文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「Feedをはじめの一歩として、畜・水産業界の持続的発展に貢献し、食の未来を創造します」の経営理念に基づいて事業活動を行います。当社グループは思いやりを大切にし、フェアであることを大切にします。つまりそれは、コンプライアンスを遵守し、社会からの信頼に真摯に向き合うことと考えます。畜・水産業界が将来にわたって発展し続けるために、私たちは常にお客様の目線でニーズと課題を捉え、チャレンジし続けます。
当社グループは、第2次中期経営計画(平成30年度~平成32年度)を策定し、第3次中期経営計画における成長加速のための準備期間と位置付け、更なる経営基盤強化のための「事業ポートフォリオの最適化」を基本方針とし、持続的な成長と企業価値向上のため、以下の重点施策に取り組んでまいります。
①飼料事業における生産設備の基盤強化
②食品事業のブランド力強化
③海外事業の収益基盤確立
第2次中期経営計画における計画値は次のとおりであります。
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平成31年3月期 |
平成32年3月期 |
平成33年3月期 |
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売上高(百万円) |
215,300 |
219,700 |
228,500 |
|
経常利益(百万円) |
5,100 |
5,300 |
5,500 |
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ROE |
10.0% |
10.0% |
10.0% |
飼料畜水産業界においては、TPPやFTA等の貿易施策、国内における人口の減少及び少子高齢化の懸念等により不透明な状況が続いております。一方で、インバウンドの活発化や海外における日本食の評価上昇もあり、安心・安全で美味しい国産の畜水産物に関する需要も高まっており、高品質の配合飼料を安定的に供給する体制も求められております。
そのような環境で当社グループは、平成30年度から平成32年度にわたる3ヶ年の中期経営計画に基づき、畜産飼料事業、水産飼料事業、食品事業、海外事業を4本柱とする収益の最大化に向けた基盤の更なる強化を目指して取り組んでまいります。
飼料事業におきましては、平成32年4月竣工予定の畜産飼料専用工場の北九州畜産工場(仮称)の新設を決定し、隣接する水産飼料専用工場である北九州工場と原料調達等を協働することによる相乗効果で競争力の強化を進めてまいります。
食品事業におきましては、更なる成長と効率化を実現するため、食品事業のグループ内事業再編を行うとともに、飼料メーカーの特性を活かしたブランド畜産物の商品開発にも取り組んでまいります。また、海外事業の早期の収益基盤の確立のため必要な設備投資を行い販売力強化に努めてまいります。
当社グループの経営成績及び財政状態等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営環境等の外部要因に関するリスク
① 家畜家禽及び養殖魚の疾病等のリスク
当社グループは、連結子会社及び関連会社に肉豚、鶏卵、養殖魚の生産会社を有しております。
各社での防疫体制には万全を期しておりますが、豚流行性下痢(PED)や口蹄疫、鳥インフルエンザのような疾病発生や赤潮等の飼育環境の悪化により、生産物の大量廃棄や販売停止を余儀なくされる可能性があり、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの主要な事業である配合飼料の製造・販売において、その販売先は畜産・水産生産者であるため、配合飼料の販売先において疾病等が発生した場合には、配合飼料の製造・販売に悪影響を及ぼす可能性があるとともに、配合飼料の販売先の経営状況悪化により、債権回収に問題が発生することや、債務保証等に対する保証債務の履行などを求められる可能性があります。
さらに、畜水産業界を取り巻く環境においては、牛海綿状脳症(BSE)発生などにより、安全性志向が高まり食の安心、安全についての法制度の見直しが進められております。このような状況下、生産コストの上昇を伴う法令などの改正も予想され、その場合には経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 畜水産物相場変動のリスク
畜産物相場は基本的に需給関係を反映して変動し、生産コストと直接的に関係なく騰落します。生産物販売が市場相場に大幅な影響を受けることから、市場相場が大幅に低下した場合には、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの主要な事業である、配合飼料の製造・販売において、その販売先は畜産・水産生産者であるため、その生産物の市場相場が大幅に低下した場合には、配合飼料の販売先の経営状況悪化により、債権回収に問題が発生することや、債務保証等に対する保証債務の履行などを求められる可能性があります。
