第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社は、資本・人材・ノウハウ等を集中投下し、業務オペレーションの均一化や経営の効率化に積極的に取り組む一方で、国産食材・串打ちをはじめとする店内調理等といった品質・味へのこだわりにより付加価値を創出し、お客様に感動していただける店舗づくりを追求していくことで他社との差別化を図り、持続的な成長の実現と収益基盤強化を目指すことを基本方針としております。

 

(2)経営環境及び経営戦略等

当社の属する外食業界におきましては、少子高齢化に加え、お客様の嗜好の多様化、業種・業態を超えた企業間競争の激化など厳しい経営環境が続いておりました。

そのような中、当社は日本一、そして世界の「鳥貴族」を目指し、関西圏、関東圏及び東海圏の3商圏に「鳥貴族」を629店舗展開しております。「経営基盤の再構築と更なる飛躍への挑戦」と位置づけた中期的な経営戦略のもと、マーケティング機能の新設と商品・機器等の開発機能強化により、既存店の売上高向上に取り組むとともに、アメーバ経営による採算管理強化と不採算店舗の整理にも取り組んでおります。

今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大により外食業界は甚大な打撃を受け、とりわけ居酒屋においては、来店客数の減少だけではなく、休業や時短営業をせざるを得ない事態に直面いたしました。

しかし、当社は居酒屋の存在価値が無くなったとは考えておらず、むしろウィズコロナにおける人との接触制限や働き方・コミュニケーションのデジタル化の進展を踏まえると、アフターコロナの時代にこそ「人と人とが顔をあわせるコミュニケーションの場」「人と人とがつながる場」という居酒屋ならではの存在価値が求められると考えております。新型コロナウイルス感染症収束後は、関西圏、関東圏及び東海圏の3商圏以外の日本国内及び海外への「鳥貴族」出店を実現することでさらなる成長を目指すとともに、新たな感染症による休業リスクや鳥貴族業態の将来的な国内飽和を見据えて、新業態の開発と育成に取り組んでおります。

これらの経営戦略を進めるにあたり、当社は持株会社体制へと移行し、持株会社はグループの理念と目指すべき方向を示し挑戦を支える役割を担い、事業を推進する権限と責任を事業会社に委譲することで、激変する環境のもとでも生き抜く経営体制の構築、新事業の創出、人財開発を行ってまいります。

 

(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、既存店の売上高を維持向上することが重要であると考えており、既存店(新規開店した月を除き、12ヶ月以上経過した店舗)の売上高、客数、客単価の前年同月比を客観的な指標としております。また、財務の健全性、安定性を維持するための運転資金の確保と資金効率のバランスを勘案し、自己資本比率40%を財務上の指標としております。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、当社の事業は大きな影響を受けており、これらに対処するための最優先すべき事項といたしまして、「鳥貴族」全店では日頃からの衛生管理に加え、お客様や従業員の安全に十分注意し感染拡大防止策を徹底し、お客様に安心してにご利用いただけるよう努めてまいります。さらに不測の事態が発生した場合でも十分な運転資金を確保できるように努め、既存店売上高の早期回復と徹底した採算管理により、財務状況の改善に努めてまいります。

また、中・長期の経営目標を達成するため、他社との差別化を図り、持続的な成長の実現と収益基盤強化のため、引き続き以下の課題について重点的に取り組んでまいります。

 

① 内部管理体制の強化

チェーンストアとしての多店舗展開におけるリスクの管理、衛生管理のさらなる向上、コンプライアンス遵守体制の強化を重要事項とし、営業部エリアマネージャーの店舗巡回等や本部を中心にした内部統制の改善を実施してまいります。また、財務報告に関連する内部統制の強化及びアメーバ経営による経営管理システムの構築も重要課題と認識しており、必要に応じて人員の増強を図る方針であります。

