文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
今後の経済情勢につきましては、引き続き新型コロナウイルス感染症の収束時期に不透明感が残り、国内外経済の回復の遅れや危機対応における各国の財政政策を背景とした債務拡大が懸念され、景気は依然として厳しい状況が続くと予想されますが、このような状況下においても、中期経営計画における3つのコア事業(EC物流事業、低温食品物流事業、BCP物流事業)を通じ、引き続き環境変化に強い社会インフラとしての物流基盤の構築に継続的に取り組むと共に、持続的な成長の実現に努めてまいります。
(1) 会社の経営の基本方針
国内物流需要は、少子高齢化の進行やグローバル競争による生産拠点の海外移転などにより、縮小傾向にあります。一方、物流業界では、規制緩和によって急増した約6万社が生き残りを懸けて品質向上とコストダウンを競い合い過当競争の様相を呈しております。
このような厳しい環境のもとで、競争に勝ち残り、成長を維持するためには、3PL事業に特化した規模の拡大及び将来の労働人口減少を見据えた人材確保並びに車両ネットワークの構築が重要であると考えます。このため当社グループは、EC・常温物流、食品物流、医薬・医療物流への経営資源の集中とそれを支えるグループ経営基盤整備を推進し、どこにも真似のできない3PL企業集団を目指してまいります。
① 3PL事業の拡大と「ECラストワンマイル当日お届けサービス」及び「輸送ネットワーク」の基盤構築へ経営資源を集中
企業の物流機能を包括的に受託する3PL事業の拡大と「ECラストワンマイル当日お届けサービス」及び「輸送ネットワーク」を提供する基盤構築に全力をあげてまいります。3PL事業では、業種・業態、商品別に物流機能の整備を進めるとともに物流施設開発、ローコストオペレーション体制を確立し、当社グループの得意分野である低温食品物流や医薬・医療物流に加え、成長し続けるEC物流に対する営業開発に取り組みます。「ECラストワンマイル当日お届けサービス」では、高いお届け品質を目指した管理面の強化と拡大するEC市場に対応すべく、車両の安定確保と新たなデリバリーモデルに取り組み、新たな社会インフラとしての当日お届けサービスが提供できる強固な事業基盤づくりに努めてまいります。また、ドライバーの積極採用と輸送拠点の開発・管理体制の強化に取り組み、BCP物流を含めたあらゆるニーズに対応する「輸送ネットワーク」の実現を目指します。
② グループ経営基盤整備
人材・車両の管理レベルを高め、顧客のコストダウン要請に対応できるローコストオペレーション体制の構築に取り組むとともに不採算事業を根本から見直します。また、高齢化及び労働人口減少の進行を見据えた人材確保及び稼働車両不足解消のため、新卒の積極的な採用活動を推進すると共に、「AZ-COM丸和・支援ネットワーク」を設立し、パートナー企業との連携による安定した輸配送体制を構築し、厳しい環境の変化に対応できるグループ経営基盤づくりに努めてまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、経営の基盤となる財務力・収益力の継続的な改善と、利益向上に見合った利益還元を行うための指標として、以下の指標を安定的に維持していくことを目標としています。
① 自己資本比率:45%以上
② 売上高経常利益率:8%以上
③ ROE:15%以上
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループの持続的な成長を実現するためには、物流企業間の連携強化、社会インフラとしての物流ネットワークの構築が必要不可欠であると捉えております。引き続き顧客へのサービスレベルを向上させ、クオリティの高い物流システムの構築を目指すと共に、更なる事業領域を拡大するため物流プラットフォームビジネスを展開すべく、「3PL&プラットフォームカンパニー」をコンセプトとし、「人材の確保及び育成」「先端技術の研究・活用」「新たな市場開発」に傾注し、持続的成長の実現に努めてまいります。中期重点施策は、以下のとおりです。
① オールリクルート体制による人材の確保と優秀な「人財」の育成
企業の活性化と人材不足の回避の観点から、オールリクルート体制を推進し、新卒社員をはじめとした多様な人材の積極採用を推進すると共に、タレントマネジメントによる人材の最適な活用による職場の生産性改善と勤労意欲の増進による定着率向上に取り組みます。また、当社独自の教育システムを見直し、「人財」育成の更なる強化を図ります。
② EC市場における独自のラストワンマイル配送網の構築と起業家モデルの展開
成長著しいEC市場において、ラストワンマイル物流の規模拡大と利益創出を実現すべく、新規配送拠点の開設により独自のラストワンマイル配送網の構築に傾注すると共に、人材・車両の確保を積極的に展開すべく、当社社員及び個人事業主「MQA(Momotaro・Quick Ace)」の開業を支援する仕組みを更に発展させ、売上保証等により、軽貨物輸送業界のイメージを刷新してまいります。
③ 低温食品物流事業における「AZ-COM7PL」の機能拡張
