第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績 

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境の改善がみられ、消費の回復を後押しするなど回復基調で推移したものの、中国経済を始めとした新興国経済及びEU圏経済の減速懸念から依然不透明な状況が続いております。
 当社グループの主要な事業領域であるインターネット広告市場には、平成28年のインターネット広告費(注1)が1兆3,100億円(前年比13.0%増)と広告費全体の20.8%を占めるまでに拡大しております。そのうち、運用型広告費においては、7,383億円(前年比18.6%増)と高い成長をしております。

 

このような状況のもと、当連結会計年度において当社はコーポレートビジョンである「人に人らしい仕事を」の実現を目指し、以下のような取り組みを進めてまいりました。

まず、国内インターネット広告市場においては、スマートフォン領域における広告効果の最大化を目指し、最先端の広告配信最適化技術の適用、優良な独自広告枠在庫の確保を実現したモバイル特化型のマーケティングプラットフォーム「Red」が引続き順調に推移し、業績を牽引いたしました。                
  また、将来に向けた事業投資として、DSP事業を中心とする従来のサービスで培ってきたノウハウ・経験を活かし、媒体社への独自広告配信プラットフォーム開発・運用支援を目的とした新プロダクト「Red for Publishers」を開発・リリースいたしました。これにより媒体社は広告配信による収益最大化を本プロダクトに委ね、本来リソースを注ぐべきコンテンツの充実や集客に専念することが可能となると共に、広告主へ向けても、優良な媒体社の広告枠へ当社DSP「Red」が優先的に接続されることによって、従来からの目的であった広告価値の最大化のさらなる追求が可能となります。

一方、海外においては、既存拠点の収益化を推進しつつ、ベトナム、フィリピン、マレーシア、インド、イランへ新規に進出し、東南アジア~南アジア主要各国への進出と主要メディアとの関係構築を中心とした将来投資を積極的に実施いたしました。さらに、台湾にてトレーディングデスク事業及びメディアマネタイズ支援事業を展開するadGeek Marketing Consulting Co., Ltd.を子会社化するなど、海外事業の戦略的パートナーを獲得し、アジア全域での事業を推進するための投資を実施いたしました。

加えて、インターネット広告市場以外の分野においても、これまで培ってきた当社グループの技術資産であるデータ解析基盤、機械学習エンジンを活用することで、あらゆる領域において当社のコーポレートビジョン「人に人らしい仕事を」の実現を目指す「バーティカルクラウド構想」実現に向けた投資を進めてまいりました。その一環として、HR Tech(注2)領域においてはクラウド型採用管理システムを展開する株式会社タレンティオの子会社化、Retail Tech(注3)領域においてはマーケティングテクノロジー領域での知見を活用し、流通・小売業の抱える様々な課題を解決するリテールテックプロダクトユニット 「ASE(エース)」の発足などを実施いたしました。

 

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高12,019百万円(前年同期比107.5%増)、営業利益601百万円(前年同期比67.8%増)、経常利益1,208百万円(前年同期比115.2%増)、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額+持分法による投資利益)1,428百万円(前年同期比108.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益842百万円(前年同期比113.6%増)となりました。

なお、当連結会計年度より当社では、個人投資家・国内外機関投資家の皆さまへの統一的な指標によるご説明と一時的な影響を除外した恒常的な収益力を測定する観点から、会計基準の影響を受けない国際的な評価指標であり、かつ、営業キャッシュ・フロー稼得能力を表す指標であるEBITDAを業績指標として採用しております。

 

(注)1.出典:株式会社電通「2016年日本の広告費」平成29年2月23日

2.HR Tech:人材関連分野へテクノロジーを活かしたプロダクトを提供するサービス

3. Retail Tech:流通小売関連分野へテクノロジーを活かしたプロダクトを提供するサービス

 

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。
 なお、当第2四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しておりますので、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

また、各セグメント別の売上高は、セグメント間の内部売上高及び振替高を含む数値を記載しております。

 

 (DSP事業)

