文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。将来に関する事項は不確実性を内包しておりますので、将来生じる実際の結果と差異を生じる可能性があります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「常に豊かな知性と感性を磨き、市場に適応した価値ある製品を創出し、豊かな社会の実現と地球環境の保全に貢献するとともに、私たちの事業に携わるすべての人々が共に繁栄する」を経営理念として掲げ、設立以来、アナログ電源ICに特化し、製品の開発・製造・販売を精力的に行ってまいりました。
上記の社是及び経営理念に則り、ステークホルダーである株主、顧客、取引先、従業員及び地域社会との関係を常に意識した、ぶれない経営を実践してまいります。2018年度よりスタートした3ヵ年中期経営計画に基づき、開発・生産・販売・品質・新事業領域にわたってグローバル競争に打ち勝つための競争力及び成長力を強化し、世界に存在感のある企業を目指して事業活動を行ってまいります。
(2)目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、企業価値の向上を図ることを念頭に、収益力を確保しつつ戦略的な投資を実行することにより、中長期的な競争力及び成長力の向上に取り組んでおります。3ヵ年中期経営計画では、定量的な目標として3年以内に連結売上高300億、連結営業利益30億を達成するとともに、ROE二桁を回復し、更に高めていくための体制を構築することを目指してまいります。
(3)当社グループの現状の認識について
アナログ電源ICの市場は、あらゆる製品の電子制御化やネットワーク化が進展していくことに伴い、今後も拡大を続けていくことが期待されます。その中で当社の重点分野である産業機器・車載機器の市場においては、要求される製品及びサービスの性能・品質は、ますます高度化していくことが予想されると同時に、コンシューマー製品等の市場においては、中華圏等の新興勢力が台頭する中で、価格競争は激化しています。そのため当社グループでは、これまで培ってきた小型化・省電力化の技術を活かし、重点分野に向けた高付加価値製品の開発・販売に注力しております。
顧客仕様に基づくウエハの生産・販売の市場は、半導体・電子機器業界の専門化・分業化の流れが進展するにつれて、ますます重要性を高めています。また、同市場においては技術の進展に合わせて絶え間ない投資を要するとともに、同業他社との競争の中で品質・納期等に対する顧客の要求水準はますます高まる傾向にあり、子会社であるフェニテックセミコンダクター株式会社は国内で唯一の専業企業として、長期・安定的に製品をお届けすることで、当社を含めた国内外の顧客から高い信頼を得ております。
このような事業環境の中で、当社グループが実現していくべき最重要事項は以下のとおりであると認識しております。
・ステークホルダーである株主、顧客、取引先、従業員及び地域社会との適切な関係の構築
・経営理念に基づいた中長期的な収益性の向上と継続的な企業価値の向上
・経営方針・企業戦略に基づいた適切なリスクテイクと健全な事業運営を実現する環境の整備
(4)当面の対処すべき課題の内容
当社グループの事業領域である半導体デバイス市場は、中国市場を中心とした一時的な在庫調整はあるものの、IoT市場の普及、自動車の電子化などにより中長期的に拡大していく見通しでありますが、開発・製造技術の進展及び新興国をはじめとした新規参入を背景に、競争環境は一層厳しさを増しております。
このような状況下、当社グループは、ワールドワイドで確固としたブランドと事業基盤に立脚したグローバル企業となるべく、以下の課題に取り組んでおります。
・当社グループの強みを活かせる成長性の高い市場として、産業機器・車載機器・医療機器等の市場を集中的に攻略する。
・当社グループの技術力及びノウハウを結集し、技術ロードマップに基づいた「強み」の強化と拡張を図り、差別化された特長のある製品を創造する。
・当社グループの企画・開発・購買・生産・品質・販売に係るリソースの緊密な連携を図り、低コスト・高品質の製品を安定供給することを通じて、顧客へ提供する付加価値を高める。
・戦略的提携を活用して新たな基盤技術や生産技術を積極的に取り込む。
上記の課題で着実に成果をあげていくため、「開発」「生産」「販売」「品質」「新事業領域」の各々について、以下の方針・施策を推進してまいります。
①開発
当社グループの企画力や技術優位性を活かして、差別化のできる高付加価値な製品をタイムリーにターゲット市場へ投入していくため、開発担当者の育成・増員や開発環境の整備に向けた投資を実施します。さらに、顧客の要望やグローバル市場の動向を迅速に製品開発に反映するため、社内IT基盤を強化し、開発担当部門の機動性を高めてまいります。また、戦略的提携先との共同開発や相互OEM供給、当社グループ内での製品カテゴリーの組合せによるモジュール化、重点分野に向けた当社グループの総力を挙げた研究開発等にも取り組むことによって、社内外の最新技術の活用と製品ラインナップの拡充を図ってまいります。
②生産
