第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当事業年度におけるわが国経済は、設備投資や企業収益改善の足踏みなど弱さもみられるものの、個人消費・輸出・生産の持ち直しや雇用情勢の改善により、緩やかな回復基調が続いております。

当社の主要顧客である流通食品小売業におきましては、食品の価格上昇に対する消費者の節約志向が強まる中、コンビニエンスストア等の他業態を含めた競争が激しくなってきております。

官公庁におきましては、情報システムに係る経費削減、住民サービス向上、災害・事故発生時の業務継続を目的とした情報システムの集約と共同利用(自治体クラウド)が推進されるとともに、マイナンバーを活用した情報連携の開始に向けた情報セキュリティ対策の抜本的強化として、「自治体情報システム強靭性向上モデル」「自治体情報セキュリティクラウドの構築」といった指針が示され、具体的な取り組みが広がりつつあります。

このような状況のもと、当社は「LINK Smart~もたず、つながる時代へ~」を当社サービスのブランドコンセプトとして定め、「シェアクラウド(共同利用型クラウド)」による安心、安全、低価格で高品質なクラウドサービスの提案を積極的に進めてまいりました。また、経営の効率化と流通業向けクラウドサービスの拡充及び事業拡大を目的に、関連会社のクラウドランド株式会社の子会社化・吸収合併、及び子会社の株式会社インターマインドの吸収合併を行いました。

携帯電話販売市場におきましては、総務省が策定した「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」への対応として、各通信キャリアが端末販売方法や料金プランの変更を打ち出しており、消費者の需要や販売環境の変化について、これまで以上に注意を払う必要があります。そのような中、当社は、サービス品質向上による差別化を図ることで、顧客満足度を高め、販売拡大に努めてまいりました。

また、より高度で付加価値の高い競争力のあるサービスを提供していくため、AI(Artificial Intelligence)やタイムスタンプ等の先進的なIT技術に係る研究開発投資を積極的に行いました。

以上の結果、当事業年度における業績は、売上高9,310,484千円(前期比0.2%増)、営業利益582,258千円(前期比20.8%減)、経常利益588,201千円(前期比19.1%減)となりました。特別損益において、合併に伴う負ののれん発生益等を特別利益として計上した一方、自社開発ソフトウェアに係る固定資産除却損を計上したことから、当期純利益は333,785千円(前期比22.1%減)となりました。

 

なお、当事業年度におけるセグメント別の業績は、次のとおりであります。

 

<ITクラウド事業>

ITクラウド事業におきましては、当社の主力サービスである流通食品小売業向け基幹業務クラウドサービス「@rms基幹」を始め、前事業年度に合併により取得したインターネットEDIサービス(BACREX)を含むクラウドサービスの提供拡大により、流通業向けクラウドサービス分野の売上高が増加いたしました。

一方、官公庁向けクラウドサービス分野につきましては、医療情報連携プラットフォームに係る開発案件や、法改正に伴う自治体向けシステム開発案件等を計上した前事業年度に比べ売上高が減少いたしました。

以上の結果、当事業年度における売上高は5,167,106千円(前期比4.3%増)、セグメント利益(経常利益)は400,778千円(前期比20.8%減)となりました。

 

<モバイルネットワーク事業>

モバイルネットワーク事業におきましては、フィーチャーフォンの販売台数減少に加えて、「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」に基づく実質販売価格見直しの影響による来店客数の減少傾向が続き、携帯電話端末販売台数及び売上高は前事業年度を下回りました。そのような中、当社は、応対品質向上に努めるとともに、NTTドコモが提供するブロードバンドサービス(ドコモ光)の獲得に注力するなど、収益確保に努めました。

以上の結果、当事業年度における売上高は4,143,377千円(前期比4.5%減)、セグメント利益(経常利益)は432,998千円(前期比3.5%増)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ5,997千円減少し、475,838千円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは763,719千円の資金の増加(前事業年度は、903,478千円の資金の増加)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは714,332千円の資金の減少(前事業年度は、419,197千円の資金の減少)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは139,153千円の資金の減少(前事業年度は、461,235千円の資金の減少)となりました。

 

なお、キャッシュ・フローの詳細は、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (4) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社は生産活動を行っていないため、記載すべき事項はありません。

