文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「食糧増産技術(アグリテクノロジー)と真心で、世界の人々に貢献します。」という企業理念のもと、農薬や肥料、あるいは独自の栽培システムなどを開発・製造・販売する過程で、作物の増収に寄与する総合的かつ包括的な技術の開発と体系化に取り組んでおります。この技術・ノウハウの蓄積を基礎に「新たな食糧増産技術」を開発していくことで、増え続ける世界人口を支えるための食糧問題を解決し、株主の皆さまやお客さまから高い信頼と評価を得られるよう、企業価値の最大化を図ることを経営の基本方針としています。
(2)目標とする経営指標
当社グループが目標とする経営指標としましては、特に安定的な収益確保及び収益力の強化を目指すため、営業利益の拡大と売上高営業利益率の向上、及び株主資本の有効活用を図るためROE(自己資本当期純利益率)を経営指標に据え、更にはフリー・キャッシュフローの確保も重視しながら企業価値の向上に努めております。
(3)経営環境
当社グループの主力をなす農薬事業は、食料の増産や安定供給に対する有効な手段であり世界的には拡大傾向にあります。一方、資源の循環型活用などを中心とした栽培技術や農作物も注目され、農作物の生産に求められる技術や消費者の嗜好も多様化しております。更には主たる市場である農業分野は益々国際化と高齢化が進んでおります。
(4)中長期的な会社の経営戦略
多様化する市場や消費者の要求に応え、当社グループが持続的な事業規模の拡大を図るため、防除技術(農薬)、施肥灌水技術(肥料・栽培システム)、バイオスティミュラントの各分野における顧客ニーズの取込み、継続した製品投入と総合的な技術の提供、成長市場又は大規模市場への経営資源の集中により、安定収入の確保と中長期的な経営基盤の拡大を図り、2022年までに売上高300億円、営業利益30億円を目指します。
これらを実現するために以下の課題に取り組んでまいります。
① 成長分野である海外事業展開を、昨年買収したLIDA社、CAPA社及びクリザール社と共に加速
② 未利用資源を活用した有機製品の開発
③ 安定した経営基盤としての国内農薬事業の効率化
(5)会社の対処すべき課題
当社グループは、防除技術、施肥灌水技術及びバイオスティミュラントを主体に、世界の農業分野に事業展開を進めております。
当社グループの事業を取り巻く環境は、世界的な人口増加や新興国の経済発展による食料需要の増加などを背景とし、世界の農業関連市場は長期的に拡大傾向にあると考えられております。また、高品質で安全性の高い農作物に対する関心の高まりや、食の安全に対する意識の向上を背景とした農作物の栽培は、新たなビジネスチャンスとして成長が期待されています。
世界的に高まる食料需要に対して、気候温暖化、農耕地の劣化傾向や減少など、農作物の生産環境は必ずしも安泰でないことや、国内では農業従事者の高齢化により、新たな農業の担い手の育成などが課題とされております。
このような状況下において、当社グループの持つ技術や製品の機能を多面的に提案し、積極的な展開を行うことにより、持続的な企業価値の向上を図ってまいりたいと考えております。また2015年の国連サミットで採択された「持続的可能な開発目標」(SDGs)(注)の内容を踏まえ、CSR(企業の社会的責任)に配慮した経営に取り組んでまいります。
(注)持続可能な開発目標(SDGs):2015年に国連が定めた2030年までの国際目標。持続可能な社会を実現するための17の目標と169のターゲットから構成される。
現時点において当社グループが認識しております対処すべき課題につきましては以下のとおりです。
①国内事業の持続的成長
国内における農薬分野及び肥料・バイオスティミュラント分野は、当社グループの収益基盤として安定かつ持続的な成長を目指しております。国内農業においては市場縮小により販売競争の激化はさらに進むものと予想されますが、当社は、大型生産法人へのモニタリングを強化したり、養液土耕栽培システムの普及拡大に努めたりして市場マーケティングに基づいた営業活動を行い、用途提案型の製品投入を通じて、流通や顧客の需要掘り起こしを行い、売上高及び利益の拡大に取り組んでまいります。
また、2018年7月に買収したLIDA Plant Research, S.L.社(LIDA社)とCAPA ECOSYSTEM, S.L.U.社(CAPA社)のバイオスティミュラント製品の販売を開始し、これまで販売していなかった日本におけるバイオスティミュラント製品の普及拡大に努めます。
②海外展開の加速と収益力の向上
市場が拡大傾向にある海外事業においては、農薬登録取得国及び用途拡大など展開を加速すると同時に、コスト改善を図り収益力の向上を目指します。また海外子会社と連携した市場動向の把握による販売戦略の策定や製造の効率化などを進め収益の向上に結びつく活動を強化してまいります。
さらに、2018年12月に買収したクリザール社(Blue Wave Holding B.V.)が持つ強固なサプライチェーンを活用し、巨大なプレハーベストマーケットに対し、OATアグリオ並びにLIDA社、CAPA社の製品の普及を行います。
③グループ会社との連携強化による事業の拡大
国内においては、旭化学工業(株)、OATアグリフロンティア(株)との協力体制を密にし、新規需要の開拓や積極的な営業活動に取り組んでまいります。
海外においては、インドネシアにおけるバイオスティミュラント製造販売の合弁会社「PT.OAT MITOKU AGRIO」、チェコ共和国におけるバイオスティミュラント販売の子会社「Asahi Chemical Europe s.r.o.」、中国における肥料及び施肥灌水システム製造販売の合弁会社「潤禾(舟山)植物科技有限公司」、また、2018年に買収したスペインの肥料・バイオスティミュラント製品の製造及び販売を行う「LIDA社」「CAPA社」及び花と植物の鮮度保持剤の研究開発、製造及び販売を行う「クリザール社(Blue Wave Holding B.V.)」における想定されるシナジー効果を最大限発揮させるため、買収後の経営統合作業を早期かつ実効性のあるものとし、各社への支援と各社相互の共協体制を構築してまいります。更には、全ての事業会社の経営を軌道に乗せ、全事業会社の黒字化を目指します。
