第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度(平成28年4月1日から平成29年3月31日まで)のわが国経済は、個人消費の回復には依然として鈍さがみられたものの全体的には雇用・所得環境は改善の傾向となり、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、世界経済は欧米を中心に回復しておりますが、新興国の経済成長鈍化や米国政権の動向、英国のEU離脱問題などにより、先行きは不透明な状況にあります。

飼料業界におきましては、主原料であるとうもろこしは主産地の米国での豊作を受けて一旦安値をつけた後に需要の高まりを受け徐々に値を上げる展開となりました。また、大豆粕も同様に若干の上昇基調となっております。

畜産物につきましては、豚肉相場は一時期の価格高騰からは落ち着きを取り戻したものの高値傾向となり、鶏卵相場は需要が堅調であり比較的安定して推移しました。また、牛肉相場は依然として高値継続となっております。

こうした環境にあって、当社グループは3ヶ年の中期経営計画の達成に向けて、原料調達・生産体制の合理化、畜産・水産生産者へ供給する製品の品質・サービスの向上、コスト低減などの取り組みを進めてまいりました。

その結果、当社グループの当連結会計年度の業績につきましては、売上高は2,079億2千万円(前年同期比9.2%減)、営業利益は48億3千1百万円(前年同期比38.3%増)、経常利益は51億3千1百万円(前年同期比37.4%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は39億3千7百万円(前年同期比70.6%増)となりました。

 

セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。

 

①  飼料事業

飼料事業では、原材料価格の変動に合わせ配合飼料製品価格の値下げを行ったこと等により、売上高は1,495億1千3百万円(前年同期比8.9%減)となりました。一方、営業利益は新製品の積極的な市場投入とコスト低減に継続して努めたこと等により59億2千5百万円(前年同期比21.4%増)となりました。

②  食品事業

食品事業では、前連結会計年度における関連子会社の売却等もあり、売上高は554億6千1百万円(前年同期比10.2%減)となりました。営業利益は畜産物相場が高値傾向であったこと等により8億8千万円(前年同期比27.5%増)となりました。

③  その他

特約店、畜産・水産生産者への畜水産機材等の販売により、売上高は29億4千4百万円(前年同期比2.1%減)、営業利益は3億6千5百万円(前年同期比1.5%増)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度に比べ5億1千3百万円増加し、当連結会計年度末には23億3千3百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上等により117億7千7百万円の収入(前年同期は60億5千6百万円の収入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、有形・無形固定資産の取得の一方、売却も同時に進めたこと等により、8億9千1百万円の支出(前年同期は20億1千7百万円の支出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済を進めたこと等により103億7千3百万円の支出(前年同期は43億9千7百万円の支出)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産・仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産及び仕入高(百万円)

前年同期比(%)

飼料事業

130,640

89.0

食品事業

51,649

89.2

報告セグメント計

182,289

89.1

その他

2,829

103.6

合計

185,119

89.3

 

 

(注) 1  金額は製造原価及び仕入高の金額によっております。

2  セグメント間の内部振替前の数値によっております。

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

飼料事業

149,513

91.1

食品事業

55,461

89.8

報告セグメント計

204,975

90.7

その他

2,944

97.9

合計

207,920

90.8

 

(注) 1  セグメント間の取引については相殺消去しております。

2  相手先別の販売実績につきましては、総販売実績に対して100分の10を超える相手先がありませんので、記載を省略しております。

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「Feedをはじめの一歩として、畜・水産業界の持続的発展に貢献し、食の未来を創造します」の経営理念に基づいて事業活動を行います。当社グループは思いやりを大切にし、フェアであることを大切にします。つまりそれは、コンプライアンスを遵守し、社会からの信頼に真摯に向き合うことと考えます。畜・水産業界が将来にわたって発展し続けるために、私たちは常にお客様の目線でニーズと課題を捉え、チャレンジし続けます。

 

