当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「お客様第一義を基本に、サードパーティ・ロジスティクス(3PL)業界のNo.1企業を目指し、同志の幸福と豊かな社会づくりに貢献する。」という経営理念のもと、主として物流センター業務をコアとする3PL業務を行っており、その中でも小売業を中心としたEC物流、低温食品物流、医薬・医療物流に特化して事業展開を図っております。また、人材育成、最先端の知識や技術の修得、独創的なロジスティクスデザインの構築(物流の最適化)と研究開発にも取り組むことにより、お客様の経営を全面的にサポートできるロジスティクスのプロ集団として、「地域社会の発展」「豊かな社会づくり」に貢献してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、経営の基盤となる財務力・収益力の継続的な改善と、利益向上に見合った利益還元を行うための指標として、以下の指標を安定的に維持していくことを目標としています。
① 自己資本比率:45%以上
② 売上高経常利益率:8%以上
③ ROE:15%以上
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループが持続的な成長を実現するためには、当社のコアとなるEC物流、低温食品物流、医薬・医療物流の各事業ドメインにおける物量の増大への対応、深刻化する人材及び稼働車両不足の状況下における事業拡大に資する人材の確保と育成、DX化の推進と適用による省人化・省力化、生産性向上が必要不可欠であると捉えております。また、更なる事業拡大のため、限られた経営資源を適正に配分し、成長事業への集中投資と低収益事業の再生・再編による経営の効率化を図るとともに、ESG経営にも積極的に取り組み、経済的価値の最大化と社会的価値の創出の両立を目指してまいります。中期重点施策は、以下のとおりです。
① 成長市場の物流需要増大に適合したコア事業の拡大と開拓
≪EC物流事業≫
既存・新規顧客に係る高品質・高効率なサプライチェーン(センター運営・幹線輸送・ラストワンマイル)一貫物流プロセスを構築し、更なる事業の拡大を図っております。
≪低温食品物流事業≫
スーパーマーケット向けの物流ノウハウを集約したサービスメニュー「AZ-COM7PL」(アズコム セブン・パフォーマンス・ロジスティクス/7つの経営支援機能を付加した3PL)を発展させた調達ネットワークの構築、多様な輸送モードに対応した産直プラットフォームの構築、HACCP(食品の衛生管理手法)に適合した物流品質の向上に努めております。
≪医薬・医療物流事業≫
顧客企業の経営統合に合致した全国の物流ネットワークの最適化と最先端技術を駆使した物流センターの再構築に取り組んでおります。
② 事業規模の拡大に連動した要員確保の多様化と最適配置・人材育成
将来の事業拡大に必要な人材の確保と優秀な人材の育成を充たすために、従来の積極的新卒採用に加え、即戦力となる中途採用等を含む採用チャネルの多角化、事業拡大に必要なスキルと要員数に基づいた戦略的人材育成、人的資源を最大限に活用するためのタレントマネジメントによる適正配置・離職防止に取り組みます。
③ DXの積極導入による各事業ドメインとバックオフィスの業務生産性革新
前中期経営計画から継続してきた概念実証に基づき、輸配送業務のAI自動配車・求貨求車、ECプラットフォームの構築、バックオフィスのシステム統合による最適化、センター業務のロボティクス導入、SIPスマート物流(内閣府による戦略的イノベーション創造プログラム)によるサプライチェーンの最適化等、積極的なDXの導入による業務生産性革新に取り組みます。
④ 成長性と資本効率を両立する事業への経営資源の集中と事業の再生・再編
事業を通じて獲得した経営資源を最適に再投資するため、事業の成長性と投資効率を測定し、コア事業に集中的に経営資源を配分することで、事業成長の加速を図ります。また、ROICツリー展開により各事業の改善ドライバーを特定することで、低収益事業の再生と不採算事業の再編を図ります。
⑤ 事業活動を通じた社会との共有価値の創造とコーポレートガバナンス改革
プライム市場上場企業としての責務を果たすべく、物流企業としてGHG(温室効果ガス)排出量削減は勿論、事業活動を通じた環境・社会的価値の向上に努めるとともに、当社が推進する「AZ-COM丸和・支援ネットワーク」によるパートナー企業間の相互扶助に基づく連携や「AZ-COM BCPネットワーク」による発災時における安全・安心・安定した物流の提供、強靭な物流網の構築等に努め、社会の公器たる姿勢を示してまいります。
また、当社の永続的発展を実現するために、次世代を見据えたコーポレート・ガバナンス改革に取り組んでまいります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、経済活動の正常化やインバウンド需要の回復等、景気は緩やかに持ち直しの動きがある一方で、ロシア・ウクライナ問題や円安を背景とした原材料価格の高騰による物価の上昇、世界的な景気後退の懸念等、今後も先行き不透明な状況が続くものと思われます。また、労働人口の減少等、社会構造の変化も大きな課題となっております。
このような状況のもと、当社グループは環境変化に対応できる経営体制づくりが急務であると考え、2022年10月1日より純粋持株会社体制へ移行しました。純粋持株会社として当社グループの持続的な成長を可能にするため、経営資源の全体最適化を図り、顧客のあらゆるご要望にお応えできるよう、業務改革や社員一人ひとりの意識・行動変革に取り組んでまいります。また、「物流の2024年問題」をはじめとする労働環境の変化への対応や人材及び稼働車両不足などの問題解決に努めるとともに、当社グループの採用活動を強化し、業容拡大に対処できる体制の構築を図ってまいります。主な施策としましては、以下のとおりとなります。
① 純粋持株会社体制への移行に伴うグループ経営の推進
あらゆる環境変化に対応するため純粋持株会社体制に移行し、「グループ経営戦略推進機能の強化」や「責任と権限の明確化と意思決定の迅速化」、「グループガバナンスの強化」を図ることで当社グループの持続的な成長を実現してまいります。
② 営業体制の強化
新規顧客を獲得するため、営業ターゲットを絞り込み、引き続き顧客に密着した集中営業活動を展開し、いち早く顧客のニーズを収集し、変わり続ける社会環境や顧客ニーズに応える物流改善提案を行うことで、新規顧客の開拓及び既存顧客の業務シェア拡大に努めてまいります。
③ 業務体制の強化