DSP事業では、DSPプラットフォーム「Red」・「FreakOut」、ネイティブアドプラットフォーム及びトレーディングデスクサービスの提供を行い、また、新プロダクト「Red for Publishers」を開発・リリースし、広告主の広告効果最大化及び媒体社の収益最大化に取り組みました。

当連結会計年度においては、特にスマートフォン広告市場の拡大により、当社グループが提供をしておりますモバイル向けDSPプラットフォーム「Red」が引続き業績を牽引いたしました。また海外子会社の事業も堅調に推移いたしました。

この結果、DSP事業の売上高は10,703百万円(前年同期比108.5%増)、セグメント利益は774百万円(前年同期比158.0%増)となりました。

 

 (DMP事業)

DMP事業では、データ活用によりクライアント企業のマーケティング課題を解決する事業を行っております。

当連結会計年度においては、データを活用したデータマーケティングにおける認知度向上及び導入社数の増加を背景に、DMP事業の業績が拡大いたしました。

この結果、DMP事業の売上高は1,366百万円(前年同期比94.1%増)、セグメント利益は126百万円(前年同期比116.6%増)となりました。

 

 (その他事業)

その他事業では、国内外のグループにおける新規事業及び経営管理を行っております。
 当連結会計年度においては、HR Tech領域などの投資を実施いたしました。
 この結果、その他事業の売上高は424百万円、セグメント損失は299百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ13百万円増加し、3,153百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び主な変動要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動においては、317百万円の資金流入(前連結会計年度は253百万円の資金流入)となりました。これは主に、税引等調整前当期純利益1,176百万円、持分法投資利益614百万円の計上及び売上債権の増加による資金流出305百万円によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動においては、2,729百万円の資金流出(前連結会計年度は409百万円の資金流出)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得1,336百万円及び投資有価証券の取得707百万円によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動においては、2,321百万円の資金流入(前連結会計年度は1,605百万円の資金流入)となりました。これは主に、短期借入金の純増減による資金流入2,565百万円によるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

該当事項はありません。

 

(2) 受注実績

該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

DSP事業

10,690

208.3

DMP事業

1,322

200.5

その他事業

6

合計

12,019

207.5

 

 

(注) 1.当第2四半期連結会計期間より、事業セグメントの区分方法を見直し、報告セグメントの区分を「DSP事業」「DMP事業」「その他事業」に変更しております。そのため、その他事業については前年同期比の記載は行っておりません。

2.セグメント間の取引は相殺消去しております。

3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

株式会社サイバーエージェント

1,660

13.8

株式会社セプテーニ

1,278

10.6

 

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは「人に人らしい仕事を」をコーポレートビジョンとして、国内外の広告業界において、広告主の広告価値最大化、媒体社の収益最大化を、卓越したプロダクトの提供により推進してまいります。また、「バーティカルクラウド」構想のもと、広告以外の領域においても、当社の技術資産であるデータ解析基盤、機械学習エンジンをベースとして、人事関連技術(HR Tech)、流通・小売関連技術(Retail Tech)領域のみならず、新たに金融関連技術(Fin Tech)領域など、既存の枠組みに捉われず、あらゆる人に、人にしかできない仕事に専念するための環境を提供するサービスを提供してまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループが重要視している経営指標は、売上高及びEBITDAであります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、広告事業(国内)においては「Red for Publishers」の積極展開、広告事業(海外)においてはすでに進出した拠点及びM&Aを実施した先の売上拡大及びASEANエリアのリージョン予算の獲得を重点戦略として進めてまいります。また、広告事業以外の領域においては、人事関連技術(HR Tech)、流通・小売関連技術(Retail Tech)、金融関連技術(Fin Tech)などの新領域における事業拡大を図る方針であります。

 

(4) 会社の対処すべき課題

① 開発力の更なる強化

当社グループの更なる事業拡大にむけて、優秀なエンジニアの採用・育成の強化を国内のみならずグローバルに図ってまいります。

また、優秀なエンジニアを確保するため、エンジニアのコミュニティーや勉強会で当社のプレゼンスを高め、外部エンジニアとのコネクションの拡充を行っていくとともに、様々な採用方法を活用してまいります。