(2) 経営戦略等

当社グループは、畜産飼料事業、水産飼料事業、食品事業、海外事業を4本柱とする収益の最大化を目指していく中で、当初、連結経常利益48億円を最終年度とする3ヶ年(平成27年度~平成29年度)の「中期経営計画」を策定し取り組んでまいりました。これにつきましては、統合シナジーの早期発現等により1年前倒しで期初計画を達成いたしましたので、平成29年度は連結経常利益52億円を計画として取り組んでまいります。

顧客ニーズや事業環境変化に即応するべく迅速な対応を行うと共に、競争力強化及び将来成長に向けた配合飼料生産体制の強化のため積極的な設備投資を検討してまいります。

 

(3) 目標とする経営指標

平成30年3月期の事業計画は下記の通りです。

 

平成29年3月期
実績

平成30年3月期
計画

売上高(百万円)

207,920

217,200

経常利益(百万円)

5,131

5,200

 

 

(4) 経営環境及び対処すべき課題

飼料畜水産業界においては、国内における人口減少及び少子高齢化の懸念に加えて貿易交渉の複雑化や国内農業政策の変更など事業環境が急速に変化しており、不透明感がますます高まっています。

そのような環境で当社グループは、平成27年度から平成29年度にわたる3ヶ年の中期経営計画に基づき、畜産飼料事業、水産飼料事業、食品事業、海外事業を4本柱とする収益の最大化を目指して取り組んでおります。

本年におきましては、水産飼料専用工場である北九州工場が竣工し、稼働を開始しております。今後、生産設備の拡充や製造・営業・研究活動の連携強化による積極的な新製品の開発・販売を行い基幹事業である飼料事業、食品事業の更なる強化にも取り組んでまいります。また、海外事業の早期収益化を目指すなど戦略課題にも取り組み、中期経営計画達成最大化に向けて、邁進してまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営環境等の外部要因に関するリスク

①  家畜家禽及び養殖魚の疾病等のリスク

当社グループは、連結子会社及び関連会社に肉豚、鶏卵、養殖魚の生産会社を有しております。

各社での防疫体制には万全を期しておりますが、豚流行性下痢(PED)や口蹄疫、鳥インフルエンザのような疾病発生や赤潮等の飼育環境の悪化により、生産物の大量廃棄や販売停止を余儀なくされる可能性があり、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの主要な事業である配合飼料の製造・販売において、その販売先は畜産・水産生産者であるため、配合飼料の販売先において疾病等が発生した場合には、配合飼料の製造・販売に悪影響を及ぼす可能性があるとともに、配合飼料の販売先の経営状況悪化により、債権回収に問題が発生することや、債務保証等に対する保証債務の履行などを求められる可能性があります。

さらに、畜水産業界を取り巻く環境においては、牛海綿状脳症(BSE)発生などにより、安全性志向が高まり食の安心、安全についての法制度の見直しが進められております。このような状況下、生産コストの上昇を伴う法令などの改正も予想され、その場合には経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

②  畜水産物相場変動のリスク

当社グループは、連結子会社及び関連会社に肉豚、鶏卵、養殖魚の生産会社を有しております。

畜産物相場は基本的に需給関係を反映して変動し、生産コストと直接的に関係なく騰落します。生産物販売が市場相場に大幅な影響を受けることから、市場相場が大幅に低下した場合には、売上高及び利益に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの主要な事業である、配合飼料の製造・販売において、その販売先は畜産・水産生産者であるため、その生産物の市場相場が大幅に低下した場合には、配合飼料の販売先の経営状況悪化により、債権回収に問題が発生することや、債務保証等に対する保証債務の履行などを求められる可能性があります。

③  原料相場変動のリスク

当社グループにて製造する配合飼料の原料には、とうもろこし、マイロ(こうりゃん)、大豆粕など、輸入される品目が多く使用されております。主原料のとうもろこし購入価格は米国のシカゴ穀物相場を基準としており、主産地である米国の気象条件その他の要因により日々変動します。加えて、産地から日本までの輸送コストも、海上運賃その他の要因により変動します。更に、外国為替相場の変動により円ベースでの原料価格は変動します。

