第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第1四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

 当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)業績の状況

 当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、海外経済の動向に不透明感があるものの、雇用・所得環境の改善が続き、企業収益にも改善の動きが見られ緩やかな回復基調で推移しました。

 当社グループを取り巻く住宅市場においては、国土交通省発表による平成29年5月の新築住宅着工戸数は、持家については23,846戸(前年同月比では2ヶ月連続の増加の1.5%増)、貸家については32,956戸(前年同月比では19ヶ月連続の増加の1.6%増)、また分譲マンションについては9,823戸(前年同月比では12.6%減少)、分譲一戸建住宅については11,287戸(前年同月比で19ヶ月連続の増加の4.5%増)となり、全体としては前年同月比0.3%の減少となったものの、住宅ローン金利が極めて低い水準にあることや政府の住宅取得支援策の継続もあり、住宅取得の需要は、引き続き高い水準を維持し堅調に推移しました。

 また、相続市場においては平成27年の相続税基礎控除額の引下げにより、平成27年度の相続税課税割合は前年度の4.4%より3.6%増加した8.0%となり、今後も相続税課税発生件数が増加する傾向と見られております。

 このような状況の中、当社グループでは、当連結会計年度を最終年度とする中期経営計画「Start UP 2017」の下、「日本版エスクロー」の業態化を目指し、不動産取引の合理性・利便性・安全性の向上を通じて、不動産取引のあらゆるステークホルダーへ安心と安全を提供することを目的として、持続的な成長と企業価値の向上に努めてまいりました。当第1四半期連結累計期間においては、引き続き「1.BPOサービス分野の拡張」「2.新たなサービスの開発」「3.新規取引先の拡大」を重点施策として取り組んでおり、相続手続代行サービスの販路拡大及び不動産情報の透明性確保、不動産取引の瑕疵や権利に関する手続きの安全性向上を目指した不動産オークション事業の推進を基軸として事業活動を行ってまいりました。

 この結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は1,006,592千円(前年同期比55.8%増)、営業利益は365,877千円(前年同期比97.6%増)、経常利益は384,295千円(前年同期比107.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は276,223千円(前年同期比129.3%増)となりました。

 

 当第1四半期連結累計期間におけるセグメント別の業績は次のとおりであります。

 なお、報告セグメントにつき前連結会計年度まで「エスクローサービス事業」に含めておりました「不動産オークション事業」を、当第1四半期連結会計期間より独立セグメントとして変更しており、前年同期比較については前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。

 

(エスクローサービス事業)

 エスクローサービス事業においては、ASPサービスを中心として、不動産取引に係わる司法書士をはじめとした専門家、金融機関、不動産事業者に対し、事務の効率化及び安全性・合理性・利便性を高める各種支援サービスを提供すると共に、株式会社エスクロー・エージェント・ジャパン信託が提供する各種信託サービス、相続手続代行サービスの拡充に努めております。

 当第1四半期連結累計期間においては、住宅ローン借換案件需要については沈静化を見せつつも、低金利相場が継続していることを背景に前年同期に比べ融資申込件数が好調に推移し、ASPサービスの利用件数が増加した結果、セグメント売上高は278,738千円(前年同期比20.2%増)、セグメント利益は243,672千円(前年同期比23.6%増)となりました。

 

BPO事業)

 BPO事業においては、金融機関における住宅ローン融資案件の事務を請負い、金融機関等の業務上の課題を解決するための事務合理化及びコスト節減ニーズに応じたサービスを提案しております。

 当第1四半期連結累計期間においては、低金利相場が継続していることを背景に取引先金融機関からの住宅ローン融資関連業務の受託件数が底堅く推移したものの、事務センター開設に向けて地代家賃、什器備品の取得費用及び仲介手数料等が先行的に計上されました。また、株式会社エスクロー・エージェント・ジャパン横浜の取得に伴い、当第1四半期連結累計期間においてはのれんの償却費用を計上しております。その結果、セグメント売上は389,545千円(前年同期比9.2%増)、セグメント利益は112,910千円(前年同期比8.2%減)となりました。

 

(不動産オークション事業)

 不動産オークション事業においては、主に税理士等の専門家からの依頼に応じ、不動産の調査から取引決済まで安全性の高い不動産取引の機会の場を提供しております。これにより売買後のトラブルや紛争を未然に回避することができ、また、取引価格については入札方式を採用することにより、透明性の高い価格形成が可能となり不動産取引の利便性・合理性・安全性の向上に寄与しております。

 当第1四半期連結累計期間においては、相続関連市場の拡大を背景に、相続に係わる不動産取引の件数が増加傾向にあり、当サービスの利用も堅調に推移いたしました。その結果、セグメント売上は338,308千円(前年同期比488.1%増)、セグメント利益は158,938千円(前年同期比2,015.7%増)となりました。

 

(2)財政状態の分析

資産、負債及び純資産の状況

 当第1四半期連結会計期間末における資産は2,777,323千円となり、前連結会計年度末と比較して10,152千円の増加となりました。

 流動資産は2,396,718千円となり、前連結会計年度末と比較して22,438千円の減少となりました。これは主に、現金及び預金が31,454千円、前払費用が10,945千円増加した一方、売掛金が46,925千円、繰延税金資産が15,533千円減少したことによるものであります。固定資産は380,605千円となり、前連結会計年度末と比較して、32,591千円の増加となりました。これは主に、事務センター新設に係る差入保証金他設備投資が24,597千円増加したこと、及びサーバ設備等の有形固定資産を7,584千円計上したことによるものであります。

 負債の残高は416,503千円となり、前連結会計年度末と比較して150,022千円の減少となりました。

 流動負債は336,474千円となり、前連結会計年度末と比較して151,244千円の減少となりました。これは主に、未払法人税等が123,572千円減少したことによるものであります。固定負債は80,028千円となり、前連結会計年度末と比較して1,221千円の増加となりました。

 純資産の残高は2,360,820千円となり、前連結会計年度末と比較して160,175千円の増加となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益が276,223千円あった一方、剰余金の配当が124,538千円あったことによるものです。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第1四半期連結累計期間において、平成28年5月より実施して参りました、ブロックチェーン技術を活用した不動産取引に係る売買とそれに付随する決済及び権利移転の調査研究及びブロックチェーン技術を使用した実証実験用システムを用いた実証実験を完了いたしました。

 この取り組みにより、不動産取引決済及び権利移転の24時間365日化や、非対面化に対してブロックチェーンを利用することのメリット・デメリット及び今後の課題を明確化いたしました。

 また、ブロックチェーンの特徴であるマルチシグや高トレーサビリティを基に、他のテクノロジーを組み合わせることにより、不動産取引決済の非対面化において重要課題である詐欺やなりすまし等の犯罪行為への抑止力となることを検証いたしました。

 今後もブロックチェーン等、不動産取引の効率化、利便性・安全性の向上に資する可能性のあるテクノロジーの研究を継続的に行って参ります。