第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社は、「環境問題に技術と知恵で立ち向かう」というパーパスに基づき、「環境問題の解決と健やかな環境づくりを推進し、持続可能な社会の構築に貢献する」というビジョンを掲げて、「環境保全に役立つサービスや製品の提供」をミッションとしております。「地盤環境・エネルギーに関わる問題解決を担う企業集団」として社会的課題を解決し、持続可能な社会の構築に貢献するために、以下の3つの事業を展開しております。

① 土壌汚染対策事業

② ブラウンフィールド活用事業

③ 自然エネルギー事業

 

当社グループでは、上記事業を通して取り組む重要課題として以下に示す4つを定めております。

① 安心・安全な国土利用への貢献(土壌汚染対策事業)

② 循環型社会の実現への貢献(ブラウンフィールド活用事業、自然エネルギー事業)

③ 脱炭素社会の実現への貢献(自然エネルギー事業)

④ 環境問題解決で国際社会への貢献(土壌汚染対策事業、自然エネルギー事業)

 

また、以下に示す6つの経営方針のもとで事業を実施し差別化を図り、企業価値の最大化を目指してまいります。

① 顧客満足を第一に考え、成果、品質、価格、アフターサービスにおいて、期待以上に満足してもらえるように継続的な改善に努める

② 競争力のあるサービスと製品を提供し続けるために、バイタリティーとスピードをもって技術革新に挑戦し、新たなイノベーションの創出を目指す

③ 展開する事業領域内において№1を目指す

④ 国内で事業基盤を固めグローバルに展開することを目指す

⑤ グループの相乗効果と総合力を生かして、継続的で質の高い成長を目指す

⑥ 社員が安心して業務を遂行できるように、社内環境・待遇の継続的な改善に努める

 

(2) 経営戦略等

 当社グループは2026年5月15日に2031年3月期を最終年度とする「中期経営計画2030」を公表いたしました。同計画においては、「100年成長する会社の基礎を創る~ステークホルダーすべてが誇れる会社へ~」を基本方針に掲げ、持続可能な「環境」と「企業」の両立を図りつつ、中長期的な企業価値の向上を目指しております。具体的には、以下の成長戦略を推進するとともに、キャッシュアロケーション方針の明確化のもと、株主還元及び成長投資のバランスを図り、適切な財務レバレッジを活用した資本コントロールを実施してまいります。

 

① 土壌汚染対策事業(新:環境ソリューション事業)

・リスク評価から原位置浄化までの一貫したソリューション提供による受注拡大

・リスク評価との連携及びDX活用による施工モデルの高度化

・PFAS地下水対策工法の展開と水処理分野の内製化の推進

・部門横断的な連携強化による営業力の向上

・特定分野における建築案件の受注拡大

・M&Aを契機とした環境リスク対応の高度化とグローバル展開の推進

② ブラウンフィールド活用事業(新:不動産再生事業)

・開発・改修を含む企画開発力の強化による付加価値向上

・金融機関及び専門家との連携強化

・環境ソリューション事業との連携による差別化の推進

・保有資産の適切な入れ替えによる資本効率の向上

・アセットタイプの拡充による収益機会の多様化

・インサイドセールスの活用による営業効率の向上

・自然エネルギー事業との連携による土地活用の高度化

・関東圏以外へのエリア展開の推進

 

③ 自然エネルギー事業

・FIP制度の活用やCO₂削減ニーズへの対応による事業機会の拡大

・CO₂削減、気候変動への対応

・オンサイト/オフサイトPPAモデルの展開強化

・キャピタルリサイクルの推進による成長の加速

・成長性の高い国・地域及び事業分野への海外展開の推進

・エネルギー需要の拡大及び価格上昇への対応並びに電力需給の安定化及び調整力ニーズの拡大への対応

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

「中期経営計画2030」において、連結売上高、営業利益、ROE等の経営指標を設定し、その達成に向けて取り組んでまいります。

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(4) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上・財務上の課題

 当社グループの属する土壌汚染関連業界の国内市場は、2019年4月の土壌汚染対策法の一部改正により土壌汚染調査の契機が拡大し、年間の調査件数は増加傾向が続いておりますが、完全浄化から土地利用目的に応じた健康被害防止に目的を絞った合理的な対策手法へのシフトが進み、調査・対策の受注高は年間700~900億円程度でほぼ増減なく推移しております。収益拡大のためには、土壌汚染対策事業における土壌汚染調査と土壌汚染浄化工事だけでなく、ブラウンフィールド活用事業におけるそれらと連動する土壌汚染地の買取や利活用サービスを包括的に市場に投入して、顧客の幅広いニーズに応えることが不可欠だと認識しております。

 自然エネルギー事業については、固定価格買取制度(FIT制度)に依存しない事業スキームの構築を進めており、多様な需要に対応してまいります。一方、太陽光発電所の経年劣化に伴う発電量低下への対応が必要であり、発電量の向上に向けた施策に加え、蓄電池の活用を含む適切な維持管理の徹底が重要な課題であると認識しております。

 これらを踏まえて、以下のような課題に取り組み、競合他社とのより一層の差別化を図ることにより、業容の拡大に努めてまいります。

 

① 土壌汚染対策事業とブラウンフィールド活用事業との相乗効果の最大化

 当社グループは、株式会社エンバイオ・リアルエステートを通してクリーニング工場やガソリンスタンド等の小規模な土壌汚染地の買取・浄化・再販事業(ブラウンフィールド活用事業)で数多くの実績を蓄積してまいりました。株式会社土地再生投資のノウハウ活用による規模の効果と土壌汚染地の出口戦略の多様化に寄与することによって、土壌汚染対策事業とブラウンフィールド活用事業との相乗効果の最大化を目指しておりますが、現時点では、産業用地の土地取引における潜在的な売手となる土地所有者の情報入手とアプローチが課題であると認識しております。グループ横断的なコンサルティング営業を徹底し、土壌汚染対策から土壌汚染地活用までのワンストップソリューションによる事業拡大に努めてまいります。

 

② 土壌汚染対策事業における品質管理及びリスク管理の強化

 土壌汚染対策事業においては、顧客開拓が奏功し大型の土壌汚染対策工事が増えてまいりました。大型案件については、品質管理や原価管理の巧拙により利益が変動する事業リスクが大きいと認識しております。営業担当、技術担当、工事担当が複眼的に案件を俯瞰する品質管理体制を徹底して品質の向上と原価の低減を図るとともに、安全管理担当・品質管理担当を中心に安全対策のより一層の徹底を図ることでリスク管理に努めてまいります。

 また、受注金額が一定金額を超える土壌汚染対策工事については、工事進行基準を適用し、月次でのタイムリーな原価管理による精度向上に努めてまいります。

 

③ 土壌汚染対策事業における多様な技術及びノウハウによる競争力の強化

 現在までに多数の企業の参入と様々な土壌浄化技術が実用化された結果、国内では土壌汚染リスクに対する顧客の理解が進み、競合企業間での競争が激しく、工事単価の低価格化が進んでおります。同時に新たな汚染物質として、欧米では問題化してきたPFAS(PFOA、PFOS)に関する関心が高まってまいりました。こうした市場環境においては、掘削除去に偏重していた顧客ニーズにも変化が見られ、多様な技術やノウハウによる高付加価値サービスで他社との差別化を図ることが、競争力強化の鍵と認識しております。顧客ニーズに迅速に対応できるよう、技術戦略部を中心に新技術、新工法の開発・導入・提案体制を強化し、大学との共同研究による汚染物質分解微生物を用いた開発、米国から新たな原位置透過壁工法(プルームストップ工法)の導入、新規対象物質PFAS(PFOA、PFOS)に対応した対策技術の開発、PFAS(PFOA、PFOS)フリー製品の販売等を行ってまいります。

