第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社は、「環境問題に技術と知恵で立ち向かう」というパーパスに基づき、「環境問題の解決と健やかな環境づくりを推進し、持続可能な社会の構築に貢献する」というビジョンを掲げて、「環境保全に役立つサービスや製品の提供」をミッションとしております。「地盤環境・エネルギーに関わる問題解決を担う企業集団」として社会的課題を解決し、持続可能な社会の構築に貢献するために、以下の3つの事業を展開しております。

① 土壌汚染対策事業

② ブラウンフィールド活用事業

③ 自然エネルギー事業

 

当社グループでは、上記事業を通して取り組む重要課題として以下に示す4つを定めております。

① 安心・安全な国土利用への貢献(土壌汚染対策事業)

② 循環型社会の実現への貢献(ブラウンフィールド活用事業、自然エネルギー事業)

③ 脱炭素社会の実現への貢献(自然エネルギー事業)

④ 環境問題解決で国際社会への貢献(土壌汚染対策事業、自然エネルギー事業)

 

また、以下に示す6つの経営方針のもとで事業を実施し差別化を図り、企業価値の最大化を目指してまいります。

① 顧客満足を第一に考え、成果、品質、価格、アフターサービスにおいて、期待以上に満足してもらえるように継続的な改善に努める

② 競争力のあるサービスと製品を提供し続けるために、バイタリティーとスピードをもって技術革新に挑戦し、新たなイノベーションの創出を目指す

③ 展開する事業領域内において№1を目指す

④ 国内で事業基盤を固めグローバルに展開することを目指す

⑤ グループの相乗効果と総合力を生かして、継続的で質の高い成長を目指す

⑥ 社員が安心して業務を遂行できるように、社内環境・待遇の継続的な改善に努める

 

(2) 経営戦略等

 各事業では、以下に示す経営目標を掲げ、それを達成するための事業戦略を遂行しております。

① 土壌汚染対策事業

経営目標:経済性の高い土壌汚染対策を推進し、土壌汚染問題を解消する

土壌汚染対策事業の現地化により海外の土壌汚染問題解消を支援する

経営戦略:調査・解析・設計・原位置浄化技術を活用した汚染地有効活用措置の提案営業で差別化を徹底する

② ブラウンフィールド活用事業

経営目標:土壌汚染地の有効活用を推進し、持続可能な土地利用を実現する

経営戦略:土壌汚染対策事業との連携強化を進め環境対応についての提案部分で差別化を図る

③ 自然エネルギー事業

経営目標:太陽光発電やバイオマス発電によるクリーンエネルギーへの転換に貢献する

太陽光発電と井戸技術を活用した水資源開発事業で途上国の水不足解消に貢献する

経営戦略:固定価格買取制度に依存しない事業モデルを開発し収益構造の多角化・安定化を図る

海外案件の開拓と投資実行により収益力の向上を図る

 上記経営戦略に沿って、新規事業の開発と投資、新技術の開発・導入、資本業務提携を積極的に推し進めてまいりました。引き続き、積極的に展開することにより、より一層の差別化による競争力の強化を図ってまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループにおける経営上の目標の達成状況を判断するための指標としては、より高い成長性を確保する観点から「売上高」の増収を、成長性向上を継続する観点から「営業利益」の増益を重要な指標と位置付け、営業基盤の拡大による企業価値の継続的な増大を目指しております。2023年5月15日に2027年3月期までの「中期経営計画2026」を策定し、以下の2点を基本方針に掲げて、2027年3月期の連結売上高14,640百万円、営業利益1,317百万円を経営目標としております。

 

■ストック型ビジネスの割合を増やすことにより持続可能な事業構造を構築する

■土壌汚染対策事業とブラウンフィールド活用事業で短中期的な売上・利益成長を担い、自然エネルギー事業で将来的なストック収益源を蓄積するための積極的な投資を実行する

 

各事業で経営目標の達成状況を判断するための先行的な指標は、以下のとおりであります。

① 土壌汚染対策事業

・受注残高及び当期出来高予定額と予定原価率

② ブラウンフィールド活用事業

・販売用不動産の在庫件数及び棚卸資産残高

・収益不動産の在庫件数及び月間賃料

③ 自然エネルギー事業

・稼働中発電所の総発電出力と平均売電単価

・開発中発電所の計画発電出力と予定売電単価

 

(4) 経営環境

 当連結会計年度におけるわが国経済は、賃金・雇用環境の改善や訪日外国人数の増加によるインバウンド消費の拡大などにより、緩やかな回復基調で推移していますが、物価高騰の継続や円高による輸出の鈍化の影響もあり、当社を取り巻く環境は厳しい状況が続いております。海外においては、トランプ政権の関税政策による米国経済のスローダウンやグローバルな対米貿易の停滞なども予想され、世界経済の先行き不透明感は依然として強い状況です。当社グループの業績に大きな影響を及ぼす各セクターの状況は、建設市場においては、社会インフラの更新需要や都市部での大規模再開発プロジェクトの継続など引き続き需要が見込まれるものの、少子高齢化や残業規制に起因する労働力不足、資材価格・人件費等の建設コストの高騰などが収益圧迫要因となっております。また、不動産市場においては、引き続き堅調な需要が継続すると予想される一方、地価上昇が続く都市部と、需要が伸び悩む地方との格差はますます顕著になり、立地や物件特性に応じた慎重な投資判断が求められています。さらに、再生可能エネルギー市場においては、トランプ政権による化石燃料への回帰的な政策が一定の影響を及ぼすと見込まれるものの、企業のESGへの関心の高まりに加えて技術革新によるコスト低下などを背景に引き続き成長が見込まれています。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループの属する土壌汚染関連業界の国内市場は、2019年4月の土壌汚染対策法の一部改正により土壌汚染調査の契機が拡大し、年間の調査件数は増加傾向が続いておりますが、完全浄化から土地利用目的に応じた健康被害防止に目的を絞った合理的な対策手法へのシフトが進み、調査・対策の受注高は年間700~900億円程度でほぼ増減なく推移しております。収益拡大のためには、土壌汚染対策事業における土壌汚染調査と土壌汚染浄化工事だけでなく、ブラウンフィールド活用事業におけるそれらと連動する土壌汚染地の買取や利活用サービスを包括的に市場に投入して、顧客の幅広いニーズに応えることが不可欠だと認識しております。

 自然エネルギー事業については、固定価格買取制度(FIT制度)の買取価格が年々低下し、新規の太陽光発電所の収益性が低下しているため、FIT制度に依存しない事業スキームの構築が課題となっております。

 これらを踏まえて、以下のような課題に取り組み、競合他社とのより一層の差別化を図ることにより、業容の拡大に努めてまいります。

 

① 土壌汚染対策事業とブラウンフィールド活用事業との相乗効果の最大化

 当社グループは、株式会社エンバイオ・リアルエステートを通してクリーニング工場やガソリンスタンド等の小規模な土壌汚染地の買取・浄化・再販事業(ブラウンフィールド活用事業)で数多くの実績を蓄積してまいりました。株式会社土地再生投資のノウハウ活用による規模の効果と土壌汚染地の出口戦略の多様化に寄与することによって、土壌汚染対策事業とブラウンフィールド活用事業との相乗効果の最大化を目指しておりますが、現時点では、産業用地の土地取引における潜在的な売手となる土地所有者の情報入手とアプローチが課題であると認識しております。グループ横断的なコンサルティング営業を徹底し、土壌汚染対策から土壌汚染地活用までのワンストップソリューションによる事業拡大に努めてまいります。

