第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「希望や熱意を持った人々をつなぎワクワクを創出し続ける企業」という経営ビジョンの実現に向けて、経営施策に取り組んでおります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、収益性の高い効率経営の観点から、売上高営業利益率を重要な経営指標とするとともに、キャッシュ・フロー経営についても重視していく所存であります。

 

(3) 経営環境及び経営戦略並びに対処すべき課題

昨今、世界規模でのインターネットの進歩と拡張、スマートフォンなどのスマートデバイスの急速な普及、ソーシャルメディア、動画配信・投稿サイトなどの新たな成長メディアの興隆等がメディア環境を大きく変化させております。

また、AI技術などの新技術が急速に発達し、新たなサービスが創出されております。

このような中、人々のライフスタイルは、スマートデバイスを使い最適メディアを選択し、必要なときに必要な時間だけコンテンツを消費し、SNSを使って即時に情報や感動を共有するといったメディア接触方法の多様化、コンテンツ視聴の短時間化、情報共有のリアルタイム化へと変化し、当社グループの主力領域である「スキマ時間に楽しめるショートコンテンツ」といった新たな付加価値へのニーズを急速に拡大させております。

今後も、中長期にわたり革新的なエンタテインメントやコミュニケーションを継続的に創造する、ファスト・エンタテインメント事業を推進するため、以下の課題を対処すべき課題として認識しております。

 

① IP(著作権・商標権等の知的財産権)の保有

近年のデジタル化とマルチメディア化の中においては、新しいメディアやSNS等新しいサービスの栄枯盛衰が激しく、旬のメディアやサービスに柔軟かつ迅速にIPビジネスを展開することが必要となってきております。そのため、当社グループでは迅速な意思決定を担保するために、IPを保有することが重要と考えております。

特に、製作委員会を用いた新規IPの開発に際しては、当社又は製作委員会がIPを保有すること及び製作委員会に対する出資者数を限定することに留意しており、柔軟な意思決定ができるよう努める方針です。

 

② 新規IPの量産とプロデュース

当社グループは、マルチメディア化とユーザー嗜好の細分化によって、単一IPをマスメディア放送によってプロデュースする手法は費用対効果が低下してきていると考えており、新規IPのプロデュースに関して、まず地方局、インターネット放送局、ウェブメディア、SNS等の特定メディアが持つコミュニティへのアプローチが重要と考えております。

メディアネットワークと短納期・低コストの制作システムの強みを活かし、新規IPを量産し多数のコミュニティへの同時多発的な事業展開を行ってまいります。

 

③ 新しい知的財産権ビジネスの開発

マルチメディアにプロモーションを展開したい広告主のニーズが拡大する中、当社グループでは、ソーシャル・キャラクターや保有ブランドを活用し、わかりやすく商品・サービスの紹介・マナー啓蒙を行えること、並びに話題性を喚起する時事ネタやクライアントの要望に対応する適時性や柔軟性に富んだサービスの企画提案を行えることを強みとしています。

また、コンテンツのデジタル化とメディア構造の変化により、IPのライセンシー先が多様化してきております。ぬいぐるみやステーショナリー等のリアル商品のライセンシーに加え、SNSやスマートフォンでのゲーム、スタンプ、ガジェット等のデジタル商品のライセンシーが急増しております。デジタル商品の開発サイクルは、インターネット業界のビジネスサイクルに準じ、大幅に短納期化されています。

当社グループは、今後も引き続き、IPオーナーとして新しいビジネス領域への迅速な展開力と、内製化した制作システムによる大量かつスピード感ある制作力、そして様々なメディアやデバイスへの展開力を活かし、迅速かつ魅力的なソーシャル・キャラクター・マーケティング・サービス、ブランド・マーケティング・サービス及び商品展開を図っていく方針です。

 