日々変動する顧客の物量動向を注視し、人員配置や効率的な配車などきめ細かな経費コントロールと業務効率の改善を目的とした「日次決算マネジメント」を全社で完全実施することで、あらゆる環境変化に即座に対応ができる安定した収益基盤の構築に努めてまいります。
また、顕在化している人材及び稼働車両不足等の諸問題を解決すべく、「AZ-COM丸和・支援ネットワーク」の会員規模拡大に努め、パートナー企業との連携強化による安定した輸配送体制の構築と人材の確保に引き続き取り組んでまいります。
④ M&Aによる事業拡大
当社グループは、顧客ニーズの充足とともに更なる事業の拡大を図るため、経営戦略としてM&Aを推進しております。実行する場合には、投資効果の算定や、シナジーの検証、当社の企業文化に融合できるか等、総合的に勘案した上で実行してまいります。また、シナジーの創出やガバナンス強化を実現するために適切なPMI(経営統合プロセス)を実施してまいります。
⑤ 採用活動の強化
あらゆる環境が変化する中、今後の事業拡大のためには、多様な人材の確保が必要不可欠となります。このため、福利厚生の充実化や採用体制の整備・強化を図り、経営トップから新入社員まで採用活動に携わる「全社オールリクルート体制」を推進し、優秀な新規学卒者の採用と即戦力となる経験者採用により人材の確保に取り組んでまいります。
⑥ 管理体制の強化
社会から信用・信頼される企業づくりのため、法令遵守はもとより、内部管理体制やリスク管理体制の強化に努め、企業倫理に則った行動の徹底に努めることで、健全な企業経営を推進してまいります。
また、働き方改革関連法によって、2024年4月1日から「自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制」が適用されることから起こる「物流の2024年問題」については、人材を確保するとともに、人事関連制度の見直しや労働環境の更なる改善に取り組むことで、全ての従業員がやりがいを持って活き活きと活躍できる職場づくりに取り組んでまいります。
⑦ 安全対策の強化
物流会社としての社会的責任を果たすため、事故ゼロを目標として掲げ、安全担当部署による定期的な巡回指導や最先端のデジタル・タコグラフ、ドライブレコーダーの情報を活用した運転者の安全運転教育を実施し、事故撲滅への更なる安全強化対策に取り組んでまいります。また、エコドライブの推進や車両・施設における環境負荷軽減など、環境保全に対しても積極的に取り組んでまいります。
⑧ より実効性の高いガバナンス体制構築
より実効性の高いガバナンス体制構築に向け、独立社外取締役を中心に構成した「指名・報酬委員会」を設置し、取締役候補者の選任プロセス及び取締役の報酬決定プロセスに係る諮問・答申を行うとともに、取締役会の機能の向上を目的とした取締役会実効性評価を実施することで、ダイバーシティを意識した経営の透明性・客観性の確保とコーポレート・ガバナンスの一層の強化に取り組んでまいります。
⑨ DX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進
激変する経営環境に対応し、競合他社との厳しい競争に勝ち抜いていくためにDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進し、集中オペレーションによる業務の自動化やAI配車・物量予測の研究・導入等、先端技術による業務の効率化と物流品質の向上を実現すべく、社会インフラとしての物流事業の変革を更に加速してまいります。
⑩ サステナビリティの推進
サステナビリティ経営の実現により事業活動を通じて社会的責任を果たすため、中長期的な企業価値向上と持続的な成長を実現すべくマテリアリティ(重要課題)を特定し、CSV(Creating Shared Value:社会との共有価値の創造)の実現に取り組んでまいります。
(1)サステナビリティに関する考え方
当社はサステナビリティ経営の実現を重要事項と認識し、事業活動を通じて社会的責任を果たし、中長期的な企業価値向上と持続的な成長を実現すべくマテリアリティ(重要課題)を特定し、激変する環境・経済・社会の総合的な課題解決に取り組むための4つのマテリアリティテーマを設定し、CSV(Creating Shared Value:社会との共有価値の創造)を実現できる21世紀型のマネジメント体制の実現を目指しております。
(2) サステナビリティに関する取組
①ガバナンス
当社はサステナビリティに係る対応を経営上の重要課題と認識し、サステナビリティ委員会を中心とするガバナンス体制を構築するとともに、取締役会による監督を行っております。
≪取締役会による監督体制≫
取締役会は、当社のサステナビリティに関するリスクと機会に係る課題について、毎年一回、サステナビリティ委員会より取組状況や目標の達成状況の報告を受け、モニタリングします。また、新たに設定した対応策や目標を監督します。
≪サステナビリティに係る経営者の役割≫
サステナビリティに係る事項は、代表取締役社長が統括します。また、代表取締役社長はサステナビリティ委員会の委員長としてサステナビリティに関する課題が事業に与える影響について評価し、対応策の立案及び目標の設定を行い、達成状況の管理を統括します。
≪サステナビリティ委員会≫
サステナビリティ委員会は、当社のサステナビリティに係る事項を含むマテリアリティ(重要課題)の特定やESG(気候変動対策・人的資本戦略・ガバナンス等)、DX、資本コスト経営への対応を含むサステナビリティ戦略及び中期経営計画の策定について審議し、取締役会に答申します。
サステナビリティ委員会の委員長は代表取締役社長が務め、常勤取締役、取締役副社長執行役員が指名した者において構成され、サステナビリティに関する課題が事業に与える影響について、毎年一回評価を行い、識別したリスクの最小化と機会の獲得に向けた方針を示し、対応策の検討・立案及び目標の設定を行います。また、目標の達成状況を審議し、毎年一回、取締役会に報告し、監督を受けています。
≪サステナビリティに係る所管部署≫
サステナビリティ推進部は、サステナビリティ委員会の事務局を担当するとともに、サステナビリティ戦略に係る企画・立案及び管理を行い、全社的なサステナビリティに係る対応の推進を担い、サステナビリティ戦略を検討・立案し、サステナビリティ委員会に提言します。
当社グループのサステナビリティに係るガバナンス体制図は、以下のとおりです。
②戦略
a. 気候変動に係る戦略(TCFD提言に沿った情報開示)
事業活動に影響を与えると想定される気候変動リスク・機会について特定し、財務インパクトの評価を実施し、その評価結果を踏まえ、特に影響の大きいリスクの軽減ないし機会の獲得に向けた対応策を検討しております。
