第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「食糧増産技術(アグリテクノロジー)と真心で、世界の人々に貢献します。」という企業理念のもと、農薬や肥料、あるいは独自の栽培システムなどを開発・製造・販売する過程で、作物の増収に寄与する総合的かつ包括的な技術の開発と体系化に取り組んでおります。この技術・ノウハウの蓄積を基礎に「新たな食糧増産技術」を開発していくことで、増え続ける世界人口を支えるための食糧問題を解決し、株主の皆さまやお客さまから高い信頼と評価を得られるよう、企業価値の最大化を図ることを経営の基本方針としています。

 当社グループの持つ技術や製品の機能を広く提案し、積極的な展開を行うことにより持続的な企業価値の向上を図ってまいります。またESG(環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance))の観点も積極的に経営に取り入れてまいります。当社グループの企業活動は、持続可能な未来を社会と共に築くものであり、SDGs活動そのものであると考えております。

 

(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループの主力をなす農薬事業は、食料の増産や安定供給に対する有効な手段であり世界的には拡大傾向にあります。一方、資源の循環型活用などを中心とした栽培技術や農作物も注目され、農作物の生産に求められる技術や消費者の嗜好も多様化しております。

 しかし、資源、エネルギーの高騰や原料調達コスト上昇による利益率の低下、また原料確保が困難になることによる販売機会の喪失など様々な課題が山積している状況になってきております。

 販売における環境は、国内販売におきましては、国内人口の減少などにともない縮小傾向にあり、事業環境としては引き続き厳しい状況が続くものと予想しております。一方、海外販売におきましては、食料の安定供給や作物生産技術の高度化や高品質化など、中長期的に拡大傾向で推移するものと予想しております。

 このような状況の下で、当連結会計年度においては、新中期経営計画に基づいて企業活動を行った結果、大幅な販売拡大と成長軌道を見出すことができました。今後も持続的な成長拡大を実現するために、中期経営計画(新中期経営計画 2022-2024年)を刷新いたしました。この新中期経営計画は、販売国の増加、新製品のマイルストーンなどを盛り込んだ計画となっており、活動方針及び具体的な取り組みは以下のとおりとなります。

 

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成長ドライバーへの取り組み

 新中期経営計画でも挙げられている課題をより具体化するために、成長ドライバーへの取り組みとして「人と環境にやさしいグリーンプロダクツ」「バイオスティミュラント事業」「施設園芸分野での潜在需要の掘り起こし」「グローバル製品展開」をキーワードに、より注力してまいります。

 

グローバルでのシナジー効果の追求

 農業バリューチェーンにおける当社グループの関わりにおいて、現状までは、Pre-Harvest分野とPost-Harvest分野においてグループ各社が個別の対応になっていましたが、農業バリューチェーンにおける各パートの情報共有及び連携において利益の最大化追求を試み、研究拠点のサテライト化における研究スピード向上の追求、バイオスティミュラント製品の新製品開発の効率化、製品展開のスピード向上の追求など、グループ各社と協力して取り組んでまいります。

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企業文化の構築と新規ビジネスへの挑戦

 当社の強みである「栽培」に着目し、「栽培の楽しさ・難しさを自ら体験し、世界に発信する」ことを企業文化としてまいります。「栽培」にフォーカスしたこの企業文化は、全社員が共有する価値観であり、行動規範となります。また、コロナ禍において、家庭での滞在時間が増えた消費者に対して、家庭園芸をより簡単に楽しめるノウハウをSNSから発信するとともに、当社のECサイトにて必要な資材を揃えることで、「栽培」を簡単に楽しめる方法を提案いたします。家庭園芸を楽しみたい消費者と双方向のやり取りをすることにより、新たなビジネスモデルに挑戦し、巣ごもり需要を開拓することを目指します。

 

研究開発体制について

 新規農薬製品の開発費用及び国内外の農薬登録評価制度に対応した登録維持費用の増大を見込んでおります。これらは、当面の営業利益に対する影響は小さくありませんが、将来的な当社の発展には欠かせないものであります。コスト意識をもって確実に取り組むことと、競争力を維持することを課題として取り組んでまいります。

