第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社グループは、「環境保全に役立つサービスや製品の提供を通して、環境問題の解決と健やかな環境づくりを推進し、持続可能な社会の構築に貢献する」ことを経営理念としております。

経営理念に基づき、「地盤環境・エネルギーに関わる問題解決を担う企業集団」として社会的課題を解決し、持続可能な社会の実現に貢献するというビジョンを掲げて、以下の3つの事業を展開しております。

①土壌汚染対策事業

②ブラウンフィールド活用事業

③自然エネルギー事業

 当社グループでは、上記事業を通して取り組む重要課題として以下に示す4つを定めております。

①安心・安全な国土利用への貢献(土壌汚染対策事業)

②循環型社会の実現への貢献(ブラウンフィールド活用事業、自然エネルギー事業)

③脱炭素社会の実現への貢献(自然エネルギー事業)

④環境問題解決で国際社会への貢献(土壌汚染対策事業、自然エネルギー事業)

 また、以下に示す6つの経営方針のもとで事業を実施し差別化を図り、企業価値の最大化を目指してまいります。

①顧客満足を第一に考え、成果、品質、価格、アフターサービスにおいて、期待以上に満足してもらえるように継続的な改善に努める。

②競争力のあるサービスと製品を提供し続けるために、バイタリティーとスピードをもって技術革新に挑戦し、新たなイノベーションの創出を目指す。

③展開する事業領域内において№1を目指す。

④国内で事業基盤を固めグローバルに展開することを目指す。

⑤グループの相乗効果と総合力を生かして、継続的で質の高い成長を目指す。

⑥社員が安心して業務を遂行できるように、社内環境・待遇の継続的な改善に努める。

 

(2) 経営戦略等

 当社グループでは、土壌汚染対策事業を祖業としておりますが、土壌汚染調査や土壌汚染浄化工事といった単品のサービスではなく、それらに付随する顧客の幅広いニーズを掘り起こし、包括的に応える「ワンストップのパッケージ・ソリューション」を提供することを経営戦略の基本としております。

 各事業では、以下に示す経営目標を掲げ、それを達成するための事業戦略を遂行しております。

①土壌汚染対策事業

経営目標:経済性の高い土壌汚染対策を推進し、土壌汚染問題を解消する

     土壌汚染対策事業の現地化により海外の土壌汚染問題解消を支援する

経営戦略:調査・解析・設計・原位置浄化技術を活用した汚染地有効活用措置の提案営業で差別化を徹底する

中国では日系企業に重点的に営業することで差別化を徹底して受注確度を高める

②ブラウンフィールド活用事業

経営目標:土壌汚染地の有効活用を推進し、持続可能な土地利用を実現する

経営戦略:土壌汚染対策事業との連携強化を進め環境対応についての提案部分で差別化を図る

     これまで蓄積したノウハウを生かした大規模化による成長加速を目指す

③自然エネルギー事業

経営目標:太陽光発電やバイオマス発電によるクリーンエネルギーへの転換に貢献する

     太陽光発電と井戸技術を活用した水資源開発事業で途上国の水不足解消に貢献する

経営戦略:固定価格買取制度に依存しない事業モデルを開発し収益構造の多角化・安定化を図る

     海外案件の開拓と投資実行により収益力の向上を図る

 上記経営戦略に沿って、新規事業の開発と投資、新技術の開発・導入、M&Aや資本業務提携を積極的に推し進めてまいりました。引き続き、積極的に展開することにより、より一層の差別化による競争力の強化を図ってまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 2025年3月期を最終年度とする中期経営計画では、2025年3月期連結売上高14,145百万円、営業利益1,107百万円、経常利益761百万円を業績目標といたしました。

経営上の目標の達成状況を判断するための指標としては、より高い成長性を確保する観点から「売上高」の増収を、成長性向上を継続する観点から「営業利益」と「経常利益」の増益を、重要な指標と位置付け、営業基盤の拡大による企業価値の継続的な増大を目指しております。

各事業で業績目標の達成状況を判断するための先行的な指標は、以下のとおりです。

①土壌汚染対策事業

・受注残高及び当期出来高予定額

②ブラウンフィールド活用事業

・販売用不動産の在庫件数及び棚卸資産残高

・収益不動産の在庫件数及び月間賃料

③自然エネルギー事業

・稼働中発電所の総発電出力

・開発中発電所の計画発電出力

 

(4) 経営環境

 当連結会計年度におけるわが国の経済状況は、持ち直しの動きが続いているものの、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中で一部に弱さがみられます。また、ウクライナ情勢等による不透明感がみられる中で、原材料価格の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約等による下振れリスク、感染症による影響を十分注意する必要があります。

当社グループの業績に大きな影響を及ぼす不動産業については土地取引件数に持ち直しの傾向がみられ、建設業については住宅建設は弱含んで推移し、設備投資に伴う建築工事は持ち直しの動きが見られます。

 子会社を展開する中国では環境規制の強化が土壌汚染対策の追い風となっていますが、景気の回復テンポが鈍化し、固定資産投資の伸びも低下しており、経営環境は予断を許さない状況が続いております。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループの属する土壌汚染関連業界の国内市場は、土壌汚染対策法の一部改正により土壌汚染調査の契機が拡大し、年間の調査件数は増加傾向が続いておりますが、浄化工事を伴わない措置の増加や競合企業間の競争激化により工事単価の低価格化が進行し、市場規模は減少傾向にあります。また中国では、土壌浄化を事業機会と捉えた大手企業の新規参入が相次いでおります。

 収益拡大のためには、土壌汚染調査と土壌汚染浄化工事だけでなく、それらと連動する土壌汚染地の買い取りや利活用サービスを包括的に市場に投入して顧客の幅広いニーズに応えることが不可欠だと認識しております。そのために以下のような課題に取り組み、競合他社とのより一層の差別化を図ることにより、業容の拡大に努めてまいります。

