文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、人口減少に伴う商圏顧客層の変化やEC市場の拡大、さらには建築資材の高騰という状況下、2026年6月期から2028年6月期までの中期経営計画を策定し、基本方針として以下の3つの項目を掲げました。
<基本方針>
①既存事業の深化と新たな取組の探索・実行
②知的資本への投資
③ESG経営の継続
(2) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題等
経営の基本方針に基づき取り組むべき施策等を当社が対処すべき課題と位置付けており、主な施策等は、次のとおりであります。
既存事業の深化と新たな取組の探索・実行
(a)店舗網を拡大し、もっと身近なジョイフル本田に
基幹店舗を中心に単独専門店を出店、ドミナント商圏を形成し、売上高の拡大とコスト削減を目指します。また、専門人財の最適配置を実施し、お客様にとっての利便性を追求します。
目標:単独専門店やジョイフル本田資材館を含む新業態店舗「+20~30店舗(本中期経営計画期間の累計)」
(b)アナログ起点のデジタル戦略
OMO(注)戦略として、「業務効率化」を推進し接客体制を整備するとともに、「顧客接点拡大」による集客力強化でお客様の来店頻度向上を図ります。さらに、収集した「データ活用」によって一人ひとりに満足していただく体験につながるよう販売力強化に取り組みます。
目標:CXの向上を図り、既存店の来店客数を維持
(注)OMO(Online Merges with Offline):オンラインとオフラインを統合し、お客様がチャネルを意識することなくスムーズに商品やサービスを利用できるような体験を提供する手法
(c)ホームセンターとリフォームのシナジー拡大
ホームセンターとリフォーム共通のCRM(注1)を構築し、相互送客による客数増を図ります。また、顧客の不の解消を実現するため、スピード対応の強化を図るとともに、顧客のQOL(注2)を追求するため、ソリューション提案の強化や新たな専門ブランドを展開します。
(注1)CRM:顧客管理(CRM)とは、顧客管理システム(CMS)を用いて収益の追跡確認と促進を行いながら、顧客との関係の維持と向上を導くソリューション
(注2)QOL(クオリティ・オブ・ライフ):「生活の質」。安心して暮らせる安全で快適な住環境の整備により質の高い充実した生活を送れること
(d)事業の拡張・拡大・変革に資するM&Aの実行
非連続な経営資源の獲得を目的に質・量それぞれに貢献が期待される複数のM&Aを想定し、2026年6月期よりM&A推進部を設置し、より一層推進してまいります。
(e)専門性に特化した新業態店舗のフォーマット確立
ジョイフル本田の強みを軸に、出店地域のニーズに即した商品・サービスの拡充が可能な新しいフォーマットを展開してまいります。
知的資本への投資
(a)働きがい肯定率の向上に取り組み、2028年6月期までにGPTW50%達成を目指します。
(注)GPTW:世界の企業で働きがいに関する調査を行い、認定企業やランキングを発表する機関
(b)属性不問の人財活用や女性社員のキャリア支援を行い、2028年6月期までに管理職に占める女性の割合を7%以上とします。
ESG経営の継続
中長期的なGX計画策定とグリーンエネルギーを導入し、2030年6月期までに温室効果ガス排出量を2013年6月期比で70%削減いたします。
以上の課題に注力してまいります。
また、当社は2026年6月期の基本方針として、2025年6月期に引き続き「ジョイフル本田のファンをつくる!!」を掲げました。今後も私たちが長年大事にしてきた価値観「お客様の喜びが私たち(企業)の喜び」を忘れることなく、お客様に喜んでいただくための商品力と提案力と接客力の強化に努め、唯一無二のジョイフル本田を築き上げてまいります。
当社は、サステナビリティ基本方針に基づき、サステナビリティを巡る様々な課題への対応が経営上の重要な課題であると認識し、それらを経営に取り込むことにより「持続可能な社会の実現」と「当社の持続的な成長」を目指しております。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。
サステナビリティ基本方針
・企業活動によって生じる環境への負荷の低減に取り組み、地球環境への配慮と循環型社会の構築を目指します。
・地域社会への参画を通じて、地域の皆さまのより豊かな生活環境づくりに貢献します。
・安心・安全な商品・サービスを提供し、社会からの信頼を築きます。
・個人の人権や多様な価値観を尊重するとともに、働きがいのある職場環境の実現に努めます。
・すべての法令等および社会規範を遵守し、公正で誠実な企業活動を行います。
当社は、サステナビリティ基本方針の下、社会的課題における循環型社会の構築に向けた気候変動に関する取り組みや、人権や多様な価値観を尊重し働きがいのある職場環境の醸成等に関する戦略・計画の策定、目標とすべき指標の設定等について検討を行うとともに、実施状況のモニタリング等を行う機関としてリスク・コンプライアンス委員会、サステナビリティ委員会を設置しています。
代表取締役社長は、業務執行の最高意思決定機関である経営会議の議長に就任しているとともに、リスク・コンプライアンス委員会、サステナビリティ委員会の委員長も担っており、リスク・コンプライアンスおよびサステナビリティ課題への対応を経営判断として評価・管理する上で、重要な責務を負っています。
経営会議およびリスク・コンプライアンス委員会、サステナビリティ委員会で協議・決議された内容は、四半期ごとに取締役会に報告しております。
取締役会は、報告をもとにリスクおよび機会に対する取り組みに関し、進捗管理・目標達成状況の監督と対応策の承認および必要な助言を行っております。
<組織体制図(2025年6月20日現在)>

② リスク管理
当社は、リスクマネジメント部が主体となり、各部署と連携し、リスク・コンプライアンスおよびサステナビリティに関連するリスクと機会についてリスクマトリクスを作成、その機動的な見直しにより網羅的に抽出し評価・識別しております。評価・識別については、事業への影響度を勘案し、重要なリスクと機会を特定しており、特定したリスクについては、リスク管理規程に基づき管理しております。
