文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、“夢現(ムゲン)”「夢を現実にし、理想を追求する」を社是とし、「住宅取得というお客様の夢を実現することをお手伝いしたい」という想いが込められております。新築マンションと比較して割安感の強い「再生した中古マンション」の販売から発展してきた当社グループは、より多くのお客様の夢を現実にするために、一棟賃貸マンションや一棟オフィスビル等の中古の投資用不動産を中心に取扱商品の拡大を図っております。今後におきましても、社是及び企業理念を経営の基本方針として事業に取り組み、中古不動産の再生・流通を通して住宅ストック型市場の発展に貢献し、企業価値の更なる向上を目指してまいります。
[経営環境]
当社グループが属する不動産業界では、継続する低金利環境を背景に、不動産価格は安定的に上昇してきました。投資用不動産に関しましては、グローバルの視点からみた日本の不動産利回りと金利差のイールドギャップが選好され、海外不動産投資家から首都圏を中心とした不動産投資が活発に行われてきました。国内の不動産投資家に関しても、海外からの資金流入による投資活動の活発化、東京オリンピック開催を契機にしたインバウンド向け投資需要の増加、及び日本株上昇による投資余力の増加などが影響し、高い需要を維持してきました。
居住用不動産に関しましては、首都圏新築マンションの供給が減少したことによるマンション価格の高騰が、比較的、低価格な中古マンションへの高い需要へつながったこと、中古マンション事業者のリノベーション力が向上したことによりデザイン性・機能性に優れた新築マンションと遜色ない物件が供給されるなど、中古マンションの需要は年々高まっております。その結果、2016年以降、首都圏においては中古マンションの契約件数が新築マンションの契約件数が上回る状況が続いております。
新型コロナウイルス感染症の影響は、2020年度第1四半期から第2四半期期間中において中国からの資材到着遅延や製造停止の影響を受け、当社グループでも内外装工事事業の工事遅延や工事停止などが発生し、工事期間が長期化する状況が続きました。更に、2020年4月に政府より緊急事態宣言が発出されたことにより、不動産市況の不確実性が高まったことから、国内の不動産投資家の様子見姿勢が高まり、海外投資家においては、厳しい入国制限が続いたことから、物件内見や契約行為などを行うことが難しくなったことが影響し、投資需要は大きく減少しました。2020年後半からは徐々に投資意欲も回復しつつあり、国内投資家の需要はほぼコロナ前の水準まで戻りましたが、海外投資家の需要は厳しい入国制限が継続されているため、コロナ前の水準にまで回復するには時間がかかると予想しております。
居住用不動産に関しましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、新しい生活様式や新しいワークスタイルが定着しつつあり、住居ニーズの変化が起こりつつあります。2020年5月の緊急事態宣言解除以降、首都圏中心であった中古不動産の需要が、都心エリア以外でも非常に高まっております。テレワークの機会が増えたことにより、都心から遠方エリアの住居の買い替えニーズが高まったり、リフォーム需要の喚起に繋がっていると考えております。
[中期的な会社の経営戦略]
このような経営環境下、当社グループでは、これまで以上に多様なアセットタイプやサービスの提供を行うことで不動産投資家の裾野を拡大するため、「事業基盤を支える商品づくり」「収益基盤を支えるネットワークづくり」「経営基盤を支える人材・システムづくり」を経営方針の軸として3カ年中期経営計画を2019年12月期から開始しております。財務戦略として自己資本比率を中心に財務健全性を強化し、手元資金の一定額の確保及びキャッシュ・フローを重視した経営を行うことを目指しております。
不動産買取再販事業においては、保有する一棟オフィス、一棟賃貸マンション、区分オーナーチェンジ物件など、投資利回りの改善に努め、物件の投資魅力を高めることが重要との認識のもと、物件稼働率の向上、適正賃料への改善、内装資材のグレードを高めデザイン性を重視することで、不動産価値を高める商品づくりを行っております。新しい試みとして、一棟賃貸マンションとして保有していた投資用不動産を、周辺エリアのマンション供給状況や人口動態を調査し、分譲マンションとしてリフォーム後に販売するなど、当社の再生ノウハウを活かした商品づくりも開始しました。
内外装工事事業に関しましては、外部顧客獲得に向けて、専用人材を配置し、ウェブマーケティングを実施することでリフォーム需要を獲得する取り組みを開始しました。当社がリフォーム工事を行った区分マンションの近隣住民向けにオープンハウスを実施するなど、これまで年間500件以上の施工実績ノウハウを提供することで、新たな事業機会の創出を図っております。不動産管理事業に関しましても、営業部門と連携し物件販売後の管理契約を受注獲得する取り組みを開始するなど、収益の多様化を図っております。
