第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、米国新政権の運営に重ねて、北朝鮮情勢の緊迫化と海外経済の先行きは依然として安定せず、不透明な状況が続いておりました。しかしながら、これまで不安定な状況にあった個人消費は、企業業績の改善に伴い、雇用環境も緩やかな回復基調にあります。

当社グループの主要事業領域である新築マンション市場におきましては、首都圏マンション契約率が好調の目安と言われる70%に届かなかったものの、首都圏のエリア別で供給戸数を比べますと、都区部以外での供給戸数が減少傾向であるのに対し、当社グループの取扱物件エリアである都区部は依然として増加傾向にあります(株式会社不動産経済研究所調べ)。これらのことから、首都圏における新築マンションの需要は、今後も安定的に推移し、当社グループに対するニーズも一層高まるものと見込まれます。

このような経営環境のもと、当社グループは、顧客に販売・引渡しをする前の賃料収入を確保しつつ、東京23区を中心に、「GENOVIA(ジェノヴィア)」シリーズの新築マンションとして、「GENOVIA green veil(ジェノヴィア グリーンヴェール)」及び「GENOVIA skygarden(ジェノヴィア スカイガーデン)」の企画・開発及び販売の拡大と共に、充実した顧客サポート体制を推し進め、ブランド力の強化を図ってまいりました。

当連結会計年度における販売物件は、浅草橋(東京都台東区)、東日本橋駅前(東京都中央区)、両国Ⅱ(東京都墨田区)、東日暮里(東京都荒川区)、浅草Ⅱ(東京都台東区)、浅草Ⅲ(東京都台東区)、麻布十番(東京都港区)、東大前(東京都文京区)、目黒南(東京都目黒区)、大島駅(東京都江東区)、川崎駅(神奈川県川崎市川崎区)、亀戸水神(東京都墨田区)、板橋west(東京都板橋区)、世田谷砧(東京都世田谷区)、田端Ⅱ(東京都北区)の計15棟、324戸となりました。

以上の結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は9,834百万円(前年同期比33.0%増)、営業利益は907百万円(同2.3%減)、経常利益は820百万円(同5.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は620百万円(同10.0%増)となりました。

なお、連結売上高は増収となったものの、経費の増加等(株主優待制度の新設、IR活動の積極化、市場変更の実施、スポンサー活動の積極化及び人件費の増加等)により、営業利益及び経常利益につきましては、若干の減益となっております。また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、役員退職慰労引当金戻入額の計上により増益となりました。

セグメント別の業績は、以下のとおりであります。

 

① 国内自社販売

自社ブランド「GENOVIA」シリーズのワンルーム及びファミリータイプを国内の個人投資家に販売を行い、当連結会計年度では、160戸を販売いたしました。特にファミリータイプの販売に注力したことで、売上高に貢献いたしました。

以上の結果、売上高は5,316百万円(前年同期比65.9%増)、セグメント利益は551百万円(同77.4%増)となりました。

 

② 国内業者販売

自社ブランド「GENOVIA」シリーズのワンルームタイプを国内の不動産販売会社に販売を行った結果、当連結会計年度では、164戸を販売いたしました。

以上の結果、売上高は3,955百万円(前年同期比12.3%増)、セグメント利益は183百万円(同67.8%減)となりました。

③ 不動産管理

建物管理戸数、賃貸管理戸数の堅調な増加により、賃料収入等が順調に増加いたしました。

以上の結果、売上高は570百万円(前年同期比151.0%増)、セグメント利益は246百万円(同338.0%増)となりました。

 

④ 海外販売

自社ブランド「GENOVIA」シリーズのワンルーム及びファミリータイプの海外個人投資家への販売につきましては、円高基調の影響もあり、当連結会計年度において、販売実績はありませんでした。

以上の結果、売上高の計上はなく、セグメント損失は80百万円(前年同期は12百万円のセグメント損失)となりました。

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ1,126百万円増加し、2,519百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、5,501百万円の資金減少(前連結会計年度は680百万円の資金増加)となりました。主な要因は、たな卸資産の増加額が5,769百万円あったことによります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、80百万円の資金増加(前連結会計年度は16百万円の資金減少)となりました。主な要因は、定期預金の払戻による収入が56百万円及び保険積立金の解約による収入が50百万円あった一方で、定期預金の預入による支出が25百万円あったことによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、6,546百万円の資金増加(前連結会計年度は850百万円の資金減少)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入が10,200百万円及び株式の発行による収入が825百万円あった一方で、長期借入金の返済による支出が4,089百万円及び短期借入金の純減少額が359百万円あったことによります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

