第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営環境及び経営方針

 新型コロナウイルス感染症は、ワクチンの普及が進んでいるものの、変異株出現により収束までには時間を要するものと思われます。当社グループを取り巻く環境は、ロシア・ウクライナ情勢等による穀物等の供給不安と急激な円安進行から、多くの原料の価格が今年に入り歴史的高値で推移していることに加え、この影響で飼料価格安定基金負担金の大幅な増加が懸念されるなど、情勢変化が大きく、収益面において極めて厳しい1年になると考えております。また、CSF(豚熱)や鳥インフルエンザ等の疾病の発生、為替相場、燃料の高騰、物流業界の人手不足など、先行きの不透明感が非常に強い状況が続くことが想定されます。

 こうした状況下において、当社グループは、「Feedをはじめの一歩として、畜・水産業界の持続的発展に貢献し、食の未来を創造します」の経営理念に基づいて事業活動を行っており、畜・水産業界が将来にわたって発展し続けるために、私たちは常にお客様の目線でニーズと課題を捉え、チャレンジし続けます。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは、第3次中期経営計画(2021年度~2023年度)を策定し、第2次中期経営計画にて強化した事業基盤をフル活用した収益拡大の実現と、持続的な成長を可能にするための更なる基盤構築と位置づけ、「経営統合の総仕上げ」を基本方針とし、コア事業である「畜産飼料」事業の更なる収益力強化、「水産飼料」「食品事業」「海外事業」の成長加速、ESG経営の推進と基盤強化を基本戦略に掲げ、飛躍の3ヶ年とすべく取り組んでまいります。

 

① 飼料事業

a.乳牛のゲノム解析や生乳脂肪酸組成分析など、技術を駆使したトータルサポートにより、養牛用飼料の販売数量の拡大を図ります。

b.養豚用飼料において健康維持・安定した発育を目的として新素材を採用した飼料を発売し、生産者の皆様のサポートをいたします。

c.既存工場における増産体制構築のための設備の増強並びにバイオセキュリティ対策強化を図ります。

d.環境負荷を軽減する製品開発、また、積極的なIoT技術の導入により効率・生産性の改善に寄与します。

e.養魚用飼料において、マレーシアほかアジア圏への輸出拡大を図ります。

f.原料相場変動のリスク低減のため、取引先との関係強化に努め、品質を維持しつつ産地多様化を模索することにより、リスクをヘッジしながら安定供給にも努めてまいります。

 

② 食品事業

コンシューマー商品の更なる新商品開発、安全衛生に配慮した設備の増強により、増産体制構築と効率的な経営を行います。また、農場会社では、農場バイオセキュリティを強化し、引き続き防疫対策に取り組みます。当社グループによる食のバリューチェーン(配合飼料から食品まで)として役割を果たし、消費者への知名度を向上させてまいります。

 

③ 海外事業

ベトナムにおいては、製造設備増強による増産体制構築、新規販売店を起用した販売エリアの拡大、製造委託による製造拠点の拡大、酪農大手企業への拡販に取り組んでまいります。

インドにおいては、養魚用飼料販売の営業人員の拡充による販売力向上、伸長しているエリアへの販売拡大等により収益の拡大を図ります。

 

④ その他

クロマグロ事業は、資源負荷のかからない完全養殖であり、重要な社会貢献を担っております。当社グループでは今後も持続可能な社会を目指し継続して取り組みを進めてまいります。

 

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

主原料であるとうもろこしは、原油価格の上昇に伴うエタノール需要の増加等による旺盛な需要の影響を受け価格が上昇しており、また、ロシア・ウクライナ情勢等による穀物等の供給不安から、小麦等多くの原料価格が歴史的高値で推移しております。その結果、飼料価格も上昇の一途を辿っており、飼料価格安定基金負担金の大幅な増加が業績に大きな影響を及ぼします。引き続き原料の品質を維持しつつ産地多様化を模索するとともに、飼料の価格抑制及び安定供給に努めてまいります。

新型コロナウイルス感染症は変異株の出現もあり、収束までには時間を要するものと考えておりますが、各事業所においてはBCP(事業継続計画)に則り業務体制を維持しており、製品の供給に支障がないよう努めております。また、在宅勤務体制の構築や時差出勤、Web会議システムの活用等、柔軟な働き方への対応を進めております。