② 既存店売上高の維持向上

外食業界は成熟した市場となっており、個人消費支出における選別化、中食・コンビニエンスストア等を代表とする業界を超えた顧客獲得競争の激化等により、厳しい経営環境となっております。

当社においては、ブランド力をさらに強化し既存店売上高を維持向上させるため、クオリティ(商品品質)・サービス(接客力)・クレンリネス(衛生管理)の強化を全従業員に周知徹底し、お客様満足度の向上に努めてまいります。

③ 商品力の向上

食の安全に対するお客様の意識は一層高まりつつあります。当社では、国産食材にこだわり、産地との良好な関係を構築・維持することで、今まで以上に安全かつ良質な食材の確保に取り組んでまいります。また、お客様のニーズの変化にも迅速に対応できる商品開発や人気メニューのさらなる付加価値向上に取り組んでまいります。

④ 新規出店・投資効果の維持向上

新たな収益を確保するためには、投資効果のさらなる向上が重要課題であると考えております。現在、関西圏、関東圏及び東海圏の3商圏での事業展開を行っておりますが、今後は新たな地域への出店も視野に入れ、継続的な成長を目指しております。

また、出店初期投資額の削減、並びに、店舗運営の効率化を行うとともに、マーケティング調査の強化により当社が競争優位となりうる出店候補地の確保に取り組んでまいります。

⑤ 人財の採用・教育強化

今後、当社の成長には、優秀な人財の確保が必要不可欠と考えております。当社の企業理念を理解し、賛同した人財の採用を最重要課題とし、中途採用だけでなく新卒採用にも積極的に取り組んでまいります。また、外食産業に限らない経験豊富な人財の招聘等により、変化する経営環境に対し柔軟に対応できる組織を目指します。人財教育に関しては各役職・階層別に応じた研修プログラムを充実させ、特に重要な位置づけとなる店長に対しては教育プログラムを強化し、店舗運営力のさらなる向上に取り組んでまいります。

 

2【事業等のリスク】

当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容も併せて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、以下の記載における将来に関する事項は、特段の記載がない限り、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内包しているため実際の結果と異なる可能性があります。

(1)市場環境について

外食業界は成熟した市場となっており、個人消費支出における選別化、中食・コンビニエンスストア等を代表とする業界を超えた顧客獲得競争の激化等により、厳しい経営環境となっております。当社では、メニューの改定等により既存店舗の売上高の確保を図ると同時に、直営店舗の新規出店による事業拡大を積極的に行ってまいりますが、外食産業における市場環境の悪化が進む場合には、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)店舗コンセプトについて

当社は現在、「鳥貴族」のブランドで単一業態による店舗展開を行っております。焼鳥専門店に特化し、資本・人材・ノウハウの集中投下と業務オペレーションの均一化を行うことにより、景気変動に左右されにくい収益性の維持に取り組んでまいりますが、これらの施策が必ずしも継続的に顧客に受け入れられる保証はなく、その場合には当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)新規出店計画について

新規出店については、従来の不動産業者等からの外部情報に加え、取引先業者、取引先銀行からも幅広く情報を入手するように努めておりますが、当社のニーズに合致する物件が必ずしも確保されるとは限りません。また、仮に当社の計画に沿った物件を確保しても、計画した店舗収益を確保できない可能性があります。当社では、新規出店の物件確保及び収益性の確保等に努めてまいりますが、新規出店が計画どおり遂行できない事態が発生した場合または計画した店舗収益を確保できない場合、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)賃貸借による店舗展開について

当社の本社事務所及び直営店舗はそのほとんどが建物を賃借しており、賃貸借契約に対して保証金等を差し入れています。2020年7月31日現在の敷金及び差入保証金の残高は1,596,874千円となっており、総資産に占める比率は8.0%であります。

当社は新規に出店する際の与信管理を徹底しておりますが、賃貸人の財政状態が悪化した場合、差入保証金(敷金・保証金)の一部または全部が回収不能となることや賃借物件の継続的使用が困難となることが考えられます。その場合、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)鳥貴族カムレードチェーン加盟店について