③ 原料相場変動のリスク
当社グループにて製造する配合飼料の原料には、とうもろこし、マイロ(こうりゃん)、大豆粕など、輸入される品目が多く使用されております。主原料のとうもろこし購入価格は米国のシカゴ穀物相場を基準としており、主産地である米国の気象条件その他の要因により日々変動します。加えて、産地から日本までの輸送コストも、海上運賃その他の要因により変動します。更に、外国為替相場の変動により円ベースでの原料価格は変動します。
従って、これらの要因により配合飼料の原料コストが刻々と変動する一方、配合飼料製品の販売価格は3ヶ月ごとの見直しが慣例となっているため、これに対応すべく、穀物相場、海上運賃及び為替相場の先物予約等を実施し急激な変動を最小限に止める努力をしておりますが、急激かつ不測の相場変動が発生した場合には経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
④ 配合飼料業界が直面する課題に伴うリスク
輸入原料価格の高騰等により飼料販売価格を改定する際、飼料価格変動による畜産経営への影響を緩和し、畜産経営の安定を図るために配合飼料価格安定制度があり、当社は配合飼料製造業者として、畜産生産者の経営安定に寄与する配合飼料価格安定制度に携わっております。この制度には、通常補てん制度と異常補てん制度があります。まず、通常補てん制度は、一般社団法人全日本配合飼料価格畜産安定基金(以下、全日基という)が事業主体となり、畜産生産者及び配合飼料製造業者が負担する積立金をもって通常補てん財源を造成し、配合飼料原料の輸入価格が引上げられた場合に、一定の要件のもとに通常補てん財源を取り崩して、畜産生産者に対して、通常補てん金を交付する制度です。積立金の負担金額は、配合飼料価格の動向及び基金の財源状況により変動します。一般的には、配合飼料製造業者の負担金額は配合飼料の生産数量に全日基が決定した負担単価(1トン当たりの価格で算定)を乗じて算出されます。次に、異常補てん制度は、公益社団法人配合飼料供給安定機構が事業主体となり、国からの補助金及び配合飼料製造業者がその所属する全日基、一般社団法人全国配合飼料供給安定基金又は一般社団法人全国畜産配合飼料価格安定基金のいずれかを通じて負担する積立金をもって異常補てん財源を造成し、配合飼料原料の輸入価格が異常に引上げられた場合に、通常補てん制度と一体的に一定の要件のもとに、異常補てん財源を取り崩して、畜産生産者に対して、異常補てん金を交付する制度です。
同制度において、当社が積立てるべき飼料価格安定基金負担金の動向によっては、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 貿易政策変更のリスク
当社グループの中核となる事業は飼料事業であり、TPPやFTAなどの進捗に伴い国内の農業政策が変更された場合など飼料事業を取り巻く環境の変化が、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2) 経営資源等の内部要因に関するリスク
① グループ会社の有する重要事項等によるリスク
ア.当社グループを構成する各社の事業運営状況には常に注意を払っておりますが、経営環境の悪化等により業績改善の見通しが立たない際には整理統合することがあり、その場合には関係会社整理損失が発生する可能性があります。
イ.当社グループには農場運営会社が含まれており、家畜の飼養に際し生じる排泄物については、浄化施設を設置して法令等に適合する様に浄化処理しておりますが、万一不測の事故、施設故障等が発生し必要な浄化が困難となった場合は、施設整備資金の貸付などの支援を行う必要が生じる可能性があります。
ウ.当社グループには畜産物の処理加工会社が含まれており、多種多様な畜産物(食肉・鶏卵)、加工食品の仕入、処理加工並びに販売業務を行っております。これらの業務遂行に際しては、商品の品質並びに事業場の安全衛生を維持するために必要な設備を設置し従業員の教育訓練を実施しておりますが、不測の要因により、商品の内容等に問題が生じる可能性があります。
② 偶発債務の存在によるリスク
当社は、取引先の金融機関等からの債務に対し債務保証を行っておりますが、被保証先企業自身による返済が不能となった場合には、代位弁済を行う必要が生じる可能性があります。
③ 飼料製造工場におけるリスク
ア.当社グループの飼料事業部門には飼料製造工場が含まれております。各工場とも必要とされる防災施設を設置しているほか、自衛消防隊を組織し防火訓練を実施するなど、工場災害の未然防止に万全を期しておりますが、不測の原因により、また、災害の規模によっては復旧までの間、製造が行えなくなる可能性があります。
イ.大規模地震により建物及び機械設備が倒壊する可能性があるほか、当社グループの飼料製造工場は沿岸部に位置しているため、津波による建物及び機械設備の水没あるいは損壊等により、復旧までの間、製造が行えなくなる可能性があります。