 

(2) 仕入実績

当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

仕入高(千円)

前期比(%)

ITクラウド事業

902,604

102.9

モバイルネットワーク事業

2,903,258

96.0

合計

3,805,862

97.5

 

(注) 1.金額は、仕入価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 受注実績

当社は受注生産を行っていないため、受注実績の記載を省略しております。

 

(4) 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

ITクラウド事業

5,167,106

104.3

モバイルネットワーク事業

4,143,377

95.5

合計

9,310,484

100.2

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前事業年度

当事業年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

コネクシオ㈱

4,193,495

45.1

4,008,211

43.1

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

情報サービス業界におきましては、顧客が高機能な情報システムをより安価に利用したいと考える「スマート・ハイバリュー」の時代に入りつつあると考えており、加えて情報セキュリティや災害対策としてのBCP(事業継続計画)に対する需要が高まり、今後、クラウドサービスを中心に業界全体は急速に成長していくものと予測されます。

このような経営環境のもと、当社は「LINK Smart~もたず、つながる時代へ~」を当社サービスのブランドコンセプトとして定め、中期経営戦略として当社の「シェアクラウド」による安心、安全、低価格で高品質なクラウドサービスを積極的に展開し、当社のさらなる成長を実現するため、以下の項目を対処すべき重要課題として取り組んでまいります。

 

(1) 安心、安全なクラウドサービスの提供

ITが幅広く経済活動を支える情報基盤となりつつあり、特にクラウドサービスにおいては自然災害、サイバー攻撃、システム障害、電力トラブルなどにより、万一停止した場合における企業活動等への影響は大きく、社会的に深刻な事態を招くおそれがあります。

当社のクラウドサービスが、流通サプライチェーンや地域住民の安心安全にかかわる重要な役割を担っていることを強く認識し、サービスの安定性、安全性を高めることを目的に、災害対策のほか、災害時等においてもサービスを継続して提供するためのシステム復旧体制の構築、また、当社クラウドサービスの基盤となるハードウェア・ミドルウェアの運用管理を強化し、より安定的かつ継続的なサービス提供を実現してまいります。

 

(2) クラウドサービスの拡充

当社は、顧客が必要とするすべての機能をクラウド上で連携し、安価で高機能なサービスを提供することが当社の使命と考えております。クラウドへの関心が高まる中、各分野において、積極的なサービス開発に取り組むとともに、サービス拡充のスピードアップを図るため、資本提携や業務提携等の可能性を検討しながら進めてまいります。

流通業向けクラウドサービス分野におきましては、流通食品小売業向け基幹業務クラウドサービスにおけるシェアナンバーワンの地位を確立するため、年商300億円~1,000億円超規模の流通食品小売業のニーズに対応できる機能・品質を備える@rms基幹次期バージョンの開発を進めております。現在は、@rms基幹次期バージョンのリリースに向け、年商300億円~1,000億円超規模の流通食品小売業に対応している@rms生鮮や@rmsネットスーパー、店POWER(統合棚割システム)等をこれらの企業群に対し先行して提案を行っております。

官公庁向けクラウドサービス分野におきましては、LGWAN(注)接続サービスを含む自治体ネットワーク及び教育系ネットワークを整備し、和歌山県内プラットフォーム基盤の構築を目指しております。基幹系システムは基幹業務システムの導入と当社データセンターでの運用業務、情報系システムは当社の得意分野である防災・医療・文教システムと連携したクラウドサービスの運用のほか、ネットワーク運用、オペレーション、障害対応など、官公庁の情報システム部門の代行業務を担う高度な運用サービスの提供を検討してまいります。

 

(注)上記に用いられる用語の意味は以下のとおりであります。

LGWAN:

総合行政ネットワーク。地方自治体の組織内ネットワークを相互に接続した広域ネットワーク。

 

(3) IT技術の蓄積

より高度で付加価値の高い競争力のあるサービスを提供していくため、機械学習・AI(Artificial Intelligence)や、認証連携、タイムスタンプ等の先進的なIT技術への対応が重要であると認識しております。当社は、事業環境の変化にいち早く対応し、新たな価値を創造していくため、これらのIT技術の蓄積に取り組んでまいります。