 施工実績数と低事故率により審査を通過し、国内企業では初めて付保できた責任施工保証保険及びこれまで蓄積してきた土壌浄化工事の設計・責任施工ノウハウを裏付けとして、土壌汚染対策工事の費用総額を保証するサービス(プレアセスメント調査)を商品化いたしました。土壌汚染リスクを早期に確定させたい土地所有者やデベロッパー向けのリスク移転商品として拡販を行ってまいります。

 

④ ブラウンフィールド活用事業におけるコンサルティング営業の強化

 取り扱う物件の規模を中規模から大規模にスケールアップすることによる収益の拡大を目指しておりますが、不動産市況が活況で大手不動産各社の仕入が旺盛であり、かつ、多少の土壌汚染リスクは許容した上で購入しているため、大型物件の仕入競争が激しくなっております。土地所有者から土壌汚染問題の相談を受け、リスク評価と解決策を提案する際に、一案として買取を提案するといったコンサルティング営業を強化することに加え、信託銀行や大手不動産仲介から土壌汚染の可能性のある産業用地売却に関する情報量を増やし、大手不動産各社との差別化を図ってまいります。

 

⑤ ブラウンフィールド活用事業における資本効率の改善

 ブラウンフィールド活用事業では、販売用不動産及び収益物件を購入しており、案件ごとの販売計画、収益計画の管理強化による資本効率の改善が課題と認識しております。収益物件の入れ替えを進めることで、販売用不動産と収益物件の構成の見直し、また、販売用不動産の販売サイクルの短縮に努めることで、資本効率の改善を図ってまいります。

 

⑥ 自然エネルギー事業の強化

 自然エネルギー事業においては、オンサイト/オフサイトPPA事業の拡大に加え、太陽光発電に代わる電源の開発及び海外での発電事業等、FIT制度に依存しない事業の拡大が課題であると認識しております。このため、新たな国、地域における太陽光発電事業や系統用蓄電池事業等、多岐にわたる取組を推進してまいります。

 具体的には、再生可能エネルギー需要の拡大を踏まえ、屋根の有効活用の推進に取り組むとともに、既設太陽光発電所のポテンシャルを最大限に引き出すため、リパワリングや蓄電池併設等の施策を検討してまいります。

 

⑦ 海外事業におけるリスクコントロールの強化

 海外事業においては、国・地域ごとの制度変更や許認可取得の不確実性、物価・人件費上昇、為替変動等により事業環境の変化が激しいと認識しております。投資効率と事業の健全性を確保するため、投資判断プロセス、現地法規制・許認可対応のモニタリング、契約・ガバナンス、コスト・資金管理、出口戦略の明確化を通じ、リスクコントロールを一層強化してまいります。

 

⑧ 人材の確保、育成

 事業の継続的な発展を実現するためには、優秀な人材を十分に確保することとその育成が不可欠ですが、当社グループが小規模会社であることや知名度が低いことなどから、人材の採用が課題であると認識しております。新卒の採用活動に力を注ぐとともに将来を担う若手社員の積極採用、性別・国籍・年齢を問わない採用方針、カムバック採用を含む幅広い採用活動を実施してまいります。また、管理職研修によるマネジメント能力の強化、大学等外部専門機関の専門研修による高度技能者の育成、当社グループ独自のDLD制度(分散型学習及び開発制度)の予算化により、自主的な開発意欲の支援等の施策を展開して人材育成の強化に取り組んでまいります。

 さらに給与ベースアップの実施、資格手当制度による資格保有者の優遇、希望すれば遠隔地での勤務や完全リモートワークを可能とするIT環境の整備、働きやすい環境を意識したオフィスの増床など給与体系の充実化や働き方改革、職場環境の改善等に取り組んでまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。

 

(1) 経営環境

 様々な社会課題の顕在化やステークホルダーの価値観の変容に伴い、ESG(環境・社会・ガバナンス)を重視した経営や経済価値と社会価値の双方を創出するサステナビリティ経営がより一層求められております。当社グループは、事業を通して持続的な社会の創造について、責任をもって取り組んでまいります。

 

(2) サステナビリティに関する考え方

 当社グループにとってのサステナビリティの考え方は、「環境問題に技術と知恵で立ち向かう」をパーパスに掲げ、「環境問題の解決と健やかな環境づくりを推進し、持続可能な社会の構築に貢献する。」というビジョンの通りであります。すなわち事業を通して社会課題を解決し、会社が持続的に成長することが、さらなる社会課題の解決への取り組みを可能とし、ひいては持続可能な社会の構築に貢献すると考えております。

 具体的には、以下に示す4つのマテリアリティを定めて、顧客、取引先、従業員、株主をはじめとするあらゆるステークホルダーとのエンゲージメントを大切にした経営を実践しております。

① 安心安全な国土利用への貢献

② 循環型社会の実現への貢献

③ 脱炭素社会の実現への貢献

④ 環境問題解決で国際社会への貢献

 

(3) 具体的な取組

 ガバナンス、戦略、リスク管理、指標及び目標に基づき、取組を開示いたします。

 

① ガバナンス

 太陽光発電設備の導入や社内意識の向上等で環境や社会に貢献すると共に、人材の多様性の確保や経営の透明性、公正性を図るガバナンスの強化により社会的要請に応えるべく、サステナビリティ活動に取り組んでまいります。

 当社グループは、環境・社会・ガバナンスに関する重点課題(マテリアリティ)に対する施策・目標を設定し、当社グループを成長させつつ、社会課題の解決を目指し、広く社会に貢献できるよう取り組んでまいります。また、サステナビリティ推進のガバナンス機能を担う組織として、代表取締役社長を委員長とする「リスク・コンプライアンス委員会」を組織し、サステナビリティ経営の推進に取り組んでまいります。この委員会は、社外取締役も含めた取締役会に直結する組織であります。

 

② 戦略

 サステナビリティに関してE(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)の観点から経営方針・経営戦略等に影響を与えるリスク及び事業機会を識別、評価して対処しております。

 E(環境)については、有害化学物質による人への健康影響やCO₂排出による地球温暖化を事業機会と捉えて、健康被害の恐れの低減を目的とする土壌汚染対策事業、健康被害の恐れの低減に加えて不必要な開発行為に伴うCO₂排出量を抑えるブラウンフィールド活用事業、CO₂排出量を抑える自然エネルギー事業を拡大してまいります。

 S(社会)については、社員の健康及び職場環境から発生する問題をリスクと捉えて、管理本部所管の安全衛生委員会において産業医も参加する体制で従業員の労働安全衛生に取り組んでおります。働き方改革の一環としてIT環境を整え、希望すれば完全リモートワークを可能な体制を構築いたしました。また、本社や支店を増床して働きやすい職場環境作りに取り組んでおります。

 G(ガバナンス)については、法令及びコンプライアンス違反をリスクと捉えて、業務に関わる関連法令と行政手続きの洗い出し、コンプライアンス行動規範の周知徹底、社内通報窓口の設置及び社内研修によるコンプライアンス教育の実施等を行っております。

 

人材の多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略

 当社グループにとっては、手掛ける事業の性格上、「人」が最大の経営資源であります。「社員一人ひとりの人格と多様性を尊重し、創造力とチャレンジ精神を引き出すことに努める」ことを企業行動指針に定めて周知徹底を行い、社員の活力を組織として最大限に活かす人的資本経営を進めております。仕事の達成や社会への貢献を通じて、個人と企業がともに成長する環境と風土づくりを推進してまいります。

 

