消費税法は、その課税対象である「課税資産の譲渡等」(同法2条1項9号)のためにのみ要する課税仕入れに係る消費税額については、納付すべき課税売上げに係る消費税額から全額控除することを認めていますが、「課税資産の譲渡等」と「課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等」(同法30条2項1号柱書)に共通して要する課税仕入れに係る消費税額については、その一部(所定の割合を乗じて算出した額)のみしか上記納付すべき課税売上げに係る消費税額からの控除を認めていません。
当社グループでは、従前、販売用建物の仕入れは同建物の販売(課税資産の譲渡等)のためにのみ必要な仕入れであるとして、同仕入れに係る消費税額全額を課税売上げに係る消費税額から控除していましたが、東京国税局は、消費税非課税の住宅の賃貸による収入が発生する販売用建物の仕入れは、同建物の販売(課税資産の譲渡等)のみならず、住宅の賃貸(課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等)のためにも必要なものであるとし、その仕入れに係る消費税額については、その一部のみしか課税売上げに係る消費税額から控除することができないとして、2017年7月に当社に対し更正処分等を行いました。
当社としましては、当社の従前の会計・税務処理に誤りはないものと考えており、本件更正処分等は到底承服できるものではないため、同年7月に東京国税不服審判所長に対して審査請求をいたしましたが、審査請求をした日の翌日から起算して3か月を経過しても裁決がないことから,2018年1月、本件に係る訴え(以下「本件訴訟」といいます。)を東京地方裁判所へ提訴いたしました。本件訴訟は、第一審判決では当社の請求がすべて棄却され、控訴審判決では当社の請求のうち、過少申告加算税の賦課決定処分の取消しが認められました。この控訴審判決に対して国は上告をし、2023年3月6日の上告審判決において国の上告が認容され、控訴審判決のうち当社の請求を認めていた部分が棄却されて、判決が確定いたしました。
当社は、本件更正処分等を見込んで、2016年12月期決算において7億91百万円を過年度消費税(特別損失)として見積計上し、2016年12月以降については、当局の見解に従った会計・税務処理を行うこととしており、本件更正処分等が当期以降の業績に与える影響はありません。
本件訴訟と別に、2018年12月26日に開示いたしました「消費税の課税売上割合に準ずる割合の承認に伴う仕入控除税額の計算方法の一部変更について」のとおり、2018年12月期以降の消費税の仕入控除税額の計算においては、「消費税課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請」により承認された算定方法で、課税売上割合に準ずる割合を適用しております。