|
区分 |
種類 |
想定される気候変動リスク・機会 |
事業活動への影響 |
時間軸 |
評価 |
|
移行 リスク |
政策・法規制 |
GHG排出/削減に関する法規制の強化 |
炭素税や新たな税制(カーボンプライシング)導入によるコストの増大 |
中期 |
大 |
|
排ガス規制等の導入による事業活動の制限、協力会社(傭車)の減少 |
中期 |
中 |
|||
|
技術 |
GHG排出/削減に配慮した設備投資・消耗品の購買 |
低炭素車両の導入(EV/FCV)、付帯設備の投資(機器・土地)、排ガス抑制装置の増設 |
中期 |
大 |
|
|
太陽光発電設備等の導入に伴う設備投資の増加 |
中期 |
中 |
|||
|
市場 |
顧客・消費者ニーズの変化 |
気候変動に係る顧客の取引先選定基準への未適合による取引停止(売上・利益の喪失) |
長期 |
大 |
|
|
インフラ整備の不足・遅延 |
充電・水素ステーション等のインフラ整備不足による低炭素車両(EV/FCV)による事業範囲の制限 |
中期 |
大 |
||
|
地政学的リスクによる燃料価格の高騰 |
燃料(ガソリン・電気等)価格の高騰によるコストの増大 |
短期 |
中 |
||
|
評判 |
情報開示不足による企業価値毀損 |
気候変動対策・GHG排出量等の情報開示不足による株価低迷・企業価値の毀損 |
中期 |
大 |
|
|
物理 リスク |
急性 |
激甚災害の発生 |
被災エリアの物流網(トラック・鉄道・船舶等)の寸断、センター機能不全、従業員の死傷等による事業停止 |
長期 |
中 |
|
慢性 |
平均気温の上昇 |
遮熱装置・空気循環・冷房設備等の設置による新規センター開設時の建設コストの増大 |
短期 |
中 |
|
|
気象パターンの変化 |
気象災害(風水害・雪害等)による従業員の死傷、交通網の遮断、事故の多発等 |
中期 |
中 |
||
|
機会 |
資源 効率化 |
輸送手段の多様化 |
環境負荷の低い輸送手段による新たな事業機会の創出(鉄道コンテナ、RORO船、航空貨物、連結トラック、ドローン輸送等) |
長期 |
大 |
|
製造・流通プロセスの効率化 |
拠点集約やサプライチェーンの垂直統合による物流効率化による新たな事業機会の創出(SIPスマート物流、シェアリングストック、共同物流、客貨混載) |
長期 |
大 |
||
|
製品・ サービス |
新たなサービスの開発 |
災害時の車両提供、サプライチェーン復旧支援、災害備蓄品の輸送・保管、BCP策定支援等のリスク対応商品の開発 |
中期 |
中 |
b. 人的資本に係る戦略
≪人材の育成に関する方針≫
当社は、創業以来「人の成長が企業の成長」という理念の下に、特に人材育成に注力してまいりました。仕事の本質を追求し、世のため人のために働くことで周囲を幸せにできる誠実な人物を育てる「知・徳・体一体教育」に取り組み、階層別の役割や求められる能力・行動など、目指す人材像を明確化しております。
この様な人材を確保・育成するために、採用体制の整備・強化を図り、経営トップや現場の一般社員も採用活動に携わる「全社オールリクルート体制」を推進し、優秀な新規学卒者の採用と即戦力となる中途社員の採用による人材の確保に一層取り組んでおります。また、1997年に設立した社内大学校(丸和ロジスティクス大学)など、階層別・職種別の充実した研修体系の整備と各種資格取得の推進による人材育成に取り組んでまいります。
また、人材の多様化を図るべく、女性、外国人、職歴など、様々な人材の確保を継続するとともに、性差などによる差別のない平等な社内研修の受講を推進し、多様性の形成に配慮した人材育成に取り組み、組織の創造性を高めてまいります。
当社グループの人材の育成に係る教育体系図は、以下のとおりです。
≪社内環境整備に関する方針≫
当社は、従業員の自律的なキャリア形成を支援し、多様な人材が活躍できる社内環境整備に取り組んでおります。その一環として人材育成のDX化などを推進し、全従業員が主体的に学習できる環境・仕組みづくりと適切な情報提供に向けた、「人材育成プラットフォーム」の構築に取り組んでまいります。
評価・報酬制度においては、職群・資格等級制度を明文化し、従業員自らが成長を望む方向性と人事評価制度(目標設定・実践・評価)とを連動させた「人材育成マネジメントサイクル」を運用することで、多様なキャリアパス、働き方を促すとともに、従業員の経営参画意識を高め、新規事業の創出や経営理念の実現を目指してまいります。
また、従業員の多様な働き方を促進すべく、年間休日数の増加を進め、従業員のワークライフバランスを充実しやすい環境を構築してまいります。同時に育児に携わる従業員への支援活動の一環として、育児休業への理解促進を社内へ啓蒙し、育児休業取得率の向上に努めてまいります。
更に、快適な職場環境・安全配慮義務の形成のため、労働災害防止のためのプロジェクトを推進しており、現業部門と管理部門が連携しながら労働災害ゼロのための活動に取り組んでおります。加えて、安全・安心で働きやすい職場づくりのための設備投資も適宜実施してまいります。
③リスク管理
サステナビリティに係るリスクの管理は、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会にて識別・評価し、定期的に取締役会に報告しております。
≪サステナビリティに係るリスクを識別・評価するプロセス≫
サステナビリティ戦略の推進を所管するサステナビリティ推進部にて、社内の関係部署及びグループ会社に係るリスク及び機会の特定を指示し、リスクを識別し、サステナビリティ委員会に報告します。
サステナビリティ委員会は、識別されたサステナビリティに係るリスクについて評価し、重要度に応じて対応策を検討したうえで、目標を設定し、取締役会に報告します。
取締役会は、サステナビリティに係るリスクについて、対応策や設定した目標を監督します。
≪サステナビリティに係るリスクを管理するプロセス≫
サステナビリティ推進部は、サステナビリティ戦略の企画・立案及び管理を行い、全社的なサステナビリティに係るリスクへの対応を推進するとともに、取組状況をサステナビリティ委員会に報告します。また、識別したサステナビリティに係るリスクについて、リスク管理規程に基づきリスク管理委員会に報告します。
サステナビリティ委員会は、識別・評価したリスクの最小化に向けた方針を示し、サステナビリティ推進部を通じて社内の関係部署及びグループ会社に対応を指示します。また、対応策の取組状況や設定した目標の進捗状況について、取締役会に報告します。
