第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営環境及び経営方針

 新型コロナウイルス感染症の行動制限緩和により、インバウンド需要の回復もあり、国産畜産物の消費が徐々に復調の兆しを見せております。しかし、2022年から続く食品値上げラッシュや鳥インフルエンザによる畜産物相場高騰、外食産業における人手不足の影響もあり、消費は緩やかな回復に留まると想定されます。また、国際的な政情不安を背景とした原材料価格の高騰、為替の乱高下、エネルギーや物流コストの上昇、さらには鳥インフルエンザの影響も残ることから、収益面では厳しい状況が続くことが想定されます。

 こうした状況下において、当社グループは、「Feedをはじめの一歩として、畜・水産業界の持続的発展に貢献し、食の未来を創造します」という経営理念に基づいて事業活動を行っています。畜・水産業界が将来にわたって発展し続けるために、私たちは常にお客様の目線でニーズや課題を捉え、挑戦し続けます。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは、第3次中期経営計画(2021年度~2023年度)を策定し、第2次中期経営計画にて強化した事業基盤をフル活用した収益拡大の実現と、持続的な成長を可能にするための更なる基盤構築と位置づけ、「経営統合の総仕上げ」を基本方針とし、コア事業である「畜産飼料」事業の更なる収益力強化、「水産飼料」「食品事業」「海外事業」の成長加速、ESG経営の推進と基盤強化を基本戦略に掲げ、飛躍の3ヶ年とすべく取り組んでおります。

 2023年度は第3次中期経営計画の最終年度となることから、次の中期経営計画での更なる飛躍に向け、収益力を向上し持続的な成長を可能にするための施策を立案・実行し、企業価値の向上を目指します。

 

① 飼料事業

a.乳牛のゲノム解析や生乳脂肪酸組成分析など、技術を駆使したトータルサポートにより、養牛用飼料の販売数量の拡大を図ります。また、家畜由来の温室効果ガス排出量として大きな割合を占める、養牛呼気メタンガスを飼料面から低減する技術の確立を目指します。

b.養豚用飼料において健康維持・安定した発育を目的として新素材を採用した飼料を発売し、生産者の皆様のサポートをいたします。直近では背脂肪厚の改善につながる新製品の発売を予定しております。

c.既存工場における増産体制構築のための設備の増強並びにバイオセキュリティ対策強化を図ります。

d.環境負荷を軽減する製品開発、また、積極的なIoT技術の導入により効率・生産性の改善や物流の合理化に寄与します。

e.水産飼料において、水産業界の持続可能性向上に寄与すべく、低魚粉飼料・無魚粉飼料の開発・販売を積極的に進めます。また、アジアを中心とした世界各国への展開を図ります。

f.原料相場変動のリスク低減のため、取引先との関係強化に努め、品質を維持しつつ産地多様化を模索することにより、リスクをヘッジしながら安定供給にも努めてまいります。

 

② 食品事業

コンシューマー商品の充実と拡販、安全衛生に配慮した設備の増強により、増産体制構築と効率的な経営を行います。また、農場会社では、農場バイオセキュリティ強化に向けた取り組みを行います。当社グループによる食のバリューチェーン(配合飼料から食品まで)として役割を果たし、消費者への知名度を向上させてまいります。

 

③ 海外事業

ベトナムにおいては、製造設備増強による増産体制構築、新規販売店を起用した販売エリアの拡大、製造委託による製造拠点の拡大、酪農大手企業への拡販に取り組んでまいります。

インドにおいては、水産飼料販売の営業人員の拡充による販売力向上、伸長しているエリアへの販売拡大等により収益の拡大を図ります。

その他の地域においても、新規事業開発へ向けた市場調査、スキームの検討を進め、新たな収益事業の構築を模索いたします。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