 

② 土壌汚染対策事業における品質管理及びリスク管理の強化

 土壌汚染対策事業においては、顧客開拓が奏功し大型の土壌汚染対策工事が増えてまいりました。大型案件については、品質管理や原価管理の巧拙により利益が変動する事業リスクが大きいと認識しております。営業担当、技術担当、工事担当が複眼的に案件を俯瞰する品質管理体制を徹底して品質の向上と原価の低減を図るとともに、安全品質管理室を中心に安全対策のより一層の徹底を図ることでリスク管理に努めてまいります。

 また、受注金額が一定金額を超える土壌汚染対策工事については、工事進行基準を適用し、月次でのタイムリーな原価管理による精度向上に努めてまいります。

 

③ 土壌汚染対策事業における多様な技術及びノウハウによる競争力の強化

 現在までに多数の企業の参入と様々な土壌浄化技術が実用化された結果、国内では土壌汚染リスクに対する顧客の理解が進み、競合企業間での競争が激しく、工事単価の低価格化が進んでおります。同時に新たな汚染物質として、欧米では問題化してきたPFAS(PFOA、PFOS)に関する関心が高まってまいりました。こうした市場環境においては、掘削除去に偏重していた顧客ニーズにも変化が見られ、多様な技術やノウハウによる高付加価値サービスで他社との差別化を図ることが、競争力強化の鍵と認識しております。顧客ニーズに迅速に対応できるよう、技術戦略部を中心に新技術、新工法の開発・導入・提案体制を強化し、大学との共同研究による汚染物質分解微生物を用いた開発、米国から新たな原位置透過壁工法(プルームストップ工法)の導入、新規対象物質PFAS(PFOA、PFOS)に対応した対策技術の開発、PFAS(PFOA、PFOS)フリー製品の販売等を行ってまいります。

 施工実績数と低事故率により審査を通過し、国内企業では初めて付保できた責任施工保証保険、及びこれまで蓄積してきた土壌浄化工事の設計・責任施工ノウハウを裏付けとして、土壌汚染対策工事の費用総額を保証するサービス(プレアセスメント調査)を商品化いたしました。土壌汚染リスクを早期に確定させたい土地所有者やデベロッパー向けのリスク移転商品として拡販を行ってまいります。

 

④ ブラウンフィールド活用事業におけるコンサルティング営業の強化

 取り扱う物件の規模を中規模から大規模にスケールアップすることによる収益の拡大を目指しておりますが、不動産市況が活況で大手不動産各社の仕入が旺盛であり、かつ、多少の土壌汚染リスクは許容した上で購入しているため、大型物件の仕入競争が激しくなっております。土地所有者から土壌汚染問題の相談を受け、リスク評価と解決策を提案する際に、一案として買取を提案するといったコンサルティング営業を強化することに加え、信託銀行や大手不動産仲介から土壌汚染の可能性のある産業用地売却に関する情報量を増やし、大手不動産各社との差別化を図ってまいります。

 

⑤ ブラウンフィールド活用事業における資本効率の改善

 ブラウンフィールド活用事業では、販売用不動産及び収益物件を購入しており、案件ごとの販売計画、収益計画の管理強化による資本効率の改善が課題と認識しております。収益物件の入れ替えを進めることで、販売用不動産と収益物件の構成の見直し、また、販売用不動産の販売サイクルの短縮に努めることで、資本効率の改善を図ってまいります。

 

⑥ 自然エネルギー事業のストック収益源の拡大

 当社グループが安定的に成長し続けていくためには、フロー型の土壌汚染対策事業とブラウンフィールド活用事業で短中期的な売上、利益成長を担うとともに、自然エネルギー事業で将来的なストック収益源を蓄積することが重要と考えております。自然エネルギー事業では、2027年3月期までに総発電量100MW達成することを目標に掲げ、積極的に太陽光発電所の建設を行ってまいります。

 

⑦ 自然エネルギー事業の強化

 国内でのFIT制度を活用した新規の太陽光発電事業の採算は低下しているため、オンサイト/オフサイトPPA事業や太陽光発電に代わる発電事業及び海外での発電事業等のFIT制度に依存しない事業の拡大が課題と認識しており、具体的な開発を進めております。

 

⑧ 人材の確保、育成

 事業の継続的な発展を実現するためには、優秀な人材を十分に確保することとその育成が不可欠ですが、当社グループが小規模会社であることや知名度が低いことなどから、人材の採用が課題であると認識しております。新卒の採用活動に力を注ぐとともに将来を担う若手社員の積極採用、性別・国籍・年齢を問わない採用方針、カムバック採用を含む幅広い採用活動を実施してまいります。また、管理職研修によるマネジメント能力の強化、大学等外部専門機関の専門研修による高度技能者の育成、当社グループ独自のDLD制度(分散型学習及び開発制度)の予算化により、自主的な開発意欲の支援等の施策を展開して人材育成の強化に取り組んでまいります。

 さらに給与ベースアップの実施、資格手当制度による資格保有者の優遇、希望すれば遠隔地での勤務や完全リモートワークを可能とするIT環境の整備、働きやすい環境を意識したオフィスの増床など給与体系の充実化や働き方改革、職場環境の改善等に取り組んでまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。

 

(1) 経営環境

 様々な社会課題の顕在化やステークホルダーの価値観の変容に伴い、ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視した経営や経済価値と社会価値の双方を創出するサステナビリティ経営がより一層求められております。当社グループは、事業を通して持続的な社会の創造について、責任をもって取り組んでまいります。

 

(2) サステナビリティに関する考え方

 当社グループにとってのサステナビリティの考え方は、「環境問題に技術と知恵で立ち向かう」をパーパスに掲げ、「環境問題の解決と健やかな環境づくりを推進し、持続可能な社会の構築に貢献する。」というビジョンの通りであります。すなわち事業を通して社会課題を解決し、会社が持続的に成長することが、さらなる社会課題の解決への取り組みを可能とし、ひいては持続可能な社会の構築に貢献すると考えております。

 具体的には、以下に示す4つのマテリアリティを定めて、顧客、取引先、従業員、株主をはじめとするあらゆるステークホルダーとのエンゲージメントを大切にした経営を実践しております。

① 安心安全な国土利用への貢献

② 循環型社会の実現への貢献

③ 脱炭素社会の実現への貢献

④ 環境問題解決で国際社会への貢献

 

(3) 具体的な取組

 ガバナンス、戦略、リスク管理、指標及び目標に基づき、取組を開示いたします。

 

① ガバナンス

 太陽光発電設備の導入や社内意識の向上等で環境や社会に貢献すると共に、人材の多様性の確保や経営の透明性、公正性を図るガバナンスの強化により社会的要請に応えるべく、サステナビリティ活動に取り組んでまいります。

 当社グループは、環境・社会・ガバナンスに関する重点課題(マテリアリティ)に対する施策・目標を設定し、当社グループを成長させつつ、社会課題の解決を目指し、広く社会に貢献できるよう取り組んでまいります。また、サステナビリティ推進のガバナンス機能を担う組織として、代表取締役社長を委員長とする「リスク・コンプライアンス委員会」を組織し、サステナビリティ経営の推進に取り組んでまいります。この委員会は、社外取締役も含めた取締役会に直結する組織であります。

