第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

  当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢の改善は見られましたが、景況感に力強さが見られず家計消費支出額が低迷しており、米国新政権の政策に対する懸念、地政学的リスクなど、先行きの不透明感が強まっております。

  外食業界におきましては、人件費関連コスト等の上昇に加え、天候不安による原材料価格の上昇、消費嗜好の多様化による動態変化、業種・業態を超えた企業間競争の激化により経営環境は引き続き厳しい状況で推移しております。

  このような状況の中、当社では、中期経営目標を達成すべく重要施策に掲げていた「国産国消への挑戦」を平成28年10月のメニュー変更により達成しました。引き続き商品力のブラッシュアップと新規出店に取り組み、さらなるブランド力の強化に努めてまいります。また、様々な経済情勢の変動の中、従来の品質・サービスを維持するため、生産性の向上を追求し利益率の向上を目指し取り組み、当事業年度におきましては、タッチパネルによるセルフオーダーシステムの本格導入を開始し、当事業年度末現在、大型店・繁盛店等を中心に124店舗導入しております。なお、当事業年度は関東圏を中心に78店舗の新規出店を行い、平成28年11月には「鳥貴族」500店舗を達成し、当事業年度末における「鳥貴族」の店舗数は567店舗(前事業年度末比75店舗純増)となりました。当社の直営店につきましては、当事業年度は58店舗の新規出店を行い、当事業年度末においては342店舗(同57店舗純増)となりました。

  以上の結果、当事業年度は新規出店による店舗数の増加したこと等により、売上高は29,336,597千円(前事業年度比19.7%増)となった一方、天候不順による国産食材の仕入価格の高騰や会社設立30周年を迎え鳥貴族全店にて「Thanksキャンペーン」を実施したこと等により売上原価が増加し、売上総利益は19,932,277千円(同18.5%増)となりました。販売費及び一般管理費は、店舗数拡大による増加のほか、人件費を中心とした店舗運営コストの増加等により18,475,233千円(同21.3%増)となりました。以上により、営業利益は1,457,043千円(同8.7%減)、経常利益は1,426,406千円(同7.8%減)、当期純利益は967,555千円(同1.4%減)となりました。

  なお、当社は飲食事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末と比較し1,087,135千円増加し、4,735,753千円  となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度2,412,451千円の収入に対し、3,000,563千円の収入となりました。これは主に、税引前当期純利益1,448,570千円、減価償却費1,093,376千円を計上したこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前事業年度2,476,004千円の支出に対し、2,394,338千円の支出となりました。これは主に、新規出店等に伴う有形固定資産の取得による支出1,986,161千円及び差入保証金の差入による支出246,208千円を計上したこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において、財務活動におけるキャッシュ・フローは、前事業年度1,021,983千円の支出に対し、480,911千円の収入となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出560,993千円及びリース債務の返済による支出269,514千円に対し、長期借入れによる収入1,500,000千円を計上したこと等によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当社は、焼鳥のタレを自社工場で生産しておりますが、金額的重要性が乏しいことから、記載を省略しております。

 

(2)仕入実績

当事業年度における仕入実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成28年8月1日

至 平成29年7月31日)

前年同期比(%)

飲食事業(千円)

9,247,799

122.2

合計(千円)

9,247,799

122.2

(注)1.当社の事業区分は「飲食事業」の単一セグメントであります。

2.上記の金額に消費税等は含まれておりません。

 

(3)受注実績

当社は、一般消費者へ直接販売する飲食事業を行っておりますので、記載しておりません。

 

(4)販売実績

当事業年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成28年8月1日

至 平成29年7月31日)

前年同期比(%)

飲食事業(千円)

29,336,597

119.7

合計(千円)

29,336,597

119.7

(注)1.当社の事業区分は「飲食事業」の単一セグメントであります。

2.上記の金額に消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)各社の経営の基本方針

当社は、「鳥貴族」単一業態でのチェーン展開を経営方針としております。単一業態であることから、資本・人材・ノウハウ等の集中投下及び業務オペレーションの均一化等、経営の効率化に積極的に取り組むことができる一方で、国産食材・串打ちをはじめとする店内調理等といった品質・味へのこだわりにより付加価値を創出し、お客様に感動していただける店舗づくりを追求していくことで、他社との差別化を図り、引き続き持続的な成長の実現と収益基盤強化を目指してまいります。

 

