第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善傾向が続くなかで、各種政策の効果もあって緩やかな回復基調が続きました。世界経済は、全体としては緩やかに回復していますが、中国を始めとするアジア新興国や資源国等の景気が下振れし、我が国の景気が下押しされるリスクのある先行きの不透明な状況で推移しました。

 当社グループの業績に大きな影響を及ぼす不動産市況は、地価の下落基調からの転換の動きは持続的なものになり、また住宅市場においても住宅建設は持ち直しの傾向が続いた後、概ね横ばいで推移しました。一方、建設市場においては建設技能者の不足に伴う労務費の上昇や原材料価格の上昇などが見られております。

 持分法適用会社を展開する中国では、土壌汚染の法整備に向けた動きは進んでいますが、景気は緩やかに減速しており、固定資産投資も弱い伸びとなりました。

 このように当社グループを取り巻く環境は、一部懸念材料を抱えた状況で推移してまいりました。

 このような背景のもと、積極的な営業強化策とグループ間連携の成果が現れてきた国内の土壌汚染対策事業とブラウンフィールド活用事業が牽引する格好で、土壌汚染関連機器・資材販売事業との連携も図ってまいりました。また、原位置浄化技術の優位性を強化するために原位置熱脱着(ISTD)技術の実施権を取得しました。中国については、着実に情報量は増えているものの、依然として損益分岐点に届きませんでした。

 この結果、当連結会計年度の売上高は2,732,270千円(前年同期比38.0%増)を計上し、売上原価・販売費及び一般管理費の合計は2,433,895千円(前年同期比27.3%増)の計上となり、経常利益248,900千円(前年同期比425.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は142,719千円(前年同期比1,080.0%増)となりました。

 

以下に各セグメントの状況を報告いたします。

 

①土壌汚染対策事業

 国内については、営業体制の強化及びグループ会社間の連携強化、YAMAテック株式会社との資本業務提携などの取り組みの成果が現れ、新規顧客からの調査案件が増えたこと及び大型の原位置浄化案件が売上増に寄与しました。

 中国については、営業情報は増えており、調査工事や浄化工事のための小規模試験、日系企業の調査工事やコンサルティングを実施しましたが損益分岐点には届かず持分法投資損益として31,155千円の損失を計上しました。

 その結果、売上高は1,570,042千円(前年同期比45.0%増)を計上し、セグメント利益は144,567千円(前年同期比287.7%増)となりました。

 

②土壌汚染関連機器・資材販売事業

 大型の工事に伴う浄化井戸用鋼管の販売及びタイ、台湾、韓国等海外への土壌調査用掘削機械やその関連機器の販売が売上増に寄与しました。

 その結果、売上高は542,387千円(前年同期比6.4%増)を計上し、セグメント利益は49,400千円(前年同期比29.8%増)となりました。

 

③ブラウンフィールド活用事業

 大手不動産仲介業者等からの情報収集及び仕入活動に加えて、株式会社シーアールイーとの資本業務提携や土壌汚染対策事業との連携を強化した結果、6物件を購入し、期初在庫のうち浄化等の完了した3物件を販売いたしました。また、岡山県久米郡美咲町及び宮城県角田市で建設した太陽光発電所での売電が始まり、毎月の安定的な収益が増えました。

 その結果、売上高は619,840千円(前年同期比60.1%増)を計上し、セグメント利益は112,398千円(前年同期比185.7%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー状況の分析

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、前連結会計年度末に比べ888,766千円増加し、1,882,940千円となりました。

 当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度末における営業活動の結果、使用した資金は418,641千円(前年同期比797.0%増)となりました。

 これは主に、税金等調整前当期純利益が248,900千円計上されたことに加え、仕入債務の増加66,010千円が資金の増加要因となった一方、売上債権の増加109,122千円、たな卸資産の増加による673,525千円が資金の減少要因となったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度末における投資活動の結果、使用した資金は1,537,885千円(前年同期比2.5%増)となりました。