国内及び海外のグループ会社においてOATアグリオを中心とした連携強化を図り、速やかに既存事業との相乗効果による事業の拡大を進めてまいります。
④持続可能な開発目標(SDGs)に貢献できる研究開発への取り組み
新規農薬につきましては、インドにおける研究開発企業のOAT&IIL India Laboratories Private Limited社との連携のもと、創薬開発から実用化まで早期の製品開発を目指します。持続可能な開発目標に資する研究開発として、高機能で環境と安全性に配慮した新製品、農業従事者の省力化に貢献する製品開発、バイオスティミュラントの用途開発、最小限の水と肥料で農作物を育てる施肥灌水技術に取り組んでまいります。
⑤生産性の向上と財務体質の強化
製造部門をはじめとしてあらゆる事業を見直し、全社をあげて生産性の向上と環境に優しい企業活動を目指します。
資産及び負債を総合的に見直すと同時に、為替変動の影響や不要なコスト・棚卸資産を抑えるなどキャッシュ・フローをベースとした財務体質の強化に努め、新規事業への投資、研究開発や設備投資への備えを図ります。
⑥品質マネージメントの強化
当社では2017年12月に品質マネジメントシステムの国際規格「ISO9001」2015年版の認証を取得しました。「ISO9001」の活用による品質マネージメントの強化に取り組んでまいります。
当社グループは、これらを具体化するための全社的な取り組みとして、拡大する海外市場を見据えたグローバルな人材育成に継続して取り組んでまいります。また、法令を遵守することはもちろん、企業グループとして社会的な責任を果し、広く社会に貢献してまいります。
(6)経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、保有する農薬原体の海外展開、国内外の販売網を生かした市場分析、新規薬剤の開発及び肥料・バイオスティミュラントの底上げを中長期成長戦略の柱とし、当社がこれらの分野を重点的にサポートしていくことにより、グループ全体として将来につながる利益構造基盤を築いてまいります。また、多様性を尊重する企業風土を推進するとともに、コンプライアンスの推進、内部統制システムの強化等、企業の社会的責任の遂行及び業務の効率性向上にも積極的に取り組んでまいります。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資者の判断にとって重要であると当社グループが考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関するすべてのリスクを網羅しているものではありません。
当社グループはこれらのリスクの発生可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容も合わせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)農業市場の動向に係るリスク
当社グループの主要な製品である、農薬・肥料の最終消費者は農業従事者となります。このため、農業市場の動向により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
近年における国内の農業市場は、農作物の販売価格の下落や、農業従事者の高齢化・後継者不足により漸減傾向が続いております。今後の国内市場の動向としましても、政府の農業政策の方針によっては、依然として不透明な環境が継続すると予想されます。こうした外部環境等により、国内の農業市場が将来的に縮小した場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)法規制について
当社グループの主な事業は、国内外での農薬・肥料の生産及び販売活動であり、農薬取締法、肥料取締法、製造物責任法などのさまざまな法規制を受けております。当社グループでは、社内の管理体制の構築やコンプライアンス推進活動等によりこれらの法令遵守に取り組んでおりますが、今後、これらの法令に違反する行為が行われた場合、もしくは、法令の改正又は新たな法令の制定が行われた場合には、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(3)登録制度について
①農薬の登録
当社グループの主要な製品である農薬は、農薬取締法に基づき、製造、輸入から販売そして使用に至る全ての過程で厳しく規制されております。その規制の中心となっているのが登録制度であり、原則、国に登録された農薬だけが製造、輸入及び販売できるという仕組みです。
農薬の登録にあたって、農薬の製造者や輸入者は、農薬の品質や安全性を確認するための証跡として病害虫などへの効果、作物への害、人への毒性、作物への残留性などに関する様々な試験成績等の資料を整えて申請する必要があります。このため、登録基準を含む当該制度が変更・追加された場合は既存の薬剤や開発中の薬剤の製造、販売、使用ができなくなることや追加の試験費用が発生する可能性があります。
②農薬の製造・保管場所の登録
農薬の製造・保管場所についても登録が必要となるため、仕入先、製造委託先、製造拠点及び保管場所は限られております。当社グループは、安定的な生産・販売のために、取引先の代替を確保するよう努めておりますが、仕入先、外注先、製造拠点及び保管場所の機能に支障が発生した場合は、当社グループの製品供給能力に影響を及ぼす可能性があります。
(4)競合製品及び競合他社について