(2)中長期的な経営戦略等

当社の属する外食業界におきましては、少子高齢化に加え、お客様の嗜好の多様化、業種・業態を超えた企業間競争の激化など、厳しい経営環境が続いております。そのような中、当社は日本一、そして世界の「鳥貴族」を目指し、国内2,000店舗体制、海外進出を長期ビジョンとしております。中期的には「うぬぼれチャレンジ1000」として2021年7月期を目途に関西・関東・東海の3商圏での1,000店舗体制を達成し、国内市場における確固たるブランドの確立と海外進出へ向けた認知の向上を計画するとともに、2021年7月期において営業利益率8%を達成できるよう経営効率の向上に努めてまいります。財務方針といたしましては、成長を加速させる一方、業容拡大に伴い自己資本比率の低下が想定されますが、自己資本比率を40%を目安とし、一定の財務健全性を維持する方針であります。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

当社の属する外食業界におきましては、少子高齢化に加え、お客様の嗜好の多様化、業種・業態を超えた企業間競争の激化など、厳しい経営環境が続くものと思われます。そのような中、当社は、以下の課題について重点的に取り組んでまいります。

① 内部管理体制の強化

業容の拡大に応じた店舗におけるリスクの管理、衛生管理のさらなる向上、コンプライアンス遵守体制の強化を重要事項とし、営業部エリアマネージャーの店舗巡回等や本部を中心にした内部統制の改善を実施してまいります。また、財務報告に関連する内部統制の強化も重要課題と認識しており、必要に応じて人員の増強を図る方針であります。

② 既存店売上高の維持向上

外食業界は成熟した市場となっており、個人消費支出における選別化、中食・コンビニエンスストア等を代表とする業界を超えた顧客獲得競争の激化等により、厳しい経営環境となっております。

当社においては、ブランド力をさらに強化し既存店売上高を維持向上させるため、クオリティ(商品品質)・サービス(接客力)・クレンリネス(衛生管理)の強化を全従業員に周知徹底し、お客様満足度の向上に努めてまいります。

③ 商品力の向上

食の安全に対するお客様の意識は一層高まりつつあります。当社では、国産食材にこだわり、産地との良好な関係を構築・維持することで、今まで以上に安全かつ良質な食材の確保に取り組んでまいります。また、お客様のニーズの変化にも迅速に対応できる商品開発や人気メニューのさらなる付加価値向上に取り組んでまいります。

④ 新規出店の強化・投資効果の維持向上

当社が継続的に新規出店を行い、新たな収益を確保するためには、投資効果のさらなる向上が重要課題であると考えております。当面の間、関西圏、関東圏及び東海圏の3商圏での事業展開を予定しておりますが、将来的には全国展開も視野に入れ、全国2,000店舗の出店を長期的な目標に掲げております。そのために、物件情報の取得及び調査のための人員確保等、社内体制の強化に取り組んでまいります。

また、マーケティング調査の強化により当社が競争優位となりうる出店候補地の確保、協力会社との連携による出店初期投資額の削減、並びに、店舗運営の効率化に取り組んでまいります。

⑤ 人財の採用・教育強化

今後、当社の成長には、優秀な人財の確保が必要不可欠と考えております。当社の企業理念を理解し、賛同した人財の採用を最重要課題とし、中途採用だけでなく新卒採用にも積極的に取り組んでまいります。また、外食産業に限らない経験豊富な人財の招聘等により、変化する経営環境に対し柔軟に対応できる組織を目指します。人財教育に関しては各役職・階層別に応じた研修プログラムを充実させ、特に重要な位置づけとなる店長に対しては教育プログラムを強化し、店舗運営力のさらなる向上に取り組んでまいります。

 

4【事業等のリスク】

当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、特段の記載がない限り、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内包しているため実際の結果と異なる可能性があります。

(1)市場環境について

外食業界は成熟した市場となっており、個人消費支出における選別化、中食・コンビニエンスストア等を代表とする業界を超えた顧客獲得競争の激化等により、厳しい経営環境となっております。当社では、メニューの改定等により既存店舗の売上高の確保を図ると同時に、直営店舗の新規出店による事業拡大を積極的に行ってまいりますが、外食産業における市場環境の悪化が進む場合には、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)店舗コンセプトについて

当社は現在、「鳥貴族」のブランドで単一業態による店舗展開を行っております。焼鳥専門店に特化し、資本・人材・ノウハウの集中投下と業務オペレーションの均一化を行うことにより、景気変動に左右されにくい収益性の維持に取り組んでまいりますが、これらの施策が必ずしも継続的に顧客に受け入れられる保証はなく、その場合には当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)新規出店計画について