ウ.飼料製造工場では様々な種類の原料を使用し、多種類の飼料製品を製造しております。これら原料・製品の品質は、専任部門が中心となり「飼料安全法(飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律)」その他の法令及び社内規程に則って厳しく管理されておりますが、不測の要因により、製品の内容等に問題が生じ、製品の回収に伴う費用等の発生などにより損害を蒙る可能性があります。
④ コンピューター・システムダウンによるリスク
当社ではイントラネットを設置し、会計ほか多くの業務をコンピューターにより処理しております。その基幹施設は専任部門によって維持管理が行われております。不測の災害に備え、データの専門施設での保管を行っておりますが、災害の規模によってはシステムダウンの状態が継続し業務が停滞する可能性があります。
⑤ 有価証券等の価格下落によるリスク
ア.当社グループは様々な企業の有価証券を保有しておりますが、株式市場の相場下落等により、これら有価証券の価格が低下し、評価損失が発生する可能性があります。
イ.当社グループは土地・建物等の固定資産を保有しておりますが、市場価値の下落等により評価損失を計上する可能性があります。
⑥ 海外事業に関するリスク
当社グループは、ベトナム、インド等で海外事業を営んでおりますが、海外における物流システムの不備、予期しない法律または規制の変更、テロ、暴動などの要因による社会的混乱が、当社グループの業績とそれらの国々における事業資産に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(平成29年4月1日から平成30年3月31日まで)のわが国経済は、企業業績は緩やかな回復基調が継続しており、所得・雇用環境も改善傾向で推移しております。一方で、国内における労働力人口の減少の問題、世界経済においては米中の貿易問題による緊張感の高まり等もあり今後の経済動向については不透明な状況にあります。
飼料業界におきましては、主原料であるとうもろこしは8月に大きく値を下げた以降は一定の価格幅で推移しましたが、大豆粕が天候の影響により高値傾向となったこと等から原材料価格は期の後半にかけて値を上げる展開となりました。
畜産物につきましては、豚肉相場は期を通じて高値傾向で推移しました。一方、牛肉相場は期を通じて前年対比で値を下げる展開となりました。なお、鶏卵相場は比較的安定して推移しました。
こうした環境にあって、当社グループは3ヶ年の中期経営計画の達成に向けて、原料調達・生産体制の合理化、畜産・水産生産者へ供給する製品の品質・サービスの向上、コスト低減などの取り組みを進めてまいりました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の業績につきましては、売上高は2,075億6千2百万円(前年同期比0.2%減)、営業利益は37億6百万円(前年同期比23.3%減)、経常利益は41億3百万円(前年同期比20.0%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は29億7千1百万円(前年同期比24.5%減)となりました。
セグメントごとの経営成績の状況は、次のとおりであります。
(飼料事業)
飼料事業では、新製品の積極的な市場投入による販売数量の拡大及びコスト低減に継続して努め畜産飼料は増益となったものの、水産飼料において期中における原料価格の上昇等により収益環境が悪化したことに加え、平成29年4月から稼働の水産飼料専用工場である北九州工場への製造移管コスト及び期中に旧関西工場の閉鎖決定に伴う費用が発生したこと等から、売上高は1,512億4千万円(前年同期比1.2%増)となり、営業利益は50億9百万円(前年同期比15.5%減)となりました。
食品事業では、関連子会社の売却や一部商品の商流の見直し等を行い、売上高は535億5千7百万円(前年同期比3.4%減)となりました。営業利益は豚肉の畜産物相場の高値傾向継続による仕入原価上昇もあり、7億5千4百万円(前年同期比14.4%減)となりました。
特約店、畜産・水産生産者への畜水産機材等の販売により、売上高は27億6千4百万円(前年同期比6.1%減)、営業利益は3億4千5百万円(前年同期比5.4%減)となりました。
財政状態の状況は、次のとおりであります。
当連結会計期間末の財政状態を前期末と比べますと、北九州畜産工場(仮称)の建設等の積極的な設備投資により建設仮勘定等の有形固定資産が増加した一方で、長期借入金の弁済等により固定負債は減少しております。また、当連結会計期間末日が金融機関の休日であったこと等から受取手形及び売掛金並びに支払手形及び買掛金はそれぞれ増加しております。