 

a. 能力開発支援

 経営環境が大きく変化する中、社員自ら目指すキャリアを考え、そのために必要な能力を獲得することが求められております。社員一人ひとりの能力開発のために、リーダーシップ、マネジメント能力を高める研修プログラムを階層別に人事部が外部講師の力も借りて実施し、次世代リーダーの育成を推進しております。また、OJTによる能力開発を補完する目的で社内講師による専門研修及び外部専門家による高度技能研修等を実施しております。さらに、キャリアに必要な専門性を明示し、自律した能力開発の動機付けとなるように、それに伴う資格手当制度を創設しました。「自ら学び」、「学び続ける」ことでプロフェッショナルとしての成長を促すことを目指してまいります。

b. 高度技術系人材の育成

 当社グループの質の高い成長を牽引していく高度な技術力を持った「高度技術系人材」を組織的に育成する仕組みを推進しております。最高技術責任者(CTO)をトップとする戦略部門に将来の高度技術系人材となりうる候補を計画的に配置、育成、ローテーションする方針で高度技術系人材の増加を目指してまいります。また、CTOが所管する自発的な「学び」と新規の「開発テーマ」を募って予算化し、自由に取り組んでもらう制度(DLD制度)を通して新技術、新商品の開発意欲を高める取り組みを実施してまいりました。高度技術系人材の発掘と育成に繋げてまいります。

c. 安心安全に働ける職場環境の確保

 リモートワークと出社を組み合わせたハイブリッドな働き方が進む中、IT環境とWEB会議に対応したオフィス環境を整え、希望すればリモートワークや遠隔地での勤務も可能といたしました。より安心して社員の創造性が発揮できる柔軟な働き方や職場環境の実現に努めております。一方で、事業の性格上、屋外での調査や工事が多く発生することから、安全品質管理室を中心に社員の安全教育の徹底と現場パトロールによる安全指導を励行し、労働災害を防止して安心安全に業務を遂行できるように職場環境の整備に努めております。

d. ベテラン技能者の能力発揮

 少子高齢化と人生100年時代を迎え、ベテラン技能者に蓄積された知識・経験を最大限に活用し、先輩から若手へのノウハウ伝承できる貴重な戦力としてベテラン技能者を位置付け、働きやすい条件を整えた複数のキャリアプランを用意し、安心して長く働いてもらうとともに、さらなる成長と貢献を実感できる環境を整えています。

 

③ リスク管理

 代表取締役社長を委員長とする「リスク・コンプライアンス委員会」を四半期毎に開催しております。「リスク・コンプライアンス委員会」では、各部門から上がってきた当社グループを取り巻くサステナビリティに関連するリスクを識別して、その影響度合いを評価したうえで、関連部門に対処を指示し、対処結果の報告を求めております。

 

④ 指標及び目標

 当社グループでは、4つのマテリアリティに基づき、社会課題の解決に寄与することによって、社会の持続的な発展に貢献するため、中長期的な目標を2020年度より設定しております。指標と目標につきましては、次のとおりであります。

マテリアリティ

社会課題

目標

実績(当連結会計年度末)

安心・安全な国土利用への貢献

土壌汚染問題の解消

2030年までに合計1,000万㎡の土地の土壌汚染問題を解消する。

414.7万(41.5%)

脱炭素社会の実現への貢献

クリーンエネルギーへの転換

2030年までに太陽光発電所及びバイオマス発電所の稼働により、CO₂排出量を合計15万トン削減する。

12.8万トン(85.3%)

循環型社会の実現への貢献

バイオマスの有効利用とリサイクル

2030年までにバイオマスガス化発電の事業化により、バイオマスを合計50万トン有効利用する。

持続可能な土地利用

2030年までに合計30万㎡の土壌汚染地を有効活用する。

78,963(26%)

環境問題解決で国際社会への貢献

途上国における水資源不足問題の解消

2030年までに合計2,000万㎥の地下水を供給する。

792万㎥(39.6%)

新興国における土壌汚染問題の解消

2030年までに海外で合計50万㎡の土地の土壌汚染問題を解消する。

※1

※1 2024年12月に中国事業の縮小を決議したため、目標を取り下げました。

 また、当社グループにとっては、手掛ける事業の性格上、「人」が最大の経営資源であります。「社員一人ひとりの人格と多様性を尊重し、創造力とチャレンジ精神を引き出すことに努める」ことを企業行動指針に定めて周知徹底を行い、社員の活力を組織として最大限に活かす人的資本経営を進めております。仕事の達成や社会への貢献を通じて、個人と企業がともに成長する環境と風土づくりを推進してまいります。上記「② 戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

戦略

目標

指標

実績(当連結会計年度末)

能力開発支援

土壌調査・請負工事等に不可欠な監理技術者及び指定調査機関の技術管理者資格の保有割合を2025年度までに50%以上にする。

監理技術者資格

技術管理者資格の保有者の割合

監理技術者の割合 63

技術管理者の割合 68

高度技術系人材の育成

2030年までにDLD制度を活用したテーマを50以上実施し、10の新技術、新商品の開発につなげる。

DLDテーマ数

開発件数

DLDテーマ数 26

新技術/商品開発件数 5

安心安全に働ける職場環境の確保

度数率を2.50以下に、強度率0.1以下に抑え、休業災害ゼロを達成する。

度数率

強度率

度数率 0.0

強度率 0.0

ベテラン技能者の能力発揮

60歳を迎えたベテラン技能者の80%以上を再雇用する。

60歳時点の再雇用率

※2

※2 2025年7月1日において、定年退職制度を撤廃したため、発展的に目標を取り下げました。

 

3【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財政状況及び投資判断等に影響を及ぼす可能性のあるリスクを記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、記載事項はリスクを全て網羅するものではありませんのでご留意下さい。

 

(1) 事業環境に由来するリスク

① 事業環境の変化(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:長期的)

a. 土壌汚染対策事業

 土壌汚染対策事業の需要は、「土壌汚染対策法」及び各地方自治体により施行される条例等の影響を受けます。今後の法令や条例等の新設、改正による規制の強化もしくは緩和によって、需要が大きく変動する可能性があります。一方、土壌汚染対策の需要の大半は、不動産取引を契機とした企業の法令対応、M&Aを契機とした環境リスク対策、工場等敷地の環境保全を目的とした環境投資によって占められております。そのため、土壌汚染対策事業の需要は、景気動向による不動産取引の増減や企業の環境投資の増減の影響を受けます。

 

b. ブラウンフィールド活用事業

 ブラウンフィールド活用事業の収益は、不動産市況の動向と連動いたします。土地の仕入時期及び販売時期の不動産市況の状況により、収益が大きく変動する可能性があり、また、これらの要因を背景として、販売用不動産の引き渡し時期が当初の計画から大きく前後し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

c. 自然エネルギー事業

 自然エネルギー事業については、固定価格買取制度による電力会社への売電収入を主たる収入源としておりますが、近年、太陽光発電設備の導入拡大に伴い発電総量が増大していることから、電力の需給バランス維持を目的として電力会社から出力抑制を求められるケースが増加する傾向にあります。このような出力抑制が拡大した場合、売電量の減少により、当社グループの業績に影響が出る可能性があります。また、新規発電所の開発においては、資材価格の高騰や調達の遅延等が発生する可能性があり、これにより開発コストの増加や工期の遅延が生じ、当初の事業計画の見直しを余儀なくされる場合があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 競合の状況(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:長期的)

a. 土壌汚染対策事業

 土壌汚染関連業界の国内市場は、土壌汚染対策法の一部改正により土壌汚染調査の契機が拡大し、年間の調査件数は増加傾向が続いておりますが、浄化工事を伴わない措置の増加や競合企業間の競争が激化しております。競合他社との受注競争が激しくなる中で、厳しい条件で受注する傾向が進んだ場合等には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

b. ブラウンフィールド活用事業

 ブラウンフィールド活用事業は、土地の需要家に代わって当社グループが土壌汚染リスクを取って解決することで成立するビジネスモデルであり、不動産市場が活況となり、価格が高騰した場合、土壌汚染対策費用のインパクトが相対的に低くなるため、土地の需要家が自ら土壌汚染リスクを取る可能性が高まります。その結果、大手不動産開発業者等との競合による販売用不動産の仕入価格上昇や仕入減少により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

c. 自然エネルギー事業

 電力の需要家と直接売電契約を締結するPPA市場においては、発電事業者の新規参入が増加傾向しており、売電の価格競争が激化傾向にあります。このような市場環境の変化により売電価格が低下した場合、当社グループの収益性が低下し、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、同一地域において多数の発電所の建設計画が進行した場合には、系統接続に必要な工事負担金の上昇や、系統連系までの期間の長期化が生じる可能性があります。これらの要因により、当社グループにおいては、発電所の開発計画の見直し、留保、又は場合によっては断念を行う可能性があり、その結果として業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業内容に由来するリスク