 

② 戦略

 サステナビリティに関してE(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)の観点から経営方針・経営戦略等に影響を与えるリスク及び事業機会を識別、評価して対処しております。

 E(環境)については、有害化学物質による人への健康影響やCO2排出による地球温暖化を事業機会と捉えて、健康被害の恐れの低減を目的とする土壌汚染対策事業、健康被害の恐れの低減に加えて不必要な開発行為に伴うCO2排出量を抑えるブラウンフィールド活用事業、CO2排出量を抑える自然エネルギー事業を拡大してまいります。一方、リスクとしては事業に伴うCO2排出量の開示が課題だと認識しており、土壌汚染対策事業の各工法のCO2排出量からみた環境負荷の定量化研究に着手いたしました。

 S(社会)については、社員の健康及び職場環境から発生する問題をリスクと捉えて、管理本部所管の安全衛生委員会において産業医も参加する体制で従業員の労働安全衛生に取り組んでおります。働き方改革の一環としてIT環境を整え、希望すれば完全リモートワークを可能な体制を構築いたしました。また、本社や支店を増床して働きやすい職場環境作りに取り組んでおります。

 G(ガバナンス)については、法令及びコンプライアンス違反をリスクと捉えて、業務に関わる関連法令と行政手続きの洗い出し、コンプライアンス行動規範の周知徹底、社内通報窓口の設置及び社内研修によるコンプライアンス教育の実施等を行っております。

 

人材の多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

 当社グループにとっては、手掛ける事業の性格上、「人」が最大の経営資源であります。「社員一人ひとりの人格と多様性を尊重し、創造力とチャレンジ精神を引き出すことに努める」ことを企業行動指針に定めて周知徹底を行い、社員の活力を組織として最大限に活かす人的資本経営を進めております。仕事の達成や社会への貢献を通じて、個人と企業がともに成長する環境と風土づくりを推進してまいります。

 

a. 能力開発支援

 経営環境が大きく変化する中、社員自ら目指すキャリアを考え、そのために必要な能力を獲得することが求められております。社員一人ひとりの能力開発のために、リーダーシップ、マネジメント能力を高める研修プログラムを階層別に人事部が外部講師の力も借りて実施し、次世代リーダーの育成を推進しております。また、OJTによる能力開発を補完する目的で社内講師による専門研修及び外部専門家による高度技能研修等を実施しております。さらに、キャリアに必要な専門性を明示し、自律した能力開発の動機付けとなるように、それに伴う資格手当制度を創設しました。「自ら学び」、「学び続ける」ことでプロフェッショナルとしての成長を促すことを目指してまいります。

b. 高度技術系人材の育成

 当社グループの質の高い成長を牽引していく高度な技術力を持った「高度技術系人材」を組織的に育成する仕組みを推進しております。最高技術責任者(CTO)をトップとする戦略部門に将来の高度技術系人材となりうる候補を計画的に配置、育成、ローテーションする方針で高度技術系人材の増加を目指してまいります。また、CTOが所管する自発的な「学び」と新規の「開発テーマ」を募って予算化し、自由に取り組んでもらう制度(DLD制度)を通して新技術、新商品の開発意欲を高める取り組みを実施してまいりました。高度技術系人材の発掘と育成に繋げてまいります。

c. 安心安全に働ける職場環境の確保

 リモートワークと出社を組み合わせたハイブリッドな働き方が進む中、IT環境とWEB会議に対応したオフィス環境を整え、希望すればリモートワークや遠隔地での勤務も可能といたしました。より安心して社員の創造性が発揮できる柔軟な働き方や職場環境の実現に努めております。一方で、事業の性格上、屋外での調査や工事が多く発生することから、安全品質管理室を中心に社員の安全教育の徹底と現場パトロールによる安全指導を励行し、労働災害を防止して安心安全に業務を遂行できるように職場環境の整備に努めております。

d. ベテラン技能者の能力発揮

 少子高齢化と人生100年時代を迎え、貴重な戦力であるベテラン技能者にとって働きやすい条件を整えた再雇用を積極的に推進し、安心して長く働いてもらうとともに、後進への技能の伝承に努めてまいります。

 

③ リスク管理

 代表取締役社長を委員長とする「リスク・コンプライアンス委員会」を四半期毎に開催しております。「リスク・コンプライアンス委員会」では、各部門から上がってきた当社グループを取り巻くサステナビリティに関連するリスクを識別して、その影響度合いを評価したうえで、関連部門に対処を指示し、対処結果の報告を求めております。

 

④ 指標及び目標

 当社グループでは、4つのマテリアリティに基づき、社会課題の解決に寄与することによって、社会の持続的な発展に貢献するため、中長期的な目標を2020年度より設定しております。指標と目標につきましては、次のとおりであります。

マテリアリティ

社会課題

目標

実績(当連結会計年度末)

安心・安全な国土利用への貢献

土壌汚染問題の解消

2030年までに合計1,000万㎡の土地の土壌汚染問題を解消する。

365万㎡(36.5%)

脱炭素社会の実現への貢献

クリーンエネルギーへの転換

2030年までに太陽光発電所及びバイオマス発電所の稼働により、CO2排出量を合計15万トン削減する。

10.6万トン(t-CO/kWh)

(70.6%)

循環型社会の実現への貢献

バイオマスの有効利用とリサイクル

2030年までにバイオマスガス化発電の事業化により、バイオマスを合計50万トン有効利用する。

持続可能な土地利用

2030年までに合計30万㎡の土壌汚染地を有効活用する。

63,942㎡(21.0%)

環境問題解決で国際社会への貢献

途上国における水資源不足問題の解消

2030年までに合計2,000万㎥の地下水を供給する。

612万㎥(3.1%)

新興国における土壌汚染問題の解消

2030年までに海外で合計50万㎡の土地の土壌汚染問題を解消する。

-※

※2024年12月に中国事業の縮小を決議したため、目標を取り下げました。

 また、当社グループにとっては、手掛ける事業の性格上、「人」が最大の経営資源であります。「社員一人ひとりの人格と多様性を尊重し、創造力とチャレンジ精神を引き出すことに努める」ことを企業行動指針に定めて周知徹底を行い、社員の活力を組織として最大限に活かす人的資本経営を進めております。仕事の達成や社会への貢献を通じて、個人と企業がともに成長する環境と風土づくりを推進してまいります。上記「② 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

戦略

目標

指標

実績(当連結会計年度末)

能力開発支援

土壌調査・請負工事等に不可欠な監理技術者及び指定調査機関の技術管理者資格の保有割合を2025年度までに50%以上にする。

監理技術者資格

技術管理者資格の保有者の割合

監理技術者の割合 59

技術管理者の割合 63

高度技術系人材の育成

2030年までにDLD制度を活用したテーマを50以上実施し、10の新技術、新商品の開発につなげる。

DLDテーマ数

開発件数

DLDテーマ数 26

新技術/商品開発件数 5

安心安全に働ける職場環境の確保

度数率を2.50以下に、強度率0.1以下に抑え、休業災害ゼロを達成する。

度数率

強度率

度数率 0.0

強度率 0.0

ベテラン技能者の能力発揮

60歳を迎えたベテラン技能者の80以上を再雇用する。

60歳時点の再雇用率

100

 