 また、自然エネルギー事業については、固定買取制度(FIT制度)の買取価格が年々低下し、新規の太陽光発電所の収益性が低下しているため、FIT制度に依存しない事業スキームの構築が課題となっております。

 

① 土壌汚染対策事業とブラウンフィールド活用事業との相乗効果の最大化

 当社グループは、株式会社エンバイオ・リアルエステートを通してクリーニング工場やガソリンスタンド等の小規模な土壌汚染地の買い取り・浄化・再販事業(ブラウンフィールド活用事業)で数多くの実績を蓄積してまいりました。蓄積したノウハウを中規模から大規模な土壌汚染地の買い取り・浄化・再販事業へ展開するべく、物流不動産事業を本業とする株式会社シーアールイーと合弁で株式会社土地再生投資を設立いたしました。土壌汚染地の出口戦略の多様化と規模の効果を追求することによって土壌汚染対策事業とブラウンフィールド活用事業との相乗効果の最大化を目指します。産業用地の土地取引における潜在的な売手となるメーカー等土地所有者の情報入手とアプローチが課題であると認識しております。グループ横断的なコンサルティング営業展開を徹底し、土壌汚染対策から土壌汚染地活用までのワンストップソリューションによる事業拡大に努めてまいります。

 

② 土壌汚染対策事業における品質管理及びリスク管理の強化

 土壌汚染対策事業においては、顧客開拓が奏功し大型の土壌汚染対策工事が増えてまいりました。大型案件については、品質管理や原価管理の巧拙により利益が上振れたり下振れたりする事業リスクが、大きいと認識しております。営業担当、技術担当、工事担当が複眼的に案件を俯瞰する品質管理体制を徹底して品質の向上と原価の低減を図るとともに、安全品質管理室を中心に安全対策のより一層の徹底を図ることでリスク管理に努めてまいります。

 

③ 土壌汚染対策事業における多様な技術及びノウハウによる競争力の強化

 現在までに多数の企業の参入と様々な土壌浄化技術が実用化された結果、国内では土壌汚染対策の汎用化が進み、競合企業間での競争が激しく、工事単価の低価格化が進んでおります。こうした市場環境においては、コストの高い掘削除去に偏重していた顧客ニーズが変化しているため、多様な技術やノウハウによる高付加価値サービスを提供して他社との差別化を図ることが、競争力強化の鍵と認識しております。様々な工法に迅速に対応できるように技術戦略室を中心に新技術・新工法の開発、導入、提案体制を強化し、大学との共同研究による汚染物質分解微生物の開発、米国から新たな原位置透過壁工法の導入、新規対象物質(PFOA、PFOS)の対策技術の開発等を行なっております。

 施工実績数と事故率の低さで審査を通過し国内企業では初めて付保できた責任施工保証保険とこれまで蓄積してきた土壌浄化工事の設計・責任施工ノウハウを裏付けとして土壌汚染対策工事の費用総額を保証するサービス(プレアセスメント調査)を商品化しました。土壌汚染リスクを早期に確定させたい土地所有者やデベロッパー向けのリスク移転商品として拡販を行ってまいります。

 

④ 中国市場展開の収益化

 土壌汚染対策事業の中長期的な成長エンジンとして、環境規制の強化により土壌汚染対策の需要が本格化する中国市場に当社グループが日本国内市場で培ってきた技術ノウハウを展開することが重要との認識で、2018年3月に100%子会社として恩拜欧(南京)環保科技有限公司を設立いたしました。

 2019年1月に土壌汚染防治法が施行されたことにより、中国の土壌汚染対策市場は黎明期から拡大期を迎えようとしております。同社を通した日系企業向けの土壌汚染対策を柱とする環境保全サービスによる業容の拡大と収益化に努めてまいります。

 

⑤ 自然エネルギー事業の強化

 自然エネルギー事業は、土壌汚染地の有効活用の一方策としてスタートいたしましたが、順調に発電能力を拡大しながら発電事業のノウハウを蓄積した結果、安定した収益基盤として当社の成長を支えるストック型の独立した事業セグメントに成長いたしました。当社が安定的に成長し続けていくためには、フロー型の土壌汚染対策事業やブラウンフィールド活用事業とストック型の自然エネルギー事業とのバランスが重要と考えております。

 自然エネルギー事業の継続的な拡大は今後も戦略的に重要となりますが、国内での新規の太陽光発電事業の採算は低下しているため、FIT制度に依存しない事業スキームの構築や太陽光発電に代わる発電事業及び海外市場への進出等の新たな事業展開を検討しております。検討済みの有望案件から順次事業化するように努めてまいります。

 

⑥ 人材の確保、育成

 事業の継続的な発展を実現するためには、優秀な人材を十分に確保することが不可欠ですが、近年、建設技術者が逼迫しているため、人材の採用が課題であると認識しております。新卒の採用活動に力を注ぐ一方、高い専門性を有する人材、中国で活躍できる人材及び管理職者の獲得に幅広いルートを活用するとともに、教育研修制度の拡充、外部ノウハウの活用などを通して社内人材の育成に注力してまいります。

 

⑦ 新型コロナウイルス後の社会への備え

 新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大は、経済活動を停滞させ生活様式に大きな変容をもたらしました。現行の事業のあり方や働き方に対しては、大きな変革が迫られており、この流れは感染対策に万全を期し、経済社会活動が正常化に向かう中でも止むことなく進み、それに対する備えが不可欠だと認識しております。在宅勤務の本格的な導入に備えた整備やDXによるビジネスプロセスの見直しを軸に働き方改革の推進に努めてまいります。

 