その他事業として、不動産投資家の裾野を拡大することを目的として、不動産特定共同事業法をベースとした小口販売やクラウドファンディング事業者と提携した不動産投資サービスを提供する事業を新たに取り組んでおります。両事業とも、不動産投資の入り口として投資単位の小さい商品・サービスを提供することで、将来的に大きな単位での不動産投資への導入を図る投資商品・サービスとして位置付けております。
更に、新たな事業として開発事業を2020年から開始しております。これまで当社グループが長年培ってきたノウハウを活かしつつ、ESGやSDGsを意識した賃貸マンションやオフィスビルなどを中心に開発いたします。中期経営計画最終年度にあたる2021年12月期には4棟の竣工を目指しております。
以上のとおり、当社グループは、既存事業に新たな取り組みを付加することで収益を拡大し、新たな事業展開を推進し収益の多様化を図ることで、当社グループの企業価値を高めていきたいと考えております。
当社グループは、財務の安定性を重視しており、連結自己資本比率30%以上を維持することを経営指標としております。当連結会計年度における経営指標の実績につきましては、連結自己資本比率が前連結会計年度末33.2%に対して、当連結会計年度末36.0%となりました。今後も、経営指標の向上に向けて、財務体質の強化に努めてまいります。
また、2019年12月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画において、2021年12月期の連結売上高630億円、連結経常利益55億円を目指してまいりましたが、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響や当連結会計年度までの状況を鑑み、2021年12月期の業績予想を連結売上高354億円、連結経常利益13億円に修正しております。
その他、重要な経営指標として、フリー・キャッシュフロー、現預金残高、在庫回転率に目標を設定し、財務健全性や資産効率等を月次ごとに確認しております。
(2)に記載の経営環境を背景に、(1)及び(2)に記載の経営方針及び中期的な会社の経営戦略を実行する上で、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下のとおりであります。
2020年12月期は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による緊急事態宣言の発出により、不動産売買の流通量が停滞し、不確実性が高まったことから、当社グループでは自己資本比率の維持や現預金の充実を最優先とする方針へ転換したため、保有する販売用不動産は前期末比90億円程度減少しました。投資家の様子見姿勢が一時的に強まったものの、投資用不動産の価格は、高止まりを続け、立地・エリアによって不動産価格に二極化の傾向がみられるなど、これまで以上に仕入れの判断が難しく、また競合環境も厳しくなっております。
当社グループでは、コロナ禍で不動産仲介会社の営業活動に制約はあるものの、ITを活用した仕入判断力の強化とスピード化を図ることで、仲介会社からの仕入情報を増やし、新規物件の取得を進めてまいります。
新型コロナウイルス感染症の影響、東京オリンピックの開催可否、衆議院選挙など、2021年12月期も不動産市況は不透明な状況が続くと想定しております。そのような環境において、在庫回転率を高め、不動産の保有期間を短期化することが必要であると考えております。当社グループでは、これまで以上に稼働率改善のスピードを高め、内外装工事の短期化を図ることで早期の商品化に取り組んでおります。また、仲介会社向けの物件紹介サイト情報の充実を図り、投資家・エンドユーザーへの情報提供を行いやすい環境づくりを行っていくことで早期の販売を行ってまいります。
ここ数年の不動産価格の高止まりにより収益機会を得られる物件の取得が難しくなっております。更に、内外装工事に使用する資材を毎年アップグレードするため資材調達費や労務費が高騰する傾向にあります。そのため、常に分散購買を行い調達コストの適正化や業務オペレーション見直しによる労務費単価の低減を行うことで、コスト削減や工期短縮に努め、売上総利益率の維持に取り組んでまいります。
2020年4月に消費税法等の一部が改正され、2020年10月1日以後に行われる居住用賃貸建物の課税仕入れ等の税額については、仕入税額控除の対象としないことと改正されました。これにより、10月1日以降に仕入れを行った居住用賃貸建物に関しましては、原則、その仕入税額を全額租税公課に計上するため、実質の初年度にあたる2021年度の租税公課が大きく増加することになります。仕入控除税額を調整できることとなる、仕入年度を含む第三年度の期間中に販売できるよう在庫期間の短縮を図り、在庫回転率の向上に努めてまいります。
当社グループは、主力の不動産売買事業の連結売上高が全体の90%程度、セグメント利益の70%以上を占めており、将来的な不動産市況の変化に備えるための安定収益の確保が課題となっております。そのため、長期・安定的な収益確保の機会として、優良資産の獲得と管理戸数の増加に取り組んでおります。優良資産獲得に関しましては、各年度のキャッシュ・フローや手元資金の水準を考慮し、取得を決定しております。管理戸数の増加に関しましては、当社保有不動産の売却時にアセットオーナーからの受託を得られるよう営業部門と連携し、契約獲得に取り組んでおります。