 

3【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財政状況及び投資判断等に影響を及ぼす可能性のあるリスクを記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、記載事項はリスクを全て網羅するものではありませんのでご留意下さい。

 

(1) 事業環境に由来するリスク

① 事業環境の変化(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:長期的)

a.土壌汚染対策事業

 土壌汚染対策事業の需要は、「土壌汚染対策法」及び各地方自治体により施行される条例等の影響を受けます。今後の法令や条例等の新設、改正による規制の強化もしくは緩和によって、需要が大きく変動する可能性があります。一方、土壌汚染対策の需要の大半は、不動産取引を契機とした企業の法令対応、M&Aを契機とした環境リスク対策、工場等敷地の環境保全を目的とした環境投資によって占められております。そのため、土壌汚染対策事業の需要は、景気動向による不動産取引の増減や企業の環境投資の増減の影響を受けます。

 

b.ブラウンフィールド活用事業

 ブラウンフィールド活用事業の収益は、不動産市況の動向と連動いたします。土地の仕入時期及び販売時期の不動産市況の状況により、収益が大きく変動する可能性があり、また、これらの要因を背景として、販売用不動産の引き渡し時期が当初の計画から大きく前後し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

c.自然エネルギー事業

 自然エネルギー事業については、固定価格買取制度による電力会社への売電収入を主たる収入源としておりますが、近年、太陽光発電所の発電総量が増大したことから、需給バランスを保つために電力会社から出力抑制を求められるケースが増加し、売上高が減少する可能性があります。

 

② 競合の状況(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:長期的)

a.土壌汚染対策事業

 土壌汚染関連業界の国内市場は、土壌汚染対策法の一部改正により土壌汚染調査の契機が拡大し、年間の調査件数は増加傾向が続いておりますが、浄化工事を伴わない措置の増加や競合企業間の競争により工事単価の低下が進行しております。競合他社との受注競争が激しくなる中で、厳しい条件で受注する傾向が進んだ場合等には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

b.ブラウンフィールド活用事業

 ブラウンフィールド活用事業は、土地の需要家に代わって当社グループが土壌汚染リスクを取って解決することで成立するビジネスモデルであり、不動産市場が活況となり、価格が高騰した場合、土壌汚染対策費用のインパクトが相対的に低くなるため、土地の需要家が自ら土壌汚染リスクを取る可能性が高まります。その結果、大手不動産開発業者等との競合による販売用不動産の仕入価格上昇や仕入減少により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

c.自然エネルギー事業

 固定価格買取制度では、新規の太陽光発電所については入札により発電事業者が決定されます。不特定多数の競合企業が入札に参加するため、予定した売電価格で落札できない可能性があります。また、電力の需要家と直接売電契約を締結するPPAについても参入する発電事業者が増加傾向にあり、売電の価格競争が激しくなってきております。これらの結果として売電価格が低下すると、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業内容に由来するリスク

① 売上計上時期が計画から遅れるリスク及び一時期に集中するリスク(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:短期的)

a.土壌汚染対策事業

 土壌汚染対策の対象施設に、施設閉鎖時期の遅れや解体工事の着工遅れ等、当社グループに起因しない事情による事業遅延、追加調査の発生などにより、結果として売上計上時期が計画から遅れる可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが大型の土壌汚染対策に関する案件を受注した場合、若しくは多数の受注工事が一時期に集中した場合、該当する四半期決算の売上高は大幅に増加する可能性がありますが、当該四半期決算の経営成績だけをもって、通期の経営成績を見通すことは困難である点には留意する必要があります。

 

b.ブラウンフィールド活用事業

 土壌汚染対策を完了した後に売却する販売用不動産については、土壌汚染対策の工程や法で定められた地下水のモニタリング等の状況により販売時期が計画から遅れる可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、売上規模の大きな販売用不動産の売却を実行した場合には、該当する四半期決算の売上高は大幅に増加する可能性がありますが、当該四半期決算の経営成績だけをもって、通期の経営成績を見通すことは困難である点には留意する必要があります。

 

② 原価が変動するリスク(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:短期的)

a.土壌汚染対策事業

 土壌汚染浄化工事において、事前の土壌汚染調査の結果と実際の汚染状況が著しく異なる場合は、工事費用が変動する可能性があります。また、状況により利益率の低い工法を選択せざるを得ない場合は、当初予定の利益を確保できない可能性があります。詳細調査前の段階で契約金額を確定する責任施工(コストキャップ保証)として土壌浄化工事を請け負った場合、免責部分については負担する必要があるため、当初予定の利益を確保できない可能性があります。

 当社グループは、長期案件における原価上昇時には工事価格の増額に理解を求め、また、工事費用が変動した場合の上振れ分を補填する保険(業務過誤保険)に加入するなどして、当該リスクの軽減を図っております。

 

b.ブラウンフィールド活用事業

 土壌汚染地を販売用不動産として現状有姿で仕入れる場合、土壌汚染状況が100%明らかになっていないこともあり、土壌汚染対策を実施する際に汚染状況が想定と異なる場合には原価が変動し、当初予定の利益に影響を及ぼす可能性もあります。

 不動産の仕入時には、土壌汚染対策事業のノウハウを活用しながら調査を綿密に行って、当該リスクの軽減を図っております。

 

③ 為替変動に関するリスク(発生可能性:高、影響度:中、発生時期:短期的)

 土壌汚染対策事業では、主に北米メーカー製品の土壌汚染関連機器・資材・浄化用薬剤を輸入しております。また、自然エネルギー事業では中東において売電事業を展開しております。いずれも主に米ドル建てで取引しているため、為替変動により当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 仕入先との取引条件について(発生可能性:低、影響度:小、発生時期:時期特定なし)

 土壌汚染対策事業において、主に北米メーカー製品の土壌汚染関連機器・資材・浄化用薬剤を輸入しており、一部のメーカーとの間で日本国内における独占販売契約を締結しております。今後不測の要因により主要な仕入先との取引契約が解消された場合、当社グループの事業展開及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 これら仕入先との取引契約が解消されることは、現状では想定し難いものと認識しておりますが、継続的に良好な関係を継続して、当該リスクの軽減を図っております。

 

⑤ サービス及び商品の欠陥について(発生可能性:低、影響度:大、発生時期:時期特定なし)

 当社グループが提供するサービス及び商品に欠陥が生じた場合、顧客に生じた損失に対する責任を追及される可能性があります。さらに、社会的評価の低下等によって、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、安全品質管理室が主体となって品質管理体制を構築して、当該リスクの軽減を図っております。

 

⑥ 海外展開について(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:中期的)

 当社グループは、自然エネルギー事業において中東諸国及び東南アジア諸国を中心とした海外市場において、積極的な事業展開を推進しております。海外展開においては、事業投資に伴う為替リスク、カントリーリスク、市場環境の変化により損失が発生するリスク等があります。また、当該国の経済活動の停滞によって計画どおりに事業展開ができない場合には、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 海外事業においては、現地の市場動向、政策動向、競争環境等を調査、把握したうえで進出し、当該リスクの軽減を図っております。

 

(3) その他のリスク

① 法的規制リスク(発生可能性:低、影響度:大、発生時期:特定時期なし)