⑧ サステナビリティ経営の強化

 当社グループでは、経営理念でSDGsへの貢献を掲げており、重要課題と定めたサステナビリティ課題への本業を通した貢献を目指しております。より一層のサステナビリティ経営を目指して、本業の戦略策定へのSDGsの活用に加えて、人的資本を重視し、コンプライアンスを前提として、多様な人材がチャレンジできる組織の創造と積極的な情報開示に努めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの投資判断に重要な影響を与える可能性があると考えられるリスクには以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 当社グループは、これらリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は本株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点にご留意下さい。

 

(1) 事業環境に由来するリスク

①事業環境の変化

 土壌汚染対策事業の需要は、「土壌汚染対策法」及び各地方自治体により施行される条例等の影響を受けます。今後、法令や条例等が新設又は改正され強化される場合、土壌汚染調査や土壌汚染浄化工事の機会が増加すると考えられ、需要が拡大する可能性があります。反対に規制が緩和される場合は、需要が縮小する可能性があります。2017年5月に改正された土壌汚染対策法は2018年、2019年の2段階に分けて施行されましたが、2019年施行分には土壌汚染調査の契機が拡大する規制強化と自然由来の汚染土壌の取り扱いに関する規制緩和の内容が含まれております。

 一方、土壌汚染調査や土壌汚染浄化工事の需要の大半は、不動産取引を契機とした企業の法令対応、工場等の統廃合、M&Aを契機とした環境対策、稼働中の工場等の施設の環境保全を目的とした環境投資によって占められております。そのため、土壌汚染対策事業の需要は、景気動向による不動産取引の増減や企業の環境投資の増減の影響を受けます。新型コロナウイルスの感染拡大に伴って経済活動が縮小し景気が減速した場合、それに連動して土壌汚染対策事業の需要も減少する可能性があります。

 また、ブラウンフィールド活用事業については、今後、金利の上昇等により顧客の購買意欲の減退が起こる場合、新型コロナウイルスの感染拡大が収束せず経済活動が縮小し不動産取引が減少した場合等、不動産市況の動向その他の要因により、販売用不動産の売却損、評価損及び減損損失等が発生する可能性がある他、販売用不動産の引渡時期が変動する可能性があります。

 自然エネルギー事業については、固定価格買取制度による電力会社への売電収入を主たる収入源としておりますが、近年、太陽光発電所の発電総量が増大したことから、需給バランスを保つために電力会社から出力抑制を求められるケースが増えてきました。出力抑制に応じている期間は、売電収入が得られないので売上が減少する可能性があります。

 上記のような事業環境の変化が当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

②競合の状況

 当社グループの属する土壌汚染関連業界の国内市場は、土壌汚染対策法の一部改正により土壌汚染調査の契機が拡大し、年間の調査件数は増加傾向が続いておりますが、浄化工事を伴わない措置の増加や競合企業間の競争激化により工事単価の低価格化が進行し、市場規模は縮小傾向にあります。当社グループは、「原位置浄化」という得意技術を強みとした土壌汚染対策事業に加えて、土壌汚染リスクを評価して現状有姿で購入した後に浄化して再販するブラウンフィールド活用事業を行っており、技術力を裏付けに不動産事業を絡めて汚染された土地の活用提案から土壌汚染調査、土壌汚染浄化工事、跡地の流動化までを一貫して手掛ける「ワンストップソリューション」を提供できる企業グループとして、他社との差別化を図っております。しかしながら、競合他社との受注競争が激化する中で、厳しい条件で受注する傾向が進んだ場合等には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③中国における関連会社の業績の影響

 当社グループでは、日本国内の土壌汚染対策事業で蓄積した技術やノウハウを中国市場に展開するために江蘇省南京市に現地法人(恩拜欧(南京)環保科技有限公司)を構えております。2019年1月に土壌汚染防治法が施行されたことから、土壌汚染対策市場は拡大期に向かうと想定されますが、中国政府の政策変更や経済運営状況、地方政府による行政指導等によって市場拡大時期に遅れが生じた場合、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策に伴って経済活動が停滞した場合には、当該子会社の業績に影響を及ぼす可能性があり、さらに当該子会社の経営成績の推移によっては、追加出資又は会計手当等が必要となる場合が想定され、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業内容に由来するリスク

①売上計上時期が計画から遅れる可能性及び一時期に集中する可能性

 土壌汚染調査や土壌汚染浄化工事は多くの場合、施設閉鎖、土壌汚染調査、施設解体、土壌汚染浄化工事、及び新しい建築物(マンション等を含みます)の建設という一連の工程の中で実施されます。したがって、何らかの事情により施設閉鎖時期が遅れる、又は解体工事の着工が遅れる等、当社グループに起因しない事情により事業が遅延し、それに付随して土壌汚染調査や土壌汚染浄化工事の実施時期が遅れる場合があります。また、汚染の状況によっては、追加調査が必要な場合があります。このような場合は、調査期間が長引く若しくは土壌汚染浄化工事の実施時期が遅れることもあるため、結果として売上計上時期が計画から遅れる可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループが大規模な土壌汚染対策に関する案件を受注した場合、若しくは多数の受注工事が一時期に集中した場合、売上規模の大きな販売用不動産の売却を実行した場合等には、該当する四半期決算の売上高は大幅に増加する可能性がありますが、当該四半期決算の経営成績だけをもって、当社グループの通期の経営成績を見通すことは困難である点には留意する必要があります。

 

②汚染の状況によって費用が変動する可能性

 土壌汚染浄化工事は、土壌汚染調査の結果を基に設計・積算して、工事価格を決定しますが、土壌汚染調査は必ずしも当社グループが実施するわけではなく、他社が実施した既存の調査結果を基に設計・積算することがあります。したがって、土壌汚染調査の結果と実際の汚染状況が著しく異なる場合は、工事費用が変動する可能性があります。その場合は、顧客へ説明し、工事価格の増額交渉を行いますが、例えば「原位置浄化」か、それ以外の工法かにより利益率が異なるため、利益率の低い工法を選択せざるを得ない場合は、当初予定の利益を確保できない可能性があります。また、近年、不動産開発業者との契約で一般的になりつつある増減なしの確定した金額での責任施工(コストキャップ保証)として土壌浄化工事を請け負った場合、工事費用が変動した場合の上振れ分を補填する保険(業務過誤保険)には加入しておりますが、免責部分については負担する必要があるため、当初予定の利益を確保できない可能性があります。