当社グループは、主力事業である不動産売買事業へこれまで以上に積極的な投資を行うとともに、外部環境の変化を踏まえた成長分野への新規参入を慎重且つ積極的に行うことにより、バランスの取れた事業ポートフォリオを構築することを目指しています。新規事業に関しましては、全てを内製化し単独で事業推進するよりも事業化や収益化までの期間を考慮し、他社との業務提携やM&Aなどの戦略的投資も活用し推進してまいります。
当社グループは、企業価値の最大化を図るためには、経営の透明性と健全性の確保及び環境の変化に迅速・適切に対応することが重要であると認識しております。コーポレート・ガバナンスはその重要な経営課題の一つと位置付けており、企業の持続的な成長のため、経営執行体制の透明性や多様性の確保等、ガバナンス機能の強化を図ってまいります。
[基本方針]
当社グループでは、経営戦略の策定・実行する上で、事業目的の達成を阻害する要因をリスクと特定し、経営の影響度と発生頻度で分類し、アセスメント結果を基に当社グループとしての重要リスクを決定しております。重要リスクの中でもそのリスクが顕在化した場合、事業に重大な影響を及ぼすものをモニタリング対象リスクとして、リスク対策の進捗などを重点的にモニタリングし、全社的なリスク対策の強化を図っております。
経営戦略を実行する上で、潜在するリスクが発生しないように適切な対応を定めるリスクマネジメント体制を構築するとともに、重大なリスクが発現した場合の損失を最小限に抑えるクライシスマネジメント体制も整えております。
新型コロナウイルス感染症が拡大し、緊急事態宣言が発出された際には、当社グループのリスク管理規程に基づき、緊急対策本部を設置し、事業に及ぼす影響等をアセスメントし、感染拡大防止及び事業継続の2つの観点から必要な対策を実施しました。
[リスク管理体制]
当社グループのリスクマネジメントの推進にあたっては、取締役管理本部長を委員長とした「リスクマネジメント・コンプライアンス委員会」を年4回開催し、当社グループ内の顕在化したリスクの把握、それに対する再発防止策やリスク低減等に関する施策を審議するとともに、有効性に対する評価・モニタリングを行い、その結果を取締役会へ報告しております。
各部門及びグループ会社の責任者が出席するリスクマネジメント・コンプライアンス委員会において、外部環境、内部環境、業務プロセスの項目にリスク分類し、各分類から抽出されたリスクを影響度と発生可能性の観点からリスクアセスメントを実施し、企業活動に重大な影響が想定されると評価したリスク項目をモニタリング対象リスクとして特定しております。さらに特定したモニタリング対象リスクごとに関連部門から担当責任者が任命され、委員会下部にある分科会においてリスク対応策を検討・実行しております。進捗状況は、四半期ごとにモニタリングを通じて確認され、必要に応じた是正・改善が行われ、取締役会に報告しております。
[リスク管理体制図]

[主要なリスクとして認識している事項]
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。
当社グループの事業は、不動産という社会インフラ、税や各種規制といった法制度、株式市場などの経済動向、最近では海外投資家への販売が増加していることから、各国の法規制など、様々な要因の影響下にあります。これらに変化が生じた場合、当社グループの経営成績及び財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、中期経営計画において3つの経営方針「事業基盤を支える商品づくり」「収益基盤を支えるネットワークづくり」「経営基盤を支える人材・システムづくり」を定めております。これまで買取再販事業を中心に成長を続けてきたため、本事業に対する様々なリスクへの感応度が大きくなっていることから、多様な不動産関連商品・サービスを提供し、特定の事業に依存しないポートフォリオとすることで、そのリスク感応度を最小化する取り組みを行っております。
当社グループの主力事業である不動産売買事業は、首都圏1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)を中心に展開しており、居住用不動産の買取再販については参入障壁も低いため、各社との競争環境が厳しくなっております。投資用不動産に関しましても大手不動産会社が新たに事業参入するなど、競争環境は年々厳しさを増しており、当社が目標とする利益率の確保が行えない環境となり、計画どおりの仕入・販売が行えない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、幅広いアセットタイプや価格帯を取り扱うこと、スピード感のある契約・決済手続きを行うことで、不動産仲介会社及びアセットオーナーのニーズに応え、競合他社との差別化を図っております。他社では仕入が困難な物件でも、当社が長年培った経験及びデータに基づき、その立地・エリアの特性に合わせた物件に再生することで、厳しい条件下においても幅広く仕入・販売が行えるよう努めております。
