とした外国人雇用支援の重要性が高まっています。当社グループは、業界トップクラスの支援実績と、採用から定着まで一貫して支援できる体制を活かし、コンプライアンスを重視した外国人雇用支援を拡大していきます。

 

 (ⅲ)人材紹介

  介護、看護、建設等のエッセンシャル領域を中心に、自社採用だけでは充足しにくい専門人材・正社員採用ニーズが高まっています。当社グループは、既存事業で培った顧客基盤に加え、M&Aにより獲得した人材紹介オペレーションを活用し、人材紹介を新たな成長領域として拡大していきます。

 

 前中期経営計画において投資有効性を確認した正社員派遣/請負及び外国人雇用支援を継続して拡大するとともに、M&Aにより獲得した人材紹介のオペレーションを活用し、国内Working事業の収益構造改革の再現性を高めていきます。

 

②海外Working事業「生産性を重視した収益力の強化」

 海外Working事業においては、オーストラリア、シンガポールともにポストコロナ以降の環境変化とインフレの影響を受け、市況は依然として楽観視できない状況が継続しており、各国の政府方針、景気動向、求人需要の変動に加え、為替変動が当社グループの業績に与える影響にも注視する必要があります。

 このような環境下においても、海外Working事業が安定的に利益を創出できる収益基盤を構築するため、オーストラリア、シンガポールを中心に、強みのある領域での人材派遣・人材紹介を軸として、生産性向上を重視した収益力の強化に取り組みます。オーストラリアでは、既存顧客の深耕及び高付加価値領域での需要獲得を通じ、収益力の向上を図ります。シンガポールでは、行政機関等を中心とした既存顧客基盤を活かし、安定した需要の獲得を進めます。

 各国における市場環境の変化を適切に見極めながら、コストコントロール、営業生産性の向上、ガバナンスの強化を継続します。市場回復に過度に依存することなく、収益性を重視した事業運営を徹底することで、為替変動等の外部環境リスクを踏まえても、安定的に利益を創出できる海外Working事業の確立に取り組んでいきます。

 

③人材の確保と育成

 人材の確保は当社グループの成長の礎であり、競争上の優位性、持続的な成長を実現するためには、スタッフの採用と育成と定着が重要な課題です。

 2019年10月に国内主要子会社のサービスブランドを「WILLOF(ウィルオブ)」に統一し、採用力強化を目的としたブランドプロモーションを実施しています。2026年3月期には6月と10月に当社の最大商圏である関東エリアを含む18都府県でテレビCMを実施したことに加え、ウェブCM、SNS等を利用したプロモーション戦略を継続的に展開しました。プロモーション実施前の2023年3月期と比較して、認知率、指名検索数、利用意向度ともに大幅に増加しています。

 育成、定着においては、就業先での必要なスキルやマインドを取り込んだ就業前、就業期間中における研修を更に充実させ、就業しているスタッフに対する定期的なフォローアップを行っていくとともに、資格奨励金や給与評価制度の見直し等により定着率を高めていきます。

 

④サステナビリティの強化

 当社グループは、サステナビリティ方針に基づき、社会と企業の持続可能な発展に貢献できるよう以下の取り組みを行っています。

 

 (ⅰ)環境への取組み

  当社グループは、気候変動に関する環境方針を定め、脱炭素社会実現に貢献する取り組みを進めています。また、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の最終提言に賛同し、気候変動による事業へのリスクと機会をTCFDの枠組みに基づいて情報開示を行っています。

 

 (ⅱ)社会への取組み

  当社グループが持続的な成長を遂げていくためには、画一的な視点にとらわれず、多様な人材の活躍が必要不可欠であると考えています。性別・年齢・国籍・障がいなどにとらわれず、社員一人ひとりが自律したキャリアを形成できるよう支援しています。また、技術革新により、求められる人材・職種が大きく変化し、今以上に需給ギャップが生じる見込みです。そのため、働く人をエキスパートにするキャリアの“最大化”と“最適化”に取り組んでいきます。

 

 (ⅲ)ガバナンスへの取組み

  過半数が独立社外役員で構成される任意の諮問委員会である指名委員会及び報酬委員会の設置、取締役会の実効性評価を外部の助言を得ながら継続的に実施する等、コーポレート・ガバナンスの強化に努めています。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組み】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組みは、以下の通りです。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

 

(1)サステナビリティ全般

 当社グループは「個と組織をポジティブに変革するチェンジエージェント・グループ」をミッションに掲げ、ひとりでも多くの人を、ひとつでも多くの組織をポジティブに変革していくことを目指し、持続的な成長を実現してきました。これからも世の中にポジティブな変化を生み出し、持続的に成長し続けていくために、社会の変化を的確に捉え、ステークホルダーの皆さまとともに未来に向けてサステナブル(持続可能)な社会の実現に貢献していきます。

 

①ガバナンス

 当社グループはサステナビリティへの対応を経営の重要課題の一つと位置付け、グループ全体の持続的な成長と社会課題の解決を両立させるために「サステナビリティ委員会」を設置し、2022年10月に第1回サステナビリティ委員会を開催しました。委員長は代表取締役社長が務め、委員は当社社内取締役、当社執行役員及び国内主要子会社の取締役で構成され、原則年2回開催しています。サステナビリティに関する方針、重点課題やKPIの設定・モニタリング・見直し等を協議・策定し、重要事項は取締役会で審議されます。また、経営企画本部内にサステナビリティ推進組織を設け、全社横断的な推進体制を敷いています。

 

<当連結会計年度におけるサステナビリティに関する主な活動>

2025年4月

第6回サステナビリティ委員会の開催

2025年5月

人権方針の改定

2025年10月

第7回サステナビリティ委員会の開催

2025年11月

Web版統合報告書2025の公開

 