当社グループの主要な製品である農薬・肥料は、農薬取締法や肥料取締法等の法令により新規市場参入には制約があります。医薬品とは異なり、後発農薬についても、新規製品と同程度の研究開発・登録コストがかかるため、参入障壁が比較的高い業種となっております。しかしながら、大手海外企業の参入や制度改正による後発農薬の台頭により価格競争が激化し、販売価格が下落する可能性があります。また、性能、価格、安全面で圧倒的に優位性のある新製品を他社が開発することにより、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)顧客に対する信用リスク
当社グループの顧客の業績は、景気動向や季節性、新製品導入、新しい仕様・規格に対する需要予測及び技術革新等の事業環境に影響を受けます。そのため、当社グループの顧客の事業環境が悪化し、財務上の問題に直面した場合には、売上債権の一部が回収不能となることも想定され、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)製造拠点について
①製造拠点に関する土地の賃貸借契約
当社は、2010年9月28日付で大塚化学株式会社から会社分割により設立された経緯から、当社の工場、研究所等の不動産の大部分は、大塚化学株式会社から当社へ移転されました。この移転に伴い、大塚化学株式会社との間に鳴門工場用地の不動産賃貸借契約を締結しております。この契約は、2040年9月27日までの長期契約となっており、また大塚化学株式会社との友好的な関係性を保っていることから、契約の変更並びに解除は想定しておりません。ただし、何らかの理由によって、これらの契約継続が困難な状況になった場合は、当社グループの研究、生産及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②製造拠点への自然災害の影響
当社グループの製造拠点や製造委託先等において、地震・暴風雨などの自然災害あるいは不慮の事故などにより、生産設備等が何らかの損害を受け、製品の製造・販売が遅延もしくは停止する場合には、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループや製造委託先の生産設備が被災しなかった場合においても、原材料の仕入先又は製品の販売先等の被災、自然災害等に起因する経済活動の停滞、電力不足に伴う工場稼動への制約等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)海外事業におけるカントリーリスク
当社グループは海外事業の展開を拡大しております。インドに研究所、インドネシア、中国、スペイン、オランダに製造販売の子会社、チェコとパキスタンに販売子会社を設立している他、仕入先、製造委託先、販売先等の取引先は海外に幅広く存在しております。今後、海外事業の拡大に伴い、現地における地政学的問題、法規制、税務、労働環境や慣習等に起因する予測不可能な事態の発生、社会的又は政治的混乱等が発生した場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(8)インドでの研究所設立に関る合弁契約
当社は、Insecticides(India)Limited社(以下IIL社)との合弁によりインドに研究所を設立しております。研究所設立の目的の一つは、農薬の有効成分である原体の開発にむけて、原体を構成する化合物のスクリーニングを強化することであります。研究開発期間を経て、農薬の上市まで実現した際には、IIL社と当社にて製品の販売地域を区別することで利益相反が起こらない契約内容としております。製品の販売地域の市場動向によっては、当社グループの期待する収益が得られない可能性もあり、その場合には当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)為替変動について
当社グループでは、輸出入の取引の一部をドル、ユーロ、インドルピー建てで行っております。現在、円建ての取引が全体の70.6%程度を占めております。また、輸出入の取引も可能な限り、円建てで行うようにしているため、為替変動による業績への影響は大きくないと判断しております。今後、当社グループの方針どおり、海外事業への展開が加速し、又、外貨建ての取引が増えた場合、これらの外貨項目の円換算時の為替相場の変動により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)季節性・天候の変動について
農薬の使用期間は農作物の栽培時期に連動するため、国内では、春先から夏が使用時期の中心となっております。そのため、当社グループの売上も1月から6月の上半期に偏重する傾向があります。下半期(特に10月から12月の第4四半期)の収益性が上半期と比較して低くなる傾向にあり、営業損失を計上する可能性が高くなっております。
また、その年の天候によって、農作物の生育や病害虫及び雑草の発生状況が大きく変動し、それに伴って、需要の高まる製品が左右されることとなります。これらの天候の変動により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
連結売上高推移(2018年12月期)
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第1四半期 (1月~3月) |
第2四半期 (4月~6月) |
第3四半期 (7月~9月) |
第4四半期 (10月~12月) |
通期 (1月~12月) |
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売上高 (百万円) |
5,878 |
3,640 |
2,592 |
3,167 |
15,278 |
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構成比 |
38.5% |
23.8% |
17.0% |
20.7% |
100.0% |
(11)薬害の発生
当社グループの製品は安全性を十分に評価した上で登録を取得し、販売を行っておりますが、当社グループの製品の誤った使用法や異常気象等の不測の事態により、予測外の被害が農作物に発生する場合もしくは、人を含む生物及び環境に有害となりうる事故が発生する可能性があります。それに伴い、損害賠償請求を受ける場合には、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)農薬に対する抵抗性について