④ 人材登用と能力開発

当社グループは、現時点においては小規模組織でありますが、今後想定される事業拡大、新規事業及びグローバル展開にともない、継続的に人材の確保が必要であると考えております。また人材の確保とともに、当社グループの経営理念、ビジネスモデルに適した人材の育成及びスピード感あるグローバル展開に対応できる異文化コミュニケーション能力の向上が重要と考えております。当社グループは、必要な人材の確保に努めるとともに、今後も引き続き、教育制度の整備や海外パートナーとの人材交流等を進めて人材の能力開発を図っていく方針です。

 

⑤ 新規ビジネスの展開

朝日放送グループホールディングス株式会社をはじめとする地方局を含む各テレビ局との連携を通じて、新たなIPの開発及びIP事業の創出を推進してまいります。

 

⑥ AIコンテンツ制作における法令遵守

当社は、AIコンテンツ制作にあたり、関連法令及び各種ガイドラインを遵守し、適切な制作・管理体制のもと、安心してお楽しみいただける作品づくりに取り組んでまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティとは、「希望や熱意を持った人々をつなぎワクワクを創出し続ける企業」を経営ビジョンとして、アニメ、キャラクターなどのエンタメコンテンツや、AIなどの技術革新を活用した事業推進、事業投資、地方創生、海外展開などを積極的に推進することにより、社会の持続的な発展に貢献できるような世界を目指すことです。

 サステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループのサステナビリティ経営に関わる基本方針については、取締役会を最高意思決定機関と位置づけ、具体的戦略及び重要施策等については、執行役員及び事業責任者等が出席する経営会議にて検討・審議を行っております。

 詳細は「第4提出会社の状況4コーポレート・ガバナンスの状況等(1)コーポレート・ガバナンスの概要」に記載のとおりであります。

 

(2)戦略

 当社グループが保有するエンタメコンテンツ及び動画広告等のマーケティングサービスを迅速に提供することにより、社会への様々な付加価値を創造するためには、個々の従業員の能力、知見、経験、専門性等が最大限に発揮されるような取組が必要と考えております。

当社グループは性別、年齢、国籍、人種や障がいといった多様性を認め、様々なキャリアや働き方を尊重し、その能力を最大限に発揮できる職場づくりを推進しております。持続的な成長と中長期的な企業価値の向上の観点から、女性・中途採用者を管理職に登用することを含め、中核人材の登用における多様性の確保を図っております。

管理職候補者が主体的かつ意欲的に管理職を目指せるような職場の環境整備や意識改革研修の実施、外部との交流機会の提供等に取り組んでまいります。

また、中途採用者についてはグループ視点での専門性の高い人材を採用しており、今後、企業価値向上を担うプロフェッショナル人財として中核人材への登用を進めるとともに、事業戦略上必要となる職種の人材をさらに確保してまいります。

 

(3)リスク管理

当社グループの持続的成長の実現に向けては、専門性の高い多様な人材の確保が必須となります。個々の従業員が働きがいを感じ、能力を十分に発揮できるよう、人事制度の構築・更新、人材育成制度の整備、働き方改革による働きやすさや働きがいの向上と生産性向上による業務負荷軽減等を通じ、魅力ある職場づくりに向けた環境整備を推進してまいります。

詳細は、「第2事業の状況3事業等のリスク(3)当社グループ事業体制に関するリスク」に記載のとおりであります。

(4)指標及び目標

 当社グループでは、持続的成長を通じた企業価値の向上を目指しており、売上高営業利益率を重要な経営指標としております。

 また、当社グループでは、上記「(2)戦略」「(3)リスク管理」において記載した、人材の登用における多様性の確保、社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。

指標

目標

実績(当連結会計年度)

管理職に占める女性労働者の割合

2030年3月までに30

10.0

 

3【事業等のリスク】

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因には該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生する可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1) 事業環境に関するリスク

① 景気変動について

マーケティング・サービスの業績は、他の広告会社と同様に、市場変化や景気の影響を受けやすい傾向があります。その中で、当社が提供するソーシャル・キャラクター・マーケティング・サービスやブランド・マーケティング・サービスにおいて、ソーシャルメディア広告を含むインターネット広告市場については堅調に推移すると予想しておりますが、当社グループの想定通りに市場規模が推移しない場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