畜産飼料の主原料であるとうもろこしは、原油価格の高騰に伴うエタノール向け需要の回復から価格が上昇していた中で、ロシア・ウクライナ情勢による世界的な穀物の供給不安が発生しております。また、輸入原料価格上昇による飼料価格安定基金負担金の増額並びに燃料費の高騰も業績に大きな影響を及ぼします。そのため、エネルギー価格高騰の一部については、製品価格へ反映させていただくための価格改定を2023年7月出荷分より実施いたします。

水産飼料における魚粉についても、中国をはじめとした新興国での需要の高まりや原料となる魚の漁獲規制による漁獲量減少で、歴史的な高値圏で推移したことから原材料価格が大きく上昇しております。

畜産業界においては、鳥インフルエンザ等の疾病が断続的に発生しており、供給量減少から鶏卵価格が高騰しております。疾病が発生した農場が新たな雛を導入し採卵可能な状態となるまでには時間を要します。そのため、関係会社である各農場においては、農場バイオセキュリティの強化に向けた取り組みを行います。

様々な課題に対して「現場主義・顧客目線・全社一体」という行動指針の下、業務に邁進してまいります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、経常利益であります。

 第3次中期経営計画における計画値及び実績値は次のとおりであります。

 

 

2022年3月期

2023年3月期

2024年3月期

(計画)

(実績)

(計画)

(実績)

(計画)

売上高 (百万円)

215,600

243,202

220,400

307,911

224,900

経常利益(百万円)

5,400

5,067

5,800

1,711

6,200

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社グループは、穀物や魚粉を主原料とした畜産・水産飼料の製造・販売から、畜産物・水産物の生産・販売まで「食のバリューチェーン(配合飼料から食品まで)」を担う事業を行っており、自然の恵みと社会基盤の上に成り立っていることから、サステナビリティを重視した経営を行っています。人・社会・環境との調和を図り、経営理念と行動規範に基づく活動を通じて、すべてのステークホルダーから期待と信頼を得られるよう努めるとともに、持続可能な社会の実現に貢献することをESG理念としています。また、Missionである「Feedをはじめの一歩として、畜・水産業界の持続的発展に貢献し、食の未来を創造します」を実現するための重要な経営課題として3つの「マテリアリティ(重点課題)」を設定し、事業方針や戦略策定の土台となっています。

更に当社グループでは「マテリアリティ(重点課題)」から落とし込まれた各部門の中期経営計画における事業戦略を基に「ESG/SDGs全社グループ目標」を設定し、SDGsと関連付けて取り組むことで、中長期的な目標の達成と持続可能な社会の実現を目指します。

 

マテリアリティ(重点課題)

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ESG/SDGs全社グループ目標

目標

サステナブル飼料の研究・開発

省エネルギー機器、各種センサー導入・活用や再生可能エネルギーの導入検討による生産コストの削減、

CO2排出量の削減

5Sなどの推進による廃棄原料、産業廃棄物の削減

低魚粉飼料・無魚粉飼料の開発・販売

稚魚用飼料開発のための人工孵化技術の研究・開発

陸上養殖用飼料の研究・開発

働き方改革・健康経営

人権への取り組み

 

 

(1)ガバナンス

当社グループはESG/SDGsの取り組みを推進するために「ESG委員会」を設置しています。ESG委員会では、気候関連リスク・機会や人的資本を含むESGに関連する当社グループの課題・対応策を検討・議論しています。また、中期経営計画・事業計画と連動した「ESG/SDGs全社グループ目標」を設定し、取り組み支援や助言を行い、進捗を管理しています。委員長は代表取締役社長であり、メンバーは事業部門・管理部門・社長直轄部門からそれぞれの責任者を選任し、横断的な体制を構築しています。取締役会はESG委員会から気候関連リスク・機会や人的資本を含むESG/SDGsに関する報告を定期的に受け、その取り組みなどにつき監督・助言を行います。

 

〈サステナビリティ推進体制〉

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※ ERM(全社的リスクマネジメント:Enterprise Risk Management)を運用するための組織体制

 