生物の集団に薬剤を使用することにより、抵抗性因子が蓄積される現象のことを薬剤抵抗性といいます。これらの現象によって、当社グループの製品に対して抵抗性を有する雑草や病害虫が発生する可能性があります。当社グループの薬剤を含有する製品の効果が不十分となった場合、当該薬剤の価値が毀損し、販売量が減少する可能性があります。
(13)研究開発の不確実性について
新規薬剤の開発には多額の研究開発投資と長い時間を要しますが、薬効薬害試験などで有用な効果を発見できないこと等により研究開発が予定どおりに進行せず、開発の延長や中止を行う可能性があります。また、日本国内はもとより、海外市場への展開においては、各国の農薬取締法規等の法的規制の適用を受けており、新薬の製造及び発売には各国別に厳格な審査に基づく承認を取得しなければならないため、予定していた時期に上市ができず延期になる、又は上市を断念しなければならない可能性があります。このような研究開発の不確実性により、当社グループの経営成績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。
さらに、法規制の改正や消費者の関心の変化により安全性評価や環境影響評価等の要求が増大した場合には新規薬剤の開発コストが上昇する可能性があります。
(14)共同研究開発に関する費用負担について
当社グループは、新規薬剤の探索を目的として、大学等の公的研究機関やその他企業等との共同研究を行っておりますが、費用の一部については当社グループが負担しております。また、共同研究の進捗状況に応じて、追加的な費用を負担する場合もあります。
当社グループは、今後も大学等の公的研究機関やその他企業等との共同研究に積極的に取り組む方針であり、相応の費用を負担する予定でありますが、共同研究に係るテーマなどの状況により、当社グループが予定していない費用負担が発生することになった場合、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(15)金利変動について
当社グループは、運転資金の一部及び海外への事業展開や研究開発などで新たな資金需要が発生した際に、その資金の一部を金融機関からの借入金にて調達しております。そのため著しい金利変動は、借入金の金利負担として、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(16)知的財産の侵害について
当社グループの知的財産が流出し、第三者が当社グループの技術を無断で使用し、類似製品を製造・販売することにより当社グループ製品の市場シェアが低下する可能性があります。
反対に、当社グループ製品等が第三者の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償を請求される可能性があり、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(17)人材の育成・確保について
当社グループの継続的な成長を実現するためには、優秀な人材を十分に確保し育成することが重要な要素の一つであると認識しております。そのため、積極的な人員採用及び社内教育体制の構築を行う等、優秀な人材の獲得、育成及び活用に努めております。しかしながら、当社が求める優秀な人材を計画どおりに確保できなかった場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、貸倒引当金、賞与引当金、返品調整引当金、売上割戻引当金、退職給付に係る負債、税金費用等の見積はそれぞれ適正であると判断しております。
(2)経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は雇用・所得環境の改善や、企業収益が引き続き好調に推移したことで、景気の緩やかな回復基調が継続いたしました。しかし世界経済におきましては、米国が保護主義的な通商政策を進めており、中国との貿易摩擦やイランへの経済制裁が再開されるなど、依然として先行き不透明な状況も存在しております。
世界の農業をとりまく環境につきましては、今後も世界的な人口増加を背景に、農産物需要がますます世界中で増大することが予測されております。生態系への影響を最小限にするためにも、限られた耕作地を有効活用し、農業の生産性を上げるための農業生産資材や栽培技術の開発が非常に重要です。
また自然環境や社会問題などの解決を目的に2015年に国連が採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」をめぐり、日本国内でも機運が高まってきており、サスティナビリティ(持続可能性)への取り組みは、企業の社会的責任として取り組んでいくべきものとなっております。
このような状況下、当社グループでは市場が求める安心、安全な製品を供給するための販売体制の強化や生産体制の効率化、積極的かつ持続的な研究開発投資などを図ってまいりました。また7月にスペインのLIDA Plant Research, S.L.社とCAPA ECOSYSTEMS S.L.U.社の株式取得、8月に株式会社むさしのタネの増資引受、12月にベルグアース株式会社との資本業務提携とオランダのクリザール社(Blue Wave Holding B.V.)の株式取得など、国内外で積極的なM&Aもあわせて実行してまいりました。その結果、取得関連費用や試験研究費などの費用が先行して発生しましたが、将来にわたり継続的に高品質な製品供給ができる体制を積極的に整備してまいりました。