気候変動に関するリスクおよび機会に対しては、リスク・コンプライアンス委員会と連携したGX推進チームが事業への影響を把握するため幅広く情報収集・分析を実施しております。今後は、シナリオ分析で抽出した移行リスク、物理的リスク、および機会をより詳細に分析し、重要と評価された項目については、企業のリスクおよび機会として捉え、サステナビリティ委員会を中心にリスク・コンプライアンス委員会等と連携し対応してまいります。
人的資本に関するリスクおよび機会に対しては、リスク・コンプライアンス委員会において、リスクと機会の特定や取締役会への報告を行っており、特定された人的資本リスクと機会について、リスク・コンプライアンス委員会において施策の検討や進捗状況のモニタリングを行っております。また、様々な窓口を開設して、人的リスクと機会の両面から直接的な情報の収集を行い、リスク低減と機会の活用に向けて取り組んでおります。
当社はTCFD提言への取り組みとして、より豊かな未来のため「環境負荷の少ない店舗づくり」や「商品を通じた環境活動の推進」などに取り組み、店舗での商品やサービスの提供のみならず、地域社会を豊かにするための幅広い活動を行っております。
TCFD※1の提言は、気候変動に関する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の開示を推奨しており、当社はこの提言に沿った情報開示を進めてまいります。また気候変動が事業に与える影響(リスクと機会)についての分析をもとにリスクの低減および機会の獲得に向けた対策に取り組んでまいります。
なお、2023年6月には、TCFD提言への賛同を表明しました。
※1 TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)…気候関連財務情報開示タスクフォース
① ガバナンス
気候変動に関するガバナンスは、前述のサステナビリティ課題全般のガバナンスに組み込まれております。
② 戦略
TCFD提言では「戦略」の項目において「2℃以下シナリオを含む様々な気候関連シナリオに基づく検討」を行うことを推奨しております。
本提言に基づき、シナリオ分析においては、パリ協定の目標であり移行面で影響がより顕著に顕在化する2℃以下(1.5℃/2℃)シナリオと、物理面での影響がより顕著に顕在化する4℃シナリオの2つを選択し、IEA※2が発行しているWEO※3等のデータをもとに、2050年における財務への影響について定性的に評価しております。
※2 IEA(International Energy Agency)…国際エネルギー機関
※3 WEO(World Energy Outlook)…世界エネルギー見通し
2℃以下シナリオの世界
脱炭素社会に向けた規制強化や抜本的な技術革新が進み、社会が変化することで気温上昇が持続可能な範囲で収まるシナリオ
(1.5℃ IEA「Net-Zero Emissions by 2050 Scenario」を参照)
(2℃ IEA「Announced Pledges Case」を参照)
4℃シナリオの世界
脱炭素社会に向けて既存政策以外有効な対策が打ち出されず、気温上昇が継続し、異常気象や自然災害が激甚化するシナリオ
(IEA「Stated Policies Scenario」を参照)
リスク・機会及び財務インパクト評価
2℃以下シナリオ
4℃シナリオ
※4 時間軸は以下のように定義
短期:2027年頃
中期:2030年頃
長期:2050年頃
各シナリオにおける影響と対策・方針
2℃以下シナリオ
※5 CPPA(Corporate Power Purchase Agreement)…企業や自治体などの法人が発電事業者から電力を長期に購入する契約
※6 GX Store…カーボンマイナスを目指す次世代店舗
(※GX Storeは株式会社アイ・グリッド・ソリューションズの登録商標)
4℃シナリオ
③ リスク管理
気候変動に関するリスク管理は、前述のサステナビリティ課題全般のリスク管理に組み込まれております。
④ 指標と目標
温室効果ガス(GHG)排出量を指標としScope1,2に関して2013年度比で2025年に43%削減、2030年に51%削減、2050年までにカーボンニュートラルを目標としておりましたが、既に2024年度に46.6%削減、2025年度に57.6%削減し目標を達成したため、新たな目標を設定しております。新たな目標は、2030年に70%削減、2040年までにカーボンニュートラルと設定しております。また、GHG排出量の算定においては算定システムの導入により、Scope1,2はもとよりScope3の把握、早期集計・開示を可能にする体制を整備しております。
実績
※ 算定期間は7月~翌年6月
※ Scope3排出量は、算定期間拡大により増加する可能性あり
目標
① ガバナンス
人的資本に関するガバナンスは、前述のサステナビリティ課題全般のガバナンスに組み込まれております。
② 戦略
当社における、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりであります。
人材育成方針
・社員の働く環境に配慮し、社員を個人として尊重し、一人ひとりの能力・適性や意思を重視した配置・異動・昇進を行います。
当社は、ミッション「『必要必在』と『生活提案』で地域社会の喜びと夢を共創する」等の経営理念に基づき、「人事ポリシー」を制定し、中長期的な視点をもって人材育成に取り組んでおります。急激なスピードで求められている働き方の改革や異業種を含めた企業間競争の激化等の当社を取り巻く社会環境の変化に対応するためには、お客様に満足や喜びを提供するプロフェッショナル集団として、より一層の成長を遂げていかなければなりません。社員が自らの力のみならず、協働者の知識・技術やスキルを総合的に生かしてお客様に満足や喜びを提供できる人となり、チームプレーを通じて組織としての成果をあげていくことができるよう、社員には「自ら考え行動できる人材」としての成長を求め、そのための機会を「未来志向で変化に挑戦する」という行動指針の実践を通じて提供し、プロフェッショナル集団としての人材育成に取り組んでおります。
<人事ポリシー>
(コミュニケーション重視と合理性・公正性・透明性の追求)