(2)戦略

① 気候関連課題

当社グループでは、気候変動への対応を経営上の重要課題と認識し、気候変動が及ぼす財務インパクトを把握するため、2030年におけるシナリオ分析を実施しました。今回のシナリオ分析においては、国際エネルギー機関(IEA)や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表する複数のシナリオを参照しています。

 

〈当社グループにおける気候関連シナリオ〉

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〈シナリオ分析結果と対応策一覧〉

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② 人材の育成及び社内環境整備に関する方針

当社グループは、社員を育てることを大切に考えています。会社は社員の成長とともに成長できると考えており、将来にわたって会社を活性化する人材を育て、強い組織にするために、社員教育制度や自己啓発支援を行っています。また、社員が長期的に安心して働ける職場を作ることで生産性やエンゲージメントの向上を目指して、働き方改革や健康経営の取り組みを進めています。

以下については主に提出会社の取り組みを記載しております。

 

a.社員教育制度

新入社員研修や社員が一定の役職等に達する毎に実施する階層別研修、テーマ別研修、専門研修など、教育制度を体系化して社員一人ひとりの成長をサポートしています。

<社員教育制度の基本的な仕組み>

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階層別研修は、入社2年目、若手社員を対象としたPRE-HOP、中堅社員を対象としたHOP、管理職候補者を対象としたSTEP、中堅管理職を対象としたJUMPなど、階層ごとに必要なビジネススキルを身に着けるための研修を実施しています。また、リーダー研修では、将来経営を担う変革型リーダーの育成を目的として、外部環境に目を向け、VUCA時代に対応できる人材の育成のため、後継者育成、課題形成や問題解決をテーマとした研修を行っています。

<階層別研修のイメージ>

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テーマ別研修は、業務遂行に必要な考え方やスキルを習得することを目的とし、コミュニケーションやITスキル、男性よりライフイベントによる仕事への影響がある女性社員のためのキャリアデザイン、労務管理など、多様な人材に合わせた各種研修を開催しています。

専門研修は、高度な知識と技術の習得を目的に開催しています。営業部門では、家畜や養殖魚の生態や飼料の特性の理解、海外の専門家を招いた栄養学研修、ゲノム解析勉強会などを開催して必要なスキルの習得を図っています。さらに現場でのアドバイザリー能力の向上と飼養管理技術の深化を目的に、全国の顧客農場で専門家を交えた「ファームウォークスルー」研修を行っています。

 

b.自己啓発支援

自ら成長しよう・学ぼうとする社員には通信教育の受講や受験費用補助、奨励金支給など資格取得に向けての積極的な支援を行っています。

 

c.働き方改革

時差出勤制度や在宅勤務制度、最大29ヶ月間取得を認める休職制度、法定を超える介護休業制度や介護・育児短時間勤務制度など、職場環境の改善や福利厚生の充実により、ダイバーシティを尊重する取り組みを積極的に導入しています。また、結婚や配偶者の転勤を機に退職してしまう社員が多いことが課題の一つと認識し、社員が当社でキャリアを考えて働き方を選択できるように、転居を伴う異動を一時的に免除する制度や、社員同士で結婚した場合に同一エリアで勤務できるよう異動を配慮する制度など、多様な働き方に対応する人事制度を導入しています。再雇用社員の活躍も重要な戦力と考えており、若手社員への技術の伝承や教育による業務スキルの底上げのため、これまで培ってきたノウハウを活かせるよう活躍を推進しています。

 

d.健康経営

社員を最も重要な財産と考え、社員一人ひとりの心身の健康を向上させ、活力ある企業であり続けるために、健康経営を推進しています。受動喫煙対策として就業時間中の禁煙、生活習慣病予防としてウォーキングキャンペーンの開催、自律的な健康増進活動支援として、健康コラムの配信による情報提供やeラーニングによる知識の習得など、社員のヘルスリテラシーの向上を推進しています。

 