 

② M&A等による事業成長及び事業領域拡大

当社グループは、既存事業のシナジーが発揮できる事業領域及び当社グループの技術基盤を活用できる事業領域に対して投資を行い、持続的な成長に努めてまいります。

 

③ 内部管理体制の強化

当社グループの経営の公正性・透明性を確保するために、今後の事業拡大に伴い増加が予想される管理業務及びグローバル展開に対応する優秀な人材の確保をすることで内部管理体制強化に取り組んでまいります。また、定期的な当社グループの内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、監査等委員監査による当社グループのコーポレート・ガバナンス機能強化に取り組んでまいります。

 

④ 情報セキュリティのリスク対応の強化

当社グループは、ウィルスや不正な手段による外部からのシステムへの侵入、システムの障害及び役職員・パートナー事業者の過誤による損害を防止するために、引き続き優秀な技術者の確保や、職場環境の整備及び社内教育による情報セキュリティの強化を図ってまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性があるすべてのリスクを網羅するものではありません。

 

(1) 事業環境に関するリスクについて

① インターネットの普及について

当社グループは、主に国内外においてインターネット上でサービスの提供をしております。インターネットの更なる普及及び利用拡大、企業の経済活動におけるインターネット利用の増加等が成長のための基本的な条件と考えております。

しかしながらインターネットの普及に伴う弊害の発生や利用に関する新たな法的規制や業界団体による規制の導入、その他予期せぬ要因により、今後の普及及び利用拡大を阻害されるような状況が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② インターネット広告市場について

近年、インターネット広告市場は拡大傾向にあり、インターネット広告はテレビに次ぐ広告媒体となっております。

しかしながら、広告市場は、景気動向や広告主の広告戦略の変化などによる影響を受け易い状況にあるため、今後これらの状況に変化が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ プログラマティック広告の普及について

当社グループの主要サービスであるインターネット広告のプログラマティック広告取引は、現在普及段階にあります。しかしながら、その将来性はいまだ不透明な部分があることから、今後においてプログラマティック広告取引の普及及び利用が想定通り推移しない状況が生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 技術革新について

インターネット業界においては、事業に関連する技術革新のスピードや顧客ニーズの変化が早く、それに基づく新サービスが常に生み出されております。また、インターネット広告業界においても、新しい広告手法やテクノロジーが次々と開発されております。当社グループが、これらの変化へ適切に対応できない場合、当社グループの業界における競争力が低下し、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 競合について

当社グループの主要サービスであるプログラマティック広告取引を行っている事業者は、国内において数社存在しております。また、プログラマティック広告取引は、国内で今後拡大が見込まれており、海外の既存のプログラマティック広告取引事業者が日本国内のマーケットへ参入してきているため、参入企業が増加し、競争の激化やその対策のためのコスト負担等により、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 仕入先について

当社グループの主要サービスであるプログラマティック広告取引は、取引形態の性質上、広告枠を提供するSSP事業者、アドエクスチェンジ事業者及び媒体社からの仕入が必要となります。そのため、SSP事業者、アドエクスチェンジ事業者及び媒体社の方針、事業戦略の転換等によって、取引が継続されず広告枠の仕入ができなくなった場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑦ 法的規制について

現在のところ当社グループの事業継続に著しく重要な影響を及ぼす法的規制はありませんが、インターネット関連分野においては「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」(平成14年5月施行)や、「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」(平成12年2月施行)、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」(平成20年6月成立)等の法的規制が存在しているほか、個人情報の取扱などについては、「個人情報の保護に関する法律」(平成15年5月成立)等が存在しております。また、インターネット上のプライバシー保護の観点からクッキー(ウェブサイト閲覧者のコンピューターにインストールされ、ユーザーのウェブ閲覧履歴を監視するテキストファイル)に対する規制など、インターネット利用の普及に伴って法的規制の在り方等については検討が引き続き行われている状況にあります。