① 売上計上時期が計画から遅れるリスク及び一時期に集中するリスク(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:短期的)

a. 土壌汚染対策事業

 土壌汚染対策の対象施設に、施設閉鎖時期の遅れや解体工事の着工遅れ等、当社グループに起因しない事情による事業遅延、追加調査の発生などにより、結果として売上計上時期が計画から遅れる可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループが大型の土壌汚染対策に関する案件を受注した場合、もしくは多数の受注工事が一時期に集中した場合、該当する四半期決算の売上高は大幅に増加する可能性がありますが、当該四半期決算の経営成績だけをもって、通期の経営成績を見通すことは困難である点には留意する必要があります。

 

b. ブラウンフィールド活用事業

 土壌汚染対策を完了した後に売却する販売用不動産については、土壌汚染対策の工程や法で定められた地下水のモニタリング等の状況により販売時期が計画から遅れる可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、売上規模の大きな販売用不動産の売却を実行した場合には、該当する四半期決算の売上高は大幅に増加する可能性がありますが、当該四半期決算の経営成績だけをもって、通期の経営成績を見通すことは困難である点には留意する必要があります。

 

② 原価が変動するリスク(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:短期的)

a. 土壌汚染対策事業

 土壌汚染浄化工事において、事前の土壌汚染調査の結果と実際の汚染状況が著しく異なる場合は、工事費用が変動する可能性があります。また、状況により利益率の低い工法を選択せざるを得ない場合は、当初予定の利益を確保できない可能性があります。詳細調査前の段階で契約金額を確定する責任施工(コストキャップ保証)として土壌浄化工事を請け負った場合、免責部分については負担する必要があるため、当初予定の利益を確保できない可能性があります。

 当社グループは、長期案件における原価上昇時には工事価格の増額に理解を求め、また、工事費用が変動した場合の上振れ分を補填する保険(業務過誤保険)に加入するなどして、当該リスクの軽減を図っております。

 

b. ブラウンフィールド活用事業

 土壌汚染地を販売用不動産として現状有姿で仕入れる場合、土壌汚染状況が100%明らかになっていないこともあり、土壌汚染対策を実施する際に汚染状況が想定と異なる場合には原価が変動し、当初予定の利益に影響を及ぼす可能性もあります。

 不動産の仕入時には、土壌汚染対策事業のノウハウを活用しながら調査を綿密に行って、当該リスクの軽減を図っております。

 

③ 為替変動に関するリスク(発生可能性:高、影響度:中、発生時期:短期的)

 土壌汚染対策事業では、主に北米メーカー製品の土壌汚染関連機器・資材・浄化用薬剤を輸入しております。また、自然エネルギー事業では中東において売電事業を展開しております。いずれも主に米ドル建てで取引しているため、為替変動により当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 仕入先との取引条件について(発生可能性:低、影響度:小、発生時期:時期特定なし)

 土壌汚染対策事業において、主に北米メーカー製品の土壌汚染関連機器・資材・浄化用薬剤を輸入しており、一部のメーカーとの間で日本国内における独占販売契約を締結しております。今後不測の要因により主要な仕入先との取引契約が解消された場合、当社グループの事業展開及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 これら仕入先との取引契約が解消されることは、現状では想定し難いものと認識しておりますが、継続的に良好な関係を継続して、当該リスクの軽減を図っております。

 

⑤ サービス及び商品の欠陥について(発生可能性:低、影響度:大、発生時期:時期特定なし)

 当社グループが提供するサービス及び商品に欠陥が生じた場合、顧客に生じた損失に対する責任を追及される可能性があります。さらに、社会的評価の低下等によって、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループは、安全管理担当・品質管理担当が主体となって品質管理体制を構築して、当該リスクの軽減を図っております。

 

⑥ 海外展開について(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:中期的)

 当社グループは、自然エネルギー事業において中東諸国及び東南アジア諸国を中心とした海外市場において、積極的な事業展開を推進しております。海外展開においては、事業投資に伴う為替リスク、カントリーリスク、市場環境の変化により損失が発生するリスク等があります。また、当該国の経済活動の停滞によって計画どおりに事業展開ができない場合には、当社グループの事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 海外事業においては、現地の市場動向、政策動向、競争環境等を調査、把握したうえで進出し、当該リスクの軽減を図っております。

 

(3) その他のリスク

① 法的規制リスク(発生可能性:低、影響度:大、発生時期:特定時期なし)

 当社グループは、法令遵守の徹底が事業活動の大前提であり経営の最重要課題の一つと位置付け、国内外の法令遵守はもちろん社会規範に則して事業活動を遂行すべく、体制整備や役員と従業員への教育、啓発などを推進し、コンプライアンスリスクの回避又は最小化に努めております。

 当社グループは、各事業の遂行にあたり、様々な法的規制を受けております。

 各事業に関連する法令が大きく改正され、当社グループが対応できなくなる事象が発生する場合や、当社グループが取得している主要な許認可等が取り消しされた場合には、当社グループの事業活動が制限され、社会的信用、財政状態及び経営成績等に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループが取得している主要な許認可等の状況は以下のとおりであります。有価証券報告書提出日現在において、許認可等の継続に支障を来す要因が発生している事実はありません。

 

a. 土壌汚染対策事業

取得・登録者名

㈱エンバイオ・エンジニアリング

㈱エンバイオ・エンジニアリング

取得年月

2003年8月8日

2015年2月3日

許認可等の名称

指定調査機関

建設業許可(特定建設業)

所管官庁等

環境省

国土交通省

許認可等の内容、

許可番号

土壌汚染対策法第3条第1項、第4条第2項又は、第5条第1項に基づいて土壌汚染状況調査を実施する義務が生じた土地の所有者等からの委託等による調査の実施及び法第16条第1項に基づく土壌の調査を実施する機関

環2003-3-3016

次の工事業(特定)に関する免許

土木、建築、大工、左官、とび・土工、石、屋根、電気、管、タイル・れんが・ブロック、鋼構造物、鉄筋、舗装、しゅんせつ、板金、ガラス、塗装、防水、内装仕上、熱絶縁、造園、建具、水道施設、解体

国土交通大臣許可(特-6)第25676号

有効期限

2030年3月31日(以降5年毎に更新)

2030年2月2日(以降5年毎に更新)

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

指定取消の要件(土壌汚染対策法第42条)

①法第30条第1号又は第3号(欠格条項)に該当するに至ったとき

②法第33条(技術管理者の選任)、第35条(変更の届出)、第 37条第1項(業務規程の届出・規程変更の届出)又は第 38 条(帳簿の備付け等)の規定に違反したとき

③法第36条第3項の規定による命令(改善命令)又は法第39条の規定による命令(適合命令)に違反したとき

④不正の手段により法第3条第1項の指定を受けたとき

不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)

不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条)

 

 

b. ブラウンフィールド活用事業

取得・登録者名

㈱エンバイオ・リアルエステート

㈱土地再生投資

取得年月

2012年2月10日

2018年5月18日

許認可等の名称

宅地建物取引業(免許)

宅地建物取引業(免許)