 また、インドのOAT&IIL India Laboratories Private Limited社との連携した研究により早期の製品開発を目指します。

 

生産性の向上

 昨今の原油、原料価格の上昇、海上輸送経費の増加などに対応するため、グローバルなネットワークを活用し、グループ各社で最適かつ最良な原材料調達の情報を共有してまいります。またそれらを製造部門にとどまらず各部門において、SDGsの取り組みを念頭に置きつつ、コスト意識の向上や付加価値の高い業務へのシフトなど生産性の向上をすすめてまいります。

 

財務体質の強化

 グループ全体の資産及び負債を総合的に見直すと同時に、為替変動の影響や不要なコストを抑えるなどキャッシュ・フローをベースとした財務体質の強化に努め、新規事業及び研究開発への投資や、株主の皆様への配当金等の還元策への備えを図ります。

 

 当社グループは、これらを具体化するための全社的な取り組みとして、拡大する海外市場を見据えたグローバルな人材育成に継続して取り組んでまいります。また、法令を遵守することはもちろん、企業グループとして社会的な責任を果たし、広く社会に貢献してまいります。

 

(3)目標とする経営指標

 当社グループが目標とする経営指標としましては、特に安定的な収益確保及び収益力の強化を目指すため、営業利益の拡大と売上高営業利益率の向上、及び株主資本の有効活用を図るためROE(自己資本当期純利益率)を経営指標に据え、更にはフリー・キャッシュ・フローの確保も重視しながら企業価値の向上に努めております。

 「新中期経営計画 2022-2024年」において、経営指標を以下のとおり設定しております。

売上高営業利益率

10.0%以上

連結ROE

15.0%以上

 

(4)経営者の問題意識と今後の方針について

 当社グループは、保有する農薬原体の海外展開、国内外の販売網を生かした市場分析、新規薬剤の開発及び肥料・バイオスティミュラントの底上げを中長期成長戦略の柱とし、当社がこれらの分野を重点的にサポートしていくことにより、グループ全体として将来につながる利益構造基盤を築いてまいります。また、ESG(環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance))の観点も積極的に経営に取り入れてまいります。多様性を尊重する企業風土を推進するとともに、コンプライアンスの推進、内部統制システムの強化等、企業の社会的責任の遂行及び業務の効率性向上にも積極的に取り組んでまいります。当社グループの企業活動は、持続可能な未来を社会とともに築くものであり、SDGs活動そのものであると考えております。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関するすべてのリスクを網羅しているものではありません。

 当社グループはこれらのリスクの発生可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容も合わせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

重要なリスク

(1)農業市場の動向に係るリスク

 当社グループの主要な製品である、農薬・肥料の最終消費者は農業従事者となります。このため、農業市場の動向により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 近年における国内の農業市場は、国内人口の減少、農作物の販売価格の下落や、農業従事者の高齢化・後継者不足により漸減傾向が続いております。今後の国内市場の動向としましても、政府の農業政策の方針によっては、依然として不透明な環境が継続すると予想されます。

 政府が公表している計画、戦略の主なものは、以下のとおりであります。

食料・農業・農村基本計画

(2020年3月 農林水産省)

主な講ずべき施策

・グローバルマーケットの戦略的な開拓

・農業担い手の育成

・農業生産・流通現場のイノベーションの促進

・環境政策の推進

みどりの食料システム戦略 概要

(2021年5月 農林水産省)

2050年までの主な目指すべき姿

・低リスク農薬への転換、総合的な病害虫管理体制の確立・普及等を図ることに加え、従来の殺虫剤に代わる新規農薬等の開発により化学農薬の使用量(リスク換算)を50%低減