当社グループは、製品の長期・安定供給体制と競争力のある製品づくりを両立させるため、子会社のフェニテックセミコンダクター株式会社やTOREX VIETNAM SEMICONDUCTOR CO.,LTD及びグループ外の協力工場の双方を活用し、製品の品種・価格・用途に応じた最適な生産リソースの配分を追求します。当社グループ内においては、シナジー効果を高め、製品企画段階からのコスト分析の徹底、生産計画の効率化、原価低減活動等を通じて協力体制を深めてまいります。また、生産方法や生産管理手法を含めた改良・改善に努め、製品の長期・安定供給体制を維持するため適宜設備投資を実施してまいります。協力工場との協業においては、ファブレス形態のメリットを活かしつつ、グループ外の先進的な生産技術・ノウハウを製品づくりに活用します。こうした活動を通じて、同業他社に比して競争力のある製造コストと納期対応の実現を推進してまいります。
③販売
当社グループは、顧客の要望や製品企画を汲み取りながら、幅広い技術・製品情報の提供を通じて製品販売を促進するソリューション提案営業を基本としております。製品をタイムリーにターゲット市場へ投入するため、開発・生産担当者に対する営業情報のフィードバックと密な連携を強化してまいります。また、当社グループの事業はワールドワイドで展開されており、これに伴う海外事業の比重はますます拡大する傾向にあります。これに対応するために、海外販売子会社のローカル営業体制の強化、フィールド・アプリケーション・エンジニアの配置・増員による顧客サポート強化、当社グループが保有する顧客基盤、ブランド及び販売ネットワークの効果的な組合せに積極的に取り組んでまいります。
④品質
当社グループは、常に顧客の信頼に応えていくため、製品に対して要求される品質の確保に全力で取り組んでまいります。定期的な協力工場監査等を実施するとともに、重点市場を意識した品質保証体制の強化のため、「生産」「開発」「品質」に関わる各部門が密接に協調し、新規技術に対応するための投資も実施いたします。また、当社グループ内で保有する品質管理に関わる技術・設備・ノウハウを持ち寄り、各種の認証制度にも的確に対応した品質管理・保証体制の強化を図ってまいります。
⑤新事業領域
アナログ技術に基盤を置きながら、新たな成長市場への参入を目指して、既存の製品ラインナップにない新しい分野の製品を当社グループの新たな柱に育てていくべく、当社グループ内の研究開発体制を強化するとともに、グループ外の企業・大学・研究機関等との協業の機会を検討してまいります。
本書に記載した事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)国際的事業について
当社グループは、国内のほか、アジア・北米及びヨーロッパの市場に製品を販売しており、先進国市場のみならず、新興国市場に対しても事業を展開いたしております。従って、当社グループ取引先または取引先のエンド・ユーザーの所在する国または地域において、法制度・税制の変更や、経済・政治情勢の悪化、テロリズム等の政治不安もしくは暴動等の非常事態又は伝染病の流行による混乱等が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)為替変動リスク
当連結会計年度における当社グループの売上高に占める海外売上高の割合は約7割であり、為替変動の影響を受ける傾向にあります。当社グループでは為替予約等によって為替相場の変動を緩和するべく対策を講じておりますが、このリスクを完全に排除できるものではありません。予想の範囲を超えた急激な為替変動が生じた場合等において、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)販売価格の低下のリスク
当社グループは、スピーディーな新製品の開発、原価管理の徹底による原価改善を常に意識し、収益性の向上に努めております。しかしながら、業界の特性として販売価格の変動が大きく、取引先の値下げ要請や競合他社との間の価格競争の影響を受け、販売価格が予想以上に低下する可能性があります。また、近年においては、当社業界の成熟により、新興勢力の台頭等によって価格競争が激化しております。当社グループは、顧客のコスト低減要求に応えるべく最大の努力をいたしてまいりますが、必ずしも応えられるとは限らないことから、販売機会を逃すことも想定されます。従って、これらが生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)原材料・半製品価格及び販売価格の変動に関するリスク
当社グループは、国内外の複数の取引先から原材料、半製品等を購入しております。調達する原材料等の購入価格は市況変動の影響を受けますが、これら原材料等の価格上昇を当社製品の販売価格に十分に反映出来ない場合、あるいは、当社製品の販売価格引下げを原材料等の購入価格に十分に反映出来ない場合、業績に影響を与える可能性があります。
(5)売上高等の変動リスク
当社グループの製品は様々なデジタル機器等に使用されており、当社グループの製品が採用されている取引先各メーカーにおけるアプリケーションの販売状況に応じて当社の売上高が連動いたします。これらの製品の出荷が経済情勢等の影響により激減した場合、在庫調整を行った場合等において、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、これらの製品は出荷台数に季節変動のある場合があり、この場合において売上高が特定の時期に偏重する可能性があります。
(6)同業他社等との競合