当社グループは、不動産売買事業における中古不動産の買取資金を主に金融機関からの借入金によって調達しており、当連結会計年度末における有利子負債依存度は59.4%となっております。このため、今後、金融情勢の変動によって金利上昇や金融機関の融資姿勢が変化した場合には、支払利息の増加や仕入計画の変更等により当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
有利子負債依存度に関しましては、その数値を65%以下とすることを財務健全性の一つの指標としており、自己資本比率やネットD/Eレシオを含めた指標を常に管理することで、財務状態を強化しております。加えて、当社グループは特定の金融機関に依存することなく、個別案件毎に販売計画の妥当性を分析したうえで借入金の調達を行うことで、取引金融機関との円滑な取引関係を構築しております。
当社グループが保有する販売用不動産については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 平成18年7月5日公表分)を適用しております。期末に保有している販売用不動産のうち、投資用不動産については、減価償却を考慮した簿価と正味売却価額を比較し、正味売却価額が簿価を下回っている場合には商品評価損を計上することとしております。また、販売用不動産のうち、区分所有マンション、戸建等の居住用不動産については、取得価額と正味売却価額を比較し、正味売却価額が取得価額を下回っている場合には商品評価損を計上することとしております。今後、経済情勢や不動産市況の悪化等により、当初計画どおりに販売が進まない場合、販売用不動産が在庫として滞留する可能性があり、滞留期間が長期化した場合等は、期末における正味売却価額が簿価または取得価額を下回り、商品評価損を計上することも予測され、当社グループの経営成績や財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、不動産売買市場の動向を定期的に更新し、業績への影響の把握と事業の進捗管理や精度の向上に努めております。買取再販事業は、仕入から販売まで短期間のサイクルではありますが、長期間滞留する在庫も一部あるため、仕入時には保有中に市況変動があった場合でも一定程度の利益が確保できるよう、仕入価格を厳正に精査し決定しております。また、在庫となった場合でも、正味売却価額の低下を極力抑制できるよう適切なリフォーム計画と賃料設定による投資利回りの改善・向上に努めています。
当社グループの属する不動産業界は、「宅地建物取引業法」「建築基準法」「都市計画法」「国土利用計画法」「不当景品類及び不当表示防止法」「不動産の表示に関する公正競争規約」等により法的規制を受けております。今後、これらの法的規制の改廃や新たな法的規制が設けられる場合には、当社グループの経営成績や財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、法的規制の遵守を徹底しており、現時点において法令違反の事象は発生しておりませんが、将来何らかの理由により、法令違反の事象が発生し、監督官庁より業務の停止や免許の取消し等の処分を受けた場合には、当社グループの事業活動に支障をきたすとともに当社グループの経営成績や財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、総務部が中心となり各種法的規制に対応し、従業員へのコンプライアンス研修やセミナーなどを実施し法令順守の意識を高め、リスクマネジメント・コンプライアンス委員会では特にリスクマネジメント及びクライシスマネジメントの観点から、当社グループ全体の主要リスクに対する対応策の検討やコンプライアンス違反の未然防止策の制定等を行っております。各種法的規制に改正がある場合など、外部機関や弁護士と連携し最新の情報を把握するよう努め、グループ内での周知徹底を図っております。
なお、法的規制について、その有効期間やその他の期限が法令、契約等により定められているものは下表のとおりであります。
(当社)
(㈱フジホーム)
当社グループが取り扱う中古不動産は、首都圏1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)を中心に所在しております。首都圏において、地震・火災・水害等の自然的災害、大規模な事故やテロ等の人為的災害が発生した場合、当社グループの所有する中古不動産が滅失、毀損または劣化し販売価値や賃貸収入が著しく減少する可能性があります。
また、首都圏以外の地域で自然的・人為的災害が発生した場合にも、消費マインドの冷え込みから当社グループの経営成績や財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。
特に地震対策については、旧建築基準法に建設された物件の保有を限定し、保有した場合でも耐震性に関する診断を厳密に行うことで、リスク発生時の影響を最小化しております。