従って、これらの要因により配合飼料の原料コストが刻々と変動する一方、配合飼料製品の販売価格は3ヶ月ごとの見直しが慣例となっているため、これに対応すべく、穀物相場、海上運賃及び為替相場の先物予約等を実施し急激な変動を最小限に止める努力をしておりますが、急激かつ不測の相場変動が発生した場合には経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

④  配合飼料業界が直面する課題に伴うリスク

輸入原料価格の高騰等により飼料販売価格を改定する際、飼料価格変動による畜産経営への影響を緩和し、畜産経営の安定を図るために配合飼料価格安定制度があり、当社は配合飼料製造業者として、畜産生産者の経営安定に寄与する配合飼料価格安定制度に携わっております。この制度には、通常補てん制度と異常補てん制度があります。まず、通常補てん制度は、一般社団法人全日本配合飼料価格畜産安定基金(以下、全日基という)が事業主体となり、畜産生産者及び配合飼料製造業者が負担する積立金をもって通常補てん財源を造成し、配合飼料原料の輸入価格が引上げられた場合に、一定の要件のもとに通常補てん財源を取り崩して、畜産生産者に対して、通常補てん金を交付する制度です。積立金の負担金額は、配合飼料価格の動向及び基金の財源状況により変動します。一般的には、配合飼料製造業者の負担金額は配合飼料の生産数量に全日基(基金の理事会)が決定した負担単価(1トン当たりの価格で算定)を乗じて算出されます。次に、異常補てん制度は、公益社団法人配合飼料供給安定機構が事業主体となり、国からの補助金及び配合飼料製造業者がその所属する全日基、一般社団法人全国配合飼料供給安定基金又は一般社団法人全国畜産配合飼料価格安定基金のいずれかを通じて負担する積立金をもって異常補てん財源を造成し、配合飼料原料の輸入価格が異常に引上げられた場合に、通常補てん制度と一体的に一定の要件のもとに、異常補てん財源を取り崩して、畜産生産者に対して、異常補てん金を交付する制度です。

 

同制度において、当社が積立てるべき飼料価格安定基金負担金の動向によっては、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

⑤  貿易政策変更のリスク

当社グループの中核となる事業は飼料事業であり、TPPなどの進捗に伴い国内の農業政策が変更された場合など飼料事業を取り巻く環境の変化が、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 経営資源等の内部要因に関するリスク

①  グループ会社の有する重要事項等によるリスク

ア.当社グループを構成する各社の事業運営状況には常に注意を払っておりますが、経営環境の悪化等により業績改善の見通しが立たない際には整理統合することがあり、その場合には関係会社整理損失が発生する可能性があります。

イ.当社グループには農場運営会社が含まれており、家畜の飼養に際し生じる排泄物については、浄化施設を設置して法令等に適合する様に浄化処理しておりますが、万一不測の事故、施設故障等が発生し必要な浄化が困難となった場合は、施設整備資金の貸付などの支援を行う必要が生じる可能性があります。

ウ.当社グループには畜産物の処理加工会社が含まれており、多種多様な畜産物(食肉・鶏卵)、加工食品の仕入、処理加工並びに販売業務を行っております。これらの業務遂行に際しては、商品の品質並びに事業場の安全衛生を維持するために必要な設備を設置し従業員の教育訓練を実施しておりますが、不測の要因により、商品の内容等に問題が生じる可能性があります。

②  偶発債務の存在によるリスク

当社は、取引先の金融機関等からの債務に対し債務保証を行っておりますが、被保証先企業自身による返済が不能となった場合には、代位弁済を行う必要が生じる可能性があります。

③  飼料製造工場におけるリスク

ア.当社グループの飼料事業部門には飼料製造工場が含まれております。各工場とも必要とされる防災施設を設置しているほか、自衛消防隊を組織し防火訓練を実施するなど、工場災害の未然防止に万全を期しておりますが、不測の原因により、また、災害の規模によっては復旧までの間、製造が行えなくなる可能性があります。