 

③為替変動に関するリスク

 土壌汚染関連機器・資材は、主に北米メーカーの製品の輸入販売を行っております。また自然エネルギー事業では中東での売電事業を展開しております。いずれも主に米ドル建てで取り引きしているため為替変動により当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④仕入先との取引条件について

 土壌汚染関連機器・資材は、主に北米メーカーの製品の輸入販売を行っており、一部のメーカーとの間では日本国内における独占販売契約を締結しております。これら仕入先との取引契約が解消されることは、現状では想定し難いものと認識しておりますが、今後不測の要因により主要な仕入先との取引契約が解消された場合は、当社グループの事業展開及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤サービス及び商品の欠陥について

 当社グループは品質管理に細心の注意を払っておりますが、提供するサービス及び商品に欠陥が生じるリスクがあります。その場合、当社グループは、サービス又は商品の欠陥が原因で生じた損失に対する責任を追及される可能性があります。さらに、サービス又は商品に欠陥が生じたことにより社会的評価が低下した場合は、当社グループのサービス及び商品に対する顧客の購買意欲が低減する可能性があります。これらの場合、当社グループの財政状態及び経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

⑥海外展開について

 当社グループは中国や東南アジア、中東諸国を中心とした海外市場において、積極的な事業展開を推進していく予定です。海外事業展開には、事業投資に伴う為替リスク、カントリーリスク、出資額又は出資額を超える損失が発生するリスク等を伴う可能性があり、加えて目下の新型コロナウイルスの感染拡大により当該国の経済活動が停滞する可能性があります。それによって計画どおりに事業展開ができない場合には、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) その他のリスク

①法的規制リスク

 当社グループの事業に係る主要な法的規制は以下のとおりであります。

 

a.建設業関係

 土壌汚染対策事業で実施する土壌汚染浄化工事には、重機を使用する現場での汚染土壌の浄化工程や汚染土壌の掘削工程等が含まれ、これらの工程は土木工事に該当するため、「建設業法」の規制を受けます。

 当社グループにおいて土壌汚染対策事業を担当する事業会社は、土木工事業等について「特定建設業」の許可を取得しております。万一、「建設業法」に抵触し、当該営業の全部又は一部の停止命令又は許可取消し等の行政処分を受けた場合は、当社グループの事業展開及び経営成績等に重大な影響を与える可能性があります。

 

b.指定調査機関関係

 土壌汚染対策事業では、工場跡地等の不動産の売買時及び同土地の再開発時等に汚染の有無を確認するための土壌汚染調査を行いますが、「土壌汚染対策法」で土壌汚染状況調査を義務付けられた区域の調査は、環境大臣による指定を受けた「指定調査機関」が行うこととされております。

 当社グループで土壌汚染対策事業を担当する事業会社は、「指定調査機関」の指定を受けております。万一、「指定調査機関」の適格要件に抵触し、指定を取り消された場合は、当社グループの事業展開及び経営成績等に重大な影響を与える可能性があります。

 

c.不動産業関係、税制の制定・改定について

 ブラウンフィールド活用事業は、「宅地建物取引業法」による規制を受けており、当社グループにおいて当該事業を担当する事業会社は、「宅地建物取引業」の許可を取得しております。万一、「宅地建物取引業法」に抵触し、許可取消し等の行政処分を受けた場合は、当社グループの事業展開に影響を与える可能性があります。

 また、住宅税制、消費税等が制定・改定された場合には、不動産等の取得・保有・売却等にかかる費用の増加及びこれらの要因による顧客の購買意欲の低下等により当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

②知的財産等に関するリスク

 当社グループは、当社グループが運営する事業に関する知的財産権の獲得に努めるとともに、第三者の知的財産権を侵害しないように取り組んでおります。しかしながら、今後当該事業分野において第三者の権利が成立した場合又は認識していない権利が既に成立している場合は、第三者より損害賠償及び使用差止め等の訴えを起こされる可能性並びに権利に関する使用料等の対価の支払が発生する可能性があります。また、当社グループが所有する商標権が、第三者より侵害された場合には当社グループのブランドイメージが低下する可能性がある他、解決までに多くの時間と費用を要する可能性があります。それらの場合には、当社グループの事業展開及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

③情報管理に関するリスク

 顧客や取引先の個人情報や機密情報を保護することは、企業としての信頼の根幹をなすものであります。当社グループでは、社内管理体制を整備し、従業員に対する情報管理やセキュリティ教育等、情報の保護について種々の対策を推進しておりますが、情報の漏洩が全く起きないという保証はありません。万一、情報の漏洩が起きた場合、当社グループの信用は低下し、顧客等に対する賠償責任が発生する等、当社グループの財政状態及び経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 

④自然災害・火災・事故等への対応について

 地震、風水害等の自然災害により当社グループが運営する太陽光発電所・事務所・設備・社員とその家族等に被害が発生した場合には、損害保険等を付与してリスクヘッジは行っているものの、当社グループの財政状態及び経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。また、当社グループは安全を第一とし、労使間において安全衛生協議会を設けて、安全パトロールや安全教育を実施する等事故の防止に努めておりますが、万一、重大な労働災害、事故等が発生した場合には、操業に支障が生じ、経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