 当社グループは、法令遵守の徹底が事業活動の大前提であり経営の最重要課題の一つと位置付け、国内外の法令遵守はもちろん社会規範に則して事業活動を遂行すべく、体制整備や役員と従業員への教育、啓発などを推進し、コンプライアンスリスクの回避または最小化に努めております。

 当社グループは、各事業の遂行にあたり、様々な法的規制を受けております。

 各事業に関連する法令が大きく改正され、当社グループが対応できなくなる事象が発生する場合や、当社グループが取得している主要な許認可等が取り消しされた場合には、当社グループの事業活動が制限され、社会的信用、財政状態及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループが取得している主要な許認可等の状況は以下のとおりであります。有価証券報告書提出日現在において、許認可等の継続に支障を来す要因が発生している事実はありません。

 

a.土壌汚染対策事業

取得・登録者名

㈱エンバイオ・エンジニアリング

㈱エンバイオ・エンジニアリング

取得年月

2003年8月8日

2015年2月3日

許認可等の名称

指定調査機関

建設業許可(特定建設業)

所管官庁等

環境省

国土交通省

許認可等の内容、

許可番号

土壌汚染対策法第3条第1項、第4条第2項又は、第5条第1項に基づいて土壌汚染状況調査を実施する義務が生じた土地の所有者等からの委託等による調査の実施及び法第16条第1項に基づく土壌の調査を実施する機関

環2003-3-3016

次の工事業(特定)に関する免許

土木、建築、大工、左官、とび・土工、石、屋根、電気、管、タイル・れんが・ブロック、鋼構造物、鉄筋、舗装、しゅんせつ、板金、ガラス、塗装、防水、内装仕上、熱絶縁、造園、建具、水道施設、解体

国土交通大臣許可(特-6)第25676号

有効期限

2030年3月31日(以降5年毎に更新)

2030年2月2日(以降5年毎に更新)

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

指定取消の要件(土壌汚染対策法第42条)

①法第30条第1号又は第3号(欠格条項)に該当するに至ったとき

②法第33条(技術管理者の選任)、第35条(変更の届出)、第 37条第1項(業務規程の届出・規程変更の届出)又は第 38 条(帳簿の備付け等)の規定に違反したとき

③法第36条第3項の規定による命令(改善命令)又は法第39条の規定による命令(適合命令)に違反したとき

④不正の手段により法第3条第1項の指定を受けたとき

不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)

不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条)

 

 

 

b.ブラウンフィールド活用事業

取得・登録者名

㈱エンバイオ・リアルエステート

㈱土地再生投資

取得年月

2012年2月10日

2018年5月18日

許認可等の名称

宅地建物取引業(免許)

宅地建物取引業(免許)

所管官庁等

東京都

東京都

許認可等の内容、

許可番号

宅地・建物の売買

東京都知事(3)第93862号

宅地・建物の売買

東京都知事(2)第102018号

有効期限

2027年2月10日(以降5年毎に更新)

2028年5月18日(以降5年毎に更新)

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

指示処分・業務停止処分(宅地建物取引業法第65条)

業務に関し関係者に損害を与えた(または与えるおそれがある)とき、取引の公正を害した(または害するおそれがある)とき、他の法令に違反したとき

免許取消の要件(同法第66条)

1.代表者や法人役員等が欠格事由に該当する場合

①成年被後見人、被保佐人又は破産者宣告を受けた場合

②禁固以上の刑に処せられた場合

③暴力団による不当な行為の防止に違反した場合

2.業務違反

①不正な手段により宅建業免許を取得した事が発覚した場合

②免許を受けてから1年以上事業を休止した場合

3.許可要件の喪失

①許可取得要件を満たせなくなった場合

②免許の更新をしなかった場合

指示処分・業務停止処分(宅地建物取引業法第65条)

業務に関し関係者に損害を与えた(または与えるおそれがある)とき、取引の公正を害した(または害するおそれがある)とき、他の法令に違反したとき

免許取消の要件(同第66条)

1.代表者や法人役員等が欠格事由に該当する場合

①成年被後見人、被保佐人又は破産者宣告を受けた場合

②禁固以上の刑に処せられた場合

③暴力団による不当な行為の防止に違反した場合

2.業務違反

①不正な手段により宅建業免許を取得した事が発覚した場合

②免許を受けてから1年以上事業を休止した場合

3.許可要件の喪失

①許可取得要件を満たせなくなった場合

②免許の更新をしなかった場合

 

② 情報管理に関するリスク(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:短期的)

 顧客や取引先の個人情報や機密情報の漏洩が起きた場合、当社グループの信用は低下し、顧客等に対する賠償責任が発生する等、当社グループの財政状態及び経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 当社グループでは、情報セキュリティポリシーや社内管理体制を整備し、従業員に対する情報管理やセキュリティ教育等、情報の保護について種々の対策を推進して、当該リスクの軽減を図っております。

 

③ 自然災害・火災・事故等への対応について(発生可能性:低、影響度:大、発生時期:特定時期なし)

 地震、風水害等の自然災害により当社グループが運営する太陽光発電所・事務所・設備・社員とその家族等に被害が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。また、重大な労働災害、事故等が発生した場合には、操業に支障が生じ、経営成績等に影響を与える可能性があります。

 当社グループは、安全第一を目的として、労使間における安全衛生委員会を設け、安全パトロールや安全教育を実施する等事故の防止に努めております。また、損害保険等を付与するなどリスクヘッジを行って、当該リスクの軽減を図っております。

 

④ 小規模組織であることについて(発生可能性:中、影響度:大、発生時期:特定時期なし)

 当社グループは、小規模な組織であり内部管理体制や業務執行体制も当該組織規模に応じたものとなっております。従って、当社グループの役員や従業員が病気や怪我等により業務を遂行する上で支障が生じた場合や転職等により人材が社外に流出した場合には、当社の業務に支障が生じる可能性があります。

 当社グループは、事業の拡大に伴う対応と管理体制のさらなる充実を目的として、人材の育成・採用を行って、当該リスクの軽減を図っております。

 

⑤ 財務制限条項について(発生可能性:低、影響度:大、発生時期:特定時期なし)

 当社が複数の金融機関との間で締結している借入に係る契約の一部には、財務制限条項が定められております。財務制限条項に抵触した場合、借入先金融機関の請求により当該借入について一括返済を求められるなどして、財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社は、金融機関と緊密に情報共有するなどして良好な関係を継続し、当該リスクの軽減を図っております。

⑥ 株式会社シーアールイーとの関係について(発生可能性:低、影響度:中、発生時期:特定時期なし)

 株式会社シーアールイーは、有価証券報告書提出日現在において当社株式の34.3%を保有しており、当社のその他の関係会社に該当しております。当社は、株式会社シーアールイーとの間で資本業務提携契約を締結しており、自然エネルギー事業、ブラウンフィールド活用事業において協業関係を有しております。当社は株式会社シーアールイーと良好な関係を維持しておりますが、株式会社シーアールイーの事業戦略等の方針が転換された場合など、株式会社シーアールイーとの協業が減少し、当社の財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、物流施設の賃貸など当社と株式会社シーアールイーとの間で発生する取引にあたっては、当社の関連当事者等管理規程に則り、適切に実施しております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 当期の経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、賃金・雇用環境の改善や訪日外国人数の増加によるインバウンド消費の拡大などにより、緩やかな回復基調で推移していますが、物価高騰の継続や円高による輸出の鈍化の影響もあり、当社を取り巻く環境は厳しい状況が続いております。