イ.大規模地震により建物及び機械設備が倒壊する可能性があるほか、当社グループの飼料製造工場は沿岸部に位置しているため、津波による建物及び機械設備の水没あるいは損壊等により、復旧までの間、製造が行えなくなる可能性があります。

ウ.飼料製造工場では様々な種類の原料を使用し、多種類の飼料製品を製造しております。これら原料・製品の品質は、専任部門が中心となり「飼料安全法(飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律)」その他の法令及び社内規程に則って厳しく管理されておりますが、不測の要因により、製品の内容等に問題が生じ、製品の回収に伴う費用等の発生などにより損害を蒙る可能性があります。

④  コンピューター・システムダウンによるリスク

当社ではイントラネットを設置し、会計ほか多くの業務をコンピューターにより処理しております。その基幹施設は専任部門によって維持管理が行われております。不測の災害に備え、データの専門施設での保管を行っておりますが、災害の規模によってはシステムダウンの状態が継続し業務が停滞する可能性があります。

⑤  有価証券等の価格下落によるリスク

ア.当社グループは様々な企業の有価証券を保有しておりますが、株式市場の相場下落等により、これら有価証券の価格が低下し、評価損失が発生する可能性があります。

イ.当社グループは土地・建物等の固定資産を保有しておりますが、市場価値の下落等により評価損失を計上する可能性があります。

⑥ 海外事業に関するリスク

当社グループは、ベトナム、インド等で海外事業を営んでおりますが、海外における物流システムの不備、予期しない法律または規制の変更、テロ、暴動などの要因による社会的混乱が、当社グループの業績とそれらの国々における事業資産に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

研究開発活動は、畜産飼料や実験動物飼料の製品開発と品質管理や防疫サービスを行っている「研究所」及び水産用飼料の研究開発や飼料物性などの研究開発を行う「水産研究室」で行っています。

研究所では、試験研究、製品開発について研究施設、人員を集約して、国内・国外の最新の情報を取り入れて、より効率的でスピードアップした質の高い研究開発を充実した施設のもとで進めています。

研究所は畜産研究室、品質管理室、開発・防疫室の3室があり、畜産研究室は、福島県小野町の福島リサーチセンターといわき市のいわきリサーチセンターにおいてレイヤー、ブロイラー、豚、乳牛、肉牛の新製品及び新技術開発のための研究開発活動を行っています。

品質管理室は、茨城県神栖市の鹿島リサーチセンターにおいて、飼料及び食品の品質及び安全管理に関する活動を行っています。分析体制においては、ISO17025(試験所の能力に関する国際規格)を取得しており、より信頼度の高い分析による品質管理を行っています。

開発・防疫室は、茨城県神栖市の鹿島リサーチセンターにおいて、実験動物飼料、養蜂飼料、ペットフードの新製品、新技術の開発と獣医師による農場衛生指導、営業支援を実施しています。

水産研究室は、主に水産用飼料の研究開発を行う水産開発センター(愛媛県愛南町)と飼料の物性研究を行う加工開発センター(愛知県知多市)の2センターがあります。水産開発センターでは水産用新飼料の研究開発を陸上施設の他、深浦湾内の海面生簀をフルに活用して、研究開発を行っています。また、日本有数の養殖現場(宇和島から宿毛)に近い事から、営業部員と同行して技術指導も積極的に行っています。加工開発センターでは、主に水産用飼料の物性研究を多角的に行っています。また、同センターでは研究開発に用いる試験飼料を製造するという重要な業務も担っています。

なお、当連結会計年度の研究開発費は飼料事業を中心として7億5千1百万円であります。

 