≪組織全体のリスク管理への統合プロセス≫
定期的に開催されるリスク管理委員会にて、各リスク所管部署からの報告内容を評価し、全社リスクの把握と適切な対応を審議し、取締役会に報告します。
サステナビリティに係るリスクについてはサステナビリティ推進部を所管部署と定めて報告を受け、組織全体のリスク管理の観点から適切な対応を決定します。
取締役会は、リスク管理委員会からサステナビリティに係るリスクを含む統合したリスク管理の状況と対応について報告を受け、監督を行います。
|
機関・組織 |
機能・役割 |
|
取締役会 |
・気候変動に係るリスクの管理状況についてサステナビリティ委員会及びリスク管理委員会より 報告を受け、監督する。 |
|
サステナビリティ委員会 |
・気候変動に係るリスクを評価し、対応策を検討し、目標を設定する。 ・識別されたリスクの最小化に向けた方針を設定し、対応を指示する。 ・対応策の取組状況や設定した目標の進捗状況を取締役会に報告する。 |
|
リスク管理委員会 |
・組織全体のリスク管理の観点から対応を決定し、取締役会に報告する。 |
|
サステナビリティ推進部 |
・社内の関係部署及びグループ会社に気候変動に係るリスクの特定を指示する。 ・リスクを識別し、全社的な気候変動に係るリスクへの対応を推進する。 ・識別したリスクをサステナビリティ委員会及びリスク管理委員会へ報告する。 |
当社グループのサステナビリティに係るリスク管理プロセス図は、以下のとおりです。
④指標及び目標
a. 気候変動に係る指標と目標(TCFD提言に沿った情報開示)
気候関連リスク・機会を管理するための指標として温室効果ガス(Scope1・2・3)排出量を指標と定め、中長期的な温室効果ガス排出量削減目標を設定し、目標達成に向けて取り組んでおります。
|
項目 |
基準年 |
2022年度実績 |
目標年 |
目標値 |
|
Scope1 |
2022年度 |
40,467 t-CO2 |
2030年 |
25%削減 |
|
2050年 |
75%削減 |
|||
|
Scope2 |
2022年度 |
12,365 t-CO2 |
2030年 |
25%削減 |
|
2050年 |
75%削減 |
|||
|
Scope3 |
2022年度 |
365,083 t-CO2 |
2030年 |
25%削減 |
|
2050年 |
75%削減 |
※当社は、2022年10月1日より純粋持株会社体制に移行しております。それに伴い算定対象の変更を行ったことから基準年の設定を2022年度に変更しております。但し、各目標年度の目標値の割合は変更せず2022年度実績に対する目標値とします。
※2022年3月にファイズホールディングス㈱、同年7月に㈱M・Kロジを連結子会社化したことにより、2022年度から両社を集計対象に追加しております。
※排出量は当社グループの事業規模に応じて増減するため、基準年である2022年度の排出量を各年度の売上高に比例させた排出量をBAU(未対策のまま事業成長した場合)と位置づけ目標達成割合を計算することとします。
※現在の目標値はパリ協定の WB2℃目標に則って変更前の基準年である2020年起点で設定したものですが、今後はSBTイニシアチブの基準(1.5℃目標)を含め目標値の見直しを検討してまいります。
※2035年度までにScope3カテゴリ1に該当する主要なサプライヤーに対し、自主削減目標を設定するよう支援します。
※TCFD提言に基づく開示の詳細は、当社ウェブサイトをご覧ください。(https://www.az-com-maruwa-hd.co.jp/sustainability/)
b. 人的資本に係る指標と目標
≪人材の育成に関する指標と目標≫
|
項目 |
基準年 |
2022年度実績 |
目標年 |
目標値 |
|
1人当たり年間平均教育研修受講回数 |
2022年度 |
1.03回 |
2030年 |
1.90回以上 |
|
丸和ロジスティクス大学卒業生数 |
2022年度 |
802名 |
2030年 |
1,600名 |
|
資格保有者数① JILS認定資格 |
2022年度 |
112名 |
2030年 |
200名 |
|
資格保有者数② ビジネスキャリア検定 |
2022年度 |
824名 |
2030年 |
1,500名 |
※丸和ロジスティクス大学:1997年に設立した階層別・職種別の研修を実施する社内大学
※JILS認定資格:日本ロジスティクスシステム協会主催の認定資格
※ビジネスキャリア検定:日本職業能力開発協会(JAVADA)主催の厚生労働省が定める職業能力評価基準に準拠した検定
≪社内環境整備に関する指標と目標≫
|
項目 |
基準年 |
2022年度実績 |
目標年 |
目標値 |
|
LMS利用率 |
2022年度 |
49.60% |
2030年 |
98%以上 |
|
育児休業復帰率 |
2022年度 |
91.70% |
2030年 |
99%以上 |
|
男性の育児休業取得率 |
2022年度 |
19.80% |
2030年 |
85%以上 |
|
労働災害強度率 |
2022年度 |
0.14 |
2030年 |
0.06以下 |
|
有給休暇取得率 |
2022年度 |
72.90% |
2030年 |
80%以上 |
※LMS:Learning Management System(学習管理システム)。インターネットを通じて提供されるeラーニングを用いた人材教育を管理、運用するプラットフォーム。
※労働災害強度率は、期間中に発生した労働災害による延べ労働損失日数を同じ期間中の全労働者の延べ実労働時間数で除し、それに1,000を乗じて算定しております。
≪中核人材の多様性確保に関する指標と目標≫
|
項目 |
基準年 |
2022年度実績 |
目標年 |
目標値 |
|
管理職に占める女性労働者の割合 |
2022年度 |
7.01% |
2030年 |
10%以上 |
|
女性社員全体に占める女性管理職比率 |
2022年度 |
4.38% |
2030年 |
5%以上 |
|
外国籍社員数 |
2022年度 |
36名 |
2030年 |
80名以上 |
|
正社員に占める外国籍社員比率 |
2022年度 |
0.90% |
2030年 |
1.5%以上 |
|
女性社員採用率 |
2022年度 |
17.13% |
2030年 |
25%以上 |
|
中途社員採用率 |
2022年度 |
60.74% |
2030年 |
65%以上 |