所管官庁等

東京都

東京都

許認可等の内容、

許可番号

宅地・建物の売買

東京都知事(3)第93862号

宅地・建物の売買

東京都知事(2)第102018号

有効期限

2027年2月10日(以降5年毎に更新)

2028年5月18日(以降5年毎に更新)

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

指示処分・業務停止処分(宅地建物取引業法第65条)

業務に関し関係者に損害を与えた(又は与えるおそれがある)とき、取引の公正を害した(又は害するおそれがある)とき、他の法令に違反したとき

免許取消の要件(同法第66条)

1.代表者や法人役員等が欠格事由に該当する場合

①成年被後見人、被保佐人又は破産者宣告を受けた場合

②禁固以上の刑に処せられた場合

③暴力団による不当な行為の防止に違反した場合

2.業務違反

①不正な手段により宅建業免許を取得した事が発覚した場合

②免許を受けてから1年以上事業を休止した場合

3.許可要件の喪失

①許可取得要件を満たせなくなった場合

②免許の更新をしなかった場合

指示処分・業務停止処分(宅地建物取引業法第65条)

業務に関し関係者に損害を与えた(又は与えるおそれがある)とき、取引の公正を害した(又は害するおそれがある)とき、他の法令に違反したとき

免許取消の要件(同第66条)

1.代表者や法人役員等が欠格事由に該当する場合

①成年被後見人、被保佐人又は破産者宣告を受けた場合

②禁固以上の刑に処せられた場合

③暴力団による不当な行為の防止に違反した場合

2.業務違反

①不正な手段により宅建業免許を取得した事が発覚した場合

②免許を受けてから1年以上事業を休止した場合

3.許可要件の喪失

①許可取得要件を満たせなくなった場合

②免許の更新をしなかった場合

 

c. 自然エネルギー事業

取得・登録者名

㈱エンバイオ・ネクテス

取得年月

2025年10月30日

許認可等の名称

建設業許可(特定建設業)

所管官庁等

東京都知事

許認可等の内容、

許可番号

次の工事業(特定)に関する免許

建築、大工、屋根、電気、管、タイル・れんが・ブロック、鋼構造物、内装仕上

東京都知事許可(特-7)第161122号

有効期限

2030年10月29日(以降5年毎に更新)

法令違反の要件及び主な許認可取消事由

不正な手段による許可の取得や役員等の欠格条項違反に該当した場合は許可の取消(建設業法第29条)

不正入札等不誠実な行為があった場合は業務停止等の処分(同法第28条)

 

② 情報管理に関するリスク(発生可能性:中、影響度:中、発生時期:短期的)

 顧客や取引先の個人情報や機密情報の漏洩が起きた場合、当社グループの信用は低下し、顧客等に対する賠償責任が発生する等、当社グループの財政状態及び経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。

 当社グループでは、情報セキュリティポリシーや社内管理体制を整備し、従業員に対する情報管理やセキュリティ教育等、情報の保護について種々の対策を推進して、当該リスクの軽減を図っております。

 

③ 自然災害・火災・事故等への対応について(発生可能性:低、影響度:大、発生時期:特定時期なし)

 地震、風水害等の自然災害により当社グループが運営する太陽光発電所・事務所・設備・社員とその家族等に被害が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績等が悪影響を受ける可能性があります。また、重大な労働災害、事故等が発生した場合には、操業に支障が生じ、経営成績等に影響を与える可能性があります。

 当社グループは、安全第一を目的として、労使間における安全衛生委員会を設け、安全パトロールや安全教育を実施する等事故の防止に努めております。また、損害保険等を付与するなどリスクヘッジを行って、当該リスクの軽減を図っております。

 

④ 小規模組織であることについて(発生可能性:中、影響度:大、発生時期:特定時期なし)

 当社グループは、小規模な組織であり内部管理体制や業務執行体制も当該組織規模に応じたものとなっております。従って、当社グループの役員や従業員が病気や怪我等により業務を遂行する上で支障が生じた場合や転職等により人材が社外に流出した場合には、当社の業務に支障が生じる可能性があります。

 当社グループは、事業の拡大に伴う対応と管理体制のさらなる充実を目的として、人材の育成・採用を行って、当該リスクの軽減を図っております。

 

⑤ 財務制限条項について(発生可能性:低、影響度:大、発生時期:特定時期なし)

 当社が複数の金融機関との間で締結している借入に係る契約の一部には、財務制限条項が定められております。財務制限条項に抵触した場合、借入先金融機関の請求により当該借入について一括返済を求められるなどして、財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 当社は、金融機関と緊密に情報共有するなどして良好な関係を継続し、当該リスクの軽減を図っております。

 

⑥ 株式会社シーアールイーとの関係について(発生可能性:低、影響度:中、発生時期:特定時期なし)

 株式会社シーアールイーは、有価証券報告書提出日現在において当社株式の34.3%を保有しており、当社のその他の関係会社に該当しております。当社は、株式会社シーアールイーとの間で資本業務提携契約を締結しており、自然エネルギー事業、ブラウンフィールド活用事業において協業関係を有しております。当社は株式会社シーアールイーと良好な関係を維持しておりますが、株式会社シーアールイーの事業戦略等の方針が転換された場合など、株式会社シーアールイーとの協業が減少し、当社の財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、物流施設の賃貸など当社と株式会社シーアールイーとの間で発生する取引にあたっては、当社の関連当事者等管理規程に則り、適切に実施しております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 当期の経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国の経済状況は、賃金・雇用環境の改善が継続し、個人消費は底堅く推移しているものの、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰やエネルギーコストの上昇が企業収益を圧迫しており、景気回復の勢いはなお限定的なものにとどまっております。加えて、物価高騰の長期化による家計への影響も依然として継続しており、当社を取り巻く環境は厳しい状況が続いております。

 海外においても、ウクライナ情勢の長期化に加え、中東地域における地政学的リスクの一段の高まりを背景に、ホルムズ海峡を経由する原油輸送ルートの不安定化が世界的なエネルギー供給に影響を及ぼしております。原油価格の高騰と供給不足が各国経済の重荷となる中、世界経済の先行き不透明感は引き続き強い状況となっております。

 当社グループの業績に大きな影響を及ぼす各セクターの状況は、建設市場においては、社会インフラの更新需要や都市部における大規模再開発プロジェクトが引き続き一定の需要を下支えしているものの、エネルギーコストの上昇を背景とした資材価格の高騰や慢性的な労働力不足が続いており、収益環境は依然として厳しい状況が続いております。また、不動産市場においては、都市部を中心とした堅調な需要は継続しているものの、建築資材価格の高騰による新築コストの上昇や金利動向を踏まえた慎重な投資姿勢が広がっており、物件特性や立地に応じた選別的な投資判断がより鮮明になっております。再生可能エネルギー市場においては、中東情勢の不安定化を契機としたエネルギー安全保障への高まりが、化石燃料依存からの脱却を目指す動きをさらに加速させており、企業のESGへの関心の高まりや技術革新によるコスト低下とも相まって、引き続き力強い成長が見込まれる市場環境となっております。

 このような事業環境のもと、当社グループは、ESG経営に積極的に取り組むとともに、各事業における施策を着実に推進しております。土壌汚染対策事業においては、リスク管理型手法や責任施工保証の提案を強化するとともに、工事品質管理、工事原価管理の徹底及びDXの推進による業務効率化などに継続して取り組んでおります。ブラウンフィールド活用事業においては、土壌汚染問題を抱える事業用地等を積極的に取得し、市場ニーズや土地の最適利用を見極めた企画開発力を発揮することで付加価値を高め、お客様への最適な形での再販に努めております。自然エネルギー事業においては、エネルギー安全保障への関心の高まりを追い風として、FITに依存しないPPAモデルを積極的に展開しており、工場・物流倉庫・ホームセンター等への提案活動を一層強化するとともに、蓄電池ビジネスの新規展開や地域リスク分散の観点から海外展開にも引き続き注力しております。

