第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、以下の事象を除き、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

重要事象等

当社グループは、前連結会計年度において8期連続で営業損失及び重要な減損損失を、11期連続で親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、当中間連結会計期間においても重要な営業損失及び親会社株主に帰属する中間純損失を計上したほか、債務超過の状態にあります。

これらの状況により、当社グループは、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。

当該状況を解消するため、当社グループは、BEYOND DISPLAY戦略のもと、成長領域へのリソースシフト及び製品・事業ポートフォリオの再編のほか、固定費の大幅削減と生産性向上を目指した拠点再編、事業規模の改編に応じた国内外の人員削減等の全社的な事業構造改革に取り組んでおります。

なお、当該状況を解消するための対応策の詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項」の(継続企業の前提に関する事項)をご参照ください。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

①経営成績の状況

当中間連結会計期間(以下「当中間期」といいます。)において、ディスプレイ業界の構造的な不況に加え、米国の関税政策や不安定な国際情勢等により、当社グループを取り巻く経営環境は依然として厳しい状況が続いております。

こうした状況の中、当社はBEYOND DISPLAY戦略のもと、ディスプレイ専業メーカーからの脱却を目指し、全社的な事業構造改革への取組みを通じて、早期の黒字化と持続的な成長を実現するための基盤作りを進めております。また、財務健全性の確保と資金の安定確保にも注力しております。その具体的な取組みとして、2025年6月25日にいちごトラスト(以下「いちご」といいます。)と追加資本提携契約を締結し、同年7月15日には第14回新株予約権の割当及び第13回新株予約権の放棄により行使価額を引き下げることで、いちごによる新株予約権の行使可能性を高めました。さらに、同年7月30日に当社及び当社子会社が保有していた知的財産権の一部を現物出資して新たに設立した当社子会社の株式全てを、いちごの子会社へ譲渡完了し、当面の資金需要に対応するための運転資金を確保いたしました。また、当社茂原工場(千葉県茂原市)の土地及び建物のいちごへの譲渡に関しましても、同年5月に締結した基本合意書に基づき、最終契約締結に向けて協議を継続しております。

収益面の改善に向けては、固定費負担の大きい茂原工場での生産を2025年内に終了することを決定し、顧客との調整や製品の作り溜め等、計画どおりに進行しています。また、事業規模に適した経営体制構築を目指し、2025年6月には国内で希望退職者を募集し、同年8月の募集期間満了までに1,483名の応募がありました。同年10月には組織体制を刷新し、迅速な意思決定を可能とする体制の下、業績改善を加速させてまいります。

また、同年10月1日付で車載事業を新設分割により新設する「株式会社AutoTech」へ承継することを、同年6月21日開催の第23期定時株主総会及び普通株主による種類株主総会にて決議いたしました。その後、構造改革に伴う体制整備や、顧客や取引先との協議の進捗状況を踏まえ、効力発生日を2026年4月1日に延期することを、2025年9月11日の取締役会にて決議いたしました。この新設分割により、外部資金の調達や他社との協業等、将来的な戦略的選択肢の拡大を図るべく、引き続き会社分割の準備を進めてまいります。

 

 

当中間期の売上高は、撤退に向けて戦略的に縮小を進めてきた液晶スマートフォン向けディスプレイが極めて僅少な水準まで低下したことに加え、2025年3月の鳥取工場での生産終了及び茂原工場の今後の生産終了に伴う受注減少の影響により、前年同期比35.5%減66,430百万円となりました。利益面では、研究開発費の見直しや出荷減少に伴う発送費の減少、人件費削減等のコスト削減を行ったものの、売上高の大幅な減少の影響が大きく、EBITDAはマイナス12,361百万円(前年同期はマイナス13,446百万円)、営業損失は14,432百万円(前年同期は15,481百万円の損失)となりました。経常損失は、支払利息3,919百万円の計上等により19,100百万円(前年同期は17,331百万円の損失)となりました。また、茂原工場の生産終了決定や希望退職者の募集に伴う事業構造改善費用12,692百万円の計上の一方、関係会社株式売却益18,533百万円の計上等により、親会社株主に帰属する中間純損失は11,363百万円(前年同期は16,821百万円の損失)となりました。なお、当中間期の対米ドルの平均為替レートは146.0円でした。

 

売上高の事業体別状況は次のとおりです。

 

民生・産業機器

当事業体は、従来「スマートウォッチ・VR等」と「液晶スマートフォン」に区分していた売上高分野を統合したものであり、デジタルカメラ等の民生機器用ディスプレイ、医療用モニター等の産業用ディスプレイ、センサー、特許収入等を含みます。当中間期の当事業体の売上高は、13,498百万円(前年同期比64.8%減)となりました。これは主に、液晶スマートフォン向けディスプレイが戦略的縮小により極めて僅少な水準となったことに加え、茂原工場の生産終了に向けてスマートウォッチ用OLEDディスプレイの出荷が減少したことによるものです。

 

(車載)