1.社員とのコミュニケーションを重視し、合理性や公正性そして透明性を追求した人事制度の構築・運用を行うことで、社員への説明責任を誠実にはたしていく
(「職群」を基軸とした人事管理)
2.人事制度の構築と運用にあたっては、業務内容や責任権限の度合い、また期待される役割や貢献のあり方の違いによって社員を類別した「職群制度」を基軸とし、各職群の定義を明確にしたうえで、各職群に相応しい評価、処遇、育成を行っていく
(個の尊重と能力・適性の重視)
3.社員の働く環境に配慮し、社員を個人として尊重し、一人ひとりの能力・適性や意思を重視した配置・異動・昇進を行っていく
(成長機会の提供)
4.社員には「自ら考え行動できる人材」としての成長を求め、そのための機会を「未来志向で変化に挑戦する」という行動指針の実践を通じて提供していく
(職責基準の給与決定)
5.公正性の高い処遇を実現するために、社員各人が担っている職責の大きさとその職責の遂行度を基準とした給与決定を行っていく
(付加価値および経営成果の配分)
6.「人件費の源泉は付加価値である」との考え方のもと、総額人件費は付加価値の大きさによって決定するとともに、「経営成果配分」の考え方のもと、目標を上回る利益があった場合は、その一定割合を社員に配分する
(業績貢献度に応じた賞与決定)
7.社員にはみな「利益創出への貢献」を求め、賞与支給にあたっては、各人の業績貢献度に応じて報いることを基本としていく
(働きがいを高める施策の実行)
8.社員の働きがいの状況については定期的に把握し、働きがいを高めるための施策を不断に考え実行していく
社内環境整備方針
・社員とのコミュニケーションを重視し、合理性や公平性、透明性を追求した人事制度の構築と運用を行うこと、また、社員の働きがいの状況について、定期的に把握し、働きがいを高めるための施策を不断に考え実行します。
当社は、人材育成方針に沿った取り組みを進めるとともに、個人の人権や多様な価値観を尊重し、働きがいのある職場環境の実現に努め、中核人材の育成および女性・中途採用者が能力を十分に発揮できる環境の整備を推進しております。人事制度の構築と運用にあたっては、コミュニケーション重視と合理性・公正性・透明性を追求し、『職群制度』を基軸とした人事管理を行っていくことで、制度の一貫性や整合性、安定性や継続性を担保し、社員の経営に対する信頼を高めてまいります。また、OJTトレーナーを要所に配置し若手社員の育成、売場運営に必要不可欠な知識・技術等を習得するための多様な研修制度と組み合わせ、人的資本の強化を図っております。プロフェッショナル集団であるためには、社員一人ひとりが働きがいをもち、仕事と会社に誇りや魅力を感じていることが欠かせないため、経営層や管理職は、メンバー全員の力を総合的に生かして業績目標を達成していくことを実践し組織としての成果を上げ、働きがいのある職場環境の実現に努めてまいります。
当社では、テレワーク勤務を採用しております。対象者にはモバイル端末を積極的に貸与することにより、業務効率化や通勤の負担軽減、育児や介護と仕事の両立の一助となるなど、社員にとっての仕事と生活の調和を図るための改善に取り組んでおります。
これらの取組みを通じて、社員の働き方の選択肢を広げ、個人の能力を十分に発揮できる環境を整備して、社員からの信頼の向上につなげていくとともに、働きがいの状況について定期的に確認することを通じて、働きがいを高めるための施策を不断に考え実行してまいります。
<人材の多様性の確保を含む人材の育成・社内環境整備に向けた取り組み>
当社のミッションである「『必要必在』と『生活提案』で地域社会の喜びと夢を共創する」を実現するために、個人の人権や多様な価値観を尊重するとともに、働きがいのある職場環境の実現に努めております。具体的には以下の環境を整備しております。
(イ)女性の活躍推進
近年、多くの女性社員が活躍をしておりますが、当社の女性管理職は、現在、11名(4.7%)であります。女性管理職の登用は積極的に取り組む必要があり、女性管理職の増加・推進のための社内環境を整備することが重要であると考えております。そのため、2021年より、女性活躍推進委員会(現ダイバーシティ推進委員会)を発足させ、問題点を抽出するとともに、改善策を提案し、あるべき姿に向けての実行施策を継続することで、女性管理職を登用していきたいと考えております。
ダイバーシティ推進委員会
2022年6月期に発足した「働き方改革プロジェクト」を発展的に拡大し、2023年11月よりダイバーシティ推進委員会として組織化しております。現場の問題点を多角的に取り上げ、解決を目指すことで、働きやすさと仕事のやりがいをより実感できる会社にしていく狙いです。女性活躍を推進するのみならず、新入社員から中堅層まで年齢・性別や正規・非正規を問わず、能力をいかんなく発揮できるような組織風土を目指します。
※ 女性活躍推進法に基づく情報・行動計画は、以下のウェブサイトで開示しております。
https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp
(上記の「女性の活躍・両立支援総合サイト」にアクセスいただき、企業名「ジョイフル本田」を入力・検索し、「データベース」を選択のうえ、「女性の活躍推進企業データベースサイト」の「働きがいに関する実績(女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供)」「働きやすさに関する実績(職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備)」「その他(一般事業主行動計画など)」の情報をご確認くださいますようお願い申し上げます。)
(ロ)中途採用者の管理職への登用
2024年6月期においては、3名を管理職として採用しております。また、2025年6月期は、2名を採用しました。現在、管理職に占める中途採用の割合は、51.1%となっております。
(ハ)研修制度
当社は、新入社員研修等を定期的に実施するとともに、研修用資料としての業務マニュアル、売場運営に必要不可欠な知識・技術を習得するための動画マニュアルを店舗に配信しております。また、本社に専任のOJTトレーナーを配置することで、組織的にOJTを推進するとともに、店舗においては兼任のOJT担当者を配置し、メンター的な役割を担うことで、人的資本強化に努めております。なお、2025年6月期における研修実績は以下のとおりです。
