第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または前事業年度の有価証券報告書に記載した事業のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の分析

 当中間連結会計期間(2024年4月1日から2024年9月30日まで)におけるわが国経済は、企業収益に改善の動きがみられ、インバウンド需要の回復や個人消費の持ち直しにより緩やかな回復傾向になりました。一方で、原材料・エネルギー価格の高止まり、労働者不足や時間外労働の上限規制対応などが顕在化しつつあり、当社を取り巻く環境は厳しい状況が続いております。

 海外においては、長期化するウクライナ情勢や緊迫化する中東情勢などにより地政学リスクへの懸念が高まり、また、欧米を中心とした高い金利水準の継続により、引き続き先行き不透明な状況が続いております。

 当社グループの業績に大きな影響を及ぼす建設市場においては、公共投資は底堅さを維持し、民間設備投資が着実に進み、建設需要は増加傾向である一方、建設資材価格が総じて高い価格水準にあることに加え、慢性的な労働者不足から労務費も上昇の傾向がみられ、引き続き経営環境への影響を注視する状況が続いております。また、不動産市場においては、大都市圏では少子高齢化や都市化の進展により、特に都市部での住宅需要は高く価格が上昇する一方、地方では人口減少に伴う需要の低下が懸念されます。建築資材価格の高騰等により住宅販売価格が上昇し、エリアによっては住宅需要に影響が出ている一方、供給面は、分譲戸建住宅の在庫が過剰な状況にあり、需給バランスの調整局面を迎えております。

 このような背景のもと、当社グループは、ESG経営に積極的に取り組むとともに、土壌汚染対策事業においては、リスク管理型手法や責任施工保証の提案、工事品質管理、工事原価管理の徹底、DXの推進による業務効率化などの施策を推進しております。ブラウンフィールド活用事業においては、土壌汚染問題に直面する事業用地等を積極的に取得し、市場のニーズや土地の最適利用を考慮し、企画開発力を生かして付加価値を高めた形で、お客様に対し再販することに努めております。また、自然エネルギー事業においては、国内でのFITに頼らないビジネスモデルとして、工場、物流倉庫、ホームセンター等へのPPAモデルの提案を積極的に展開するとともに、地域リスク分散の観点から、海外展開も積極的に推進しております。

 その結果、当中間連結会計期間の売上高は5,959,654千円(前年同期比8.7%増)となりました。経常利益は639,549千円(同16.5%増)となりました。売上高につきましては、ブラウンフィールド活用事業が前年同期に大型物件の売却があった反動から減収となったものの、土壌汚染対策事業と自然エネルギー事業は大幅増収となったことから、連結売上高は増収となりました。利益につきましては、土壌汚染対策事業が大幅増益となったこと、およびブラウンフィールド活用事業、自然エネルギー事業ともに予算に対して順調に進捗していることから、増益となりました。

 親会社株主に帰属する中間純利益は415,828千円(同29.4%増)となりました。

 以下に各セグメントの状況を報告いたします。

 

①土壌汚染対策事業

 当中間連結会計期間の売上高は3,173,060千円(同47.6%増)となり、セグメント利益は348,261千円(同1,013.7%増)となりました。

 国内においては、土壌汚染対策工事の引き合いは引き続き堅調さを維持しているものの、当社を含む上位数社での競合が激しくなっており、受注のペースが幾分減速しております。土壌汚染の管理を目的とする経済的な対策(リスク管理型手法)、土壌調査と対策工事をセットにし対策費用の総額を保証して実施するコストキャップ保証、東京都より「地下水汚染拡大防止技術支援」事業で推奨する技術メニューに認定された原位置透過壁工法(プルームストップ工法)等の差別化された提案に注力しております。原位置透過壁工法については、東京都の同事業に基づく補助金案件を受注いたしました。同工法は急速に関心が高まってきたPFOA・PFOSの地下水汚染対策としても欧米では効果が認められております。PFOA・PFOS汚染対策用の各種調査用機材も取り揃えて、地方自治体への提案活動、地盤環境フォーラムへの出展等の積極的な営業活動を展開しております。土壌汚染対策工事に続く柱として始めた太陽光発電所等の環境プラント工事や建築工事の売上高は計画通り伸びましたが、利益貢献には今暫く時間を要します。期初における受注残高が高水準にあったこと、工事部門の稼働率が向上して大型の進行基準案件が順調に進捗したこと、および原価改善努力を進めたことから前年同期比で大幅な増収増益となりました。