新規出店については、従来の不動産業者等からの外部情報に加え、取引先銀行、取引先業者からも幅広く情報を入手するように努めておりますが、当社のニーズに合致する物件が必ずしも確保されるとは限りません。また、仮に当社の計画に沿った物件を確保しても、計画した店舗収益を確保できない可能性があります。当社では、新規出店の物件確保及び収益性の確保等に努めてまいりますが、新規出店が計画どおり遂行できない事態が発生した場合または計画した店舗収益を確保できない場合、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)賃貸借による店舗展開について

当社の本社事務所及び直営店舗はそのほとんどが建物を賃借しており、賃貸借契約に対して保証金等を差し入れています。平成29年7月31日現在の敷金及び差入保証金の残高は1,516,862千円となっており、総資産に占める比率は9.5%であります。

当社は新規に出店する際の与信管理を徹底しておりますが、賃貸人の財政状態が悪化した場合、差入保証金(敷金・保証金)の一部または全部が回収不能となることや賃借物件の継続的使用が困難となることが考えられます。その場合、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)鳥貴族カムレードチェーン加盟店について

① カムレードチェーン加盟店の店舗展開について

当社では直営店の店舗展開のほか、カムレードチェーン加盟店による店舗展開の拡大を推進しております。当社はカムレードチェーン加盟店に対してサービスや衛生管理の指導を行う義務が生じ、その対価としてロイヤリティ収入等を収受しております。

外食産業全般の市場縮小やカムレードチェーン加盟に積極的な企業の業績悪化等により、当社のカムレードチェーン加盟企業数が減少した場合、もしくはカムレードチェーン加盟企業の店舗が退店した場合には、ロイヤリティ収入等が減少し、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

② カムレードチェーン加盟店への店舗運営指導について

当社はカムレードチェーン加盟店に対してカムレード契約に基づき、ホールオペレーション、キッチンオペレーション及び衛生管理等の店舗運営に係る指導を実施しております。

しかし、カムレードチェーン加盟企業において当社の指導に従ったサービスの提供が行われない場合や衛生管理面の問題が生じた場合、当社ブランドの価値が毀損し、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)商標権について

当社は商標権を取得し管理することで当社のブランドを保護する方針であります。

第三者が類似した商号等を使用し、当社のブランドの価値が毀損された場合、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)商品表示について

外食産業においては、一部企業の産地偽装や賞味期限の改ざん等が発生するなど、食の安全性だけではなく、商品表示の適正性、信頼性等においても消費者の信用を失墜する事件が発生しております。当社は、適正な商品表示のため社内体制の整備・強化に全社一丸となって注力しておりますが、食材等の納入業者も含めて、万一、表示内容に重大な誤りが発生した場合には、社会的信用の低下等により、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)出店後の環境変化について

当社は新規出店をする際には、商圏誘引人口、競合店調査、賃借条件等の立地調査を綿密に行った上で意思決定をしております。しかしながら、当社の出店後に交通アクセスが変化した場合や、同業他社等から新規参入があった場合には、当初の計画どおりに店舗収益が確保できず、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)人材採用及び教育について

当社が安定的な成長を達成していくためには、優秀な人材の確保が必要であります。当社の経営理念を理解し、賛同した人材確保を最重要課題として、新規学卒採用だけでなく、既存店舗に勤務しているパートタイマー・アルバイトからの社員登用や、中途採用など、優秀な人材の獲得に取り組んでまいります。また人材教育に関しては、実践的な技術指導に加え、理念教育を重点的に行う事により当社の核となり得る人材を育成してまいります。しかしながら、当社直営店及びカムレード加盟企業の出店の拡大に対する人材の確保及び教育が追いつかない場合には、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)従業員の処遇について

① 短時間労働者に対する社会保険加入義務化の適用基準拡大について

当社の店舗運営において短時間労働者は不可欠なものとなっており、平成29年7月31日現在で9,707名のパートタイマー及びアルバイトを雇用しております。そのうち社会保険加入義務のある対象者は少数でありますが、今後、短時間労働者の社会保険加入義務化の適用が拡大された場合には、保険料の増加、パートタイマー及びアルバイト就業希望者の減少等により、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

② その他労働法の強化等について

現状、当社は法令等で定められた労働規制等については適正に遵守しておりますが、今後この規制基準等が強化・拡大された場合には、法定福利費の増加及び人員体制強化に伴う費用の増加等により、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(11)法的規制について

