(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善がみられ、消費の回復を後押しするなど回復基調で推移したものの、中国経済を始めとした新興国経済の減速懸念から依然不透明な状況が続いております。
当社グループが関連するインターネット広告市場においては、平成27年のインターネット広告費(注1)が1兆1,594億円(前年比10.2%増)と広告費全体の18.8%を占めるまでに拡大しております。そのうち、運用型広告費(注1、2)においては、6,226億円(前年比21.9%増)と高い成長をしております。
(注) 1.株式会社電通「2015年日本の広告費」平成28年2月23日
2.運用型広告とは、膨大なデータを処理するプラットフォームにより、広告の最適化を自動的もしくは即時的に支援する広告手法のこと。検索連動型広告や一部のアドネットワークが含まれるほか、新しく登場してきたDSP/アドエクスチェンジ/SSPなどが典型例。なお、枠売り広告、タイアップ広告、アフィリエイト広告などは、運用型広告には含まれない。
このような状況のもと、当社グループは、マーケティング・テクノロジー・カンパニーとして主力事業であるDSP(注3)事業を展開し、RTB(注4)広告及びソーシャル関連広告市場の拡大を背景に、幅広い業種における広告主の広告効果の最大化及び媒体社に対する収益最大化に取り組みました。また、当連結会計年度より、株式会社インティメート・マージャーを連結子会社化したことにより、新たにDMP(注5)事業領域へ拡大し、大規模ポータルサイトのDMP構築、クライアント企業及び代理店のデータマーケティングの支援を行ってまいりました。
さらに、当第2四半期連結会計期間末において、M.T.Burn 株式会社は LINE 株式会社との資本提携を機に実質的な支配関係がなくなったため、連結範囲から除外し、持分法適用関連会社としております。なお、平成28年3月31日までの損益計算書及びキャッシュ・フロー計算書については連結しております。
加えて、当第4四半期連結会計期間より、株式会社電子広告社を連結子会社化したことにより、広告主のオンラインマーケティングにおける成果向上の拡大を図るためにトレーディングデスクサービスを展開しております。また、海外における事業の拡大に伴いPT. FreakOut dewina Indonesiaを連結範囲に含めております。
以上の取り組みの結果、当連結会計年度の業績は、売上高5,792,944千円(前年同期比37.4%増)、営業利益358,491千円(前年同期比273.0%増)、当社取締役佐藤裕介が代表取締役を兼務する M.T.Burn 株式会社が当期純利益を計上したことにより当社持分として217,383千円を持分法による投資利益に計上したことに伴い経常利益561,527千円(前年同期比485.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益394,208千円(前年同期比499.7%増)となっております。
(注) 3.DSP(デマンドサイド・プラットフォーム)
広告主側から見た広告効率の最大化を支援するシステム。RTBの技術を活用し、広告主や広告代理店がSSP等を対象に、ユーザーの1視聴毎に、広告枠に対してリアルタイムに最適な自動入札取引・広告配信を行うシステムを提供するプラットフォーム
4.RTB(リアルタイムビッティング)
ウェブサイトに来訪したユーザーの1視聴毎にリアルタイムにインターネット広告の入札が行われる仕組み
5.DMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)
広告主がもつ自社サイトへのアクセスデータ、広告配信データ、会員データなどのデータを管理及び解析し、メール配信や分析調査などの様々なデータ活用チャネルと連携し利用可能にする、データ統合管理ツール
セグメントの業績につきまして、当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを追加しております。前連結会計年度において単一セグメントとしていたため、当連結会計年度の比較・分析については行っておりません。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。なお、各セグメント別の売上高は、セグメント間の内部売上高及び振替高を含む数値を記載しております。
(DSP事業)
DSP事業では、DSP「FreakOut」、ネイティブアドプラットフォーム「Hike」及びトレーディングデスクサービスの提供を行い、幅広い業種における広告主の広告効果の最大化及び媒体社に対する収益最大化に取り組みました。
この結果、DSP事業の売上高は、5,134,323千円、セグメント利益は300,161千円となっております。
(DMP事業)
当第1四半期連結会計期間より、株式会社インティメート・マージャーを連結子会社化したことにより、新たにDMP事業領域へ拡大し、大規模ポータルサイトのDMP構築、クライアント企業及び代理店のデータマーケティングの支援を行ってまいりました。
この結果、DMP事業の売上高は、704,372千円、セグメント利益は58,327千円となっております。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度末より1,319,710千円増加し、残高は3,140,034千円(前年同期比72.5%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果獲得した資金は253,506千円(前連結会計年度は26,401千円の支出)となりました。これは主に、売上債権の増加446,415千円があったものの、税金等調整前当期純利益624,286千円の計上及び仕入債務の増加430,228千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は409,524千円(前連結会計年度は127,510千円の支出)となりました。これは主に、関係会社株式及び投資有価証券の取得による支出237,613千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果獲得した資金は1,605,819千円(前連結会計年度は117,768千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入1,300,000千円によるものであります。