研修実績
※1.研修実績は知識・技術研修を除きます。
※2.知識・技術研修を除いた前年(2024年6月期)実績は、のべ29,812人、合計24,550時間であります。
(ニ)評価制度
当社のはたすべき使命はミッションである、「『必要必在』と『生活提案』で地域社会の喜びと夢を共創する」ことであります。当社の目指す姿であるビジョンに到達するために、ミッションから派生した価値観である行動指針(5か条)が大切であると考えており、その行動指針(5か条)を当社が社員に求める行動特性として評価項目にすることにより、社員の成長、企業の価値向上ひいては、地域のみなさまへの貢献につながるものと考えております。
<行動指針(5か条)>
1.お客様基点で全てを発想する
2.お客様の“不”の解消を続ける
3.未来志向で変化に挑戦する
4.常に謙虚な気持ちで感謝を忘れない
5.倫理・道徳を重視し、共に成長する
(ホ)仕事と家庭の両立支援
社員が子育てと仕事を両立させることができる環境をつくることによって、心理的安全性を高め、すべての社員がその能力を発揮できるよう様々な取り組みを行っております。男性の育児休業等・育児目的休暇取得率は、78.9%(2025年6月期)となっております。また、当社では、育児短時間勤務期間の延長など仕事と育児の両立のための制度を、法定を上回る水準で整備するとともに、男性の育児参加を促進する特別休暇制度を創設するなど、社員それぞれのライフスタイルに応じて、最大限能力を発揮できるよう、仕事と家庭生活の両立支援のための環境整備に取り組んでおります。2022年8月には、その取り組みや育児関連制度などの実績が認められ、「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けております。
※ 次世代育成支援対策推進法に基づく情報・行動計画は、以下のウェブサイトで開示しております。
https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp
(上記の「女性の活躍・両立支援総合サイト」にアクセスいただき、企業名「ジョイフル本田」を入力・検索し、「両立ひろば」を選択のうえ、「一般事業主行動計画公表サイト」の「企業データ詳細」の情報をご確認くださいますようお願い申し上げます。)
(ヘ)働きがい調査の実施
当社の「人事ポリシー」にありますとおり、「働きがいの状況については定期的に把握し、働きがいを高めるための施策を不断に考え実行していく」との考えのもと、毎年「働きがい調査」を実施しております。働きがいのある会社とは、会社や経営者と社員との間に「信頼」があり、一人ひとりの能力が最大限に生かされ、働く楽しさが実感できる企業であると考えております。そして毎年、「信頼」について、現在の状況を知ることで、先々の目指す姿である「国内No.1の“Living Space Innovator”企業となる」への道程を確認することが何より大切であると認識しております。また、働きがい調査は、過半数が社外取締役で構成され、社外取締役を委員長とする任意の報酬委員会が期初に承認する業務執行取締役および執行役員の目標(業績評価)に組み入れております。
(ト)健康経営の推進
「健康づくり推進事業所認定証」を取得
当社は、個人の人権や多様な価値観を尊重するとともに、働きがいのある職場環境の実現に努めており、社員一人ひとりの健康づくりの推進に取り組んでおります。また、2023年1月には、全国健康保険協会茨城支部より、当社の社員に対する健康管理、および健康経営への取り組みが積極的であるとの評価をいただき、「健康づくり推進事業所」の認定を受けております。
(チ)多様な働き方の推進
当社は、本人の病気および家族の介護等により転勤が困難となった社員や、諸事情により地域を限定して勤務を希望する社員がいる場合、エリアを限定して勤務することができる制度(エリア社員制度)を設けており、様々な働き方をサポートしております。また、テレワーク勤務を採用しており、オフィスでの勤務に比べて、働く時間や場所を柔軟に活用することが可能となっております。通勤時間の短縮および心身の負担の軽減、仕事に集中できる環境による業務効率化やそれに伴う時間外労働の削減、育児や介護と仕事の両立の一助となることも期待されることから、社員にとっての仕事と生活の調和を図る目的で導入しております。
(リ)「奨学金返還支援制度」の導入
当社は、社員が返済する奨学金の一部を会社が代理返還する「奨学金返還支援制度」(注)を設けております。本制度は、奨学金返済を行う社員の経済的・心理的負担を軽減することにより、安心して業務に専念できるとともに、自身のキャリアプラン・ライフプランを柔軟に描くことができる環境を整備すること、また、優秀な人材の確保や社員定着率の向上により当社の企業価値向上に資することを目的としております。
(注)返還義務のある奨学金の貸与を受け就学し、かつ、学校卒業から5年目までである正社員(新卒・中途採用・正社員登用者)を対象に、合計支援額上限120万円(1回あたり24万円を上限、最大5回まで)の返還を支援する制度。
(ヌ)時給制社員の再雇用年齢上限の延長および60歳以降の昇給制度の導入
当社は、時給制社員の再雇用年齢の上限を、従来の「満70歳の誕生日」から、「満75歳の誕生日以降最初に到来する3月15日」に延長しております。当社には、有益な技能を有する65歳を超える方が多数在籍しており、健康面においても不安がなく、気力溢れる有能な人材の社外への流出を防ぐこと、継続して当社での勤務を選択していただき能力を発揮していただく下地を作ることを目的としております。また、60歳以降の時給制社員も評価によって昇給ができる制度を設けております。
(ル)従業員持株会を通じた当社従業員への譲渡制限付株式の付与
当社は、創業50周年を迎えるにあたり福利厚生の推進策として、時給制社員を含め対象となる当社従業員に対して、ジョイフル本田グループ従業員持株会を通じて譲渡制限付株式を付与いたしました。これにより当社株主の皆様との一層の価値共有を図り、また持続的な企業価値向上のためのインセンティブを与えることで、人的資本の強化につながると考えており、職場環境の改善とともに当社従業員の意識改革にも努めております。
③ リスク管理