 海外においては、トランプ政権の関税政策による米国経済のスローダウンやグローバルな対米貿易の停滞なども予想され、世界経済の先行き不透明感は依然として強い状況です。

 当社グループの業績に大きな影響を及ぼす各セクターの状況は、建設市場においては、社会インフラの更新需要や都市部での大規模再開発プロジェクトの継続など引き続き需要が見込まれるものの、少子高齢化や残業規制に起因する労働力不足、資材価格・人件費等の建設コストの高騰などが収益圧迫要因となっております。また、不動産市場においては、引き続き堅調な需要が継続すると予想される一方、地価上昇が続く都市部と、需要が伸び悩む地方との格差はますます顕著になり、立地や物件特性に応じた慎重な投資判断が求められています。さらに、再生可能エネルギー市場においては、トランプ政権による化石燃料への回帰的な政策が一定の影響を及ぼすと見込まれるものの、企業のESGへの関心の高まりに加えて技術革新によるコスト低下などを背景に引き続き成長が見込まれています。

 このような背景のもと、当社グループは、ESG経営に積極的に取り組むとともに、土壌汚染対策事業においては、リスク管理型手法や責任施工保証の提案、工事品質管理、工事原価管理の徹底、DXの推進による業務効率化などの施策を推進しております。ブラウンフィールド活用事業においては、土壌汚染問題に直面する事業用地等を積極的に取得し、市場のニーズや土地の最適利用を考慮し、企画開発力を活かして付加価値を高めた形で、お客様に対し再販することに努めております。また、自然エネルギー事業においては、国内でのFITに頼らないビジネスモデルとして、工場、物流倉庫、ホームセンター等へのPPAモデルの提案を積極的に展開するとともに、地域リスク分散の観点から、海外展開も積極的に推進しております。

 その結果、当連結会計年度の売上高は10,668,079千円(前年同期比11.4%増)となりました。経常利益は702,116千円(同34.2%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は452,689千円(同36.1%減)となりました。

 以下に各事業セグメントの状況を報告いたします。

 

(土壌汚染対策事業)

 当連結会計年度の売上高は5,993,261千円(同26.9%増)となり、セグメント利益は448,536千円(同7.1%増)となりました。

 国内においては、土壌汚染対策工事の引き合いは引き続き堅調さを維持しているものの、当社を含む上位数社での競争が激しくなっております。その中で競争優位性を確保するため、土壌汚染の管理を目的とする経済的な対策(リスク管理型手法)、土壌調査と対策工事をセットにし対策費用の総額を保証して実施するコストキャップ保証、東京都より「地下水汚染拡大防止技術支援」事業で推奨する技術メニューに認定された原位置浄化壁工法(プルームストップ工法)等の差別化された提案に注力しております。原位置浄化壁工法については、東京都の同事業に基づく補助金案件を受注し完工いたしました。同工法は急速に関心が高まってきたPFOA・PFOSの地下水汚染対策としても欧米では実績があり、高く評価されております。PFOA・PFOS汚染対策用の各種調査用機材も取り揃えて、地方自治体への提案活動、地盤環境フォーラムへの出展等の積極的な営業活動を展開しております。土壌汚染対策工事に繋げるために受注した大型の解体工事が順調に進捗したことに加えて、土壌汚染対策工事に続く柱として始めた太陽光発電所等の環境プラント工事や建築工事の売上高が計画通り伸びたことから前年同期比で増収となりました。環境プラント工事や建築工事の利益貢献には今暫く時間を要しますが、一方、土壌汚染対策工事において原価改善努力を進めたことから前年同期比で増益となりました。

 中国においては、地方政府からの工事許認可取得時期の見通しが不透明なこと、現地企業との競争激化、中国経済の先行き不透明感などから、当初想定した収益の確保及び今後の成長が見込めないと判断し、土壌汚染対策業務から撤退し、EHSコンサルティング業務へ事業を集中することを骨子とした事業内容の見直しを行いました。

 

(ブラウンフィールド活用事業)

 当連結会計年度の売上高は2,401,571千円(同26.6%減)となり、セグメント利益は368,179千円(同6.6%減)となりました。

 前期に大型物件の売却があったため大幅な減収となりました。他方、当連結会計年度に実施した高利益率案件の売却が寄与し、セグメント利益の減少幅を一定程度抑える結果となりました。

 株式会社エンバイオ・リアルエステートでは、一部地域において住宅需要の変動の影響が見られるものの、仕入れ競争の激化に伴い、当連結会計年度の仕入れ件数は13件にとどまりましたが、次期に予定している仕入れ物件については、6件がすでに契約済みとなっております。

 近年、土壌汚染問題を抱えた中小企業製造業の廃業や相続に関する相談が増加している状況下で、当社は仲介会社との連携を強化し、これらの案件への対応を通じて事業の拡大に取り組んでおります。

 販売に関しては、グループ会社による土壌汚染対策及び地下水モニタリングを実施した後、要措置区域の指定解除を受けた物件を含む19件の販売を完了しました。今後も、環境保全と地域社会への貢献を両立させるビジネスモデルを推進してまいります。

 株式会社土地再生投資は、当連結会計年度において新規の仕入れ物件を獲得するには至りませんでしたが、グループの総合力を活かして10件の土壌調査案件等の受注に貢献いたしました。

 

(自然エネルギー事業)

 当連結会計年度の売上高は2,273,246千円(同44.1%増)となり、セグメント利益は90,017千円(同70.0%減)となりました。

 当連結会計年度末における国内外の太陽光発電所は55か所、総発電量54MWとなりました。オンサイトPPAを含む再エネ電力を供給するサービスは順調に推移しております。他方、前連結会計年度において、一時的に受取保険金が計上されたこと、当連結会計年度においては、令和6年能登半島地震に起因した石川県志賀町メガソーラー発電所内の土木修復工事費用が発生したこと等が減益要因となりました。

 クリーンエネルギーの需要は依然として高く、海外を含むセカンダリー発電所やコーポレートPPA案件等新規案件の情報収集、再生可能エネルギーを用いた新たなビジネススキームとして、蓄電池を用いたビジネスモデルやペロブスカイトを含む薄型・軽量型太陽電池を用いたビジネスモデルの検討に注力しております。

 当社グループの関与発電容量は、インドネシアにおける太陽光発電所の開発投資の結果、同国内の稼働済み発電容量18MWを含め、合計72MWとなりました。

[国内]

 株式会社シーアールイーが開発する物流施設「LogiSquare(ロジスクエア)」の屋根を活用した太陽光発電所(ロジスクエア一宮、ロジスクエア厚木Ⅰ、ロジスクエア松戸、ロジスクエアふじみ野A)の稼働を開始いたしました。太陽光発電事業に関する事業資金として、新たにシンジケーション方式での「グリーンローン」を締結し、引き続き太陽光発電所の開発投資を実施してまいります。また、脱炭素社会の実現に向け、CO2削減に取り組む企業に対して非化石証書の販売や再エネ電力を供給するサービスは順調に契約件数が増加しております。

[海外]

 ヨルダンにおいては、引き続き水資源開発の可能性を調査しております。ヨルダン南部において、南アンマン排水処理プロジェクトを開始いたしました。同地域における水資源の課題解決に貢献いたします。また、トルコにおけるバイオマス発電事業のフル稼働の早期実現に向け注力しております。