⑤小規模会社であること

 当社グループの人員は、当連結会計年度末現在、取締役12名、監査役4名(非常勤監査役3名を含みます)、従業員80名の小規模な組織であり、内部管理体制はこの規模に応じた組織で対応しております。今後は、事業の拡大に伴い、管理体制をさらに充実させていくため、組織の拡大に応じた人材育成、人材補強を行う方針ですが、それらの施策が適切に実行できない場合には、事業の運営に支障が生じ、当社グループの事業展開等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥資金使途について

 当社が実施した資金調達の使途については、土壌汚染対策事業の国内・海外展開費用及びブラウンフィールド活用事業の土地仕入資金等に充当する計画であります。しかしながら、急速に変化する経営環境に柔軟に対応するため、自然エネルギー事業の太陽光発電所の建設資金など現時点における資金使途計画以外の使途へ充当する可能性があります。また、当初の計画に沿って資金を使用したとしても、想定どおりの投資効果を上げられない可能性もあります。

 

⑦配当政策について

 当社は、企業価値の向上を目的として財務体質強化及び更なる事業拡大に対する投資の必要性を勘案した上で株主に対する適切な利益還元を行うことを基本方針としておりますが、配当政策が自然エネルギー事業の既設設備から得られる収益に連動しているため、業績が悪化した場合、これにともなって配当を減少もしくは実施しない可能性があります。

 

⑧ストックオプション等株式報酬の提供による株式価値の希薄化について

 当社は、役員及び従業員へのインセンティブを目的として、譲渡制限付株式報酬制度及びストックオプション制度を採用しております。今後も同様のインセンティブ・プランを継続する可能性があり、その場合は、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。

 

⑨財務制限条項について

 当社が複数の金融機関との間で締結している借入に係る契約の一部には、財務制限条項が定められております。今後、当社の経営成績が著しく悪化するなどして財務制限条項に抵触した場合、借入先金融機関の請求により当該借入について期限の利益を喪失し、一括返済を求められるなどして、財政状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 当期の経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国の経済は、持ち直しの動きが続いているものの、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が残る中で一部に弱さがみられます。また、ウクライナ情勢等による不透明感がみられる中で、原材料価格の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約等による下振れリスク、感染症による影響を十分注意する必要があります。

 当社グループの業績に大きな影響を及ぼす不動産業については土地取引件数に持ち直しの傾向がみられ、建設業については住宅建設は弱含んで推移し、設備投資に伴う建築工事は持ち直しの動きが見られます。

 子会社を展開する中国では環境規制の強化が土壌汚染対策の追い風となっていますが、景気の回復テンポが鈍化し、固定資産投資の伸びも低下しており、経営環境は予断を許さない状況が続いております。

 このような背景のもと、土壌汚染対策事業を中心にグループの総合力を活かして、ブラウンフィールド活用事業や自然エネルギー事業を積極的に展開いたしました。

 土壌汚染対策事業においては、昨年受注した大型案件の工事が完了したことに加えて原価率の改善が進んだことから増収増益となりました。ブラウンフィールド活用事業においては、販売件数の増加に加えて株式会社土地再生投資の大型物件の売却が完了したことから増収増益となりました。自然エネルギー事業においては、所有・管理している各発電所からは安定した売電収入が得られました。

 当連結会計年度の売上高は8,987,865千円(前年同期比31.4%増)となりました。期初から不動産市況が活況であることが追い風となり、各セグメントにおいて大幅な増収となりました。

 経常利益は1,197,971千円(同102.2%増)となりました。増益の主な要因は売上高の増加に加えて、土壌汚染対策事業において、原価率改善の取り組みが奏功したことによるものであります。

 親会社株主に帰属する当期純利益654,055千円(同115.1%増)となりました。

 以下に各事業セグメントの状況を報告いたします。

 

(土壌汚染対策事業)

 土壌汚染対策工事の案件数は不動産市場が活況のため減少しておりませんが、用地仕入の競争が厳しくなっていることから、開発事業者が土壌汚染の対策に関連する予算を縮小化する傾向が見られます。そのような市場の変化に対応した結果、完全浄化ではなく土壌汚染の管理を目的とした対策手法(以下「リスク管理型手法」という。)の受注が増えました。前連結会計年度と比べて高原価率案件の割合が減り、施工効率改善の効果もあったことから、増収かつ大幅な増益となりました。

 リスク管理型手法は、脱炭素を目指す社会的な環境側面からも推奨されるものであり、将来的には主流になると期待され、今後リスク管理型手法の割合は増加すると見込んでおります。リスク管理型手法では汚染が一部残置されるため、事業主・周辺住民・金融機関等の利害関係者間の調整のためのコンサルティング力が不可欠であります。今後は、そのような案件にも対応できるコンサルティング力の高い人材の育成に注力し、受注の拡大を図ります。

 また、現業から派生したインフラ分野でのサービスの中で将来性が高い分野に投資し、環境サービスの範囲を拡大することにより、将来的な増収を目指してまいります。

 中国では日系企業の工場移転、事業撤退に伴う土壌汚染対策の動きが増え、修復工事を受注いたしました。新型コロナウイルス感染症再拡大への警戒が続き不安定な要素はありますが、当面は日系企業への営業に注力してまいります。

 その結果、売上高は4,600,497千円(前年同期比40.6%増)となり、セグメント利益は607,619千円(同957.1%増)となりました。

 

(ブラウンフィールド活用事業)

 株式会社エンバイオ・リアルエステートでは、大手仲介業者や銀行系仲介業者を中心に相対で進められる案件の情報収集を行い、13物件を仕入れました。購入した物件の中には、土壌汚染が検出された金属加工工場跡地や印刷工場跡地の物件もあります。販売に関しては、新型コロナウイルス感染症の影響に関係なく上半期に大半の物件を売却する事ができ、12物件の販売を行いました。販売した物件の中には、浄化後に一般法人に売却した物件や工場の改修工事とリーシングを行った後に売却した物件もあります。