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
DSP事業 |
5,133,216 |
121.7 |
|
DMP事業 |
659,727 |
― |
|
合計 |
5,792,944 |
137.4 |
(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを追加しております。前連結会計年度においてDSP事業の単一セグメントとしていたため、DMP事業については前年同期比の記載は行っておりません。
3.セグメント間取引については、相殺消去しております。
当社グループが対処すべき主な課題は、以下の項目と認識しております。
(1) インターネット広告取引市場の活性化
当社グループがサービスを提供するRTB及びネイティブ広告経由のインターネット広告取引市場は、RTB及びネイティブ広告の認知度の高まりとともに利用企業のニーズが本格化し、急速に成長しております。また、市場の拡大に伴いポータルサイト、SNS運営事業社、アドネットワーク提供事業社及び媒体社が、更にRTB及びネイティブ広告経由の広告配信を拡大させるとみられております。しかし、利用企業の更なる拡大を目指すためには、RTB及びネイティブ広告取引の認知度向上及び普及により、それらの市場を一層活性化させる必要があります。この課題に対応すべく、当社グループはRTB及びネイティブ広告市場の活性化、認知度向上を目指し、各種イベントでの啓蒙活動の実施及び積極的なプロモーションを行ってまいります。
(2) 開発力の更なる強化
インターネット広告市場においては、迅速に広告主、広告代理店及び媒体社のニーズに対応する実装速度や新しい技術や事業モデルへの対応が競争力の源泉となります。
当社グループのエンジニアは、オンライン・マーケティング・ソフトウェア開発における高い専門性を有し、また開発者のコミュニティーでも存在感を発揮しておりますが、勉強会等を通じて開発力の強化を一層図ってまいります。
また、上述のコミュニティー及び勉強会で当社グループをアピールしていくとともに、外部エンジニアとのコネクションを拡充して、優秀なエンジニアの確保を行っていく方針であります。
(3) 内部管理体制の強化
当社グループは現在、成長段階にあり、業務運営の効率化やリスク管理のための内部管理体制の強化が重要な課題であると考えております。
このため、バックオフィス業務の整備を推進し、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。具体的には、業務運営上のリスクを把握してリスク管理を適切に運用すること、定期的な当社グループの内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、監査役監査の実施による当社グループのコーポレート・ガバナンス機能強化及び投資家または株主の保護のために開示体制の充実などを行っていく方針であります。
(4) 優秀な人材の確保と組織体制の強化
当社グループは、今後のさらなる成長のために、優秀な人材の確保及び当社の成長フェーズに沿った組織体制の強化が不可欠であり、かつ、課題であると認識しております。
新卒採用の強化やソーシャルメディアの活用等、採用方法の多様化を図り、当社グループの求める資質を兼ね備えており、かつ、当社グループの企業風土にあった人材の登用を進めるとともに、教育体制の整備を進め人材の定着と能力の底上げを行ってまいります。
それにより、着実に組織体制の強化も図ってまいります。
(5) グローバル展開の強化
当社グループは、RTB及びネイティブ広告経由のインターネット広告取引において国内の市場だけにとどまらず、スマートフォンの急速な普及が進むアジア及び中東地域への市場に進出することにより、当社グループの事業の成長を目指してまいります。
(6) 情報セキュリティのリスク対応の強化
当社グループは、ウィルスや不正な手段による外部からのシステムへの侵入、システムの障害及び役職員・パートナー事業者の過誤による損害を防止するために、引き続き優秀な技術者の確保や、職場環境の整備及び社内教育による情報セキュリティの強化を図ってまいります。
以下において、当社グループの事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) 事業環境に関するリスクについて
① インターネットの普及について
当社グループが行うインターネット広告技術のひとつであるDSP事業は、精緻なターゲティング技術により、顧客である広告主及び広告代理店の効率的な広告配信をサポートするサービスであるため、インターネットの更なる普及及び利用拡大、企業の経済活動におけるインターネット利用の増加等が成長のための基本的な条件と考えております。
しかしながらインターネットの普及に伴う弊害の発生や利用に関する新たな法的規制や業界団体による規制の導入、その他予期せぬ要因により、今後の普及及び利用拡大を阻害されるような状況が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② インターネット広告市場について
近年、インターネット広告市場は拡大傾向にあり、インターネット広告はテレビに次ぐ広告媒体となっております。
しかしながら、広告市場は、景気動向や広告主の広告戦略の変化などによる影響を受け易い状況にあるため、今後これらの状況に変化が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります 。
③ RTB及びネイティブ広告の普及について