当社グループが提供している製品は、総じてグローバルな競合的状況にあります。また、デジタル関連機器製品は、急速な技術革新により製品寿命が短期化する傾向にあります。これらに対応するため、当社グループは、新技術の開発や新方式の採用、市場ニーズにあった製品開発を行っておりますが、競合他社が特定の分野において当社グループより高度な技術と製品供給力を有している場合や、当社グループより親密な関係を構築している場合等があり得ます。また、取引先の求めるニーズは年々多様化・高度化しており、当社グループがそのニーズに対応できない場合等も想定されます。従って、これらの状況となった場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)当社製品の生産上の特性と生産拠点の確保について
当社グループの主要製品である「アナログ電源系の半導体」は、「デジタル系の半導体」とは相違して、生産拠点のおかれている環境が製品の性能に与える影響が大きいため、以下の理由により、製造ラインの変更を容易に行うことができません。
・製造プロセスのチューニング等に約2年程度の時間を要する。
・移管した製品を販売する場合は、採用していただいている顧客に対して、再度製品認定を行っていただく必要がある。
当社グループは一部子会社における生産を除くと、ファブレスによる生産を展開しておりますが、一定水準以上かつ市場評価の得られる技術・品質を確保していくために、品質管理面からは一定の基準を設定し、生産拠点の選定に際し基準を満たしているか否かの審査や、選定後は技術指導等をきめ細かく行う等の対策を施しております。しかしながら、当社製品の生産上の特性から、需要の変動(増加)に応じて生産量を確保することが困難になる場合があります。当社グループでは、需要予測を通じ各生産拠点との親密な関係を構築しておりますが、生産委託先の経営戦略の変更や取引条件の大幅な変更、業績変動などが、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)生産拠点の偏重について
当社グループの主要製品である「アナログ電源系の半導体」は、ウエハの製造において、フェニテックセミコンダクター株式会社及びルネサスエレクトロニクス株式会社への委託比率が大きな割合を占めております。当社製品の生産上の特性により、製造プロセスの変更が困難であるため、製造委託先の偏りは、製品の安定した供給を阻害する可能性があります。
特にフェニテックセミコンダクター株式会社は、当社のウエハ製造における重要な委託先であり、2019年2月に当社が完全子会社化したことによって、製造委託先としての関係は一層強化されております。
ルネサスエレクトロニクス株式会社とは多方面にわたり引続き緊密な関係を維持するよう努めており、現時点において、同社との契約の継続に支障を来す要因は発生しておりません。なお、同社との「取引基本契約書」は1年毎に自動更新されますが、契約上は同社及び当社の双方とも3ヶ月前までの書面による事前告知の上解除することが可能となっているほか、いずれかの当事者が以下のような事由に該当する場合を即時解除事由として定めております。
・銀行取引停止処分、差押、租税滞納処分等を受けた場合、会社の整理・更正・破産手続等を開始する場合、財産状態の悪化を認めうる相当の理由がある場合、契約違反または不正取引がある場合等
しかしながら、ルネサスエレクトロニクス株式会社を含むウエハ製造委託先との急激な関係悪化や、当該委託先に天災等が生じる場合等の事象が発生した場合、当社グループの製品の生産に支障が生じ、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)子会社の生産工程について
子会社フェニテックセミコンダクター株式会社は、顧客仕様に基づいてウエハを製造し、当社及び当社グループ外の企業へ販売しております。同社の工場は岡山県及び鹿児島県に所在し、受注予測に基づく適正な在庫の確保や事業継続のための体制整備等を進め、安定供給に努めておりますが、予期せぬ天災等の被災、原材料仕入先からの納入遅延、製造装置等の重大な故障等により、製造ラインが停止する事態が発生した場合、当社を含めた顧客への製品供給が滞る可能性があります。これらの状況となった場合、売上高の減少や顧客への損害賠償等を通じて、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)子会社の工場稼働率について
子会社フェニテックセミコンダクター株式会社は、顧客から得る需要見通しに基づいて、工場の適切な稼働率の維持に努めております。しかしながら、顧客の販売動向や在庫調整に伴う急激な受注減少による稼働率の低下、あるいは急激な受注増加に対して生産能力不足による機会損失が発生する可能性があります。従って、これらの状況が重なった場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)海外拠点における人件費・労務費の上昇に関するリスク
当社グループは、製品の差別化及び原価低減を目的としてベトナムに生産拠点を保有しており、同拠点は人材の流動性が比較的高いことが特徴となっております。同国の経済発展に伴う人件費・労務費の上昇によって、生産コストが想定を上回って上昇する場合や人材の確保が計画どおりに進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)各種規制等について
当社グループは海外の商取引に関連する多くのリスクにさらされております。例えば、貿易の制限、関税の変更、予期しない立法または規制上の要件の変更、知的財産権の抵触、不利益な課税上の取扱の可能性等にさらされています。これらが生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13)製品の欠陥