① カムレードチェーン加盟店の店舗展開について

当社では直営店の店舗展開のほか、カムレードチェーン加盟店による店舗展開の拡大を推進しております。当社はカムレードチェーン加盟店に対してサービスや衛生管理の指導を行う義務が生じ、その対価としてロイヤリティ収入等を収受しております。

外食産業全般の市場縮小やカムレードチェーン加盟に積極的な企業の業績悪化等により、当社のカムレードチェーン加盟企業数が減少した場合、もしくはカムレードチェーン加盟企業の店舗が退店した場合には、ロイヤリティ収入等が減少し、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

② カムレードチェーン加盟店への店舗運営指導について

当社はカムレードチェーン加盟店に対してカムレード契約に基づき、ホールオペレーション、キッチンオペレーション及び衛生管理等の店舗運営に係る指導を実施しております。

しかし、カムレードチェーン加盟企業において当社の指導に従ったサービスの提供が行われない場合や衛生管理面の問題が生じた場合、当社ブランドの価値が毀損し、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)商標権について

当社は商標権を取得し管理することで当社のブランドを保護する方針であります。

第三者が類似した商号等を使用し、当社のブランドの価値が毀損された場合、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)商品表示について

外食産業においては、一部企業の産地偽装や賞味期限の改ざん等が発生するなど、食の安全性だけではなく、商品表示の適正性、信頼性等においても消費者の信用を失墜する事件が発生しております。当社は、適正な商品表示のため社内体制の整備・強化に全社一丸となって注力しておりますが、食材等の納入業者も含めて、万が一、表示内容に重大な誤りが発生した場合には、社会的信用の低下等により、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)出店後の環境変化について

当社は新規出店をする際には、商圏誘引人口、競合店調査、賃借条件等の立地調査を綿密に行った上で意思決定をしております。しかしながら、当社の出店後に交通アクセスが変化した場合や、同業他社等から新規参入があった場合には、当初の計画どおりに店舗収益が確保できず、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)人材採用及び教育について

当社が安定的な成長を達成していくためには、優秀な人材の確保が必要であります。当社の経営理念を理解し、賛同した人材確保を最重要課題として、新規学卒採用だけでなく、既存店舗に勤務しているパートタイマー・アルバイトからの社員登用や、中途採用など、優秀な人材の獲得に取り組んでまいります。また人材教育に関しては、実践的な技術指導に加え、理念教育を重点的に行う事により当社の核となり得る人材を育成してまいります。しかしながら、当社直営店及びカムレード加盟企業の出店の拡大に対する人材の確保及び教育が追いつかない場合には、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)従業員の処遇について

① 短時間労働者に対する社会保険加入義務化の適用基準拡大について

当社の店舗運営において短時間労働者は不可欠なものとなっており、2020年7月31日現在で8,233名のパートタイマー及びアルバイトを雇用しております。そのうち社会保険加入義務のある対象者は少数でありますが、今後、短時間労働者の社会保険加入義務化の適用が拡大された場合には、保険料の増加、パートタイマー及びアルバイト就業希望者の減少等により、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

② その他労働法の強化等について

現状、当社は法令等で定められた労働規制等については適正に遵守しておりますが、今後この規制基準等が強化・拡大された場合には、法定福利費の増加及び人員体制強化に伴う費用の増加等により、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(11)法的規制について

当社は、「鳥貴族」の単一業態として事業を展開しておりますが、事業に関する法規制等は多岐にわたっております。当社では、コンプライアンス委員会を組織し、コンプライアンス体制の強化に努めておりますが、万が一重大な不祥事やコンプライアンス上の問題が発生した場合や、既存の法規制等の改正または新たな法規制等の制定が行われた場合には、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社事業に関わる法規制等のうち、特に影響が大きいと考えられるものは以下のとおりです。