RTBは、広告の費用対効果を高め、効率的な広告出稿を実現いたします。また、ネイティブ広告は、デジタル広告をより美しく、ユーザーにとって役に立つ情報や興味深いコンテンツに進化させるテクノロジーとして、現在普及段階にあります。しかしながら、その将来性はいまだ不透明な部分があることから、今後においてRTB及びネイティブ広告の普及及び利用が想定通り推移しない状況が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 技術革新について
インターネット業界においては、事業に関連する技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が早く、それに基づく新サービスが常に生み出されております。また、インターネット広告業界においても、新しい広告手法やテクノロジーが次々と開発されております。当社グループが、これらの変化へ適切に対応できない場合、当社グループの業界における競争力が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 競合について
当社グループがサービスを提供していますDSP事業を行っている事業者は、国内において数社存在しております。また、RTB経由のインターネット広告取引は、国内で今後拡大が見込まれており、海外の既存のDSP事業者が日本国内のマーケットへ参入してきているため、参入企業が増加し、競争の激化やその対策のためのコスト負担等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 仕入先について
RTB及びネイティブ広告取引は、取引形態の性質上、広告枠を提供するSSP事業者、アドエクスチェンジ事業者及び媒体社からの仕入が必要となります。そのため、SSP事業者、アドエクスチェンジ事業者及び媒体社の方針、事業戦略の転換等によって、取引が継続されず広告枠の仕入ができなくなった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 法的規制について
現在のところ当社グループの事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はありませんが、インターネット関連分野においては「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(平成14年5月施行)や、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(平成12年2月施行)、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(平成20年6月成立)等の法的規制が存在しているほか、個人情報の取扱などについては、「個人情報の保護に関する法律」(平成15年5月成立)等が存在しております。また、インターネット上のプライバシー保護の観点からクッキー(ウェブサイト閲覧者のコンピューターにインストールされ、ユーザーのウェブ閲覧履歴を監視するテキストファイル)に対する規制など、インターネット利用の普及に伴って法的規制の在り方等については検討が引き続き行われている状況にあります。
このため、今後、インターネット関連分野において新たな法令等の制定や、既存法令等の改正等による規制強化等がなされた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 自然災害等について
当社グループの事業活動に必要なサーバーについては、自然災害、事故等が発生した場合に備え、外部のデータセンターの利用や定期的バックアップ、稼働状況の監視等によりシステムトラブルの事前防止又は回避に努めております。万一、当社の本社所在地である東京都において大地震や台風等の自然災害の発生や事故により、設備の損壊や電力供給の制限等の事象が発生した場合、当社グループが提供するDSP事業の継続に支障をきたし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業内容に関するリスクについて
① DSP事業への依存について
当社グループの売上高は、単一事業であるDSP事業による収益のみであり、当社グループの売上高はDSP事業に依存しております。したがって、事業環境の変化等への対応が適切でない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 新規事業について
当社グループは今後も引き続き、積極的に新サービスないしは新規事業に取り組んで参りますが、これによりシステムへの先行投資や、人件費等の追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、当初の予測とは異なる状況が発生し、新サービス、新規事業の展開が計画どおりに進まない場合、投資を回収できず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 海外展開について
当社グループのサービスの提供にあたっては、ネイティブ広告取引の世界的な普及、拡大にあわせて国際展開を進めております。海外市場への事業進出には、各国政府の予期しない法律又は規制の変更、社会・政治及び経済情勢の変化、為替制限や為替変動、電力・通信等のインフラ障害、各種税制の不利な変更、移転価格税制による課税等、海外事業展開に共通で不可避のリスクがあります。その他、海外市場が想定どおりに成長しない場合や当社グループのサービスが海外の顧客に浸透しないこと等を要因に、投資を回収できず、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(3) システム等に関するリスクについて
① 事業拡大に伴う設備投資について
当社グループでは、サービスの安定稼働及び事業成長に備え、継続的にシステムインフラ等への設備投資を計画しておりますが、当社グループの計画を上回る急激な事業成長等があった場合、設備投資の時期、内容、規模について変更せざるを得なくなる可能性があります。このような事態が生じた場合には、設備投資、減価償却費負担等の増加が想定され、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② システム障害について