・輸入原料や化石燃料を原料とした化学肥料の使用量を30%低減

・耕地面積に占める有機農業の面積を25%(100万ha)に拡大

 この結果、わが国の農業は、輸入から国内生産への転換、国産品の品質評価向上による輸出拡大が期待されております。

 当社グループは、創業当時の企業理念及び当社の事業に係る政府の農業政策等も考慮し中期経営計画を策定しております。2022年2月に改訂した「新中期経営計画 2022-2024年」においても、成長ドライバーへの取り組みとして「人と環境にやさしいグリーン農薬(グリーンプロダクツ)」「バイオスティミュラント事業」「施設園芸分野での潜在需要の掘り起こし」「グローバル製品展開」、スマート農業への取り組みを引き続き行うことにより持続的な成長ができるものと判断しております。しかしながら、政府の農業政策変更等に伴う外部環境の変化、農業後継者不足等に伴う市場縮小などの要因等により、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)法規制によるリスク

 当社グループの主な事業は、国内外での農薬・肥料の生産及び販売活動であり、農薬や肥料、登録制度などに関する法令のさまざまな規制を受けております。当社グループでは、社内の管理体制の構築やコンプライアンス推進活動等によりこれらの法令遵守に取り組んでおりますが、今後、これらの法令に違反する行為が行われた場合、もしくは、法令の改正又は新たな法令の制定が行われた場合には、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 法規制による主なリスクは以下になります。

①当社グループが取り扱う製品は、原料調達、製造、輸出、販売、使用の全ての過程において法規制されております。法令改正により、既存の製品や開発中製品の原料調達、製造、販売、使用ができなくなる、輸入販売ができなくなる、また追加の試験研究費が発生する可能性があります。

②当社グループが取り扱う製品の製造場所・保管場所においても法令の制限を受け登録が必要となります。法令改正により製造場所・保管場所の機能に支障が発生する可能性があります。

③海外大手企業の新規市場参入制限の緩和、競合品の市場参入により販売価格が下落する可能性があります。

 当該リスクの発生する時期は、法令制定及び改正が施行された時期となり、時期を特定することが困難であります。そのため、当社としては、事業活動においては、関係法令の動向を確認し、最新の法規制を理解して活動する、製品については、研究活動による既存製品の改善・改良、新製品の開発、成長ドライバーへの取り組み活動、製造場所及び保管場所については、取引先の代替を確保する活動を行い、当該リスクの軽減化に努めてまいります。

 

(3)減損会計及び子会社株式評価に関するリスク

 当社グループは、事業の拡大に向け積極的に外部の経営資源を獲得してまいりました。そのため多額の固定資産を有しております。

 当該リスクは、景気変動、天候変動、世界的災害等が生じたときに発生すると考えており、これらの影響により今後の事業計画との乖離等によって期待されるキャッシュ・フローが生み出されない場合には、固定資産の減損リスクが発生いたします。また、当社が保有する子会社株式の評価基準は原価法によっておりますが、時価のない株式については財政状態の悪化等により実質価額が著しく下落した場合、子会社株式の減損処理が必要となり、個別財務諸表の業績に影響を与える可能性があります。

 なお、当連結会計年度末の固定資産については、当該リスクが顕在化する可能性や経営成績及び財務状況の影響については、現時点では認識しておりませんが、定期的にモニタリングし監督機能の強化を行い、更に、グループ各社と協力したシナジー効果による業績向上を目指した経営を行ってまいります。

 

(4)天候の変動について

 その年の天候によって、農作物の生育や病害虫及び雑草の発生状況が大きく変動し、それに伴って、製品の需要が左右されることから、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 当該リスクの対策としては、施設園芸栽培分野での潜在需要の掘り起こしや完全人工光型植物工場ビジネスへの取り組み、家庭園芸分野へのD2Cビジネスなど季節性・天候の変動に影響されにくい新規ビジネスに挑戦してまいります。

