第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

(1) 経営の基本方針及び経営環境

①営業地域の拡大

当社は、当社を取り巻く事業環境について、国内で少子高齢化、地方から都市部への人口集中及び空き家の増加といった課題がみられる中で、中古住宅に対する需要が拡大し、中古住宅の取引市場も整備されると考えております。たとえば、空き家等の再生促進、中古住宅の取引の際における建物状況調査(インスペクション)等が挙げられ、一般消費者にとって住宅取得の選択肢として中古住宅の魅力が一層高まると考えられます。

当社の営業エリアは広島県、山口県、福岡県、大分県及び佐賀県であり、首都圏等の三大都市圏に比べると人口が少なく、人口密度も低い地域ですが、一部の市街地を除いて、戸建住宅が多いという特徴があります。そうした中で、当社の自社不動産売買事業は8割以上が中古の戸建住宅であります。中古の戸建住宅は、使用状況や周辺環境により劣化の進行あるいは程度が物件ごとに大きく異なることから、中古マンションに比べてチェックポイントが多くなり、査定も難しくなります。当社は、社内で中古の戸建住宅の仕入れ、リフォーム、販売及び在庫管理に関する独自のノウハウを蓄積しておりますので、それらのノウハウを個々の営業員に浸透させることにより、競争力を維持できるものと考えております。

一方で、当社の営業エリアにおける人口動態は一部の地域を除いて、いずれも減少傾向にあります。そこで、当社は、第1次中期経営計画の中で、中国地方と九州地方の中古住宅再生NO.1企業を目指すことを掲げて、店舗を増やすことにより、そうしたマイナス要因をカバーしてまいります。具体的には、既存店舗の周辺地域に新規出店(いわゆるドミナント出店)をしてまいります。今後も出店候補地域に対するマーケットリサーチを綿密に実施して、出店の可否を判断してまいります。また、店舗拡大のためには、新たな店長やスタッフが必要となるため、店長候補はじめ人材の育成及び採用にも積極的に取り組むとともに人事制度を運用して、公正な評価と報酬への正当な反映を実現することにより、離職率を低下させ、営業人員85名を目指してまいります。

 

②仕入れの強化及び販売価格の方針

当社の自社不動産売買事業においては、顧客ニーズに合った立地の中古住宅を多く仕入れることが重要であります。しかしながら、中古住宅を売却する理由は、家族構成の変化や資金事情等、様々な事情があって、秘匿性の高い場合も少なくありません。そうした情報をいち早く得ることが仕入れのポイントでもあります。そこで、各営業地域において、同業他社、金融機関、取引先等の情報ネットワークを強化するとともに直接、中古住宅の保有者からの情報を得るため、テレビコマーシャルや広域チラシ等の広告やウェブサイトを活用する方針であります。

また、当社は、中古住宅を仕入れる際に、地域の取引相場等をもとに販売価格を想定したうえで仕入れているため、仕入価格の見極めが当社にとって業績を大きく左右する重要な要因となります。当社では、仕入れに際して、担当者だけでなく様々な視点から意見を集めるとともに、参考資料として近隣の相場情報、取引実績及び環境等も考慮しております。今後も、地域の特性、取引実績等に関する情報をさらに蓄積して、データベースの構築と情報の共有を一層進めてまいります。

 

③財務基盤の強化

当社は、既存の営業エリアに加えて周辺地域でも積極的に中古住宅を仕入れて、品ぞろえを強化していることから、獲得した利益だけでは仕入資金を賄えないことがあります。そこで、中古住宅の仕入資金については、借入金も大いに活用しております。

一方で、リーマンショック等の不測の事態は予見することが難しく、その影響も測定が困難であります。したがって、そうした不測の事態にも耐えられるだけの財務体質を構築することが必要であり、第1次中期経営計画では、自己資本比率を60%以上に保つことを目標としております。取引金融機関からの信用力向上、直接金融を含めた資金調達の多様化も検討してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社は、従前から、最も重要な経営指標として売上高経常利益率を重視して、目標値として10%を設定しておりましたが、第1次中期経営計画においては、売上高経常利益率に連動している売上高当期純利益率を要素に持っているROEについて15%以上を目標値としております。

これは、株主資本が株主様の持ち分であり、それに対する利益率を目標とすることで、株主様の視点を重視していくことに加え、ROEの要素である総資産回転率を高水準に維持することも重要であると認識しているためです。

当社の主力事業である自社不動産売買事業においては、1件当たりの仕入価格及びリフレッシュ・リフォーム工事の費用が主要な原価であり、これらの売上原価の低減に努める方針であります。また、販売費及び一般管理費については、営業員の人件費、販売及び仕入れのための広告宣伝費が主要な費用であり、そうした費用について、効果を見極めてまいります。さらに、自社在庫の維持費用を抑制すべく総資産回転率に注視してまいります。

 

(3) 対処すべき課題

今後の当社を取り巻く経営環境を展望すると、人口の減少や少子高齢化の影響から空き家が増加すると予想されます。政府は、「いいものを作って、きちんと手入れして、長く使う」社会に移行することが重要であるとして、中古住宅市場の活性化に向け、「安心R住宅」制度を創設する等、中古住宅市場の環境整備を進めています。こうした政府の後押しにより、今後、不動産の流通市場及び住宅リフォーム市場は拡大することが期待されております。

かかる状況下で、当社は中国地方と九州地方の中古住宅再生NO.1企業を目指し、2017年(平成29年)9月25日に2020年5月期までの第1次中期経営計画を策定し、経営ビジョンを明確化いたしました。その中で、当社は、重点成長基盤として、営業体制強化、出店拡大、人材育成、コーポレート・ガバナンス体制整備を挙げており、計画の達成に向け、積極的な事業展開を図ってまいりました。