該当事項はありません。

(2)受注実績

該当事項はありません。

(3)販売実績

販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年11月1日

至 平成29年10月31日)

販売戸数(戸)

金額(千円)

 

前年同期比(%)

国内自社販売

160

5,316,173

165.9

国内業者販売

164

3,955,565

112.3

不動産管理

570,800

251.0

海外販売

合計

324

9,842,539

133.0

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成27年11月1日

至 平成28年10月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年11月1日

至 平成29年10月31日)

金額

(千円)

割合

(%)

金額

(千円)

割合

(%)

株式会社BRI

2,102,290

28.4

1,371,070

13.9

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、「私たちは不動産を安心と信頼のできる財産としてグローバルに提供し、幸福になっていただくことで社会に貢献します。」という経営理念に基づき、東京23区を中心に新築マンションを企画・開発し、個人投資家及び不動産会社への販売を行い、販売後の管理業務まで行っております。今後とも経済情勢等外部環境を見極めつつ、個人投資家の顧客層や国内外の営業対象地域を拡大すること等により、企業の継続的な発展と企業価値の拡大に努めてまいります。

(2)経営戦略等

当社グループは、不動産会社から戸別にマンションを仕入れて販売することからスタートし、現在では自社ブランドマンションを自社で個人投資家に分譲するほか、不動産会社にも販売しております。今後におきましても、以下の重点施策を推進し、事業の持続的な成長を図ることにより、企業価値の向上に努めてまいります。

① 人材の確保と育成の強化

今後の事業の発展、業容拡大に向け、新卒採用・中途採用に力を入れ、採用・教育部が中心となり、研修・教育制度の充実を図り、各人の能力向上や、コンプライアンス意識の向上に努めてまいります。

② 物件仕入力の強化と優良物件の供給

東京23区では、地価の高騰により仕入物件の確保が困難になりつつあります。近年当社は、物件を厳選しつつ、仕入については積極的に行ってきており、当面の販売物件は確保しております。当社は、開発実績や、支払期日の厳守等で取引先との信頼関係を構築し、物件情報が多く入手できる体制となっており、また、相対取引での物件仕入により価格を抑制しております。引き続き信頼関係を構築していくことにより、多くの物件情報から優良物件を確保し、価格の抑制に注力してまいります。

③ 販路拡大による機動的な販売

国内自社販売においては、関東・中部地方の個人投資家を中心に販売活動を行っておりますが、今後は近畿地方、東北地方への販売活動を強化してまいります。

国内業者販売や海外販売においては、景況感に合わせ、臨機応変な販売体制を構築するため、新規取引先の開拓や、新たな販売活動等を模索するなど販路の拡大に努め、経営環境の変化に応じた販売体制の確立に努めてまいります。

(3)経営環境

当社グループはこれまで、東京23区を中心に新築マンションの開発を手掛けておりますが、東京オリンピック・パラリンピックの開催等もあり、東京23区の地価上昇傾向や建築資材の高騰・建築関連の人件費上昇等による仕入価格の上昇というマイナス面が顕著になってきております。

しかしながら、東京23区におけるマンションの供給戸数は増加しており、今後も安定的に推移し、当社グループに対するニーズも一層高まるものと見込まれます。

(4)事業上及び財産上の対処すべき課題

当社グループでは、経営環境等を見極めながら、更なる事業拡大に向けて、特に以下の5点を重要課題として取り組んでおります。

① 人材の確保と育成強化

当社グループは、今後の事業の発展及び業容拡大のために、不動産の企画、開発、販売、不動産管理及び内部管理等のすべての事業組織において、優秀な人材の確保及び定着が重要であると認識しております。