このため、今後、インターネット関連分野において新たな法令等の制定や、既存法令等の改正等による規制強化等がなされた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 自然災害等について

当社グループの事業活動に必要なサーバーについては、自然災害、事故等が発生した場合に備え、外部のデータセンターの利用や定期的バックアップ、稼働状況の監視等によりシステムトラブルの事前防止又は回避に努めております。万一、当社の本社所在地である東京都において大地震や台風等の自然災害の発生や事故により、設備の損壊や電力供給の制限等の事象が発生した場合、当社グループが提供するDSP事業の継続に支障をきたし、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 事業内容に関するリスクについて

① DSP事業への依存について

当社グループの売上高は、DSP事業の収益が当社グループに占める割合が高くなっております。したがって、事業環境の変化等への対応が適切でない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 新規事業について

当社グループは今後も引き続き、積極的に新サービスないしは新規事業に取り組んで参りますが、これによりシステムへの先行投資や、人件費等の追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また、当初の予測とは異なる状況が発生し、新サービス、新規事業の展開が計画どおりに進まない場合、投資を回収できず、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 海外展開について

当社グループのサービスの提供にあたっては、プログラマティック広告取引の世界的な普及、拡大にあわせて国際展開を進めております。海外市場への事業進出には、各国政府の予期しない法律又は規制の変更、社会・政治及び経済情勢の変化、為替制限や為替変動、電力・通信等のインフラ障害、各種税制の不利な変更、移転価格税制による課税等、海外事業展開に共通で不可避のリスクがあります。その他、海外市場が想定どおりに成長しない場合や当社グループのサービスが海外の顧客に浸透しないこと等を要因に、投資を回収できず、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) システム等に関するリスクについて

① 事業拡大に伴う設備投資について

当社グループでは、サービスの安定稼働及び事業成長に備え、継続的にシステムインフラ等への設備投資を計画しておりますが、当社グループの計画を上回る急激な事業成長等があった場合、設備投資の時期、内容、規模について変更せざるを得なくなる可能性があります。このような事態が生じた場合には、設備投資、減価償却費負担等の増加が想定され、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

② システム障害について

当社グループは、システムトラブルの発生可能性を低減するために、安定的運用のためのシステム強化、セキュリティ強化を徹底しており、万が一トラブルが発生した場合においても短時間で復旧できるような体制を整えております。

しかしながら、システムへの一時的な過負荷や電力供給の停止、ソフトウエアの不具合、コンピューターウィルスや外部からの不正な手段によるコンピューターへの侵入、自然災害、事故など、当社グループの予測不可能な様々な要因によってシステムがダウンした場合、当社グループの事業活動に支障を生ずる可能性があります。またシステムの作動不能や欠陥等に起因して、当社グループの信頼が失墜し取引停止等に至る場合や、当社グループに対する損害賠償請求等が発生する場合も想定され、このような場合には当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 事業運営体制に関するリスクについて

① 特定人物への依存について

当社代表取締役である本田謙及び佐藤裕介は、オンラインマーケティングに関する豊富な経験と知識を有しており、経営方針や事業戦略の決定及びその遂行において極めて重要な役割を果たしております。

当社は、取締役会等における役員及び幹部社員の情報共有や経営組織の強化を図り、両氏に過度に依存しない経営体制の整備を進めておりますが、何らかの理由により両氏が当社の業務を継続することが困難となった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

② 人材の確保及び育成について

当社グループは、今後更なる事業拡大に対応するためには、継続して優秀な人材の確保及び育成が必要であると考えております。

しかし、必要な人材の確保及び育成が計画通り進まなかった場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因が生じる可能性があり、この場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 内部管理体制について

当社グループは、今後の事業運営及び事業拡大に対応するため、内部管理体制について一層の充実を図る必要があると認識しております。しかしながら、事業規模に適した内部管理体制の構築に遅れが生じた場合、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