しかしながら、国内における人手不足が一向に改善せず、当社の目標としていた営業人員100名体制については第1次中期経営計画の期間中に達成することは、困難な状況にあることに加え、要員計画の未達等により出店計画についても毎期2店舗以上の出店の達成が困難な状況にあることから、第1次中期経営計画を修正することといたしました。

主な修正点は、要員、売上高及び利益であります。なお、重点成長基盤については、修正をしておりません。

上記を前提に当社は、対処すべき課題として、次のものがあると認識しております。

 

 

① 営業地域の拡大

当社は、現状、広域的な顧客ニーズに十分に応えられていないことが課題であると認識しております。

この課題を克服するために、当社は、第1次中期経営計画との連動を図りつつ、既存店舗の延長地域へ新規出店するドミナント方式により、営業地域の拡大を図ります。なお、出店に際しては、出店候補地の営業エリアに関するマーケットリサーチ、取引実績の積み重ね及び出店計画の精密化、出店作業及び事務処理の標準化、出店に必要な人材の確保及び教育にも努めております。

 

② 販売用不動産仕入の強化

当社は、顧客ニーズに適合する中古住宅の在庫を一層拡充することが課題であると認識しております。

この課題を克服するために、当社は、金融機関との良好な関係を維持し、中古住宅の仕入資金を確保いたします。また、地域に根ざした事業活動及び広告を通して知名度を高めるとともに、中古住宅の仕入情報の入手を網羅的かつ早期に行うため、情報ルートである地域同業者のほか、地域住民の方との繋がりの深い地元金融機関等との関係を強化いたします。

 

③ 在庫回転率の維持向上及び有利子負債の抑制

当社の主力である自社不動産売買事業においては、中古住宅を仕入れて、リフォーム工事を施した後、商品化し、最終的に販売の契約締結後に決済して引き渡します。当社は、これら一連の過程において、費用を先行的に負担しており、当該資金の一部を金融機関からの有利子負債で賄っております。また、滞留在庫が増加した場合は、有利子負債も増加し、財務体質が悪化することとなります。

この課題を克服するために、当社は、保有期間の長期化している中古住宅をリストアップして早期売却を各店舗に促し、不動産の販売サイクルを管理することにより、有利子負債の抑制に努めております。

なお、当社は、2019年6月に業務基幹システムを導入し、自社不動産の在庫管理機能の強化を図っております。

こうした施策により第1次中期経営計画では、自己資本比率60%台を維持することを明確にしております。

 

 

④ 政府の施策への対応

当社は、政府が中古住宅の流通促進に向けて、市場の整備を目指していることに鑑み、中古住宅に関する情報の透明性の向上、中古住宅の評価方法の改善及び中古住宅の耐久性に関する信頼性の向上に向けた取り組みをなお一層強化する必要があると考えております。

よって、当社は、顧客が求める情報の提供に努めるとともに、顧客の満足度のさらなる向上に繋がるような従業員教育、組織・体制作りに注力しております。これに関し、顧客へのアンケートの実施や、顧客からのクレームの報告体制の整備等を通じて、顧客のご要望の把握に努めてまいります。

 

⑤ その他事業の充実

当社は、その他事業(介護福祉事業)において、顧客の多様なニーズに応えようとしておりますが、まだ事業基盤がぜい弱であると認識しております。

この課題を克服するために、介護福祉事業においては、利便性や安全性の高い商品の品ぞろえを強化して、当社の得意分野である介護用品レンタルの顧客層の拡大を図るとともに、シルバー・リフォームの提案力の強化、新たな取引先の開拓等に努めてまいります。

 

⑥ 人材の確保と育成

当社は、今後の事業拡大に合わせ、優秀な人材を継続的に確保し、育成することが最も重要であると認識しております。

この課題を克服するために、当社は、事務や営業手法の標準化により業務の効率化を図るとともに社内教育の充実や外部研修への積極的な参加による社員の資質向上を図っております。また、福岡支社の開設等により採用活動をより積極的に行いつつ、人事制度を改善して従業員の意欲を高めるとともに、将来の店長・課長を育成するための仕組みを適宜改善すること等により事業拡大に合わせた組織体制を構築できるよう努めてまいります。また、退職金制度の導入、時差出勤の導入や有給休暇の取得率向上に向けたキャンペーンを実施する等して、職場環境がより働きやすいものとなるよう努めてまいります。

 

⑦ コーポレート・ガバナンスの充実

当社の継続的な事業の発展及び信頼性の向上のためには、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組むことが重要であると認識しております。

この課題を克服するために、当社は、強固な内部管理体制の構築とコンプライアンスの強化に取り組んできました。

まず、強固な内部管理体制の構築については、自浄能力の向上と組織内における内部牽制のさらなる機能強化が課題であるとの認識のもと、部署内でのチェックの精度を高めて自浄能力を向上させることに加え、内部監査室及び管理部が牽制的な機能を発揮することに引き続き努めております。また、社外取締役による助言及び監督や監査役による監査も当社の内部管理体制において重要な機能を果たしていることから、社外取締役及び監査役は業務執行取締役らと面談する等して情報を収集し、実効的な監督、監査に引き続き努めております。なお、業務の効率化と管理機能の強化を図るべく、2019年6月に業務基幹システムを一新いたしました。