当社グループは、様々な経営課題克服のため、優秀な人材を継続的に確保・育成していくことが最重要課題であると認識しております。従って、今後も優秀な人材の中途採用、優秀な学生の新卒採用及び教育・研修制度の充実を図り、当社グループの経営理念を理解した責任ある社員の育成を行っていく方針であります。しかしながら、当社グループの求める人材の確保・育成が想定どおりに進まない場合には、当社グループの経営成績や財務状態等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの人事制度におきましては、当社グループの更なる成長に向けて、求める人材を明確にし、一人ひとりの成長をサポートできる仕組み(仕事に基づく人事体系、成長を促す評価体系及びやりがいのある賃金体系)を構築しております。しかし、評価者の能力不足や部下とのコミュニケーション不足等で当社グループの人事制度が上手く機能しない場合、社員のモチベーションダウンや人材の流出につながる可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の収束の見通しが不透明な状況が続いており、今後、社会経済活動が停滞し、当社の取引先である不動産仲介会社、金融機関、エンドユーザー、海外投資家の行動が制限されることとなった場合、不動産投資や賃貸市場の需要の低下、物件の内覧等の制限による住宅取得ニーズの低下、内外装事業における資材の供給遅延や停止、厳しい入国制限による海外投資家の需要低下など、不動産売買市場の流通量が大きく減少し、当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、2020年4月の緊急事態宣言発出に合わせ、当社リスク管理規定に基づき、緊急対策本部を立ち上げ、事業への影響や従業員の感染防止対策実施に向けた検討を開始しました。具体的には、非対面による営業活動の実施、不動産仲介会社向けの物件サイトの情報の拡充、エンドユーザー向けサイトのVR等のITを活用した物件情報の拡充、資材供給先の確保、従業員向けには在宅勤務を中心とした勤務体制への移行、研修・イベント等の中止など感染防止対策を講じるとともに事業継続に向けた取り組みを段階的に拡充しました。当社グループでは、今後も感染症対策を継続するとともに、新しい生活様式やワークスタイルの変化により不動産の価値も変化しており、それに対応した物件やサービスの提供をタイムリーに行うことができるよう対策を講じてまいります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(2020年1月1日~2020年12月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により4月に緊急事態宣言が発出されて以降、企業収益の大幅な減少や個人消費の大幅な落ち込みがみられるなど、急速に悪化しました。各種政策の効果等により持ち直しの動きが後半に見られたものの、10月以降感染者数が急速に拡大しており、社会経済活動への影響や金融資本市場の変動等への影響を注視する必要があります。
当社グループの属する不動産業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、不動産売買に係る活動が制約され、工事部材の一部に供給遅延・停止が発生し、不動産投資家の様子見姿勢が高まるなどの動きが前半見られましたが、後半は社会経済活動が徐々に正常化し、不動産価格も大きく値崩れしなかったため、一棟賃貸マンションについては需要の回復がみられました。首都圏の中古マンション市場では、新たな生活様式に対応する働き方が定着し始めていることから、都心以外の中古マンションの需要も増加しております。しかし、新型コロナウイルス感染症が再拡大しており、社会経済活動が再び停滞した場合、雇用・所得環境に対する先行き懸念が高まる等、不動産業界に与える影響に注視する必要があります。
このような事業環境下におきまして、当社グループは主力事業である不動産売買事業において、期初から継続している長期在庫物件を中心に販売価格の見直しや稼働率向上による投資利回りの改善、物件販売を促進するための販売体制強化及び在庫の入れ替えを実施するなど、販売改善に努めてまいりました。これらの活動により、第4四半期連結会計期間における投資用不動産の売上高は前年同期間以上に回復したものの、第2四半期における販売減少分を補うには至らず、売上高及び利益とも前年を下回る結果となりました。居住用不動産に関しましては、5月の緊急事態宣言解除以降、順調に販売が推移しており売上高及び利益は前年を上回る水準となりました。
不動産賃貸事業に関しましては、保有する販売用不動産の売却が進んだこと及び新型コロナウイルス感染症の影響が不透明だったことから仕入れを厳格化し、手元資金の拡充や自己資本比率を高め、財務健全性を改善する取り組みを行ったことから販売用不動産の残高が減少したため、不動産賃貸収入は前年を下回る結果となりました。
また、第3四半期連結会計期間において「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に基づき、新型コロナウイルス感染症の拡大による業績への影響などを総合的に勘案し、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産の一部を取崩したため、法人税等調整額5億35百万円を計上いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は348億58百万円(前期比12.1%減)、営業利益は24億65百万円(同21.9%減)、経常利益は17億85百万円(同28.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億99百万円(同64.5%減)となりました。