飼料畜水産業界においても、CSF(豚熱)や鳥インフルエンザ等の疾病の発生により不透明な状況が続いていることから、各飼料製造工場及び関係会社である各農場において、獣医師チームが主体となり強固な防疫体制の構築を図っております。防疫マニュアルを策定し、有事の際に迅速な対応が取れるよう準備を整えております。

2022年度は第3次中期経営計画の2年目であり、引き続き「経営統合の総仕上げ」を基本方針とし、第2次中期経営計画にて強化した事業基盤をフル活用した収益拡大の実現と、持続的な成長を可能にするための更なる基盤構築を実現し、企業価値の向上を目指します。当社グループの強みである原料調達、配合飼料の製造・販売、畜水産物の販売までの一貫したサポート体制を更に強化することで競合他社との優位性を見いだせると考えております。

以上、様々な課題に対して「現場主義・顧客目線・製販一体+研究所」という行動指針の下、業務に邁進してまいります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、経常利益であります。

 第3次中期経営計画における計画値及び実績値は次のとおりであります。

 

 

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

(計画)

(実績)

(計画)

(計画)

売上高 (百万円)

215,600

243,202

220,400

224,900

経常利益(百万円)

5,400

5,067

5,800

6,200

 

(5)新型コロナウイルス感染症の影響について

ワクチン接種は進捗しているものの、変異株出現により収束までには更なる時間が必要と考えております。

飼料事業においては、外食需要の減少から、主食用米の在庫過多により新規需要米(飼料用米)としての転用が多く発生している一方、国内発生原料の調達は逼迫しております。このような状況下においても社内外のネットワークを活かした情報共有やフレキシブルな代替原料への置き換え、取引先との強固な関係により引き続き安定した飼料の供給体制を構築してまいります。

食品事業における畜水産物の需要については、外出の自粛により、外食需要は減少しておりますが、一方で内食需要は増加しております。そのため、畜産物相場は、牛肉相場については外食需要が高いことから前年度は低下したものの、徐々に回復基調にあり、豚肉相場は内食需要に支えられ、前年度と同様に堅調に推移しました。鶏卵相場は2020年11月以降、全国各地で発生した鳥インフルエンザの影響により供給量が減少し、大幅な値上げで推移したこともあり、2021年度は前年同期比で上昇しました。

海外事業においては、ベトナム・インドで飼料の製造・販売を展開しており、都市封鎖等により企業活動が制限されることもありましたが、現地従業員への感染防止策を実施しながら事業継続しております。

こうした環境にあって、新型コロナウイルス感染症が当社グループの業績に与える影響は、軽微と考えておりますが、今後の動向により経営方針・経営戦略等の見直しが必要であると判断した場合は、速やかに開示いたします。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合の当社グループ成績に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

 また、当社はグループ全体のリスク管理を経営企画室が統括し、ERM(全社的リスク管理)の運用により、各事業部門のリスク管理体制の整備状況やリスク管理の実施状況をモニタリングし、必要に応じて適切な指導を行うことで、グループ全体で発生する様々なリスクについて網羅的、体系的な管理を行う体制を構築しております。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営環境等の外部要因に関するリスク

① 原料価格の変動に伴うリスク

 当社グループにて製造する配合飼料の原料には、とうもろこし、マイロ(こうりゃん)、大豆粕など、輸入原料が多く使用されております。この原料価格は、穀物相場、為替、海上運賃、原料産地の地政学的リスク等により大きく変動します。この要因が予測の範囲をはるかに超えて急激に変動した場合、原料コストの変動を飼料価格に転嫁することができず、利益率が悪化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、畜産飼料においては、原料価格の高騰による飼料価格改定が実施された場合、その変動による畜産経営への急激な影響を緩和するため、配合飼料価格安定制度が設けられております。この制度は、生産者と配合飼料メーカーの積立による「通常補てん」と通常補てんでは賄いきれない異常な価格高騰時に通常補てんを補完する「異常補てん」(国と配合飼料メーカーが積立)の二段階の仕組みにより、生産者に対して補てんを実施するものです。配合飼料メーカー負担の積立金は、販売費及び一般管理費として計上され、その増減が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 家畜家禽及び養殖魚の疾病等のリスク