人的資本に関するリスク管理は、前述のサステナビリティ課題全般のリスク管理に組み込まれております。
④ 指標と目標
当社では、上記「(3)人的資本に関する取り組み ②戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。
(注) 1.「有期労働者等」には、時給制社員および日勤社員を含めております。
2.「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(平成3年法律第76号)の規定に基づき、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則」(平成3年労働省令第25号)第71条の6第2号における育児休業等の取得割合を算出したものであります。
3.株式会社働きがいのある会社研究所が実施する「GPTW(Great Place To Work)」を従業員満足度調査として採用しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において当社が判断したものであります。
当社の出店地域においては、当社と同様の商品を取扱う他社の店舗が多数存在しており、今後も新店出店や業界の垣根を超えた他業態の参入、顧客確保へのデジタル戦略などによる競争が激化していくことが予想されます。これらにより、当社の業績および財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社は基本方針に「ジョイフル本田のファンをつくる!!」を掲げ、外部環境の変化を注視しながら営業戦略を実行しております。売り場ゾーニングの見直しやお客様の利便性が向上する魅力あるテナント等の積極的な誘致、お客様に満足いただける高度な専門知識・対応力を兼ね備えた接客スキルの習得および伝承、積極的出店できる体制の構築、給与や福利厚生面をはじめとした労働条件の見直しなどによる社員のモチベーションアップのための職場環境の改善など、既存店の魅力向上策や新規出店の拡大、人への投資に積極的に取り組んでおります。
当社の店舗出店に際しては、「大規模小売店舗立地法」「都市計画法」「建築基準法」等様々な法令に基づく規制を受けております。これらの法令の改正や各都道府県等が定めた規制の変更に伴い、新規出店の開発期間が長期化した場合や、既存店舗の改装等が困難となった場合には、当社の業績および財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社としては、新規出店や大規模改装の際には、当該店舗における大規模小売店舗立地法等の法令規制の状況を把握するとともに、各行政機関と十分に協議した上で、現実的な出店計画を策定しております。
当社は、季節商品(冷暖房用品、アウトドア用品、園芸用品等)を数多く取り扱っております。このため、冷夏や暖冬、長雨、猛暑、厳冬等の天候変動により、来店客数や季節商品の需要動向が著しく変動するなど、当社の業績および財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対応するため、天候予測等に基づき商品のラインナップや販売商品の管理を徹底し販促強化に努めております。
また近年、発生頻度が高まっている局所的豪雨や大型台風、震災等による自然災害や事故・火災等の予期せぬ事態が発生し、事業活動に重大な支障が生じた場合にも当社の業績および財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
これらに対しては、火災保険や地震保険等に加入し、自然災害よる損失リスクに備えると共に、緊急時の対応等を定めた事業継続計画(以下、BCPといいます。)マニュアルを策定、有事の際に迅速に災害対策本部を設置し、スマートフォン等を活用した安否確認サービスの活用により、災害状況の把握や従業員やその家族の安否確認等に努めております。
また、災害時を含め、お客様と従業員の安全が確保できる状況においては、可能な限り営業を継続し、地域インフラ等の復旧に役立てるよう努めております。
さらには、大規模自然災害や感染症拡大の影響による資金管理のため、取引金融機関に対してBCP対応資金として利用する資金調達枠(当座貸越枠)を設定しております。
コロナウイルス感染症のような感染症や疫病が拡大すれば景況感・雇用環境の悪化につながり、当社の業績および財務状況等に大きな影響を及ぼす可能性があります。当社としては、政府や各自治体の指針を順守し、お客様と従業員の安全を第一に考えて、安心してお買い物ができる環境づくりに努めてまいります。
①出店に伴う投資について
売場面積5万㎡規模の超大型店、売場面積3万㎡規模の大型店の出店に際しては、1店舗当たりの事業投資額が大きく、また出店した地域での店舗の認知度向上、安定した売上の確保までには相応の期間を要することから、当社の業績および財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。
当社としては、綿密な事業投資計画の策定による業績への影響等について十分な検証を実施しております。また、初期投資が比較的少ない居抜き物件の再開発による出店についても推進しております。
②固定資産の減損について
当社は「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しており、今後地域の経済状況の変化等の事由により店舗の収益性が悪化した場合や保有資産の市場価値が著しく下落した場合等に減損処理を実施することがあり、これにより当社の業績および財務状況に大きく影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対応するため、当社の強みを伸ばし他社との同質化からの脱却、ホームセンター事業とリフォーム事業の融合、カーボンニュートラルの推進などに取り組み、収益の拡大と経費増大の抑制に努めてまいります。
③商品に関する法的規制について
当社は多種多様な商品を取り扱っており、それぞれの商品の特性や仕様に応じた法的規制を受けております。法令の改正等により商品の取り扱い自体が、困難となる場合や管理コストが増加することが予想されます。