当社グループは、品質管理についてメーカーとして最大限対処しておりますが、全ての製品において全く欠陥がなく、製品の回収等が発生しないという保証は確保できません。これらのリスクについて、当社グループは、必要に応じて、製造物責任賠償保険をはじめとした賠償責任保険の付保により一定のリスクヘッジを行っておりますが、当社グループの製品に大規模な瑕疵等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(14)M&Aにおけるリスク
当社グループは、グローバル競争に打ち勝つための競争力及び成長力を強化し、企業価値の継続的な向上を図るため、中期経営計画に掲げる課題「戦略的提携を活用して新たな基盤技術や生産技術を積極的に取り込む」を念頭に、必要に応じて資本・業務提携やM&A(以下、M&A)を実施してまいります。M&Aの実施にあたっては、事前に対象企業の市場動向、財務状況、優位性及び当社グループとの相乗効果を慎重に検証し、実施後は当社グループへの早期融合及び相乗効果の最大化に努めます。
しかしながら、M&A実施後における市場環境の急変、制度・業務プロセスの統合負担の増大、顧客基盤または人材の流出、その他想定外の事態の発生により、予想された通りの相乗効果が得られず、投下した資金の回収ができない場合や追加的費用が発生する可能性があります。これらの事態が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(15)環境問題
当社グループは、子会社のフェニテックセミコンダクター株式会社及びTOREX VIETNAM SEMICONDUCTOR CO.,LTDにおいて、半導体製品の製造・加工を行っております。両社は、大気汚染、水質汚濁、産業廃棄物、有害物質、土壌汚染などに関する様々な環境法令の適用を受けており、これらの規制に細心の注意を払いつつ事業を行っておりますが、過失の有無にかかわらず、環境問題に対して法的もしくは社会的責任を負う可能性があります。これらの事態が生じた場合、対応のための多額の費用負担が発生する可能性や当社グループの社会的信用の低下を招く可能性があり、ひいては当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(16)固定資産の減損
当社グループは、研究開発・製造等に要する有形固定資産や無形固定資産を保有しております。市場環境の変化、技術革新あるいは市場価格の下落等により、これらの資産が減損していると判断される場合には、当該資産の帳簿価額が公正価値を超過している金額に基づいて減損損失を計上する可能性があります。このような事態が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(17)取引先による金銭債務の不履行
当社グループは、当社グループの販売先について、財務内容や定性情報等を総合的に勘案し、与信設定により管理しております。しかしながら、販売先の財務情報を完全に掌握することは難しく、完全なリスクの排除はできておりません。従って、取引先の急激な財政状態の悪化が生じた場合等において、想定以上の貸倒引当金を設定する必要が生じ、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(18)事業投資等のリスク
当社グループは、既存ビジネスにおいて堅実に経営を行っておりますが、今後、業容拡大を図るために各種の事業投資(子会社の設立を含む。)を行う可能性があります。これらについては、慎重に検討し、しかるべき社内決裁を経た後に実行いたしますが、必ずしも当社グループの業績に寄与するものとは限りません。この場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(19)有能な人材の確保
当社グループは、製品開発型企業であることから、市場ニーズに適合した製品の開発が不可欠であり、そのためには、開発要員を含め優秀な人材を確保する必要があります。しかしながら、特にアナログ電源ICの開発・設計は、微細化や低電圧化によって雑音やばらつきなどの影響を受けやすい技術の特性上、その調整は容易でなく、さまざまな基礎知識と経験が必須な分野であるため、技術者の能力に強く依存するものの、優れた技術者の育成には時間がかかります。当社グループにおいては、幅広い基礎知識と豊富な経験を持つ技術者を多数確保しており、また継続的に教育・研修を行い、人材の育成に注力いたしておりますが、有能な人材の確保及び育成ができなかった場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(20)自然災害等のリスク
当社グループ及び当社グループの取引先(販売先、前工程協力工場、後工程協力工場等)の拠点において、自然災害等が発生した場合、製品の製造及び販売に支障をきたすこととなるため、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(21)知的財産権に関するリスク