 当社グループは、連結子会社及び関連会社に畜産物、養殖魚の生産会社を有しております。

 CSF(豚熱)や鳥インフルエンザ等の疾病発生や赤潮等の飼育環境の悪化により、生産物の大量廃棄や販売停止を余儀なくされる可能性があります。また、当社グループの主要な事業である配合飼料の製造・販売において、その販売先は畜産・水産生産者であるため、配合飼料の販売先において疾病等が発生した場合には、配合飼料の製造・販売に悪影響を及ぼす可能性があるとともに、配合飼料の販売先の経営状況悪化により、債権回収に問題が発生することや、債務保証等に対する保証債務の履行などを求められる可能性があります。

 そのため、当社グループの各飼料製造工場、連結子会社である農場が感染源又は感染拡大の拠点とならぬよう、獣医師チームを主体に防疫体制の強化を図っております。

 

③ 従業員の疾病等によるリスク

 新型コロナウイルス感染症のような感染型の疾病が拡大し従業員が感染した場合、通常の業務遂行に支障をきたし、当社グループが供給する製品及び食品の供給に支障が出る可能性があります。特に飼料工場においては、当面の間、飼料の製造が行えなくなる可能性があります。

 そのため、拡散防止と感染予防への対応策として、会社の取組方針の策定、従業員の行動指針の策定、在宅勤務・時差出勤の推進等を行うとともに、既に作成しているBCP(事業継続計画)の見直し、また、そのような事態に対応可能な体制の確立により最小限の影響に留められるよう努めてまいります。

 なお、新型コロナウイルス感染症が当社グループの業績に与える影響については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)新型コロナウイルス感染症の影響について」に記載のとおりであります。

 

④ 気候変動によるリスク

 当社グループは、気候変動やそれに起因する自然災害等による原材料価格の高騰や製造工場の被災、気候変動の緩和を目的とした炭素税の賦課など様々な影響を受ける可能性があります。

 そのため当社グループでは、気候関連リスク・機会への対応を推進するとともにTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同を表明し、同タスクフォースが推奨する開示項目に則り2022年6月20日「TCFDレポート」を開示しております。気候関連シナリオ分析を進め、リスク及び機会となる要因について科学的根拠をもとに当社グループの財務に及ぼす影響を分析・評価し、将来の不確実性に応じた対応策を策定・実行することでリスクの低減を図ってまいります。また、気候変動への対策を講じることは、当社グループの製品やサービスの開発、企業価値の向上に繋がる機会となることから、脱炭素社会の実現に向け、気候関連リスクへの対応に積極的に取り組んでまいります。

 

 

(2)経営資源等の内部要因に関するリスク

  飼料製造工場におけるリスク

a.当社グループの飼料事業部門には飼料製造工場が含まれております。各工場とも必要とされる防災施設を設置しているほか、自衛消防隊を組織し防火訓練を実施するなど、工場災害の未然防止に万全を期しておりますが、不測の原因により、また、災害の規模によっては復旧までの間、製造が行えなくなる可能性があります。

b.大規模地震により建物及び機械設備が倒壊する可能性があるほか、当社グループの飼料製造工場は沿岸部に位置しているため、津波による建物及び機械設備の水没あるいは損壊等により、復旧までの間、製造が行えなくなる可能性があります。

c.新型コロナウイルス感染症等の従業員感染により、長期にわたり出社困難となることで製造業務に支障を及ぼす可能性があります。

そのため、各工場においては、BCP(事業継続計画)の策定、ジョブローテーションの推進、社員安否確認の仕組み構築、自衛消防隊を組織し防災訓練を実施するなどの対策を講じております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)のわが国経済は、前連結会計年度に引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受け、企業・個人の活動が制限され、国内の経済は厳しい環境で推移しました。3月21日には全国でまん延防止等重点措置が解除され、今後の経済活動の活発化が期待されますが、依然として国内における新規感染者数や海外の変異株の動向等不透明な状況が続いております。

飼料業界におきましては、主原料であるとうもろこしは原油価格の上昇に伴うエタノール需要の増加等による旺盛な需要の影響を受け価格が上昇し、その後も穀物輸出国であるウクライナ情勢の緊迫化の影響もあり穀物価格が更なる上昇傾向となったことから前年同期を大幅に上回っております。