以上の事業活動の結果、当連結会計年度の売上高は152億78百万円(前連結会計年度比11億60百万円増加、同8.2%増)、営業利益17億62百万円(前連結会計年度比1億20百万円減少、同6.4%減)、経常利益17億57百万円(前連結会計年度比1億32百万円減少、同7.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益12億57百万円(前連結会計年度比40百万円減少、同3.1%減)となりました。
当社グループはアグリテクノ事業の単一セグメントでありますが、各分野の状況は次のとおりであります。
当連結会計年度の国内市場においては、7月に発生した西日本豪雨や9月に近畿地方を中心に大きな被害を出した台風21号や北海道胆振東部地震の発生などにより、農作物の生産に深刻な影響を及ぼした一年でした。
このような中、農薬分野では、国内においては、水稲用除草剤などが積極的な営業活動の結果、昨年と比較して好調に推移しましたが、殺虫剤「オンコル」や殺ダニ剤「ダニサラバ」の出荷が昨年比で減少しました。一方海外においては、殺ダニ剤「シフルメトフェン」、殺菌剤「カリグリーン」の販売が好調に推移し拡大することができましたが、除草剤「ベンゾフェナップ」の出荷は昨年比で減少しました。これらの結果、農薬分野の売上高は103億44百万円(前連結会計年度比99百万円増加、同1.0%増)となりました。
肥料・バイオスティミュラント分野では、国内においては、養液土耕栽培用システム及び肥料の出荷が昨年比で増加したほか、主力製品である「ハウス肥料」や「OK-Fシリーズ」などの既存製品が堅調に推移しました。また海外向けのバイオスティミュラント剤「アトニック」につきましても、数年来拡大の続くベトナム市場での出荷量の増加や、チェコの子会社 Asahi Chemical Europe s.r.o.などを通じて積極的な営業活動を展開したことで、売上が好調に推移しました。その結果、肥料・バイオスティミュラント分野の売上高は49億34百万円(前連結会計年度比10億61百万円増加、同27.4%増)となりました。
(3)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績は以下のとおりであります。なお、当社グループはアグリテクノ事業の単一セグメントであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) (百万円) |
前年同期比(%) |
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アグリテクノ事業 |
7,670 |
119.8 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績は以下のとおりであります。なお、当社グループはアグリテクノ事業の単一セグメントであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) (百万円) |
前年同期比(%) |
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アグリテクノ事業 |
1,499 |
99.5 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③受注実績
当社グループは主として見込み生産を行っているため、記載を省略しております。
④販売実績
当連結会計年度の販売実績は以下のとおりであります。なお、当社グループはアグリテクノ事業の単一セグメントのため分野別に記載しております。
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分野別の名称 |
当連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) (百万円) |
前年同期比(%) |
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農薬 |
10,344 |
101.0 |
|
肥料・バイオスティミュラント |
4,934 |
127.4 |
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合計 |
15,278 |
108.2 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2017年1月1日 至 2017年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) |
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金額 (百万円) |
割合(%) |
金額 (百万円) |
割合(%) |
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住商アグロインターナショナル株式会社 |
1,409 |
10.0 |
1,655 |
10.8 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)財政状態の分析
① 資産の部
当連結会計年度末の総資産は295億27百万円となり、174億33百万円増加しました。その内訳は、流動資産が45億4百万円増加、固定資産が129億29百万円増加したことによるものであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は139億84百万円となり、45億4百万円増加しました。その主な要因は、受取手形及び売掛金が15億55百万円増加、商品及び製品13億円増加がしたことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は155億43百万円となり、129億29百万円増加しました。その主な要因は、建物及び構築物が6億11百万円増加、のれんが105億27百万円増加したことによるものであります。
② 負債の部