②戦略

 当社グループは、サステナビリティへの対応を、事業活動を通じた社会課題の解決と、持続的な成長を支える企業基盤の強化の両面から推進しています。

 事業活動においては、人材サービスを中心とする当社グループの強みを活かし、一人ひとりの能力発揮やキャリア形成を支援するとともに、企業における人材課題の解決に取り組むことで、職のミスマッチ(求められるスキルと持っているスキルのギャップ)の解消に貢献していきます。

 また、企業基盤においては、「人的資本の強化」「災害レジリエンスの強化」「強固なガバナンス体制の構築」を重点課題と位置付けています。特に人的資本については、当社グループの事業戦略を支える重要な経営資本と捉え、人材の採用・育成・配置等を通じて、持続的な成長を支える組織基盤の強化に取り組んでいきます。

 これらの取り組みを通じて、当社グループで働くすべての人のWell-being※の向上を実現します。

※当社グループでは、Well-beingを「身体的、精神的、社会的に良好な状態」と定義しています。

 

③リスク管理

 環境、社会、ガバナンス等サステナビリティを巡るリスクと機会の双方に対応することは、持続的な成長と企業価値の向上に不可欠であると認識しています。

 当社グループは国際的なガイドラインを参考に、社内外のステークホルダーとの対話や事業活動の分析を通じて、当社グループにとっての重点課題を特定し、それぞれに対するリスクの低減及び機会の活用に向けた取り組みを推進しています。

 具体的には、サステナビリティに関するリスクや機会の識別・評価・管理については、サステナビリティ委員会を中心に運用しており、当該委員会では定期的に気候変動や人権尊重等、関連テーマの議論を行っています。対応状況は定期的にモニタリングし、必要に応じて取り組み方針や体制の見直しを実施しており、サステナビリティ課題に対する機動的かつ実効的な対応を図っています。

 

④指標及び目標

 当社グループはサステナビリティに関する重点課題について、あるべき姿、指標及び目標を設定・モニタリングし、外部環境の変化に伴う社会の課題や期待に応えられるよう、適宜見直しをしています。

 特に人的資本については、人材サービスを中心とする当社グループの事業特性上、持続的な成長と企業価値の向上に直結する重要な経営資本であると認識しています。そのため、人的資本に関連する指標及び目標については、本章「(3)人的資本に関する戦略、指標及び目標」に記載しています。その他の指標及び目標は、統合報告書等において継続的に開示しており、社会や投資家からの要請を踏まえ、有価証券報告書における開示内容についても必要に応じて見直しを行っていきます。

 進捗については、当社ホームページに掲載の統合報告書2025をご確認ください。なお、統合報告書2026については、2026年10~11月頃の公開を予定しています。

(ウィルグループ統合報告書2025:https://willgroup.co.jp/integrated_report/2025/

 

(2)気候変動に関する取組み

 当社グループは、気候変動に関する環境方針を定め、脱炭素社会実現に貢献する取り組みを進めています。また、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の最終提言に賛同し、気候変動による事業へのリスクと機会をTCFDの枠組みに基づいて情報開示を行っています。

 気候変動に関する取組みの詳細については、当社ホームページに開示しています。今後も段階的に情報開示を進め、全体的な開示内容の質と量についても、充実させていきます。

(環境への取組み: https://willgroup.co.jp/sustainability/environment/ )

 

(3)人的資本に関する戦略、指標及び目標

(人材育成方針及び社内環境整備方針)

 当社グループは、「すべての人に居場所と舞台を創り続ける」を人材育成方針の中核に据え、人的資本の強化を通じた持続的な企業価値の向上に取り組んでいます。私たちは、人材をコストではなく競争優位の源泉と捉え、事業部・国・雇用形態の枠を超えた一体的な人材マネジメントを通じて、事業成長と個人の成長の好循環を創出することを目指しています。

 新中期経営計画「WILL-being 2029」においては、AIに代替されにくく、今後も高い人材需要が見込まれるエッセンシャル領域を重点戦略領域と位置付け、正社員派遣/請負・外国人雇用支援・人材紹介等の正社員・外国人HRビジネスを展開し、生産性向上と高収益事業へのシフトを推進しています。その実現に向けて、社員一人ひとりのWell-beingと働きがいを高め、多様な個の能力と志向を活かしながら、「適所をつくる」「適材をつくる」「適所に適材をあてる」という考え方のもと、戦略的人材ポートフォリオの構築を推進しています。多様な人材が安心して能力を発揮できる「居場所」をつくるとともに、挑戦や成長機会を通じて活躍できる「舞台」を提供することで、個人と組織がともに成長できる環境整備を進めています。

 また、Well-beingスコア、職場の幸せ力スコア、働きがいスコア等を通じて「居場所」の状態を、女性の管理職比率や男性の育休取得率等を通じて「舞台」の広がりを継続的にモニタリングし、多様な個が活躍できる組織基盤の強化を図っています。さらに、男女の賃金格差等についても継続的に確認し、「適所」と「適材」の実現状況を可視化することで、人的資本経営の高度化に取り組んでいきます。開示する各指標や目標値は、当社および国内主要子会社に優先すべき課題があると考えているため、在外子会社を含めず、当社及び国内Working事業に含まれる連結子会社を対象とし、また中期経営計画の進捗に応じて目標水準や開示内容を見直していきます。

 なお、当社グループの人材戦略に関する基本方針、従業員給与等の決定方針及び従業員の状況については、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等」に記載しています。

 