 施設園芸栽培分野に貢献できる当社グループの製品及び技術は以下のとおりであります。

施設園芸用肥料

OKFシリーズ、養土耕肥料、タンクミックスシリーズ

防除農薬

サフオイル・アカリタッチなどのグリーン農薬(グリーンプロダクツ)製品

バイオスティミュラント製品

LIDA社 3製品

養液土耕栽培システム

設備・システム

スマート農業

定点カメラ・センサーを利用した生育の自動診断技術(品種限定)

農薬・葉面散布の自動散布技術(開発中)

上記を取り纏めた栽培トータルソリューションサービス『アグリオいちごマスター』のサービス提供

 

(5)為替変動について

 当社グループでは、輸出入取引の一部を米ドル、ユーロ、インドルピー建てで行っておりますが、外貨建てによる輸出額と輸入額のバランスを保つように努めております。また、外貨取引において為替変動によるリスクが生じる恐れのある場合には、社内規程に基づいた所定の手続きを行い、為替予約等によるリスク回避を行っております。但し、これにより当該リスクは完全な回避、低減を保証するものではありません。

 さらに、当社グループは、海外子会社の財務諸表を連結財務諸表作成のため円貨換算しております。現地通貨建ての項目は、換算時の為替レートにより円貨換算後の価値が影響を受ける可能性があります。

 当社グループは、海外連結子会社が多いことから円安基調が連結業績に好影響をもたらします。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。

(1)経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、緊急事態宣言の発出と解除が繰り返された結果、個人消費が停滞し非常に厳しい状況が続きました。さらに年末にかけて変異ウイルス「オミクロン株」が世界中に流行するなど、依然として景気の先行き不透明な状況が続いております。

 一方で世界経済におきましても、米国や欧州を中心として経済・社会活動の正常化が進んだため需要が急回復し、その反動による原材料の供給制約や労働力不足、エネルギー価格の高騰などを要因とする不安定な物価動向が見られ、国内経済と同様に先行き不透明な状況が続いております。

 国内農業を取り巻く環境としましては、国内外において「持続可能な開発目標(SDGs)」や環境への対応が重要となっている中で、2021年5月に農林水産省が、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現させるため、新しい政策方針として「みどりの食料システム戦略」を策定し、公表いたしました。この新しい政策方針は、当社グループが提唱する食糧増産技術(アグリテクノロジー)を普及させることと一致しております。また、アグリテクノロジーを普及させることが、SDGsの貢献目標である「環境保全」、「資源効率の改善」、「飢餓撲滅」に繋がるものと考えております。

 このような環境の中、当社グループでは、2021年2月に「新中期経営計画(2021-2023年)」を策定し、「人や環境に優しい」持続可能な農業をより広く普及させるため、経営理念である『食料増産技術(アグリテクノロジー)と真心で世界の人々に貢献します』を実践し、重点施策の取り組みを進めてまいりました。

 当社グループでは、引き続き市場が求める安心、安全な製品を供給するための販売体制の強化や生産体制の効率化、積極的かつ持続的な研究開発投資などを図り、世界の農業が抱える課題解決に引き続き取り組んでまいります。

 以上の事業活動の結果、当連結会計年度の売上高は226億57百万円(前連結会計年度比23億69百万円増加、同11.7%増)、営業利益19億82百万円(前連結会計年度比4億69百万円増加、同31.0%増)、経常利益19億69百万円(前連結会計年度比6億23百万円増加、同46.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14億43百万円(前連結会計年度比6億5百万円増加、同72.3%増)となりました。

 

 当社グループはアグリテクノ事業の単一セグメントでありますが、各分野の状況は次のとおりであります。

 農薬分野では、国内においては、殺菌剤「ショウチノスケ」、グリーンプロダクツ(注1)「サフオイル」などが積極的な営業活動の結果、昨年と比較して出荷が好調に推移しましたが、殺虫剤「オンコル」、「ハチハチ」や水稲除草剤の出荷が昨年比で減少しました。一方海外においては、殺ダニ剤「ダニサラバ」、殺虫剤「オンコル」の出荷が好調に推移し売上高を拡大することができましたが、殺菌剤「ガッテン」は、販売先の在庫調整の影響を受けて出荷は昨年比で減少しました。これらの結果、農薬分野の売上高は95億39百万円(前連結会計年度比82百万円減少、同0.9%減)となりました。