① 食品衛生法への対応について

当社は、食品衛生法(1947年法律第233号)の規定に基づき、管轄保健所を通じて飲食業の営業許可を取得し、各店舗では食品衛生管理者を管轄保健所に届け出ております。その上で、各店舗における衛生管理の強化に取り組んでおり、食中毒等の重大事故の未然防止に努めております。しかしながら、今後、食中毒等の事故が発生した場合には、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 食品循環資源の再利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)について

2001年5月に施行された「食品循環資源の再利用等の促進に関する法律」(食品リサイクル法)により年間100トン以上の食品廃棄物を排出する外食業者(食品関連事業者)は、食品廃棄物の発生量の抑制、減量及び再生利用を通じて、食品残渣物の削減を義務付けられております。当社は食品残渣物を削減するための取り組みを鋭意実施しておりますが、今後法的規制が強化された場合には、その対応のために、設備投資等に関連する新たな費用が発生し、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律

深夜0時以降も営業する店舗につきましては、深夜営業について「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」により規制を受けております。各店舗における届出等、当該法令に定める事項の厳守に努めておりますが、法令違反等が発生した場合には、一定期間の営業停止等が命ぜられ、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)鳥インフルエンザについて

当社は鶏肉の仕入ルートとして国内に複数の産地を確保しておりますが、同時多発的に鳥インフルエンザが発生した場合、鶏肉の確保が出来ず営業を休止せざるを得ない事態に至るおそれがあり、また、鳥インフルエンザの発生により鶏肉に対する風評被害が発生し消費者より敬遠される等の事態に陥った場合には、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(13)材料価格の高騰について

近年発生した原油相場高騰に伴う穀物相場等の高騰にとどまらず、天候不順による野菜価格の高騰並びに政府によるセーフガード(緊急輸入制限措置)等の発動など需給関係の急激な変動による食材価格の高騰の可能性等、当社が購入している原材料には価格が高騰する可能性のあるものが含まれております。当社は安心かつ安全な原材料の調達に向けた調達ルートの多様化に引き続き取り組んでまいりますが、このような事象が発生し、原材料価格が高騰した場合、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(14)有利子負債依存度について

当社は、店舗建築費用及び差入保証金等の出店資金を主に金融機関からの借入れにより調達しているため、総資産に占める有利子負債(借入金、リース債務)の割合が、2020年7月31日現在で44.7%と高い水準にあります。今後の出店等に伴う資金調達について、引き続き経済情勢や金利動向、財務バランスを総合的に勘案し、有利子負債の適正な水準の維持に努めながら事業展開を行う予定ですが、今後有利子負債依存度が高い状態で金利が上昇した場合には、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社は財務基盤の安定化のため運転資金確保を目的に、取引銀行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しております。それぞれ当該コミットメントライン契約及び借入金の中には財務制限条項が設けられているものがあります。従前より金融機関とは持続的に良好な関係を築いておりますが、同条項に抵触した場合、金利の上昇や、期限の利益を喪失することにより、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(15)減損損失について

外的環境の著しい変化等により、店舗収益性が悪化し、事業計画において計画した店舗収益性と大きく乖離した場合、固定資産及びリース資産について減損損失を計上することとなり、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(16)特定地域に対する依存度等について

当社の直営店舗出店地域は、関西圏、関東圏及び東海圏の3商圏となっており、特に関西圏においては、大阪府に本社及びタレ工場を設置しております。

当社は当面の間上記3商圏を中心に事業展開を計画しておりますが、地震等の自然災害が発生し、店舗設備、本社社屋及びタレ工場の損壊などによる営業の一時停止や、道路網の寸断、交通制御装置の破損等により事業の運営が困難になった場合、あるいは同地域に特定した経済的ダメージが発生し消費者の消費環境が悪化した場合には一時的に来客数が著しく減少する可能性があります。また、自然災害等による店舗、本社社屋またはタレ工場設備の損壊の程度によっては、大規模な修繕の必要性から、多額の費用が発生する可能性があり、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(17)個人情報について