<「居場所」関連の指標>

当社では社員が安心して働き続けることのできる、力を発揮し続けることのできる環境(居場所)を創ります。

①Well-beingスコア

 当社グループでは、2019年4月からサーベイを活用しWell-beingスコアの計測をしています。Well-beingが高まることは生産性と創造性の向上につながると考えており、当社グループで働くすべての人がWell-beingであること、ひいては企業価値の向上を実現していきます。

決算年月

2024年3月

2025年3月

2026年3月

(目標)

2030年3月

Well-beingスコアpt

66.4

66.0

66.6

67.0

 

②職場の幸せ力スコア

 Well-beingの一要素に「安心安全な風土」「信頼関係のある職場の雰囲気」「チャレンジを推奨する雰囲気」「職場オススメ度」で構成される「職場の幸せ力」と定義される項目があります。職場の幸せ力が高まることは社員の『働きやすさ』につながると考えており、自走できる“強い組織”づくりをしていきます。

決算年月

2024年3月

2025年3月

2026年3月

(目標)

2030年3月

職場の幸せ力スコア

69.6

69.1

69.5

70.0

 

③働きがいスコア

 当社グループが考える働きがいとは「働きやすさ」と「仕事のやりがい」の掛け合わせであると考えているため、いずれも大切にしつつ、当社グループで働く社員の働きがいを高めることで“個の活躍”を最大化していきます。

決算年月

2024年3月

2025年3月

2026年3月

(目標)

2030年3月

働きがいスコア

57.0

58.3

61.5

67.5

(注)働きがいスコアとは当社が年に一度実施するアンケートの「Q.今の組織や仕事において働きがいを感じているか」の問に対し、5段階評価にて「強く感じている」又は「感じている」と回答した社員の割合を示したものです。

 

<「舞台」関連の指標>

 当社では多様な人材に挑戦と成長の機会が開かれている状態(舞台)を創ります。

①女性の管理職比率

 ミッションやビジョンの実現に向けて、世の中にポジティブな変化を生み出すためには、社会によって作り上げられた男性像や女性像に捉われない、多様な人材の活躍は必要不可欠です。女性の管理職比率を高め、新たな価値創造に向けて進化していきます。女性の管理職比率については、決算年月の翌日4月1日時点の数値を算出しています。

決算年月

2024年3月

2025年3月

2026年3月

(目標)

2030年3月

女性の管理職比率

16.1

18.5

18.7

30.0

 

②女性の管理職昇格希望割合

 多様な人材の活躍に向けては、多様な人材の“意志”は欠かせません。特には当社グループで働く女性社員の管理職昇格希望割合を高め、彼女たちの作りたい未来、生み出したい価値、提供したいサービスを顕在化させ、イノベーティブな組織づくりにつなげていきます。

決算年月

2024年3月

2025年3月

2026年3月

(目標)

2030年3月

女性の管理職昇格希望割合

24.7

22.7

27.1

50.0

 

③男性の育休取得率

 ジェンダー平等の追求は企業の社会的責任ともいえ、男性の育休取得率はその一つの証左であると考えています。女性の更なる活躍を後押しする重要なポイントは『男性の家庭での活躍』であり、男性の育休取得率向上を実現します。

決算年月

2024年3月

2025年3月

2026年3月

(目標)

2030年3月

男性の育休取得率

35.5

42.6

51.2

100.0

 

<「適所×適材」関連の指標>

 当社では「適所×適材」を支える基盤である機会と処遇の公正性を追求します。

①男女の賃金の差異

 男女の賃金の差異の是正に取り組むことはジェンダー平等に向けた重要な取組みテーマであり、公正な評価と報酬システム確立が欠かせません。男女の賃金格差をなくすことはもちろん、昇進や異動などの機会格差さえもなくし、多様性に富む組織へと進化していきます。

決算年月

2024年3月

2025年3月

2026年3月

(目標)

2030年3月

男女の賃金格差

72.0

72.6

74.4

80.0

(注)前連結会計年度末に比べ従業員の男女の賃金格差は1.8%改善しています。差異が生じている主な理由は、男女の管理職比率、短時間勤務の社員割合、中途社員の初任給設定の偏りによるものです。詳細の分析を進め、格差の是正に向けて女性活躍推進に取り組んでいます。

3【事業等のリスク】

 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。

 当社グループでは、事業への影響度、発生頻度及び質的影響等を社内で定めた指標に基づき重要性を評価し、定期的にリスクの特定及び見直しを行っています。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。

 

項目

(1)特定事業への依存について

内容

 

 当社グループは、業種別に特化型での人材サービス(人材派遣、業務請負及び人材紹介)を展開しており、連結売上収益における構成比は、国内Working事業における主要な3領域の人材サービス(セールスアウトソーシング領域、コールセンターアウトソーシング領域、ファクトリーアウトソーシング領域)を中心とした既存領域に依存しています。今後の事業を取り巻く環境の変化等により、当該3領域の売上が急激に減少した場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 また、国内Working事業における介護ビジネス支援領域、建設技術者領域や海外Working事業等、次の柱になり得る事業の成長を推進しており、主要な3領域に係る売上収益の構成比は低下していくことを想定していますが、計画通りに進まず、主要な3領域への売上収益の依存が低下しなかった場合は、当事業の売上収益の変動が当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

対応策

 

 次の柱になり得る事業、国内Working事業における介護ビジネス支援領域、建設技術者領域や海外Working事業等の成長を推進し、事業ポートフォリオのバランスを考慮したポートフォリオの多様化について継続して取り組みます。

 

 

項目

(2)事業の許認可について

内容

 

 当社グループにおいて、重大な法令違反が発生し、許可の取消し、又は事業の停止を命じられた場合には、当社グループの主要な事業活動全体に支障をきたすことが想定され、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

(労働者派遣事業)