 肥料・バイオスティミュラント(注2)分野では、国内においては、ハウス肥料や養液土耕栽培用肥料の出荷が増加しました。一方海外においては、オランダのクリザール社(Blue Wave Holding B.V.)の花卉資材やバイオスティミュラント剤「アトニック」の出荷が昨年比で増加しました。これらの結果、肥料・バイオスティミュラント分野の売上高は131億18百万円(前連結会計年度比24億51百万円増加、同23.0%増)となりました。

(注1)グリーンプロダクツ:農薬登録を有する天然・食品添加物由来又は有機JAS適合農薬など使用回数に制限のない安心安全な環境にも優しい防除資材

(注2)バイオスティミュラント:植物が本来持つ能力や機能を高め、耐寒性、耐暑性、病害虫耐性及び成長促進を促す物質や技術の総称

 

 一方、販売管理費において給料賞与、研究開発費が昨年比で増加した影響もあり、営業利益は19億82百万円(前連結会計年度比4億69百万円増加、同31.0%増)となりました。

 また、水稲除草剤「ベンゾフェナップ・ベンフレセート原体及び含有製剤」に関する事業の事業譲渡益などにより、親会社株主に帰属する当期純利益は14億43百万円(前連結会計年度比6億5百万円増加、同72.3%増)となりました。

 

(2)生産、受注及び販売の実績

①生産実績

 当連結会計年度の生産実績は以下のとおりであります。なお、当社グループはアグリテクノ事業の単一セグメントであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

 (百万円)

 前年同期比(%)

アグリテクノ事業

11,404

119.8

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

②商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績は以下のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

 (百万円)

 前年同期比(%)

アグリテクノ事業

941

101.1

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③受注実績

 当社グループは主として見込み生産を行っているため、記載を省略しております。

 

④販売実績

 当連結会計年度の販売実績は以下のとおりであります。なお、当社グループはアグリテクノ事業の単一セグメントのため分野別に記載しております。

 分野別の名称

 当連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

 (百万円)

 前年同期比(%)

農薬

9,539

99.1

肥料・バイオスティミュラント

13,118

123.0

合計

22,657

111.7

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 相手先

 前連結会計年度

(自 2020年1月1日

  至 2020年12月31日)

 当連結会計年度

(自 2021年1月1日

  至 2021年12月31日)

金額

(百万円)

割合(%)

金額

(百万円)

割合(%)

丸善薬品産業株式会社

1,971

9.7

4,593

20.3

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)財政状態の分析

① 資産の部

 当連結会計年度末の総資産は283億21百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億26百万円減少しました。その内訳は、流動資産が56百万円増加、固定資産が5億83百万円減少したことによるものであります。

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産は144億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ56百万円増加しました。その主な要因は、現金及び預金が84百万円減少、受取手形及び売掛金が1億36百万円減少、商品及び製品が39百万円増加、原材料及び貯蔵品が2億12百万円増加、仕掛品が2億50百万円増加したことによるものであります。

(固定資産)

 当連結会計年度末における固定資産は138億22百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億83百万円減少しました。その主な要因は、建物及び構築物が72百万円減少、のれんが4億12百万円減少、顧客関係資産が1億28百万円減少したことによるものであります。

② 負債の部

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債は103億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億67百万円減少しました。その主な要因は、支払手形及び買掛金が10億45百万円増加、未払法人税等が2億73百万円増加、短期借入金が18億29百万円減少したことによるものです。

(固定負債)

 当連結会計年度末における固定負債は88億59百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億48百万円減少しました。その主な要因は、長期借入金が12億72百万円減少、長期預り金が1億64百万円減少したことによるものであります。

③ 純資産の部

 当連結会計年度末における純資産の部は91億22百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億89百万円増加しました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上14億43百万円、剰余金の配当2億16百万円、自己株式の取得2億99百万円、為替換算調整勘定3億85百万円増加したことによるものであります。