当社グループは、これらに対処するために以下のことに取り組んでまいります。

・新卒の定期採用や、必要に応じた経験者の中途採用の積極的な実施。

・採用・教育部により、新たな人員に対しては、資格取得のための教育、独自のビジネスモデルやノウハウの浸透の促進、コンプライアンスの徹底及び当社グループの従業員として不可欠な能力の習熟を図るためのマニュアルを策定し、定期的な勉強会を実施する等、研修・教育制度の充実。

・社内外でのセミナー参加、定期的な勉強会の実施、マニュアルの充実等、新入社員への研修・教育制度を整備することで、優秀な人材の積極的な確保、継続的な人材育成強化及び新たな人員を含む従業員の離職率の低下。

② 仕入物件の継続的な確保

近年当社グループにおいては、収益性を精査しつつ、積極的な仕入を行っております。現時点におきましては、当面の販売物件は確保しているものの、当社グループがターゲットとする東京23区では、地価上昇により仕入物件の確保が困難になりつつあります。

当社グループは、原則、入札には参加せず、事業主、仲介業者、ゼネコン等から相対取引で開発用地及び物件を仕入れることを基本方針としております。また、これまでの物件開発の実績を踏まえ、過去の取引先から、開発用地及び物件のリピート紹介を受けております。その理由としては、当社グループとして、支払費用(仲介料等)の期限を守る等、取引先との関係を良好に保つ方針を徹底していることが挙げられます。

今後も前述の方針に基づき、マンション用地等の情報収集を強化し、既存取引先、新規取引先から多くの情報を集め、立地や価格等の諸条件を勘案しながら、仕入物件の継続的な確保に努める方針であります。

③ 資金調達手段の多様化と財務体質の改善

一般的な新築マンションは、用地を仕入れ、マンションを建設しますが(これを「開発物件」といいます。)、当社グループにおいては、マンション建築事業主からマンションを1棟単位で仕入れる(これを「専有物件」といいます。)場合もあります。後者の場合、当社グループは初期段階で手付資金等の負担は必要なものの、用地仕入資金やその後の建設資金はマンション建築事業主が負担するため、当社グループとしては多額の先行資金をかけずに物件の仕入ができることになります。

しかしながら、専有物件の場合、中間的な手数料等が発生しないため、開発物件ほど利益が出ないことがあります。今後も、開発物件の推進とともに、専有物件も継続する方針であります。

当社グループは、これに対処するために、運転資金の確保を含め、資金調達手段の多様化、財務体質の改善及び財務基盤の維持・充実を図る必要があると認識しております。具体的な施策につきましては、随時機動的に検討しております。

④ 販路拡大による機動的な販売の実現

自社ブランドの「GENOVIA」シリーズの間取りは、単身者向けの1Kが中心となっております。また、建築地域は東京23区を中心としてまいりました。日本国内の人口が減少している中、東京23区においては、平成47年に単身世帯が約247万世帯と、平成27年比で約13万世帯増加すると予想されており(出典:東京都総務局統計部『東京都世帯数の予測』「区市町村別単独世帯数-総数-」,平成26年3月)、当社グループの取扱物件である単身者向けマンションの需要は今後も拡大が見込まれます。

当社グループは、「GENOVIA」シリーズの安定的な販売及び販売戸数の増加による業績の拡大を達成するために、新たな販路を確保し、販路を拡大する必要があると考えております。具体的には、日本全国の個人投資家への積極的なアプローチに加え、セミナーの実施等で台湾、中国をはじめとした海外の個人投資家へのアプローチにより、販路の拡大に努めてまいります。

また、世界経済及び日本経済全体の景況悪化、税制改定及び為替動向によって、国内及び海外の個人投資家の不動産購入意欲が減退することが考えられます。しかしながら、当社グループの特徴としては、国内自社販売、国内業者販売及び海外販売という3つの販売ルートを確立していることから、景況感に合わせて、機動的かつ最適な販売を実現することで、今後も安定的な販売戸数の増加とこれによる業績の拡大を図る考えであります。

なお、一部の物件については、金利負担の軽減を目的として不動産賃貸会社と賃貸借契約を締結し、個人投資家又は業者への引渡しまでの間、賃料収入を得ており、この取り組みを継続して実施する方針であります。