 国内における人材派遣事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「派遣法」という。)に基づき、厚生労働大臣の許可を受けて行っています。派遣法では、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣元事業主として欠格事由に該当した場合や、当該許可の取消事由に該当した場合には、許可の取消しや事業の全部又は一部を停止できる旨を定めています。

 

(職業紹介事業)

 国内における人材紹介事業は、職業安定法に基づき、厚生労働大臣の許可を受けて行っています。職業安定法においても、派遣法と同様に、有料職業紹介事業者としての欠格事由に該当した場合や、当該許可の取消事由に該当した場合には、許可の取消しや業務の全部又は一部の停止を命じることができる旨を定めています。

 

対応策

 

 事業を適正に運営していくため、各国の関連法令等に従い、コンプライアンスに関する社内教育や業務システム等の仕組みづくりを、随時ブラッシュアップしていくとともに、内部監査等により関連法規の遵守状況を日頃より監視し、法令違反等の防止に努めています。

 

 

 

 

項目

(3)人材の確保について

内容

 

(社員)

 当社グループが競争上の優位性の確保、事業環境の変化への対応、及び持続的な成長を可能とするためには、優秀な人材の確保と育成が重要な経営課題です。また、当社グループの事業は人材を基盤としており、従業員のエンゲージメントや働きがいは、サービス品質や生産性、顧客満足度等に重要な影響を及ぼす要素です。しかしながら、人材の確保・育成が計画通りに進まない場合や、従業員エンゲージメントの低下により離職率の上昇や生産性の低下が生じた場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

(スタッフ)

 当社グループの事業活動の重要な要素のひとつにスタッフの確保があります。当社グループの継続的な成長のためには、スタッフの採用と育成と定着が重要な課題です。

 

対応策

 

(社員)

 多様な人材が活躍できる風土づくりや各種制度の整備を通じて働きやすい環境の構築に取り組むとともに、挑戦や成長の機会を積極的に提供することで優秀な人材の流出防止及び確保に努めています。また、企業ブランディングの強化により、知名度及び信頼性の向上を図っています。加えて、定期的に働きがいアンケートを実施し、「働きがいスコア」の変化を重視し、働きがいを高める各種取り組みを実行しています。さらに、事業専属のHRマネジメントパートナー(HRMP)が、採用、育成及び適切な人材配置において各事業に伴走し、事業成長を支える人材基盤の強化に取り組んでいます。当該リスクへの対応方針等については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組み(3)人的資本に関する戦略、指標及び目標」をご参照ください。

 

(スタッフ)

 募集方法を多様化し、独自のWeb募集媒体に重点をおくことや、オンラインでの登録やカウンセリング、友人紹介キャンペーン、採用拠点の設置などの施策を実施しています。また、週5日未満や短時間勤務など主婦、シニア、留学生向けのフルタイム以外の案件獲得にも取り組んでいます。当該リスクへの対応方針等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)会社の対処すべき課題 ③人材の確保と育成」をご参照ください。

 

 

項目

(4)法改正について

内容

 

 当社グループが事業を営んでいる国や地域における法律、規制等については、労働市場を取り巻く環境の変化等に応じて改正される可能性があります。とりわけ、労働者派遣法においては、派遣対象業務や派遣期間制限等について適宜改正されており、その改正内容によっては、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

(社会保険制度)

 当社グループでは、従業員に加え、社会保険加入要件を満たすスタッフの社会保険への加入を徹底しています。社会保険料の保険料率や対象範囲は、社会的情勢によって適宜改定されていることから、社会保険制度の改正に伴い、会社負担金額が大幅に上昇した場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

(労働契約法)

 2013年4月に改正労働契約法が施行され、施行日以降に開始した有期雇用契約が通算5年を超えて更新された場合は、労働者の申込みにより、無期雇用契約(期間の定めのない雇用契約)に転換する仕組みが導入されました。これにより、当社グループで派遣スタッフ等を無期雇用する場合、就業先が決まるまでの待機期間中の労務費等の負担が生じます。

 また、2020年4月1日より施行された同一労働同一賃金に関する法律では雇用形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保し、不合理な待遇差がある場合、その格差是正が求められています。今後も、このような法改正等が行われた場合、その内容によっては当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

 

 

 

項目

(4)法改正について

対応策

 

・当社法務部門が常に、当社グループのビジネスに関連する法律・規制等の改正動向などを注視し、法律・規制等に対応する必要が発生した場合については、適時適切に関係各所へ伝達することとしており、都度タイムリーな経営判断を行い対応しています。

 

・派遣スタッフ等の賃金や社会保険料などのコスト上昇リスク低減のためには、法改正等により上昇したコストを適切に請求単価に反映させるとともに、取引先企業への請求料金改定の交渉を適切に行うことにより、対応していきます。特に無期派遣の事業モデルにおいては、事業責任者の監督のもと、適正な請求単価維持のための取組みと進捗管理を継続的に行い、収益性の確保に努めています。

 

 

 

項目

(5)競争の激化について

内容

 

・当社グループが属する人材サービス業界は、多数の競合他社が存在します。競争がさらに激化した場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

・当社グループが技術革新、顧客のニーズ又は嗜好の変化等に対応できないこと、競合他社間の合併・統合等により、当社グループの競争力を維持できない場合、当社グループが市場シェアを失う可能性があります。

 

対応策

 

・顧客からニーズを把握した後にそれに対して対応可能なスタッフを募集し、顧客に対して的確かつ迅速な対応を行うことで、高い顧客満足度を得て競合他社との差別化を図っています。

 

・当社グループは競争力を維持するため、顧客のマインドシェア、インストアシェアの拡大に向けて、供給力の強化、労務管理の強化、請負化などを提案し収益性の維持、向上を図っています。

 

 

項目

(6)将来の企業又は事業の買収について

内容

 