 

② 財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末における資産につきましては、総資産は21,195,108千円となり、前連結会計年度末に比べ1,884,589千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が311,033千円減少したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が1,072,863千円及び機械装置及び運搬具(純額)が475,537千円増加したこと等によるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債につきましては、11,964,581千円と前連結会計年度末に比べ1,245,674千円増加いたしました。これは主に、買掛金が193,022千円減少したものの、短期借入金が699,905千円、長期借入金が413,273千円及び1年内返済予定の長期借入金が365,511千円増加したこと等によるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産につきましては、9,230,526千円と前連結会計年度末に比べ638,915千円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が387,590千円及び為替換算調整勘定が255,567千円増加したこと等によるものであります。

 

③ キャッシュ・フロー状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ311,034千円減少し、3,263,030千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は21,919千円(前年同期比98.7%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益702,116千円及び減価償却費479,706千円があったものの、売上債権の増加額1,068,964千円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は1,602,974千円(同1.2%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,462,028千円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動の結果、獲得した資金は1,274,028千円(同99.4%増)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1,906,749千円等があったものの、長期借入れによる収入2,529,391千円及び短期借入金の純増加額786,475千円等によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

(a) 生産実績

 生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。

 

(b) 受注状況

 当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

土壌汚染対策事業

5,311,425

97.7

2,942,014

81.2

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。

2.ブラウンフィールド活用事業、自然エネルギー事業につきましては、受注に該当する事項がないため、記載すべき事項はありません。

 

(c) 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

前年同期比(%)

土壌汚染対策事業 (千円)

5,993,261

126.9

ブラウンフィールド活用事業 (千円)

2,401,571

73.4

自然エネルギー事業 (千円)

2,273,246

144.1

合計 (千円)

10,668,079

111.4

(注) 1.セグメント間内部取引振替後の数値によっております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。当連結会計年度における株式会社シーアールイーについては、総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

相手先

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

 至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社シーアールイー

1,742,973

18.2

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、本文の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作られております。

 当社グループは、この連結財務諸表の作成にあたって、貸倒引当金、固定資産の減損、減価償却資産の耐用年数の設定、繰延税金資産の計上、偶発債務の認識等の重要な会計方針に関する見積り及び判断を行っております。

 当社経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき判断しておりますが、記載した予想、見通し等の将来に関する事項につきましては、不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。

 当社グループの連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a) 経営成績の分析

 経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)当期の経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照下さい。

 

(b) キャッシュ・フロー状況の分析

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)当期の経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フロー状況」に記載しております。

 

(c) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

イ.財務戦略の基本的な考え方

 当社グループは、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。

 厳格な財務規律のもとで負債の活用を積極的に進めるとともに、適切な情報開示・IR活動及び資本政策を通じて、資本コストの低減及び資本効率の向上を図ります。

 新規事業投資については、積極的に取り組む方針ですが、企業価値の向上の期待値のみならず、当社グループが当該事業へ投資することの意義を慎重に検討してまいります。

 

ロ.経営資源の配分に関する考え方

 当社グループは、適正な手許現預金の水準について常に検証を実施しております。安定的な経営に必要な手許現預金水準を設定し、それを超える分については、「追加的に配分可能な経営資源」と認識し、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。

 同時に、手許現預金及び今後創出するフリー・キャッシュ・フローから、株主還元についても検討してまいります。

 

ハ.資金需要の主な内容

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売用不動産の購入費用及び各事業の販売拡大に伴う運転資本の増加であります。また、投資を目的とした資金需要は、自然エネルギー発電所への設備投資及び新規事業参入のための出資等によるものであります。

 

ニ.資金調達

 短期運転資金は、主に営業活動により得られたキャッシュ・フローを財源としておりますが、増加運転資本に対応するために必要な資金については、金融機関からのコミットメントライン等の融資枠による短期借入によって流動性を保持しております。

 設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。また、設備投資の一部はリース取引を利用しております。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は10,098,881千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,263,030千円となっております。

 

(d) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。

 

(e) 経営戦略の現状と見通し

 当社グループは、「環境問題に技術と知恵で立ち向かう」というパーパスに基づき、「環境問題の解決と健やかな環境づくりを推進し、持続可能な社会の構築に貢献する」というビジョンを掲げて、「環境保全に役立つサービスや製品の提供」をミッションとしております。当社のパーパス、ビジョン、ミッションでは、「持続可能な社会の構築に貢献」を不変の使命としております。

 第一の経営戦略は、土壌汚染調査や土壌汚染浄化工事といった単品のサービスではなく、それらに付随する顧客の幅広いニーズを掘り起こし、包括的に応える「ワンストップのパッケージ・ソリューション」を提供することによる差別化を図ることであります。

 これまでの多数の土壌浄化実績に裏付けられたリスク評価を背景に土壌汚染地を現状有姿で購入し、浄化工事によってバリューアップさせた後に再販するブラウンフィールド活用事業を展開することで、土壌汚染地の調査・対策から有効活用までの一貫した独自のサービスを提供しております。

 第二の経営戦略は、課題解決型の土壌汚染対策事業やブラウンフィールド活用事業が生み出すフロー収益と、自然エネルギー事業が生み出す株主還元及び成長投資の原資となるストック収益とのバランスがとれた収益構造を実現する事業ポートフォリオの構築です。

 自然エネルギー事業で、既に国内外で54.9MWの太陽光発電所を建設し、総発電量100MWを目指して順調に事業拡大を進めております。国内の電力固定買取価格の低下に伴い、固定価格買取制度に依存しない事業スキームでの拡大を目指すと共に、自然エネルギー需要の増加が見込まれる海外での新規案件の発掘と開発にも力を注いでまいります。

 

(f) 経営者の問題認識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

 

5【重要な契約等】

(1) 独占販売権を受けている契約

 契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約締結日

契約内容

契約期間

株式会社エンバイオ・エンジニアリング

(連結子会社)

KEJR ,INC.

米国

Geoprobe®Systems関連商品

2010年
12月1日

Geoprobe®Systems

関連商品の日本における独占販売権及びアジア全域における販売権

2010年12月1日~2012年11月30日以降2年毎の自動更新

株式会社エンバイオ・エンジニアリング

(連結子会社)

REGENESIS Bioremediation Products,Inc.