⑤ 顧客本位のサービス体制の充実と収益の最大化

当社グループでは、顧客との信頼関係構築のため、顧客のニーズに応える投資プランの提案をしております。具体的には、顧客の年金運用や税金対策、生命保険等も考慮したうえで、最適な資産運用プランに基づく、最適な物件の紹介・販売に努めております。また、顧客における賃料収入の減少リスクを低減するため、顧客と当社グループとの間で空室保証契約又はサブリース契約を締結する等、顧客本位のサービスを徹底しております。

今後も、顧客との信頼関係継続のため、社員の提案・営業能力の育成に加え、サービスの充実を常に図る方針であります。

4【事業等のリスク】

 当社グループの事業内容その他に関するリスクについて、投資家の皆様の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家の皆様に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)資金繰りについて

当社グループでは、事業主及び金融機関に対する不動産仕入資金の支払期限を竣工引渡し後数カ月後に設定しており、戸別に支払いをしておりますが、採算を考慮して借換えを行い、販売期間を延長する場合があります。また、当社グループでは、今後の需要に備えるため、年間仕入物件数が販売物件数を上回っている状況であります。これらは堅調な不動産市況及びそれに基づく金融機関の積極的な融資姿勢も背景にあります。

しかしながら、不動産市況が悪化し、金融機関の融資姿勢が消極的になった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性及び資金繰りが悪化する可能性があります。

 

(2)有利子負債の依存と金利変動のリスク

当社グループでは、不動産仕入資金のほとんどを金融機関からの借入に依存しております。今後も事業拡大に伴い有利子負債は高い水準で推移すると想定され、金利が上昇した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(単位:千円)

 

前連結会計年度末

(平成28年10月31日)

当連結会計年度末

(平成29年10月31日)

有利子負債残高(a)

3,126,588

8,867,887

総資産額(b)

5,862,620

12,613,733

有利子負債依存度(a/b)

53.3%

70.3%

 (注)有利子負債残高は、短期及び長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)、社債(1年内償還予定の社債を含む)の合計であります。

 

(3)在庫に関するリスク

当社グループは、開発用地の仕入及びマンションの企画・販売を中長期的な経済展望に基づき実施しております。

しかしながら、急激な景気の悪化、金利の上昇及び不動産関連税制の影響により、販売が計画どおりに進まなかった場合には、マンション開発の遅延や完成在庫の滞留が発生し、資金収支の悪化を招く可能性があります。また、当社グループは「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 平成18年7月5日)を適用しておりますが、時価が取得原価を下回った販売用不動産、仕掛販売用不動産の評価損失が計上された場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)賃貸に関するリスク

① 販売前の管理物件の空室時のリスク

当社グループは、一部の物件について、竣工引渡後に不動産賃貸会社と賃貸借契約を結び、顧客への引渡前までの期間において、賃料収入を得ております。金融機関からの借入により、物件を仕入れておりますが、金利等は当該賃料収入から賄っております。

したがって、不動産賃貸会社に賃貸借契約に応じてもらえない場合や支払能力に支障が生じた場合は、賃料収入が得られず、借入増加による金利負担を賄うことができず、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 販売後の賃貸管理物件の空室時のリスク

当社グループでは、販売したマンションを購入した個人投資家等との契約により、当該マンションの空室時に家賃保証をしております。当社グループでは、空室率の低減策を実施しておりますが、施策の効果が得られずに空室が多くなった場合には、空室保証費用が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)仕入に関するリスク

① 仕入物件の立地及び価格について

当社グループでは、東京23区を中心に新築マンションの用地又は建物を仕入れております。

しかしながら、他社との競合や地価上昇により計画どおりの仕入が行えない場合、又は、仕入を行ったとしても仕入価格に見合った価格で販売できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② マンション建築事業主からの仕入リスク

一般的な新築マンションの仕入は、用地を取得し、マンションを建築しますが、当社ではそのほかにマンション建築事業主(以下「事業主」といいます。)からマンションを1棟単位で仕入れる場合もあります。具体的には、当社仕様の自社ブランドマンション等とするため、当社は、初期段階で手付資金等の負担は必要なものの、先行的な用地取得資金やその後の建築資金を発生させずに、仕入物件の確保ができることになります。

しかしながら、事業主の都合等で当該物件の建築が中断した場合、又は、建築中の事故等予期せぬ事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)法的規制等について