 

(4) 人材の確保及び育成

当社の事業が継続して成長していくためには、これを支える優秀な人材の確保と育成が不可欠であると考えております。特に次世代を担う人材の育成が重要であると認識し、採用力の強化とともに、戦略立案力やリーダーシップを最大限に発揮できる人材育成に努めてまいります。

 

(5) 内部管理体制の強化

内部統制システムの適正な維持を重要な対処すべき課題と認識しております。引き続き、財務情報の精度及び正確性確保を目的に、経理体制の整備、適切な業務プロセスの構築に取り組んでまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社の事業等のリスクは下記のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項の記載は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 顧客の投資、購買意欲等による影響について

①ITクラウド事業

当社ITクラウド事業においては、食品流通業及び官公庁を主要顧客としております。流通業向けクラウドサービス分野においては、一般消費者の購買活動減退や少子高齢化、人口減少等に起因する国内景気低迷等により、顧客の情報システムに対する投資意欲が減少した場合は、新規顧客開拓の低迷や既存顧客からの追加サービスの受注減少等、当社の業績に影響を与える可能性があります。

また、官公庁向けクラウドサービス分野においては、国や自治体等の政策等により、公共事業にかかる予算削減、情報システム投資の見送り又は規模縮小、市町村合併等による自治体数の減少、自治体間におけるシステムの統合、入札制度の見直し等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。

②モバイルネットワーク事業

当社モバイルネットワーク事業においては、国内の景気低迷等による携帯電話の買い控え等に起因して携帯電話端末の販売台数が減少した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 市場環境の変化と技術革新の対応について

当社ITクラウド事業においては、顧客や市場のニーズに対応した競争力のあるサービスの提供を目的として、中期的な開発方針を定め、適切な時期に顧客や市場にサービスを提供できるよう、当社の成長を牽引する新サービスの開発に取り組んでおります。しかし、予想以上の急速な技術革新や代替技術・競合商品の出現、依存する技術標準・基盤の変化等により新サービス開発を適切な時期に行えず市場投入のタイミングを逸する可能性、顧客ニーズ、市場動向の変化により十分な競争力を確保できない可能性もあり、新サービスの投入による効果を十分に得ることができない場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

また、開発に際しては、徹底した工数計画、工数管理及び品質管理を行っていますが、開発中における急速な技術革新や市場の要求するサービスの変化に伴う仕様の大幅な変更や予期し得ない不具合等が発生した場合には、開発工数が大幅に増加し、採算が悪化する等、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 競合他社による影響について

当社ITクラウド事業においては、大手・中小を問わず多くの企業と競合しております。また、モバイルネットワーク事業においては、法人向け営業を含め、ドコモ以外の通信キャリアの代理店のみならず、ドコモの他の代理店との競争も生じております。

そのため、競合他社との価格競争がさらに激化した場合や、競合他社の技術力やサービス力の向上により、当社のサービス力が相対的に低下した場合は、当社が提案している営業案件の失注や、販売数の減少等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(4) 特定の仕入先・取引先への依存について

当社モバイルネットワーク事業は、コネクシオ株式会社との代理店契約に基づく株式会社NTTドコモの二次代理店としてのドコモショップの運営及び携帯電話端末等の法人向け販売等であり、当社のモバイルネットワーク事業における仕入及び販売のほぼ100%がドコモブランドに依存しております。

当社の主要な事業活動の前提となるコネクシオ株式会社との代理店契約は1年毎に自動更新されますが、契約上は同社及び当社の双方とも3ヶ月前の事前告知の上解除することが可能となっているほか、以下のような事由を即時解除事由として定めております。

・いずれかの当事者が、差押、会社の整理もしくは再生・更生手続の開始、営業停止又は解散等に該当する場合及び株式会社NTTドコモの信用・名誉を失墜させる行為もしくは同社との信頼関係を著しく損なう行為を行った場合

・当社がお客様に虚偽の請求、報告を行う等の欺瞞的行為を行った場合等

その他、当社に経営主体又は大幅な株主構成の変更があった場合であって、代理店業務遂行が困難と判断されるときは、書面による事前の通知をもって解除できる旨を定めております。