不動産売買事業におきましては、投資用不動産の販売が184件(前期比68件減)、平均販売単価は140百万円(同14.5%増)となり、売上高は259億1百万円(同16.4%減)となりました。また、居住用不動産の販売は、148件(前期比9件減)、平均販売単価は39百万円(同16.5%増)となり、売上高は58億10百万円(同9.8%増)となりました。
以上の結果、売上高は318億66百万円(前期比12.5%減)、セグメント利益(営業利益)は28億12百万円(同14.7%減)となりました。
賃貸その他事業におきましては、不動産賃貸収入が29億10百万円(前期比9.5%減)となりました。
以上の結果、売上高は29億92百万円(前期比8.6%減)、セグメント利益(営業利益)は11億3百万円(同6.8%減)となりました。
(注)「投資用不動産」は、一棟賃貸マンション及び一棟オフィスビル等の賃貸収益が発生する物件を購入者が主に投資用として利用する不動産として区分し、「居住用不動産」は、区分所有マンションを中心に購入者が居住用として利用する不動産として区分しております。
当連結会計年度末における財政状態は、総資産624億87百万円(前連結会計年度末比8.8%減)、負債398億82百万円(同12.7%減)、純資産226億5百万円(同1.0%減)となりました。また、自己資本比率は36.0%(前連結会計年度末は33.2%)となっております。
当連結会計年度末における資産は、新たに不動産特定共同事業の運営及びクラウドファンディングを活用したファンドの組成等を行ったことにより、現金及び預金が23億57百万円増加しております。また、安定した賃貸家賃収入の獲得のため、長期保有目的不動産の購入により、有形固定資産が7億69百万円増加しております。
一方、長期在庫物件の販売強化等の活動の結果、販売用不動産が85億49百万円減少しております。
当連結会計年度末における負債は、販売用不動産が減少したことにより、各金融機関への返済が増加したため、借入金(短期借入金、1年内返済予定の長期借入金、長期借入金)が56億24百万円減少しております。また、社債(1年内償還予定の社債、社債)も償還期限の到来により2億11百万円減少しております。
当連結会計年度末における純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が5億99百万円増加した一方、剰余金の配当により7億22百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ23億80百万円増加し、146億49百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
当連結会計年度の営業活動の結果、獲得した資金は、109億81百万円(前連結会計年度は、32億76百万円の獲得)となりました。これは主に、たな卸資産の減少85億24百万円、税金等調整前当期純利益18億8百万円及び減価償却費8億90百万円の収入があった一方、利息支払額6億62百万円があったことによるものであります。
当連結会計年度の投資活動の結果、使用した資金は、19億44百万円(前連結会計年度は、8億72百万円の使用)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入19億76百万円があった一方、有形固定資産の取得による支出17億78百万円、定期預金の預入による支出19億53百万円があったことによるものであります。
当連結会計年度の財務活動の結果、使用した資金は、66億56百万円(前連結会計年度は、7億12百万円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入139億23百万円、社債の発行による収入9億81百万円があった一方、長期借入金の返済による支出193億61百万円、社債の償還による支出12億11百万円があったことによるものであります。
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、不動産買取再販事業に係る販売用不動産の仕入れであります。販売用不動産の仕入れは、個別の販売用不動産を担保とした金融機関からの借入金及び販売活動で獲得した資金によって行っております。当該販売用不動産は一年以内を目途に販売することとし、借入金は、月例約定返済を織り込みつつ、販売用不動産の販売時に一括返済することを基本方針としており、資金の流動性は十分に確保されております。
また、上記のほか資金調達の手段として、社債の発行、不動産特定共同事業の運営及びクラウドファンディングを活用したファンドの組成等を行い、資金調達の補助的な役割を担っております。これらで得た資金については、安定した賃貸家賃収入を獲得するための長期保有目的不動産の購入等に充てられております。