当社グループは、当社グループの事業にとって重要な知的財産権を所有しており、かかる知的財産権には、商標権、特許権その他営業秘密が含まれます。当社グループと第三者の間で、知的財産権に関する紛争が生じた場合、当社グループの事業に支障を及ぼし、当社グループの権利保護又は相手方からの主張に対する防御のために多額の費用を費やさなければならない可能性があります。当社グループは、その知的財産権保護のため、専門家の協力を得て対策を講じておりますが、知的財産権に関する紛争等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米中間の通商問題や英国のEU離脱問題等により先行き不透明な状況が続きましたが、実体経済は堅調を維持しました。
わが国経済においては、輸出や生産の一部に弱さが見られるものの、雇用・所得環境の改善が続くなか設備投資が増加し、個人消費の持ち直しの動きがみられるなど、緩やかな回復基調で推移いたしました。
こうした経済を背景に、世界の半導体市場は、年度前半はデータセンターの需要増加、自動車・産業機器等における半導体搭載個数の増加等の影響を受け成長を見せましたが、後半は一転して調整局面となりました。
このような環境のなかで、当社グループは、「常に豊かな知性と感性を磨き、市場に適応した価値ある製品を創出し、豊かな社会の実現と地球環境の保全に貢献するとともに、私たちの事業に携わるすべての人々が共に繁栄する」という経営理念のもと、電気機器の小型化・省電力に貢献する電源ICと小回りの効く高品質な半導体ウエハファンドリーの観点から事業に取り組み、収益力の強化と持続的な成長の実現に向けて、以下の諸施策を推進してまいりました。
・当社東京技術センター、関西技術センター及び米国R&Dセンターにおいて、差別化のできる高付加価値な汎用製品及びターゲット市場として注力する車載機器・産業機器に向け、より特化した特長ある製品を迅速に市場へ投入していくため開発活動を進めてまいりました。
・製品企画段階からのコスト分析の徹底、生産計画の効率化を進めるとともに、グループ内において製造子会社との協力体制を深め、同業他社に比して競争力のある製造コストと納期対応の実現に取り組みました。
・地域に密着した営業体制を進め、昨年度開設した名古屋営業所の強化、海外販売子会社における営業・技術サポート担当者の充実を図り、顧客の要望や製品企画への迅速な対応と営業基盤のより一層の強化に努めました。
・関西技術センターの解析力を活用するとともに、協力工場との一層の関係強化を進め、産業機器や車載製品等のターゲット市場を意識した品質保証体制と各種認定制度への対応を図りました。
・グループの意思決定のさらなる迅速化、経営資源の最適化を図り、効率的かつ機動的な経営体制を確立することを目的として、フェニテックセミコンダクター株式会社を完全子会社としました。
・グループ収益の最大化につなげるため、フェニテックセミコンダクター株式会社とのシナジー効果を高め、相互の人的交流や共同プロジェクトを推進しました。
・製品の長期・安定供給体制と競争力のある製品づくり及び生産性向上のため、フェニテックセミコンダクター株式会社本社工場の第一工場への統合工事をすすめ、新棟を竣工し製品試作を開始しました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末における資産は283億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億90百万円の増加となりました。主な要因は現金及び預金1億47百万円、商品及び製品1億77百万円、原材料及び貯蔵品1億12百万円の増加に加え、フェニテックセミコンダクター株式会社において第一工場の新棟を竣工したこと等による建物及び構築物11億95百万円、機械装置及び運搬具8億96百万円の増加等であります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債は87億47百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億61百万円の減少となりました。主な要因は短期借入金5億80百万円の減少によるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産は196億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億52百万円の増加となりました。主な要因は親会社株主に帰属する当期純利益10億49百万円の計上に対し、配当金の支払い3億91百万円、退職給付に係る調整累計額1億22百万円の減少によるものであります。またフェニテックセミコンダクター株式会社を完全子会社とする株式交換を行ったこと等により資本剰余金が43億75百万円増加し、非支配株主持分が45億38百万円減少しました。
この結果、自己資本比率は69.0%となり、1株当たり純資産額は1,717円90銭となりました。
b.経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は238億96百万円(前年同期比1億円減、0.4%減)となりました。当社グループのセグメントごとの内訳は、日本が169億34百万円(前年同期比1億62百万円増、1.0%増)、アジアが54億44百万円(前年同期比2億52百万円減、4.4%減)、欧州が8億80百万円(前年同期比11百万円減、1.3%減)、北米が6億37百万円(前年同期比0.9百万円増、0.1%増)となりました。主な要因は産業分野やパワー半導体を中心に車載分野が好調に推移しましたが、中華圏での受注減少や中国の新車販売が減少したこと等によるものであります。