・企業又は事業の買収(以下、「M&A」という。)は、当社グループの主要な経営戦略の一つと考えています。M&Aにおいては、成立後、統合上の業務プロセスの不備、異なる企業文化の統合による摩擦の発生に伴う業務の停滞や業績の低下、従業員の離職や内部対立の顕在化等、様々なリスクが内在しているため、想定通りにM&Aを行った後の経営の統合を実行するプロセス(以下、「PMI」という。)が遂行できなかった場合には、買収資産の価値が毀損し、損失が発生する可能性があり、このような事象が発生した場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

・M&Aに伴い発生するのれんは、帳簿価額を回収できない可能性がある場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を損失として計上する可能性があります。したがって、のれんの対象事業の将来キャッシュ・フローの見込みによっては減損損失を計上することになり、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

対応策

 

・M&A成立時に想定した効果を最大限に発揮させるため、詳細なデューデリジェンスに加え、PMIを適切に進めることが非常に重要であると考え、当該PMIプランを迅速かつ長期的な視点で策定しています。

 

・M&A検討時におけるバリュエーション(価値算定)の適正性を高めるために第三者機関との綿密な確認作業を行うほか、実行後の事業継承計画を入念に検討すること、PMIのモニタリング強化、のれんの回収可能性に変化が生じた場合、経営者と改善のためのディスカッションを行う等により、減損損失リスクに対処しています。

 

 

 

 

項目

(7)海外における事業展開について

内容

 

 当社グループは、事業のグローバル展開を標榜しており、現時点において、シンガポール、マレーシア、オーストラリア、アメリカ、中国、ベトナム、イギリス、ドイツ及びスイスに営業拠点を有しています。これら海外展開においては、各国における景気変動リスク、為替変動リスク、政府による規制、政治的な不安定さ及び資金移動の制約等に起因するカントリーリスク等が存在しています。

 このような不測の事態が生じた場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

対応策

 

・当社グループでは、シンガポールに統括拠点として中間持株会社をおき、事業遂行上の環境変化(各国の法改正や最新の現地当局の動向等)について随時情報を把握するとともに、資産集中の防止など各国の案件ごとにその回避策を講じて事業を推進しています。

 

・事業の展開には、対象国の法務や税務の顧問と連携し早期のカントリーリスク調査による専門的なアドバイスを基に定期的なリスクの低減に努めています。

 

 

 

項目

(8)個人情報の取り扱いについて

内容

 

 当社グループは、事業の特性上、派遣登録者や転職希望者等の個人情報や機密情報を保有しています。不測の事態が原因で、個人情報や機密情報が外部に漏洩し、情報主体者に被害が発生した場合には、損害賠償請求や社会的信用の失墜、EU一般データ保護規制(GDPR)による制裁金により、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

対応策

 

・個人情報の取扱いについては、2022年4月に改正された個人情報の保護に関する法律を踏まえ、社内体制の整備、定期的な研修、情報管理の強化等、個人情報の取扱いに十分な注意を払っています。グループ企業の一部においては、プライバシーマークやISMS等の認証取得も行うことで、客観的なグループの情報管理水準の確認を行っているほか、万が一に備えた個人情報漏洩保険への加入等によりリスク軽減措置をとっています。

 

・ヨーロッパに拠点を持つ子会社のThe Chapman Consulting Group Pte. Ltd.ではGDPR、シンガポールでは Personal Data Protection Act、オーストラリアにおいても個人情報保護法に沿ったガイドラインを保有、運用しています。

 

 

項目

(9)法令遵守に関するリスクについて

内容

 

(全般的なリスク)

 当社グループの事業活動における関連法令は、国内における各種法規制(派遣法、職業安定法、労働基準法、労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、健康保険法及び厚生年金保険法等)、海外における各国の各種法規制(雇用機会均等法等)、新規事業に関連する各種法令等、多岐にわたります。万一、これらの対策を行っていたとしても、グループ各社の役職員やスタッフによる不正行為等を含めたコンプライアンスに関するリスク、又は人権等の問題を含め社会的に信用が失墜するリスクを完全に排除できない場合があり、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

(重大な訴訟等によるリスク)

 当社グループは、主として人材派遣事業及び人材紹介事業等を営んでいます。その事業活動の遂行過程において、顧客、求職者、競合他社、その他の関係者等から、当社グループが提供するサービスの不備、個人情報や機密情報の漏洩又は知的財産の侵害等に関する訴訟その他の法的手続きを提起される場合や、当局等による捜査や処分等の対象となる場合があり、これらの法的手続に関連して多額の費用の支出や、事業活動に支障をきたす可能性があります。また、係る法的手続は長期かつ多額となることや、結果の予測が困難となる場合があり、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

対応策

 

・法令遵守を重要な企業の責任と認識しており、コンプライアンス体制を強化し、法令遵守の徹底(教育研修の拡充やアンケートの実施等)を図っています。

 

・万一、訴訟の提起等を受けた場合には、専門部署(法務)が外部の専門家と協同の上、適時適切に対応しています。

 

 

 

項目

(10)自然災害及び有事に関する影響について

内容

 

 当社グループは、日本全国及びオーストラリア・シンガポールを中心に海外にも営業拠点を展開しています。これらの地域において、地震、台風、津波等の自然災害、大規模火災や停電、新型感染症の流行、テロ行為及び国際紛争等が発生した場合には、拠点機能の停止や従業員・派遣スタッフの稼働制限、取引先企業の事業活動の停滞等により、当社グループの事業活動に支障が生じる可能性があります。この結果、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

対応策

 

 大規模地震、洪水等の自然災害や感染症への備えとして従業員及び派遣スタッフの安否を確認し、安全を確保するための危機管理体制を構築し、災害に備えています。また、事業拠点の機能分散や情報資産のクラウド化など事業継続のための施策も講じています。