当社は、顧客満足度向上のために顧客情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)」に定める「個人情報取扱事業者」に該当し、個人情報の取扱いに関して一定の義務を負っております。そのため当社では、個人情報管理規程を策定し、社内の管理体制には万全を期しております。しかしながら、個人情報が外部へ漏洩するような事態が発生した場合には、当社の信用低下による売上の減少や損害賠償による費用の発生等により、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

(18)配当政策について

当社は、株主に対する利益還元を重要な経営目標と認識しており、剰余金の配当につきましては、毎期の業績、財政状況を勘案しつつ、将来の事業拡大のために必要な内部留保とのバランスを図りながら配当による利益還元を安定的かつ継続的に実施する方針であります。

しかしながら、当社の業績が計画どおりに進展しない場合には、配当を実施できない可能性があります。

(19)新型コロナウイルス感染症の拡大による影響について

新型コロナウイルス感染症の拡大による影響につきましては、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営環境及び経営戦略等、(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」及び「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要」の項目にも記載いたしましたが、当社は、厚生労働省や各自治体、日本フードサービス協会等の新型コロナウイルス感染症対策に取り組み、お客様や従業員の安全に十分注意し感染拡大防止策を徹底して店舗運営を行っております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため自治体ごとに休業や営業時間短縮に関する要請が実施され、今後、事態が長期化又は更なる感染拡大が進行した場合は、来店客数の減少等が生じ、当社の財政状態または業績に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦の激化や中国の景気減速懸念、日韓関係をはじめ海外における不安定な政治動向等に加え、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。

外食業界におきましては、人手不足を背景とした人件費の上昇、消費税率の引き上げ等に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための外出自粛要請や営業時間短縮要請等により、さらに厳しい経営環境が続いております。

このような状況の中、当社では中期経営計画(2019年8月~2024年7月)を「経営基盤の再構築と更なる飛躍への挑戦」と位置づけ、中期経営計画の初年度である当事業年度は、既存店の売上強化と採算管理強化を重要課題とし、顧客価値の向上による売上最大と徹底したコスト管理に取り組むことで採算性の向上に努めてまいりました。

10月のメニュー改編では新たな焼鳥メニューとして「ちからこぶ(タレ・塩)」を商品化し高い支持を得ているとともに、期間限定メニューとして「とりメンチカツ」「炙りささみ燻製」「だし巻き」「淡路島産新玉ねぎの揚げだし」を順次商品化し、焼鳥を中心とする新たなメニュー提案を行ってまいりました。また、「プレモル・メガハイ大還元祭」「新トリキワイン試飲キャンペーン」を実施し、「鳥貴族」の魅力をお客様に伝えることで顧客価値の向上に努めてまいりました。これらの施策に加えて、WEB予約可能な店舗を全店(一部除く)に拡大し、当日予約にも柔軟に対応できる体制を構築することで、お客様の利便性向上に努め、既存店売上高の向上に繋げております。これらの取り組みにより2020年2月度まで売上高は堅調に推移いたしました。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大を背景に、国内におきましても政府、各自治体からの各種要請等を踏まえ、感染拡大の防止のため2020年4月4日から5月18日までの期間は、直営店全店の営業を自粛し臨時休業を行いました。5月19日以降、順次営業を再開し厚生労働省や各自治体、日本フードサービス協会等の新型コロナウイルス感染症対策に取り組み店舗運営を行ったものの、各自治体からの要請に基づく営業時間の制限、外出自粛要請等の影響により、当事業年度の既存店売上高及び来店客数はそれぞれ前事業年度比79.0%及び78.3%に留まりました。

なお、当事業年度は1店舗の新規出店と31店舗の退店があり、当事業年度末日における「鳥貴族」の店舗数は629店舗(前事業年度末比30店舗の純減)、当社の直営店は393店舗(前事業年度末比20店舗の純減)となりました。