畜産物につきましては、豚肉相場は出荷頭数不足と底堅い内食需要により堅調な推移が続いたものの、期の後半にかけやや軟調となりましたが、前年同期を上回っております。鶏卵相場は全国各地で発生した鳥インフルエンザにより供給量が落ち込んだことにより期の前半は高値基調となり前年同期を大幅に上回りましたが、1月以降供給が安定したため値を下げており、前年同期を下回っております。牛肉相場は消費の落ち込みを受け大幅に値を下げた後、徐々に値が上がり前年同期を上回っております。

こうした環境にあって当社グループは、2021年度を初年度とする3ヶ年の第3次中期経営計画の達成に向けて、引き続き原料調達・生産体制の合理化、畜産・水産生産者へ供給する製品の品質・サービスの向上、コスト低減などの取り組みを進めております。

当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は2,432億2百万円(前年同期比13.6%増)、営業利益は42億9千3百万円(前年同期比24.3%減)、経常利益は50億6千7百万円(前年同期比16.7%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は36億5千9百万円(前年同期比17.6%減)となりました。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態及び経営成績に影響を及ぼしております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載しております。

 

 セグメントごとの経営成績の状況は、次のとおりであります。

 

(飼料事業)

 飼料事業では、畜産飼料の平均販売価格が前年同期を大幅に上回ったこと等から、売上高は2,033億9千8百万円(前年同期比25.4%増)となりました。営業利益は、とうもろこし等の原材料価格の上昇に加え、飼料価格安定基金負担金等の販売費及び一般管理費が増加したこと等から、65億3千1百万円(前年同期比13.6%減)となりました。

 

(食品事業)

 食品事業では、「収益認識に関する会計基準」等の適用に伴い、代理人として行われる取引について売上高を純額とした影響等から、売上高は373億6千6百万円(前年同期比24.1%減)となりました。また、農林水産省が公募した「令和2年度国産農林水産物等販路多様化緊急対策事業(うち創意工夫による多様な販路の確立)」等に参画し、新型コロナウイルス感染症の影響で販路を失った水産物の販売活動の多様化のための補助対象経費を計上したこと等により、5千2百万円の営業損失(前年同期は1億5千万円の営業利益)となりました。なお、本事業等の補助金収入については、営業外収益に3億2千6百万円計上しております。

 

(その他)

 特約店、畜産・水産生産者への畜水産機材の販売等の結果、売上高は24億3千7百万円(前年同期比9.1%減)となり、営業利益は2億8千6百万円(前年同期比17.3%減)となりました。

 

 

 財政状態の状況は、次のとおりであります。

(資産)

 当連結会計年度末の資産合計は、畜産飼料の平均販売価格の上昇による受取手形及び売掛金の増加、棚卸資産の増加等により1,085億4百万円(前期末比9.3%増)となりました。

(負債)

 当連結会計年度末の負債合計は、原材料価格の上昇による支払手形及び買掛金の増加、短期借入金の増加等により636億6千3百万円(前期末比12.8%増)となりました。

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産合計は、自己株式の取得及び消却、配当金の支払い等による減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により448億4千万円(前期末比4.8%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億1千4百万円増加し、当連結会計年度末には34億4千4百万円となりました。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、運転資金需要の増加や法人税等の支払による資金の減少があったものの、税金等調整前当期純利益の計上等による資金の増加が上回り、27億3千9百万円の収入(前年同期は77億3千7百万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、北九州畜産工場の開設に係る補助金による収入、貸付金の回収、投資有価証券の売却等による資金の増加があったものの、有形及び無形固定資産の取得等による資金の減少が上回り、9億5千2百万円の支出(前年同期は59億8千9百万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、運転資金需要に対応するための短期借入金の増加等による資金の増加があったものの、自己株式の取得や配当金の支払い等による資金の減少が上回り、11億7千3百万円の支出(前年同期は15億5千万円の支出)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産・仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産及び仕入高(百万円)

前年同期比(%)