(3)リスク管理

当社グループは、経営又は事業の目的達成(中期経営計画、事業計画等)を阻害する要因をリスクとして捉え、それらのリスクを顕在化させないための対策を実施しています。リスクマネジメント活動に関する全社的な仕組み(ERM)を運用するため経営会議内に全社RM会議を設置しており、さらに気候関連リスクにおいては、ESG委員会の中に設置されているTCFDタスクフォースが運営しています。

また、危機管理として大規模災害等に備え、BCP(事業継続計画)の策定により、その被害を最小限にとどめ継続的に業務を遂行できる体制を整えています。

 

a.全社RM会議

・全社リスク管理体制

当社グループでは「全社的リスクマネジメント(ERM)規程」を制定し、全国57拠点において同一の基準を用いてリスクを管理しています。また、各拠点の活動計画、活動状況、活動結果を経営会議に報告し、フィードバックを受け、全社におけるリスクマネジメント活動の更なる活性化並びに改善を図っています。

 

・リスクマネジメント活動

各拠点にリスクマネジメント推進チームを設定し、年間を通じてリスクの特定、分析・評価、対策実行、モニタリング・改善のPDCAを回すことで、全社におけるリスクの最小化や業務効率化等に取り組んでいます。

 

・リスクの特定と全社重点リスクの策定

各拠点で年1回実施しているセルフチェックにおいて特定されたリスクは、影響度と発生可能性から重要度を定量・定性的に評価し、リスクマップ上で分類することでリスクを把握・管理しています。各拠点で挙げられたリスクの中でも特に当社への影響が大きく、かつ全社横断的であると判断したリスクは「全社重点リスク」として位置付け、総括部門を中心に対策を講じます。

 

b.気候関連リスク

・気候関連リスクの特定・評価プロセス

ESG委員会の中に設置されているTCFDタスクフォースにてグループ内関係部門との審議を通じ、内部・外部要因を鑑みて当社グループの気候関連リスク・機会を特定します。特定した気候関連リスク・機会は、「全社的リスクマネジメント(ERM)規程」にて採用されている体制・仕組み(プロセス・指標)を活用し、当社グループへのインパクトを定量・定性的に分析・評価し、対応策を策定します。

 

・気候関連リスクを管理するプロセス

ESG委員会は、気候関連リスク・機会への対応の実施状況をモニタリングし、対応策の妥当性の確認を行うことで当該リスク・機会への対応の改善を図り、重要な事項は取締役会へ報告します。

取締役会は、ESG委員会より報告される気候関連リスク・機会への対応策を監督・助言する役割を担っています。

 

〈リスク・機会を特定・評価・管理するプロセス〉

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c.気候関連リスクを識別・評価・管理するプロセスの総合的リスク管理への統合(ESG委員会と全社RM会議との連携)

気候関連リスクに関しては、TCFDタスクフォースと全社RM会議が連携し、総合的なリスク管理をすることで、グループ全体のリスクの最小化や機会の最大化を図っています。

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(4)指標及び目標

① 気候関連課題

当社グループでは、気候変動に伴うリスクの最小化と機会の最大化を図るため、CO2排出量を重要な指標として定めています。2030年度までに当社グループにおけるScope1・2のCO2排出量を50%削減するという目標(2020年度比)を掲げ、更に2050年度のバリューチェーンにおけるカーボンニュートラルの達成に向け、Scope3の可視化に取り組みます。

 

〈中期目標〉

2030年度:Scope1・2におけるCO2排出量 2020年度比50%削減

                ※対象範囲:当社及び主要関係会社

 

〈長期目標〉

2050年度:バリューチェーンにおけるカーボンニュートラルの実現

 

② 人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績

「(2)戦略」において記載した、社員の健康維持・増進を含む人材の育成及び社内環境整備に関する方針について、次の指標を用いています。当該指標に関する目標及び実績は、次の通りです。