当社グループが属する不動産業界は、国土利用計画法、宅地建物取引業法、建築基準法、都市計画法、建設業法、建築士法、借地借家法、建物の区分所有等に関する法律、消防法、住宅の品質確保の促進等に関する法律及びマンションの管理の適正化の推進に関する法律等により、法的規制を受けております。

当社グループの事業活動の継続にあたっては、下表に掲げる免許の保有が前提になります。

宅地建物取引業者免許につきましては、宅地建物取引士について一定人数を確保すること等の要件が、法律上要求されております。また、台湾における許認可については、不動産經紀業管理条例第6条に該当する場合に取り消されることがあります。なお、現状において、これらの当該許認可等が取り消しとなる事由は発生しておりません。

しかしながら、関連法令等の規制が遵守できず、今後これらの許認可が取り消された場合、又は、これらの法的規制の大幅な変更があった場合には、当社グループの経営及び事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

取得・登録者名

取得年月・許認可等の名称及び所管官庁等

許認可等の内容及び有効期限

主な許認可等の取消事由

株式会社グッドコムアセット

(当社)

平成18年1月13日

宅地建物取引業者免許

東京都

宅地建物取引業に関する許可

東京都知事

(3)第85421号

平成28年1月14日から

平成33年1月13日まで

以後5年ごとに更新

宅地建物取引業法

第5条、第66条及び第67条

株式会社グッドコム

(連結子会社)

平成21年7月24日

宅地建物取引業者免許

東京都

宅地建物取引業に関する許可

東京都知事

(2)第90768号

平成26年7月25日から

平成31年7月24日まで

以後5年ごとに更新

同上

株式会社グッドコム

(連結子会社)

平成23年7月11日

マンションの管理の適正化の推進に関する法律に基づくマンション管理業者登録

国土交通省

マンション管理業者に関する許可

国土交通大臣

(2)第033780号

平成28年7月12日から

平成33年7月11日まで

以後5年ごとに更新

マンションの管理の適正化の推進に関する法律

第83条

臺灣家得可睦股份有限公司

(連結子会社)

中華民国104年6月1日

(平成27年6月1日)

不動産經紀業

北市政府地政局

不動産經紀業に関する許可

 

不動産經紀業管理条例

第6条

 

 

 

(7)訴訟のリスク

当社グループは、投資を目的とした新築マンションを販売しており、入居率の悪化や家賃相場の低下による賃貸収入の下落、金融機関の貸出金利の上昇による借入金返済負担の増加等、収支の悪化につながる様々な投資リスクが存在します。当社グループは、顧客に対し、これらの投資リスクについて十分説明を行い、理解していただいたうえで売買契約を締結することにより、訴訟リスクの低減を図っております。また、当社グループでは、経営におけるコンプライアンスの重要性について強く認識しており、役職員に対するコンプライアンス教育を徹底する等、コンプライアンス経営を推進することで、訴訟リスクの低減に努めてまいります。

しかしながら、当社グループが販売した物件の瑕疵、販売時の説明不足及び顧客が投資リスクに対する理解が不十分なまま購入したこと等に起因する顧客からのクレームや訴訟等が発生した場合には、その結果によっては、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)特定の人物への依存リスク

当社の代表取締役社長であり、当社グループを統括する長嶋義和は、当社創業以前より不動産業務の経験を持ち、最高経営責任者として経営戦略及び事業戦略の決定をはじめ、事業運営の意思決定及び事業の推進に至るまで、重要な役割を果たしております。当社グループでは、組織的な事業運営及び権限委譲の推進、幹部候補の人材育成の強化を行うことにより、同人へ依存する経営リスクの軽減に努めております。

しかしながら、今後何らかの要因により同人が代表取締役社長としての業務執行が困難となった場合には、当社グループの経営及び事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)不動産引渡時期等による業績の変動及び偏重リスク

当社グループの国内自社販売、国内業者販売及び海外販売の売上計上基準は、顧客へ物件を引渡した(所有権の移転)時点で売上高を計上する引渡基準としております。

したがって、建築工期の遅延や天災等の不測の事態により物件の竣工・引渡しが遅延した場合には、通期及び四半期ごとの売上高や利益が大きく変動したり、特定の四半期に偏重する可能性があり、当社グループの業績を判断する際には留意する必要があります。