これらにより、資産合計は872億5千7百万円(前期末比9.2%増)となり、負債合計は539億5千2百万円(前期末比10.3%増)となりました。純資産合計は株式市場が高値で推移したことの影響及び利益剰余金の増加等により333億4百万円(前期末比7.5%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べ4億1千4百万円増加し、当連結会計年度末には27億4千8百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上等により91億9千9百万円の収入(前年同期は117億7千7百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、工場設備等にかかる有形固定資産の取得の一方、保有資産及び投資有価証券の売却も同時に進めたこと等により、74億5千4百万円の支出(前年同期は8億9千1百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金は約定返済を進めたものの設備投資に伴う借入を行ったこと等により13億3千万円の支出(前年同期は103億7千3百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産・仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産及び仕入高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
飼料事業 |
132,895 |
101.7 |
|
食品事業 |
49,918 |
96.6 |
|
報告セグメント計 |
182,814 |
100.3 |
|
その他 |
2,652 |
93.7 |
|
合計 |
185,466 |
100.2 |
(注) 1 金額は製造原価及び仕入高の金額によっております。
2 セグメント間の内部振替前の数値によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
飼料事業 |
151,240 |
101.2 |
|
食品事業 |
53,557 |
96.6 |
|
報告セグメント計 |
204,797 |
99.9 |
|
その他 |
2,764 |
93.9 |
|
合計 |
207,562 |
99.8 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 相手先別の販売実績につきましては、総販売実績に対して100分の10を超える相手先がありませんので、記載を省略しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
① 重要な会計方針及び見積り
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
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平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
平成30年3月期 |
|||
|
計画 |
実績 |
計画 |
実績 |
計画 |
実績 |
|
|
売上高(百万円) |
246,000 |
228,903 |
254,000 |
207,920 |
262,000 |
207,562 |
|
経常利益(百万円) |
3,500 |
3,734 |
4,000 |
5,131 |
4,800 |
4,103 |
|
ROE |
8.0% |
8.7% |
9.0% |
13.7% |
10.0% |
9.4% |
当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える要因は、次のとおりであります。
当社グループにて製造・販売する配合飼料の主原料(とうもろこし等)の多くは海外からの調達に頼っているため、米国等の産地での作付面積・天候変動による収穫量の増減、先物相場における投機筋の動向、海上運賃の変動等は、原料コストに大幅な変動を与える可能性があります。
また、為替相場の急激な変動が調達コストに反映され、経営成績に重要な影響を及ぼします。このため為替予約を行い、影響を最小限に止める努力をしておりますが、計画された原料コストによる調達ができない可能性があります。
当社グループは、連結子会社及び関連会社に畜産物、養殖魚の生産会社を有しております。生産物相場が大幅に変動した場合や、疾病等の発生により生産物の出荷停止や大量廃棄を余儀なくされる場合には、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
加えて、当社グループの主要な製品である配合飼料の販売先は畜産・水産生産者であり、生産物相場の極端な低迷に伴う経営悪化により、債権回収面に問題が発生する可能性もあります。
当社は配合飼料製造業者として、配合飼料価格安定制度に携わっております。同制度において配合飼料製造業者として負担する積立金の増減は、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