以上の結果、当事業年度は、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための営業自粛が大きく影響し、売上高は27,539,624千円(前事業年度比23.2%減)となりました。また、売上の減少に対処すべく徹底した原価管理・コスト管理を実施いたしましたが、売上総利益は19,603,336千円(同22.0%減)、販売費及び一般管理費は18,620,052千円(同22.2%減)となり、営業利益は983,283千円(同17.4%減)、経常利益は955,706千円(同16.5%減)となりました。また、雇用調整助成金768,316千円を特別利益として計上し、営業自粛期間における店舗臨時休業による損失1,890,339千円を特別損失として計上したこと等により、当期純損失763,329千円(前事業年度は当期純損失286,112千円)となりました。

なお、当社は飲食事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。

 

 財政状態の状況は以下の通りであります。

 総資産は、前事業年度末と比べて2,825,728千円増加し19,953,267千円となりました。流動資産は、主に資金調達により現金及び預金が4,569,698千円増加したこと等により、前事業年度末と比べて4,438,682千円増加となりました。固定資産は、減価償却に加え、不採算店舗の撤退及び減損損失を計上したことにより、建物(純額)が1,276,532千円減少し、リース資産(純額)が479,014千円減少したこと等により、前事業年度末と比べて1,612,954千円減少し9,778,408千円となりました。

 負債合計は、前事業年度末と比べて3,682,091千円増加し14,286,008千円となりました。流動負債は、売上高減少に伴い全般的に減少し、前事業年度末と比べて1,569,579千円減少し5,362,301千円となりました。固定負債は、コロナ禍に備え手元資金を厚く保持するため資金調達を行い、長期借入金が5,750,907千円増加したこと等により、前事業年度末と比べて5,251,671千円増加し8,923,706千円となりました。

 純資産につきましては、前事業年度末と比べて856,363千円減少し5,667,259千円となりました。これは利益剰余金が、当期純損失の計上により減少したことに加え、配当金の支払いにより減少したこと等によるものであり、自己資本比率は28.4%(前事業年度末は38.1%)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末と比較し4,547,333千円増加し、8,738,077千円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、191,136千円の支出(前事業年度は2,171,569千円の収入)となりました。主な要因は税引前当期純損失を計上したことによるものであります。主な内訳は、税引前当期純損失952,785千円に減価償却費1,296,509千円、減損損失820,881千円等を加えた額から、前受収益の減少652,929千円、未払金の減少431,599千円等を減じた額によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、247,909千円の支出(前事業年度は1,331,066千円の支出)となりました。これは主に、既存店の改装や機器の入替え等に伴う有形固定資産の取得による支出227,295千円及び退店店舗における資産除去債務の履行による支出64,629千円を計上したこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度において、財務活動におけるキャッシュ・フローは、4,986,379千円の収入(前事業年度は1,143,904千円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出799,573千円及びリース債務の返済による支出613,906千円に対し、長期借入れによる収入6,500,000千円を計上したこと等によるものであります。

 

 

③生産、受注及び販売の実績

(a)生産実績

当社は、焼鳥のタレを自社工場で生産しておりますが、金額的重要性が乏しいことから、記載を省略しております。

 

(b)仕入実績

当事業年度における仕入実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2019年8月1日

至 2020年7月31日)

前年同期比(%)

飲食事業(千円)

7,781,015

73.9

合計(千円)

7,781,015

73.9

(注)1.当社の事業区分は「飲食事業」の単一セグメントであります。

2.上記の金額に消費税等は含まれておりません。

 

(c)受注実績

当社は、一般消費者へ直接販売する飲食事業を行っておりますので、記載しておりません。

 

(d)販売実績

当事業年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当事業年度

(自 2019年8月1日

至 2020年7月31日)

前年同期比(%)

飲食事業(千円)

27,539,624

76.8

合計(千円)