次に、コンプライアンスの強化については、当社は、社内規程の随時見直し、定期的な倫理・コンプライアンス研修や集合研修におけるコンプライアンスプログラムを実施、情報共有、ニュースを基にしたコンプライアンスの意識付け、再発防止策の実施等により、各事業の取引の健全性の確保に引き続き努めております。また、内部通報制度を誰でも気軽に利用できるよう整備しているほか、社内啓蒙活動及び内部監査を通して社内規程の周知徹底に努めるとともに、社外取締役、監査役及び顧問弁護士等からの指摘を基に社内規程を適宜見直して、内容の陳腐化を防いでおります。

当社は、今後もさらなるコーポレート・ガバナンスの充実を図るべく、最善の経営体制を目指して強固な内部管理体制の構築とコンプライアンスの強化に取り組んでまいりたいと考えております。

なお、コーポレートガバナンス・コードは、上場企業に対し、攻めのガバナンスを通して、より一層の株主重視の経営及び体制強化を促すとともに企業の進化を目指しているものであります。当社は、修正後の第1次中期経営計画においても、その趣旨に沿ってコーポレート・ガバナンスの充実とともに企業価値の向上及び株主還元の拡充に向け取り組み、実効性の高いコーポレート・ガバナンス体制の構築に引き続き努めてまいります。 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1) 事業環境について

①  顧客の購入意欲について

当社の不動産売買事業においては、景気、金利、地価、税制及び政策等によって、中古住宅に対する顧客の購入意欲が大きく左右されます。

当社においては、需要の高い不動産をタイムリーに提供できるようにするために、これらの外部動向について分析を行い、あわせて地域の特性と需要に応じた不動産のタイムリーな仕入れ、魅力ある中古住宅にするためのリフレッシュ・リフォーム工事、顧客の購入意欲を喚起する広告宣伝及び営業活動を行っております。

しかしながら、今後の景気の悪化、所得の低下、金利の上昇、地価の上昇、税制及び政策の変更等があった場合は、顧客の購入意欲の減退につながり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  競合について

当社の不動産売買事業は、仕入れや販売に関する当社独自のノウハウこそあるものの、技術の独自性等に基づくものではないため、参入障壁は高くありません。特に景気の低迷や節約志向が拡大傾向にある経済環境においては、当社と類似する事業を展開する同業他社が増加する可能性があります。その場合、中古住宅等の仕入れで競合が発生することもあるため、一部には仕入価格の上昇となることも想定されます。

当社は、中古住宅のリフレッシュ・リフォーム、仕入れの見極め等、様々なノウハウの蓄積に努め、マニュアルとしてまとめております。また、中国地方及び九州地方において中古住宅等の取引の実績も積み重ねて、人脈や情報ネットワークを構築してまいりました。さらに中古住宅等の仕入れにおいては、仕入れに多額の資金を必要とする等、財務の面で負担が大きいため、財務体質の強化にも努めております。

しかしながら、競合他社の参入に伴い、差別化のための各種方策等が必要になった場合、又は当社の提供する不動産に競争力がないと顧客が判断した場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③  販売用不動産の仕入れ及び工事原価について

当社の自社不動産売買事業においては、顧客ニーズの高い立地の不動産を、安価かつ安定的に仕入れることが重要となります。

当社においては、中古住宅等の売却情報を同業他社、金融機関及び取引先等のルートで入手しており、今後もこれらのネットワークを拡大及び強化する方針であります。あわせて、テレビコマーシャル等の宣伝媒体を通して一般の方からも直接に中古住宅の売却情報を得られるよう努めております。また、リフレッシュ・リフォームにおいても、キッチン、バス、トイレ等の水回り設備を除き、可能な範囲で既設部分の再利用を提案することで、低価格化を実現しております。

しかしながら、競争激化や経済環境の変化に伴う仕入価格の上昇、建材価格の上昇等があった場合、あるいは当社の再生基準に適合する中古住宅を十分に確保できなかった場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④  販売用不動産及び仕掛販売用不動産等について

当社の自社不動産売買事業においては、中古住宅等を仕入れており、常に一定規模のたな卸資産を所有するよう努めております。当事業年度末の総資産に占める販売用不動産及び仕掛販売用不動産等の割合は、61.1%となっております。

当社においては、今後も、店舗網の拡充に伴い、仕入れの積極的な拡大を推進してまいりますが、並行して、中古住宅等の在庫管理をより高度化するとともに販売力の強化も推進することにより、引き渡しまでに要する期間を短縮し、需給バランスに配慮した在庫回転率の向上に努めていく方針であります。

しかしながら、経済環境の変化等により期限までに引き渡しできなかった場合、又は顧客の住宅ローン審査の結果、引き渡しができなかった場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤  工事協力会社について

当社の自社不動産売買事業においては、各店舗の地域ごとに、当社が設定した一定の技術水準を満たす工事協力会社を選定し、リフレッシュ・リフォーム工事を発注しております。また、実際のリフレッシュ・リフォーム工事においては、工事協力会社と当社との間で打合せや報告により、厳格な品質管理及び工程管理を実現しております。さらに、工事協力会社の代替を可能にするため、キッチン等の住宅設備については同一の規格品を使用しております。

しかしながら、今後の営業地域の拡大や取り扱い物件の増加等に伴い、工事協力会社をタイムリーに確保することができなかった場合、又は工事協力会社の倒産等が発生した場合は、代替業者との調整に伴う工事遅延等が発生し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥  瑕疵担保責任について

当社の自社不動産売買事業においては、宅地建物取引業法及び住宅の品質確保の促進等に関する法律の規定に基づき、中古住宅については引き渡し後2年間、新築住宅については引き渡し後10年間の瑕疵担保責任を負っております。

