第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「食糧増産技術(アグリテクノロジー)と真心で、世界の人々に貢献します。」という企業理念のもと、農薬や肥料、あるいは独自の栽培システムなどを開発・製造・販売する過程で、作物の増収に寄与する総合的かつ包括的な技術の開発と体系化に取り組んでおります。この技術・ノウハウの蓄積を基礎に「新たな食糧増産技術」を開発していくことで、増え続ける世界人口を支えるための食糧問題を解決し、株主の皆さまやお客さまから高い信頼と評価を得られるよう、企業価値の最大化を図ることを経営の基本方針としています。

 当社グループの持つ技術や製品の機能を広く提案し、積極的な展開を行うことにより持続的な企業価値の向上を図ってまいります。またESG(環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance))の観点も積極的に経営に取り入れてまいります。当社グループの企業活動は、持続可能な未来を社会と共に築くものであり、SDGs活動そのものであると考えております。

 

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループの主力をなす農薬事業は、食料の増産や安定供給に対する有効な手段であり世界的には拡大傾向にあります。一方、資源の循環型活用などを中心とした栽培技術や農作物も注目され、農作物の生産に求められる技術や消費者の嗜好も多様化しております

 販売における環境は、国内販売におきましては、国内人口の減少などにともない縮小傾向にあり、事業環境としては引き続きやや厳しい状況が続くものと考えられます。一方、海外販売におきましては、食料の安定供給や作物生産技術の高度化や高品質化など、中長期的には拡大傾向で推移するものと予想しております。

 このような状況下において、設立10年を経過し、グローバルな観点において多様化する市場や消費者の要求に応え、当社グループがグローバルに持続的な事業規模の拡大を図るため、「新中期経営計画 2021-2023」を策定し、安定収入の確保と中長期的な経営基盤の拡大を図り、より具体的なアクションプランのもと、持続的成長軌道に乗せるための蓄積の3年間にしてまいります

 以下の取り組みを通して、持続的成長を実現してまいります。

 

成長ドライバーへの取り組み

 「新中期経営計画 2021-2023」でも挙げられている課題を具体化するために、①成長ドライバーへの取り組みとして「人と環境にやさしいグリーン農薬」「バイオスティミュラント事業」「施設園芸分野での潜在需要の掘り起こし」「グローバル製品展開」をキーワードに、より注力してまいります。

 

グローバルでのシナジー効果の追求

 農業バリューチェーンにおける当社グループの関わりにおいて、現状までは、Pre-Harvest分野とPost-Harvest分野においてグループ各社が個別の対応になっていましたが、農業バリューチェーンにおける各パートの情報共有及び連携において利益の最大化追求を試み、研究拠点のサテライト化における研究スピード向上の追求、バイオスティミュラント製品の新製品開発の効率化、製品展開のスピード向上の追求など、グループ各社と協力して取り組んでまいります。

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企業文化の構築と新規ビジネスへの挑戦

 当社の強みである「栽培」に着目し、「栽培の楽しさ・難しさを自ら体験し、世界に発信する」ことを企業文化としてまいります。「栽培」にフォーカスしたこの企業文化は、全社員が共有する価値観であり、行動規範となります。また、コロナ禍において、家庭での滞在時間が増えた消費者に対して、家庭園芸をより簡単に楽しめるノウハウをSNSから発信するとともに、当社のECサイトにて必要な資材を揃えることで、「栽培」を簡単に楽しめる方法を提案いたします。家庭園芸を楽しみたい消費者と双方向のやり取りをすることにより、新たなビジネスモデルに挑戦し、巣ごもり需要を開拓することを目指します。

 

④研究開発体制について

 新規農薬製品の開発費用及び国内外の農薬登録評価制度に対応した登録維持費用の増大を見込んでおります。これらは、当面の営業利益に対する影響は小さくありませんが、将来的な当社の発展には欠かせないものであります。コスト意識をもって確実に取り組むことと、競争力を維持することを課題として取り組んでまいります。

 また、インドのOAT&IIL India Laboratories Private Limitedとの連携した研究により早期の製品開発を目指します。

 

⑤生産性の向上

 製造部門にとどまらず各部門において、SDGsの取り組みを念頭に置きつつ、コスト意識の向上や付加価値の高い業務へのシフトなど生産性の向上をすすめてまいります。

 