ライセンスサービスの業績は、キャラクターグッズ等が、ユーザーにとって日常生活において必ずしも必要不可欠な商品ではないため景気動向により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループの事業に関しては、在宅でも楽しめるSNS、動画配信サイト、ソーシャルゲーム、コミュニケーションアプリ、動画編集・投稿アプリなどのサービス利用の拡大も期待されますが、一方で、企業のマーケティング施策の縮小などの影響も懸念されております。

当社グループにおいては、ICTを活用して在宅勤務を取り入れつつ、コンテンツ制作など可能な限り従来通りの業務を行っておりますが、今後、世界的なパンデミックが発生し経済困難が発生した際、企業の景況感悪化に伴う受注数の減退など、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 技術革新について

当社グループは、適時に多様なコンテンツを手軽に視聴したいという市場ニーズに迅速で柔軟に対応できる制作システムを構築しており、現在はAdobe Animate及び生成AIを主な映像制作のための制作ツールとして採用しております。しかし、制作ツールの技術革新が当社の予想を超えて進行し、当社が新しい制作ツールにスムーズに移管できなかった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

そのため、新たな制作ツールを採用した表現手法の多様化も進めており、さらなる付加価値の追求も図っております。

 

③ 知的財産権に関するリスク

当社グループは、映像制作ツールとして生成AIの利活用を積極的に進めておりますが、生成AIは過去の創作物やデータを参考にして文章などを生成する仕組みであるため、AIによる生成物が著作権など第三者の権利を侵害するおそれがあり、その場合は当社グループの社会的信用が低下するとともに、経営成績および財政状態に影響を与える可能性があります。そのため、当社グループでは、生成AI技術の利活用等について社員向けの啓発の強化やガイドラインの整備を実施しています。

 

 

(2) 当社グループ事業に関するリスク

① IPの成長について

当社はクオリティの高い新規IPを開発するよう努めておりますが、新規IPの全てがユーザー等の嗜好に合致するとは限らず、当初計画していた通りに進捗しない可能性があります。多数のIPの成長が計画通りに進捗しない場合、製作委員会に対する出資金について減損損失を計上するなど、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社では継続的に新規IPを開発することでIPポートフォリオを構築してリスクの軽減を図っております。

 

② 当社保有IPの侵害について

当社グループは単独及び共同で保有するIPの認知度が当該国の著作権保護水準を大幅に上回った場合、海賊版や模倣品、違法配信等の権利侵害によって生じる機会損失がプロモーションコストを超過する可能性があり、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、IPをもとにビジネスをグローバルに展開しており、IPの認知度と著作権保護水準のバランスによってIP戦略を柔軟に選択しております。また、個別に適切な対応を図る方針ではあります。

 

③ 第三者の保有するIPの侵害について

当社グループの事業分野におけるIPの現況を全て把握することは非常に困難であり、当社グループが把握できていないところで第三者の保有するIPを侵害している可能性は否定できません。万一、当社グループが第三者の保有するIPを侵害した場合には、当該第三者より損害賠償請求又は使用差止請求等の訴えを起こされる可能性があります。こうした場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループは第三者の保有するIPに関して、これを侵害することのないよう留意し、制作・開発を行っております。

 

④ 新規事業

当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるため、今後も、積極的に新サービスないし新規事業に取り組んでいく考えであります。これにより追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、予測とは異なる状況が発生する等により新サービス、新規事業の展開が計画どおりに進まない場合、投資が回収できず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ グローバル展開について

当社グループは、世界的なスマートデバイスの普及、ブロードバンド網の発達及び成長メディアの興隆に合わせてグローバル展開を進めております。その中で各国の市場ニーズや嗜好の変化などの不確実性や、景気変動、政治的・社会的混乱、法規制等の変更、大幅な為替の変動などの潜在的なリスクが存在しており、それらのリスクに対処できない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 業務・資本提携・合弁等について

当社グループでは、業務・資本提携・合弁等を通じた事業拡大に取り組んでおります。当社グループと提携先・合弁先の持つ経営資源を融合することで、大きなシナジー効果を発揮することを目指しておりますが、当初見込んだ効果が計画通り発揮されない場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑦ IP買収について

IPポートフォリオの成長を加速する有効な手段として、他社の保有するIPの買収を有効に活用していく方針です。IPの買収に当たっては、リスクを吟味した上で決定していますが、当初見込んだ効果が計画通り発揮されない場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑧ 取引慣行等について

広告業界においては、知的財産権に関する事項を除き、取引の柔軟性や機動性を重視する取引慣行から、契約書の取り交しや発注書等の発行が行われないことが一般的であります。そのため、不測の事故又は紛争が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

現在大手広告代理店等を中心に取引慣行の改善や取引の明確化が進められており、当社グループも取引先との間で事前に文書を取り交すように努め、取引の明確化を図っております。

 

⑨ 広告・映像制作事業について

当社グループの主力事業である広告・映像制作事業においては、受注から売掛金の回収まで数か月から1年程度の期間を要する案件があります。特に映像制作事業の場合、近年急速に拡大している映画事業は受注額も拡大しており、完成まで長期を要するものも多く、売掛債権の回収期間は長期化する傾向にあります。当社グループは今後、売掛金回収の促進及びサイトの短縮等につとめる考えではありますが、一時的な運転資金の必要額が増加した場合、当社グループの資金繰りに影響を与える可能性があります。

なお、取引先は業界大手から構成されており、また、与信管理の徹底により回収リスクへの対応を図っております。

 

(3) 当社グループ事業体制に関するリスク

① 小規模組織であること

当社グループの組織体制は、小規模であり、業務執行体制もそれに応じたものになっております。当社グループは、今後の事業展開に応じて、人材の確保や能力開発が計画通りに進まない等の場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

そのため、採用・能力開発等によって業務執行体制の充実を図っていく方針です。

また、当社グループは、今後の事業拡大に対応するにあたって、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループは、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。

 

② 少数の事業推進者への依存について

当社グループは小規模組織であるため、事業戦略の推進は各部門の責任者に強く依存する傾向があり、人材の確保及び教育が想定通りに進まない場合あるいは人材の流出が生じた場合には、当社グループの事業戦略の推進に支障をきたす可能性があります。

そのため、当社グループは、今後も優秀な人材の確保及び教育に努めております。

 

(4) 内部統制及び法令遵守に関するリスク

不測の事態により、重大な過失や不正、法令違反等が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、内部統制が十分に機能していないと評価されるような事態が発生した場合には、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制報告制度への対応等での支障が生じる可能性や当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、当社グループは、全役職員が問題意識を持ち、内部管理体制の整備・強化を継続してまいります。

 

(5) 継続企業の前提に関する重要事象等について

当社グループは、当連結会計年度まで営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスが継続しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる事象又は状況が生じていると認識しております。

当社グループは、このような状況を早期に解消すべく、当連結会計年度において不採算である連結子会社及び事業の大胆なスクラップを行い、元来の本業であるコンテンツ制作に経営資源を集中させました。

当社グループは、引き続き元来の本業であるコンテンツ制作に振れることなく経営資源の投下を続けてまいります。具体的には、手書きにテクノロジーを加えることで従来の手書きにスピード感と価格優位性を持たせた「中品質」のオルタナティブ動画と、生成AI技術の進化を取り込み更なるスピード感と多彩な表現力を実現するAI動画を、当社のオリジナルアニメ制作手法として一層推進します。当連結会計年度で確立した実績を継続させ、翌連結会計年度では日本のアニメーション業界における需給ギャップの拡大を背景に独自のポジションを高めるよう進めてまいります。そして、オルタナティブ動画とAI動画という二本の柱をより強固なものとし、早期に営業利益及び営業キャッシュ・フロー獲得を目指してまいります。

また、当連結会計年度において、エクイティ・ファイナンスによる資金調達を行い財務基盤の安定を図りましたが、引き続き金融資産の売却を通じキャッシュの獲得を行い、財務基盤の強化を図ってまいります。