当社においては、仕入れの時に入念な現況調査を行い、基礎部分で致命的な欠陥がある等、再生に適さないと判断した場合には買取の対象から除外する、あるいは建屋を解体して平地にすることにより、当社の提供する中古住宅の品質を一定に維持しております。また、リフレッシュ・リフォーム施工時においては、法定水準を満たすような厳格な品質管理を実施しております。

しかしながら、引き渡し後の不動産に何らかの瑕疵があった場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお、2017年5月26日に「民法の一部を改正する法律」が成立し、一部を除き2020年4月1日に施行されます。改正民法では、瑕疵担保責任は契約不適合責任となります。

 

⑦  自然災害等について

当社の自社不動産売買事業においては、台風や地震等の自然災害等により中古住宅の購入に対する顧客の購入意欲が減退する可能性、あるいは引き渡し前の中古住宅が破損倒壊するおそれがあります。

当社は、地域拡大による収益規模拡大を図る方針の下、中国地方及び九州地方に出店しております。現在、店舗を構える山口県、福岡県、佐賀県及び広島県については、比較的地震が少ない地域ですが、大分県等については、前述の4県に比べて地震の多い地域であり、地震保険料率も一段階高くなっております。当社の取得した中古住宅については、1981年6月以降に建築された物件であっても必要に応じて補強工事を行い耐震性能を高めております。

また、当社の営業エリアでは、台風や豪雨といった気象災害による損失が発生する場合がありますので、損害保険による補償により当該損失を抑制しております。

しかしながら、今後当社の営業地域において不測の自然災害が発生した場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧  有利子負債への依存と資金調達について

当社の自社不動産売買事業においては、常に仕入代金の支払いが販売代金の入金より先行しますが、当該仕入資金は、主に金融機関からの借入により調達しております。なお、当事業年度末の総資産額に占める有利子負債の割合は、21.0%となっております。

当社においては、事業運営に応じた機動的な調達という観点から、また、不動産に関する情報収集といった副次的な観点からも、金融機関からの借入を今後も継続していく方針であり、金融機関との良好な関係を構築しております。一方で金融機関への依存リスクや金利変動リスクにも配慮していく必要があると認識しており、第一次中期経営計画においても、60%以上の自己資本比率を維持することを目標としております。

仮に、金融環境の変化に伴い、支払利息の負担が増加し、借入による調達がタイムリーに行えない場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 法令等について

①  法的規制や免許・許認可事項について

当社の各セグメントにおいては、以下のような法令等に基づいて事業を運営しており、これらの法的規制を受けております。

セグメントの名称

主な適用法令

不動産売買事業

民法、宅地建物取引業法、都市計画法、不当景品類及び不当表示防止法、不動産の表示に関する公正競争規約、住宅の品質確保の促進等に関する法律、下請法、個人情報の保護に関する法律、犯罪による収益の移転防止に関する法律、建築士法、建設業法等

不動産賃貸事業

宅地建物取引業法、不当景品類及び不当表示防止法、不動産の表示に関する公正競争規約、マンション管理の適正化の推進に関する法律、下請法、個人情報の保護に関する法律等

不動産関連事業

保険業法、特定商取引に関する法律、外国為替及び外国貿易法、個人情報の保護に関する法律、金融商品の販売等に関する法律等

その他事業

介護保険法、特定商取引に関する法律、不当景品類及び不当表示防止法、下請法、個人情報の保護に関する法律等

 

 

当社においては、これらの法令等の遵守のために、朝礼でのコンプライアンス重視の考えの唱和、関連する社内規程の整備、社内勉強会の実施や社外研修制度の活用、内部監査室や監査役による法令遵守の確認に加え、内部通報制度の運用等、積極的なコンプライアンス活動に取り組んでおります。

なお、当社の不動産売買事業においては、事業活動を推進するに際して、以下のとおり、宅地建物取引業法に定める宅地建物取引業免許、建設業法に定める一般建設業許可を得ております。前者においては、一定人数の資格取得者の登録義務等が許可要件として定められており、後者においては、専任技術者の設置等が許可要件として定められております。

 

免許、登録等の別

番 号

有効期間

取消条項

宅地建物取引業免許

国土交通大臣

(6)第5407号

自 2018年11月9日

至 2023年11月8日

宅地建物取引業法

第66条及び第67条

一般建設業許可

山口県知事許可

(般-28)第14622号

自 2017年3月27日

至 2022年3月26日

建設業法

第3条

 

 

当社におきましては、過去において、これら許可要件の欠格事実はありません。

しかしながら、今後これらの法令等の改正や新たな法令等により規制強化が行われた場合、何らかの事情により法令遵守ができなかった場合、又は今後何らかの事情により、免許、許可及び登録の取り消し処分が発生した場合は、事業活動に大きく影響して、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  個人情報の管理について

当社の事業活動全般においては、仕入先、顧客(潜在顧客含む。)等に関して、住所、氏名等の個人情報を多く有しております。

当社においては、個人情報の保護に関する法律に従い、個人情報の管理に関する社内規程を整備し、当該規程に沿って情報の一元管理を図るとともに、電子記録媒体に対する使用を制限する等により、漏えい防止策に取り組んでいるほか、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(いわゆるマイナンバー法)等に基づき、社内規程及び基本方針を整備して、マイナンバーを取り扱う担当者及び機種等を厳しく限定したうえで、漏えい防止に取り組んでおります。