当社は、「鳥貴族」の単一業態として事業を展開しておりますが、事業に関する法規制等は多岐にわたっております。当社では、コンプライアンス委員会を組織し、コンプライアンス体制の強化に努めておりますが、万が一重大な不祥事やコンプライアンス上の問題が発生した場合や、既存の法規制等の改正または新たな法規制等の制定が行われた場合には、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社事業に関わる法規制等のうち、特に影響が大きいと考えられるものは以下のとおりです。

① 食品衛生法への対応について

当社は、食品衛生法(昭和22年法律第233号)の規定に基づき、管轄保健所を通じて飲食業の営業許可を取得し、各店舗では食品衛生管理者を管轄保健所に届け出ております。その上で、各店舗における衛生管理の強化に取り組んでおり、食中毒等の重大事故の未然防止に努めております。しかしながら、今後、食中毒等の事故が発生した場合には、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 食品循環資源の再利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)について

平成13年5月に施行された「食品循環資源の再利用等の促進に関する法律」(食品リサイクル法)により年間100トン以上の食品廃棄物を排出する外食業者(食品関連事業者)は、食品廃棄物の発生量の抑制、減量及び再生利用を通じて、食品残渣物の削減を義務付けられております。当社は食品残渣物を削減するための取り組みを鋭意実施しておりますが、今後法的規制が強化された場合には、その対応のために、設備投資等に関連する新たな費用が発生し、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

深夜0時以降も営業する店舗につきましては、深夜営業について「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」により規制を受けております。各店舗における届出等、当該法令に定める事項の厳守に努めておりますが、法令違反等が発生した場合には、一定期間の営業停止等が命ぜられ、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)鳥インフルエンザについて

当社は鶏肉の仕入ルートとして国内に複数の産地を確保しておりますが、同時多発的に鳥インフルエンザが発生した場合、鶏肉の確保が出来ず営業を休止せざるを得ない事態に至る恐れがあり、また、鳥インフルエンザの発生により鶏肉に対する風評被害が発生し消費者より敬遠される等の事態に陥った場合には、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(13)材料価格の高騰について

近年発生した原油相場高騰に伴う穀物相場等の高騰にとどまらず、天候不順による野菜価格の高騰並びに政府によるセーフガード(緊急輸入制限措置)等の発動など需給関係の急激な変動による食材価格の高騰の可能性等、当社が購入している原材料には価格が高騰する可能性のあるものが含まれております。このような事象が発生し、原材料価格が高騰した場合、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(14)有利子負債依存度について

当社は、店舗建築費用及び差入保証金等の出店資金を主に金融機関からの借入れにより調達しているため、総資産に占める有利子負債(借入金、リース債務)の割合が、平成29年7月31日現在で23.4%と高い水準にあります。したがって今後、有利子負債依存度が高い状態で金利が上昇した場合には、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社は出店に関する設備投資資金の機動的な確保及び効率的な調達を行うため、取引銀行と当座貸越契約及び貸出コミットメント契約を締結しております。当該貸出コミットメント契約及び一部の借入金の中には財務制限条項が設けられているものがあります。従来より金融機関とは持続的に良好な関係を築いておりますが、同条項に抵触した場合、金利の上昇や、期限の利益を喪失することにより、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(15)減損損失について

外的環境の著しい変化等により、店舗収益性が悪化し、事業計画において計画した店舗収益性と大きく乖離した場合、固定資産及びリース資産について減損損失を計上することとなり、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(16)特定地域に対する依存度等について

当社の直営店舗出店地域は、関西圏、関東圏及び東海圏の3商圏となっており、特に関西圏においては、大阪府に本社及びタレ工場を設置しております。

当社は当面の間上記3商圏での事業展開を計画しておりますが、地震等の災害が発生し、店舗設備、本社社屋及びタレ工場の損壊などによる営業の一時停止や、道路網の寸断、交通制御装置の破損等により事業の運営が困難になった場合、あるいは同地域に特定した経済的ダメージが発生し消費者の消費環境が悪化した場合には一時的に来客数が著しく減少する可能性があります。また、災害等による店舗、本社社屋またはタレ工場設備の損壊の程度によっては、大規模な修繕の必要性から、多額の費用が発生する可能性があり、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(17)個人情報について

当社は、顧客満足度向上のために顧客情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)」に定める「個人情報取扱事業者」に該当し、個人情報の取扱いに関して一定の義務を負っております。そのため当社では、個人情報管理規程を策定し、社内の管理体制には万全を期しております。しかしながら、個人情報が外部へ漏洩するような事態が発生した場合には、当社の信用低下による売上の減少や損害賠償による費用の発生等により、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(18)配当政策について