 これは主に、有形固定資産取得による1,389,198千円の支出によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度末における財務活動の結果、獲得した資金は2,844,713千円(前年同期比86.1%増)となりました。

 これは主に、株式の発行による収入955,163千円、長期借入金による収入1,712,200千円が資金の増加要因となったことによるものであります。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。

 

(2) 受注状況

 当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

土壌汚染対策事業

1,208,050

84.2

284,895

44.1

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.土壌汚染関連機器・資材販売事業、ブラウンフィールド活用事業につきましては、受注に該当する事項がないため、記載すべき事項はありません。

 

(3) 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

 至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

土壌汚染対策事業 (千円)

1,570,042

145.0

土壌汚染関連機器・資材販売事業(千円)

542,387

106.4

ブラウンフィールド活用事業 (千円)

619,840

160.1

報告セグメント計 (千円)

2,732,270

138.0

合計 (千円)

2,732,270

138.0

(注) 1.セグメント間内部取引振替後の数値によっております。

 

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成26年4月1日

 至 平成27年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

 至 平成28年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社シーアールイー

617,523

22.6

株式会社NIPPO

203,132

10.2

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4.前連結会計年度の株式会社シーアールイーについては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

5.当連結会計年度の株式会社NIPPOについては、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

3【対処すべき課題】

 当社グループの属する土壌汚染関連業界は、国内では専業の土壌汚染対策業者に加えて、建設・土木業者やエンジニアリング会社、地質調査・コンサル業者、計量証明機関など幅広い業界から多数の企業が参入しております。また中国では、土壌浄化を事業機会と捉えた大手企業の新規参入が相次いでおります。

 当社グループといたしましては土壌汚染調査と土壌汚染浄化工事だけでなく、それらに付随するサービスや商品等を包括的に市場に投入して顧客の幅広いニーズに応えるとともに以下のような課題に取り組み、他社との差別化をより一層図ることにより、業容の拡大に努めてまいります。

 

(1) 営業基盤の強化

 土壌汚染対策事業の売上を増やしシェアを拡大するためには、営業基盤の強化が課題と認識しております。当社グループは、原位置浄化・オンサイト浄化の豊富な実績と技術力を核心的な競争力として、案件獲得に注力してまいりました。その結果、原位置浄化・オンサイト浄化を計画している顧客への訴求力が強い反面、掘削除去・場外搬出を計画している顧客への訴求力が弱いといった課題があります。土壌浄化の大半が掘削除去・場外搬出によって処理されている現状においては、そういった顧客に対する営業基盤を強化し、原位置浄化・オンサイト浄化の隠れたニーズを掘り起こすことが重要です。掘削除去・場外搬出の豊富な実績と競争力を備えたYAMAテック株式会社との資本業務提携によって、両社の営業体制を一体化することによって顧客への訴求力の強化を図ってまいります。また、物流施設の開発に強みを有する株式会社シーアールイーとの資本業務提携により、工場跡地等の土壌汚染地の仕入力及び仕入れた土地の出口戦略の強化を図りましたので、ブラウンフィールド活用事業と土壌汚染対策事業のグループ内連携を積極的に推進し、土壌汚染地の土地所有者に直接アプローチできる営業体制を強化してまいります。

 

(2) 技術開発体制の強化と新技術の確保

 当社グループは、化学酸化工法と生物的分解工法(バイオレメディエーション)を核心的競争力としておりますが、他社の追随や技術の汎用化が進んでおります。そのため既存の自社技術の優位性を発揮し続けるための技術開発と新技術の確保・実用化が他社との差別化をより一層図るための課題と認識しております。自前の技術開発に加えて、国内外の大学との共同研究や海外の先進企業からの技術導入等について積極的に進めております。2016年3月に米国や欧州において実用化されている原位置熱処理技術の実施権を取得いたしました。現場施工等による技術確立を急ぎ、化学酸化工法及び生物的分解工法を補完する新たな原位置浄化メニューとして原位置熱処理技術を加えることにより競争力強化を図ります。