低温食品物流のノウハウを集約した7つのサービスメニュー「AZ-COM7PL」(アズコム セブン・パフォーマンス・ロジスティクス/7つの経営支援機能を付加した3PL)について、物流品質の均質化とサプライチェーン領域の垂直統合により更なる機能強化を図ってまいります。
また、当社の強みである高品質なコールドチェーンを活かし、海外市場の開拓に取り組みます。
④ 先端技術を駆使した革新的なロジスティクスモデルセンターの構築
ICT(情報通信技術)を駆使した物流革新を目指して積極的な研究開発に取り組み、省人化・無人化や、サプライチェーン領域内の標準化(コネクテッド・ロジスティクス)、物流企業間のデータ・リソースの共有化(シェアリング・ロジスティクス)が実現された革新的なロジスティクスモデルセンターの構築に取り組みます。
⑤ 「AZ-COM丸和・支援ネットワーク」による物流基盤(プラットフォーム)の発展
深刻化する人材・稼働車両不足と新たな顧客ニーズに対応するため、「AZ-COM丸和・支援ネットワーク」をより発展させ、パートナー企業との相互扶助に基づく連携により人材と車両を確保・共有し、平常時のみならず非常時においても安全・安心・安定した物流を提供すべく、BCPネットワークをはじめとする社会インフラとしての物流基盤の構築に努めてまいります。
(4) 対処すべき課題
当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を受け、国内外における政治・経済情勢への懸念が払拭されておらず、今後も先行き不透明な状況が続くものと思われます。また、少子高齢化による労働人口の減少も大きな課題となってきております。
このような状況のもと、当社といたしましては、経営資源の集中による効率化と更なるコスト削減を図り、顧客のあらゆるご要望にお応えできるよう、業務改革や社員一人ひとりの意識・行動変革に取り組んでまいります。また、人材及び稼働車両不足等の問題の解決に努めると共に、当社グループの採用活動の強化を継続し、業容拡大に対処できる人材の確保を図ってまいります。主な施策としましては、以下のとおりとなります。
① 営業体制の強化
新規顧客を獲得するため、営業ターゲットを絞り込み、引き続き顧客に密着した集中営業活動を展開し、いち早く顧客のニーズを収集し、ニーズに見合う物流改善提案を行うことで、新規顧客の開拓及び既存顧客の業務シェア拡大に努めてまいります。
② 業務体制の強化
日々変動する顧客の物量動向を注視し、人員配置や効率的な配車などきめ細かな経費コントロールと業務効率の改善を目的とした「日次決算マネジメント」を全社で完全実施することで、あらゆる環境変化に即座に対応が出来る安定した収益基盤の構築に努めてまいります。
また、顕在化している人材及び稼働車両不足等の諸問題を解決すべく、「AZ-COM丸和・支援ネットワーク」の会員規模拡大に努め、パートナー企業との連携強化による安定した輸配送体制の構築と人材の確保に引き続き取り組んでまいります。
③ 採用活動の強化
労働人口の減少が進行する中、今後の事業拡大のためには、各事業領域における人材の確保が必要不可欠となります。このため、全社オールリクルート体制の推進を図り、全国の大学、高校における就職窓口とのコミュニケーション強化と採用担当社員の増員を図り、優秀な人材を確保できるよう取り組んでまいります。
④ 管理体制の強化
社会から信用・信頼される企業づくりのため、法令遵守はもとより、内部管理体制やリスク管理体制の強化に努め、企業倫理に則った行動の徹底に努めることで、健全な企業経営を推進してまいります。
また、政府が推進する「働き方改革」を背景に「働き方改革推進委員会」を組織し、長時間労働の抑制、雇用格差の是正、労働生産性の向上などの労働環境の改善に取り組むことで、全ての従業員がやりがいを持って活き活きと活躍できる職場づくりに取り組んでまいります。
⑤ 安全対策の強化
物流会社としての社会的責任を果たすため、デジタル・タコグラフ、ドライブレコーダーをはじめとする最先端の輸配送管理システム(TMS)を導入するとともに、作業の安全確保や交通事故の防止などの更なる安全強化対策に取り組んでまいります。また、エコドライブの推進や車両・施設における環境負荷軽減など、環境保全に対しても積極的に取り組んでまいります。
⑥ より実効性の高いガバナンス体制構築
より実効性の高いガバナンス体制構築に向け、独立社外取締役を構成員に含む「指名・報酬委員会」を設置し、取締役候補者の選任プロセス及び取締役の報酬決定プロセスに係る諮問・答申を行うとともに、取締役会の機能の向上を目的とした取締役会実効性評価を実施することで、経営の透明性・客観性の確保とコーポレート・ガバナンスの一層の強化に取り組んでまいります。
⑦ DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進
激変する経営環境に適応し、競合他社との厳しい競争に勝ち抜いていくため、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進する専門部署を設置し、集中オペレーションによる業務の自動化やAI配車・物量予測の研究・導入など、先端技術による業務の効率化と物流品質の向上を実現すべく、社会インフラとしての物流事業の変革を更に加速してまいります。
⑧ サステナビリティの推進