当社は、株主に対する利益還元を重要な経営目標と認識しており、剰余金の配当につきましては、毎期の業績、財政状況を勘案しつつ、将来の事業拡大のために必要な内部留保とのバランスを図りながら配当による利益還元を安定的かつ継続的に実施する方針であります。

しかしながら、当社の業績が計画どおりに進展しない場合には、配当を実施できない可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

カムレード契約

当社はカムレードチェーン加盟店との間で、以下のような要旨の加盟契約を締結しております。

(1)契約の内容

当社は、その有する営業ノウハウと「鳥貴族」の商標(サービスマーク)を使用して焼鳥屋を営業する資格ないし権利を加盟店に付与し、マニュアル等の印刷物、担当指導員の指導等を通じて加盟店の経営、店舗の営業を支援する。加盟店は、契約に定める事項、貸与ないし供与されたマニュアル並びに当社の指示を遵守して営業に従事し、その発展に邁進するものとし、契約に定める加盟金、ロイヤリティを支払う。

(2)契約期間

契約締結日を開始日として、満7年を経過した日を終了日とする。

(3)契約更新

契約満了の3カ月前までに両当事者のいずれからも解約の申入れがない場合は、2年毎に自動的に更新される。

 

「カムレードチェーン」につきましては、「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3.事業の内容」をご参照下さい。

 

6【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

なお、当社は「飲食事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っております。

 

(2)経営成績の分析

当事業年度においては、58店舗の出店を行い、当事業年度末における直営店舗数は342店舗となりました。新規出店による店舗数が増加したことから、売上高は、29,336,597千円(前事業年度比19.7%増)となりました。

売上原価は、天候不順による国産食材の仕入価格の高騰や会社設立30周年を迎え「鳥貴族」全店にて「Thanksキャンペーン」を実施したこと等により9,404,320千円(同22.4%増)となり、売上高に対する構成比は、32.1%(同0.8%増)となりました。販売費及び一般管理費は、店舗数拡大による増加のほか、人件費を中心とした店舗運営コストの増加等により18,475,233千円(同21.3%増)となり、売上高に対する構成比は、63.0%(同0.9%増)となりました。この結果、営業利益は、1,457,043千円(同8.7%減)となりました。

また、支払利息等の営業外費用を63,907千円計上したこと等により、経常利益は1,426,406千円(同7.8%減)となり、法人税等481,014千円を計上した結果、当期純利益は967,555千円(同1.4%減)となりました。

 

(3)財政状態の分析

総資産は、前事業年度末に比べ3,464,950千円増加し15,942,074千円となりました。流動資産は、主に現金及び預金が1,085,316円増加したこと等により、前事業年度末と比べて1,193,559千円増加し6,069,073千円となりました。固定資産は、主に新規出店に伴う設備投資により建物(純額)が1,462,873千円、リース資産(純額)が374,350千円、差入保証金が239,005千円増加したこと等により、前事業年度末と比べて2,271,390千円増加し9,873,000千円となりました。

負債合計は前事業年度末に比べ2,673,578千円増加し9,608,481千円となりました。流動負債は、主に店舗数の増加に伴い、買掛金が143,831千円、未払金が178,885千円、設備関係未払金が198,061千円、前受収益が777,785千円増加したこと等により、前事業年度末と比べ1,407,803千円増加し5,897,986千円となりました。固定負債は、長期借入金が847,200千円、長期リース債務が284,327千円増加したこと等により、前事業年度末と比べて1,265,774千円増加し3,710,495千円となりました。

純資産につきましては、前事業年度末に比べ791,372千円増加し6,333,592千円となりました。これは、主に当期純利益967,555千円を計上したこと等によるものであります。

 

(4)キャッシュ・フローの分析

当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末と比較し1,087,135千円増加し、4,735,753千円となりました。キャッシュ・フローの状況につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社の経営成績に重要な影響を与える要因は、個人消費支出における選別化、弁当・惣菜等の中食市場の成長により、外食市場全体が縮小すること、他社との価格競合状況が激化し、当社の出店条件に合致する候補地の契約が締結できない等の理由で、新規出店が計画どおり遂行出来ない事態等が挙げられます。

当社におきましては、店舗開発部による出店候補地情報の収集を継続して行い、より一層のマーケティング調査の強化や出店場所の検討内容の充実により、他の外食企業との差別化を図りお客様満足度の向上に努め、持続的な成長性の維持と収益基盤の強化を図る方針であります。