第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

 また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

 当中間連結会計期間におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化が進み、個人消費などには持ち直しの動きが見られ、景気は緩やかな回復傾向となりました。一方で資源価格や原材料価格の高騰による物価上昇などの影響が懸念されるなど、先行きは依然として不透明な状況となっております。

 物流業界におきましては、消費貨物は回復基調にあるものの、物流の働き方改革(2024年問題)を背景とする労働力確保に伴う人件費の上昇をはじめ、各種コストの高止まりが継続するなど、依然として厳しい経営環境が続いております。

 このような環境のもと当社グループは、コアとなるEC物流、低温食品物流、医薬・医療物流の各ドメインにおける業容の拡大と、深刻化する人材及び稼働車両不足の状況下における事業拡大に資する人材の確保・育成、DX化の推進と適用による省人化・省力化、生産性向上に努めております。また、更なる事業拡大のため、経営資源を適正に配分し、成長事業への集中投資と低収益事業の再生・再編による経営の効率化を図るとともに、ESG経営にも積極的に取り組み、経済価値の最大化と社会的価値の創出の両立を目指してまいります。

 以上の結果、当社グループの当中間連結会計期間における経営成績は、売上高101,440百万円(前年同期比5.1%増)となりましたが、後述するセグメント別の業績情報に加え、株式公開買付け関連費用が影響し、営業利益4,326百万円(同40.9%減)、経常利益4,609百万円(同38.9%減)、親会社株主に帰属する中間純利益2,845百万円(同37.4%減)の増収減益となりました。

 

セグメント別の業績は次のとおりです。

① 物流事業

<輸配送事業>

(ラストワンマイル事業)

 ラストワンマイル事業においては、新規配送エリアの拡大や稼働車両台数増に加え、新たな取引先の獲得等が業績に寄与した結果、売上高は19,963百万円(前年同期比6.7%増)となりました。

(EC常温輸配送事業)

 EC常温輸配送事業においては、新たな輸配送案件の獲得や料金改定効果が寄与したものの、大型拠点の閉鎖に伴う輸送数の減少が影響した結果、売上高は26,679百万円(前年同期比10.8%減)となりました。

<3PL事業>

(EC常温3PL事業)

 EC常温3PL事業においては、大手ECサイト向け新規物流センターの拡大に加え、新たな取引先との物流センターの稼働が順次業績に寄与した結果、売上高は29,987百万円(前年同期比17.4%増)となりました。

(低温食品3PL事業)

 低温食品3PL事業においては、前期開設した物流センターの通期稼働や既存取引先であるスーパーマーケットの業務拡大が寄与した結果、売上高は11,828百万円(前年同期比11.1%増)となりました。

(医薬・医療3PL事業)

 医薬・医療3PL事業においては、主要取引先であるドラッグストアの業容拡大に対応すべく、新たに開設した物流センターの本格稼働が業績に寄与した結果、売上高は11,588百万円(前年同期比9.9%増)となりました。

 

 以上の結果、物流事業における売上高は100,047百万円(前年同期比4.9%増)の増収となりました。

 

 利益面では、引き続き積極的な営業開発の成果による物流センターの拠点数や稼働車両台数の増加が寄与したものの、各種コストの上昇を背景とする適正な運賃への価格転嫁の取り組みに一部で進捗の遅れが生じました。加えて、拠点見直しに伴う輸送数の大幅な減少や新規物流センター開設及び業務安定化に係る一時費用が影響した結果、物流事業におけるセグメント利益(営業利益)は4,766百万円(前年同期比34.8%減)の減益となりました。

 

② その他

 ファイズホールディングス㈱における情報システム事業及び㈱アズコムデータセキュリティのBPO(ビジネスプロセス・アウトソーシング)に係る新規案件の受注が順調に推移した結果、売上高は1,393百万円(前年同期比14.8%増)、セグメント利益(営業利益)は193百万円(同21.3%増)の増収増益となりました。

 

(2) 財政状態の分析

 当中間連結会計期間末の総資産は、132,287百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,306百万円減少いたしました。流動資産は65,928百万円となり、6,570百万円減少いたしました。この主な要因は、有価証券が5,000百万円、受取手形及び売掛金が1,331百万円減少したことであります。また、固定資産は66,359百万円となり、4,263百万円増加いたしました。この主な要因は、建物及び構築物(純額)が1,363百万円、機械装置及び運搬具(純額)が1,673百万円、敷金及び保証金の差入等により投資その他の資産が1,127百万円増加したことであります。

 負債につきましては、73,918百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,134百万円減少いたしました。流動負債は28,437百万円となり、4,178百万円減少いたしました。この主な要因は、未払法人税等が1,615百万円、未払金の減少等によりその他が2,684百万円減少したことであります。また、固定負債は45,481百万円となり、1,044百万円増加いたしました。この主な要因は、長期借入金が537百万円、資産除去債務が522百万円増加したことであります。

 純資産につきましては、58,369百万円となり、前連結会計年度末に比べ827百万円増加いたしました。この主な要因は、利益剰余金が817百万円増加したことであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、42,819百万円と前連結会計年度末と比べ3,061百万円減少となりました。また、前中間連結会計期間末と比べ8,495百万円の増加となりました。前年同中間期と比較した各キャッシュ・フローの増減要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は3,458百万円(前年同中間期比1,843百万円の収入減少)となりました。主な内訳として、税金等調整前中間純利益で2,831百万円、未払金で1,521百万円の収入減少となった一方で、売上債権の減少により2,922百万円の収入増加となったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動に支出した資金は4,892百万円(前年同中間期比1,504百万円の支出増加)となりました。主な内訳として、有形固定資産の取得に470百万円、敷金及び保証金の差入に769百万円の支出増加となったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動に支出した資金は1,627百万円(前年同中間期は44百万円の収入)となりました。主な内訳として長期借入金の借入れによる収入が1,000百万円の収入減少となったこと、配当金の支払額が545百万円の支出増加となったことによるものです。

 

(4) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた問題はありません。

 

(6) 研究開発活動

 該当事項はありません。

 

(7) 主要な設備

 前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設等について、当中間連結会計期間において完了したものは、次のとおりであります。

会社名

事業所名

(所在地)

セグメントの名称

設備の内容

投資総額

(百万円)

資金調達方法

完了年月

㈱丸和運輸機関

アズコムMC名古屋センター

(愛知県名古屋市中村区)

物流事業

物流センター設備

2,773

増資資金

2024年6月

㈱関西丸和ロジスティクス

舞洲食品センター

(大阪府大阪市此花区)

物流事業

物流センター設備

940

借入金及び自己資金

2024年5月

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。