 その結果、当連結会計年度の売上高は12,630百万円(前年同期比18.4%増)となりました。経常利益は1,598百万円(同127.7%増)となりました。売上高につきましては、ブラウンフィールド活用事業において、下期に高収益な大型物件の販売が順調に進捗したこと、土壌汚染対策事業において、工事が計画通りに進行したことに加え、大型化に伴う工事単価の上昇があったこと、自然エネルギー事業において、取次事業の拡大と太陽光発電所の稼働拡大等が寄与し、全セグメントで増収を達成したことから、大幅な増収となりました。経常利益につきましては、売上高の増加に加え、ブラウンフィールド活用事業において、土壌汚染対策事業との連携によるグループ横断的な原価圧縮効果を発揮した結果、計画を大きく上回る利益を実現したことから、大幅な増益となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は265百万円(同41.4%減)となりました。主な減益要因は、トルコにおけるバイオマスガス化発電事業の撤退に伴う特別損失の計上によるものであります。ライセンス取得に関わる度重なる追加対応が求められ、フル稼働の目途が立たないこと、トルコの過度なインフレによるコスト増が落ち着きを見せない状況等から、当初計画通りの投資回収が見込めないと判断し、撤退することといたしました。

 以下に各事業セグメントの状況を報告いたします。

 

(土壌汚染対策事業)

 当連結会計年度の売上高は6,913百万円(同15.4%増)となり、セグメント利益は721百万円(同60.8%増)となりました。

 土壌汚染対策工事及び建築工事が計画通り順調に進捗したことに加え、工事の大型化に伴う工事単価の上昇並びに元請工事を中心としたDX等の新技術導入による工期短縮や原価改善が進展したことから、前期比で増収増益となりました。

 土壌汚染対策工事における引合は引き続き堅調に推移しているものの、当社グループを含む上位数社による競争が激化しております。このような事業環境のもと、当社グループは、土壌汚染の管理を目的とする経済的な対策(リスク管理型手法)、土壌調査から対策工事までを一体で実施し、対策費用の総額を保証するコストキャップ保証並びに東京都の「地下水汚染拡大防止技術支援」事業において推奨技術メニューとして認定された原位置浄化壁工法(プルームストップ工法)等、差別化された提案に注力しております。

 同工法は、近年関心が急速に高まっているPFOA・PFOSによる地下水汚染対策として欧米で高い評価を得ており、PFOA・PFOSを含む土壌汚染に対する原位置固定化工法としての有効性も実証されております。国内における有効性確認のため、東京都内で現場実証試験に着手するとともに、米国から導入したPFASによる地下水汚染の現状把握に向けた新たな調査手法の現場実証も行いました。当社グループでは、PFOA・PFOS汚染対策に対応した各種調査機材を取り揃え、地方自治体や環境省への提案活動、地下水・土壌汚染に関する研究集会への出展等、積極的な営業活動を展開しております。なお、プルームストップ工法は、東京都より、これまで認定されていた事業場跡地への適用に加え、操業中の事業場においても適用可能な地下水汚染拡大防止技術として追加認定を受けております。

 

(ブラウンフィールド活用事業)

 当連結会計年度の売上高は3,248百万円(同35.3%増)となり、セグメント利益は873百万円(同137.4%増)となりました。

 活況な不動産市況を背景に販売が計画通り進捗したことに加え、顧客ニーズに応じた区画分割による販売を推進し、あわせて各案件の最大価格を提示できる買い先への営業を強化した結果、計画を上回る価格での売却を実現できたこと等により、前期比で大幅な増収増益となりました。

 不動産市場においては、引き続き仕入れ競争が激化する状況が続いております。このような事業環境のもと、当社グループは、大手仲介業者に加え、士業との連携に強みを有する仲介業者を通じた相対取引案件を中心に情報収集を行っております。また、当社の強みが活かせる案件については、入札にも積極的に参加しております。さらに近年、買主側がリスクを負担する取引が増加する傾向にあることを踏まえ、当社グループが有する土壌汚染、解体、測量等に関する専門的知見を活用し、適正なリスク評価に基づく物件取得を行うことで、競合他社との差別化を図っております。これらの取組の成果として、葛飾区内の金属加工工場跡地を含む15物件を取得し、また、4物件について仕入契約を締結いたしました。一方、販売面においては、川越市内の工場跡地を形質変更時要届出区域の状態で売却した土地を含む16物件を売却し、また、3物件について販売契約を締結いたしました。

 なお、株式会社土地再生投資において進めている八千代案件については、現在土木工事を施工中であり、テナントとの本契約も締結し、計画通り順調に進捗しております。

 また、系統用蓄電所用地開発の事業化に向けて、株式会社エンバイオ・ネクテスと協業し、全国各地において用地探索を進めております。

 

(自然エネルギー事業)

 当連結会計年度の売上高は2,468百万円(同8.6%増)となり、セグメント利益は29百万円(同67.6%減)となりました。

 トルコを除く国内外の自然エネルギー事業においては、発電容量の増加等により増収となったものの、撤退を決定したトルコバイオマスガス化発電事業の費用計上、トルコ・リラ安による為替差損計上の影響、国内太陽光発電所ケーブル盗難の修理費用計上と稼働停止等により、減益となりました。

 当連結会計年度末における国内外の太陽光発電所(建設中含む)は63か所、総発電量64.2MWとなっております。また、オフサイトPPAを含む再生可能エネルギー電力を供給するサービスについても、概ね順調に推移しております。インドネシアにおいて太陽光発電所の開発投資を実施した結果、同国内での太陽光発電所(建設中含む)の発電容量は39.5MWとなり、これを含む当社グループの関与発電容量は103.7MWとなりました。クリーンエネルギーに対する需要は引き続き高水準で推移しており、当社グループでは、海外を含むコーポレートPPA案件等の新規案件に関する情報収集を進めるとともに、再生可能エネルギーや蓄電池を活用した新たなビジネススキームの検討を進めております。

[国内]

 株式会社シーアールイーが開発する物流施設「LogiSquare(ロジスクエア)」の屋根を活用した太陽光発電所は、引き続き安定的に稼働しております。また、脱炭素社会の実現に向けた取組の一環として、CO₂削減に取り組む企業向けに非化石証書の販売や再生可能エネルギー電力を供給するサービスについても、契約件数は順調に増加しております。

 株式会社エンバイオ・ネクテスにおいては、屋根上太陽光発電所の建設実績を積み上げるとともに、系統用蓄電所(高圧)の用地開発に注力しており、日本全国約100か所において、事業化の検討を進めております。また系統用蓄電所(特別高圧)についても事業化の可能性に関する検討を開始しております。

[海外]

 ヨルダンにおける水資源開発事業については、既に収益化しており堅調に稼働しております。また、インドネシアにおける屋根上太陽光発電事業については、新規投資家の招聘に成功し、事業規模の拡大を進めております。一方、トルコにおけるバイオマスガス化発電事業については、事業撤退を決定し、現地事業会社の持分譲渡もしくは解散の手続きを検討しております。

 

② 財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末における資産につきましては、総資産は22,848百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,653百万円増加いたしました。これは主に棚卸資産が1,492百万円、現金及び預金が743百万円及び機械装置及び運搬具(純額)が502百万円増加したものの、長期貸付金に係る貸倒引当金690百万円を計上したこと及び投資有価証券が468百万円減少したこと等によるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債につきましては、13,521百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,557百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が1,122百万円、買掛金が416百万円、未払法人税等が353百万円及び1年内返済予定の長期借入金が248百万円増加したものの、短期借入金が816百万円減少したこと等によるものであります。

 

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産につきましては、9,326百万円となり、前連結会計年度末に比べ96百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が192百万円及び繰延ヘッジ損益が44百万円増加したものの、為替換算調整勘定が155百万円減少したこと等によるものであります。

 