 

(4)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ12百万円減少し、当連結会計年度末には35億14百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、獲得した資金は36億3百万円(前連結会計年度は19億37百万円の収入)となりました。これは主として収入面では、税金等調整前当期純利益22億49百万円、減価償却費8億25百万円、のれん償却額5億91百万円、仕入債務の増加額9億96百万円、売上債権の減少額2億9百万円等に対して、支出面では、たな卸資産の増加額4億29百万円、法人税等の支払額5億70百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、獲得した資金は2億21百万円(前連結会計年度は2億58百万円の支出)となりました。これは主として収入面では、投資有価証券の売却による収入2億88百万円、事業譲渡による収入2億34百万円等に対して、支出面では、有形固定資産の取得による支出2億59百万円、無形固定資産の取得による支出1億46百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、支出した資金は39億36百万円(前連結会計年度は13億39百万円の支出)となりました。これは主として、支出面では、短期借入金の減少額18億1百万円、長期借入金の返済による支出14億16百万円、配当金の支払額2億15百万円、自己株式の取得による支出2億99百万円等によるものであります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料及び商品の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は126億52百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は35億14百万円となっております。

 

(6)経営方針、経営戦略等又は目標とする経営指標に照らした分析、検討内容

 当社グループの経営方針、経営戦略等又は目標とする経営指標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 当連結会計年度における取り組みとして、農薬分野では、国内においては、オンコル関連剤、殺菌剤「ショウチノスケ」、グリーンプロダクツ「サフオイル」を中心に積極的な営業活動を展開してまいりました。一方で海外においては、殺ダニ剤「ダニサラバ」、殺虫剤「オンコル」を中心に米州、アジア地域で積極的な営業活動を展開してまいりました。肥料・バイオスティミュラント分野においては、バイオスティミュラント剤「アトニック」、養液土耕栽培システム及びその肥料、「ハウス肥料」、「OK-Fシリーズ」などの既存製品に積極的な営業活動を展開してまいりました。またオランダのクリザール社(Blue Wave Holding B.V.)においては、花卉資材の販売が好調となり当社連結グループの売上高に大きく貢献しました。

 以上の結果、当連結会計年度の営業利益は19億82百万円(前連結会計年度比4億69百万円増加、同31.0%増)、売上高営業利益率は8.7%(前連結会計年度比1.3%増)、連結ROEは19.0%(前連結会計年度比6.1%増)となりました。

 当社グループが目標とする経営指標である営業利益、売上高営業利益率、連結ROEにつきましては、すべて前連結会計年度を上回る結果となりました。その要因としましては、海外への出荷が好調であったことと、クリザール社(Blue Wave Holding B.V.)の花卉資材の出荷が計画を上回る結果となったことによるものであります。

 当社グループが主に事業を展開する農業業界においては、国内販売におきましては、農業生産額の減少などにともない市場は縮小傾向にあり、事業環境としてはやや厳しい状況が続くものと考えられます。また、海外販売におきましては、食料の安定供給や作物生産技術の高度化や高品質化など、中長期的には拡大傾向で推移するものと予想しております。

 このような中、当社グループは、「新中期経営計画 2022-2024年」に基づいた重要課題に取り組み、2024年12月期には売上高254億90百万円(当連結会計年度比12.5%増)、営業利益28億90百万円(当連結会計年度比45.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益19億1百万円(当連結会計年度比31.7%増)、連結ROE16.6%を達成し、持続的成長軌道に乗せるよう目指してまいります。

過去5年間の経営指標の推移

 

2017年

12月期

2018年

12月期

2019年

12月期

2020年

12月期

2021年

12月期

営業利益(百万円)

1,882

1,743

1,077

1,512

1,982

売上高営業利益率(%)

13.3

11.4

4.9

7.5

8.7

連結ROE(%)

25.3

19.9

0.1

12.9

19.0

 