 

 

 

項目

(11)情報システムに関するリスクについて

内容

 

 当社グループの事業活動は、IT(コンピュータシステムやネットワーク等)に依存しており、これらITの開発、維持及び管理を一部第三者に委託しています。また、格付け基準の高いデータセンターの利用や、クラウドサービスの利用等により、大規模地震等の自然災害発生時におけるシステムの可用性の確保やリモートワーク環境の構築を実現している他、外部からのサイバー攻撃や不正アクセス対策を実装し、事業継続性を確保しています。しかしながら、万一、何らかの原因によって大規模なシステム障害が発生した場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

対応策

 

・事業活動を支える基幹システム等の主要システムをTier4レベルのデータセンターに構築し、大規模地震等の自然災害発生時におけるシステムの可用性を確保しています。加えて、交通機関の停止や感染症等によりオフィスに出社できない場合の業務継続性を確保する為に、リモートワーク環境を構築しています。

 

・大規模システム障害等が発生した時の業務影響を軽減するとともに、再発防止策を確実に実行する為に、「IT管理規程」にシステム障害対応方針を定義、システム障害管理態勢の整備をしています。

 

・新たにITの開発、維持・管理の委託先を選定する際は、「委託先選定チェックリスト」に則って選定することとしており、委託する業務と類似の内容・規模の実績があるかを事前に確認することで、システムの品質確保に努めています。

 

 

項目

(12)業界を取り巻く環境の変化について

内容

 

 当社グループが事業を展開する市場の多くにおいて、近年のIT技術の急速な発達に伴い、インターネットを媒体としたオンラインサービスへの移行が進み、人的な営業力や物流ネットワーク等に起因する既存の新規参入障壁が低くなったことで、ユーザーがサービスを切り替えることも比較的容易になりました。また、今後国内外においてSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)等を利用したオンラインのコミュニケーションが活発化し、顧客とユーザーを直接マッチングすることが可能となる等、特に人材派遣事業及び人材紹介事業において、競争が更に激しくなる可能性があります。これにより現在の市場シェアを維持できなくなり、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

対応策

 

 既存事業領域のサービス力及びブランド力の向上施策、コーポレートベンチャーキャピタルを活用した新たに創出されるビジネス機会を捉えるための施策等、様々な収益基盤の拡大施策を実施しています。2019年10月に、当社グループ全体の認知度及びサービス向上を目指すため、国内主要子会社のサービスブランドを「WILLOF(ウィルオブ)」に統一しました。「Chance-Making-Company」のブランディングを実施することにより、求職者への認知を図っていきます。

 

 

 

項目

(13)株式価値の希薄化について

内容

 

 当社は、当社グループの役員及び従業員に対し、新株予約権を付与しています。これらの新株予約権が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。新株予約権の株式数については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 連結財務諸表注記 17.株式報酬」に記載の通りです。

 

対応策

 

 当社が発行している新株予約権は、あらかじめ定める業績目標の達成が行使条件とされており、その目標が達成されることは、当社の企業価値・株主価値の向上に資するものと認識しています。そのため、これら新株予約権の発行は、当社の既存株主の皆様の利益に貢献できるものと認識しており、株式の希薄化への影響は合理的なものであると考えています。

 

 

 

項目

(14)資金調達について

内容

 

 当社グループの事業資金は、その一部を金融機関からの借入により調達しています。これにより、景気の後退、金融市場の悪化、金利の上昇、当社グループの信用力の低下、業績の見通しの悪化等の要因により、当社グループが望む条件で適時に資金調達を行えない場合、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

対応策

 

 必要な資金調達ができなくなる事態に備え、常に一定の手許流動性の確保に努め、今後は、金利が直近の上昇に加えさらに上昇する可能性もあり、固定金利での調達やスワップ取引等による金利リスク削減の施策など、市場の動向を見ながら検討していきます。

 

 

 

項目

(15)景気変動に関するリスクについて

内容

 

 当社グループは、一般的に国内、オーストラリア及びシンガポールを中心とする海外の経済情勢に影響されるため、求人需要や消費の減少など、景気停滞が長期化する場合には、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

対応策

 

 当社の事業領域は、国内では、食品等の工場、介護施設、建設業等、海外では、政府、行政といった比較的景気の変動の少ない領域を中心に構成されています。今後はこれら社会生活の維持に不可欠なエッセンシャル領域への営業の強化、生産性の向上を通じた収益力の強化を進めることで、さらに景気変動に左右されにくい事業の確立に取り組んでいきます。また、必要に応じて、固定費の圧縮や、IT投資、新規事業投資の抑制、現預金の確保等必要な措置を講じ、機動的に経営の安定化を図ります。

 

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

 当連結会計年度における世界経済は、米国の政策動向に加え、金融資本市場の変動や中東情勢の緊迫化により依然として先行き不透明な状況が続いており、これらの影響を引き続き注視していく必要があります。

 日本経済は、雇用情勢の改善や賃上げ、企業の設備投資意欲が継続するなど景気に前向きな動きはありましたが、物価上昇による個人消費の陰り等が影響し、緩やかな回復にとどまりました。また、為替変動や原油価格の高騰などの動向に注視する必要があります。

 このような状況の下、当社グループは、2026年3月期を最終年度とした中期経営計画(WILL-being 2026)の基本方針である国内Working事業の再成長に向け、建設技術者領域の拡大、正社員派遣、外国人雇用支援の拡大等に取り組みました。