飼料事業

185,050

127.9

食品事業

34,610

74.5

報告セグメント計

219,660

115.0

その他

2,211

94.7

合計

221,871

114.7

(注)1 金額は製造原価及び仕入高の金額によっております。

2 セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

 

b.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

飼料事業

203,398

125.4

食品事業

37,366

75.9

報告セグメント計

240,764

113.9

その他

2,437

90.9

合計

243,202

113.6

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 相手先別の販売実績につきましては、総販売実績に対して100分の10を超える相手先がありませんので、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループは、畜産飼料、水産飼料、食品事業、海外事業を4本柱とする収益の最大化を目指していく中で、連結経常利益62億円を最終年度とする3ヶ年(2021年度~2023年度)の「第3次中期経営計画」を策定し原料調達・生産体制の強化、畜産・水産生産者の皆様に供給する製品の品質・サービスの向上、コスト低減などの取り組みを継続して進めております。

 当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高2,432億2百万円(前年同期比13.6%増)、営業利益42億9千3百万円(前年同期比24.3%減)、経常利益50億6千7百万円(前年同期比16.7%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は36億5千9百万円(前年同期比17.6%減)となりました。

 

 当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因は、次のとおりであります。

 当社グループにて製造・販売する配合飼料の主原料(とうもろこし等)の多くは海外からの調達に頼っているため、米国等の産地での作付面積・天候変動による収穫量の増減、先物相場における投機筋の動向、中国での使用量増加に伴う輸入量の増加、原料産地における地政学的リスク、海上運賃の変動等は、原料コストに大幅な変動を与える可能性があります。

 また、為替相場の急激な変動が調達コストに反映され、経営成績に重要な影響を及ぼします。このため為替予約を行い、影響を最小限に止める努力をしておりますが、計画された原料コストによる調達ができない可能性があります。

 当社グループは、連結子会社及び関連会社に畜産物、養殖魚の生産会社を有しております。畜水産物相場が大幅に変動した場合や、疾病等の発生により生産物の出荷停止や大量廃棄を余儀なくされる場合には、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 加えて、当社グループの主要な製品である配合飼料の販売先は畜産・水産生産者であり、飼料価格の急激な上昇や畜水産物相場の極端な低迷に伴う経営悪化により、債権回収面に問題が発生する可能性もあります。

 当社は配合飼料製造業者として、配合飼料価格安定制度に携わっております。同制度において配合飼料製造業者として負担する積立金の大幅な増減は、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 畜水産業界を取り巻く環境は、食の安心安全についての法制度の見直しが進められておりますが、このような状況下、生産コストの上昇を伴う法令等の改正があった場合には、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 また、TPPやFTA等の進捗に伴い農業政策が変更された場合等により、当社グループの中核となる飼料事業を取り巻く環境が変化した場合には、経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループはこれらの状況を踏まえ、各部門にて現状把握と将来予測による戦略プランの立案・実行に努めるとともに、グループ戦略会議を原則として月1回以上実施しております。また、当社グループ内で発生した問題に対し組織単位レベルで対策を検討・実施しており、グループ全体における経営活動の更なる改善・向上を目指しております。

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

 なお、新型コロナウイルス感染症がセグメントに与える影響は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)新型コロナウイルス感染症の影響について」に記載のとおり、現時点で軽微であると判断しております。

(飼料事業)

 飼料事業においては、畜産飼料の平均販売価格が前年を大きく上回ったこと、乳牛のゲノム解析、生乳脂肪酸組成分析などのサービス拡充による販売数量の増加等から増収となりました。一方、損益面においては飼料価格安定基金負担金の増加等により販売費及び一般管理費が大幅に増加したことから減益となりました。水産飼料は主力となるタイ・ハマチの育成魚減少等による飼料給与量減少のため販売数量が減少したこと及び原料価格の上昇により減収・減益となりました。

 そのような環境の中で当社グループは、工場への生産設備増強等を実施し顧客ニーズを捉えた製品の供給により他社との差別化を図ってまいります。

 

(食品事業)

 食品事業では、「収益認識に関する会計基準」等の適用に伴い、代理人として行われる取引について売上高を純額とした影響等から大幅な減収となりました。食肉においては豚肉相場が堅調に推移したことで仕入原価の上昇、鶏卵は、2021年3月期に発生した鳥インフルエンザの影響により供給面においてタイトな状況が続いたため鶏卵相場が高騰したこと、水産物において農林水産省が公募した「令和2年度国産農林水産物等販路多様化緊急対策事業(うち創意工夫による多様な販路の確立)」等に参画し、新型コロナウイルス感染症の影響で販路を失った水産物の販売活動の多様化のための補助対象経費を計上したこと等により、減益となりました。なお、本事業等の補助金収入につきましては、営業外収益に計上しており、これを含めると前年を上回る利益となります。