しかしながら、不測の事態により、当社が保有する個人情報が外部へ漏えいした場合、あるいはマイナンバー制度において適切な対応ができない場合は、当社の信用の毀損や対応コストの負担につながり、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

③  訴訟等について

当社は、現時点において業績に重要な影響を及ぼす訴訟を提起されている事実はありません。

当社においては、顧客等との間でトラブルが発生した場合、担当者からリスク情報の報告を受けて、訴訟の可能性を事前に把握するよう努め、これら情報を顧問弁護士と共有することにより、迅速な対応を心がけております。

しかしながら、販売した不動産における瑕疵や債権未回収等の権利関係をめぐった顧客等との間でトラブルが発生した場合、又はリフレッシュ・リフォーム工事期間中に近隣からの騒音クレーム等が発生した場合は、これらに起因する訴訟が発生し、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) その他

①  人材の確保と育成について

不動産業界の競争激化の中で業績拡大を図るためには、専門的なスキルを持つスペシャリスト、全体を統括できるマネージャーの確保が重要であると考えております。

当社においては、これらの人材を確保するため、中途・新卒採用の強化、教育研修の充実を推進すべく人材を配置しております。また、人事制度を通して、公正な評価と報酬への正当な反映を実現するとともに、時差出勤及び有給休暇取得キャンペーンの推進等、職場環境の改善に努め、退職金制度を導入する等、福利厚生や待遇の充実を図っております。これらの施策によりモラールの向上及び退職者数の抑制に努めているほか、採用担当者を置いてより多くの優秀な人材を採用する等の体制強化を図っております。また、勉強会や階層別研修等の各種研修を通じて従業員の能力向上及び知識の蓄積を図るとともに話し合い等を通して、現場における問題意識の共有にも努めております。

しかしながら、一定の採用ができなかった場合、教育研修の効果が十分でなかった場合、多くの人材の社外流出が発生した場合は、当社の経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②  特定人物への依存について

当社代表取締役社長である荻野利浩は、当社創業者であり、2019年5月31日時点において筆頭株主として発行済株式総数2,712,400株(うち自己株式は460株)に対し1,288,400株(持株比率47.50%)を所有し、最高経営責任者として経営方針や経営戦略の決定等、当社の事業活動上の重要な役割を果たしております。

当社においては、同人に対して過度に依存しないよう、合議制や権限移譲を推進することにより意思決定の合理化を図るとともに、経営管理ツールの導入を進めております。

しかしながら、現時点において、同人が何らかの理由により経営者として業務を遂行できなくなった場合は、当社の業務推進及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

ア)財政状態について

当事業年度末における総資産は4,513,560千円となり、現金及び預金の増加等によって前事業年度末に比べ255,769千円増加しました。

当事業年度末における負債合計は1,544,240千円となり、短期借入金の減少等によって前事業年度末に比べ92,975千円減少しました。

当事業年度末における純資産合計は2,969,319千円となり、当期純利益の計上によって前事業年度末に比べ348,744千円増加しました。

 

イ)経営成績について

当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続き、個人消費が緩やかな回復基調で推移する一方、中国経済の減速や米国と中国の通商摩擦等の影響による先行きへの不透明さから輸出及び生産活動が弱含んでおり、まだら模様の様相を呈しております。

当社が属する不動産業界におきましては、国土交通省の調査「主要都市の高度利用地地価動向報告」(2019年6月公表)によれば、2019年第1四半期(2019年1月1日~2019年4月1日)の主要都市・高度利用地100地区の地価動向は、2018年第4四半期(2018年10月1日~2019年1月1日)に比べ、97地区が上昇し、5期連続で9割を超えました。

また、当社の主力事業である中古住宅の売買の状況については、公益社団法人西日本不動産流通機構(西日本レインズ)に登録されている物件情報の集計結果である「市況動向データ」の直近の調査(2019年6月公表)によると、中国地方では、2018年6月から2019年5月までの中古戸建住宅の成約件数は、前年同期間に比べて0.5%増となりました。九州地方では、2018年6月から2019年5月までの中古戸建住宅の成約件数は、前年同期間に比べて10.7%増となりました。

このような環境の中、当社は、2019年2月に防府店(山口県防府市)を出店する等、主力事業である不動産売買事業に注力いたしました。

この結果、当事業年度の売上高は7,128,251千円(前事業年度比7.4%増)となり、売上高の増加から営業利益は588,382千円(同0.9%増)、経常利益は589,101千円(同1.3%増)、当期純利益は412,495千円(同4.9%増)となりました。

なお、事業別の業績は、次のとおりであります。

 

(a)不動産売買事業

自社不動産売買事業については、テレビコマーシャルを営業エリアで積極的に放映したほか、仕入情報の新たなルートを構築する等して、中古住宅の仕入れを強化しました。販売においては、一部の地域でファッション性のある内装を施す等、リフォーム工事を多様化する一方、ウェブサイトにおける不動産情報の更新頻度を高める等、集客力の向上を図りました。これらにより、前事業年度に出店した新規店舗の寄与もあって、自社不動産の販売件数は426件(前事業年度比37件増)となり、売上高も前事業年度を上回りました。

不動産売買仲介事業については、各拠点で同業者等との関係をより強化して不動産の売買情報の収集に注力したこと等により、仲介件数が前事業年度を上回ったうえ、収益物件の売買仲介を手掛けたこと等により、平均単価も上昇したことから、仲介手数料は前事業年度を上回りました。

これらの結果、不動産売買事業の売上高は、6,864,169千円(前事業年度比8.1%増)となりました。また、営業利益は、売上高の増加により、879,059千円(同2.5%増)となりました。