 大規模な土壌汚染地を扱う株式会社土地再生投資では、解体・土壌浄化工事を実施した白井市内の案件を売却しました。仕入に関しては不調に終わったため、営業活動方法を再構築して取り組んでまいります。また、デベロッパー等への土壌汚染コンサルティング業務を7件受託いたしました。

 その結果、売上高は3,082,672千円(同33.5%増)となり、セグメント利益は422,533千円(同14.8%増)となりました。

(自然エネルギー事業)

 当連結会計年度末における国内外の再生可能エネルギー発電所は開発中含め40か所、総発電量45MW(うち稼働中は約39.5MW)となっております。

 新たに北海道において太陽光発電所(約2,000kW)の開発を開始(2022年7月完成予定)しました。また草加市(693kW)と八潮市(561kW)のセカンダリー太陽光発電所を新たに取得しました。ヨルダンにて、第4号案件(2022年4月完成)とドバイにて、第1号案件(2022年11月完成予定)の開発に着手しました。また、株式会社シーアールイー(以下「CRE」という。)との共同出資により、株式会社エンバイオC・エナジーを設立いたしました。CREが開発する物流施設「ロジスクエア」の屋根を活用したグリーン電力供給を主な事業としており、積極的に展開してまいります。

 FIT価格低下に伴い、国内太陽光案件を取り巻く状況が厳しくなっており、海外を含む新規案件の情報収集及びセカンダリー案件の検討に注力しております。

 なお、2021年5月に宮城県沖、9月に石川県能登地方、10月に千葉県北西部、2022年3月に宮城県沖を震源とする地震がありましたが、本地震による当社(グループ会社含む)発電所への影響はありませんでした。

 その結果、売上高は1,304,695千円(同3.6%増)となり、セグメント利益は236,189千円(同5.6%減)となりました。

 

② 財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末における資産につきましては、総資産は16,370,283千円となり、前連結会計年度末に比べ671,703千円増加いたしました。これは主に棚卸資産が1,270,299千円減少したものの、現金及び預金が356,324千円、受取手形、売掛金及び契約資産が630,112千円、その他流動資産が111,674千円及び有形固定資産が582,054千円増加したこと等によるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債につきましては、10,396,288千円と前連結会計年度末に比べ14,887千円増加いたしました。これは主に短期借入金が310,300千円、長期借入金が335,319千円及びその他流動負債が280,676千円減少したものの、買掛金が78,093千円、1年内返済予定の長期借入金が226,491千円、未払法人税等が294,267千円及び契約負債が345,539千円増加したこと等によるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産につきましては、5,973,994千円と前連結会計年度末に比べ656,815千円増加いたしました。これは主に資本金が2,825千円、資本剰余金が3,481千円及び利益剰余金が609,030千円増加したこと等によるものであります。

 

③ キャッシュ・フロー状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ356,324千円増加し、2,341,616千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は2,413,152千円(前連結会計年度は297,156千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,099,319千円、棚卸資産の減少額1,495,521千円及び減価償却費333,866千円があったものの、利息の支払額123,476千円及び法人税等の支払額98,168千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は1,481,400千円(前連結会計年度は2,159,510千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,164,847千円、投資有価証券の取得による支出119,413千円及び貸付けによる支出97,190千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動の結果、使用した資金は534,925千円(前連結会計年度は928,537千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,540,424千円があったものの、長期借入金の返済による支出1,649,252千円、短期借入金の純減少額310,300千円、社債の償還による支出35,000千円及び自己株式の取得による支出43,873千円等によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

(a) 生産実績

 生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。

 

(b) 受注状況

 当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

土壌汚染対策事業

3,480,853

85.3

1,513,635

57.5

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。

2.ブラウンフィールド活用事業、自然エネルギー事業につきましては、受注に該当する事項がないため、記載すべき事項はありません。

 

(c) 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

土壌汚染対策事業 (千円)

4,600,497

140.6

ブラウンフィールド活用事業 (千円)

3,082,672

133.5

自然エネルギー事業 (千円)

1,304,695

103.6

合計 (千円)

8,987,865

131.4

(注) 1.セグメント間内部取引振替後の数値によっております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

 至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社山王インベストメント

802,067

11.7

株式会社シーアールイー

1,876,771

20.9

 

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、本文の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作られております。

 当社グループは、この連結財務諸表の作成にあたって、貸倒引当金、固定資産の減損、減価償却資産の耐用年数の設定、繰延税金資産の計上、偶発債務の認識等の重要な会計方針に関する見積り及び判断を行っております。

 当社経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき判断しておりますが、記載した予想、見通し等の将来に関する事項につきましては、不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。

 当社グループの連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

① 経営成績の分析

 経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)当期の経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照下さい。

 

② キャッシュ・フロー状況の分析

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)当期の経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フロー状況」に記載しております。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(a) 財務戦略の基本的な考え方

 当社グループは、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。

 厳格な財務規律のもとで負債の活用を積極的に進めるとともに、適切な情報開示・IR活動を通じて株主資本コストの低減に努めることにより、資本コストの低減および資本効率の向上を図ります。

 新規事業投資については、積極的に取り組む方針ですが、企業価値の向上の期待値のみならず、当社グループが当該事業へ投資することの意義を慎重に検討してまいります。

 

(b) 経営資源の配分に関する考え方

 当社グループは、適正な手元現金の水準について常に検証を実施しております。安定的な経営に必要な手元現預金水準を設定し、それを超える分については、「追加的に配分可能な経営資源」と認識し、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。

 同時に、手元現預金及び今後創出するフリーキャッシュ・フローから、株主還元についても検討してまいります。

 

(c) 資金需要の主な内容

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売用不動産の購入費用及び、各事業の販売拡大に伴う運転資本の増加であります。また、投資を目的とした資金需要は、自然エネルギー発電所への設備投資及び、新規事業参入のための出資等によるものであります。

 