なお、当社は株式会社NTTドコモ及びコネクシオ株式会社とは良好な関係を維持しており、提出日現在において解除事由等は生じておりませんが、上記契約が解除・解約等により終了した場合や、当該契約の内容が大幅に変更された場合は、当社モバイルネットワーク事業の存続に支障が生じ、当社の業績に影響を与える可能性があります。

株式会社NTTドコモの二次代理店としてのドコモショップの運営は、一次代理店であるコネクシオ株式会社を通して行い、その対価としてコネクシオ株式会社から手数料等を収受しております。そのため、受取手数料等の金額、受取対象期間、受取対象となるサービス業務の内容、通話料金に対する割合等の取引条件は、株式会社NTTドコモやコネクシオ株式会社の事業方針等により変更される可能性があり、今後大幅な取引条件等の変更が生じた場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。

また、上記のとおりドコモブランドに依存しているため、株式会社NTTドコモがドコモショップ運営に関する方針、料金プラン、広告宣伝方針等の事業上の施策を変更した場合、並びにドコモブランドのイメージの悪化その他の原因により他の通信キャリアに比してドコモブランドの魅力が相対的に低下した場合、他の通信キャリアやMVNO事業者との競争激化・SIMロック解除等による通信キャリア間のシェアの変化等、株式会社NTTドコモの戦略・事業計画の変更やドコモブランドの動向等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(5) 業績の変動について

当社ITクラウド事業においては、通信システムの施工等の事業を行っていることから、工事の進捗や検収時期の集中によって収益が偏重することがあります。このため、特定の四半期業績のみをもって当社の通期業績見通しを判断することは困難であります。

なお、平成28年12月期の当社業績は以下のとおりであります。

(単位:千円)

 

第53期事業年度
(自  平成28年1月1日  至  平成28年12月31日)

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

通期

売上高

2,713,977

1,965,075

2,118,729

2,512,701

9,310,484

営業利益

293,568

114,270

111,778

62,639

582,258

経常利益

294,073

117,627

115,293

61,206

588,201

 

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(6) 人材の確保と育成について

当社は、顧客に対して最適な商品やサービスを提供できる戦力となる人材を確保するため、優秀な人材の獲得、社員教育の徹底や必要な資格取得等、一定水準以上のスキルを有し、当社事業の発展に貢献する人材の育成を行っております。

しかしながら、人材の確保や育成が当社の計画どおりに進捗しない場合、あるいは優秀な人材が多数離職してしまう場合には、顧客へのサービス提供が十分に行えず、その結果、営業案件失注や来店・販売台数の低下等の発生により、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 法的規制等について

当社ITクラウド事業では、電気通信事業法、建設業法、放送法等の関連法規の規制を受けており、これらを遵守しておりますが、これらの法令違反が生じた場合や、法的規制が追加・変更された場合は、当社の事業に影響を与える可能性があります。

また、近年、インターネット関連事業を規制する法令は徐々に整備されており、今後新たな法令等の規制や既存法令等の解釈変更等がなされた場合には、当社グループの事業が制約を受ける可能性があり、その場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 情報漏洩に関するリスクについて

当社では、業務に関連して多数の個人情報及び企業情報を保有しております。当社は、情報管理に関する全社的な取り組みとして、個人情報保護方針の公表、情報リスク管理規程をはじめとする諸規程を制定するとともに、社内教育による情報管理への意識向上等の施策を実施しております。また、個人情報につきましてはプライバシーマーク認証を取得しております。

①ITクラウド事業

当社ITクラウド事業では、情報資産の漏洩や改ざん、不正利用等を防ぐため、財団法人日本品質保証機構(JQA)よりISO27001情報セキュリティ適合性評価制度の認証を取得し、社内の情報資産に関しリスク分析を行い、リスクがある事項に関しては改善策を講じ、情報漏洩の防止に努めております。

しかしながら、これらの施策にもかかわらず、情報機器の誤動作や操作ミス等により個人情報や企業情報が漏洩した場合、損害賠償責任の負担、当社の社会的信用の失墜、主要パートナー企業との契約解除等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。