これらにより商品の品揃えが不十分となり、業績および財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社としては、関係官庁および取引先等からの情報収集を綿密に実施し、コンプライアンスの周知と徹底を図り法令を遵守してまいります。
④商品調達と価格変動について
当社の仕入れルートに支障が生じて、商品調達ができなくなる場合や原材料等が価格変動の影響を受ける商品、為替相場の変動や海外情勢等の外的要因により仕入価格が高騰する商品等があり、これらの仕入価格の変動が生じた場合には、当社の業績および財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対応するため、複数の取引先、仕入先を確保し商品調達への支障を抑えるように努めております。
⑤システム障害について
当社は発注、入荷検品、仕入、売上等に、ネットワーク障害、コンピューターウイルス、自然災害、人為的ミス等によるシステム障害が発生した場合やサイバー攻撃、不正アクセス、委託先の管理不備等により、重要情報の外部流出やサービスの大規模停止などのリスクが顕在化した場合、社会的信用の失墜のほか被害の規模によっては当社の業績および財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
これらのシステム障害時における代替業務運用構築に関して主要システムのサーバーを大手ベンダーのデータセンターにアウトソーシングし、リスク分散を図っております。サイバー攻撃等に対しては情報セキュリティー体制の整備を行うとともに、従業員の教育によりセキュリティー意識の向上をより一層進めてまいります。また、それらにより発生しうる損害賠償に備えるためにサイバー保険に加入しております。
⑥個人情報の保護について
当社が関与するシステムから個人情報の流失が発生した場合、当社の社会的信用の低下、損害賠償義務の発生など、当社の業績および財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクに対応するため、個人情報保護規程に基づき、情報管理の徹底と従業員やパートタイマーへの個人情報管理に関する教育を実施しております。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国の経済は、個人消費の復調や好調なインバウンド需要に支えられ緩やかな景気回復が見られる一方、米国の経済政策の転換や中国経済の停滞、世界的な政情不安による地政学的リスク、原材料価格や物流コストの上昇に伴う物価高騰等の影響により、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような経営環境の下、当社は当事業年度の基本方針に「ジョイフル本田のファンをつくる!!」を掲げ、前事業年度の基本方針「原点回帰と新しい企業文化の創造」を踏襲しつつ当社の現状を踏まえた次の5つのテーマを策定し業務に取り組んでまいりました。
・「人への投資」
・「お客様の問題解決に本気で取り組む」
・「デジタル戦略」
・「既存店の魅力をあげるための投資」
・「積極的出店できる体制の構築」
「人への投資」においては、創業50周年を迎えるにあたり福利厚生の推進策としてジョイフル本田グループ従業員持株会を通じて、当社従業員へ譲渡制限付株式を付与いたしました。これにより当社株主の皆様との一層の価値共有を図り、また持続的な企業価値向上のためのインセンティブを与えることで、人的資本の強化につながり、職場環境の改善とともに当社従業員の意識改革にも努めました。さらに、女性活躍推進の観点から女性の売場担当責任者を増やし、多様な視点にもとづく考える接客を実践することで、販売促進を強化いたしました。
「お客様の問題解決に本気で取り組む」においては、成長可能な店舗づくりのために店舗教育課を設置し、売場担当者の専門性を高める「スキルマップ」を作成いたしました。今後、スキルマップの活用により、専門知識の習得・技術承継による接客力を強化してまいります。またリアル店舗である当社の強みを活かし修理室専門の教育チームによる指導も行ってまいります。
「デジタル戦略」においては、将来における多店舗展開等を視野に入れた物流体制の構築を目的に2025年4月、物流センター(TC)を開設し運用を開始いたしました。物流センターの稼働に伴い店舗における検品時間、品出し時間等の短縮につながり、この改善効果により捻出した時間を接客時間等の業務に割り当てることで、効果的な店舗運営が可能となりました。今後も物流センターの導入取引事業者を順次拡大してまいります。また、フルセルフレジの導入による業務の効率化を推進、接客時間を確保することで顧客接点の拡大を図り、さらにモバイル端末の活用推進による検品・発注・伝票起票等の業務時間を削減、生産性向上に向けて運営体制を整備いたしました。
「既存店の魅力をあげるための投資」においては、売場ゾーニングの見直しやお客様の利便性が向上する魅力あるテナント等の誘致を積極的に推進したほか、2025年6月には、荒川沖店(茨城県土浦市)、古河店(茨城県古河市)、幸手店(埼玉県幸手市)のほか、対象11店舗、16施設への太陽光発電設備の設置が完了、うち10店舗では蓄電池が併設され、本格稼働がスタートいたしました。すべての太陽光設備の稼働により年間の総発電量は約1,000万kWhとなり、太陽光パネルを設置した施設全体の約25%の電力を屋根上で賄うことになります。これにより年間約3,800トンのCO2排出量削減を見込んでおります。また千葉ニュータウン店の広大な駐車場を利用したソーラーカーポートが2025年6月に完成、既存の屋根上設置型の太陽光発電と合わせて環境価値を補填することにより、さらに電力自給率を高め電気代の削減に寄与しております。
「積極的出店できる体制の構築」においては、新店改装課を設置し店舗の新フォーマットを活用、店舗規模・敷地面積に応じて柔軟に対応することで、スピーディーな出店体制を構築しております。当事業年度においては、2025年6月に群馬県伊勢崎市にペット専門店「Pet's CLOVER」の2号店と新業態である「ジョイフル本田 資材館」をオープンいたしました。「ジョイフル本田 資材館」は、プロショップ「本田屋」のプロユース向けの工具、作業用品の品揃えに加え、業務用塗料、養生資材、電設資材、給水部材、非住宅設備等の現場に必要な資材を供給する新業態の店舗であり、今後も利便性と効率性を重視した「資材館」モデルの店舗についても順次拡大してまいります。