(d) 資金調達

 短期運転資金は、主に営業活動により得られたキャッシュフローを財源としておりますが、増加運転資本に対応するために必要な資金については、金融機関からのコミットメントライン等の融資枠による短期借入によって流動性を保持しております。

 設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。また、設備投資の一部はリース取引によっております。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は8,617,613千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,341,616千円となっております。

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しております。

 

⑤ 経営戦略の現状と見通し

 当社グループは、環境保全に役立つサービスや製品の提供を通して、環境問題の解決と健やかな環境づくりを推進し、持続可能な社会の構築に貢献することを経営の基本理念とし、「地盤の環境・エネルギーに関わる問題解決を担うグローバルな専門企業集団」となることを目指しております。それに向けた当社グループの経営戦略の基本は、土壌汚染調査や土壌汚染浄化工事といった単品のサービスではなく、それらに付随する顧客の幅広いニーズを掘り起こし、包括的に応える「ワンストップのパッケージ・ソリューション」を提供することとしております。

 当社グループの属する土壌汚染関連業界の国内市場は、土壌汚染対策法の一部改正により土壌汚染調査の契機が拡大し、年間の調査件数は増加傾向が続いております。しかしながら浄化工事を伴わない措置の増加や競合企業間の競争激化により工事単価の低価格化が進行し、市場規模は減少傾向にあります。また中国では、土壌浄化を事業機会と捉えた大手企業の新規参入が相次いでおります。

 当社グループでは、土壌汚染問題の黎明期にいち早く導入した汚染土壌を掘削・場外搬出せずに場内で浄化ができる経済性の高い「原位置浄化・オンサイト浄化」に関する技術力を核心的競争力として他社を圧倒する実績を蓄積することを目指してまいりました。その結果、土壌汚染地の調査から幅広い選択肢での浄化工事を提供できる体制を整えることができました。さらに多数の土壌浄化実績に裏付けられたリスク評価を背景に土壌汚染地を現状有姿で購入し、浄化工事によってバリューアップさせた後に再販する事業を展開することで、土壌汚染地の調査・対策から有効活用までの一貫した独自のサービスを提供しております。また、鉱研工業株式会社との資本業務提携を梃子に土壌汚染対策事業を地盤環境事業の方面に土壌汚染から事業領域を拡大してまいります。

 さらに国内で培った「原位置浄化・オンサイト浄化」のノウハウと実績を環境規制が急速に強化されている中国などアジア諸国の土壌汚染問題解決に積極展開し、グローバル企業としての成長を目指します。

 また、土地の有効活用策としてスタートさせた自然エネルギー事業では、既に国内で38.1MWの太陽光発電所を建設し、順調に事業拡大を進めております。安定的な収益を上げ、当社グループの成長戦略を財務的に支える事業として育ってまいりました。自然エネルギー事業については、国内の電力固定買取価格の低下に伴い新規案件の収益性が悪化することを勘案し、自然エネルギー需要の増加が見込まれる海外での新規案件の発掘と開発にも力を注いでまいります。

 これらの事業活動を通して土壌汚染問題に直面した国内の顧客の幅広いニーズに一貫して応えること、ならびに海外への技術提供による継続的な事業の発展、収益の向上を進めてまいり、土壌汚染関連業界内でのリーディングカンパニーを目指します。

 

⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

⑦ 新型コロナウイルス感染症による経営成績等への影響について

 新型コロナウイルス感染症の影響については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載したとおりでありますが、顧客先への訪問規制や在宅勤務などにより、直接訪問ができない中、メールやリモート会議により通常とは異なる営業活動を行ってまいりました結果、当連結会計年度の業績への影響は軽微でありました。

 新型コロナウイルス感染症拡大による影響は未だ不透明な状況ではあるものの、現状では、当社グループの収益等に与える影響は限定的であると判断しており、これにもとづき必要とされる会計上の見積りなどを行っております。

 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の今後の状況次第では、会計上の見積りなどに重要な影響を及ぼすことも考えられ、この場合、当連結会計年度以降の当社グループの業績に影響を及ぼすおそれがあります。

4【経営上の重要な契約等】

(1) 独占販売権を受けている契約

 契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約締結日

契約内容

契約期間

株式会社エンバイオ・エンジニアリング

(連結子会社)

KEJR ,INC.

米国

Geoprobe®Systems関連商品

2010年
12月1日

Geoprobe®Systems

関連商品の日本における独占販売権及びアジア全域における販売権

2010年12月1日~2012年11月30日以降2年毎の自動更新

株式会社エンバイオ・エンジニアリング

(連結子会社)

REGENESIS Bioremediation Products,Inc.

米国

ORC,ORC-Advanced

HRC,3DMicro

Emulsion,RegenOx

PersulfOx

PlumeStop

2013年
8月1日

契約品目の日本における独占販売権及び中国における販売権

2013年8月1日~2014年8月1日以降1年毎の自動更新

 

(2) 電力受給契約

契約会社名

相手先

契約内容

契約期間

提出会社

東北電力株式会社

太陽光発電による売電

(金谷B地区発電所)

2016年1月15日から

2036年1月14日まで

太陽光パーク2合同会社

(連結子会社)

東北電力株式会社

太陽光発電による売電

(金谷A地区発電所)

2016年1月15日から

2036年1月14日まで

太陽光パーク2合同会社

(連結子会社)

東北電力株式会社

太陽光発電による売電

(引田地区発電所)

2016年2月29日から

2036年2月28日まで

ヴェガ・ソーラー合同会社

(連結子会社)

中国電力株式会社

太陽光発電による売電

(PVNext EBH 美咲町発電所)

2015年9月30日から

2035年9月29日まで

アルタイル・ソーラー合同会社

(連結子会社)

北海道電力株式会社

太陽光発電による売電

(PVNext EBH 浦幌第一発電所)

2017年3月15日から

2037年3月14日まで

提出会社

九州電力株式会社

太陽光発電による売電

(熊本県菊池メガソーラー発電所)