⑥財務体質の強化

 グループ全体の資産及び負債を総合的に見直すと同時に、為替変動の影響や不要なコストを抑えるなどキャッシュ・フローをベースとした財務体質の強化に努め、新規事業及び研究開発への投資や、株主の皆様への配当金等の還元策への備えを図ります。

 

 当社グループは、これらを具体化するための全社的な取り組みとして、拡大する海外市場を見据えたグローバルな人材育成に継続して取り組んでまいります。また、法令を遵守することはもちろん、企業グループとして社会的な責任を果たし、広く社会に貢献してまいります。

 

(3)目標とする経営指標

 当社グループが目標とする経営指標としましては、特に安定的な収益確保及び収益力の強化を目指すため、営業利益の拡大と売上高営業利益率の向上、及び株主資本の有効活用を図るためROE(自己資本当期純利益率)を経営指標に据え、更にはフリー・キャッシュ・フローの確保も重視しながら企業価値の向上に努めております。

 「新中期経営計画 2021-2023」において、経営指標を以下のとおり設定しております。

売上高営業利益率

7.0%以上

ROE

10.0%以上

 

(4)経営者の問題意識と今後の方針について

 当社グループは、保有する農薬原体の海外展開、国内外の販売網を生かした市場分析、新規薬剤の開発及び肥料・バイオスティミュラントの底上げを中長期成長戦略の柱とし、当社がこれらの分野を重点的にサポートしていくことにより、グループ全体として将来につながる利益構造基盤を築いてまいります。また、多様性を尊重する企業風土を推進するとともに、コンプライアンスの推進、内部統制システムの強化等、企業の社会的責任の遂行及び業務の効率性向上にも積極的に取り組んでまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関するすべてのリスクを網羅しているものではありません。

 当社グループはこれらのリスクの発生可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容も合わせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

重要なリスク

(1)農業市場の動向に係るリスク

 当社グループの主要な製品である、農薬・肥料の最終消費者は農業従事者となります。このため、農業市場の動向により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 近年における国内の農業市場は、農作物の販売価格の下落や、農業従事者の高齢化・後継者不足により漸減傾向が続いております。今後の国内市場の動向としましても、政府の農業政策の方針によっては、依然として不透明な環境が継続すると予想されます。

 政府が公表している計画、戦略の主なものは、以下のとおりであります。

食料・農業・農村基本計画

(2020年3月 農林水産省)

主な講ずべき施策

・グローバルマーケットの戦略的な開拓

・農業担い手の育成

・農業生産・流通現場のイノベーションの促進

・環境政策の推進

みどりの食料システム戦略 中間まとめ(案)概要

(2021年3月 農林水産省)

2050年までの主な目指すべき姿

・低リスク農薬への転換、総合的な病害虫管理体制の確立・普及に加え、従来の殺虫剤に代わる新規農薬等の開発により化学農薬の使用量(リスク換算)を50%低減

・輸入原料や化石燃料を原料とした化学肥料の使用量を30%低減

・耕地面積に占める有機農業の面積を25%(100万ha)に拡大

 この結果、わが国の農業は、輸入から国内生産への転換、国産品の評価向上による輸出拡大が期待されております。

 当社グループは、当社の事業に係る政府の農業政策等も考慮し中期経営計画を策定しております。「新中期経営計画 2021-2023」では、成長ドライバーへの取り組みとして「人と環境にやさしいグリーン農薬」「バイオスティミュラント事業」「施設園芸分野での潜在需要の掘り起こし」「グローバル製品展開」、スマート農業への取り組みを行うことにより持続的な成長ができるものと判断しております。しかし、政府の農業政策変更等に伴う外部環境の変化、農業後継者不足等に伴う市場縮小などの要因等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)法規制によるリスク

 当社グループの主な事業は、国内外での農薬・肥料の生産及び販売活動であり、農薬や肥料、登録制度などに関する法令のさまざまな規制を受けております。当社グループでは、社内の管理体制の構築やコンプライアンス推進活動等によりこれらの法令遵守に取り組んでおりますが、今後、これらの法令に違反する行為が行われた場合、もしくは、法令の改正又は新たな法令の制定が行われた場合には、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 法規制による主なリスクは以下になります。

①当社グループが取り扱う製品は、製造、輸出、販売、使用の全ての過程において法規制されております。法令改正により、既存の製品や開発中製品の製造、販売、使用ができなくなる、輸入販売ができなくなる、また追加の試験研究費が発生する可能性があります。