当社グループの事業等のリスクで投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、リスクの重要性及び喫緊性を考慮し、優先順位を設けた上で、特に重要なリスクとして以下のようなものがあります。
当社グループは、これらのリスクを適切に把握し、迅速に対応するため、取締役副社長執行役員を委員長とし、常勤取締役及び執行役員等を委員とするリスク管理委員会を設置しております。リスク管理委員会では当社グループにおけるリスク管理方針や抽出したリスクの状況把握及び施策等を決定し、定期的に取締役会にて報告をしております。
リスク管理委員会を中心として、これらのリスクの発生を十分に認識した上で、発生を極力回避し、また発生した場合には迅速かつ適切な対応に努めてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
① コンプライアンスに関するリスク
当社グループは、貨物自動車運送事業法をはじめとする各種法令による規制を受けており、各事業にかかる主要な許認可等は以下のとおりとなります。同時に、会社法、金融商品取引法その他様々な法律、規制、条例等の規制の適用を受けております。
当社グループでは、コンプライアンス経営を最重要課題として認識し、基本方針である「AZ-COM丸和グループ行動憲章」「行動ルール」を制定し、当社グループ一丸となって法令遵守体制を推進しており、役職員への教育研修を随時実施し、企業倫理の向上及びコンプライアンス体制の強化に努めております。
現時点におきましては、当該免許の取消事由は発生しておりませんが、将来、各種法令に違反した事実が認められた場合、監督官庁より車両運行の停止、事業の停止、許可の取り消しや罰金等の処分を受ける場合があります。また、今後においての各種法令等の違反が発生した場合、当社グループの企業イメージの低下や発生した損害に対する賠償金等の費用負担が生じる可能性があり、これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
主要事業の許認可等の概要
|
許認可等の名称 |
法律名 |
監督省庁 |
有効期限 |
取消事由 |
|
一般貨物自動車運送事業 |
貨物自動車運送事業法 |
国土交通省 |
期限の定めなし |
同法第33条 |
|
第一種貨物利用運送事業 |
貨物利用運送事業法 |
国土交通省 |
期限の定めなし |
同法第16条 |
|
第二種貨物利用運送事業 |
貨物利用運送事業法 |
国土交通省 |
期限の定めなし |
同法第33条 |
|
倉庫業 |
倉庫業法 |
国土交通省 |
期限の定めなし |
同法第21条 |
|
産業廃棄物収集運搬業 |
廃棄物の処理及び清掃に関する法律 |
環境省 |
許可後5年間 |
同法第14条の3の2 |
|
貨物軽自動車運送事業 |
貨物自動車運送事業法 |
国土交通省 |
期限の定めなし |
同法第36条第2項 |
② 大口取引先の変動のリスク
当社グループでは、物流機能の一括受託(3PL)を主たる事業としているため、特定の取引先に対する依存度が高くなる傾向にあります。当社グループとしましては、販売先の多様化に努めるとともに、これらの取引先と良好な信頼関係を構築し、安定した成長を目指してまいります。
当社グループでは従来より顧客ごとに異なるニーズにきめ細かく対応することにより、差別化を図ってきており、今後も競争力の維持・強化に向けた様々な取り組みを進めてまいります。現時点において、大口取引先との関係は良好に推移しておりますが、予期せぬ事象による取引契約の変更、契約解消等が生じた場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ 原油価格の高騰のリスク
当社グループは、貨物自動車運送事業を行っております。世界的な原油価格の高騰に伴い軽油燃料価格が上昇した場合には、運送コストの増加は避けられません。このため当社グループでは燃料業者と良好な関係を維持し、価格交渉を行うと同時に取引先との運送コスト増加相当分の料金交渉を進めるなど、軽油燃料における調達コスト低減に努めておりますが、価格交渉の不調や運送コスト増加相当分を料金に転嫁できない場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④ 重大な事故の発生のリスク
当社グループは、貨物自動車運送事業を営む上で多くの事業用車両を保有し、多種多様な製品の輸配送を行っているのと同時に、物流事業では多くの従業員等が物流センターにて業務に従事しております。どちらも万が一、人命に係わる重大な事故が発生した場合には、顧客の信頼及び社会的信用が毀損するとともに、行政処分や労働安全衛生法違反などの刑事罰を受ける可能性があります。このため当社グループでは安全担当部署を中心とした、巡回指導による運行管理の徹底、事故防止勉強会の開催、各事業所に配置・任命したセーフティ・アドバイス・リーダーによる安全運転の指導並びに労務担当部署を中心とした労働災害防止プロジェクトによる全社的な労災事故防止対策の実施等に積極的に取り組んでおりますが、これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 重大な災害の発生のリスク
当社グループは、数多くの物流センターを運営し、顧客企業の製品やそれらに関わる情報を取り扱っております。火災・地震・風水害などの災害や停電の発生等により、輸配送経路の遮断、物流システム停止等の事態が発生した場合、業務の停滞を招く可能性があります。このため当社グループでは災害の未然防止に関する取組みや災害発生時における対応方法として、過去の災害などの経験を活かし、本社を始めとする事業所ごとに策定している事業継続計画(BCP)に基づく行動(吉川本社の代替機能、物流センター出荷拠点の変更等)や発生時における「災害対策室」や「災害対策準備室」の速やかな設置等の対策に取り組んでおりますが、これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 情報システム管理に係るリスク
当社グループは、各種物流サービスの提供に際し、機密情報や個人情報等を取扱っており、物流センターにおける情報管理はシステム化をしております。当社グループではIT担当部署を中心に「情報セキュリティ・ポリシー」に基づき、社内教育を通じてセキュリティに対する意識の強化や個人情報管理の徹底などに努めるとともに、ウイルスの監視、ファイヤーウォールによるセキュリティ対策やバックアップセンター機能の構築、サーバールームへの非常用発電機の配置などシステムダウンへの対策を講じております。しかし、情報の外部漏洩やデータ喪失、個人情報の紛失などの事態が生じた場合、当社グループに社会的信用の低下を招くだけでなく、損害賠償請求を受ける可能性があります。また、自然災害のほか、コンピュータウイルスやハッカー行為等により、長期間にわたるシステムダウンを余儀なくされた場合には、これらの事象は当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 設備投資に係るリスク