しかしながら、現時点において当社グループの対応策は実施途上であります。今後の事業進捗によっては、当社グループの業績や資金繰りに重要な影響を及ぼす可能性があることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。

なお、当社の連結財務諸表は、継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映しておりません。

 

 

(6) その他のリスク

① 配当政策について

当社グループは、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして認識しております。現時点では、内部留保の充実を図り、収益基盤の多様化や収益力強化のための投資に充当し、事業を拡大発展させることが株主に対する利益還元につながると考えております。

現時点において、配当実施の可能性、その実施時期等については未定であります。

 

② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社グループは、取締役、従業員及び取引先に対するインセンティブを目的として、新株予約権(以下、「ストック・オプション」という。)を付与しております。これらのストック・オプションが権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。当連結会計年度末現在これらのストック・オプションによる潜在株式数は1,864,200株であり、発行済株式総数43,448,440株の4.29%に相当しております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態の状況

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して801,143千円減少し、1,829,480千円となりました。これは主に、投資有価証券750,497千円の減少を主要因とするものです。

当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比較し271,570千円減少し、498,626千円となりました。これは主に、未払金182,119千円及び繰延税金負債179,301千円の減少を主要因とするものです。

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比較して529,573千円減少し、1,330,854千円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失497,994千円の計上を主要因とするものです。

 

② 経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、中東情勢の更なる緊迫化により、不確実性の高い状態となり、年度末に将来不安の高まりから、株価指数は高値圏であるものの、ボラティリティが高く不安定な状態となりました。そのような状況におきましても、企業業績はおおむね安定した成長を保ち、円安を背景に訪日外国人旅行者数が高水準で推移するなど経済押し上げ効果が見られております。

当社グループが属するコンテンツ業界は、日本アニメの世界的需要の拡大が続く一方で、供給サイドは供給遅延や倒産が相次ぎ、需給ギャップが更に拡大する状況となっております。

そのような中、当社グループはこの需給ギャップを大きなビジネスチャンスと捉え、他社に先駆け、AIによる動画制作を行うべく8月にAIスタジオを立ち上げ、早くも10月のクールから、地上波にて放送が開始されるなど業界での注目を集めております。AI動画制作は、圧倒的なスピード感と多彩な表現力を武器とし活発な引き合いが見られております。また、従来の手書きにテクノロジーを加え、制作スピード感を持ち価格優位性を有する、中品質のオルティナティブ動画制作第一弾である「野原ひろし 昼メシの流儀」が「日本アニメトレンド大賞2025」においてTVアニメ部門アニメ話題賞を受賞するなど大きな話題となり、AI動画同様、多くのお話を頂くに至りました。その結果、3月までに多くの内定を獲得するに至り、年度末における内定残は10億を大きく超え、過去最高となっております。

2027年3月期は、引き続き政府の重点施策に日本アニメが選ばれるなど追い風は続いており、独自のポジションを維持しながら、更なる拡大に努めてまいります。

 

以上の結果、当連結会計年度における売上高は1,463,177千円(前連結会計年度比26.1%減)、営業損失は595,127千円(前連結会計年度は営業損失489,248千円)、経常損失は595,172千円(前連結会計年度は経常損失394,463千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は497,994千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失728,502千円)となっております。

なお、当社グループは、ファスト・エンタテインメント事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載はしておりません。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ230,456千円増加し、818,328千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の減少は、716,491千円(前連結会計年度は463,090千円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失の計上515,357千円の資金減少要因があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の増加は、543,992千円(前連結会計年度は10,562千円の増加)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入500,779千円及び関係会社株式の売却による収入79,178千円の資金増加要因があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、402,455千円(前連結会計年度は29,185千円の増加)となりました。これは主に、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入287,409千円及び第三者割当増資による収入96,379千円があったことによるものです。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当社グループは、ファスト・エンタテインメント事業を主たる事業として行っており、生産に該当する事項はありません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。

区分

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ファスト・エンタテインメント事業

1,137,811

56.4

133,472

29.1

(注)当社グループの事業セグメントは、ファスト・エンタテインメント事業の単一セグメントであります。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

区分

販売高(千円)