当社の経営理念である「地域社会の発展と豊かな社会づくりへの貢献」に基づき、事業活動を通じた環境課題・社会課題の解決を図るべく、持続可能な社会の実現に向け、社会インフラとしての物流ネットワークの構築とライフラインの確保に取り組んでまいります。
当社グループの事業等のリスクで投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、リスクの重要性及び喫緊性を考慮し、優先順位を設けた上で、特に重要なリスクとして以下のようなものがあります。
当社グループは、これらのリスクを適切に把握し、迅速に対応するため、取締役副社長執行役員を委員長とし、常勤取締役及び執行役員等を委員とするリスク管理委員会を設置しております。リスク管理委員会では当社グループにおけるリスク管理方針や抽出したリスクの状況把握及び施策等を決定し、定期的に取締役会にて報告をしております。
リスク管理委員会を中心として、これらのリスクの発生を十分に認識した上で、発生を極力回避し、また発生した場合には迅速かつ適切な対応に努めてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
①コンプライアンスに関するリスク
当社グループは、貨物自動車運送事業法をはじめとする各種法令による規制を受けており、各事業にかかる主要な許認可等は以下のとおりとなります。同時に、会社法、金融商品取引法その他様々な法律、規制、条例等の規制の適用を受けております。
当社グループでは、コンプライアンス経営を最重要課題として認識し、基本方針である「丸和グループ行動憲章」「行動ルール」を制定し、当社グループ一丸となって法令遵守体制を推進しており、役職員への教育研修を随時実施し、企業倫理の向上及びコンプライアンス体制の強化に努めております。
現時点におきましては、当該免許の取消事由は発生しておりませんが、将来、各種法令に違反した事実が認められた場合、監督官庁より車両運行の停止、事業の停止、許可の取り消しや罰金等の処分を受ける場合があります。また、今後においての各種法令等の違反が発生した場合、当社グループの企業イメージの低下や発生した損害に対する賠償金等の費用負担が生じる可能性があり、これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
主要事業の許認可等の概要
|
許認可等の名称 |
法律名 |
監督省庁 |
有効期限 |
取消事由 |
|
一般貨物自動車運送事業 |
貨物自動車運送事業法 |
国土交通省 |
期限の定めなし |
同法第33条 |
|
第一種貨物利用運送事業 |
貨物利用運送事業法 |
国土交通省 |
期限の定めなし |
同法第16条 |
|
第二種貨物利用運送事業 |
貨物利用運送事業法 |
国土交通省 |
期限の定めなし |
同法第33条 |
|
倉庫業 |
倉庫業法 |
国土交通省 |
期限の定めなし |
同法第21条 |
|
産業廃棄物収集運搬業 |
廃棄物の処理及び清掃に関する法律 |
環境省 |
許可後5年間 |
同法第14条の3の2 |
|
貨物軽自動車運送事業 |
貨物自動車運送事業法 |
国土交通省 |
期限の定めなし |
同法第36条第2項 |
②大口取引先の変動のリスク
当社グループでは、物流機能の一括受託(3PL)を主たる事業としているため、特定の取引先に対する依存度が高くなる傾向にあります。当社グループとしましては、販売先の多様化に努めるとともに、これらの取引先と良好な信頼関係を構築し、安定した成長を目指してまいります。
当社グループでは従来より顧客毎に異なるニーズにきめ細かく対応することにより、差別化を図ってきており、今後も競争力の維持・強化に向けた様々な取り組みを進めてまいります。現時点において、大口取引先との関係は良好に推移しておりますが、予期せぬ事象による取引契約の変更、契約解消等が生じた場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③原油価格の高騰のリスク
当社グループは、貨物自動車運送事業を行っております。原油価格の高騰に伴い軽油燃料価格が上昇した場合には、運送コストの増加は避けられません。このため当社グループでは燃料業者と良好な関係を維持し、価格交渉を行うと同時にインタンク設備の設置を順次全国へ進めており、軽油燃料における調達コスト低減を実施しておりますが、価格交渉の不調や運送コスト相当分を運賃に転嫁できない場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④重大な事故の発生のリスク
当社グループは、貨物自動車運送事業を営む上で多くの事業用車両を保有し、多種多様な製品の輸配送を行っております。万一重大な車両事故又は貨物事故が発生した場合には、顧客の信頼及び社会的信用が低下するとともに、事業所の営業停止、事業許可の取消しなどの行政処分を受ける可能性があります。このため当社グループでは安全対策・車輌部を中心として、巡回指導による運行管理の徹底、事故防止勉強会の開催、各事業所に配置・任命したセーフティ・アドバイス・リーダーにより、安全運転の指導等に積極的に取り組んでおりますが、これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤重大な災害の発生のリスク