(営業利益)
営業利益は15億50百万円(前年同期比6億61百万円減、29.9%減)となりました。当社グループのセグメントごとの内訳は、日本が13億83百万円(前年同期比6億37百万円減、31.5%減)、アジアが1億13百万円(前年同期比31百万円増、38.4%増)、欧州が52百万円(前年同期比3百万円減、5.9%減)、北米が30百万円(前年同期比14百万円増、85.7%増)となりました。主な要因はフェニテックセミコンダクター株式会社における工場統合に伴う立ち上げ費用等が発生したことによるものであります。
(経常利益)
経常利益は18億20百万円(前年同期比1億77百万円減、8.9%減)となりました。主な要因は営業利益の減少に対し、為替差益が前連結会計年度に比べ4億52百万円増加したこと等によるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は10億49百万円(前年同期比1億46百万円増、16.3%増)となりました。主な要因は法人税等調整額の減少とフェニテックセミコンダクター株式会社への出資比率の上昇により非支配株主に帰属する当期純利益が減少し、親会社株主に帰属する当期純利益が増加したことによるものであります。
なお、製品別の売上高及びセグメントの業績は以下のとおりであります。
(製品別の売上高) (単位:百万円)
|
区 分 |
当連結会計年度 |
前年同期比増減額 |
前年同期比 |
|
VD |
1,671 |
85 |
5.4% |
|
VR |
4,834 |
△330 |
△6.4% |
|
DCDC |
3,092 |
203 |
7.1% |
|
ディスクリート |
13,731 |
△330 |
△2.4% |
|
その他 |
566 |
271 |
92.4% |
|
合 計 |
23,896 |
△100 |
△0.4% |
(注)1.製品の内容は次のとおりであります。
VD………………ディテクタ(Voltage Ditector)
VR………………レギュレータ(Voltage Regulator)
DCDC…………DC/DCコンバータ
ディスクリート…トランジスタ、ダイオード、IGBT等
その他……………マルチチップモジュール、各種センサー製品等
(セグメント業績)
(日本)
当連結会計年度は、主に産業機器等の分野向けの売上が増加した一方、フェニテックセミコンダクター株式会社の工場統合に伴い減価償却費等の費用が増加したことにより、売上高169億34百万円(前年同期比1.0%増)、セグメント利益13億83百万円(前年同期比31.5%減)となりました。
(アジア)
当連結会計年度は、主に産業機器等の分野向けの売上が増加した一方、デジタル家電等の分野向けの売上が低迷したことにより、売上高54億44百万円(前年同期比4.4%減)、セグメント利益1億13百万円(前年同期比38.4%増)となりました。
(欧州)
当連結会計年度は、主に医療機器等の分野向けの売上が増加した一方、産業機器等の分野向けの売上が低迷したことにより、売上高8億80百万円(前年同期比1.3%減)、セグメント利益52百万円(前年同期比5.9%減)となりました。
(北米)
当連結会計年度は、主に家電機器等の分野向けの売上が増加したことにより、売上高6億37百万円(前年同期比0.1%増)、セグメント利益30百万円(前年同期比85.7%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により26億99百万円増加し、投資活動により32億56百万円、財務活動により9億28百万円減少した結果、当連結会計年度末の残高は108億83百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益18億4百万円、減価償却費10億85百万円、売上債権額の減少3億78百万円等を要因とする資金の増加に対し、賞与引当金の減少63百万円、たな卸資産の増加83百万円、仕入債務の減少56百万円、法人税等の支払額4億64百万円等を要因とする資金の減少を差し引き、26億99百万円の増加(前年同期比3億64百万円の収入増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金は、有価証券の償還による収入2億円等による資金の増加に対し、有価証券の取得1億円、有形固定資産の取得30億83百万円、無形固定資産の取得1億93百万円の支出等により、32億56百万円の減少(前年同期比25億59百万円の支出増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は、長期借入れによる収入15億円等による資金の増加に対し、短期借入金の純減5億80百万円、長期借入金の返済12億27百万円、配当金の支払額3億90百万円等の支出により、9億28百万円の減少(前年同期比20億80百万円の支出増)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日 本 (千円) |
17,020,359 |
103.7 |
|
合 計 (千円) |
17,020,359 |
103.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
14,498,613 |
78.3 |
2,151,908 |
46.9 |
|
アジア |
5,395,221 |