当事業体は、計器クラスターやヘッドアップディスプレイ等の自動車用ディスプレイを含みます。当中間期の当事業体の売上高は、52,932百万円(前年同期比18.0%減)となりました。これは主に、2025年3月の鳥取工場での生産終了により出荷が減少したことに加え、低採算品から撤退した影響によるものです。

 

②資産、負債及び純資産の状況

当中間連結会計期間における資産合計は、前期末(2025年3月31日)比1,395百万円増加149,426百万円となりました。これは主に、生産及び出荷の減少に伴い売掛金、原材料及び貯蔵品、商品及び製品がそれぞれ減少した一方、子会社株式の譲渡及び短期借入により現金及び預金が増加したことによるものです。

負債合計は、前期末比12,350百万円増加し、153,491百万円となりました。これは主に、茂原工場での生産終了に係る見込費用、及び希望退職者募集に係る退職加算金等の計上により事業構造改善引当金が増加したこと、及び短期借入金が増加したことによるものです。

純資産合計は、前期末比10,955百万円減少し、4,065百万円の債務超過となりました。これは主に、親会社株主に帰属する中間純損失の計上により利益剰余金が減少したことによるものです。

 

③キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、運転資金が改善したものの、税金等調整前中間純損失の計上等により、12,800百万円の支出(前中間連結会計期間は16,544百万円の支出)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、関係会社株式の売却による収入等により、22,177百万円の収入(前中間連結会計期間は2,160百万円の収入)となりました。

この結果、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと固定資産の取得による支出の合計)は、13,006百万円の支出(前中間連結会計期間は19,762百万円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に短期借入金の増加により、5,375百万円の収入(前中間連結会計期間は10,296百万円の収入)となりました。

これらの結果及び為替の影響により、当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は35,720百万円となり、前連結会計年度末と比較して15,287百万円の増加となりました。

 

(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更を行っております。

詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(会計上の見積りの変更)」をご参照ください。

 

(3) 経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題に重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は3,966百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【重要な契約等】

(いちごトラストとのSHORT-TERM LOAN AGREEMENTの締結)

当社は、2025年3月13日開催の取締役会の決議に基づき、いちごトラストとの間で2025年4月28日付SHORT-TERM LOAN AGREEMENTを締結し、新規借入を実施しました。これによりいちごトラストからの借入残高は650億円となりました。借入の概要は下記のとおりです。

 

借入実行日

借入先

金額

内容

2025年4月28日

いちごトラスト

55億円

・借入金利:12.0%(p.a.)

・返済期限:2025年7月31日(期限前弁済可)(注1)

・担保の有無:有

 

(注1)2025年7月24日付、及び2025年10月20日付でAMENDMENT TO SHORT-TERM LOAN AGREEMENTを締結し、返済期限を2026年1月30日に変更いたしました。また、2025年10月20日に締結したAMENDMENT TO SHORT-TERM LOAN AGREEMENTにおいて、借入金利を12.0%(p.a.)から15.0%(p.a.)に変更しております。
 
 

(いちごトラストとのAMENDMENT TO SHORT-TERM LOAN AGREEMENTの締結)

当社は、2023年5月30日、2023年11月10日及び2024年5月13日、2025年3月13日開催の取締役会の決議に基づき、いちごトラストとの間で締結した①2023年5月30日付、②同年6月28日付、③同年7月28日付、④同年8月17日付、⑤同年10月30日付、⑥2024年1月30日付、⑦同年2月28日付、⑧同年7月30日付、⑨同年8月29日付、⑩同年9月27日付、⑪同年10月30日付、⑫同年11月27日付、⑬2025年1月30日付、⑭同年2月27日付及び⑮同年3月28日付SHORT-TERM LOAN AGREEMENTに関し、いちごトラストとの間で借入金の返済期限変更について、③⑤⑥⑧⑪⑬について2025年4月21日付、及び7月24日付、①④⑦⑨⑫⑭について2025年5月27日付、及び8月25日付、②⑩⑮について2025年6月24日付、及び9月18日付AMENDMENT TO SHORT-TERM LOAN AGREEMENTを締結いたしました。AMENDMENT TO SHORT-TERM LOAN AGREEMENT締結後の借入の概要は下記のとおりです。

 

 

借入実行日

借入先

金額

内容

2023年5月31日

いちごトラスト

40億円

・借入金利:15.0%(p.a.)

・返済期限:2025年11月28日(期限前弁済可)

・担保の有無:有

2023年6月29日

いちごトラスト

80億円

・借入金利:15.0%(p.a.)

・返済期限:2025年12月26日(期限前弁済可)

・担保の有無:有

2023年7月28日

いちごトラスト

40億円

・借入金利:12.0%(p.a.)

・返済期限:2025年10月31日(期限前弁済可)(注1)

・担保の有無:有

2023年8月17日

いちごトラスト

40億円

・借入金利:15.0%(p.a.)

・返済期限:2025年11月28日(期限前弁済可)

・担保の有無:有

2023年10月30日

いちごトラスト

40億円

・借入金利:12.0%(p.a.)

・返済期限:2025年10月31日(期限前弁済可)(注1)

・担保の有無:有

2024年1月30日

いちごトラスト

50億円

・借入金利:12.0%(p.a.)