指標

目標

実績

2023年度末まで

2021年度

2022年度

健康診断受診率

100%

100%

99.8%

再検査受診率

100%

59.2%

49.4%

ストレスチェック受検率

100%

96.7%

99.3%

高ストレス者率

10.0%以下

12.2%

14.4%

喫煙率

18.0%以下

26.3%

22.4%

BMI25以上の社員の割合

30.0%以下

33.5%

31.8%

月間平均法定外労働時間

10.0時間以下

6.0時間

5.9時間

有給休暇平均取得日数

12.0日以上

12.3日

14.0日

夏季休暇平均取得日数(注)2

3日

2.9日

2.9日

離職率

2.0%以下

3.8%

4.1%

(注)1 指標、目標及び実績は、提出会社の状況であります。

2 年次有給休暇とは別に、6月~10月に使用できる夏季休暇を年に3日付与しています。(パートタイムは週所定労働時間に応じて比例付与)

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合の当社グループ成績に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

 また、当社はグループ全体のリスク管理を経営企画室が統括し、ERM(全社的リスク管理)の運用により、各事業部門のリスク管理体制の整備状況やリスク管理の実施状況をモニタリングし、必要に応じて適切な指導を行うことで、グループ全体で発生する様々なリスクについて網羅的、体系的な管理を行う体制を構築しております。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営環境等の外部要因に関するリスク

① 原料価格の変動に伴うリスク

 当社グループにて製造する配合飼料の原料には、とうもろこし、マイロ(こうりゃん)、大豆粕など、輸入原料が多く使用されております。この原料価格は、穀物相場、為替、海上運賃、原料産地の地政学的リスク等により大きく変動します。この要因が予測の範囲をはるかに超えて急激に変動した場合、原料コストの変動を飼料価格に転嫁することができず、利益率が悪化し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、畜産飼料においては、原料価格の高騰による畜産経営への急激な影響を緩和するため、配合飼料価格安定制度が設けられております。この制度は、生産者と配合飼料メーカーの積立による「通常補てん」と通常補てんでは賄いきれない異常な価格高騰時に通常補てんを補完する「異常補てん」(国と配合飼料メーカーが積立)の二段階の仕組みにより、生産者に対して補てんを実施するものです。配合飼料メーカー負担の積立金は、販売費及び一般管理費として計上され、その増減が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 家畜家禽及び養殖魚の疾病等のリスク

 当社グループは、連結子会社及び関連会社に畜産物、養殖魚の生産会社を有しております。

 CSF(豚熱)や鳥インフルエンザ等の疾病発生や赤潮等の飼育環境の悪化により、生産物の大量廃棄や販売停止を余儀なくされる可能性があります。また、当社グループの主要な事業である配合飼料の製造・販売において、その販売先は畜産・水産生産者であるため、配合飼料の販売先において疾病等が発生した場合には、配合飼料の製造・販売に悪影響を及ぼす可能性があるとともに、配合飼料の販売先の経営状況悪化により、債権回収に問題が発生することや、債務保証等に対する保証債務の履行などを求められる可能性があります。

 そのため、当社グループの各飼料製造工場、連結子会社である農場が感染源又は感染拡大の拠点とならぬよう、獣医師チームを主体に防疫体制の強化を図っております。

 

③ 従業員の疾病等によるリスク

 新型コロナウイルス感染症のような感染型の疾病が拡大し従業員が感染した場合、通常の業務遂行に支障をきたし、当社グループが販売する製品及び食品の供給に支障が出る可能性があります。特に飼料工場においては、当面の間、飼料の製造が行えなくなる可能性があります。

 そのため、拡散防止と感染予防への対応策として、会社の取組方針の策定、従業員の行動指針の策定、在宅勤務・時差出勤の推進等を行うとともに、既に作成しているBCP(事業継続計画)の見直し、また、そのような事態に対応可能な体制の確立により最小限の影響に留められるよう努めております。

 