 

(10)販売に関するリスク

① 業者販売に関するリスク

当社グループは、個人投資家以外に、他の不動産会社に業者販売をしております。業者販売をする際は、当該販売会社を十分調査の上で販売しております。

しかしながら、販売先に不測の事態が発生した場合には、当社グループの経営及び事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

② 海外販売に関するリスク

当社グループは、日本国内の個人及び業者販売以外に、海外販売ルートも確立しております。海外販売の場合、地域特性によるビジネスリスク等が多岐にわたり存在し、当社グループは、これらのリスクを最小限にすべく十分な対策を講じたうえで慎重に海外展開を進めるよう配慮しております。

しかしながら、予測困難なビジネスリスク等が発生した場合には、当該リスクが当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)建築に関するリスク

① 近隣住民の反対運動リスク

当社グループは、マンションの建築にあたり、関連法令等を十分検討し、近隣住民に対する事前説明会の実施等、適切な対応を行っており、現在まで、近隣住民との重大な問題は生じておりません。

しかしながら、今後、建築における騒音、電波障害、日照不足、景観悪化等を理由に近隣住民の反対運動が発生する可能性があり、問題解決のための工事遅延や追加工事費用が発生する場合、又は、建築が中止に至る場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 建築工事の外注リスク

当社グループは、建築工事を外注しており、外注業者の選定にあたっては、コスト、建築工期及び品質等を総合的に勘案して決定しており、特定の外注業者に依存しないように努めております。また、品質管理及び工期遅延防止のため、外注業者との定例会議により、工期スケジュール等の確認・調整を行っております。

しかしながら、外注先の人員確保が予定通りにならない場合や、又は、工事中の事故、外注先の倒産等予期せぬ事態が生じた場合には、工事が中止又は遅延し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)瑕疵担保責任について

当社グループは、販売物件について瑕疵担保責任を負っており、瑕疵に備え住宅瑕疵担保責任保険に加入しております。

しかしながら、杭打ちデータ改ざん等、販売物件の重大な瑕疵があった場合には、当該保険の対象にならず、これを原因とする損害賠償請求や建替・補修工事費用が発生し、当社グループの信用力の低下とともに、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)個人情報の漏えいリスク

当社グループは、多くの顧客(潜在顧客を含みます。)や入居者の個人情報を保有しております。個人情報の管理については、関連する社内規程を制定し、社内情報管理システムのセキュリティー強化に取り組むとともに、役職員に対する個人情報保護に関する教育・研修を実施すること等により、情報管理の徹底に努めております。

しかしながら、これらの対策にもかかわらず、これらの情報が外部に漏えいした場合には、当社グループの社会的信用に影響を与え、当社グループの経営及び事業運営に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(14)消費税に関するリスク

平成26年4月1日より、消費税増税が実施され、今後もさらなる税率引き上げが検討されております。一般的な購入者居住用マンションについては、消費税増税の負担を軽減するため住宅取得減税が実施されております。

一方、当社グループが取り扱う投資用マンションについては、当該住宅取得減税は対象外となり、投資用マンションの建物部分は消費税増税の課税対象となります(ただし、土地部分は課税対象外)。

したがって、これらの税金の価格転嫁が困難な場合には、販売物件の利益率が低下し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)経済状況等の変動リスク

景気動向、経済情勢、金利動向、販売価格動向、住宅税制等の各種税制及び建設業者の不正等の影響を受け、販売価格の変動や個人消費の低迷、顧客購買意欲の低下により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)災害発生のリスク

地震等の自然災害及びテロ等の人的災害が発生した場合、不動産投資マインドの低下による販売機会損失、空室の長期化による家賃保証費の増加、開発物件の被災に伴う補修等による工事費上昇や完成遅延等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)潜在株式に関するリスク

当社は、業績向上への意欲と士気を一層高めること及び経営への参加意識を高めることを目的として、当社グループの役職員を対象に新株予約権(以下「ストック・オプション」といいます。)を付与しております。具体的には本書提出日現在の発行済株式総数6,071,200株に対してストック・オプションによる潜在株式数は364,000株であり、発行済株式総数の6.0%に相当いたします。なお、自己新株予約権は潜在株式数に含めておりません。