主要テーマの施策のほかにも様々な取り組みを実行いたしました。
資本政策にかかる取り組みとしては、一部株主様からの当社株式の売却意向を踏まえ、当社株式の円滑な売却機会の提供と株主構成の能動的な再構築を図ることを目的に当社株式の売出しを実施いたしました。また株主還元の強化と資本効率の向上を図り、売出しに伴う当社株式需給への影響等を鑑み、株式の売出しと同時に自己株式の取得も実施いたしました。また当社の株主優待制度については、より多くの株主の皆様にファンとなっていただき、中長期的に当社株式を保有していただける株主様の拡大と株主優待制度の一層の拡充を図ることを目的に株主優待制度を変更いたしました。通常優待の贈呈額を増額するとともに、毎年6月20日の基準日において、3年以上継続保有している株主様を対象に、ワンランク上の株主優待品を贈呈する「長期保有株主優待制度」も新設いたしました。
企業評価における取り組みとしては、当社の事業内容および財務状況について、第三者機関からの客観的評価として、株式会社格付投資情報センター(R&I)による発行体格付「A-」、方向性「安定的」を取得いたしました。本件の格付取得により経営の透明性と対外的な信用力を高め、企業価値の向上と今後の資金調達の多様化につなげてまいります。また、ESG投資の世界的な評価指標であるMSCIレーティング(注)において「AA」評価を獲得いたしました。MSCIレーティングは、業界固有のESGリスクおよび同業他社と比較した当該リスクに対する管理能力を評価するもので、当社のESGに対する取り組みが評価され、昨年の「A」評価から「AA」評価へ格上げされました。
これらの取り組みのほか、当社は地域社会の一員として、各自治体等と連携した防災・災害対応等の強化を積極的に進めており、当事業年度は新たに埼玉県北葛飾郡杉戸町、茨城県ひたちなか市、群馬県北群馬郡吉岡町、群馬県太田市、茨城県取手市のほか、株式会社NTTドコモと災害時における相互協力に関する協定等を締結いたしました。本件により、これまでに21の自治体等1事業者等との災害時における支援協力に関する協定等を締結いたしました。
(注)株式会社ジョイフル本田によるMSCI ESG Research LLCまたはその関連会社(以下「MSCI」)のデータの使用、およびMSCIのロゴ、商標、サービスマークまたはインデックス名称の使用は、株式会社ジョイフル本田の後援、推奨、または広告宣伝に相当するものではありません。MSCIのサービスおよびデータは、MSCIまたはその情報提供者の財産であり、その情報は現状のまま無保証で提供されます。MSCIの名称およびロゴは、MSCIの商標またはサービスマークです。
これらの施策に取り組んでまいりました結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(イ) 財政状態
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ58億84百万円増加し、1,655億74百万円となりました。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ50億72百万円増加し、437億82百万円となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ8億11百万円増加し、1,217億91百万円となりました。
(ロ) 経営成績
当事業年度の売上高は1,289億80百万円(前事業年度比1.6%増)、営業利益は107億48百万円(前事業年度比1.7%増)、経常利益は118億78百万円(前事業年度比2.0%増)、当期純利益は83億27百万円(前事業年度比8.4%減)となりました。
なお、主要分野別および商品グループ別の売上状況は以下のとおりとなっております。
(主要分野別および商品グループ別の売上状況)
(a)「住まい」に関する分野
原材料価格の高騰や温暖化による二季化の進行、防災防犯関連需要の高まりがより鮮明に顕在化している市場環境の中、資材・プロ用品関連では建築コストの上昇や職人不足から新築着工件数が低迷、木材・建築資材が低調だった半面、「本田屋」はじめ同売場ブランドのインショップ化推進によりプロ向け商材は好調に推移しました。一方で猛暑の影響によりガーデニングなどの屋外作業は敬遠される傾向が強まり、花苗・野菜苗および関連カテゴリが苦戦しましたが、空調衣料やタイムパフォーマンスを改善する機械関連、夏物家電や遮熱商材、涼感アイテム等は好調に推移しました。また、気象庁による南海トラフ地震の臨時情報の発表を受け、防災意識の急激な高まりから防災関連商材や、相次ぐ強盗事件の報道等による防犯意識の高まりから防犯カメラやセンサーライトなどの防犯関連商材や付随する工事が好調に推移しました。
以上の結果、当事業年度における「住まい」に関する分野の売上高は、727億76百万円(前事業年度比0.9%増)となりました。
(b)「生活」に関する分野
2024年8月に南海トラフ地震の臨時情報が発表されて以降、防災関連意識の高まりとともに、家庭内へのコメ備蓄需要が大幅に増加しました。新米の流通以降もコメの需給環境に改善が見られず、またコメ不足の報道等の影響や旺盛な需要により好調に推移しました。また防災食やポータブル電源、簡易トイレなどの動向が一段と活発化しました。物価上昇に伴う節約志向が強まり高単価商品の買い控えが見られた一方で、長巻タイプのトイレットペーパーなど、コストパフォーマンスの良い商品の動向が好調でした。また、ペット関連における高付加価値商品へのニーズは底堅く、特に機能性を重視した商品や自然素材を使ったプレミアムフードが好調であったことに加え、外出機会の増加によりリードやペット用アパレルなどの関連用品への需要も高まりました。
以上の結果、当事業年度における「生活」に関する分野の売上高は、562億4百万円(前事業年度比2.6%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ47億98百万円増加し322億18百万円(同比17.5%増)となりました。なお、非連結子会社との合併に伴う現金及び現金同等物の増加額は96百万円であり、当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は、90億69百万円の収入(前事業年度比28.4%減)となりました。これは主に税引前当期純利益116億95百万円、減価償却費32億24百万円、法人税等の支払額33億26百万円、棚卸資産の増加12億30百万円、未払消費税等の減少11億98百万円によるものであります。