 そのような環境の中で当社グループは、収益の4本柱の一つである食品事業の更なる成長と効率化による収益拡大を実現するため、引き続き設備投資の実施による増産体制構築、防疫管理及び安全衛生管理の徹底と生産の効率化に取り組んでまいります。

 

(その他)

 その他は、畜水産機材の販売等の減少により、減収・減益となりました。

 

 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成状況は、次のとおりであります。

 当社グループは、経常利益を重要な指標として位置づけております。2021年度の経常利益は50億6千7百万円となり、第3次中期経営計画における2021年度の計画値54億円を下回る結果となりました。これは、畜産飼料における販売費及び一般管理費が計画値を大きく上回ったこと等が主因となります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

 当社グループの主な資金需要は、飼料事業における配合飼料の製造・販売、食品事業における豚などの飼育・仕入・販売及び食肉・加工品の仕入・販売、鶏卵の仕入・生産・加工・販売、水産物の仕入・販売等のための営業費用並びに設備の新設・更新・合理化工事等の投資であります。これらの資金需要につきましては、自己資金及び金融機関からの借入による資金調達を基本としております。

 新型コロナウイルス感染症やロシア・ウクライナ情勢等の影響による追加の資金調達予定は現時点でありませんが、今後の情勢を注視しながら、金融機関との取引関係を維持・強化し、安定的かつ機動的な資金調達体制の確保を図ります。

 また、当社は、㈱横浜銀行をアレンジャー兼エージェント、農林中央金庫、㈱みずほ銀行をコ・アレンジャーとする銀行団との間で、総額65億円のタームローン契約を2018年3月に締結しております。本契約締結により、借入条件と窓口を一本化し、資金調達の機動性及び安定性を確保することを目的としております。なお、本件は北九州畜産工場の建物建築、機械設備等の購入・製作に係る必要資金の一部として充当しております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

(重要な資金の借入)

 当社は、㈱横浜銀行をアレンジャー兼エージェント、農林中央金庫、㈱みずほ銀行をコ・アレンジャーとする銀行団との間で、総額65億円のタームローン契約を2018年3月に締結しております。

 なお、2020年3月31日に本契約の覚書を締結し、2回目以降の実行日を変更しております。

 

(1)シンジケートローン契約締結の目的

 本契約締結により、借入条件と窓口を一本化し、資金調達の機動性及び安定性を確保することを目的としております。

 なお、本件は北九州畜産工場の建物建築、機械設備等の購入・製作に係る必要資金の一部として充当しております。

 

(2)シンジケートローン契約の概要

契約形態

タームローン(分割貸付契約)

契約金額

65億円

契約日

2018年3月30日

実行日

工事請負契約に基づく決済時期に合せた複数回の分割実行とします。

 

1回目 2019年11月29日   2,782百万円

2回目 2020年8月31日   2,782百万円

3回目 2020年10月30日    936百万円

利率

市場金利等を勘案して決定しております。

満期日

2030年9月末日

担保

無担保

アレンジャー兼エージェント

㈱横浜銀行

コ・アレンジャー

農林中央金庫、㈱みずほ銀行

参加金融機関

㈱横浜銀行、農林中央金庫、㈱みずほ銀行、㈱三井住友銀行、三井住友信託銀行㈱、㈱静岡銀行、㈱山口銀行、みずほ信託銀行㈱、㈱神奈川銀行 計9行

 

5【研究開発活動】

 当社の研究開発活動は、畜産飼料の製品開発と品質管理を行う「研究所」及び水産飼料の研究開発や飼料物性などの研究開発を行う「水産研究所」で行っております。両研究所では、試験研究、製品開発について研究施設、人員を集約して、国内・国外の最新の情報を取り入れて、より効率的でスピードアップした質の高い研究開発を充実した施設のもとで進めております。