 

(b)不動産賃貸事業

不動産賃貸仲介事業については、賃貸仲介件数の減少により賃貸仲介手数料が前事業年度を下回り、売上高は前事業年度を下回りました。

不動産管理受託事業については、不動産の管理料が前事業年度を上回ったことから、売上高は前事業年度を上回りました。

自社不動産賃貸事業については、売上高は前事業年度を上回りました。

これらの結果、不動産賃貸事業の売上高は、144,322千円(前事業年度比1.3%増)となりました。また、営業利益は、売上高の増加により、28,132千円(同16.4%増)となりました。

 

(c)不動産関連事業

保険代理店事業については、不動産売買事業における自社不動産売買事業の販売件数の増加及び売買仲介件数の増加に加え、家財付保の取り組みを強化して1件当たりの単価が上昇したことから、売上高は前事業年度を上回りました。

リフォーム事業については、同事業との関連性が強い自社不動産売買事業に統合し、業務の効率化を図りました。

これらの結果、不動産関連事業の売上高は、44,152千円(前事業年度比27.6%減)となりました。また、営業利益は、売上高の減少により、27,861千円(同12.0%減)となりました。

 

(d)その他事業

介護福祉事業については、介護用品レンタルの顧客層の拡大に注力しましたが、介護用品の売上高が前事業年度を下回ったことに加え、請負工事高も前事業年度を下回ったことから、売上高は前事業年度を下回りました。

これらの結果、その他事業の売上高は、75,606千円(前事業年度比13.8%減)となりました。また、売上高の減少により、8,364千円の営業損失(前事業年度は営業損失4,512千円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、たな卸資産が減少し、税引前当期純利益589,101千円(前事業年度比1.3%増)を計上したことに加え、長期借入金の増加等により、前事業年度末に比べ546,552千円増加し、当事業年度末には883,926千円となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及び増減の要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は762,462千円(前事業年度は133,189千円の使用)となりました。これは主に、法人税等の支払額210,428千円があったものの、税引前当期純利益589,101千円を計上したことに加え、たな卸資産の減少額359,343千円によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は82,003千円(前事業年度は77,665千円の使用)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出50,115千円に加え、有形固定資産の取得による支出28,598千円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は133,906千円(前事業年度は219,595千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金による増加440,154千円があったものの、短期借入金の減少額510,000千円に加え、配当金の支払額62,376千円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の状況

ア) 生産実績

当社が営む不動産売買事業、不動産賃貸事業、不動産関連事業及びその他事業では生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。

 

 

イ) 仕入実績

当事業年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当事業年度

(自  2018年6月1日

至  2019年5月31日)

仕入高(千円)

前事業年度比(%)

不動産売買事業

3,283,682

△4.4

不動産賃貸事業

不動産関連事業

その他事業

42,094

△15.5

合計

3,325,777

△4.6

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.仕入が発生する不動産売買事業の自社不動産売買事業、不動産賃貸事業の不動産管理受託事業、その他事業の介護福祉事業について、仕入高を記載しております。

3.不動産売買事業の仕入高は、中古住宅等の仕入れが主な項目となります。当事業年度は中古住宅等の仕入れに注力したものの、新規参入等による競合の激化から減少いたしました。

4.不動産賃貸事業の仕入高は、管理物件の修繕に伴う物品の仕入れが主な項目となります。当事業年度は仕入れがありませんでした。

5.その他事業の仕入高は、介護福祉事業の物品販売の仕入れが主な項目となります。当事業年度は物品販売の減少により減少しました。

 

ウ) 受注実績

不動産売買事業のリフォーム事業、不動産賃貸事業の不動産管理受託事業及びその他事業の介護福祉事業において受注販売を行っておりますが、いずれも受注から売上高計上まで期間が短期であるため、「受注実績」は記載しておりません。

 

エ) 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当事業年度

(自  2018年6月1日

至  2019年5月31日)

売上高(千円)

前事業年度比(%)

不動産売買事業

6,864,169

8.1

不動産賃貸事業

144,322

1.3

不動産関連事業

44,152

△27.6

その他事業

75,606

△13.8

合計

7,128,251

7.4

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主たる販売先は不特定多数の一般消費者であり、相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の販売先はありません。

3.不動産売買事業の販売高は、中古住宅等の販売が主な項目となります。

4.不動産賃貸事業の販売高は、不動産賃貸仲介手数料、不動産賃貸物件の管理料、賃貸物件の賃貸収入等が主な項目となります。

5.不動産関連事業の販売高は、不動産の火災保険料の代理店手数料が主な項目となります。当事業年度は、リフォーム事業を不動産売買事業に統合したため、販売高は大幅に減少しました。

6.その他事業の販売高は、介護福祉事業の物品販売が主な項目となります。当事業年度は物品販売の減少により減少しました。

 

 

オ)不動産売買事業の地域別販売実績

当事業年度における不動産売買事業の地域別の販売実績を自社不動産売買事業と不動産売買仲介事業に分けて示すと、次のとおりであります。

 

 

当事業年度

(自  2018年6月1日

至  2019年5月31日)

売上高

(千円)

構成比

(%)

前事業年度比(%)

 

山口県

自社不動産売買事業

1,886,312

27.5

6.9

 

不動産売買仲介事業

187,800

2.7

15.8

 

 

7店舗計

2,074,113

30.2

7.7

その他

自社不動産売買事業

242,563

3.5

95.5

 

 

不動産売買仲介事業

8,915

0.1

△32.5

 

1店舗計

251,478

3.7

83.2

 