投資活動の結果使用した資金は、23億34百万円の支出(前事業年度比74.2%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出17億5百万円、無形固定資産の取得による支出4億31百万円、有形固定資産の除却による支出2億34百万円によるものであります。
財務活動の結果使用した資金は、20億32百万円の支出(前事業年度比81.8%減)となりました。これは主に長期借入れによる収入100億円、長期借入金の返済による支出44億35百万円、自己株式の取得による支出40億20百万円、配当金の支払額35億47百万円によるものであります。
仕入実績を主要分野別および商品グループ別に示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(注)前事業年度の②生活(c)その他のマイナス実績は、商品グループに組替できない仕入割戻によるものであります。
販売実績を主要分野別および商品グループ別に示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において判断したものであります。
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、主なものは以下のとおりであります。
・固定資産の減損会計
当社は、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。損益報告などの企業内部情報と、経済環境や資産の市場価格など企業外部情報に基づき、資産または資産グループごとの減損の兆候を判定し、将来の経済環境や市場環境の変化を加味した上でその資産の帳簿価額の回収が見込めるかを考慮し、減損損失の認識を判定しております。減損損失を認識すべきと判断した場合には、資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損処理しております。回収可能価額の算定に当たっては、外部の情報源に基づく情報等を含む、財務諸表作成時において入手可能な情報や資料に基づき合理的に判断しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動等により、将来キャッシュ・フローの見積額や回収可能価額の見直しが必要となった場合、翌事業年度以降の財務諸表において追加の減損損失が発生する可能性があります。
なお、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ)財政状態
資産は、前事業年度末に比べ58億84百万円増加し、1,655億74百万円となりました。
これは主として、現金及び預金の増加47億98百万円、商品の増加12億37百万円によるものであります。
負債は、前事業年度末に比べ50億72百万円増加し、437億82百万円となりました。これは主として、長期借入金の増加36億5百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加19億58百万円、資産除去債務の増加5億87百万円、流動負債その他の減少11億73百万円によるものであります。なお、流動負債その他の減少の主な内訳は、未払消費税等の減少11億96百万円であります。
純資産は、前事業年度末に比べ8億11百万円増加し、1,217億91百万円となりました。これは主として、当期純利益83億27百万円の計上および剰余金の配当35億49百万円、自己株式の取得40億17百万円によるものであります。
(ロ)経営成績
当事業年度においては、『ジョイフル本田のファンをつくる!!』を経営の基本方針に掲げ、前事業年度の基本方針『原点回帰と新しい企業文化の創造』を踏襲しつつ当社の現状を踏まえた5つのテーマ(「人への投資」、「お客様の問題解決に本気で取り組む」、「デジタル戦略」、「既存店の魅力をあげるための投資」、「積極的出店できる体制の構築」)の実行に取り組んでまいりました。このうち、「積極的出店できる体制の構築」では、新店改装課を設置し店舗の新フォーマットを活用、店舗規模・敷地面積に応じた柔軟な対応で、スピーディーな出店体制を構築しております。当事業年度においては、2025年6月に群馬県伊勢崎市にペット専門店「Pet's CLOVER」の2号店と、新業態である「ジョイフル本田資材館」をオープンしており、売上高の増加に寄与しました。
以上の結果、売上高は、前事業年度に比べ20億85百万円増加し、1,289億80百万円(前事業年度比1.6%増)となりました。
売上総利益は、資材・プロ用品(防犯用品、暑さ対策商品)やデイリー・日用品(主に米)の需要増加のほか、新規出店などが寄与し、前事業年度に比べ4億11百万円増加し、409億85百万円(同比1.0%増)となりました。
営業利益は、人件費や水道光熱費、修繕費等の販売費及び一般管理費の増加がありましたが、前事業年度に比べ1億80百万円増加し、107億48百万円(同比1.7%増)となりました。
経常利益は、営業外費用の減少もあり、前事業年度に比べ2億33百万円増加し、118億78百万円(同比2.0%増)となりました。
当期純利益は、前事業年度の特別利益に計上した資産除去債務戻入益の反動減の影響で、前事業年度に比べ7億64百万円減少し、83億27百万円(同比8.4%減)となりました。
当社における資金需要の主なものは、運転資金(商品の仕入、販売費及び一般管理費の営業費用)および設備投資資金であります。
当社の資金の源泉は主として、営業活動によるキャッシュ・フローおよび金融機関からの借入による資金調達となります。
当社は、2025年8月1日開催の取締役会において、株式会社本田(本社:茨城県土浦市、代表取締役社長 本田仁子)の全株式を譲り受けることについて決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご覧ください。
該当事項はありません。