畜水産業界を取り巻く環境は、食の安心・安全についての法制度の見直しが進められておりますが、このような状況下、生産コストの上昇を伴う法令等の改正があった場合には、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、TPPやFTA等の進捗に伴い農業政策が変更された場合等により、当社グループの中核となる飼料事業を取り巻く環境が変化した場合には、経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループはこれらの状況を踏まえ、各部門にて現状把握と将来予測による戦略プランの立案・実行に努めるとともに、グループ戦略会議を月1回以上実施しております。また、当社グループ内で発生した問題に対し組織単位レベルで対策を検討・実施しており、グループ全体における経営活動の更なる改善・向上を目指しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループの主な資金需要は、飼料事業における配合飼料の製造・販売、食品事業における豚などの飼育・仕入・販売及び食肉・加工品の仕入・販売、鶏卵の仕入・生産・加工・販売、水産物の仕入・販売等のための営業費用並びに設備の新設・更新・合理化工事等の投資であります。これらの資金需要につきましては、自己資金及び金融機関からの借入による資金調達を基本としております。
当連結会計年度におきましては、当社は、株式会社横浜銀行をアレンジャー兼エージェント、農林中央金庫、株式会社みずほ銀行をコ・アレンジャーとする銀行団との間で、総額65億円のタームローン契約を平成30年3月に締結いたしました(借入実行は平成31年11月29日以降)。本契約締結により、借入条件と窓口を一本化し、資金調達の機動性及び安定性を確保することを目的としております。
なお、本件は北九州畜産工場(仮称)の建物建築、機械設備等の購入・製作に係る必要資金の一部として充当いたします。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
(飼料事業)
飼料事業は、新製品の積極的な市場投入による販売数量の拡大及びコスト低減に継続して努め畜産飼料は増益となったものの、水産飼料は期中における原料価格の上昇等により収益環境が悪化したことに加え、平成29年4月より稼働した水産飼料専用工場である北九州工場への製造移管コスト及び旧関西工場の閉鎖に伴う一過性の費用が発生したこと等から減益となりました。
そのような環境の中で当社グループは、平成29年11月20日に開示しました「固定資産の取得(新工場建設)に関するお知らせ」のとおり、福岡県北九州市に畜産飼料専用工場の建設を決定し、隣接する水産飼料専用工場である北九州工場と原料調達等を協働することによる相乗効果で競争力の強化を進めてまいります。また、他の工場においても生産設備への積極的な投資により生産設備の基盤強化を図ってまいります。
(食品事業)
食品事業は、関連子会社の売却や一部商品の商流見直し等により売上高は減少しました。営業利益は豚肉の畜産物相場の高値傾向継続による仕入原価上昇により減少しております。
そのような環境の中で当社グループは、収益の4本柱の一つである食品事業の更なる成長と効率化による収益拡大を実現するため、平成30年2月23日に開示しております「グループ内再編(連結子会社の商号変更、連結子会社間での吸収合併及び連結子会社への事業一部譲渡)に関するお知らせ」のとおり、食品事業を再編しブランド力の強化を図ってまいります。
(その他)
その他は、畜水産機材等の販売減少により売上高、営業利益ともに減少しております。
③ 事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するための対応策
当社は、グループ全体のリスク管理を経営企画室が統括し、ERM(全社的リスク管理)の運用により、各事業部門のリスク管理体制の整備状況やリスク管理の実施状況をモニタリングし、必要に応じて適切な指導を行うことで、グループ全体で発生する様々なリスクについて網羅的、体系的な管理を行う体制を構築しております。
④ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社は、畜産・水産生産者の生産性向上に資する製品の開発を積極的に行うと共に、原料調達を多様化するなど配合飼料コスト低減への取り組みを継続して実施し、長年、畜水産飼料業界の発展に寄与してまいりました。
しかしながら、国内人口の減少及び少子高齢化の懸念に加え、貿易政策による国内畜産業界への影響の不透明性、急激な為替変動、輸入原料高騰等、当社グループを取り巻く事業環境が大きく変化しており、今後、国内市場において更なる競争激化が予想されております。
このような状況下、将来的に国内の畜産・水産生産者が安定的な食糧供給を持続するためには、当社グループとして経営基盤を一層強化することが必要だと考えております。