(5) その他 

① 配当政策について

当社は、財務体質の強化に加えて事業拡大のための内部留保の充実等を図ることが重要であると考えておりますが、株主に対する利益還元も経営の重要課題であると認識しております。そのため、収益力の強化や事業基盤の整備を実施しつつ、内部留保の充実状況及び企業を取り巻く事業環境を勘案したうえで、株主に対して安定的かつ継続的な利益還元を実施する方針であります。内部留保につきましては、当社の競争力の維持・強化による将来の収益力向上を図るための設備投資及び効率的な体制整備に有効に活用する方針であります。

 

② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について

当社では、株主価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲や士気を一層高めることを目的として、役員及び従業員に対して新株予約権を付与しております。

有価証券報告書提出日現在における新株予約権による潜在株式数は773,500株であり、発行済株式総数の5.8%に相当します。

権利行使についての条件が満たされ、これらの新株予約権が行使された場合には、株式価値の希薄化や株式売買需給への影響をもたらし、当社株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

③ 無担保転換社債型新株予約権付社債の行使による株式価値の希薄化について

当社では、フロントでの確実な資金調達を実行しつつ将来の適切な株価水準において機動的に資本増強を実行するため、無担保転換社債型新株予約権付社債(以下、「本新株予約権付社債」という。)を発行しております。
 有価証券報告書提出日における本新株予約権付社債の転換による潜在株式数は944,370株であり、発行済株式総数の7.1%に相当します。
 当社株価が当初転換価額である4,765円を上回ることで本新株予約権付社債の転換についての条件が満たされ、これらの本新株予約権付社債が転換された場合には、株式価値の希薄化や株式売買需給への影響をもたらし、当社株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 行使条件付新株予約権「TIP」の行使による株式価値の希薄化について

当社では、将来の適切な株価水準・適切なタイミングでさらなる資金調達・資本増強を効率的に実施するため、行使条件付新株予約権(以下、「TIP新株予約権」という。)を発行しております。
 有価証券報告書提出日におけるTIP新株予約権による潜在株式数は600,000株(第8回新株予約権320,000株、第9回新株予約権280,000株)であり、発行済株式総数の4.5%に相当します。
 当社株価が行使価額(第8回6,300円、第9回7,600円)を上回り、かつ当社がTIP新株予約権の行使を許可した場合には、これらのTIP新株予約権が行使され、株式価値の希薄化や株式売買需給への影響をもたらし、当社株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ M&A及び資本業務提携について

当社グループは、同業他社等に対するM&Aや資本業務提携を実施することにより当社グループの事業を補完・強化することが可能であると考えており、事業規模拡大のための有効な手段の一つであると位置づけております。今後もM&Aや資本業務提携等を通じて事業拡大又は人員確保を継続していく方針であります。M&A等の実行に際しては、対象企業に対して財務・税務・法務・ビジネス等に関する詳細なデューデリジェンスを行い、各種リスク低減に努める方針でありますが、これらの調査で確認・想定されなかった事象がM&A等の実行後に判明あるいは発生した場合や、市場環境の変化等により事業展開が計画どおりに進まない場合には、対象企業の投資価値の減損処理を行う等、当社グループの業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(持株会社体制への移行に伴う会社分割)

当社は、平成28年11月18日開催の取締役会及び平成28年12月21日開催の第6期定時株主総会の決議に基づき、平成29年1月4日付で当社を分割会社とする会社分割(新設分割)を実施し、持株会社体制へ移行いたしました。
 本件分割の概要は以下のとおりであります。

 

(1)会社分割の目的

当社は、新規事業やM&Aを含むグループ経営の戦略立案機能を強化すること、グループ各社の権限・責任の明確化とともに経営の自主性を推進してグループとして企業競争力の強化を図ること、グループ経営管理及び業務執行の分離によるコーポレート・ガバナンスの向上を図ることが必要であると判断し、これらを実現する上で最適な手法として、本新設分割の方法による持株会社体制への移行を決定したものであります。

 

(2)会社分割の方法

当社を分割会社とし、新設する株式会社フリークアウトを新設分割設立会社とする新設分割(当社は平成29年1月4日をもって、商号を「株式会社フリークアウト・ホールディングス」に変更)

 