 

(3) 海外市場展開の強化

 中長期的な成長エンジンとして、これから土壌汚染対策に関する需要が顕在化する中国をはじめとしたアジア諸国の市場への展開が重要であると考えています。

 中国においては、近年法制化の整備が進み、まさに市場が立ち上がろうという段階であるため、競合他社に先駆けた実績とブランド力の向上が課題と認識しております。そのため地方政府への働きかけ、モデルプロジェクトへの参画、国の試験研究機関や大学との共同研究、展示会・学会等での情報発信、日系企業に向けた啓発活動などに積極的に取り組んでまいりました。中国に設立した合弁会社の経験を生かし、土壌汚染対策事業の収益モデルの確立を急ぎます。

 土壌汚染関連機器・資材販売事業では、台湾及びタイにおいて協力事業者を確保して機器や薬剤の販売を開始しました。販売事業を先行させながら、土壌汚染対策事業のノウハウを活用した工法提案を絡めた設備や薬剤販売のビジネスモデル、実施体制、リスク分析等の検討を進めてまいります。

 

(4) 人材の確保、育成

 事業の継続的な発展を実現するためには、優秀な人材を十分に確保することが不可欠ですが、近年、建設技術者が逼迫しているため、人材の採用が課題であると認識しています。高い専門性を有する人材、中国をはじめとするアジア諸国で活躍できる人材及び管理職者の獲得には幅広いルートを活用するとともに、社内人材の育成に注力してまいります。幅広い人材採用活動を行うほか、教育研修制度の拡充、外部ノウハウの活用などに積極的に取り組んでまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの投資判断に重要な影響を与える可能性があると考えられるリスクには以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 当社グループは、これらリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は本株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点にご留意下さい。

 

(1) 事業環境に由来するリスク

①事業環境の変化

 土壌汚染対策事業及び土壌汚染関連機器・資材販売事業の需要は、「土壌汚染対策法」及び各地方自治体により施行される条例等の影響を受けます。

 例えば、土壌汚染調査が必要な場合は、有害物質使用特定施設の使用が廃止された場合や、3,000㎡以上の土地の形質変更を届け出て都道府県知事等に汚染の恐れがあると判断された場合等、法令や条例等により具体的に定められております。今後、法令や条例等が新設又は改正され強化される場合、土壌汚染調査や土壌汚染浄化工事の機会が増加すると考えられ、需要が拡大する可能性があります。

 一方、土壌汚染調査や土壌汚染浄化工事の需要の大半は、不動産取引を契機とした企業の自主的な対応、工場等の統廃合、M&Aを契機とした環境対策、稼働中の工場等の施設の環境保全を目的とした環境投資によって占められております。そのため、土壌汚染対策事業と土壌汚染関連機器・資材販売事業の需要は、景気動向による不動産取引の増減や企業の環境投資の増減の影響を受けます。

 また、ブラウンフィールド活用事業については、今後、金利の上昇等により顧客の購買意欲の減退が起こる場合等、不動産市況の動向その他の要因により、売却損、評価損及び減損損失等が発生する可能性がある他、販売用不動産の引渡時期が変動する可能性があります。

 上記のような事業環境の変化が当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

②競合の状況

 当社グループが推進中の事業領域には、建設土木業者(掘削除去)、地質調査会社(ボーリング調査)、計量証明事業者(土壌の有害物質分析)、水処理設備会社(地下水処理)、鉱山会社(土壌処理)、及び産業廃棄物処理業者(土壌処理)等の多くの事業者が多様な業種から、それぞれの得意分野(( )内は各業種の得意分野を示します。)を活かして参入しており、競合が激化しております。当社グループは、「原位置浄化」という得意分野を強みとした土壌汚染対策事業に加えて、土壌汚染リスクを評価して現状有姿で購入した後に浄化して再販するブラウンフィールド活用事業を行っており、技術力を裏付けに、汚染された土地の活用提案から土壌汚染調査、土壌汚染浄化工事、跡地の流動化までを一貫して手掛ける「ワンストップソリューション」を提供できる企業グループとして、他社との差別化を図っております。しかしながら、競合他社との受注競争が激化する中で、厳しい条件で受注する傾向が進んだ場合等には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③中国における関連会社の業績の影響