②モバイルネットワーク事業

当社モバイルネットワーク事業においては、株式会社NTTドコモが定める情報資産の管理方法に準拠した教育と業務監査を受け、情報漏洩の防止に努めております。

しかしながら、これらの施策にもかかわらず、操作ミスやモバイル端末の紛失等による個人情報が漏洩した場合、違約金の支払いや損害賠償責任の負担、株式会社NTTドコモ及びコネクシオ株式会社との契約解除等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(9) システム障害について

当社は、顧客へのサービス提供においては、コンピュータシステム及びそのネットワークに多くを依存しており、安全性確保に万全の体制をとるよう努めるとともに、IT事業賠償保険への加入を行い、万一のための対策も講じております。しかしながら、地震、火災等の自然災害、コンピューターウィルスの感染、サイバーテロ等に起因するシステムトラブル、また、公衆回線等ネットワークインフラの障害により当社のシステム等が正常に稼動しない状態の発生や顧客データの喪失等が生じた場合には、当社に直接損害が生じる他、当社が提供するサービスの低下や損害賠償責任の負担、当社の社会的信用の失墜、顧客企業との契約解除等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(10) 知的財産権について

当社は、ソフトウェアの開発を自社で行っておりますが、当社で開発されたソフトウェアにかかる知的財産については、アプリケーションとして販売されるソフトウェアと異なり、クラウドからのサービス提供であることから模倣されるリスクは少なく、逆に特許申請による公開を避けるため、原則として特許権等の取得はしない方針であります。これまで、当社は第三者より知的財産権に関する侵害訴訟等を提起されたことはありませんが、ソフトウェアに関する技術革新の顕著な進展により、当社のソフトウェアが第三者の知的財産権に抵触する可能性を的確に想定、判断できない可能性があります。また、当社の業務分野において認識していない特許等が成立している場合、当該第三者より損害賠償及び使用差し止めの訴えや、当該訴えに対する法的手続き諸費用の発生等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(11) 自然災害等について

①ITクラウド事業

当社の本社、事業所は、一部を除き和歌山市を中心とした和歌山県内に集中しており、東南海地方における大規模な地震、火災その他の自然災害や停電等が発生し、当社の本社や事業所が損壊した場合、当社の事業継続が困難になる可能性があります。

このため、ITクラウド事業においては、事業継続計画を策定するとともに、耐震・免震構造のデータセンターの建設や和歌山・東京・大阪の国内3地域でのバックアップセンターを設置する等、自然災害時における事業継続体制を構築しておりますが、自然災害等に起因して顧客データの喪失、インフラ麻痺等が生じ、顧客対応の遅延等当社のサービス体制に支障が生じた場合、損害賠償責任の負担、当社の社会的信用の失墜、顧客企業との契約解除等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。

②モバイルネットワーク事業

当社モバイルネットワーク事業における各店舗は、和歌山県内に集中しております。そのため、東南海地方における大規模な地震、火災その他の自然災害が発生し、各店舗が損壊した場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 販売に関する契約

相手先
の名称

相手先の
所在地

契約品目

契約
締結日

契約期間

契約内容

コネクシオ㈱

日本

ドコモショップの業務再委託

平成27年
10月1日

平成27年10月1日から
平成28年3月31日まで
以降、1年毎の自動更新

ドコモショップ業務の許諾

 

 

(2) クラウドランド株式会社及び株式会社インターマインドの吸収合併

当社は、平成28年7月28日開催の取締役会において、当社の関連会社でありましたクラウドランド株式会社(以下、「クラウドランド」という。)の全株式を取得し、子会社化することについて決議し、同日付でクラウドランドの株主との間で株式譲渡契約書を締結いたしました。
 また、平成28年10月17日開催の取締役会において、同年12月1日を効力発生日として、クラウドランド及び当社の子会社でありました株式会社インターマインド(以下、2社を総称して「対象会社2社」という。)を吸収合併することを決議し、同日付で吸収合併契約書を締結いたしました。

上記の株式譲渡契約書及び吸収合併契約書に基づき、平成28年11月30日にクラウドランドを完全子会社化し、同年12月1日に対象会社2社を吸収合併しております。

詳細は、「第5 経理の状況 2(1)財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

6 【研究開発活動】

当社は、急激に変化するビジネス環境において、顧客ニーズへの対応、顧客の企業活動の価値向上及び競合他社に対する優位性確保を目的に、急速に拡大しつつあるクラウドサービスへの対応を中心に、ITクラウド事業において既存サービスの改善、新規サービスの開発、最新技術の調査・研究等の研究開発活動を行っております。なお、研究開発費としては、調査目的等で購入するハードウェア及びソフトウェア等が計上されております。