具体的には、研究開発体制の強化、原料調達・生産体制等の合理化・効率化を図り、畜産・水産生産者に対して供給する製品の品質・サービスなどの更なる強化を行うことで、畜産・水産生産者の最強のパートナーとして、業界全体の持続的成長に貢献する配合飼料業界のリーディングカンパニーを目指していきたいと考えております。海外事業においても、既に進出しているベトナム事業やインド事業の現地事業基盤の強化を始め、アジアを中心とした海外での生産販売活動の展開・充実を図り、当社グループの収益への貢献を目指します。
⑤ 当社重点目標とその実施について
「お客様の最強のパートナーとして業界全体の持続的成長に貢献するリーディングカンパニー」を実現すべく、今後、次に掲げる目標に取り組んでまいります。
(飼料事業)
a.北九州畜産工場(仮称)を新設し、販売需要に応える生産能力の確保並びに最新設備導入による品質の向上を図り、シェアの拡大を目指します。
b.加熱加工製品ニーズの高まりに対応するため、製造設備の強化を図ります。
c.原料相場変動のリスク低減のため、産地多様化と新規原料の起用を進めます。
(食品事業)
フィード・ワンフーズ株式会社の設立(平成30年7月1日を予定)により、当社グループにおける食肉事業の仕入・製造・販売を一元管理することでコスト削減及び生産性効率改善などの統合シナジーを発現させるとともに、飼料会社だからこそできるブランド商品の開発を目指します。
(海外事業)
ベトナム・インドに展開している飼料の製造・販売事業において、顧客ニーズに合わせた新製品発売及び販売体制の強化を行うことで販売数量の増加を目指します。また、積極的な設備投資により、人件費等のコスト低減を図ります。
(クロマグロ事業)
平成29年11月より出荷を開始している「本鮪の極つなぐ」において、クロマグロ用配合飼料を給与することにより、赤身の色にこだわったおいしいクロマグロの生産拡大を図ります。
資源負荷のかからない完全養殖は、資源保護という重要な社会貢献を担っております。当社グループでは、今後も継続したクロマグロ事業の取り組みを進めてまいります。
当社は、平成29年11月20日開催の取締役会において、固定資産の取得(新工場建設)を決議し、平成29年12月27日にOMC株式会社と工事請負契約を締結いたしました。
詳細は「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
(2) 固定資産の譲渡
当社は、平成30年2月26日の取締役会の決議にて、固定資産の譲渡を決定し、平成30年3月23日に売買契約を締結いたしました。
詳細は「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
(3) 重要な資金の借入
当社は、株式会社横浜銀行をアレンジャー兼エージェント、農林中央金庫、株式会社みずほ銀行をコ・アレンジャーとする銀行団との間で、総額65億円のタームローン契約を平成30年3月に締結いたしました。
詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
(4) 連結子会社間の合併及び商号変更、並びに連結子会社への事業譲渡
当社は、平成30年2月23日開催の取締役会において、当社の完全子会社である株式会社横浜ミートセンターを存続会社として、同じく当社の完全子会社である三河畜産工業株式会社を吸収合併し、当該存続会社の商号変更を行うこと、並びに当社が営む食肉の仕入及び販売事業を当該存続会社に譲渡することを決議し、平成30年4月27日付で合併契約及び事業譲渡契約を締結いたしました。
詳細は「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
研究開発活動は、畜産用飼料や実験動物飼料の製品開発と品質管理や防疫サービスを行っている「研究所」及び水産用飼料の研究開発や飼料物性などの研究開発を行う「水産研究所」で行っています。
研究所では、試験研究、製品開発について研究施設、人員を集約して、国内・国外の最新の情報を取り入れて、より効率的でスピードアップした質の高い研究開発を充実した施設のもとで進めております。
研究所は畜産研究室、品質管理室、開発・防疫室の3室があり、畜産研究室は、福島県小野町の福島リサーチセンターといわき市のいわきリサーチセンターにおいてレイヤー、ブロイラー、豚、乳牛、肉牛の新製品及び新技術開発のための研究開発活動を行っております。
品質管理室は、茨城県神栖市の鹿島リサーチセンターにおいて、飼料及び食品の品質及び安全管理に関する活動を行っています。分析体制においては、ISO17025(試験所の能力に関する国際規格)を取得しており、より信頼度の高い分析による品質管理を行っております。
開発・防疫室は、茨城県神栖市の鹿島リサーチセンターにおいて、実験動物飼料、養蜂飼料、ペットフードの新製品、新技術の開発と獣医師による農場衛生指導、営業支援を実施しております。なお、平成30年4月より、開発・防疫室を組織変更し、防疫業務を本社畜産飼料部に移管し、実験動物飼料、養蜂飼料及びペットフードに関わる研究は、新たに畜産研究室 小動物課として再編いたしました。