合計

自社不動産売買事業

2,128,876

31.0

12.8

 

不動産売買仲介事業

196,716

2.9

12.2

 

 

8店舗計

2,325,592

33.9

12.7

 

福岡県

自社不動産売買事業

3,723,819

54.3

12.3

 

不動産売買仲介事業

174,713

2.5

41.8

 

 

10店舗計

3,898,533

56.8

13.4

その他

自社不動産売買事業

617,330

9.0

△26.1

 

 

不動産売買仲介事業

22,712

0.3

98.4

 

2店舗計

640,043

9.3

△24.4

 

合計

自社不動産売買事業

4,341,150

63.2

4.6

 

不動産売買仲介事業

197,425

2.9

46.6

 

 

12店舗計

4,538,576

66.1

5.9

全店

自社不動産売買事業

6,470,027

94.3

7.1

 

 

不動産売買仲介事業

394,142

5.7

27.1

 

 

全20店舗計

6,864,169

100.0

8.1

 

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.自社不動産売買事業の販売高は、中古住宅等の販売が主な項目となります。

3.不動産売買仲介事業の販売高は、不動産売買仲介手数料が主な項目となります。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。

詳細につきましては、「第5 経理の状況  1 財務諸表等  (1) 財務諸表  注記事項  重要な会計方針」に記載しております。

 

② 財政状態に関する分析

ア)資産

当事業年度末における総資産は4,513,560千円となり、前事業年度末に比べ255,769千円増加しました。流動資産は3,859,384千円となり、前事業年度末に比べ204,510千円増加しました。これは主として、自社不動産の販売件数が増加したこと等により、販売用不動産が624,470千円減少し現金及び預金が546,411千円増加したことに加え、仕掛販売用不動産等の増加額267,151千円によるものであります。固定資産は654,176千円となり、前事業年度末に比べ51,258千円増加しました。これは主として、ソフトウエアの増加額46,246千円によるものであります。

 

イ)負債

流動負債は780,288千円となり、前事業年度末に比べ450,746千円減少しました。これは主として、短期借入金の減少額510,000千円によるものであります。固定負債は763,952千円となり、前事業年度末に比べ357,771千円増加しました。これは主として、長期借入金の増加額357,517千円によるものであります。

 

ウ)純資産

純資産は2,969,319千円となり、前事業年度末に比べ348,744千円増加しました。これは主として、当期純利益の計上額412,495千円によるものであります。

以上の結果、自己資本比率は、前事業年度末の61.5%から65.8%となりました。

 

③ 経営成績に関する分析

ア)売上高及び営業利益

売上高は、自社不動産売買事業における販売件数が426件と前事業年度の389件を上回ったことから、7,128,251千円(前事業年度比7.4%増)となりました。増加の要因としては、販売用不動産等の情報の更新頻度を高める等、インターネットを活用して集客力を向上させたこと、2018年2月に出店した苅田店(福岡県京都郡苅田町)が売上高に寄与したことが挙げられます。また、不動産売買仲介事業において、収益物件を手掛けたこと等により不動産売買仲介手数料が前事業年度に比べて大幅に増加したことも寄与しました。

売上総利益は、自社不動産売買事業における仕入価格の上昇等によって原価率が上昇したことから、売上原価が5,035,814千円(同9.6%増)と圧迫し、2,092,436千円(同2.4%増)となりました。販売費及び一般管理費は給与の増加等により、人件費が増加したことから、1,504,054千円(同2.9%増)となりました。

以上の結果、営業利益は588,382千円(同0.9%増)となりました。

 

イ)営業外損益及び経常利益

営業外損益(純額)は、719千円の利益(前事業年度は1,760千円の損失)となりました。これは、金融機関からの借り入れに伴う支払利息3,644千円を計上したものの、自社不動産売買事業における顧客側の契約破棄による違約金3,296千円等を計上したためであります。

以上の結果、経常利益は589,101千円(前事業年度比1.3%増)となりました。

 

ウ)特別損益及び税引前当期純利益

特別利益及び特別損失は、計上しておりません。

以上の結果、税引前当期純利益は589,101千円(前事業年度比1.3%増)となりました。

 

エ)法人税等(法人税等調整額を含む)

法人税等は、法人税、住民税及び事業税が182,103千円と前事業年度に比べ12,930千円減少しましたが、法人税等調整額が△5,497千円と前事業年度に比べ1,273千円増加したことから、176,605千円(前事業年度比6.2%減)となりました。

 

オ)当期純利益

以上の結果、当期純利益は412,495千円(前事業年度比4.9%増)となりました。これにより1株当たり当期純利益金額は152.10円(同4.9%増)となりました。

 

④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な達成・進捗状況

当社は2017年9月に第1次中期経営計画を策定し、2020年5月期を最終年度として売上高・利益計画及び指標目標値を設定いたしました。

その後、人材不足が著しいことから、営業人員100名体制の実現が困難であるとの見通しに加え、新規参入等により競合が激しくなってきたことから仕入価格が上昇して、原価率の上昇につながったことを受けて、2019年7月12日に目標値のうち、売上高、経常利益、税引後当期純利益、自社不動産販売件数及び営業人員を修正いたしました。

その内容は次のとおりであります。なお、自己資本比率、ROE及びDOEは修正しておりません。

 

売上高・利益計画

2020年5月期

当初目標値

2020年5月期

修正後目標値

売上高(千円)

7,800,000

7,520,000

経常利益(千円)

740,000

660,000

税引後当期純利益(千円)

500,000

450,000

自社不動産販売件数(件)