 国内においては、建設技術者領域の安定した売上成長と黒字化が大きく業績に寄与した他、正社員派遣及び外国人雇用支援を積極的に展開しているセールスアウトソーシング領域やファクトリーアウトソーシング領域等が堅調に推移しました。また国内における採用力強化を目的に、「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションとして、当社の最大商圏である関東エリアを含む18都府県でテレビCMを実施したことに加え、ウェブCM、SNS等を利用したプロモーション戦略を継続的に展開しました。

 海外においては、ポストコロナ以降の環境変化とインフレの影響を受け、市況は依然として楽観視できないものの、利益体質の強化に向けたコストコントロールを実施し、生産性改善により収益回復を実現しました。なお、為替レートが前年同期比で円安に推移したことにより、売上収益で約582百万円、セグメント利益で約30百万円のプラス影響となりました。

 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上収益146,856百万円(前連結会計年度比5.1%増)、営業利益3,279百万円(同40.2%増)、税引前利益3,139百万円(同44.2%増)、当期利益2,202百万円(同92.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益2,314百万円(同100.3%増)、及びEBITDA(営業利益+減価償却費及び償却費+減損損失)は5,632百万円(同15.0%増)となりました。

 

 セグメント別の業績は、以下の通りです。

 

(1)国内Working事業

 国内におけるセールスアウトソーシング領域、コールセンターアウトソーシング領域、ファクトリーアウトソーシング領域、介護ビジネス支援領域、建設技術者領域等カテゴリーに特化した人材派遣、業務請負、人材紹介、外国人雇用支援を行う国内Working事業については、建設技術者領域、セールスアウトソーシング領域及びファクトリーアウトソーシング領域の堅調な推移に加え、株式会社HR CAREERの新規連結による人材紹介売上の増加等により、増収となりました。

 利益面においては、建設技術者領域が利益成長フェーズに入ったことや、複数領域での正社員派遣、外国人雇用支援への注力による粗利の拡大を背景に増益となりました。また、重要業績評価指標のうち、特に「正社員派遣稼働人数」及び「外国人雇用支援人数」が順調に推移したことにより粗利が拡大したこと、建設技術者領域の継続的な単価交渉による単価上昇の結果、増益となりました。

 以上の結果、国内Working事業は、外部収益88,262百万円(前年同期比6.2%増)、セグメント利益3,579百万円(同10.1%増)となりました。

 

(2)海外Working事業

 主にオーストラリア、シンガポールにおいて展開している海外Working事業については、依然マーケット環境は楽観視できないものの、人材派遣売上、人材紹介売上ともに現地通貨基準で前年同期を上回ったこと、プラスの為替影響(約582百万円)があったこと等により、増収となりました。

 利益面においては、販管費の抑制と人材紹介売上増加による粗利の拡大に加え、前年同期に計上した減損損失(473百万円)のはく落影響等により大幅増益となりました。

 以上の結果、海外Working事業は、外部収益58,501百万円(前年同期比3.6%増)、セグメント利益2,427百万円(同69.4%増)となりました。

 

(3)その他

 その他については、前連結会計年度に外国人向けモバイル通信事業「ENPORT mobile」の事業譲渡を行ったことにより、外部収益92百万円(前年同期比41.2%減)、セグメント損失306百万円(前年同期は223百万円の損失)となりました。

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1)生産実績

 当社グループの主たる事業は人材サービスの提供であり、その性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しています。

 

(2)受注状況

 生産実績と同様の理由により、記載していません。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、以下の通りです。

 

 

(単位:百万円)

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2025年4月1日

  至 2026年3月31日)

 前年同期比(%)

国内Working事業

88,262

106.2

海外Working事業

58,501

103.6

報告セグメント計

146,763

105.2

その他

92

58.8

 合計

146,856

105.1

(注)セグメント間の取引については相殺消去しています。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末日において当社グループが判断したものです。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下、「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定により、IFRS会計基準に準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎、3.重要性がある会計方針」に記載の通りです。

 

(2)財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は29,944百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,393百万円増加しました。これは主に、営業債権及びその他の債権が2,168百万円、現金及び現金同等物が1,038百万円増加したこと等によるものです。

 非流動資産は26,608百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,236百万円増加しました。これは主に、その他の金融資産が469百万円減少した一方、新規連結及び為替換算の影響によりのれんが1,690百万円、その他の無形資産が775百万円、使用権資産が505百万円それぞれ増加したこと等によるものです。

 以上の結果、総資産は56,552百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,629百万円増加しました。

 

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は28,208百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,000百万円増加しました。これは主に、借入金が647百万円減少した一方、営業債務及びその他の債務が3,144百万円、未払法人所得税が386百万円それぞれ増加したこと等によるものです。

 非流動負債は8,175百万円となり、前連結会計年度末に比べ820百万円増加しました。これは主に、その他の金融負債が236百万円、その他の非流動負債が369百万円それぞれ増加したこと等によるものです。

 以上の結果、負債合計は36,384百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,820百万円増加しました。

 

(資本)

 当連結会計年度末における資本合計は20,168百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,808百万円増加しました。これは主に、その他の資本性金融商品が390百万円減少した一方、在外営業活動体の換算差額が1,956百万円、利益剰余金が1,316百万円それぞれ増加したこと等によるものです。

 以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は35.8%(前連結会計年度末34.8%)となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、4,957百万円の収入(前連結会計年度は1,806百万円の収入)となりました。これは主に、営業債権の増加額1,258百万円、法人所得税の支払額594百万円等があった一方、税引前利益の計上3,139百万円、減価償却費及び償却費2,352百万円、営業債務の増加額1,254百万円等があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、1,354百万円の支出(前連結会計年度は695百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入253百万円があった一方、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出815百万円、有形固定資産及び無形資産の取得による支出567百万円、投資活動その他による支出224百万円があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、3,119百万円の支出(前連結会計年度は1,233百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入2,460百万円、政府補助金による収入329百万円等があった一方、長期借入金の返済による支出2,945百万円、リース負債の返済による支出1,340百万円、配当金の支払額1,016百万円、短期借入金の純減額619百万円等があったことによるものです。