前年同期比(%)

IP・コンテンツ関連

305,508

76.1

セールスプロモーション関連

368,803

106.1

ゲーム・アプリ関連

160,761

68.1

スポーツ・ブランディング関連

204,969

94.3

EC・クラファン関連

396,299

57.5

KPOP関連

23,791

30.9

その他

3,044

30.9

合計

1,463,177

73.9

(注)1.当社グループの事業セグメントは、ファスト・エンタテインメント事業の単一セグメントであるため、売上区分別に記載しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2024年4月1日

至  2025年3月31日)

当連結会計年度

(自  2025年4月1日

至  2026年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

アイア株式会社

191,451

9.6

158,841

10.9

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

「(1) 経営成績等の概要 ① 財政状態の状況」及び「(1) 経営成績等の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりであります。

なお、当社グループが重要な経営指標とする売上高営業利益率は以下のとおりであります。

 

 

2025年3月期

2026年3月期

売上高営業利益率

△24.7%

△40.7%

 

 ・経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループは、「3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境に関するリスク、事業に関するリスク、事業体制に関するリスク等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響が与える可能性があると認識しております。

そのため、当社グループは、継続的なIPの開発及びプロデュース、IPポートフォリオのグローバル化、IPマネジメントの高度化、有力パートナーとのアライアンス、優秀な人材の採用及び能力開発等により、経営成績に重要な影響を与えるリスクを分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容、資本の財源及び資金の流動性に係る情報

「(1) 経営成績等の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの運転資金需要のうち主なものには、新規IPの獲得資金、製作委員会への出資資金のほか、新規の知的財産権ビジネスの開発資金があります。

当社グループでは、運転資金は主として内部資金で対応しております。

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は818,328千円となり、当社グループの事業を推進していく上で充分な流動性を確保しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

④ 経営者の問題認識と今後の方針

当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社グループが今後の業容拡大を遂げるためには、厳しい環境の下で、様々な課題に対処して行くことが必要であると認識しております。

そのため、当社グループは、エンタテインメントに求められる付加価値を、継続的に見直してまいります。そして、その新たな付加価値に対応した最適な制作システムの構築、新たな成長メディア、デバイス及びサービスを活用した柔軟なプロデュース、新たな収益機会の開発、積極的なグローバル展開等を行ってまいります。

 

⑤ 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、「希望や熱意を持った人々をつなぎワクワクを創出し続ける企業」という経営ビジョンを掲げ、インターネットの進化とコンテンツ及びメディアのデジタル化の潮流の中、クリエイティブとビジネスをプロデュースするファスト・エンタテインメント事業に経営資源を集中し、インターネット時代に適合したエンタテインメントやコミュニケーションを創造してまいりました。

今後も新しいテクノロジーやサービス、メディアネットワーク及びデジタル領域の新手法に積極的に投資し、価値あるIPを開発又は獲得した上で、国内外の有力パートナーとともにブランドアライアンスリーグを形成し、世界中の人々へ笑顔や感動、サプライズを届けてまいります。

 

5【重要な契約等】

(財務上の特約が付された転換社債型新株予約権付社債の発行)

当社は、2025年8月14日開催の取締役会において、ネクスト・グロース株式会社を割当予定先とする、財務上の特約が付された第1回無担保転換社債型新株予約権付社債を発行することを決議し、2025年9月1日に発行しております。

 詳細は以下のとおりであります。

①発行日

2025年9月1日

②期末残高

300,000千円

③償還期限

2027年9月1日

④担保の内容

無担保転換社債型新株予約権付社債につき、該当事項はありません。

⑤財務上の特約の内容

 本新株予約権付社債権者との契約において以下のとおり財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、本新株予約権付社債権者の要求に基づき当該転換社債型新株予約権付社債を繰上償還する可能性があります。

(財務制限条項)

 払込期日以降に開示される当社の各四半期連結貸借対照表に記載される現金及び預金の合計額が、本新株予約権付社債権者が当該合計額を認識した時点において残存する本社債の総額の150%に相当する金額を下回った場合をいう。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。