当社グループは、数多くの物流センターを運営し、顧客企業の製品やそれらに関わる情報を取り扱っております。火災・地震・風水害などの災害や停電の発生等により、輸配送経路の遮断、物流システム停止等の事態が発生した場合、業務の停滞を招く可能性があります。このため当社グループでは災害の未然防止に関する取組みや災害発生時における対応方法として、過去の災害などの経験を活かし、本社を始めとする事業所毎に策定している事業継続計画(BCP)に基づく行動(吉川本社の代替機能、物流センター出荷拠点の変更等)や発生時における「災害対策室」や「災害対策準備室」の速やかな設置等の対策に取り組んでおりますが、これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑥情報システム管理に係るリスク
当社グループは、各種物流サービスの提供に際し、機密情報や個人情報等を取扱っており、物流センターにおける情報管理はシステム化をしております。当社グループでは情報システム部を中心に「情報セキュリティ・ポリシー」に基づき、社内教育を通じてセキュリティに対する意識の強化や個人情報管理の徹底などに努めると共に、セキュリティ対策やバックアップセンター機能の構築、サーバールームへの非常用発電機の配置などシステムダウンへの対策を講じております。しかし、情報の外部漏洩やデータ喪失などの事態が生じた場合、当社グループに社会的信用の低下を招くだけでなく、損害賠償請求を受ける可能性があります。また、自然災害の他、コンピュータウイルスやハッカー行為等により、長期間に亘るシステムダウンを余儀なくされた場合には、これらの事象は当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑦設備投資に係るリスク
当社グループの物流事業運営上、物流センターは重要な設備であり、継続的に事業を拡大していくためには、取引先数及び商品取扱量の増加に合わせた物流センターの新設・拡張などの設備投資が必要となります。しかしながら、大規模な設備投資を行った場合、本格的な稼動に至るまでに一定の期間を要することにより、費用が先行的に発生する可能性があります。
当社グループでは、大型設備の投資を行う際には、検証機関として投資委員会を設置し、十分な審議・検討を行うと同時に、定期的に取締役会が審議状況の報告を受けることで状況の把握に努めています。
現在、当社グループでは、本社所在地である埼玉県吉川市の東埼玉テクノポリスの拡張をはじめ、物流センター建設用地(農地含む)を先行取得しております。しかしながら、許認可取得や用地買収交渉の遅延等により設備投資が計画どおりに進まない場合や受注機会の喪失等により計画が予定どおり実現できない場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑧資金調達のリスク
当社グループは、物流センターの増設などの設備投資を継続しており、主に金融機関からの借入金を充当しており、2021年3月31日現在の有利子負債は27,496百万円となっております。現時点では金融機関との関係が良好であることから必要な資金の新規調達に懸念はございませんが、将来、経営成績の急激な悪化や社会環境及び金融情勢の大きな変動等、何らかの理由により金融機関との関係が悪化するなどして資金調達に支障が生じた場合には、これらの事象は当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。このため当社グループでは、資金調達方法の多様化を図ることで当該リスクの低減に努めております。
⑨環境に関する規制のリスク
当社グループは、大気汚染、水質汚濁、土壌・地下水汚染、有害物質の取扱い・除去、廃棄物処理などを規制する様々な環境関連法令の適用を受けています。このため当社グループでは多数の事業用車両を保有していることから、運転職に従事する従業員についてはエコドライブの研修を受講することで日常より燃費向上は当然のこと、
CO2排出量削減に留意した運転を心がける様、運行管理者を中心として指導を行っております。また、廃棄物処理においては、当社グループが行っております産業廃棄物収集運搬業を通じたネットワークにより信頼できる処理業者へ委託を行うこととしており、当社グループは各種法令に細心の注意を払い事業活動を行っていますが、今後において、法改正等による環境に関する規制の強化や費用負担の増加又は、過去・現在及び将来の事業活動における賠償責任等が発生した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑩人材の確保及び育成リスク
当社グループは、今後更なる業容拡大に対応するため、新卒・中途採用共に継続した人材の確保及びその育成が急務となっております。このため新卒採用においては、インターンシップの実施やオールリクルート体制による積極的な採用活動を行うことにより、優秀な人材の確保に努めるとともに、定期的な面談やジョブローテーションの実施、教育研修制度の充実を図ることで、やりがいのある職場環境づくりを進め、将来の管理者の育成に注力しております。しかしながら、今後人材獲得競争の激化に伴う求人の増加等により、計画どおりの人材の確保が困難となった場合や、在職する人材の社外流出が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑪経営陣の確保及び育成リスク