 中国では土壌汚染を規制する法律の制定が検討されており、その法律が施行された場合は、土壌汚染対策事業の市場が本格的に立ち上がると予測されています。当社グループでは、近年急増している地方政府発注の土壌汚染対策案件の受注により、市場での競争優位性を獲得すること等を目的として、平成24年6月に持分比率49%の関連会社江蘇聖泰実田環境修復有限公司を設立し運営しております。しかしながら、中国政府の政策変更や経済運営状況等によって発注時期に遅れが生じた場合、若しくは市場の立ち上がり時期が遅れた場合等には、当該関連会社の業績に影響を及ぼす可能性があり、さらに当該関連会社の経営成績の推移によっては、追加出資又は会計手当等が必要となる場合が想定され、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業内容に由来するリスク

①売上計上時期が計画から遅れる可能性

 土壌汚染調査や土壌汚染浄化工事は多くの場合、施設閉鎖、土壌汚染調査、施設解体、土壌汚染浄化工事、及び新しい建築物(マンション等を含みます)の建設という一連の工程の中で実施されます。したがって、何らかの事情により施設閉鎖時期が遅れる、又は解体工事の着工が遅れる等、当社グループに起因しない事情により、土壌汚染調査や土壌汚染浄化工事の実施時期が遅れる場合があります。また、汚染の状況によっては、追加調査が必要な場合があります。このような場合は、調査期間が長引く若しくは土壌汚染浄化工事の実施時期が遅れることもあるため、結果として売上計上時期が計画から遅れる可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループが大規模な土壌汚染対策に関する案件を受注した場合、若しくは多数の受注工事が一時期に集中した場合等には、該当する四半期決算の売上高は大幅に増加する可能性がありますが、当該四半期決算の経営成績だけをもって、当社グループの通期の経営成績を見通すことは困難である点には留意する必要があります。

 

②汚染の状況によって費用が変動する可能性

 土壌汚染浄化工事は、土壌汚染調査の結果を基に設計・積算して、工事価格を決定しますが、土壌汚染調査は必ずしも当社グループが実施するわけではなく、他社が実施した既存の調査結果を基に設計・積算することがあります。したがって、土壌汚染調査の結果と実際の汚染状況が著しく異なる場合は、工事費用が変動する可能性があります。その場合は、顧客へ説明し、工事価格の変更交渉を行いますが、例えば「原位置浄化」か、それ以外の工法かにより利益率が異なるため、利益率の低い工法を選択せざるを得ない場合は、当初予定の利益を確保できない可能性があります。

 

③為替変動に関するリスク

 土壌汚染関連機器・資材販売事業は、当社グループ売上高の約2割を占めておりますが、主に北米メーカーの製品の輸入販売を行っており、米ドル建てで仕入れているため為替変動により当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④仕入先との取引条件について

 当社グループの売上高の約2割を占める土壌汚染関連機器・資材販売事業は、主に北米メーカーの製品の輸入販売を行っており、一部のメーカーとの間では日本国内における独占販売契約を締結しております。これら仕入先との取引契約が解消されることは、現状では想定し難いものと認識しておりますが、今後不測の要因により主要な仕入先との取引契約が解消された場合は、当社グループの事業展開及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤サービス及び商品の欠陥について

 当社グループは品質管理に細心の注意を払っておりますが、提供するサービス及び商品に欠陥が生じるリスクがあります。その場合、当社グループは、サービス又は商品の欠陥が原因で生じた損失に対する責任を追及される可能性があります。さらに、サービス又は商品に欠陥が生じたことにより社会的評価が低下した場合は、当社グループのサービス及び商品に対する顧客の購買意欲が低減する可能性があります。これらの場合、当社グループの財政状態及び経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