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は184億92百万円となり、142億44百万円増加しました。その主な要因は、短期借入金が130億5百万円増加したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は37億16百万円となり、22億3百万円増加しました。その主な要因は、長期借入金が18億60百万円増加、繰延税金負債が1億62百万円増加したことによるものであります。
③ 純資産の部
当連結会計年度末における純資産の部は73億18百万円となり、9億85百万円増加しました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が10億48百万円増加したことによるものであります。
(5)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億62百万円増加し、当連結会計年度末には22億94百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、支出した資金は4億87百万円(前連結会計年度は4億57百万円の収入)となりました。これは主として収入面では、税金等調整前当期純利益17億58百万円、減価償却費2億55百万円に対して、支出面では、たな卸資産の増加額11億6百万円、仕入債務の減少額3億47百万円、法人税等の支払額6億44百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は99億33百万円(前連結会計年度は2億50百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出2億43百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出95億42百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は110億93百万円(前連結会計年度は10億87百万円の支出)となりました。これは主に短期借入金の増加額113億19百万円、長期借入金の返済による支出42百万円、配当金の支払額1億94百万等によるものであります。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び商品の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は166億63百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は22億94百万円となっております。
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契約会社名 |
契約相手先 |
相手先の所在地 |
契約期間 |
契約内容 |
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当社 |
全国農業協同組合連合会 |
日本 |
2010年10月18日~ 2011年10月17日 (1年毎の自動更新の定めあり) |
全農が取り扱う農薬・資材の売買についての基本契約 |
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当社
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全国農業協同組合連合会 |
日本 |
2010年12月16日~ 2011年12月15日 (1年毎の自動更新の定めあり) |
全農が取り扱う肥料の売買についての基本契約 |
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当社 |
大塚化学㈱ |
日本 |
2010年9月28日~ 2040年9月27日 |
当社鳴門事業所敷地の借地にかかる賃貸借 |
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当社 |
株式会社りそな銀行 |
日本 |
2018年12月11日~ 2019年5月31日 |
相対型コミットメントライン契約
借入金額 8,000百万円 |
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Blue Wave Holding B.V. |
ABN AMRO Bank N.V. |
オランダ |
2014年11月11日から7年間
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マルチカレンシーによる証書貸付及び極度貸付のファシリティ契約
借入金額 ファシリティA1 6,495千ユーロ ファシリティA2 3,578千ドル ファシリティB 12,000千ユーロ ファシリティC 3,290千ユーロ 極度借入 2,161千ユーロ |
当社グループでは、インドの子会社OAT&IIL India Laboratories Private Limited社と連携し新規農薬の探索及び創薬に取り組んでおります。また徳島県鳴門市にある研究所において、農薬製品、肥料製品、バイオスティミュラント製品に関して多方面から「新たな食糧増産技術」の研究及び製品開発に取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発の主なものは、以下のとおりであります。
農薬製品の海外販路及び売上高の拡大を目的に、農薬登録国の拡大や適用拡大を進めるとともに、市場動向やニーズに基づいた製品開発を引き続き進めてまいりました。国内においては殺虫剤、殺菌剤、除草剤などの適用拡大に取り組んでまいりました。肥料製品につきましても、国内と海外を通じて新規製品登録を進めてまいりました。バイオスティミュラント分野につきましては、新たな販路を拡大するために登録国の拡大や適用拡大を進めてまいりました。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は12億99百万円であります。