96.4 |
705,229 |
93.5 |
|
欧州 |
843,732 |
91.8 |
177,709 |
83.0 |
|
北米 |
616,105 |
94.2 |
74,794 |
77.7 |
|
合 計 |
21,353,671 |
83.2 |
3,109,640 |
55.0 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
日 本 (千円) |
16,934,869 |
101.0 |
|
ア ジ ア (千円) |
5,444,117 |
95.6 |
|
欧 州 (千円) |
880,158 |
98.7 |
|
北 米 (千円) |
637,554 |
100.1 |
|
合 計 (千円) |
23,896,699 |
99.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
IXYS Corporation |
3,249,052 |
13.5 |
3,188,650 |
13.3 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況の関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているとおりであります。
当社グループは、たな卸資産の評価及び退職給付債務の算定などに関して、過去の実績や当該取引の状況を勘案して合理的と認められる見積りや判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映いたしております。しかし、見積りには特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと相違する場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当連結会計年度末の財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
2)経営成績
当連結会計年度の経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える要因としては、半導体市場の成長率、中国企業の動向、製品品種及び顧客の構成比、原材料費の市況、為替水準等があります。2018年の世界半導体市場は、前半はデータセンターの需要増加、自動車・産業機器等における半導体搭載個数の増加等の影響を受け成長を見せましたが、後半は一転して調整局面となりました。
当社グループの主力製品であるアナログIC及びディスクリートの市場は従来、安定的に成長する傾向が見られましたが、2018年は前半の旺盛な半導体需要を反映して前年比10%前後と例年より高い成長となった模様です。このような環境下、当社グループの売上高は前年同期比0.4%減となりましたが、DC/DCのように堅調であった製品群もあり、技術営業(FAE:フィールドアプリケーションエンジニア)を使った拡販活動の拡大と製品企画やマーケティングに注力しております。
中国は世界最大規模の半導体消費地であるだけでなく、半導体の供給者としても急速に存在感を高めています。中国半導体企業の開発・生産能力は年々向上しており、アナログICのやディスクリートにおいても、低価格品を中心に競争激化による利益率低下の要因となってきました。当社は技術力と信頼性に磨きをかけるとともに、高付加価値な製品へのシフトを進め、利益率のアップを図ってまいります。
当社グループは用途別にみた市場の成長性や収益性の観点から、自動車・産業機器・医療機器を重点3分野と位置づけ、製品開発及び顧客開拓を長期的・戦略的に進めてまいりました。近年のガソリン車から電気自動車への移行、自動運転技術の進歩、産業界におけるIoTソリューションの拡大、第5世代移動通信システム(5G)サービスへの移行等の変化は、重点3分野の一層の成長を支えるトレンドであり、今後も当社グループの安定的な売上増加と利益率の維持向上に寄与するものと考えています。一方で重点分野以外の民生品向けは低調な分野もあるため、これを十分にカバーするだけの売上規模を確保していくことを目指します。
当社グループのフェニテックセミコンダクター株式会社が生産・販売するディスクリート半導体は、市況の変化に敏感に反応し、同社の生産は前半の繁忙な状況から一転、後半は調整局面での生産減少となりました。また同社は、製品の長期・安定供給体制と競争力のある製品づくり及び生産性向上のため、同社の本社工場の第一工場への統合工事をすすめ、新棟を竣工し製品試作を開始しました。より効率的な生産体制の確立に向けた設備投資を実施し、生産品目の拡充にも努めております。
当社グループの売上高の約7割は外貨建てであります。日本の半導体市場は全体の1割未満であり、海外向け売上比率は今後も高水準が続く見込みです。為替変動リスクを抑えるため、原材料の調達や協力工場の活用において国内外の比率を弾力的に運用するほか、売上・業績見通しや外貨建売上債権・現預金の水準を勘案し、必要に応じて為替リスクをヘッジしております。
フェニテックセミコンダクター株式会社の子会社化から3期を経て、同社のグループ業績に対する寄与度は急速にアップしました。両社間で開発・生産・販売に関わる協業を着実に推進しており、製品開発、原価低減及び品質向上を通じて、業績面でもシナジー効果を発揮できる見通しです。
c.資本の財源及び資金の流動性
1)資金需要