⑥海外展開について

 当社グループは中国や東南アジア諸国を中心とした海外市場において、積極的な事業展開を推進していく予定です。海外事業展開には、事業投資に伴う為替リスク、カントリーリスク、出資額又は出資額を超える損失が発生するリスク等を伴う可能性があり、計画どおりに事業展開ができない場合には、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(3) その他のリスク

①法的規制リスク

 当社グループの事業に係る主要な法的規制は以下のとおりであります。なお、現時点においては、行政処分に該当する事象は発生していないものと認識しております。

 

a.建設業関係

 土壌汚染対策事業で実施する土壌汚染浄化工事には、重機を使用する現場での汚染土壌の浄化工程や汚染土壌の掘削工程等が含まれ、これらの工程は土木工事に該当するため、「建設業法」の規制を受けます。

 当社グループにおいて土壌汚染対策事業を担当する事業会社は、土木工事業等について「特定建設業」の許可を取得しております(土木工事業、とび・土工工事業、石工事業、鋼構造物工事業、ほ装工事業、しゅんせつ工事業、塗装工事業、水道施工工事業 国土交通大臣許可:特26-第25676号、有効期限:平成32年2月)。万一、「建設業法」に抵触し、当該営業の全部又は一部の停止命令又は許可取消し等の行政処分を受けた場合は、当社グループの事業展開及び経営成績等に重大な影響を与える可能性があります。

 

b.指定調査機関関係

 土壌汚染対策事業では、工場跡地等の不動産の売買時及び同土地の再開発時等に汚染の有無を確認するための土壌汚染調査を行いますが、「土壌汚染対策法」で土壌汚染状況調査を義務付けられた区域の調査は、環境大臣による指定を受けた「指定調査機関」が行うこととされております。

 当社グループで土壌汚染対策事業を担当する事業会社は、「指定調査機関」の指定を受けております。

 

c.不動産業関係、税制の制定・改定について

 ブラウンフィールド活用事業は、「宅地建物取引業法」による規制を受けており、当社グループにおいて当該事業を担当する事業会社は、「宅地建物取引業」の許可を取得しております。万一、「宅地建物取引業法」に抵触し、許可取消し等の行政処分を受けた場合は、当社グループの事業展開に影響を与える可能性があります。

 また、住宅税制、消費税等が制定・改定された場合には、不動産等の取得・保有・売却等にかかる費用の増加及びこれらの要因による顧客の購買意欲の低下等により当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

②知的財産等に関するリスク

 当社グループは、当社グループが運営する事業に関する知的財産権の獲得に努めるとともに、第三者の知的財産権を侵害しないように取り組んでおります。しかしながら、今後当該事業分野において第三者の権利が成立した場合又は認識していない権利が既に成立している場合は、第三者より損害賠償及び使用差止め等の訴えを起こされる可能性並びに権利に関する使用料等の対価の支払が発生する可能性があります。また、当社グループが所有する商標権が、第三者より侵害された場合には当社グループのブランドイメージが低下する可能性がある他、解決までに多くの時間と費用を要する可能性があります。それらの場合には、当社グループの事業展開及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

③情報管理に関するリスク

 顧客や取引先の個人情報や機密情報を保護することは、企業としての信頼の根幹をなすものであります。当社グループでは、社内管理体制を整備し、従業員に対する情報管理やセキュリティ教育等、情報の保護について種々の対策を推進しておりますが、情報の漏洩が全く起きないという保証はありません。万一、情報の漏洩が起きた場合、当社グループの信用は低下し、顧客等に対する賠償責任が発生する等、当社グループの財政状態及び経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

④自然災害・火災・事故等への対応について

 地震、風水害等の自然災害により事務所・設備・社員とその家族等に被害が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。また、当社グループは安全を第一とし、労使間において安全衛生協議会を設けて、安全パトロールや安全教育を実施する等事故の防止に努めておりますが、万一、重大な労働災害、事故等が発生した場合には、操業に支障が生じ、経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