500

455

営業人員

100

85

 

 

修正後の目標値に対しての進捗状況は以下のとおりであります。

売上高・利益計画

2020年5月期目標値

(a)

当事業年度実績

(b)

進捗状況

(b)÷(a)

売上高(千円)

7,520,000

7,128,251

94.8%

経常利益(千円)

660,000

589,101

89.3%

税引後当期純利益(千円)

450,000

412,495

91.7%

自社不動産販売件数(件)

455

426

93.6%

営業人員(名)

85

82

96.5%

指標目標値

 

 

 

自己資本比率

60%以上

65.8%

ROE(株主資本利益率)

15%以上

14.8%

DOE(株主資本配当率)

2.5%を維持、

3.0%以上を目標

2.9%

 

売上高・利益計画について、当事業年度の進捗状況はおおむね9割程度の進捗でありました。当社は、最終年度の達成に向けて不動産売買事業を軸にして、引き続き営業人員の強化及び出店エリアの拡大を進めてまいります。

また、指標目標値について、当事業年度は自己資本比率及びDOEについては達成いたしましたが、ROEについてはわずかに及びませんでした。これは営業人員の増強が想定を下回り、売上高を効率よく拡大させることができずに総資本回転率が低下したことに加え、原価率の上昇等により売上高当期純利益率も低下したことが要因であります。今後は、これらの指標目標値を達成できるよう売上総利益の確保とともに滞留在庫の抑制、販売期間の短縮等を進めてまいります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べて546,552千円増加(前事業年度比162.0%増)し、883,926千円となりました。

当事業年度のキャッシュ・フローの状況及び増減要因につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (1)経営成績等の状況の概要  ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社は中古住宅等の仕入れに注力したものの、競合他社の増加により仕入件数が想定を下回った結果、営業キャッシュ・フローがプラスとなりました。一方で、短期借入金の減少等により財務活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなりました。今後は、中古住宅等の積極的な仕入れにより、営業キャッシュ・フローがマイナスとなる可能性がありますので、当社所有の中古住宅等の売買回転率の向上及び不動産売買仲介手数料の拡大を図ってまいります。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① 資金需要

当社は、不動産売買事業の店舗の出店に伴う費用の支出、あるいは中古住宅等の仕入れ等の資金需要に加え、収益性及び将来の転売等を視野に入れて収益物件を取得する必要があると認識しております。これらの資金の必要額は個別には大きくないものの、まとまると流動性の面で無視できないと考えます。

 

② 財源

上記の資金需要に対する財源としては、利益剰余金に加え、長期・短期の借入金を活用してまいります。当社は、資金需要に応じて機動的な借り入れができるよう、金融情勢に注意を払いつつ、金融機関と良好な関係を継続してまいります。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

①  事業環境について

当社の業績に影響を与える要因として景気、金利、地価、税制及び政策が挙げられますが、政府は空き家問題という観点からも良質な中古住宅の活用を図るべく、中古住宅の流通市場の整備及びリフォーム市場の活性化を促進するため、宅地建物取引業法の改正等を行っております。

当社は主に築年数20~40年の中古住宅を取り扱っており、これらの中古住宅をリフレッシュ・リフォームして、年収300万円前後の一次取得者にリーズナブルな価格で提供しております。これにより、中古住宅が空き家となるリスクを回避して政府の施策を支援するとともに、建て替え等による廃材の増加を抑えて、環境に優しく、また一次取得者の方にリーズナブルな価格で住宅を提供して、人に優しい事業を展開しております。

また、物価上昇等によって金利が上昇した場合、ローン金利の負担増加により買主の買い控えが懸念されますが、現状においては、物価上昇率が低水準であることに加え、景気回復が緩やかであることから、いまだ金融緩和策が継続されております。

一方で、アパート建設に対する過剰融資が懸念されていることから、金融政策が変化する可能性があることに加え、不測の事態により金利が上昇すれば、当社の資金調達に影響を与える可能性があります。当社は、中古住宅の仕入れの多くを借入金によって賄っているため、貸し渋りや金利の負担増加による業績への影響を考慮し、資金調達方法の多様化を検討しております。また、中古住宅の仕入候補を選別する能力を一層高めるとともに販売用不動産の長期滞留を回避する必要があると考えております。

 

②  法令等について

当社の主たる事業の前提となる宅地建物取引業免許の有効期間は、2018年11月9日から5年間であり、以降も継続できるものと考えております。

なお、宅地建物取引業法は2016年度の改正により、建物状況調査(インスペクション)に関する説明について重要事項説明書に記載することが義務化されることになりましたので、今後の施策への影響が考慮されます。また、不動産業界に影響を与える規制は多岐にわたります。たとえば、2020年4月には改正民法の施行により、瑕疵担保責任が契約不適合責任に変わります。その変更により、当社の業績が影響を受ける可能性について検討する必要があります。当社は、法令等の改正による規制強化の動向に注視してまいります。

 

③  その他

当社は、人材の重要性に鑑み、新規学卒者及び中途入社者の採用の強化及び研修の充実を推進しておりますが、住宅販売の際に必要な資格等の問題もあり、十分な陣容に至っておりません。今後は人材の確保と従業員の離職防止を実現すべく、給与及び勤務時間等の雇用条件の改善及び福利厚生の充実を実施してまいります。また、住宅販売の資格取得、あるいは階層別の研修を拡充することにより、営業手法だけでなく、コンプライアンスの意識向上や部下の指導に関するスキルアップも図ってまいります。あわせて営業員向けのマニュアルを整備して、営業力の強化を図ります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。