(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要としますが、これらの見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。

 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

 

(のれんの減損)

 当社グループは、のれんについて、主として発生日以降5~15年間で均等償却しております。その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初予想していた収益が見込めなくなった場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

 

(固定資産の減損)

 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

(たな卸資産の評価)

 当社グループは、販売目的で保有するたな卸資産は収益性の低下等により期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。正味売却価額の算定に当たっては、直近の販売価額、市場環境等を勘案しておりますが、これらの前提条件や仮定に変更が生じ、正味売却価額が減少することになった場合には、評価損計上の処理が追加で必要となる可能性があります。

 

(繰延税金資産)

 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

 

 

4【経営上の重要な契約等】

契約会社名

契約相手先

相手先の

所在地

契約期間

契約内容

当社

全国農業協同組合連合会

日本

2010年10月18日~

2011年10月17日

(1年毎の自動更新の定めあり)

全農が取り扱う農薬・資材の売買についての基本契約

当社

 

全国農業協同組合連合会

日本

2010年12月16日~

2011年12月15日

(1年毎の自動更新の定めあり)

全農が取り扱う肥料の売買についての基本契約

当社

大塚化学㈱

日本

2010年9月28日~

2040年9月27日

当社鳴門事業所敷地の借地にかかる賃貸借契約

当社

丸善薬品産業㈱

日本

2020年2月28日~

2023年2月27日

(1年毎の自動更新の定めあり)

当社製品の販売における業務提携契約

 

Blue Wave Holding B.V.

ABN AMRO Bank N.V.

オランダ

2020年8月5日から5年間

 

マルチカレンシーによる証書貸付及び極度貸付のファシリティ契約

 

借入金額

ファシリティA1 13,431千ユーロ

ファシリティA2 1,858千ドル

極度借入    264千ユーロ

当社

北興化学工業株式会社

日本

2021年10月29日

水稲除草剤「ベンゾフェナッ プ・ベンフレセート原体及び含有製剤」の事業譲渡

 

5【研究開発活動】

 近年、世界各国で地球環境問題について注目が高まっており、企業活動を行う上で、気候変動問題への対応は重要性を増しております。

 今後も世界的な人口増加が予想されていることもあり、農産物の生産量を増加させることが必要です。しかしながら耕作地をむやみに増やすことは、環境への負荷を招くおそれがあるため、限られた耕作地を有効活用し単位面積当たりの生産性を上げることが重要です。そのため、持続可能な農業生産を支える農業生産資材や栽培技術の開発は、今後更に重要性が増していきます。

 国連食糧農業機関(FAO)によると、およそ世界の食料の80%以上が植物由来であり、このうち最大40%が病害虫の被害で失われているとされています。当社グループではインドの子会社OAT&IIL India Laboratories Private Limited社と連携し、病害虫の被害から植物を守るべく、新規農薬の探索及び創薬に取組んでおります。また、徳島県鳴門市にある研究所を中心として農薬製品、肥料製品、バイオスティミュラント製品に関して多方面から「新たな食糧増産技術(アグリテクノロジー)」の研究及び製品開発に取り組んでおります。

 当連結会計年度における研究開発の主なものは以下のとおりであります。

 農薬製品の売上拡大を目的に、海外では登録国の拡大や適用拡大、国内では既存製品の適用拡大を進めてまいりました。更に、市場動向やニーズに基づいた既存製品の改良・改善と、新製品開発も進めてまいりました。肥料製品やバイオスティミュラント製品につきましても、新規製品登録と登録国の拡大を進めてまいりました。

 また新たな取組みとして、ICT(情報通信技術)やロボット、AI(人工知能)を活用した「スマート農業」の開発に注力しております。秋には、当社の栽培技術を駆使した生育診断システム「アグリオいちごマスター」を発表いたしました。当社の養液栽培システムと生育診断システムを組み合わせることにより、施設栽培において新規就農者でもいちごの生産が一年目から可能となる定額制のサービスです。

 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は2,010百万円であります。