 

(4)重要な経営指標の分析

 当連結会計年度における実績及び主な要因は以下の通りです。

(売上収益)

 当連結会計年度の売上収益は、146,856百万円となり、前連結会計年度に比べ5.1%増加しました。

 売上収益が増加した主な要因は、国内Working事業において建設技術者領域が順調に拡大したこと、株式会社HR CAREERの新規連結効果が寄与したことに加え、海外Working事業において人材派遣売上が堅調に推移したこと、為替レートが前連結会計年度比で円安に推移したことによるものです。

 

(売上総利益)

 当連結会計年度の売上総利益は、32,392百万円となり、前連結会計年度に比べ10.2%増加しました。

 売上総利益が増加した主な要因は、国内Working事業においてポートフォリオの入替が奏功し、収益性の高い正社員派遣及び外国人雇用支援が拡大したことに加え、海外Working事業において人材紹介売上が増加したことによるものです。

 その結果、売上総利益率は22.1%となり、前連結会計年度より1.1ポイント上昇しました。

 

(販売費及び一般管理費)

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、29,510百万円となり、前連結会計年度に比べ8.2%増加しました。

 販管費比率は20.1%となり、前連結会計年度より0.6ポイント上昇しました。

 販売費及び一般管理費が増加した主な要因は、正社員派遣、外国人雇用支援の拡大に向けて、採用費、営業人員、コンサルタント人員等が増加したことに加え、国内における採用力強化を目的として、「WILLOF(ウィルオブ)」のブランドプロモーションを実施したことによるものです。

 

(営業利益)

 当連結会計年度の営業利益は、3,279百万円となり、前連結会計年度に比べ40.2%増加しました。

 営業利益が増加した主な要因は、国内Working事業における事業ポートフォリオの入替が奏功したことによる売上総利益の拡大、海外Working事業における販管費の抑制及び人材紹介売上の増加による売上総利益の拡大に加え、前連結会計年度に計上したオーストラリアの子会社における減損損失がはく落したことによるものです。

 その結果、営業利益率は2.2%となり、前連結会計年度より0.5ポイント上昇しました。

 

(EBITDA)

 当連結会計年度のEBITDAは、5,632百万円となり、前連結会計年度に比べ15.0%増加しました。

 EBITDAが増加した主な要因は、営業利益が増加したことによるものです。

 

(親会社の所有者に帰属する当期利益)

 当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益の増加により、前連結会計年度に比べ1,158百万円増加の2,314百万円となりました。

 

(総還元性向)

 当連結会計年度の総還元性向は、43.9%となりました。詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社の事業には、景気の変動等による人材ビジネス市場規模への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

(6)経営戦略と今後の見通し

 今後の見通しについては、国内及び世界経済は緩やかに成長していく一方で、中東情勢を中心とした地政学リスクを背景に、原油価格の高止まりなど経済への影響は先行き不透明な状況が続いています。国内においては好調な企業業績を背景とした堅調な人材需要に対して、採用環境が厳しさを増しています。また、当社グループが主に事業展開を行っているオーストラリア、シンガポールにおいては、人口・経済は緩やかに拡大基調であり、今後も安定的に推移する見通しである一方、インフレや金利上昇、中東情勢を背景とした景況感の悪化が懸念されており、引き続き注視していく必要があります。

 このような状況の下、国内Working事業では、中期経営計画(WILL-being 2029)の戦略テーマとして掲げている、前中期経営計画で高成長を果たした正社員派遣/請負及び外国人雇用支援を更に拡大するとともに、新たな収益基盤の確立を目的として人材紹介へ注力し、収益性向上に向け、事業ポートフォリオの最適化を推進していきます。

 海外Working事業では、世界情勢の変化や為替変動の影響を踏まえつつ、外部環境に左右されにくい生産性を重視した収益基盤の強化を図ります。オーストラリアにおいては民間及び政府の幅広い顧客基盤を活かしながら、成長余地のある民間領域の開拓を進めることで顧客ポートフォリオの最適化を図り、収益性の向上を目指します。シンガポールでは、政府主導のデジタル化・AI分野における人材需要を取り込みつつ、既存顧客との取引拡大を通じて収益性の向上を図ります。

 これらにより、2027年3月期の通期連結業績予想は、売上収益157,000百万円(当連結会計年度比6.9%増)、営業利益3,400百万円(同3.7%増)、税引前利益3,191百万円(同1.6%増)、当期利益2,221百万円(同0.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益2,208百万円(同4.6%減)、EBITDAは6,442百万円(同14.4%増)を見込んでいます。

(ご参考)業績予想で前提としている為替レートは、1オーストラリアドル105円(当期の実績は100円)、1シンガポールドル121円(当期の実績は117円)です。

 

 *上記業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。引き続き当社グループの事業への影響を慎重に見極め、今後修正の必要が生じた場合には速やかに開示します。

 

(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して1,038百万円増加し、7,974百万円(前連結会計年度末比15.0%増加)となりました。

 当社グループの資金需要は、主として人材サービス事業における運転資金および成長投資に係る資金です。これらの資金については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び内部資金を基本としつつ、必要に応じて金融機関からの借入により調達し、財務の健全性を考慮しながら対応しています。

 また、グループ全体の資金効率向上を図る観点から、当社において資金の集中管理を行っており、連結子会社に対しては必要に応じて資金供給を行う体制としています。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、前述「(3)キャッシュ・フローの分析」に記載の通りです。

 

 

5【重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。