当事業年度における研究開発費は、新サービスの開発等により、総額は90,005千円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたりましては、決算日における資産・負債及び事業年度の収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要としております。当該見積りに際しては、過去の実績や状況に応じて、合理的と思われる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性により、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。

 

(2) 経営成績の分析

①売上高及び営業利益

当事業年度における売上高は9,310,484千円(前期比0.2%増)となり、前事業年度と比べ14,449千円増加しました。

ITクラウド事業におきましては、当社の主力サービスである流通食品小売業向け基幹業務クラウドサービス「@rms基幹」を始め、前事業年度に合併により取得したインターネットEDIサービス(BACREX)を含むクラウドサービスの提供拡大により、売上高は5,167,106千円(前期比4.3%増)となりました。

モバイルネットワーク事業におきましては、フィーチャーフォンの販売台数減少に加えて、「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」に基づく実質販売価格見直しの影響による来店客数の減少傾向が続き、携帯電話端末販売台数が前事業年度を下回り、売上高は4,143,377千円(前期比4.5%減)となりました。

売上原価は、6,512,748千円(前期比0.1%増)と、携帯電話端末販売の減少に伴いモバイルネットワーク事業売上原価136,016千円減少したものの、合併による人員増及び定期昇給に伴う労務費の増加等によりITクラウド事業売上原価が141,283千円増加したことにより、前事業年度と比べ5,266千円増加しました。

この結果、当事業年度の売上総利益は、2,797,735千円(前期比0.3%増)となり、前事業年度と比べ9,182千円増加しました。

販売費及び一般管理費は、2,215,477千円(前期比7.9%増)となり、前事業年度と比べ161,878千円増加しました。主な要因は、タイムスタンプやAI等への積極的な投資により研究開発費73,080千円増加、合併及び定期昇給により給料及び賞与22,918千円増加、並びに事業譲受・合併等によりのれん償却額が17,214千円増加したこと等によるものです。

この結果、当事業年度の営業利益は582,258千円(前期比20.8%減)となり、前事業年度と比べ152,695千円減少しました

②営業外損益及び経常利益

営業外収益は、20,358千円(前期比31.6%減)となり、前事業年度と比べ9,384千円減少しました。主な要因は、違約金収入6,580千円減少店舗改装等支援金収入2,040千円減少したことによるものです。

営業外費用は、14,415千円(前期比61.8%減)となり、前事業年度と比べ23,319千円減少となりました。主な要因は、株式公開費用が18,464千円減少支払利息2,250千円減少したことによるものです。

この結果、当事業年度の経常利益は588,201千円(前期比19.1%減)となり、前事業年度と比べ138,760千円減少となりました。

③特別損益及び税引前当期純利益

特別利益は、18,294千円(前期比110.2%増)となり、前事業年度と比べ9,592千円増加となりました。これは固定資産売却益8,702千円減少したものの、子会社合併に伴う負ののれん発生益12,266千円計上したことによるものです。

特別損失は、47,877千円(前期比669.6%増)となり、前事業年度と比べ41,656千円増加となりました。主な要因は、関係会社株式評価損6,049千円減少したものの、自社開発ソフトウェア等にかかる固定資産除却損47,707千円増加したことによるものです。

この結果、税引前当期純利益は558,618千円(前期比23.4%減)となり、前事業年度と比べ170,823千円減少となりました。

④法人税等(法人税等調整額を含む)及び当期純利益

法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)を224,833千円を計上した結果、当期純利益は333,785千円千円(前期比22.1%減)となり、前事業年度と比べ94,908千円減少となりました。

 

(3) 財政状態の分析

当事業年度末の総資産は5,419,761千円となり、前事業年度末に比べ254,820千円増加しました。

流動資産は、95,553千円の減少となりました。これは主に売掛金が62,607千円、商品が33,585千円、流動資産のその他に含まれる差入保証金が23,734千円減少したことと、前払費用が41,886千円増加したことによるものです。