・返済期限:2025年10月31日(期限前弁済可)(注1)

・担保の有無:有

2024年2月28日

いちごトラスト

45億円

・借入金利:15.0%(p.a.)

・返済期限:2025年11月28日(期限前弁済可)

・担保の有無:有

2024年7月30日

いちごトラスト

30億円

・借入金利:12.0%(p.a.)

・返済期限:2025年10月31日(期限前弁済可)(注1)

・担保の有無:有

2024年8月29日

いちごトラスト

25億円

・借入金利:15.0%(p.a.)

・返済期限:2025年11月28日(期限前弁済可)

・担保の有無:有

2024年9月27日

いちごトラスト

50億円

・借入金利:15.0%(p.a.)

・返済期限:2025年12月26日(期限前弁済可)

・担保の有無:有

2024年10月30日

いちごトラスト

35億円

・借入金利:12.0%(p.a.)

・返済期限:2025年10月31日(期限前弁済可)(注1)

・担保の有無:有

2024年11月27日

いちごトラスト

45億円

・借入金利:15.0%(p.a.)

・返済期限:2025年11月28日(期限前弁済可)

・担保の有無:有

2025年1月30日

いちごトラスト

20億円

・借入金利:12.0%(p.a.)

・返済期限:2025年10月31日(期限前弁済可)(注1)

・担保の有無:有

2025年2月27日

いちごトラスト

25億円

・借入金利:15.0%(p.a.)

・返済期限:2025年11月28日(期限前弁済可)

・担保の有無:有

2025年3月28日

いちごトラスト

30億円

・借入金利:15.0%(p.a.)

・返済期限:2025年12月26日(期限前弁済可)

・担保の有無:有

 

(注1)2025年10月20日付でAMENDMENT TO SHORT-TERM LOAN AGREEMENTを締結し、返済期限を2026年1月30日、借入金利を12.0%(p.a.)から15.0%(p.a.)に変更いたしました。

 

(新設子会社への知的財産権の移管及びいちごトラスト100%出資子会社への当該子会社株式譲渡に関する契約の締結)

2025年6月25日開催の取締役会の決議に基づき、当社及び当社の子会社であるJDI Design and Development合同会社が新たに設立した100%子会社3社(以下「本新設子会社(JDI)」といいます。)に対して、当社グループが保有する一部の特許権等の知的財産権の一部を現物出資等の方法により移管し、当社及び本新設子会社(JDI)間で、本新設子会社(JDI)から当社に対する本知財の実施権の無償許諾に係る契約を締結いたしました。また、当社が本新設子会社(JDI)の発行済株式の全部を、いちごトラストに譲渡する契約を締結し、その後いちごトラストの100%子会社である株式会社Magnolia Unitasに譲渡先を変更いたしました。

 

(いちごトラストとの追加資本提携契約の締結)

当社は、2025年6月25日開催の取締役会の決議に基づき、同日付でいちごトラストとの間で第14回新株予約権の発行を目的とした追加資本提携契約を締結いたしました。第14回新株予約権の内容は以下のとおりであります。

(1)

割当日

2025年7月15日

(2)

新株予約権の総数

100個

(3)

発行価額

総額100,000,000円(本新株予約権1個当たり1,000,000円)

(4)

当該発行による

潜在株式数

普通株式 3,852,444,400株(本新株予約権1個当たり38,524,444株)

(5)

調達資金の額

(差引手取概算額)

95,601,110,000円

内訳:本新株予約権発行による調達額:100,000,000円

本新株予約権行使による調達額:96,311,110,000円

(6)

行使価額

1株当たり25円

(7)

募集又は割当方法

(割当予定日)

いちごトラストに対する第三者割当の方法によります。

(8)

譲渡制限及び行使数

量制限の内容

譲渡による本新株予約権の取得については当社の取締役会の承認を要するものとします。※本追加資本提携契約において、いちごトラストは本新株予約権を譲渡することができない旨を合意しています。

(9)

本新株予約権の

行使期間

2025年7月15日から2028年11月30日まで(同日が当社の営業日でない場合には、その直前の営業日をいいます。以下同じ。)。

(10)

その他

上記各号については、金融商品取引法による届出の効力が発生することを条件としています。

 

(注1)調達資金の額は、本新株予約権の発行価額の総額に本新株予約権の行使に際して出資される財産の価額の合計額を合算した金額から、発行諸費用の概算額を差し引いた金額です。

(注2)いちごトラストは、本追加資本提携契約に基づき、その保有する株式会社ジャパンディスプレイ第13回新株予約権100個(目的である株式の数は当社普通株式 3,852,444,400株)の全部について、本新株予約権の全部をいちごトラストが取得することを条件として、本新株予約権の割当日に放棄することを合意しています。

 

(株式会社ハイテック・システムズとの設備売買等に関する契約の締結)

当社は、2025年5月15日開催の取締役会の決議に基づき、2025年5月27日付で株式会社ハイテック・システムズとの間で2025年内に生産終了を予定している茂原工場に係る生産設備等に関する設備売買契約を締結いたしました。