当社グループの物流事業運営上、物流センターは重要な設備であり、継続的に事業を拡大していくためには、取引先数及び商品取扱量の増加に合わせた物流センターの新設・拡張などの設備投資が必要となります。しかしながら、大規模な設備投資を行った場合、本格的な稼動に至るまでに一定の期間を要することにより、費用が先行的に発生する可能性があります。
当社グループでは、大型設備の投資を行う際には、検証機関として投資委員会を設置し、十分な審議・検討を行うと同時に、定期的に取締役会が審議状況の報告を受けることで状況の把握に努めています。
現在、当社グループでは、本社所在地である埼玉県吉川市の東埼玉テクノポリスの拡張をはじめ、北葛飾郡松伏町の新規物流センター等、物流センター建設用地(農地含む)を先行取得しております。しかしながら、許認可取得や用地買収交渉の遅延等により設備投資が計画どおりに進まない場合や受注機会の喪失等により計画が予定どおり実現できない場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 資金調達のリスク
当社グループは、物流センターの増設などの設備投資を継続しており、主に金融機関からの借入金を充当しており、2023年3月31日現在の有利子負債は42,473百万円となっております。現時点では金融機関との関係が良好であることから必要な資金の新規調達に懸念はございませんが、将来、経営成績の急激な悪化や社会環境及び金融情勢の大きな変動等、何らかの理由により金融機関との関係が悪化するなどして資金調達に支障が生じた場合には、これらの事象は当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。このため当社グループでは、資金調達方法の多様化を図ることで当該リスクの低減に努めております。
⑨ 環境に関する規制のリスク
当社グループは、大気汚染、水質汚濁、土壌・地下水汚染、有害物質の取扱い・除去、廃棄物処理などを規制する様々な環境関連法令の適用を受けています。このため当社グループでは多数の事業用車両を保有していることから、運転職に従事する従業員についてはエコドライブの研修を受講することで日常より燃費向上は当然のこと、CO2排出量削減に留意した運転を心がけるよう、運行管理者を中心として指導を行っております。また、廃棄物処理においては、当社グループが行っております産業廃棄物収集運搬業を通じたネットワークにより信頼できる処理業者へ委託を行うこととしており、当社グループは各種法令に細心の注意を払い事業活動を行っていますが、今後において、法改正等による環境に関する規制の強化や費用負担の増加又は、過去・現在及び将来の事業活動における賠償責任等が発生した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 人材の確保及び育成リスク
当社グループは、今後更なる業容拡大に対応するため、新卒・中途採用ともに継続した人材の確保及びその育成が急務となっております。このため新卒採用においては、インターンシップの実施やオールリクルート体制による積極的な採用活動を行うことにより、優秀な人材の確保に努めるとともに、定期的な面談やジョブローテーションの実施、教育研修制度の充実を図ることで、やりがいのある職場環境づくりを進め、将来の管理者の育成に注力しております。しかしながら、今後人材獲得競争の激化に伴う求人の増加等により、計画どおりの人材の確保が困難となった場合や、在職する人材の社外流出が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 経営陣の確保及び育成リスク
当社グループ役員は、各担当業務分野において、重要な役割を果たしております。これら役員が業務執行できなくなった場合、並びに今後において重要な役割を担う人材を確保できなくなった場合には、当社グループの業績及び経営体制に影響を及ぼす可能性があります。このため当社グループでは、次世代の経営者育成に向けた「社長育成プログラム」による後継者育成プランを実行すると同時に、幹部候補者より子会社の非常勤役員を選出し、経験を積ませるなどの方策を実施することで、日頃より後継者の育成に努めております。
⑫ 新型コロナウイルス感染症の感染拡大によるリスク
当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、新型コロナウイルス対策本部を設置しており、検温実施、マスクの着用、手指の消毒にはじまり、WEB会議等の活用による会議・研修等における参加人数の制限並びに出張の自粛や多人数での会食禁止、一部時差出勤・在宅勤務の導入等の各種対策の実施により、感染拡大に留意した事業活動の徹底に取り組んでまいりました。ワクチン接種の拡大等により、感染拡大による影響は徐々に緩和されつつあるものの、収束は依然として不透明であり、当社物流センター及び本社施設にて集団感染が確認された場合、顧客企業の物流や本社機能が停止し、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。引き続き、政府方針等に則り適切に対応してまいります。
(1)業績等の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響がありましたが、行動制限や水際対策の緩和などにより、社会経済活動の正常化が進み、景気は緩やかに持ち直しの動きがみられました。しかしながら原材料やエネルギー価格の高騰を受けた消費者物価の上昇が続くなど、依然として先行きは不透明な状況となっております。
物流業界におきましては、国内における消費貨物量が回復傾向にあるものの、労働力不足に加えて、燃料価格をはじめとする各種コストが上昇するなど、依然として厳しい経営環境が続いております。