④ 気候変動によるリスク

 当社グループは、気候変動やそれに起因する自然災害等による原材料価格の高騰や製造工場の被災、気候変動の緩和を目的とした炭素税の賦課など様々な影響を受ける可能性があります。

 そのため当社グループでは、気候関連リスク・機会への対応を推進するとともにTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に賛同を表明し、同タスクフォースが推奨する開示項目に則り2022年6月20日に「TCFDレポート」を開示しております。気候関連シナリオ分析を進め、リスク及び機会となる要因について科学的根拠をもとに当社グループの財務に及ぼす影響を分析・評価し、将来の不確実性に応じた対応策を策定・実行することでリスクの低減を図ってまいります。また、気候変動への対策を講じることは、当社グループの製品やサービスの開発、企業価値の向上に繋がる機会となることから、脱炭素社会の実現に向け、気候関連リスクへの対応に積極的に取り組んでまいります。

 

⑤ 情報セキュリティに関わるリスク

コンピュータネットワークや情報システムの果たす役割が高まり、情報セキュリティに関する対応は、事業活動を継続する上で不可欠となっております。標的型攻撃メールや情報システムへの不正なアクセス、高度なサイバー攻撃、コンピューターウイルスへの感染等により、情報システムに障害が発生するリスクや、社内情報が外部に漏洩するリスクがあります。こうした事態が発生した場合には、信用失墜による収益の減少、損害賠償等の発生等により事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

そのため当社グループでは、社内ネットワークへのアクセス制御システムを強化するとともに、標的型メールに対する訓練などを通じ、セキュリティ体制の強化に取り組んでおります。

 

(2)経営資源等の内部要因に関するリスク

  飼料製造工場におけるリスク

a.当社グループの飼料事業部門には飼料製造工場が含まれております。各工場とも必要とされる防災施設を設置しているほか、自衛消防隊を組織し防火訓練を実施するなど、工場災害の未然防止に万全を期しておりますが、不測の原因により、また、災害の規模によっては復旧までの間、製造が行えなくなる可能性があります。

b.大規模地震により建物及び機械設備が倒壊する可能性があるほか、当社グループの飼料製造工場は沿岸部に位置しているため、津波による建物及び機械設備の水没あるいは損壊等により、復旧までの間、製造が行えなくなる可能性があります。

c.新型コロナウイルス感染症等への従業員集団感染により、長期にわたり出社困難となることで製造業務に支障を及ぼす可能性があります。

そのため、各工場においては、BCP(事業継続計画)の策定、ジョブローテーションの推進、社員安否確認の仕組み構築、自衛消防隊を組織し防災訓練を実施するなどの対策を講じております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和され、経済活動正常化に向けた動きが進展しました。しかしながら、ロシア・ウクライナ情勢の長期化等による世界的なエネルギー・原材料価格の上昇や各国の金融政策の転換による金融資本市場の変動、それらに付随する物価の上昇、欧米の金融機関の破綻等、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

飼料業界におきましては、主原料であるとうもろこし価格は、原油価格の高騰によるエタノール向け需要の回復から価格が上昇していた中で、ロシア・ウクライナ情勢による世界的な穀物の供給不安により、年間を通じて歴史的な高値圏で推移しました。加えて、円安の進行により主原料を始めとする多くの原材料の国内価格は前年同期を大きく上回っております。

畜産物につきましては、豚肉相場は、国内出荷頭数の減少と輸入豚肉の現地相場高止まりによる割高感及び北米積出港の港湾ストライキ等の不安定さから国産豚肉需要は依然として高く、前年同期を上回って推移しております。鶏卵相場は、生産コスト高騰による餌付け羽数が減少していた中で、全国的な鳥インフルエンザの拡大が止まらず、供給量が減少したことから、前年同期を大きく上回って推移しております。牛肉相場は、物価上昇の中で消費者の生活防衛意識が一層高まり、牛肉への需要が減少したことで、前年同期を下回って推移しております。