③ キャッシュ・フロー状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ743百万円増加し、4,006百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動の結果、獲得した資金は1,167百万円(前期比5,224.3%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益915百万円、減価償却費535百万円及び事業撤退損919百万円があったものの、棚卸資産の増加額905百万円及び法人税等の支払額345百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動の結果、使用した資金は895百万円(同44.1%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出1,048百万円及び貸付けによる支出426百万円があったものの、投資有価証券の売却による収入585百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動の結果、獲得した資金は464百万円(同63.6%減)となりました。これは主に長期借入れによる収入3,724百万円があったものの、長期借入金の返済による支出2,351百万円及び短期借入金の純減少額816百万円等によるものであります。

 

④ 生産、受注及び販売の状況

(a) 生産実績

 生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。

 

(b) 受注状況

 当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

土壌汚染対策事業

6,903

130.0

2,932

99.7

(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引は相殺消去しております。

2.ブラウンフィールド活用事業につきましては、受注に該当する事項がないため、記載すべき事項はありません。自然エネルギー事業につきましては、一部受注生産を行っておりますが、当連結会計年度においては重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

(c) 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

 至 2026年3月31日)

前年同期比(%)

土壌汚染対策事業 (百万円)

6,913

115.4

ブラウンフィールド活用事業 (百万円)

3,248

135.3

自然エネルギー事業 (百万円)

2,468

108.6

合計 (百万円)

12,630

118.4

(注) 1.セグメント間内部取引振替後の数値によっております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、本文の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作られております。

 当社グループは、この連結財務諸表の作成にあたって、貸倒引当金、固定資産の減損、減価償却資産の耐用年数の設定、繰延税金資産の計上、偶発債務の認識等の重要な会計方針に関する見積り及び判断を行っております。

 当社経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき判断しておりますが、記載した予想、見通し等の将来に関する事項につきましては、不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。

 当社グループの連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a) 経営成績の分析

 経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)当期の経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照下さい。

 

(b) キャッシュ・フロー状況の分析

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)当期の経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フロー状況」に記載しております。

 

(c) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

イ.財務戦略の基本的な考え方

 当社グループは、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。

 厳格な財務規律のもとで負債の活用を積極的に進めるとともに、適切な情報開示・IR活動及び資本政策を通じて、資本コストの低減及び資本効率の向上を図ります。

 新規事業投資については、積極的に取り組む方針ですが、企業価値の向上の期待値のみならず、当社グループが当該事業へ投資することの意義を慎重に検討してまいります。

 

ロ.経営資源の配分に関する考え方

 当社グループは、適正な手許現預金の水準について常に検証を実施しております。安定的な経営に必要な手許現預金水準を設定し、それを超える分については、「追加的に配分可能な経営資源」と認識し、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。

 同時に、手許現預金及び今後創出するフリー・キャッシュ・フローから、株主還元についても検討してまいります。

 

ハ.資金需要の主な内容

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売用不動産の購入費用及び各事業の販売拡大に伴う運転資本の増加であります。また、投資を目的とした資金需要は、自然エネルギー発電所への設備投資及び新規事業参入のための出資等によるものであります。

 

ニ.資金調達

 短期運転資金は、主に営業活動により得られたキャッシュ・フローを財源としておりますが、増加運転資本に対応するために必要な資金については、金融機関からのコミットメントライン等の融資枠による短期借入によって流動性を保持しております。

 設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。また、設備投資の一部はリース取引を利用しております。

 なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は10,653百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,006百万円となっております。

 

(d) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しております。

 

(e) 経営戦略の現状と見通し

 当社グループは、「環境問題に技術と知恵で立ち向かう」というパーパスに基づき、「環境問題の解決と健やかな環境づくりを推進し、持続可能な社会の構築に貢献する」というビジョンを掲げて、「環境保全に役立つサービスや製品の提供」をミッションとしております。当社のパーパス、ビジョン、ミッションでは、「持続可能な社会の構築に貢献」を不変の使命としており、持続可能な「環境」と「企業」の両立を実現すべく、2027年3月期から2031年3月期までの5ヵ年を計画期間とする「中期経営計画2030」を策定いたしました。同計画では「100年成長する会社の基礎を創る~ステークホルダーすべてが誇れる会社へ~」を基本方針に掲げ、以下の3つの成長戦略を推進してまいります。

 第一の経営戦略は、土壌汚染対策事業(新:環境ソリューション事業)の拡充による収益拡大であります。これまでに培った革新的な原位置浄化技術とPFAS対応技術に加え、リスク評価から対策案までを一貫して提案できるコンサルティング力による差別化を推進し、PFAS等の新たな環境課題や環境デューデリジェンスを含む幅広いニーズに応える「環境ソリューション事業」へと事業領域を拡充してまいります。

 第二の経営戦略は、ブラウンフィールド活用事業(新:不動産再生事業)のソリューション領域の拡張であります。これまでの多数の実績に裏付けられたリスク評価を背景に土壌汚染地を現状有姿で購入し、浄化工事によってバリューアップさせて再販するだけにとどまらず、老朽アパートや遊休地等も対象に取り込み、戸建・店舗開発から自然エネルギー用地まで幅広い不動産再生ソリューションを提供する事業へと発展させ、グループ全体への貢献を高めてまいります。

 第三の経営戦略は、自然エネルギー事業における「キャピタルリサイクル」への戦略転換による成長加速であります。「中期経営計画2026」において太陽光発電所総発電量100MWの目標を達成したことを踏まえ、従来の資産保有による長期回収モデルから、太陽光発電所・系統用蓄電所の開発・売却・アセットマネジメントを通じた資本の早期回収と再投資を繰り返すモデルへと戦略を転換いたします。また、国内にとどまらず中東・アジアをはじめとした海外への事業展開も推進し、より高い成長率の実現を目指してまいります。

 

(f) 経営者の問題認識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

 

5【重要な契約等】

(1) 独占販売権を受けている契約

 契約会社名

相手方の名称

国名

契約品目

契約締結日

契約内容

契約期間

株式会社エンバイオ・エンジニアリング

(連結子会社)

KEJR ,INC.

米国

Geoprobe®Systems関連商品

2010年
12月1日

Geoprobe®Systems

関連商品の日本における独占販売権及びアジア全域における販売権

2010年12月1日~2012年11月30日以降2年毎の自動更新

株式会社エンバイオ・エンジニアリング

(連結子会社)

REGENESIS Bioremediation Products,Inc.

米国

ORC,ORC-Advanced

HRC,3DMicro

Emulsion,RegenOx

PersulfOx

PlumeStop

2013年
8月1日

契約品目の日本における独占販売権及び中国における販売権

2013年8月1日~2014年8月1日以降1年毎の自動更新

 

 

(2) 電力受給契約

契約会社名

相手先

契約内容

契約期間

提出会社

東北電力株式会社

太陽光発電による売電

(金谷B地区発電所)

2016年1月15日から

2036年1月14日まで

提出会社

九州電力株式会社

太陽光発電による売電

(熊本県菊池メガソーラー発電所)

2016年12月19日から

2017年12月18日まで

以降1年毎の自動更新

提出会社

東北電力ネットワーク株式会社

太陽光発電による売電

(岩手県紫波メガソーラー発電所)

2017年4月17日から

2037年4月16日まで

提出会社

東京電力エナジー

パートナー株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア久喜Ⅱ発電所)

2017年11月1日から

2037年4月30日まで

提出会社

中部電力ミライズ株式会社

太陽光発電による売電

(EBH 茅野スタジアム発電所)

2018年3月9日から

2036年7月30日まで

提出会社

中部電力ミライズ株式会社

太陽光発電による売電

(EBH 伊那発電所)

2018年3月12日から

2036年3月23日まで

提出会社

東京電力パワー

グリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア久喜Ⅰ発電所)

2018年3月20日から

2037年12月18日まで

提出会社

東京電力パワー

グリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア羽生発電所)