当社グループは、システムトラブルの発生可能性を低減するために、安定的運用のためのシステム強化、セキュリティ強化を徹底しており、万が一トラブルが発生した場合においても短時間で復旧できるような体制を整えております。
しかしながら、システムへの一時的な過負荷や電力供給の停止、ソフトウエアの不具合、コンピューターウィルスや外部からの不正な手段によるコンピューターへの侵入、自然災害、事故など、当社グループの予測不可能な様々な要因によってシステムがダウンした場合、当社グループの事業活動に支障を生ずる可能性があります。またシステムの作動不能や欠陥等に起因して、当社グループの信頼が失墜し取引停止等に至る場合や、当社グループに対する損害賠償請求等が発生する場合も想定され、このような場合には当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 事業運営体制に関するリスクについて
① 特定人物への依存について
当社代表取締役である本田謙は、創業者であり、創業以来代表を務めております。同氏は、オンラインマーケティングに関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。
当社は、取締役会や経営会議等における役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、同氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により同氏が当社の業務を継続することが困難となった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
② 小規模組織であること
当社グループは小規模な組織であり、業務執行体制もこれに応じたものになっております。当社グループは今後の急速な事業拡大に応じて、従業員の育成、人材の採用を行うとともに業務執行体制の充実を図っていく方針でありますが、これらの施策が適時適切に進行しなかった場合には、当社グループの事業展開に影響を与える可能性があります。
③ 人材の確保及び育成について
当社グループは、現時点において上記のとおり小規模組織でありますが、今後更なる事業拡大に対応するためには、継続して優秀な人材の確保及び育成が必要であると考えております。
しかし、必要な人材の確保及び育成が計画通り進まなかった場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、この場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
④ 内部管理体制について
当社は、平成22年10月に設立し、未だ社歴が浅く成長途上にあるため、今後更なる事業拡大に対応する上で必要な経験などが十分に蓄積されていないと考えております。当社グループは、今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。しかしながら、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
(5) その他
① 配当政策について
当社は、創業して間もないことから、財務体質の強化に加えて事業拡大のための内部留保の充実等を図ることが重要であると考えておりますが、株主に対する利益還元も経営の重要課題であると認識しております。そのため、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針であります。内部留保につきましては、当社の競争力の維持・強化による将来の収益力向上を図るための設備投資及び効率的な体制整備に有効に活用する方針であります。
② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社では、株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、役員及び従業員に対して新株予約権を付与しております。
当連結会計年度末現在における新株予約権による潜在株式数は112,800株であり、発行済株式総数の0.9%に相当します。
権利行使についての条件が満たされ、これらの新株予約権が行使された場合には、株式価値の希薄化や株式売買需給への影響をもたらし、当社株価形成に影響を及ぼす可能性があります。
③ M&A及び資本業務提携について
当社グループは、同業他社等に対するM&Aや資本業務提携を実施することにより当社グループの事業を補完・強化することが可能であると考えており、事業規模拡大のための有効な手段の一つであると位置づけております。今後もM&Aや資本業務提携等を通じて事業拡大又は人員確保を継続していく方針であります。M&A等の実行に際しては、対象企業に対して財務・税務・法務・ビジネス等に関する詳細なデューデリジェンスを行い、各種リスク低減に努める方針でありますが、これらの調査で確認・想定されなかった事象がM&A等の実行後に判明あるいは発生した場合や、市場環境の変化等により事業展開が計画どおりに進まない場合には、対象企業の投資価値の減損処理を行う等、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表を作成するに当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、5,700,792千円(前連結会計年度末は3,178,481千円)となり、2,522,311千円増加しました。
流動資産は、4,614,718千円(前連結会計年度末は2,624,825千円)となり、1,989,892千円増加しました。これは主に、借入に伴う現金及び預金の増加1,319,710千円によるものであります。
固定資産は、1,086,074千円(前連結会計年度末は553,655千円)であり、532,419千円増加しました。