②当社グループが取り扱う製品の製造場所・保管場所においても法令の制限を受け登録が必要となります。法令改正により製造場所・保管場所の機能に支障が発生する可能性があります。

③海外大手企業の新規市場参入制限の緩和、競合品の市場参入により販売価格が下落する可能性があります。

 当該リスクの発生する時期は、法令制定及び改正が施行された時期となり、時期を特定することが困難であります。そのため、当社としては、事業活動においては、関係法令の動向を確認し、最新の法規制を理解して活動する、製品については、研究活動による既存製品の改善・改良、新製品の開発、成長ドライバーへの取り組み活動、製造場所及び保管場所については、取引先の代替を確保する活動を行い、当該リスクの軽減化に努めてまいります。

 

(3)減損会計及び子会社株式評価に関するリスク

 当社グループは、事業の拡大に向け積極的に外部の経営資源を獲得してまいりました。そのため多額の固定資産を有しております。当年度末現在の固定資産金額は、以下のとおりであります。

有形固定資産

36億23百万円

(連結総資産の12.6%)

無形固定資産(のれんを除く)

31億75百万円

(連結総資産の11.0%)

のれん

64億97百万円

(連結総資産の22.5%)

 当該リスクは、景気変動、天候変動、世界的災害等が生じたときに発生すると考えており、これらの影響により今後の事業計画との乖離等によって期待されるキャッシュ・フローが生み出されない場合には、固定資産の減損リスクが発生いたします。また、当社が保有する子会社株式の評価基準は原価法によっておりますが、時価のない株式については財政状態の悪化等により実質価額が著しく下落した場合、子会社株式の減損処理が必要となり、個別財務諸表の業績に影響を与える可能性があります。

 なお、当年度末の固定資産については、当該リスクが顕在化する可能性や経営成績及び財務状況の影響については、現時点では認識しておりませんが、定期的にモニタリングし監督機能の強化を行い、更に、グループ各社と協力したシナジー効果による業績向上を目指した経営を行ってまいります。

 

(4)天候の変動について

 その年の天候によって、農作物の生育や病害虫及び雑草の発生状況が大きく変動し、それに伴って、製品の需要が左右されることから、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクの対策としては、施設園芸栽培分野での潜在需要の掘り起こしや完全人工光型植物工場ビジネスへの取り組み、家庭園芸分野へのD2Cビジネスなど季節性・天候の変動に影響されにくい新規ビジネスに挑戦してまいります。

 施設園芸栽培分野に貢献できる当社グループの製品及び技術は以下のとおりであります。

施設園芸用肥料

OKFシリーズ、養土耕肥料、タンクミックスシリーズ

防除農薬

サフオイル・アカリタッチなどのグリーン農薬製品

バイオスティミュラント製品

LIDA社 3製品

養液土耕栽培システム

設備・システム

スマート農業

定点カメラ・センサーを利用した生育の自動診断技術(開発中)

農薬・葉面散布の自動散布技術(開発中)

 

(5)為替変動について

 当社グループでは、輸出入取引の一部を米ドル、ユーロ、インドルピー建てで行っておりますが、外貨建てによる輸出額と輸入額のバランスを保つように努めております。また、外貨取引において為替変動によるリスクが生じる恐れのある場合には、社内規程に基づいた所定の手続きを行い、為替予約等によるリスク回避を行っております。但し、これにより当該リスクは完全な回避、低減を保証するものではありません。

 さらに、当社グループは、海外子会社の財務諸表を連結財務諸表作成のため円貨換算しております。現地通貨建ての項目は、換算時の為替レートにより円貨換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

 当社グループは、海外連結子会社が多いことから円安基調が連結業績に好影響をもたらします。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

(1)経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響により、個人消費や企業活動が停滞し非常に厳しい状況で推移しました。2020年5月の政府による緊急事態宣言の解除以降、経済・社会活動は緩やかに再開されましたが、依然として同ウイルス感染症の拡大傾向が続いており、景気の先行き不透明な状況が続いております。

 一方で世界経済におきましても、中国では比較的早めに景気回復基調が見られましたが、米国や欧州においては同ウイルスの感染拡大の影響から景気回復が鈍化あるいは悪化している状況が続いております。