(3)会社分割の期日

平成29年1月4日

 

(4)分割に際して発行する株式及び割当

株式会社フリークアウトは、本新設分割に際して普通株式1,000株を発行し、その全部を当社に割り当てます。

 

(5)割当株式数の算定根拠

本件分割に際して当社に対して交付される本件新設分割設立会社の株式の数につきましては、本件分割は単独新設分割であることから、割当てられる株式数によって当社と本件新設分割設立会社との間の実質的な権利関係に差異が生じることはなく、これを任意に定めることができると認められるところ、当社の持株会社体制への移行の目的に鑑み、完全子会社となる本件新設分割設立会社株式の効率的な管理及び本件新設分割設立会社の資本金の額等を考慮し、前記の割当株式数が相当であると判断して、決定いたしました。

 

(6)分割した事業の経営成績(平成28年9月期)

 売上高    4,677百万円

 

(7)分割した資産・負債の状況(平成29年1月4日現在)

単位:百万円

資    産

負   債

項 目

帳簿価格

項 目

帳簿価格

流動資産

67

流動負債

23

固定資産

9

固定負債

合計

76

合計

23

 

 

(8)新設会社の概要

 商号   株式会社フリークアウト

 代表者  代表取締役社長 時吉 啓司

 住所   東京都港区六本木六丁目3番1号

 資本金  50百万円

 事業内容 DSP事業

 

(連結子会社との経営指導契約及び業務委託契約の締結)

当社は、平成29年1月4日付で当社を分割会社とする会社分割(新設分割)を実施し、持株会社体制へ移行したことに伴い、平成29年1月16日付で、連結子会社である株式会社フリークアウトとの間で、経営指導契約及び業務委託契約を締結いたしました。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末における総資産は9,992百万円となり、前連結会計年度末と比べ4,291百万円増加しました。これは主に、受取手形及び売掛金の増加576百万円、のれんの増加1,338百万円、投資有価証券の取得等1,607百万円によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末における負債は5,677百万円となり、前連結会計年度末と比べ3,174百万円増加しました。これは主に、短期借入金の増加2,641百万円によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は4,314百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,117百万円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加842百万円によるものであります。

 企業の安定性を示す自己資本比率は、当連結会計年度末は40.8%であります。

 

(2) 経営成績の分析

(売上高)

売上高は、12,019百万円(前連結会計年度比107.5%増)となりました。主な要因は、ネイティブ広告の成長によるものであります。

 

(売上原価)

売上原価は、8,839百万円(前連結会計年度比133.3%増)となりました。主な要因は、サーバー関連費が増加したためであります。

 

(販売費及び一般管理費、営業利益)

販売費及び一般管理費は、2,577百万円(前連結会計年度比56.7%増)となりました。主な要因は、従業員の増加に伴う人件費の増加であります。
 この結果、営業利益は601百万円(前連結会計年度比67.8%増)となりました。

 

(営業外収益、営業外費用、経常利益)

営業外収益は624百万円(前連結会計年度比185.3%増)、営業外費用は17百万円(前連結会計年度比10.5%増)となりました。営業外収益の主な内容は、持分法投資利益が発生したことによるものであります。また、営業外費用の主な内容は、支払利息によるものであります。
 この結果、経常利益は1,208百万円(前連結会計年度比115.2%増)となりました。

 

(特別利益、特別損失、税金等調整前当期純利益)

特別利益は0百万円(前連結会計年度比99.7%減)、特別損失は32百万円(前連結会計年度比3.8%増)となりました。特別利益の主な内容は、固定資産の売却によるものであります。また、特別損失の主な内容は、関係会社清算損の発生によるものであります。
 この結果、税金等調整前当期純利益は1,176百万円(前連結会計年度比88.5%増)となりました。

 

(親会社株主に帰属する当期純利益)

法人税等は、290百万円(前連結会計年度比24.0%増)となりました。また、非支配株主に帰属する当期純利益は44百万円(48百万円増)となりました。
 この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は842百万円(前連結会計年度比113.6%増)となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。