当社グループ役員は、各担当業務分野において、重要な役割を果たしております。これら役員が業務執行できなくなった場合、並びに今後において重要な役割を担う人材を確保できなくなった場合には、当社グループの業績及び経営体制に影響を及ぼす可能性があります。このため当社グループでは、次世代の経営者育成に向けた各種教育研修を実施すると同時に、幹部候補者より子会社の非常勤役員を選出し、経験を積ませるなどの方策を実施することで、日頃より後継者の育成に努めております。
⑫新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるリスク
当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、新型コロナウイルス対策本部を設置しており、検温実施、マスクの着用、手指の消毒にはじまり、WEB会議等の活用による会議・研修等における参加人数の制限並びに出張の自粛や多人数での会食禁止、一部時差出勤・在宅勤務の導入等の各種対策の実施により、感染拡大に留意した事業活動の徹底をしております。しかしながら、収束は依然として不透明であり、当社物流センター及び本社施設にて集団感染が確認された場合、顧客企業の物流や本社機能が停止し、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(1)業績等の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大により国内外の社会・経済活動が停滞・縮小するなか、政府の各種経済政策の効果により一時は景気回復の兆しが見られたものの、12月以降の感染再拡大により未だ予断を許さない状況にあります。また、海外においても感染症収束の兆しは見られず拡大を続けており、入国制限によるインバウンド需要の喪失は回復には至らず、先行きは依然として不透明な状況となっております。
物流業界におきましては、感染症の影響による巣ごもり需要・内食需要など、一部に活発化の動きは見られたものの、生産活動の停滞や個人消費の落ち込みにより国内貨物輸送量は総体的に低調であり、依然として厳しい経営環境で推移しております。
このような環境のもと当社グループは、前期よりスタートした中期経営計画において「3PL&プラットフォームカンパニー」をコンセプトに掲げ、「人材の確保及び育成」「先端技術の研究・活用」「新たな市場開発」に取り組んでまいりました。また、現下の状況においても、当初の施策を継続的に取り組むと共に、EC物流事業、低温食品物流事業、BCP物流事業を感染症終息後を見据え、社会インフラとなるコア事業として更に推進することといたしました。
EC物流事業では、成長市場における独自のラストワンマイル配送網の構築及び個人事業主「MQA(Momotaro・Quick Ace)」を開業支援する仕組みを発展させ、低温食品物流事業では当社のサービスメニュー「AZ-COM7PL」(アズコム セブン・パフォーマンス・ロジスティクス/7つの経営支援機能を付加した3PL)による物流品質の均質化と機能拡張に取り組み、中でも鮮度を売り物とする「産直」の強化を図り、スーパーマーケットへの経営利益支援を行っております。一方、平常時のみならず災害等の非常時にも安全・安心・安定した物流を提供するBCP物流事業を強化・育成すると共に「AZ-COM丸和・支援ネットワーク」におけるパートナー企業との相互扶助に基づく連携強化により、物流事業を通じたライフラインの確保に貢献してまいりました。加えて、新型コロナウイルス感染症による環境変化に適応すべくDX(デジタル・トランスフォーメーション)をより一層加速させております。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度における経営成績は、売上高112,113百万円(前年同期比14.0%増)、営業利益8,019百万円(同11.5%増)、経常利益8,262百万円(同11.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5,536百万円(同14.9%増)の増収増益となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであります。
なお、セグメント別の売上高は連結相殺消去後、セグメント利益は連結相殺消去前の数値を記載しております。
① 物流事業
<EC・常温物流>
日用雑貨を中心とするEC・常温物流においては、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う消費行動の変化により、「ECラストワンマイル当日お届けサービス」の需要が堅調であることに加え、新たに受託した3PL業務や輸配送業務が順次業績に寄与した結果、売上高は46,077百万円(前年同期比22.5%増)となりました。
<食品物流>
低温食品を中心とした食品物流においては、取引先である食品スーパーマーケットにて、外出自粛傾向に伴う内食需要の高まりを受けた物量増加が業績に寄与した結果、売上高は44,793百万円(前年同期比13.6%増)となりました。