 世界的な農業を取り巻く環境としましては、国連食糧農業機関(FAO)が2020年に「国際植物防疫年2020」の開始を宣言しました。FAOによると、およそ世界の食料の80%以上が植物由来であり、このうち最大40%が病害虫の被害で失われているとされています。このためFAOは、飢餓、貧困、経済発展等の重要な課題に取り組むためには、農作物を病害虫や雑草から守るための施策を促進し、実行することが重要であるとしています。

 また2015年に国連が採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」の中でも、飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する、という目標があり、当社グループが注力している事業内容と一致しております。

 当社グループでは市場が求める安心、安全な製品を供給するための販売体制の強化や生産体制の効率化、積極的かつ持続的な研究開発投資などを図り、世界の農業が抱える課題解決に引き続き取り組んでまいります。

 当社におきましては2020年2月に丸善薬品産業株式会社と業務提携契約を結び、国内市場において生産者重視の営業体制を構築しました。

 以上の事業活動の結果、当連結会計年度の売上高は202億88百万円(前連結会計年度比16億21百万円減少、同7.4%減)、営業利益15億12百万円(前連結会計年度比4億35百万円増加、同40.5%増)、経常利益13億46百万円(前連結会計年度比5億8百万円増加、同60.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8億37百万円(前連結会計年度比8億32百万円増加、同17,747.9%増)となりました。

 

 当社グループはアグリテクノ事業の単一セグメントでありますが、各分野の状況は次のとおりであります。

 農薬分野では、国内においては、オンコル関連剤や殺菌剤「ショウチノスケ」、グリーン農薬(注1)「サフオイル」などが積極的な営業活動の結果、昨年と比較して好調に推移しましたが、殺虫剤「ハチハチ」や水稲除草剤の出荷が昨年比で減少しました。一方海外においては、殺ダニ剤「ダニサラバ」の販売が好調に推移し拡大することができましたが、殺菌剤「ガッテン」、殺虫剤「オンコル」の出荷は昨年比で減少しました。これらの結果、農薬分野の売上高は96億22百万円(前連結会計年度比7億29百万円減少、同7.1%減)となりました。

 肥料・バイオスティミュラント(注2)分野では、国内においては、養液土耕栽培システムの出荷が増加しましたが、海外においては、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて需要が減少したオランダのクリザール社(Blue Wave Holding B.V.)の花卉資材やバイオスティミュラント剤「アトニック」の出荷が昨年比で減少しました。これらの結果、肥料・バイオスティミュラント分野の売上高は106億66百万円(前連結会計年度比8億91百万円減少、同7.7%減)となりました。

(注1)グリーン農薬:農薬登録を有する天然・食品添加物由来又は有機JAS適合農薬など使用回数に制限のない安心安全な環境にも優しい防除資材

(注2)バイオスティミュラント:植物が本来持つ能力や機能を高め、耐寒性、耐暑性、病害虫耐性及び成長促進を促す物質や技術の総称

 

 一方で、前連結会計年度ではクリザール社(Blue Wave Holding B.V.)買収に伴う取得原価の再配分の影響で、売上原価が多額になっておりましたが、当連結会計年度においてはその影響がなかったことで、営業利益は15億12百万円(前連結会計年度比4億35百万円増加、同40.5%増)となりました。

 また、OATアグリフロンティア社の清算結了による特別利益を1億54百万円計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は8億37百万円(前連結会計年度比8億32百万円増加、同17747.9%増)となりました。

 なお薬害につきましては、原因の特定がなされておりますので、今後の再発防止に努めてまいります。

(2)生産、受注及び販売の実績

①生産実績

 当連結会計年度の生産実績は以下のとおりであります。なお、当社グループはアグリテクノ事業の単一セグメントであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2020年1月1日

  至 2020年12月31日)

 (百万円)

 前年同期比(%)

アグリテクノ事業

9,517

91.4

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

②商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績は以下のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2020年1月1日

  至 2020年12月31日)

 (百万円)

 前年同期比(%)

アグリテクノ事業

931

89.8

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③受注実績

 当社グループは主として見込み生産を行っているため、記載を省略しております。

 

④販売実績

 当連結会計年度の販売実績は以下のとおりであります。なお、当社グループはアグリテクノ事業の単一セグメントのため分野別に記載しております。

 分野別の名称

 当連結会計年度

(自 2020年1月1日

  至 2020年12月31日)

 (百万円)

 前年同期比(%)