このような環境下において、当社グループは、新たな中期経営計画のもと、コアとなるEC物流、低温食品物流、医薬・医療物流の各ドメインにおける顧客ニーズへの対応と、深刻化する人材及び稼働車両不足に対応し、事業拡大を支えるための人材の確保・育成、DXの推進・適用による生産性向上に注力し、持続的な成長の実現を目指しております。また、経営資源の適正配分による成長事業への集中投資と低収益事業の再生・再編による経営の効率化に取り組み経済的価値の最大化を図るとともに、ESG経営を実践し事業活動を通じた環境・社会的価値の向上に加え、BCP物流による社会インフラとしての物流ネットワークの構築を積極的に進めております。
EC物流事業では、既存・新規顧客に係る高品質・高効率なサプライチェーン(センター運営・幹線輸送・ラストワンマイル)一貫物流プロセスを構築し、更なる事業の拡大を図っております。低温食品物流事業では、スーパーマーケット向けの物流ノウハウを集約したサービスメニュー「AZ-COM7PL」(アズコム セブン・パフォーマンス・ロジスティクス/7つの経営支援機能を付加した3PL)を発展させた調達ネットワークの構築、多様な輸送モードに対応した産直プラットフォームの構築、HACCP(食品の衛生管理手法)に適合した物流品質の向上に努めております。医薬・医療物流事業では、顧客企業の経営統合に合致した全国の物流ネットワークの最適化と最先端技術を駆使した物流センターの再構築に取り組んでおります。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度における経営成績は、売上高177,829百万円(前年同期比33.7%増)、営業利益11,362百万円(同31.4%増)、経常利益11,949百万円(同30.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,780百万円(同27.0%増)の増収増益となりました。
セグメント別の業績は以下のとおりであります。
なお、セグメント別の売上高は連結相殺消去後、セグメント利益は連結相殺消去前の数値を記載しております。また、第1四半期連結会計期間より、事業ドメインの区分を変更しており、以下の前年同期比については変更後の事業ドメイン区分に組み替えた数値で比較分析しております。
① 物流事業
<輸配送事業>
(ラストワンマイル事業)
ラストワンマイル事業においては、新規拠点及び稼働台数の拡大が寄与した結果、売上高は35,581百万円(前年同期比18.2%増)となりました。
(EC常温輸配送事業)
EC常温輸配送事業においては、成長を続けるネット通販需要に対応すべく、全国向けの幹線輸送強化が寄与した結果、売上高は56,974百万円(前年同期比46.0%増)となりました。
<3PL事業>
(EC常温3PL事業)
EC常温3PL事業においては、ファイズホールディングス㈱の連結子会社化による相乗効果に加え、新たな大型物流センターの開設等が寄与した結果、売上高は42,742百万円(前年同期比68.3%増)となりました。
(低温食品3PL事業)
低温食品3PL事業においては、積極的な営業開発による新たな食品スーパーマーケットにおける物流センターの通期稼働が寄与した結果、売上高は19,773百万円(前年同期比8.1%増)となりました。
(医薬・医療3PL事業)
医薬・医療3PL事業においては、主要取引先であるドラッグストアをはじめとする既存取引先にて、販売回復に伴う出荷物量増が寄与した結果、売上高は20,361百万円(前年同期比6.0%増)となりました。
以上の結果、物流事業における売上高は175,434百万円(前年同期比32.9%増)の増収となりました。
利益面では、高止まりする燃料価格や光熱費の上昇に加え、更なる成長・拡大に向けた先行投資によりコストが増加しておりますが、積極的な営業開発による事業拡大とともに、全社を挙げて推進してきた適正料金化が進捗いたしました。引き続き、日次決算マネジメントによる更なる生産性の改善や新規連結子会社とのシナジー創出をグループ全体で推進してまいります。以上の結果、物流事業におけるセグメント利益(営業利益)は11,177百万円(同33.7%増)の増益となりました。
② その他
文書保管事業においては、積極的な営業活動による既存取引先及び新規取引先とのBPO(ビジネスプロセス・アウトソーシング)に係る案件の受託に努めました。また、ファイズホールディングス㈱の情報システム事業等を加えた結果、売上高は2,395百万円(前年同期比145.4%増)、セグメント利益(営業利益)は395百万円(同36.0%増)の増収増益となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
流動資産は、現金及び預金が3,172百万円、受取手形及び売掛金が1,278百万円、未収消費税が656百万円増加したこと等により、5,344百万円増加し54,563百万円となりました。
固定資産は、土地が7,982百万円、投資有価証券が4,814百万円、顧客関連資産が1,947百万円、のれんが1,673百万円増加したこと等により、18,291百万円増加し57,464百万円となりました。
(負債)
流動負債は、1年内返済予定の長期借入金が1,736百万円、未払金が1,396百万円、未払法人税等が1,250百万円、支払手形及び買掛金が990百万円増加したこと等により、5,935百万円増加し29,907百万円となりました。
固定負債は、長期借入金が8,410百万円、繰延税金負債が1,639百万円増加したこと等により、10,482百万円増加し43,957百万円となりました。
(純資産)
純資産は、利益剰余金が5,100百万円、その他有価証券評価差額金が1,875百万円増加したこと等により、7,218百万円増加し38,162百万円となり、自己資本比率は32.1%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前年同期末と比べ、2,923百万円増加し、32,365百万円となりました。各キャッシュ・フローの主な増減要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
主な内訳として、法人税等の支払額3,231百万円の資金が減少した一方で、税金等調整前当期純利益12,214百万円が増加したことにより、営業活動によるキャッシュ・フローは11,408百万円の増加(前年同期は6,087百万円の増加)となりました。なお、前年同期より5,321百万円増加した主な要因は、業容拡大により利益が増加したことであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