 

⑤小規模会社であること

 当社グループの人員は、当連結会計年度末現在、取締役4名、監査役3名(非常勤監査役2名を含みます)、従業員42名の小規模な組織であり、内部管理体制はこの規模に応じた組織で対応しております。今後は、事業の拡大に伴い、管理体制をさらに充実させていくため、組織の拡大に応じた人材育成、人材補強を行う方針ですが、それらの施策が適切に実行できない場合には、事業の運営に支障が生じ、当社グループの事業展開等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥資金使途について

 当社が実施した公募増資による資金調達の使途については、土壌汚染対策事業並びに土壌汚染関連機器・資材販売事業の国内・海外展開費用及びブラウンフィールド活用事業の土地仕入資金等に充当する計画であります。しかしながら、急速に変化する経営環境に柔軟に対応するため、現時点における資金使途計画以外の使途へ充当する可能性があります。また、当初の計画に沿って資金を使用したとしても、想定どおりの投資効果を上げられない可能性もあります。

 

⑦配当政策について

 当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つと位置づけておりますが、現在、成長過程にあると考えており、なお一層の事業拡大を目指すことが株主に対する最大の利益還元に繋がると考えております。そのため当期及び次期の利益につきましては、積極的な事業展開及び経営基盤の強化のために内部留保の充実を図り、財務体質の強化と事業拡大のための投資等に充当する方針であります。将来的には、各事業年度の財政状態及び経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針であります。ただし、配当実施の可能性及びその実施時期等については現時点において未定であります。

 

⑧潜在株式について

 当社は、役員及び従業員へのインセンティブを目的として、新株予約権(以下、ストック・オプションと記載しています。)を付与しており、今後も新たなストック・オプションの付与を検討する予定であります。当連結会計年度末現在における潜在株式数は、283,500株であり、発行済株式総数の5.2%に相当いたします。このストック・オプションが行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、株式市場で売却された場合は、需給バランスに変動を生じ、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨財務制限条項について

 当社グループが複数の金融機関との間で締結している借入に係る契約の一部には、財務制限条項が定められております。今後、当社の経営成績が著しく悪化するなどして財務制限条項に抵触した場合、借入先金融機関の請求により当該借入について期限の利益を喪失し、一括返済を求められるなどして、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩建設予定の発電所について

 当社では、北海道十勝郡において、太陽光発電設備の建設を計画しております。当該建設計画は、既に土地賃貸借契約を締結し、固定価格買取制度の設備認定を取得しており、順次進行しておりますが、予期せぬ事象の発生等により、建設計画が大幅に変更された場合又は当該発電設備の完工が遅れた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

(1) 独占販売権を受けている契約

 契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約締結日

契約内容

契約期間

株式会社ランドコンシェルジュ

(連結子会社)

KEJR ENGINEERING,INC

米国

Geoprobe®Systems関連商品

平成22年
12月1日

Geoprobe®Systems

関連商品の日本における独占販売権及びアジア全域における販売権

平成22年12月1日~平成24年11月30日以降2年毎の自動更新

株式会社ランドコンシェルジュ

(連結子会社)

REGENESIS Bioremediation Products,Inc.,

米国

ORC,ORC-Advanced

HRC,3DMicro

Emulsion,RegenOx

PersulfOx

PlumeStop

平成25年
8月1日

契約品目の日本における独占販売権及び中国における販売権

平成25年8月1日~平成26年8月1日以降1年毎の自動更新

 

(2) ライセンス契約

契約会社名

相手先

契約内容

契約期間

提出会社

日本シーガテック

株式会社

原位置熱脱着技術の実施権

平成28年3月18日から

平成33年3月17日まで

 

(3) 電力受給契約

契約会社名

相手先

契約内容

契約期間

提出会社

東北電力株式会社

太陽光発電による売電

(金谷B地区発電所)