 中国においては、日系企業の工場移転や事業撤退に伴う土壌汚染対策に注力しておりますが、景気が長期低迷しており、これまでは少なかった地元の中国企業の攻勢が激しくなっております。日本本社との関係で競争力を維持しておりますが、予断を許しません。

 

②ブラウンフィールド活用事業

 当中間連結会計期間の売上高は1,511,892千円(同37.6%減)となり、セグメント利益は237,082千円(同5.4%減)となりました。前年同期に大型物件の売却があったため大幅な減収となりましたが、粗利率が改善したことによりセグメント利益は微減に留まりました。

 株式会社エンバイオ・リアルエステートでは、住宅需要に影響が出ているエリアがあるものの引き続き仕入れ競争が激化しており、7物件の仕入れに留まりました。下半期は、エリアによっては強気の仕入れを行い、店舗用地等の出口の幅を広げて仕入れを行ってまいります。なお、前年同期に京都で仕入れを行ったことから、関西エリアにも営業を開始しております。販売においては、形質変更時要届出区域の指定を受けた土地に住宅を建築し販売した案件を含む10物件の販売を行い、順調に推移しております。

 大規模な土壌汚染地を扱う株式会社土地再生投資では、引き続き候補先の選定活動を行っておりますが、大手不動産会社との競合もあり苦戦しております。一方、グループの総合力を活かして8件の土壌調査案件等の受注を獲得いたしました。

 

③自然エネルギー事業

 当中間連結会計期間の売上高は1,274,702千円(同40.1%増)となり、セグメント利益は266,733千円(同9.0%増)となりました。

 当中間連結会計期間末日における国内外の太陽光発電所は54か所、総発電量51MWとなっております。すべての発電所において、ほぼ想定通りの稼働をしております。また、オンサイトPPAを含む再エネ電力を供給するサービスは順調に推移しております。クリーンエネルギーの需要は依然として高く、海外を含むセカンダリー発電所やコーポレートPPA案件等新規案件の情報収集、再生可能エネルギーを用いた新たなビジネススキームの検討に注力しております。

 インドネシアにおいては、太陽光発電所の開発投資を行った結果、同国内での稼働済み太陽光発電所の総発電量は14MWとなりました。これを含めた当社グループの関与発電容量は65MWとなりました。

[国内]

 株式会社シーアールイーが開発する物流施設「LogiSquare(ロジスクエア)」の屋根を活用した太陽光発電所(ロジスクエア一宮、ロジスクエア厚木Ⅰ、ロジスクエア松戸)の稼働を開始しております。

 脱炭素社会の実現に向け、CO2削減に取り組む企業向けに、非化石証書の販売や再エネ電力を供給するサービスを開始しており、順調に契約件数が増えております。

[海外]

 ヨルダンにおいては、引き続き水資源開発の可能性を調査しております。また、トルコにて開始しているバイオマス発電事業のフル稼働の早期実現に向け注力しております。

 

(2) 財政状態の分析

 当中間連結会計期間末における資産につきましては、総資産は20,992,751千円となり、前連結会計年度末に比べ1,682,233千円増加いたしました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が1,044,845千円、建設仮勘定が388,695千円および投資その他の資産が367,797千円増加したこと等によるものであります。

 負債につきましては、11,668,945千円と前連結会計年度末に比べ950,038千円増加いたしました。これは主に、短期借入金が1,282,126千円増加したものの、長期借入金が123,800千円および1年内返済予定の長期借入金が103,960千円減少したこと等によるものであります。

 純資産につきましては、9,323,806千円となり、前連結会計年度末に比べ732,194千円増加いたしました。これは主に、為替換算調整勘定が397,421千円および利益剰余金が350,730千円増加したもの等によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フロー状況の分析

 当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、前連結会計年度末に比べ176,477千円減少し、3,397,586千円となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間における営業活動の結果、使用した資金は258,855千円(前年同期は1,022,064千円の獲得)となりました。これは主に、売上債権の増加額1,040,051千円、税金等調整前中間純利益639,549千円および減価償却費230,077千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間における投資活動の結果、使用した資金は877,957千円(前年同期比11.3%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出732,425千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間連結会計期間における財務活動の結果、獲得した資金は948,873千円(前年同期比181.2%増)となりました。これは主に、短期借入金の純増加額1,282,126千円、長期借入れによる収入922,005千円および長期借入金の返済による支出1,149,765千円によるものであります。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

 当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、10,575千円であります。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。