農薬

9,622

93.0

肥料・バイオスティミュラント

10,666

92.3

合計

20,288

92.6

(注)主要な販売先に、総販売実績の100分の10を超える相手先はありません。

(3)財政状態の分析

① 資産の部

 当連結会計年度末の総資産は288億48百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億76百万円減少しました。その内訳は、流動資産が5百万円増加、固定資産が8億81百万円減少したことによるものであります。

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産は144億41百万円となり、前連結会計年度末に比べ5百万円増加しました。その主な要因は、現金及び預金が3億21百万円増加、受取手形及び売掛金が3億33百万円増加、商品及び製品が3億98百万円減少、原材料及び貯蔵品が1億72百万円減少、仕掛品が1億35百万円減少したことによるものであります。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産は144億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億81百万円減少しました。その主な要因は、のれんが3億51百万円減少、土地が1億15百万円減少、顧客関係資産が97百万円減少、機械装置及び運搬具が96百万円減少したことによるものであります。

② 負債の部

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債は108億7百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億91百万円減少しました。その主な要因は、支払手形及び買掛金が3億86百万円減少、短期借入金が4億32百万円減少したことによるものです。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債は104億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億9百万円減少しました。その主な要因は、長期借入金が4億76百万円減少、長期預り金が37百万円減少したことによるものであります。

③ 純資産の部

 当連結会計年度末における純資産の部は76億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億24百万円増加しました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上8億37百万円、剰余金の配当2億16百万円、為替換算調整勘定の増加1億13百万円等によるものであります。

 

(4)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1億99百万円増加し、当連結会計年度末には35億27百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、獲得した資金は19億37百万円(前連結会計年度は23億92百万円の収入)となりました。これは主として収入面では、税金等調整前当期純利益13億76百万円、減価償却費8億42百万円、のれん償却額5億70百万円、たな卸資産の減少額7億36百万円等に対して、支出面では、売上債権の増加額3億7百万円、法人税等の支払額6億1百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、支出した資金は2億58百万円(前連結会計年度は4億64百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出2億17百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、支出した資金は13億39百万円(前連結会計年度は8億93百万の支出)となりました。これは主として収入面では、長期借入金による収入27億79百万円によるものです。また主な支出面では、短期借入金の減少額1億55百万円、長期借入金の返済による支出35億76百万円、配当金の支払額2億16百万円等によるものであります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び商品の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は156億58百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は35億27百万円となっております。

 

(6)経営方針、経営戦略等又は目標とする経営指標に照らした分析、検討内容

 当社グループの経営方針、経営戦略等又は目標とする経営指標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 当連結会計年度における取り組みとして、農薬分野では、国内においては、オンコル関連剤、殺菌剤「ショウチノスケ」、殺虫剤殺ダニ剤「サフオイル」を中心に積極的な営業活動を展開してまいりました。一方で海外においては、殺ダニ剤「ダニサラバ」、殺菌剤「ガッテン」「カリグリーン」、殺虫剤「オンコル」を中心に米州、アジア地域で積極的な営業活動を展開してまいりました。肥料・バイオスティミュラント分野においては、養液土耕栽培システム及びその肥料、「ハウス肥料」、「OK-Fシリーズ」などの既存製品に積極的な営業活動を展開してまいりました。更に、国内において子会社であるスペインのLIDA Plant Research, S.L.のバイオスティミュラント「リダバイタル」「アルガミックス」「フルボディ」の販売を開始しました。またオランダのクリザール社(Blue Wave Holding B.V.)はコロナ禍の影響を受け収益が大きく悪化する予測ではありましたが、徐々に回復し当社連結グループの売上高に貢献しました。

 以上の結果、当連結会計年度の営業利益は15億12百万円(前連結会計年度比4億35百万円増加、同40.5%増)、売上高営業利益率は7.5%(前連結会計年度比2.5%増)、連結ROEは12.9%(前連結会計年度比12.8%増)となりました。

 当社グループが目標とする経営指標である営業利益、売上高営業利益率、連結ROEにつきましては、すべて前連結会計年度比で回復いたしました。その要因としましては、前連結会計年度はクリザール社(Blue Wave Holding B.V.)買収にともなう取得原価の再配分に伴う一過性費用が収益を大きく悪化させる要因となっておりましたが、当連結会計年度は一過性費用の影響が解消されたことにより売上原価を大きく減少させることが挙げられます。また、当連結会計年度において、投資有価証券評価損59百万円、子会社である潤禾(舟山)植物科技有限公司の固定資産減損損失47百万円などを特別損失を計上いたしましたが、連結ROEを大きく悪化させる影響はありませんでした。