有形固定資産は212,191千円(前連結会計年度末は254,642千円)、無形固定資産は234,133千円(前連結会計年度末は12,244千円)、投資その他の資産は639,749千円(前連結会計年度末は286,768千円)となりました。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、2,503,429千円(前連結会計年度末は847,238千円)となり、1,656,191千円増加しました。
流動負債は、1,519,626千円(前連結会計年度末は703,181千円)となり、816,444千円増加しました。これは主に、仕入の増加に伴う買掛金の増加448,804千円、1年内返済予定の長期借入金の増加259,620千円によるものであります。
固定負債は、983,803千円(前連結会計年度末は144,056千円)となり、839,746千円増加しました。これは主に、長期借入金の増加836,985千円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、3,197,363千円(前連結会計年度末は2,331,242千円)となり、866,120千円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加394,208千円、新株予約権の行使による資本金の増加111,135千円及び資本剰余金の増加111,135千円、連結子会社の増資による持分の増加による資本剰余金の増加194,788千円によるものであります。
企業の安定性を示す自己資本比率は、当連結会計年度末は54.7%であります。
(3) 経営成績の分析
(売上高)
売上高は、5,792,944千円(前連結会計年度比37.4%増)となりました。主な要因は、RTB広告、ネイティブ広告及びソーシャル関連の広告の成長によるものであります。
(売上原価)
売上原価は、3,789,311千円(前連結会計年度比31.7%増)となりました。主な要因は、売上高の増加に伴う仕入高の増加及びサーバー関連費が増加したためであります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、1,645,141千円(前連結会計年度比32.2%増)となりました。主な要因は、従業員の増加に伴う人件費の増加であります。
この結果、営業利益は358,491千円(前連結会計年度比273.0%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は218,940千円(前連結会計年度比1,292.3%増)、営業外費用は15,905千円(前連結会計年度比0.3%減)となりました。営業外収益の主な内容は、持分法投資利益が発生したこと等によるものであります。また、営業外費用の主な内容は、為替差損が発生したこと等によるものであります。
この結果、経常利益は561,527千円(前連結会計年度比485.6%増)となりました。
(特別利益、特別損失、税金等調整前当期純利益)
特別利益は93,830千円(前連結会計年度比691.8%増)、特別損失は31,071千円(前連結会計年度比11,518.0%増)となりました。特別利益の主な内容は、段階取得に係る差益が発生したこと等によるものであります。また、特別損失の主な内容は、投資有価証券評価損が発生したこと等によるものであります。
この結果、税金等調整前当期純利益は624,286千円(前連結会計年度比480.9%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等は、234,209千円(前連結会計年度比72.5%増)となりました。また、非支配株主に帰属する当期純損失は4,131千円(前連結会計年度比95.6%減)となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は394,208千円(前連結会計年度比499.7%増)となりました。
(4) キャッシュ・フローの分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、事業環境、事業内容、システム等、事業運営体制、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制を強化し、優秀な人材を確保し、市場のニーズに合ったサービスを展開していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。
(6) 経営戦略の現状と見通し
当社グループが関連するインターネット広告市場においては、平成27年のインターネット広告費(注1)が1兆1,594億円(前年比10.2%増)と広告費全体の18.8%を占めるまでに拡大しております。そのうち、運用型広告費(注1、2)においては、6,226億円(前年比21.9%増)と高い成長をしております。
このような市場環境の中、当社グループとしましては、DSP「FreakOut」、DMP領域及びネイティブ広告プラットフォーム「Hike」の更なる機能開発及び販売の強化により収益の拡大を図ります。
また、これらのサービスをPCのみの事業領域から、主にスマートフォンを中心とするモバイルへの事業領域への展開を行い、DMP領域に高精度なデータを追加する機能を拡張し、さらに、国内市場のみならず海外市場(主に東南アジア及び中東地域)にて、RTB及びネイティブ広告を拡大し事業成長を目指してまいります。
(注) 1.株式会社電通「2015年日本の広告費」平成28年2月23日
2.運用型広告とは、膨大なデータを処理するプラットフォームにより、広告の最適化を自動的もしくは即時的に支援する広告手法のこと。検索連動型広告や一部のアドネットワークが含まれるほか、新しく登場してきたDSP/アドエクスチェンジ/SSPなどが典型例。なお、枠売り広告、タイアップ広告、アフィリエイト広告などは、運用型広告には含まれない。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案し、社会貢献を前提として企業価値を最大限に高めるべく努めております。経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載しております。