今後ストック・オプションが行使された場合には、当社の1株当たりの株式の価値は希薄化する可能性があります。また、ストック・オプションの行使によって発行された当社株式の売却によって、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。連結財務諸表を作成するにあたり、重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、必要な見積りを行っており、それらは資産・負債及び収益・費用の計上金額に影響を与えております。これらの見積りについては、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づき合理的と考えられる要因を考慮したうえで行っておりますが、結果としてこのような見積りと実績が異なる場合があります。

(2)財政状態の分析

当社グループの当連結会計年度末における財政状態は、総資産12,613百万円(前連結会計年度末比115.2%増)、負債9,372百万円(前連結会計年度末比131.5%増)、純資産3,241百万円(前連結会計年度末比78.6%増)となりました。また、自己資本比率につきましては25.7%となりました。

① 流動資産

当連結会計年度末における流動資産は12,539百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,804百万円増加いたしました。主な要因は、販売用不動産が6,588百万円増加したことによるものであります。

② 固定資産

当連結会計年度末における固定資産は74百万円となり、前連結会計年度末に比べ53百万円減少いたしました。主な要因は、投資その他の資産の繰延税金資産が23百万円及び投資その他の資産のその他に含まれる保険積立金が28百万円それぞれ減少したことによるものであります。

③ 流動負債

当連結会計年度末における流動負債は6,905百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,341百万円増加いたしました。主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が5,040百万円増加した一方で、工事未払金が268百万円及び短期借入金が359百万円それぞれ減少したことによるものであります。

④ 固定負債

当連結会計年度末における固定負債は2,466百万円となり、前連結会計年度末に比べ983百万円増加いたしました。主な要因は、長期借入金が1,070百万円増加したことによるものであります。

⑤ 純資産

当連結会計年度末における純資産合計は3,241百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,426百万円増加いたしました。主な要因は、公募及び第三者割当(オーバーアロットメントによる売出しに伴う第三者割当)による新株式の発行により資本金及び資本剰余金がそれぞれ412百万円増加したこと、また、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金は620百万円増加しましたが、配当金の支払いにより20百万円減少したことによるものであります。

(3)経営成績の分析

① 売上高

当連結会計年度の売上高は9,834百万円となり、前連結会計年度に比べ2,440百万円増加いたしました。要因としては、国内自社販売の売上高が2,111百万円増加したことによるものであります。

② 売上総利益

当連結会計年度の売上総利益は2,200百万円となり、前連結会計年度に比べ207百万円増加いたしました。

売上原価については、販売件数の増加等に伴い、7,633百万円となり、前連結会計年度に比べ、2,233百万円増加いたしました。なお、売上総利益率については、仕入価格の上昇により、22.4%となり、前連結会計年度に比べ4.6ポイント低下いたしました。

③ 営業利益

当連結会計年度の営業利益は907百万円となり、前連結会計年度に比べ21百万円減少いたしました。

販売費及び一般管理費については、人件費や市場変更費等の経費の増加に伴い、1,292百万円となり、前連結会計年度に比べ、228百万円増加いたしました。

④ 経常利益

当連結会計年度の経常利益は820百万円となり、前連結会計年度に比べ48百万円減少いたしました。

営業外費用については、主に銀行融資による資金調達時の支払保証料の増加に伴い、116百万円となり、前連結会計年度に比べ51百万円増加いたしました。

⑤ 親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は620百万円となり、前連結会計年度に比べ56百万円増加いたしました。

当連結会計年度の特別利益は78百万円となり、特別損失は2百万円となりました。

法人税等については、276百万円となり、前連結会計年度に比べ、28百万円減少いたしました。

(4)キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

(5)経営成績に重要な影響を与える要因

当社グループは、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおり、事業内容、経済状況、法的規制等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。当社グループは、これらのリスク要因について注視するとともに、リスクを低減できるよう適切な対応を行ってまいります。

(6)経営者の問題意識と今後の方針

当社グループが今後とも成長し、発展していくためには、事業規模の拡大に伴う優秀な人材の確保等が必要不可欠であると認識しております。詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。