 当社グループが主に事業を展開する農業業界においては、国内販売におきましては、農業生産額の減少などにともない市場は縮小傾向にあり、事業環境としてはやや厳しい状況が続くものと考えられます。また、海外販売におきましては、食料の安定供給や作物生産技術の高度化や高品質化など、中長期的には拡大傾向で推移するものと予想しております。

 このような中、当社グループは、「新中期経営計画 2021-2023」に基づいた重要課題に取り組み、2023年12月期には売上高234億40百万円(当連結会計年度比15.5%増)、営業利益24億50百万円(当連結会計年度比62.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14億10百万円(当連結会計年度比68.5%増)、ROE13.6%(当連結会計年度比0.7%増)を達成し、持続的成長軌道に乗せるよう目指してまいります。

過去5年間の経営指標の推移

 

2016年

12月期

2017年

12月期

2018年

12月期

2019年

12月期

2020年

12月期

営業利益(百万円)

1,603

1,882

1,743

1,077

1,512

売上高営業利益率(%)

12.4

13.3

11.4

4.9

7.5

連結ROE(%)

21.9

25.3

19.9

0.1

12.9

 

(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要としますが、これらの見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

 

(のれんの減損)

 当社グループは、のれんについて、主として発生日以降5~15年間で均等償却しております。その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初予想していた収益が見込めなくなった場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

 

(固定資産の減損)

 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

(棚卸資産の評価)

 当社グループは、販売目的で保有する棚卸資産は収益性の低下等により期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。正味売却価額の算定に当たっては、直近の販売価額、市場環境等を勘案しておりますが、これらの前提条件や仮定に変更が生じ、正味売却価額が減少することになった場合には、評価損計上の処理が追加で必要となる可能性があります。

 

(繰延税金資産)

 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

 

 

4【経営上の重要な契約等】

契約会社名

契約相手先

相手先の

所在地

契約期間

契約内容

当社

全国農業協同組合連合会

日本

2010年10月18日~

2011年10月17日

(1年毎の自動更新の定めあり)

全農が取り扱う農薬・資材の売買についての基本契約

当社

 

全国農業協同組合連合会

日本

2010年12月16日~

2011年12月15日

(1年毎の自動更新の定めあり)

全農が取り扱う肥料の売買についての基本契約

当社

大塚化学㈱

日本

2010年9月28日~

2040年9月27日

当社鳴門事業所敷地の借地にかかる賃貸借契約

当社

丸善薬品産業㈱

日本

2020年2月28日~

2023年2月27日

(1年毎の自動更新の定めあり)

当社製品の販売における業務提携契約

 

Blue Wave Holding B.V.

ABN AMRO Bank N.V.

オランダ

2020年8月5日から5年間

 

マルチカレンシーによる証書貸付及び極度貸付のファシリティ契約

 

借入金額

ファシリティA1 18,131千ユーロ

ファシリティA2 2,448千ドル

極度借入    362千ユーロ

 

5【研究開発活動】

 当社グループでは、インドの子会社OAT&IIL India Laboratories Private Limitedと連携し新規農薬の探索及び創薬に取り組んでおります。また徳島県鳴門市にある研究所において、農薬製品、肥料製品、バイオスティミュラント製品に関して多方面から「新たな食糧増産技術」の研究及び製品開発に取り組んでおります。

 当連結会計年度における研究開発の主なものは、以下のとおりであります。

 農薬製品の海外販路及び売上高の拡大を目的に、農薬登録国の拡大や適用拡大を進めるとともに、市場動向やニーズに基づいた既存製品の改善・改良、新製品開発を引き続き進めてまいりました。国内においては殺虫剤、殺菌剤、除草剤などの適用拡大に取り組んでまいりました。肥料製品につきましても、国内と海外を通じて新規製品登録を進めてまいりました。バイオスティミュラント分野につきましては、新たな販路を拡大するために登録国の拡大や適用拡大を進めてまいりました。

 また、ICT(情報通信技術)やロボット、AI(人工知能)を活用した農業、いわゆる「スマート農業」についても当社栽培研究センターを中心に農薬分野、肥料分野、バイオスティミュラント分野を横断して研究を行っております。

 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は1,730百万円であります。