27,539,624

76.8

(注)1.当社の事業区分は「飲食事業」の単一セグメントであります。

2.上記の金額に消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

既存店の売上高、客数、客単価の前年同月比は以下のとおりであります。

 

 

 

8月

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

累計

合計

売上高

95.9

99.9

94.6

101.5

101.7

107.5

106.0

83.9

3.9

12.1

73.2

76.8

79.0

客数

98.9

102.1

95.1

103.4

101.5

107.6

105.6

81.1

3.8

11.2

67.7

71.3

78.3

客単価

97.0

97.8

99.5

98.1

100.1

99.9

100.4

103.5

102.5

107.7

108.2

107.7

101.0

 

(a)財政状態の状況

当事業年度の財政状態の状況につきましては、「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。

 

(b)経営成績の状況

当事業年度の財政状態の状況につきましては、「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載したとおりであります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(a)キャッシュ・フローの状況

当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。

 

(b)資本の財源及び資金の流動性

・資金需要

当社の資金需要は主に大きく分けて運転資金需要、設備資金需要があります。運転資金需要は食材仕入のほか、販売費及び一般管理費の営業費用であります。営業費用の主なものは、人件費、店舗賃借料及び店舗運営に係る費用(水道光熱費・修繕費等)であります。設備資金需要につきましては、飲食事業における新規出店や既存店舗の改装費用等であり店舗設備に係る設備投資であります。

 

・財政政策

当社は、運転資金及び設備資金につきましては、まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について有利子負債の調達を実施しております。このうち、運転資金及び既存店舗の設備資金については内部資金を活用し、新規に出店する店舗設備等の設備資金については変動金利の長期借入金及びリース契約により調達しております。

当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金を基本としており、長期借入金及びリース等の長期資金の調達については、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境、既存有利子負債の償還時期等を考慮の上、調達規模、調達手段を適宜判断していくこととしております。

当事業年度において、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、財務基盤の安定化を図るため、複数の金融機関からの借入により6,500,000千円の運転資金を確保しております。さらに複数の金融機関との間で合計4,000,000千円のコミットメントライン契約を締結しております(借入未実行残高4,000,000千円)。

当事業年度末において、当社が締結しているコミットメントライン契約の合計5,500,000千円であります。(借入未実行残高5,500,000千円)。

なお、当事業年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は8,912,615千円であり、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は8,738,077千円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たっては、決算日における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社は、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っております。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (追加情報) 2.新型コロナウイルス感染症の影響に伴う会計上見積りについて」に記載しております。

 

(繰延税金資産)

当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

(固定資産の減損)

当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、将来キャッシュ・フローの見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

カムレード契約

当社はカムレードチェーン加盟店との間で、以下のような要旨の加盟契約を締結しております。

(1)契約の内容

当社は、その有する営業ノウハウと「鳥貴族」の商標(サービスマーク)を使用して焼鳥屋を営業する資格ないし権利を加盟店に付与し、マニュアル等の印刷物、担当指導員の指導等を通じて加盟店の経営、店舗の営業を支援する。加盟店は、契約に定める事項、貸与ないし供与されたマニュアル並びに当社の指示を遵守して営業に従事し、その発展に邁進するものとし、契約に定める加盟金、ロイヤリティを支払う。

(2)契約期間

契約締結日を開始日として、満7年を経過した日を終了日とする。

(3)契約更新

契約満了の3カ月前までに両当事者のいずれからも解約の申入れがない場合は、2年毎に自動的に更新される。

 

「カムレードチェーン」につきましては、「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3事業の内容」をご参照下さい。

 

 

吸収分割契約

当社は、2020年6月5日に開催の取締役会において、吸収分割の方式により、当社の飲食事業を当社の100%出資の子会社「株式会社鳥貴族分割準備会社」(以下、「承継会社」といいます。)へ移行する決議を行い、同年9月18日に、承継会社との間で吸収分割に関する契約を締結しました。

詳細は、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります

 

 

5【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。