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

飼料事業においては、次の研究開発活動に取り組んでおります。

養鶏用飼料

養鶏用飼料では、最新の栄養学に基づく新技術開発と、農場生産コスト低減のための研究成果を採卵鶏用、ブロイラー用、種鶏用の製品に応用しています。平成28年度については、成鶏期の要求率改善の為、育成期の斉一性改善、適正体重への誘導を目的とした中雛期用クランブル製品や、長期飼育に対応した成鶏用飼料体系を開発し顧客への提案、普及を実施しました。また、畜産物の差別化に向け、新規素材の評価を進めるとともに、昨今問題となっているブロイラーのむね肉変性に関しても効果のある素材や栄養成分の探索を行っています。

養豚用飼料

養豚用飼料では最新の育種情報や栄養技術を国内市場の動向に対応させた、きめ細かい製品開発に取り組んでいます。平成28年度としては、母豚の繁殖改善から離乳子豚の餌付け、さらには夏場対策にも活用できるマルチプルなエネルギーサプリメント「バイタルスウィート」、当社人工乳のフラッグシップ銘柄である「ママコロシリーズ」、飼料要求率改善に有効な肥育用「ばりばりシリーズ」を新発売しました。また育種改良が著しい繁殖母豚の能力を最大限に発揮させ、生涯生産成績向上をコンセプトとした種豚用飼料「ブリードワンシリーズ」を開発し、今春より発売しています。

養牛用飼料

酪農及び肉牛生産において、生産性向上と生産コスト低減への取組みは重要課題として挙げられます。酪農飼料においては、当社独自の飼料設計技術及びその技術に基づいた製品を開発、さらにロボット搾乳という新たな分野の研究に取り組み、酪農家の皆様への技術サポートを行っています。肉牛用飼料では、増体成績、枝肉成績の向上に寄与する技術開発を継続し、脂肪交雑改善や繁殖改善に関する技術の開発も進めています。

平成28年度製品開発としては、乳牛飼育用新製品「ルミノロジー」、ロボット搾乳専用飼料「ファイブギアドロップ」、早期出荷を目的とした肉牛肥育用製品「ビーフジェット」及び代用乳用サプリメント「ワンサポート」を新発売しました。なお、ロボット搾乳専用飼料に関してはその新規性と有効性から特許を取得しました。

 

養魚用飼料

養魚用飼料では、最新の栄養学的知見や研究成果をもとに、成長に優れ、かつ生産コストの削減が可能な飼料開発に取り組んでいます。特に海産魚の主要魚種であるハマチ、マダイ及びカンパチの低魚粉飼料の開発に引き続き注力するとともに、平成29年度はこれら3魚種について、これまでの当社の研究成果を集積した新銘柄の発売を予定しています。すなわち、最も優れた成長・成績が見込めるハイグレード(H)タイプ、成長と価格のバランスに優れたレギュラー(R)タイプ及び経済性に優れたエコノミー(E)タイプです。それぞれの価格帯及び魚粉含量で最高のパフォーマンスが得られる飼料を製品化しました。

各飼料の名称は、ハマチ用はHタイプが「EP響(ひびき)」、Rタイプが「EP煌(きらめき)」及びEタイプが「EP曙(あけぼの)」、マダイ用はHタイプが「DPフォルテ」、Rタイプは「DPフィット」及びEタイプは平成28年4月に発売した「DPフォース」、カンパチ用はRタイプ「EPアンバー」及びEタイプ「アンバーTG」です。

また、クロマグロ用飼料としては、育成用EP「EDEN(エデン)」に引き続き、種苗生産用飼料として「クロマグロ用GF(仮称)」の販売を平成29年8月に計画しています。さらに、好評を頂いている海産稚魚用「アンブローズ」シリーズは平成29年度末までにリニューアルを予定しています。

さらに海外市場をターゲットとして、エビの種苗生産用飼料開発に精力的に取り組んでおり、平成29年度は一部生産者へのサンプル出荷を計画しています。

その他、株式会社極洋と共同で事業化を進めているクロマグロ生産では、クロマグロ稚魚の沖出し尾数は年々増加し、安定して確保できるようになりました。現在は、沖出し後の歩留り向上に取り組んでいるところです。また、平成26年に人工孵化親魚から得られた稚魚の沖出しに成功した所謂「完全養殖マグロ」は、平成29年から平成30年にかけて出荷される見込みです。