2016年12月19日から

2017年12月18日まで以降1年毎の自動更新

提出会社

東北電力株式会社

太陽光発電による売電

(岩手県紫波メガソーラー発電所)

2017年4月17日から

2037年4月16日まで

提出会社

中部電力株式会社

太陽光発電による売電

(EBH 伊那発電所)

2018年3月12日から

2036年3月23日まで

提出会社

中部電力株式会社

太陽光発電による売電

(EBH 茅野スタジアム発電所)

2018年3月9日から

2036年7月30日まで

提出会社

東京電力パワーグリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア久喜Ⅰ発電所)

2018年3月20日から

2037年12月18日まで

提出会社

東京電力エナジーパートナー株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア久喜Ⅱ発電所)

2017年11月1日から

2037年4月30日まで

提出会社

東京電力パワーグリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア守谷発電所)

2018年3月29日から

2038年3月28日まで

提出会社

東京電力パワーグリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア羽生発電所)

2018年3月20日から

2038年3月19日まで

提出会社

東京電力パワーグリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア春日部発電所)

2018年8月3日から

2038年8月2日まで

 

契約会社名

相手先

契約内容

契約期間

提出会社

東京電力パワーグリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア上尾

太陽光発電所)

2019年11月20日から

2039年12月10日まで

太陽光パーク2合同会社

(連結子会社)

北陸電力株式会社

太陽光発電による売電

(石川県志賀町

メガソーラー発電所)

2018年11月30日から

2038年11月29日まで

ヴェガ・ソーラー合同会社

(連結子会社)

東京電力パワーグリッド株式会社

太陽光発電による売電

(エンバイオ千葉若葉

太陽光発電所)

2021年4月12日から

2041年4月11日まで

 

(3) 資本業務提携契約

契約会社名

相手先

契約内容

契約期間

提出会社

株式会社シーアールイー

資本業務提携契約

期間の定めなし

提出会社

鉱研工業株式会社

資本業務提携契約

期間の定めなし

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、土壌汚染対策事業の競争力の源泉である原位置浄化技術の強化を目的として研究開発を行っております。

 当連結会計年度における研究開発は以下のとおりであります。

①塩素化エチレンの高分解能細菌を用いたバイオオーグメンテーションの開発

 バイオレメディエーションを適用して浄化した塩素化エチレンの汚染現場より採取した高分解能微生物群集から高分解能細菌を分離獲得(デハロコッコイデス属UCH-ATV1株)しました。これまでに本細菌の同定と遺伝子配列の解析を実施した独立行政法人製品評価技術基盤機構並びに東京農工大学より本細菌の商業利用に関する利用許諾を取得し、またこの細菌で構成される微生物群(コンソーシア)を用いた土壌浄化方法に関する特許権の譲渡を東京農工大学より受けました。この細菌を大量に培養して汚染現場に注入することにより短期間に効率よく塩素化エチレンを無害なエチレンにまで分解する技術(バイオオーグメンテーション)の開発を進めております。難分解性のクロロエチレンが特定有害物質に追加された揮発性有機塩素化合物の汚染の浄化に威力を発揮する技術として期待しております。

当連結会計年度は、前年度に取りまとめた経済産業省及び環境省が所管する「微生物によるバイオレメディエーション利用指針」の適合性確認審査の申請書について、専門家委員会から指摘を受けた事項に対応するための追加データをラボ実験で取得しました。経済産業省及び環境省の担当部署ならびに専門家委員会の委員との協議を重ねた結果、概ね了承が得られたので次年度の専門家委員会を経て利用が認められる見込みです。

 

②コロイド状活性炭を用いた原位置バリア工法の開発

稼働中の工場における土壌・地下水汚染の経済的な汚染拡散防止のニーズに応えるべく、米国リジェネシス社(当社は同社製品の日本国内の独占販売権を保有)が開発したコロイド状活性炭水溶液(商品名プルームストップ)を用いた原位置バリア工法の開発に着手しました。本工法は、有機化学物質による土壌・地下水汚染が地下水の流れに乗って拡散するのを原位置で地中に形成したコロイド状活性炭の浸透壁(原位置バリア)に汚染物質を吸着させることにより、敷地外への汚染拡散をブロックするものです。従来は敷地境界付近に複数の揚水井戸を設置し、汚染地下水を汲み上げる揚水処理工法が採用されておりますが、コスト高が課題となっており、経済性の高い工法が求められております。また本工法は、新たな規制物質としての対応が議論されている有機フッ素化合物の一種であるPFOS、PFOAを含有する汚染地下水の拡散防止対策としても期待しております。

 当連結会計年度は、前年度に実施したカラム試験で得た有効性のデータを基に、具体的な汚染現場に適用するための試験施工及び本施工の設計と提案を行って、顧客との協議を行いました。次年度は、現場での試験施工から本施工までを実施する計画です。

 また、東京農工大学と共同で原位置バリア工法と①で研究しているデハロコッコイデス属UCH-ATV1株を組み合わせて、原位置バリア内に吸着された揮発性有機塩素化合物を高分解能細菌で分解する工法の開発に着手しました。

③携帯型蛍光X線分析機を用いた迅速スクリーニング法の開発

 当社が提供しているプレアセスメント調査(事前に実施することで土壌汚染対策工事の費用総額を保証するサービス)において、分析精度を維持したまま現場で迅速かつ簡易的にスクリーニングデータを取得することを目標に携帯型蛍光X線分析機の適用可能性を評価して迅速スクリーニング法の開発を行っております。

 当連結会計年度は、アスベストの事前調査としてアスベスト含有の有無を一種類のアスベストについて評価いたしました。次年度は対象とするアスベストの種類を増やして評価する計画です。

 当連結会計年度の研究開発費は、6,797千円でした。