水産研究所は、主に水産用飼料の研究開発を行う水産開発課(愛媛県愛南町)と飼料の物性研究を行なう加工開発課(愛知県知多市)の2拠点があります。水産開発課では魚類、エビ用飼料の研究開発を小型の陸上水槽及び海面の生簀を活用して、研究開発を行っています。また、日本有数の養殖現場(宇和島から宿毛)に近いことから、営業部員と同行して技術指導も積極的に行っています。加工開発課では、魚類、エビに最適な形態の飼料の製造方法を多角的に研究しているほか、研究開発に用いる試験飼料を製造するという重要な業務も担っています。
なお、当連結会計年度の研究開発費は飼料事業を中心として8億4百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
飼料事業においては、次の研究開発活動に取り組んでおります。
養鶏用飼料
養鶏用飼料では、最新の栄養学に基づく新技術開発と、農場生産コスト低減のための研究成果を採卵鶏用、ブロイラー用、種鶏用の製品に応用しています。平成29年度については、誘導換羽専用飼料「さくらりふれっしゅ」シリーズをリニューアルし、より顧客ニーズに合致する製品「りふれっしゅHV」を上市いたしました。また説明資料についても最新データを活用して最近の鶏種特性に合ったものに更新しております。一方で、育種改良により産卵の持続性が改善していることを受け、換羽を行わない長期飼育を選択する生産者も増加しております。そのケースにも対応すべく、適切な栄養設計、後半の卵殻悪化を抑える技術を開発し、技術資料としてアウトプットしました。現在は、鶏糞低減飼料、卵殻改善素材の混合飼料化などの製品開発、当社独自の差別化畜産物の開発や新たな技術開発に向けた研究を進めております。
養豚用飼料
養豚用飼料では最新の育種情報や栄養技術を国内市場の動向に対応させた、きめ細かい製品開発に取り組んでおります。平成29年度といたしましては、育種改良が著しい繁殖母豚の能力を最大限に発揮させ、生涯生産成績を向上させることをコンセプトとした種豚用飼料「ブリードワンシリーズ」を発売し、同時に最新の育種情報を基にした飼養管理手法に関する技術情報もリリースいたしました。また、代用乳をリニューアルすると共に、農場へ普及拡大しつつある自動哺育装置への技術対応も行っております。さらに硫酸コリスチンの飼料添加物の指定取消しを受け、既存銘柄の基本性能アップも図りました。現在は当社独自の差別化畜産物開発に注力しているほか、最新の栄養学を応用した新技術開発にも取り組んでおります。
養牛用飼料
酪農及び肉牛生産において、生産性向上と生産コスト低減への取り組みは重要課題として挙げられます。酪農用飼料においては、当社独自の飼料設計技術及びその技術に基づいた製品の開発、さらにロボット搾乳という新たな分野の研究に取り組み、酪農家の皆様への技術サポートを行っております。肉牛用飼料では、増体成績、枝肉成績の向上に寄与する技術開発を継続し、脂肪交雑改善や繁殖改善に関する技術の開発も進めております。
平成29年度の製品開発といたしましては、肉牛用飼料として、和牛繁殖用製品「リプロマッシュ」を新発売しました。
乳牛用飼料では、乾乳用「ルミノロジー移行期」と育成用飼料「ルミノロジー育成」を新発売しました。これにより搾乳用と合わせて、「ルミノロジーシリーズ」として完成いたしました。また当社飼料栄養技術の集大成である飼料設計ソフト「こんだてくん」を更新し、今まで以上に高いレベルで酪農家の皆様の成績改善サポートに役立てております。
養魚用飼料
養魚用飼料では、最新の栄養学的知見や研究成果をもとに、成長性、肉質の向上、生産コストの削減といったテーマを掲げて飼料開発に取り組んでおります。
特に生産量の多いブリ、マダイ用飼料は、世界的に需給がひっ迫している魚粉の使用率削減を最重点課題と捉え、長期的な取り組みで研究開発を進めております。
平成29年度に発売したブリ、マダイ用低魚粉新製品(各3系列)は、発売後も養殖現場のデータ蓄積を継続し、営業との連携により養殖場の環境や経営方針に合わせた最適な使用方法の提案を随時実施しております。
平成29年度はクロマグロ稚魚用飼料「アンブロシア」を発売しました。本飼料はクロマグロ種苗生産の初期に生餌を不要とする画期的な製品で、本飼料を関係会社におけるクロマグロ種苗生産に活用した結果、生残率・沖出し尾数の大幅な向上に繋がりました。これらの実績から、平成30年度は各地の種苗生産機関での使用拡大を見込んでおります。平成30年度は、クロマグロ稚魚用飼料は更に小さな孵化仔魚から給与可能な製品の開発を進めます。
また、株式会社極洋と共同で事業化を進めているクロマグロ生産では、平成29年10月に「完全養殖クロマグロ」(人工孵化した魚を親になるまで育て、その親魚が産んだ卵から育てた魚)の出荷を開始、資源保護が課題となっている天然幼魚(ヨコワ)に頼らない養殖クロマグロ生産の道を拓きました。