海外魚種向け製品については、市場規模の大きいエビ用飼料を中心に製品化を進めており平成29年度内に製品化を予定しています。今後は、海外展示会等を活用し積極的に販売先の確保に努めてまいります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態に関する分析

①  資産の状況

当連結会計年度の資産合計は、前連結会計年度に比べて27億8千3百万円減少し、799億4百万円(前期末比3.4%減)となりました。これは、主に販売数量は増加したものの、配合飼料価格の値下げにより受取手形及び売掛金が22億5千2百万円減少したこと等によるものです。

 

②  負債の状況

当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度に比べて64億5千3百万円減少し、489億3千5百万円(前期末比11.7%減)となりました。これは、主に借入金の返済を進めたこと等により短期借入金が53億9千万円減少したこと等によるものです。

 

③  純資産の状況

当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度に比べて36億6千9百万円増加し、309億6千8百万円(前期末比13.4%増)となりました。これは、主に利益剰余金が31億4千9百万円増加したこと等によるものです。

 

(2) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

 

(3) 経営成績に関する分析

当社グループは、畜産飼料事業、水産飼料事業、食品事業、海外事業を4本柱とする収益の最大化を目指していく中で、当初、連結経常利益48億円を最終年度とする3ヶ年(平成27年度~平成29年度)の「中期経営計画」を策定し原料調達・生産体制の合理化、畜産・水産生産者へ供給する製品の品質・サービスの向上、コスト低減などの取り組みを継続してすすめてまいりました。

その結果、当社グループの当連結会計年度の業績につきましては、売上高は2,079億2千万円(前年同期比9.2%減)、営業利益は48億3千1百万円(前年同期比38.3%増)、経常利益は51億3千1百万円(前年同期比37.4%増)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は39億3千7百万円(前年同期比70.6%増)となり、1年前倒しで期初計画を達成いたしました。

本年におきましては、水産飼料専用工場である北九州工場が竣工し、稼働を開始しております。今後、生産設備の拡充や製造・営業・研究活動の連携強化による積極的な新製品の開発・販売を行い基幹事業である飼料事業、食品事業の更なる強化を図り、平成29年度は連結経常利益52億円を計画として取り組んでまいります。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える要因は次のとおりです。

当社グループにて製造・販売する配合飼料の主原料(とうもろこし等)の多くは海外からの調達に頼っているため、米国等の産地での作付面積・天候変動による収穫量の増減、先物相場における投機筋の動向、海上運賃の変動等は、原料コストに大幅な変動を与える可能性があります。

また、為替相場の急激な変動が調達コストに反映され、経営成績に重要な影響を及ぼします。このため為替予約を行い、影響を最小限に止める努力をしておりますが、計画された原料コストによる調達ができない可能性があります。

当社グループは、連結子会社及び関連会社に畜産物、養殖魚の生産会社を有しております。生産物相場が大幅に変動した場合や、疾病等の発生により生産物の出荷停止や大量廃棄を余儀なくされる場合には、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

加えて、当社グループの主要な製品である配合飼料の販売先は畜産・水産生産者であり、生産物相場の極端な低迷に伴う経営悪化により、債権回収面に問題が発生する可能性もあります。

当社は配合飼料製造業者として、配合飼料価格安定制度に携わっております。同制度において配合飼料製造業者として負担する積立金の増減は、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

畜水産業界を取り巻く環境は、食の安心・安全についての法制度の見直しが進められておりますが、このような状況下、生産コストの上昇を伴う法令等の改正があった場合には、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