 「研究所」は、畜産研究室と品質管理室の2室があります。畜産研究室は、福島リサーチセンター(福島県田村郡小野町)といわきリサーチセンター(福島県いわき市)において、レイヤー、ブロイラー、豚、乳牛、肉牛の新製品及び新技術開発のための研究開発活動を行っております。また、鹿島リサーチセンター(茨城県神栖市)に小動物課を配置し、実験動物飼料、養蜂飼料の品質管理や技術対応、営業支援を実施しております。品質管理室は、鹿島リサーチセンターにおいて、飼料並びに食品の品質と安全管理に関する業務を行っております。分析業務においては、ISO17025(試験所の能力に関する国際規格)を取得しており、より信頼度の高い分析による品質管理を行っております。

 「水産研究所」は、愛媛県南宇和郡愛南町にあり、小型の陸上水槽及び海面の生簀で魚類及びエビを飼育し、水産飼料の研究開発を行っております。

 

 なお、当連結会計年度の研究開発費は飼料事業を中心として755百万円であります。

 

 セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

 飼料事業においては、次の研究開発活動に取り組んでおります。

 

(1)養鶏用飼料

 養鶏用飼料では、最新の栄養学に基づく新技術開発と、農場生産コスト低減等の研究成果を採卵鶏用、ブロイラー用、種鶏用の製品に応用しています。2021年度は、前年に引き続き鶏糞量の低減、畜産物の差別化に関するノウハウ蓄積、窒素・りんなどの環境負荷物質の排出低減に関する試験研究、また、卵殻質や飼料要求率などの成績改善について取り組み、得られた知見は製品への応用や技術資料として活用しております。

 

(2)養豚用飼料

 養豚用飼料では最新の育種情報や栄養技術を国内市場の動向に対応させた、きめ細かい製品開発に取り組んでいます。2021年度は、混合飼料「ビジレックス」と豚人工乳「フィード・ケア」を新発売しました。「ビジレックス」は豚の発育や健康に役立つとともに、農場バイオセキュリティの向上にも寄与する製品です。「フィード・ケア」は当社の腸管健康理論に加えて「ビジレックス」を採用することで、離乳後のストレスが高い時期において、より健康な発育をサポートする人工乳です。

 また、環境負荷低減として、飼料要求率の改善や低タンパク質飼料の開発による窒素排出量の抑制研究も行っています。

 その他、IoTによる養豚産業への貢献を目的に、大学や企業との共同研究にて画像解析による体重推定システムや飼料タンク残量推測システムの開発に取り組んでおります。

 

(3)養牛用飼料

 酪農及び肉牛生産において、生産性向上と生産コスト低減は常に重要課題として取り組んでおります。乳牛用飼料においては、当社独自の飼料設計技術及びその技術に基づいた製品の開発、さらにロボット搾乳や乳牛のゲノム解析という新たな分野の研究に取り組み、酪農家の皆様への技術サポートを行っております。肉牛用飼料では、増体成績、枝肉成績の向上に寄与する研究を継続し、脂肪交雑や繁殖改善に関する技術開発を進めております。

 2021年度では、産褥期サプリメント「メガチャージ」を発売いたしました。分娩後のエネルギー不足とアシドーシスになり易いという問題を解決する製品です。

 また、温室効果ガスとして牛からのメタン発生が世界的な課題となっており、当研究所でもメタン発生を抑制する飼料の研究に取り組んでいます。

 

(4)水産飼料

 水産飼料では、最新の栄養学的知見や研究成果をもとに、成長性、肉質向上、生産コスト削減、IoT技術の活用といったテーマを掲げて製品開発に取り組んでおります。SDGsの観点からは、クロマグロの完全養殖や天然資源への依存度を下げた飼料開発を実施しております。

 特に水産飼料において、持続的な養殖生産のために海洋資源の保護及び原料の安定供給の観点から魚粉及び魚油の依存度を下げることは最重要課題であり、様々なアプローチから脱魚粉・脱魚油化を推進する研究開発を継続しております。

 2021年6月にはマス用魚粉低減新飼料として「星河」を発売、お客様から好評を受けております。また、2020年度に発売したマダイ用魚粉低減飼料「フォースONE」の知見を活かし、他銘柄に関しても積極的な魚粉低減を進めています。

 当社では、今後もより一層の低魚粉化を進めるうえでの様々な課題に取り組み、従来の高魚粉飼料に負けない性能を持った更なる魚粉低減飼料の開発に挑戦し続けます。