米国

ORC,ORC-Advanced

HRC,3DMicro

Emulsion,RegenOx

PersulfOx

PlumeStop

2013年
8月1日

契約品目の日本における独占販売権及び中国における販売権

2013年8月1日~2014年8月1日以降1年毎の自動更新

 

 

(2) 電力受給契約

契約会社名

相手先

契約内容

契約期間

提出会社

東北電力株式会社

太陽光発電による売電

(金谷B地区発電所)

2016年1月15日から

2036年1月14日まで

提出会社

九州電力株式会社

太陽光発電による売電

(熊本県菊池メガソーラー発電所)

2016年12月19日から

2017年12月18日まで

以降1年毎の自動更新

提出会社

東北電力株式会社

太陽光発電による売電

(岩手県紫波メガソーラー発電所)

2017年4月17日から

2037年4月16日まで

提出会社

東京電力エナジー

パートナー株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア久喜Ⅱ発電所)

2017年11月1日から

2037年4月30日まで

提出会社

中部電力株式会社

太陽光発電による売電

(EBH 茅野スタジアム発電所)

2018年3月9日から

2036年7月30日まで

提出会社

中部電力株式会社

太陽光発電による売電

(EBH 伊那発電所)

2018年3月12日から

2036年3月23日まで

提出会社

東京電力パワー

グリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア久喜Ⅰ発電所)

2018年3月20日から

2037年12月18日まで

提出会社

東京電力パワー

グリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア羽生発電所)

2018年3月20日から

2038年3月19日まで

提出会社

東京電力パワー

グリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア守谷発電所)

2018年3月29日から

2038年3月28日まで

提出会社

東京電力パワー

グリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア春日部発電所)

2018年8月3日から

2038年8月2日まで

提出会社

東京電力パワー

グリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア上尾太陽光発電所)

2019年11月20日から

2039年12月10日まで

太陽光パーク2合同会社

(連結子会社)

東北電力株式会社

太陽光発電による売電

(金谷A地区発電所)

2016年1月15日から

2036年1月14日まで

太陽光パーク2合同会社

(連結子会社)

東北電力株式会社

太陽光発電による売電

(引田地区発電所)

2016年2月29日から

2036年2月28日まで

太陽光パーク2合同会社

(連結子会社)

北陸電力株式会社

太陽光発電による売電

(石川県志賀町

メガソーラー発電所)

2018年11月30日から

2038年11月29日まで

ヴェガ・ソーラー合同会社

(連結子会社)

中国電力株式会社

太陽光発電による売電

(PVNext EBH 美咲町発電所)

2015年9月30日から

2035年9月29日まで

 

契約会社名

相手先

契約内容

契約期間

ヴェガ・ソーラー合同会社

(連結子会社)

東京電力パワー

グリッド株式会社

太陽光発電による売電

(エンバイオ千葉若葉

太陽光発電所)

2021年4月12日から

2041年4月11日まで

アルタイル・ソーラー合同会社

(連結子会社)

北海道電力株式

会社

太陽光発電による売電

(PVNext EBH 浦幌第一発電所)

2017年3月15日から

2037年3月14日まで

アルタイル・ソーラー合同会社

(連結子会社)

北海道電力ネット

ワーク株式会社

太陽光発電による売電

(EBH鹿追発電所)

2022年6月27日から

2023年3月31日まで

以降1年毎の自動更新

株式会社エンバイオC・エナ

ジー(連結子会社)

東京電力パワー

グリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア草加太陽光発電所)

2013年7月5日から

2033年7月31日まで

株式会社エンバイオC・エナ

ジー(連結子会社)

東京電力パワー

グリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア八潮太陽光発電所)

2014年9月4日から

2034年9月30日まで

株式会社エンバイオC・エナ

ジー(連結子会社)

関西電力送配電

株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア枚方太陽光発電所)

2023年10月25日から

2043年10月24日まで

株式会社エンバイオC・エナ

ジー(連結子会社)

東京電力パワー

グリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア三芳Ⅱ太陽光発電所)

2024年3月18日から

2044年3月17日まで

株式会社エンバイオC・エナ

ジー(連結子会社)

東京電力パワー

グリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア厚木1太陽光発電所)

2024年6月25日から

2044年6月24日まで

株式会社エンバイオC・エナ

ジー(連結子会社)

東京電力パワー

グリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア松戸太陽光発電所)

2024年8月1日から

2044年7月31日まで

 

(3) 資本業務提携契約

契約会社名

相手先

契約内容

契約期間

提出会社

株式会社シーアールイー

資本業務提携契約

期間の定めなし

提出会社

鉱研工業株式会社

資本業務提携契約

期間の定めなし

 

 

(4)財務上の特約が付されているシンジケートローン契約

契約会社名

契約締結日

契約締結先

当期末残高
(百万円)

返済期限

契約締結日

契約締結先

提出会社

2016年11月30日

都市銀行

2,271

2033年12月30日

あり(注1)

あり(注2)

(注) 1.財務制限条項の主な内容は、以下のとおりであります。

a. 借入実施期間の各連結会計年度末における連結貸借対照表に示される純資産金額を2016年3月期における連結貸借対照表に示される純資産金額の80%以上に維持すること。

b. 借入実施期間の各連結会計年度末における連結損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失とならないこと。

2.担保提供資産の主な内容は、以下のとおりであります。

a. 当社所有の一部の預金。

b. 当社連結子会社所有の一部の預金、一部の売掛金、一部の機械装置、一部の機械装置に係る保険契約に基づく保険金等請求権、一部の土地の地上権及び一部の電力需給契約に係る契約上の地位。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、土壌汚染対策事業の競争力の源泉である原位置浄化技術の強化を目的として研究開発を行っております。

 当連結会計年度における研究開発は、以下のとおりであります。

① コロイド状活性炭と塩素化エチレンの高分解能細菌を組み合わせた原位置透過反応壁工法の開発

 稼働中の工場における土壌・地下水汚染の経済的な汚染拡散防止のニーズに応えるべく、米国リジェネシス社(株式会社エンバイオ・エンジニアリングが同社製品の日本国内の独占販売権を保有)が開発したコロイド状活性炭水溶液(商品名プルームストップ)を用いた原位置透過反応壁工法を開発しました。本工法は、有機化学物質による土壌・地下水汚染が地下水の流れに乗って拡散するのを原位置で地中に形成したコロイド状活性炭の透過反応壁(原位置透過反応壁)に汚染物質を吸着させることにより、敷地外への汚染拡散をブロックするものです。従来は敷地境界付近に複数の揚水井戸を設置し、汚染地下水を汲み上げる揚水処理工法が採用されておりますが、長期間にわたって継続する必要性に起因するコスト高が課題となっており、経済性の高い工法が求められております。本工法は、東京都より「地下水汚染拡大防止技術支援」事業で推奨する技術に認定されました。また本工法は、新たな有害物質としての対応が議論されている有機フッ素化合物の一種であるPFOA、PFOSを含有する汚染地下水の拡散防止対策としても期待しております。

 当連結会計年度は、東京都の「地下水汚染拡大防止技術支援」事業として受託した実案件において、透水性の悪い地層に対するコロイド状活性炭水溶液の注入技術の確立を目指した施工技術の開発と実証を行いました。

 併せて、前連結会計年度から継続して当社グループ保有の高分解能細菌(デハロコッコイデス属UCH-ATV1株)の微生物群集(コンソーシア)とコロイド状活性炭を組み合わせて塩素化エチレンの吸着と微生物分解が同時に起こる原位置透過反応壁工法の開発を実施しております。

 

② PFAS類の酸化分解装置の開発

 新たな有害物質として対応が議論されている有機フッ素化合物の一種である水中のPFOA、PFOSの酸化分解技術の研究開発と、それを用いた装置開発を触媒化学で多くの知見を有する大阪公立大学との共同研究で実施しております。PFOA、PFOSの現行の処理技術は、粒状活性炭に吸着させたのち粒状活性炭を高温処理で無害化するという高コストかつ環境負荷の大きい方法のため、経済性が高く環境負荷の低い技術の開発と実用化が求められています。社会課題の解決に資する技術の実用化を目指してまいります。

 

 当連結会計年度の研究開発費は、27,290千円でした。