主な内訳として、有形固定資産の取得による支出8,830百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2,154百万円の資金が減少したことにより、投資活動によるキャッシュ・フローは14,018百万円の減少(前年同期は5,240百万円の減少)となりました。なお、前年同期より8,778百万円減少した主な要因は、物流センターの土地・建物の取得及び㈱M・Kロジなどの株式を取得したことであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
主な内訳として、短期借入金の返済による支出6,434百万円、長期借入金の返済による支出4,369百万円の資金が減少した一方で、長期借入れによる収入13,074百万円、短期借入れによる収入6,224百万円の資金が増加したことにより、財務活動によるキャッシュ・フローは5,533百万円の増加(前年同期は799百万円の増加)となりました。
(4)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当社グループは、物流事業を中核とするサービスの提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。
② 受注実績
当社グループは、物流事業を中核とするサービスの提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
物流事業 |
175,434 |
+32.9% |
|
その他 |
2,395 |
+145.4% |
|
合計 |
177,829 |
+33.7% |
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総売上高実績に対する割合
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
アマゾンジャパン(同) |
31,470 |
23.7 |
45,752 |
25.7 |
|
ヤマト運輸(株) |
12,692 |
9.5 |
26,341 |
14.8 |
|
(株)マツキヨココカラ&カンパニー |
14,851 |
11.2 |
16,032 |
9.0 |
(注)㈱マツモトキヨシホールディングスは、2021年10月1日付で㈱ココカラファインと経営統合し、㈱マツキヨココカラ&カンパニーに商号変更しております。当連結会計年度における同社に対する売上高には、同社の子会社である㈱MCCマネジメントの売上高も含まれております。
(5)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っておりますが、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、法的規制の変化、顧客の動向、人材の確保及び育成、システム障害等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは法令遵守の浸透、顧客ニーズへの対応、新たなサービス開発、優秀な人材の確保と育成、システム基盤の増強等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、傭車費、外注費、人件費等の売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新規物流センターに係る設備投資及び既存物流センター設備に係る経常的な更新、物流センター建設用地の取得等によるものであります。
当社グループは、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しており、CMS参加各社におけるグループ内資金の包括的管理を実施しており、連結子会社において、設備投資等に伴う大規模な資金が必要となる場合は、当社が連結子会社に長期貸付を行っております。
資金の財源につきましては、短期運転資金は当社グループ内資金及び金融機関からの借入金を基本としており、設備投資や長期運転資金はグループ内資金を活用するとともに、金融機関からの借入金及び社債にて対応しております。
また、複数の金融機関との間で当座借越契約を締結しており、必要な資金を速やかに確保する基盤を整えております。
⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況について
中期経営計画2025(2022年4月~2025年3月)の初年度である2023年3月期の達成・進捗状況は以下のとおりとなりました。当社グループが展開するEC物流事業において、成長を続けるネット通販需要に対応するサプライチェーン(センター運営、幹線輸送、ラストワンマイル)一貫物流プロセスの強化に努めました。また、積極的な営業開発による新たな物流センターが稼働しました。さらにファイズホールディングス㈱、㈱M・Kロジなどの子会社化が寄与し、計画を上回る結果となりました。利益面については、新たな物流センターに係る一時費用や車両に対する投資に加え、高止まりする燃料調達価格や光熱費の上昇、労働力確保に向けた積極採用に伴うコストの増加はあるものの、日次決算マネジメントの強化による生産性向上をはじめ、全社を挙げて推進してきた適正料金化施策による効果もあり、計画を上回る結果となりました。
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第 50 期 2023年3月期 計画 |
第 50 期 2023年3月期 実績 |
計画比 |
|
|
増減 |
増減率 |
|||
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売上高(百万円) |
171,500 |
177,829 |
6,329 |
+3.7% |
|
営業利益(百万円) |
11,130 |
11,362 |
232 |
+2.1% |
|
営業利益率(%) |
6.5 |
6.4 |
-0.1 |
- |
|
経常利益(百万円) |
11,522 |
11,949 |
427 |
+3.7% |
|
経常利益率(%) |
6.7 |
6.7 |
±0 |
- |
(吸収分割による純粋持株会社体制への移行)
当社は、2022年4月22日開催の取締役会において、新たに当社100%子会社である丸和運輸機関分割準備㈱(以下、「分割準備会社」という)を設立し、2022年10月1日を効力発生日として、当社を分割会社、分割準備会社を承継会社とする会社分割(吸収分割)(以下、「本件会社分割」という)を行い、純粋持株会社体制に移行することについて決議し、同日付で分割準備会社との間で、本件会社分割にかかる吸収分割契約を締結いたしました。
該当事項はありません。