当社グループは、中古不動産の売買事業及び賃貸その他事業を主体としており、生産実績を定義することが困難であるため、該当事項はありません。
当社グループは、受注生産を行っていないため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比較して48億18百万円減少の348億58百万円(前連結会計年度比12.1%減)となりました。これは、不動産売買事業の売上高が45億35百万円減少の318億66百万円(同12.5%減)となり、賃貸その他事業が2億82百万円減少の29億92百万円(同8.6%減)となったことによるものであります。
これは、主力事業である不動産売買事業において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、第2四半期、第3四半期連結会計期間における販売低迷が主な要因であります。詳しくは「(1)経営成績等の状況の概要①経営成績の状況」をご参照ください。
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度と比較して42億7百万円減少の289億94百万円(前連結会計年度比12.7%減)となりました。また、売上総利益は前連結会計年度と比較して6億10百万円減少の58億64百万円(同9.4%減)となりました。なお、売上高売上総利益率は0.5ポイント上昇して16.8%(前連結会計年度は16.3%)となりました。これは、不動産売買事業における主力価格帯である1億円から3億円の物件販売で比較的高い利益が獲得できたことと、工事原価を含めた売上原価の削減に努めた結果、売上原価率が0.5ポイント低下して83.2%(前連結会計年度83.7%)になったことが主な要因であります。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して81百万円増加の33億98百万円(前連結会計年度比2.5%増)となりました。これは主に、本社移転に係る地代家賃が1億60百万円増加し、仕入に係る消費税を含めた租税公課が73百万円増加したことによるものであります。営業利益は6億92百万円減少の24億65百万円(同21.9%減)となりました。なお、売上高営業利益率は0.9ポイント低下して7.1%(前連結会計年度は8.0%)となりました。
営業外収益は、前連結会計年度と比較して12百万円増加の76百万円(前連結会計年度比20.0%増)となりました。これは主に雇用調整助成金が23百万円増加したことによるものであります。
営業外費用は、前連結会計年度と比較して29百万円増加の7億57百万円(同4.0%増)となりました。これは主に、年間を通じた借入金の平均残高が増加したことにより、支払利息が34百万円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度と比較して7億8百万円減少の17億85百万円(前連結会計年度比28.4%減)となりました。なお、売上高経常利益率は1.2ポイント低下して5.1%(前連結会計年度は6.3%)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して10億89百万円減少の5億99百万円(前連結会計年度比64.5%減)となりました。これは主に、新型コロナウイルス感染症の拡大による業績への影響などを総合的に勘案し、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した結果、繰延税金資産の一部を取り崩したことから、法人税等調整額を5億35百万円計上したことによるものであります。なお、売上高当期純利益率は2.6ポイント低下して1.7%(前連結会計年度は4.3%)となりました。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染症による影響につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要と考えるものは以下のとおりであります。
(販売用不動産の評価)
当社グループは、販売用不動産について、収益性の低下等により期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。正味売却価額の算定に当たっては慎重に検討しておりますが、販売計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、正味売却価額が減少することとなった場合には、評価損を追加で計上する処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産の回収可能性の評価)
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際し、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りや一定の仮定のもとに行っているため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、減少した場合には繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。