2018年3月20日から

2038年3月19日まで

提出会社

東京電力パワー

グリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア守谷発電所)

2018年3月29日から

2038年3月28日まで

提出会社

東京電力パワー

グリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア春日部発電所)

2018年8月3日から

2038年8月2日まで

提出会社

東京電力パワー

グリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア上尾太陽光発電所)

2019年11月20日から

2039年12月10日まで

太陽光パーク2合同会社

(連結子会社)

東北電力株式会社

太陽光発電による売電

(金谷A地区発電所)

2016年1月15日から

2036年1月14日まで

太陽光パーク2合同会社

(連結子会社)

東北電力株式会社

太陽光発電による売電

(引田地区発電所)

2016年2月29日から

2036年2月28日まで

太陽光パーク2合同会社

(連結子会社)

北陸電力株式会社

太陽光発電による売電

(石川県志賀町

メガソーラー発電所)

2018年11月30日から

2038年11月29日まで

ヴェガ・ソーラー合同会社

(連結子会社)

中国電力株式会社

太陽光発電による売電

(PVNext EBH 美咲町発電所)

2015年9月30日から

2035年9月29日まで

 

契約会社名

相手先

契約内容

契約期間

ヴェガ・ソーラー合同会社

(連結子会社)

東京電力パワー

グリッド株式会社

太陽光発電による売電

(エンバイオ千葉若葉

太陽光発電所)

2021年4月12日から

2041年4月11日まで

アルタイル・ソーラー合同会社

(連結子会社)

北海道電力株式

会社

太陽光発電による売電

(PVNext EBH 浦幌第一発電所)

2017年3月15日から

2037年3月14日まで

アルタイル・ソーラー合同会社

(連結子会社)

北海道電力ネット

ワーク株式会社

太陽光発電による売電

(EBH鹿追発電所)

2022年6月27日から

2023年3月31日まで

以降1年毎の自動更新

株式会社エンバイオC・エナ

ジー(連結子会社)

関西電力送配電

株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア枚方太陽光発電所)

2023年10月25日から

2043年10月24日まで

株式会社エンバイオC・エナ

ジー(連結子会社)

東京電力パワー

グリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア草加太陽光発電所)

2013年7月5日から

2033年7月31日まで

株式会社エンバイオC・エナ

ジー(連結子会社)

東京電力パワー

グリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア八潮太陽光発電所)

2014年9月4日から

2034年9月30日まで

株式会社エンバイオC・エナ

ジー(連結子会社)

東京電力パワー

グリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア厚木1太陽光発電所)

2024年6月25日から

2044年6月24日まで

株式会社エンバイオC・エナ

ジー(連結子会社)

東京電力パワー

グリッド株式会社

太陽光発電による売電

(ロジスクエア松戸太陽光発電所)

2024年8月1日から

2044年7月31日まで

 

(3) 資本業務提携契約

契約会社名

相手先

契約内容

契約期間

提出会社

株式会社シーアールイー

資本業務提携契約

期間の定めなし

(注)前連結会計年度まで記載しておりました鉱研工業株式会社との資本業務提携契約につきまして、当社が保有する鉱研工業株式会社の全株式を売却したことにより契約が終了したため、削除いたしました。

 

(4) 財務上の特約が付されているシンジケートローン契約

契約会社名

契約締結日

契約締結先

当期末残高
(百万円)

返済期限

契約締結日

契約締結先

提出会社

2016年11月30日

都市銀行

2,011

2033年12月30日

あり(注1)

あり(注2)

提出会社

2025年2月25日

都市銀行

1,134

2043年7月31日

あり(注3)

あり(注4)

(注) 1.財務制限条項の主な内容は、以下のとおりであります。

a. 借入実施期間の各連結会計年度末における連結貸借対照表に示される純資産金額を2016年3月期における連結貸借対照表に示される純資産金額の80%以上に維持すること。

b. 借入実施期間の各連結会計年度末における連結損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失とならないこと。

2.担保提供資産の主な内容は、以下のとおりであります。

a. 当社所有の一部の預金。

b. 当社連結子会社所有の一部の預金、一部の売掛金、一部の機械装置、一部の機械装置に係る保険契約に基づく保険金等請求権、一部の土地の地上権及び一部の電力需給契約に係る契約上の地位。

3.財務制限条項の主な内容は、以下のとおりであります。

a. 借入実施期間の各連結会計年度末における連結貸借対照表に示される純資産金額を直前決算期末日における連結貸借対照表に示される純資産金額の80%以上に維持すること。

b. 借入実施期間の各連結会計年度末における連結損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失とならないこと。

4.担保提供資産の主な内容は、以下のとおりであります。

a. 当社所有の一部の預金。

b. 当社連結子会社所有の一部の預金、一部の売掛金、一部の機械装置、一部の機械装置に係る保険契約に基づく保険金等請求権及び一部の電力需給契約に係る契約上の地位。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、土壌汚染対策事業の競争力の源泉である原位置浄化技術の強化を目的として研究開発を行っております。

 当連結会計年度における研究開発は、以下のとおりであります。

① コロイド状活性炭と塩素化エチレンの高分解能細菌を組み合わせた原位置透過反応壁工法の開発

 稼働中の工場における土壌・地下水汚染の経済的な汚染拡散防止のニーズに応えるべく、米国リジェネシス社(株式会社エンバイオ・エンジニアリングが同社製品の日本国内の独占販売権を保有)が開発したコロイド状活性炭水溶液(商品名プルームストップ)を用いた原位置透過反応壁工法を実用化しました。本工法は、有機化学物質による土壌・地下水汚染が地下水の流れに乗って拡散するのを原位置で地中に形成したコロイド状活性炭の透過反応壁(原位置透過反応壁)に汚染物質を吸着させることにより、敷地外への汚染拡散をブロックするものです。従来は敷地境界付近に複数の揚水井戸を設置し、汚染地下水を汲み上げる揚水処理工法が採用されておりますが、長期間にわたって継続する必要性に起因するコスト高が課題となっており、経済性の高い工法が求められております。本工法は、東京都より「地下水汚染拡大防止技術支援」事業で推奨する技術に認定されました。また本工法は、新たな有害物質としての対応が議論されている有機フッ素化合物の一種であるPFOA、PFOSを含有する汚染地下水の拡散防止対策としても期待しております。

 当連結会計年度は、PFOA、PFOSの濃度が地下水の水質の暫定指針値を超えた地下水の拡散防止対策としての効果を実証するため現場試験の準備として、東京都内において現場の選定と地下水中のPFOA、PFOSの挙動を解析し、原位置透過反応壁の設計を行うための事前調査を実施しました。

 併せて、前連結会計年度から継続して当社グループ保有の高分解能細菌(デハロコッコイデス属UCH-ATV1株)の微生物群集(コンソーシア)とコロイド状活性炭を組み合わせて塩素化エチレンの吸着と微生物分解が同時に起こる原位置透過反応壁工法の開発を実施しております。

 

② PFAS類の濃縮分離装置の開発

 新たな有害物質として対応が議論されている有機フッ素化合物の一種である地下水中のPFOA、PFOSの濃縮分離技術の研究開発と、それを用いた分離装置の開発を実施しております。地下水中のPFOA、PFOSの現行の処理技術は、PFOA、PFOSを粒状活性炭に吸着させたのち粒状活性炭を高温処理で無害化するという高コストかつ環境負荷の大きい方法のため、経済性が高く環境負荷の低い技術の開発と実用化が求められています。本装置により地下水中のPFOA、PFOSを濃縮分離することにより処理対象物の大幅な減容化を図ることができ、低コスト化と環境負荷の低減が期待できます。社会課題の解決に資する技術の実用化を目指してまいります。

 

 当連結会計年度の研究開発費は、26百万円でした。