当社グループの資金需要には、大きく分けて運転資金需要と設備資金需要があります。運転資金需要の主なものは、アナログIC製品の製造に係る原材料費や外注加工費、製品開発に係る研究開発費並びに販売費及び一般管理費等によるものであります。また、設備資金需要は、主に製造子会社における製造設備等の固定資産の購入によるものであります。
2)財政政策
当社グループは、運転資金につきましては、内部資金による充当を基本とし、不足分については金融機関からの借入金により調達しております。また、設備資金につきましては、内部資金及び金融機関からの借入金を基本とし、金利動向や市場環境などを考慮し、必要に応じて社債など適切な調達手段により資金調達を行っております。なお、当社グループは、主要取引先金融機関と総額38億円の当座貸越契約及び総額10億円のコミットメントライン契約を締結しており、機動的な資金調達が可能な体制を構築しております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指導等
当社グループは、資本効率の向上及び株主資本の有効利用が全てのステークホルダーの利益に合致するものと考え、「自己資本利益率(ROE)」を重要な指標と位置付けております。当連結会計年度における「自己資本利益率(ROE)」は6.2%(前年同期比0.8ポイント減少)でした。この指標について、ROE二桁を回復し、更に高めていくよう取り組んでまいります。
e.セグメントごとの状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のセグメントごとの状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(1)第三者割当増資の引受け
当社は、2018年4月2日開催の取締役会において、当社連結子会社であるフェニテックセミコンダクター株式会社が実施する第三者割当増資の引受けを決定し、同4月18日付で払い込みを完了いたしました。
なお、詳細につきましては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。
(2)株式交換の実施
当社は、2018年12月14日開催の取締役会において、当社の連結子会社であるフェニテックセミコンダクター株式会社(以下「フェニテック」)を完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」)を行うことを決議し、同日付でフェニテックとの間で株式交換契約を締結いたしました。
本株式交換は、当社については、会社法第796条第2項の規定に基づく簡易株式交換の手続により株主総会による承認を受けずに、フェニテックについては、2019年1月11日開催の臨時株主総会において本株式交換の承認を得た上で、2019年2月1日を効力発生日として行いました。
なお、詳細につきましては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。
(3)多額な資金の借入
当社連結子会社であるフェニテックセミコンダクター株式会社は、2018年5月8日で次の内容の金銭消費貸借契約を締結し、実行しております。
①使途 設備投資資金
②借入先 株式会社中国銀行
③借入金額 1,500百万円
④借入条件金利 基準金利+スプレッド
⑤返済条件 1ヶ月毎に元利金返済
⑥借入の実施時期 2018年5月8日
⑦借入の最終返済期限 2028年4月30日
⑧担保提供資産又は保障の内容 無
当社グループは、多様化、高度化する市場ニーズに対応するための技術研究と製品開発を行い、タイムリーに顧客に提供することを基本方針としております。この目的達成のため、当社グループの研究開発は、基本的に製品開発を通じた既存製品の改良及び応用と新製品・新技術の開発を実施しております。これには個別の製品開発に加えて、製造技術やパッケージの評価といった周辺技術に関する研究も含まれます。
当社グループにおいて研究開発活動を行っているのは、国内においては当社とフェニテックセミコンダクター株式会社、海外においてはTOREX USA Corp.であります。電源ICに係る研究開発は、当社の汎用製品ビジネスユニットが中心となって進めております。また、顧客ニーズに密着した開発には、関連部門においてプロジェクト編成にて対処しております。
当連結会計年度における主要な課題及び成果は次のとおりであります。
①車載関連機器、産業機器分野において更に顧客基盤及び採用アプリケーションを広げることを目指し、継続して高耐圧・大電流に対応した技術開発を行い、新たな製品の販売を開始しました。また、小型・省電力・高効率・低ノイズが要求される、ウェアラブル機器、IoT機器等の新たなビジネス分野に対しても、更なる性能向上に向けた技術開発を行い、製品販売を開始しています。
②車載関連機器、産業機器分野において要求される高い製品品質を企画・開発段階から実現していくため、専用の組織を作り、関西技術センターを中心に設計開発、プロセス技術、テスト技術、信頼性技術、品質保証など関係する部門が協力し、車載専用製品の開発を行い製品の販売を行っています。
③新製品・新技術の開発環境の拡充という目的で設立したアメリカ・カリフォルニア州にあるR&Dセンターでは、顧客ニーズに対応した、データサーバーや車載・産業機器に向けた大電流駆動の製品及び汎用の電源ICの試作開発を行いました。
なお、当連結会計年度に研究開発に投じた総額は、