<医薬・医療物流>
医薬・医療物流においては、主要取引先であるドラッグストアをはじめとする既存取引先にて、マスクや除菌関連などの感染予防商品や巣ごもり需要の拡大が見られたものの、入国制限によるインバウンド需要の落ち込みに伴う物量減少が影響した結果、売上高は20,283百万円(前年同期比0.4%減)となりました。
利益面では、取引先における大幅な物量変動に対し、適正な車両手配及び人員配置等、日次決算マネジメントを強化した結果、物流事業における売上高は111,154百万円(前年同期比14.1%増)、セグメント利益(営業利益)は7,739百万円(同12.0%増)の増収増益となりました。
② その他
文書保管事業においては、テレワーク等の推進による企業活動の変化を受け、取引先からの受注減少が影響したものの、既存取引先との取引拡大や新規取引先からのBPO(ビジネスプロセス・アウトソーシング)に係る案件の受託に努めた結果、売上高は959百万円(前年同期比2.2%増)の増収となりましたが、投資による費用の増加が影響し、セグメント利益(営業利益)は279百万円(同0.6%減)の減益となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
流動資産は、現金及び預金が17,947百万円、受取手形及び売掛金が1,318百万円増加したこと等により、19,570百万円増加し40,004百万円となりました。
固定資産は、建設仮勘定が1,630百万円、投資有価証券が1,494百万円、建物及び構築物が630百万円、敷金及び保証金が547百万円、のれんが500百万円増加したこと等により、5,197百万円増加し33,187百万円となりました。
(負債)
流動負債は、リース債務が103百万円減少した一方で、未払金が1,094百万円、支払手形及び買掛金が730百万円、賞与引当金が359百万円増加したこと等により、2,448百万円増加し18,862百万円となりました。
固定負債は、転換社債が21,026百万円、長期借入金が1,202百万円増加したこと等により、22,939百万円増加し28,620百万円となりました。
(純資産)
純資産は、利益剰余金が3,621百万円、その他有価証券評価差額金が747百万円増加した一方で、自己株式が5,146百万円増加(純資産の減少)したこと等により、619百万円減少し25,708百万円となり、自己資本比率は35.1%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前年同期末と比べ17,434百万円増加し、新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額511百万円を加味した結果、26,482百万円となりました。各キャッシュ・フローの主な増減要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
主な内訳として、法人税等の支払額2,875百万円の資金が減少した一方で、税金等調整前当期純利益8,262百万円が増加したことにより、営業活動によるキャッシュ・フローは7,970百万円の増加(前年同期は7,113百万円の増加)となりました。なお、前年同期より857百万円増加した主な要因は、業容の拡大に伴い売上高及び利益が増加したことであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
主な内訳として、有形固定資産の取得による支出3,184百万円の資金が減少したことにより、投資活動によるキャッシュ・フローは4,576百万円の減少(前年同期は3,548百万円の減少)となりました。なお、前年同期より1,028百万円減少した主な要因は、物流センター設備を取得したことであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
主な内訳として、短期借入金の返済による支出8,200百万円、自己株式取得による支出5,316百万円の資金が減少した一方で社債の発行による収入21,100百万円、短期借入れによる収入8,000百万円の資金が増加したことにより、財務活動によるキャッシュ・フローは14,040百万円の増加(前年同期は3,459百万円の減少)となりました。
(4)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社グループは、物流事業を中核とするサービスの提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。
② 受注実績
当社グループは、物流事業を中核とするサービスの提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
物流事業 |
111,154,692 |
+14.1% |
|
その他 |
959,209 |
+2.2% |
|
合計 |
112,113,901 |
+14.0% |
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総売上高実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