固定資産は、350,373千円の増加となりました。これは主にデータセンター設備の取得等により工具、器具及び備品が186,681千円、@rms関係の開発及びバージョンアップ等によりソフトウエア仮勘定が114,923千円、ドコモショップ岩出店の隣地の購入に伴い土地が55,881千円、データセンター設備の取得による保守契約料の増加等により長期前払費用が21,039千円増加したことと、償却等により建物が32,270千円、繰延税金資産が10,715千円減少したことによるものです。

負債は、29,736千円の減少となりました。これは主に返済により長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が50,004千円、流動負債のその他に含まれる未払消費税が49,641千円、未払法人税等が26,818千円減少したことと、未払金が57,822千円、前受収益が31,328千円増加したことによるものです。

純資産は、284,556千円の増加となりました。これは主に当期純利益等により利益剰余金が269,893千円、新株予約権が14,727千円増加したことによるものです。

 

(4) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ5,997千円減少し、475,838千円となりました。

なお、減少額には子会社との合併に伴う現金及び現金同等物の増加額83,768千円を含んでおります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは763,719千円の資金の増加(前事業年度は、903,478千円の資金の増加)となりました。資金の増加の主な要因は、税引前当期純利益558,618千円、減価償却費279,569千円、売上債権の減少額106,801千円となっております。資金の減少の主な要因は、法人税等の支払額237,066千円、前受金の減少額27,827千円となっております。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは714,332千円の資金の減少(前事業年度は、419,197千円の資金の減少)となりました。資金の減少の主な要因は、有形固定資産の取得による支出356,871千円、無形固定資産の取得による支出271,698千円、関係会社株式の取得による支出67,240千円、事業譲受による支出62,500千円となっております。資金の増加の主な要因は、敷金及び保証金の回収による収入31,729千円となっております。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは139,153千円の資金の減少(前事業年度は、461,235千円の資金の減少)となりました。資金の減少の主な要因は、配当金の支払額63,812千円、長期借入金の返済による支出50,004千円、短期借入金の純減額27,444千円となっております。

 

 

(5) 経営戦略の現状と見通し

IT業界においては、クラウドビジネスが急速に成長してきており、顧客が必要とする様々な機能をクラウド上で連携し、安価で高品質なサービスを提供することが、当社の事業の優位性につながると考えております。当社の提供するクラウドサービス群を基盤としたサービスの拡充を図るとともに、各事業分野でのシェア拡大により収益基盤の強化を図ってまいります。

携帯電話販売業界においては、他の通信キャリアや異業種からの新規参入企業とのさらなる競争激化が予想される中、ホスピタリティの向上が、新規・既存顧客の確保による販売台数の増加、及び定常的なインセンティブ獲得につながるものと考えており、当社店舗スタッフのスキルアップに継続して注力してまいります。また、企業の業務用端末としてもモバイルの利用が拡大していくものと考えており、ITクラウド事業との連携を高め、新たなサービス開発等にも取り組んでまいります。

 

(6) 経営者の問題認識と今後の方針

当社は長期ビジョンに「クラウド上に大地を築こう」を掲げ、中期経営戦略として安心、安全、低価格で高品質なクラウドサービスを積極的に展開していくこととしております。

当社の事業領域であるクラウドサービス分野は、情報セキュリティや災害対策としてのBCP(事業継続計画)の観点から、企業や自治体においてクラウドサービスを活用する需要が高まるとともに、今後ますます市場の拡大が予測されます。

当社のセグメント利益においては、ITクラウド事業の構成比が高まりつつあり、当社が今後持続的な成長を遂げるには、クラウドサービスの安定性及び継続性を高めるとともに、顧客が必要とする機能をクラウド上で連携し、安価で高機能なサービスの拡充を図っていくことが必要であると認識しております。

当社といたしましては、ITクラウド事業の成長を中長期的な重点戦略として位置付け、成長実現のための投資を積極的に検討・実施していく方針であり、従前にも増してインターネット関連のソフトウェア開発技術の蓄積及び優秀な人材の確保と育成により、サービス品質の向上と顧客の信頼確保に努めてまいります。