平成28年1月15日から

平成48年1月14日まで

株式会社ランドコンシェルジュ(連結子会社)

東北電力株式会社

太陽光発電による売電

(金谷A地区発電所)

平成28年1月15日から

平成48年1月14日まで

株式会社ランドコンシェルジュ(連結子会社)

東北電力株式会社

太陽光発電による売電

(引田地区発電所)

平成28年2月29日から

平成48年2月28日まで

ヴェガ・ソーラー合同会社

(連結子会社)

中国電力株式会社

太陽光発電による売電

(PVNext EBH 美咲町発電所)

平成27年9月30日から

平成47年9月29日まで

 

(4)資本業務提携契約

契約会社名

相手先

契約内容

契約期間

提出会社

株式会社シーアールイー

資本業務提携契約

期間の定めなし

1.資本業務提携の目的

 当社グループと株式会社シーアールイーが互いの経営資源を補完することにより、両社のバリューチェーンを強化し、土壌汚染をめぐるブラウンフィールド問題を解決することで土地取引の健全化・活性化を図り、両社の企業価値を向上させることを目的として、資本業務提携契約を締結いたしました。

 

2.資本業務提携の内容

(1) 業務提携の内容

 当社グループ及び株式会社シーアールイーは、相互に協力して以下の内容を実施してまいります。

①ブラウンフィールド活用事業

 当社100%子会社の株式会社エンバイオ・リアルエステートにおいて、以下の内容を実施してまいります。

・両社が有する汚染土地情報を共有し、個々のブラウンフィールド活用事業用地の投資判断を行い、積極的にブラウンフィールド活用事業用地を仕入れて事業の拡大を図ります。

・株式会社シーアールイーより土地の仕入、開発・運用、売却のノウハウ提供を受けます。

 

 

②土壌汚染対策事業

 株式会社シーアールイーが行う物流投資事業において発生する土壌汚染の浄化工事に対して、当社グループの土壌浄化技術を優先的に提供します。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、土壌汚染対策事業の競争力の源泉である原位置浄化技術の強化を目的として研究開発を行っております。なお、研究開発活動は「土壌汚染対策事業」でのみ行っております。

 当連結会計年度における研究開発は以下のとおりであります。

①原位置熱脱着(ISTD)の技術導入及び実用化

 米国テラサーム社の保有する原位置熱脱着(ISTD)の日本国内における実施権を取得しました。これは高濃度汚染、汚染の深度が深い、粘性地盤が汚染されている等の既存の原位置浄化では浄化が困難又は非効率な現場を経済的に効率良く浄化することのできる原位置浄化技術です。米国で実用化され、近年、施工実績が増えてきております。日本国内では施工実績がないため、設計手法や設備仕様、施工方法等に関する技術導入を行ったうえで、実サイトでの試験施工を行って国内での実用化を図る計画です。

 

②新たな規制物資に対する原位置浄化技術の開発

 土壌環境基準項目に新たに追加された1,4-ジオキサンに対して有効な原位置浄化技術の開発を目的に、化学酸化及び微生物分解での分解性を評価し、原位置浄化への適用可能性について検討しています。

 

③土壌洗浄における濁水処理技術の確立

 保有する濁水処理機の土壌洗浄技術への利用方法の確立を目的に、複数の実サイトでの試験施工を実施して、濁水処理に関する添加薬剤や周辺機器、処理能力等の最適化について検討し、品質管理手法の構築とマニュアル化を進めています。

 

④シアン汚染の原位置バイオレメディエーションの開発

 土壌汚染対策法で定められている有害物質のいくつかについては、まだ原位置浄化の手法が確立されておりません。その一つがメッキ工場等で汚染が見られるシアンです。現状では、掘削除去と揚水処理法しか確立された浄化技術がなく、経済性の高い原位置浄化技術の実用化が期待されています。原位置でのシアンの微生物分解を促進する浄化技術について、実験室スケールでの効果が確認できたので、特許出願を行うとともにシアン分解菌の開発を行っています。

