当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、海外経済の不確実性や金融市場の変動の影響に留意する必要はあるものの、政府による経済政策や日本銀行による金融緩和政策の効果により国内景気は緩やかな回復基調で推移しました。
当社グループを取り巻く住宅市場においては、国土交通省発表による平成29年11月の新築住宅着工戸数は、持家については24,904戸(前年同月比では6ヶ月連続減少の4.2%減)、貸家については37,508戸(前年同月比では6ヶ月連続減少の2.9%減)、また分譲マンションについては9,052戸(前年同月比では3ヶ月ぶりの増加の9.5%増)、分譲一戸建住宅については12,580戸(前年同月比では2ヶ月連続増加の7.7%増)と、全体としては前年同月比0.4%の減少となっておりますが、分譲住宅は増加に転じており、政府による住宅取得支援策や住宅ローン金利低相場は継続していることから、住宅取得の需要は今後も堅調に推移していくものと予想されます。
また相続市場においては、内閣府による平成29年版高齢社会白書では、65歳以上の高齢者人口は3,459万人となり、総人口に占める割合は27.3%で、世帯主が60歳以上の世帯貯蓄は全世帯平均の1.5倍となっており、年齢階級が高くなるほど貯蓄額と持家率が概ね増加していることから、相続手続き代行への需要は今後ますます高まっていくことが予想されます。
このような状況の中、当社グループでは、当連結会計年度を最終年度とする中期経営計画「Start UP 2017」の下、「日本版エスクロー」の業態化を目指し、不動産取引の合理性・利便性・安全性の向上を通じて、不動産取引のあらゆるステークホルダーへ安心と安全を提供することにより、持続的な成長と企業価値の更なる向上に努めております。当第3四半期連結累計期間においては、引き続き「1.BPOサービス分野の拡張」「2.新たなサービスの開発」「3.新規取引先の拡大」を重点施策として取り組んでおり、相続手続き代行サービスの販路拡大及び不動産情報の透明性確保、不動産取引の瑕疵や権利に関する手続きの安全性向上を目指した不動産オークション事業の推進を基軸とする事業活動を展開するとともに、オペレーションセンターを開設し、業務フローの効率化によって高利益率を堅持してまいりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は2,282,207千円(前年同期比12.0%増)、営業利益は613,970千円(前年同期比7.2%増)、経常利益は631,522千円(前年同期比8.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は472,607千円(前年同期比28.0%増)となりました。
当第3四半期連結累計期間におけるセグメント別の業績は次のとおりであります。
なお、報告セグメントにつき前連結会計年度まで「エスクローサービス事業」に含めておりました「不動産オークション事業」を、第1四半期連結会計期間より独立セグメントとして変更しており、前年同期比較については前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
(エスクローサービス事業)
エスクローサービス事業においては、不動産取引に係わる司法書士をはじめとした専門家、金融機関、不動産事業者に対し、事務の効率化及び安全性・合理性・利便性の向上に寄与するASPサービスなどの各種支援サービスを提供すると共に、株式会社エスクロー・エージェント・ジャパン信託による信託サービス、相続手続き代行サービスの提供とその拡充に努めております。
当第3四半期連結累計期間においては、既存のシステムサービスについては利用件数に一定の落ち着きが見られるものの、ユーザーの新規獲得活動に営業資源を集中し、非対面決済サービス「H'OURS(アワーズ)」の本格稼動や本人確認作業に係る支援ツールを開発するなど新サービスの提供推進にも注力してまいりました。
この結果、セグメント売上高は751,069千円(前年同期比0.2%減)、セグメント利益は646,963千円(前年同期比0.8%増)となりました。
(BPO事業)
BPO事業においては、金融機関における住宅ローン融資案件の事務を請負い、金融機関等の業務上の課題を解決するための事務合理化及びコスト節減ニーズに応じたサービスを提案しております。
当第3四半期連結累計期間においては、取引先金融機関の住宅ローン融資関連業務の受託件数は横ばい傾向となりましたが、低金利相場は今後も継続する見通しであり、引き続き新規取引先の開拓を進める一方、業務集約による事務効率の向上と多様なニーズに応えるための先行投資として横浜にオペレーションセンターを開設し、受注業務の増加に対応すべく体制を整えてまいりました。
この結果、セグメント売上は1,071,590千円(前年同期比6.4%減)、セグメント利益は246,286千円(前年同期比32.0%減)となりました。
(不動産オークション事業)
不動産オークション事業においては、主に税理士等の専門家からの依頼に応じ、不動産の調査から取引決済まで安全性の高い不動産取引の機会の場を提供しております。これにより売買後のトラブルや紛争を未然に回避することができ、また、取引価格については入札方式を採用することにより、透明性の高い価格形成が可能となり不動産取引の利便性・合理性・安全性の向上に寄与しております。
当第3四半期連結累計期間においては、相続に係わる不動産取引件数の増加傾向を受け、生産緑地の「2022年問題」など相続関連市場の拡大と大都市圏の不動産需給バランスに着目した営業活動を展開すると同時に、人的資源の拡充など営業力の一層の強化に努めてまいりました。
この結果、セグメント売上は459,547千円(前年同期比224.2%増)、セグメント利益は171,158千円(前年同期比733.9%増)となりました。
(2)財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
当第3四半期連結会計期間末における資産の残高は3,006,043千円となり、前連結会計年度末と比較して238,873千円の増加となりました。
流動資産は2,477,711千円となり、前連結会計年度末と比較して58,553千円の増加となりました。これは主に、前払費用が18,531千円、仕掛品が17,480千円増加したことによるものであります。固定資産は528,332千円となり、前連結会計年度末と比較して180,319千円の増加となりました。これは主に、オペレーションセンター新設に係る差入保証金が12,144千円、同設備投資(資産除去債務分を含む)が23,779千円増加したことの他、投資有価証券が42,848千円増加したこと、並びに長期預金100,000千円を預入したことによるものであります。
負債の残高は381,769千円となり、前連結会計年度末と比較して184,756千円の減少となりました。
流動負債は267,148千円となり、前連結会計年度末と比較して220,570千円の減少となりました。これは主に、未払法人税等が174,779千円、未払消費税等が26,829千円減少したことによるものであります。固定負債の残高は114,620千円となり、前連結会計年度末と比較して35,813千円の増加となりました。これは主に、当第3四半期連結会計期間に子会社となった株式会社中央グループの退職給付に係る負債を34,110千円計上したことによるものであります。
純資産の残高は2,624,274千円となり、前連結会計年度末と比較して423,629千円の増加となりました。これは主に、新株予約権の行使により資本金が38,644千円、資本準備金が38,644千円増加したことの他、親会社株主に帰属する四半期純利益が472,607千円あった一方、剰余金の配当が124,538千円あったことによるものです。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
第1四半期連結会計期間において、平成28年5月より実施して参りました、ブロックチェーン技術を活用した不動産取引に係る売買とそれに付随する決済及び権利移転の調査研究及びブロックチェーン技術を使用した実証実験用システムを用いた実証実験を完了いたしました。
この取り組みにより、不動産取引決済及び権利移転の24時間365日化や、非対面化に対してブロックチェーンを利用することのメリット・デメリット及び今後の課題を明確化いたしました。
また、ブロックチェーンの特徴であるマルチシグや高トレーサビリティを基に、他のテクノロジーを組み合わせることにより、不動産取引決済の非対面化において重要課題である詐欺やなりすまし等の犯罪行為への抑止力となることを検証いたしました。
今後もブロックチェーン等、不動産取引の効率化、利便性・安全性の向上に資する可能性のあるテクノロジーの研究を継続的に行ってまいります。