||
|
販売高(千円) |
割合(%) |
販売高(千円) |
割合(%) |
|
|
アマゾンジャパン(同) |
18,671,550 |
19.0 |
26,246,854 |
23.4 |
|
㈱マツモトキヨシホールディングス |
14,504,496 |
14.7 |
14,185,525 |
12.7 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っておりますが、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、法的規制の変化、顧客の動向、人材の確保及び育成、システム障害等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは法令遵守の浸透、顧客ニーズへの対応、新たなサービス開発、優秀な人材の確保と育成、システム基盤の増強等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、傭車費、外注費、人件費等の売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新規物流センターに係る設備投資及び既存物流センター設備に係る経常的な更新、物流センター建設用地の取得等によるものであります。
当社グループは、当社及び連結子会社を対象に、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を利用し、グループ内資金の包括的管理を実施しており、連結子会社において、設備投資等に伴う大規模な資金が必要となる場合は、当社が連結子会社に長期貸付を行っております。
資金の財源につきましては、短期運転資金は当社グループ内資金及び金融機関からの借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金は、グループ内資金を活用するとともに、金融機関からの借入金及び社債にて対応しております。
また、複数の金融機関との間で当座借越契約を締結しており、必要な資金を速やかに確保する基盤を整えております。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について
中期経営計画2022(2019年4月~2022年3月)の2年目である2021年3月期の達成・進捗状況は以下のとおりとなりました。売上高については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたインバウンド需要の落ち込みや店舗休業による物量の落ち込みがあったものの、消費行動の変化や外出自粛傾向に伴い、当社グループが展開する「ECラストワンマイル当日お届けサービス」の需要が拡大したことに加え、内食需要の高まりによる食品スーパーマーケットをはじめとする3PL業務の物量増加、日本物流開発㈱の完全子会社化等が寄与し、計画を上回る結果となりました。利益面については、新たな物流センター設備や車両に対する投資に加え、労働力確保に向けた積極採用に伴うコストの増加はあるものの、日次決算マネジメントの強化による生産性向上をはじめ、積極的な事業拡大による効果もあり、計画を上回る結果となりました。なお、中期経営計画は2020年5月11日開催の取締役会にて目標数値を修正する決議をしております。
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第 48 期 2021年3月期 計画(修正後) |
第 48 期 2021年3月期 実績 |
計画比 |
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増減 |
増減率 |
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売上高(百万円) |
100,000 |
112,113 |
12,113 |
+12.1% |
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経常利益(百万円) |
7,500 |
8,262 |
762 |
+10.2% |
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経常利益率(%) |
7.5 |
7.4 |
△0.1 |
△1.3% |
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ROE(%) |
19.6 |
21.3 |
1.7 |
+8.7% |
当社は、2020年8月20日開催の取締役会において、日本物流開発㈱の発行済株式の一部取得と当社を株式交換完全親会社、日本物流開発㈱を株式交換完全子会社とする簡易株式交換を行うことを決議し、同日付で株式譲渡契約及び株式交換契約を締結いたしました。
詳細につきましては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 企業結合等関係」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。