 

 当連結会計年度の研究開発費は、9,639千円であります。

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

本文の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作られております。

 当社グループは、この連結財務諸表の作成にあたって、貸倒引当金、固定資産の減損、減価償却資産の耐用年数の設定、繰延税金資産の計上、偶発債務の認識等の重要な会計方針に関する見積り及び判断を行っております。

 当社経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき判断しておりますが、記載した予想、見通し等の将来に関する事項につきましては、不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。

 当社グループの連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

 

(2) 経営成績の分析

 経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (1)業績」に記載しております。

 

(3) 財政状態の分析

 当連結会計年度末における資産につきましては、総資産は、6,992,648千円となり、前連結会計年度末に比べ3,272,761千円増加いたしました。これは主に機械装置の取得により有形固定資産が1,353,838千円、たな卸資産が673,525千円、現金及び預金が888,766千円、受取手形及び売掛金が109,122千円増加したことによるものであります。

 負債につきましては、4,438,130千円と前連結会計年度末に比べ2,156,342千円増加いたしました。これは主に長期借入金が1,407,720千円、短期借入金が215,000千円、1年内返済予定長期借入金が151,948千円、社債が100,000千円、資産除去債務が92,311千円増加したことによるものであります。

 純資産につきましては、2,554,517千円と前連結会計年度末に比べ1,116,419千円増加いたしました。これは主に第三者割当増資及びストックオプションの行使により資本金と資本準備金がそれぞれ488,850千円増加するとともに、利益剰余金の額が142,719千円増加したことによるものであります。

 

(4) キャッシュ・フロー状況の分析

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況につきましては「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー状況の分析」に記載しております。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 4.事業等のリスク」に記載しております。

 

(6) 経営戦略の現状と見通し

 当社グループは、環境保全に役立つサービスや製品の提供を通して、環境問題の解決と健やかな環境づくりを推進し、持続可能な社会の構築に貢献することを経営の基本理念とし、「地盤の環境・エネルギーに関わる問題解決を担うグローバルな専門企業集団」となることを目指しております。それに向けた当社グループの経営戦略の基本は、土壌汚染問題に関して環境保全と経済合理性が両立する総合的な解決策を提供することです。

 土壌汚染関連業界は、国内では専業の土壌汚染対策業者に加えて、建設・土木業者やエンジニアリング会社、地質調査・コンサル業者、計量証明機関など幅広い業界から多数の企業が参入しております。また中国では、土壌浄化を事業機会と捉えた大手企業の新規参入が相次いでおります。

 当社グループでは、わが国における土壌汚染問題の黎明期にいち早く導入した汚染土壌を掘削・場外搬出せずに場内で土壌浄化ができる「原位置浄化・オンサイト浄化」に関する技術力を核心的競争力として実績で他社を圧倒することを目指してまいりました。この分野に革新的な原位置浄化技術を新規に導入・開発することで技術的競争優位の一層の強化を図ってまいります。また、技術的な核心的競争力に加えて「掘削除去・場外搬出」を得意とするYAMAテック株式会社や工場跡地等での物流不動産の開発を得意とする株式会社シーアールイーとの資本業務提携を開始いたしました。これにより土壌汚染地の調査から幅広い選択肢での浄化、跡地の有効活用までの一貫したサービスを提供する体制を強化いたしました。

 さらに国内で培った「原位置浄化・オンサイト浄化」のノウハウと実績をこれから問題が顕在化する中国などアジア諸国の土壌汚染問題解決に積極展開し、グローバル企業としての成長を目指します。

 これらの事業活動を通して土壌汚染問題に直面した国内の顧客の幅広いニーズに一貫して応えること、ならびに海外への技術提供により継続的な事業の拡大、収益の向上を進めてまいり、土壌汚染関連業界内でのリーディングカンパニーを目指します。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載しております。