また、TPP等の進捗に伴い農業政策が変更された場合等により、当社グループの中核となる飼料事業を取り巻く環境が変化した場合には、経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当社グループはこれらの状況を踏まえ、各部門にて現状把握と将来予測による戦略プランの立案・実行に努めるとともに、グループ戦略会議を月1回以上実施しております。また、当社グループ内で発生した問題に対し組織単位レベルで対策を検討・実施しており、グループ全体における経営活動の更なる改善・向上を目指しております。

 

(5) 経営者の問題認識と今後の方針について

当社は、畜産・水産生産者の生産性向上に資する製品の開発を積極的に行うと共に、原料調達を多様化するなど配合飼料コスト低減への取り組みを継続して実施し、長年、畜水産飼料業界の発展に寄与してまいりました。

しかしながら、国内人口の減少及び少子高齢化の懸念に加え、貿易政策による国内畜産業界への影響の不透明性、急激な為替変動、輸入原料高騰等、当社グループを取り巻く事業環境が大きく変化しており、今後、国内市場において更なる競争激化が予想されております。

このような状況下、将来的に国内の畜産・水産生産者が安定的な食糧供給を持続するためには、当社グループとして経営基盤を一層強化することが必要だと考えております。

具体的には、研究開発体制の強化、原料調達・生産体制等の合理化・効率化を図り、畜産・水産生産者に対して供給する製品の品質・サービスなどの更なる強化を行うことで、畜産・水産生産者の最強のパートナーとして、業界全体の持続的成長に貢献する配合飼料業界のリーディングカンパニーを目指していきたいと考えております。海外事業においても、既に進出しているベトナム事業やインド事業の現地事業基盤の強化を始め、アジアを中心とした海外での生産販売活動の展開・充実を図り、当社グループの収益への貢献を目指します。

 

(6) 事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策

当社は、グループ全体のリスク管理を経営企画室が統括し、ERM(全社的リスク管理)の運用により、各事業部門のリスク管理体制の整備状況やリスク管理の実施状況をモニタリングし、必要に応じて適切な指導を行うことで、グループ全体で発生する様々なリスクについて網羅的、体系的な管理を行う体制を構築しております 。

 

(7) 当社重点目標とその実施並びに成果について

常に顧客目線に立ち、企業価値の向上を追及すべく、今後、次に掲げる目標に取り組んでまいります。

①  新規商品の開発力の強化と国内畜産・水産生産者へのサービスの拡充

当社は長年に亘り蓄積してきた畜水産飼料の研究開発データを最大限活用することにより、製品開発力の強化と共に製品開発スピードをあげ、顧客のニーズを捉えた製品をいち早く供給することができる体制を目指します。

また、効率的な営業体制を構築し、顧客ニーズに沿った製品の供給だけでなく、国内畜産・水産生産者への更なるサービスの拡充を推進してまいります。

②  生産体制の効率化の実現並びに今後の市場ニーズに合わせた設備投資計画の見直し

当社は販売規模の拡大を通じて生産設備を最大限に活用することにより、生産体制の合理化・効率化を実現し、生産コストの更なる低減を目指します。

また、今後の設備投資計画についても、既存の設備投資計画を見直し、市場ニーズに沿った生産設備体制へと再構築することにより、供給する製品の品質・サービスの向上を目指します。

③  調達量の増大による競争力の強化

当社は原料調達のスケールメリットを活かし、調達先とのパートナーシップを強化することで、質の高い競争力のある原料の安定確保を目指します。

④  畜水産物の加工流通システムの強化

配合飼料メーカーという特長を活かした畜水産物の加工流通システムを強化することで、「川上から川下」に至る事業領域を垂直的に拡充し、安心・安全な食品を持続的に提供することで、消費者に信頼される食品企業を目指します。

 

⑤  グローバル展開の推進による収益力の強化

今後は、国内で蓄積した知見を効果的に海外事業活動に活用し、利益を創出するグローバル事業体制を構築します。既に進出しているベトナム、インドに続き、今後更なる市場拡大が見込まれるアジアを中心とした事業展開を推進してまいります。