こうした環境にあって、当社グループは3ヶ年の中期経営計画の達成に向けて、原料調達の多様化・生産体制の合理化、畜産・水産生産者へ供給する製品の品質向上及び生産成績改善につながるサービス提供等の取り組みを進めてまいりました。

当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、売上高は3,079億1千1百万円(前年同期比26.6%増)、営業利益は14億2千2百万円(前年同期比66.9%減)、経常利益は17億1千1百万円(前年同期比66.2%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は10億3千万円(前年同期比71.8%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績の状況は、次のとおりであります。

 

(飼料事業)

 飼料事業では、畜産・水産飼料の販売数量が前年同期を上回り、平均販売価格についても大幅に上昇したこと等から、売上高は2,640億7千3百万円(前年同期比29.8%増)となりました。営業利益は、とうもろこしや魚粉等の原材料価格の大幅な上昇に加え、飼料価格安定基金負担金の増額、燃料費や物流費の高騰等の影響により製造原価や販売費及び一般管理費が増加し、39億2千5百万円(前年同期比39.9%減)となりました。

 

(食品事業)

 食品事業では、豚肉相場が期初より高値圏で推移しており、鶏卵相場についても鳥インフルエンザの影響で急騰したこと等から、売上高は413億3千4百万円(前年同期比10.6%増)となりました。しかしながら、豚肉・鶏卵相場高騰の影響により食品関係子会社の仕入コストが増加したことに加え、畜産飼料価格の上昇により農場関係子会社の生産コストについても増加したこと等から、3億6千9百万円の営業損失(前年同期は5千2百万円の営業損失)となりました。

 

(その他)

 特約店、畜産・水産生産者への畜水産機材等の販売の結果、売上高は25億3百万円(前年同期比2.7%増)となり、営業利益は2億6千6百万円(前年同期比6.8%減)となりました。

 

 

 財政状態の状況は、次のとおりであります。

(資産)

 当連結会計年度末の資産合計は、現金及び預金の増加、畜産・水産飼料の平均販売価格の上昇による売上債権の増加、原材料価格の上昇による棚卸資産の増加等により1,279億1千3百万円(前期末比17.9%増)となりました。

(負債)

 当連結会計年度末の負債合計は、原材料価格の上昇による仕入債務の増加、運転資金需要に対応するための借入金の増加等により825億9千8百万円(前期末比29.7%増)となりました。

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産合計は、配当金の支払いによる利益剰余金の減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加、その他の包括利益累計額の増加等により453億1千4百万円(前期末比1.1%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ38億7千7百万円増加し、当連結会計年度末には73億2千2百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上等による資金の増加があったものの、運転資金需要の大幅な増加による資金の減少が上回り、78億1千6百万円の支出(前年同期は27億4千万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却等による資金の増加があったものの、有形及び無形固定資産の取得等による資金の減少が上回り、11億8千7百万円の支出(前年同期は9億5千2百万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等による資金の減少があったものの、運転資金需要に対応するための借入金の増加等による資金の増加が上回り、128億8千1百万円の収入(前年同期は11億7千4百万円の支出)となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産・仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産及び仕入高(百万円)

前年同期比(%)

飼料事業

245,867

132.9

食品事業

38,895

112.4

報告セグメント計

284,762

129.6

その他

2,400

108.6

合計

287,162

129.4

(注)1 金額は製造原価及び仕入高の金額によっております。

2 セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

 

b.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

飼料事業

264,073

129.8

食品事業

41,334

110.6

報告セグメント計

305,408

126.8

その他

2,503

102.7

合計

307,911

126.6

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 相手先別の販売実績につきましては、総販売実績に対して100分の10を超える相手先がありませんので、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループは、畜産飼料、水産飼料、食品事業、海外事業を4本柱とする収益の最大化を目指していく中で、連結経常利益62億円を最終年度とする3ヶ年(2021年度~2023年度)の「第3次中期経営計画」を策定し原料調達・生産体制の強化、畜産・水産生産者の皆様に供給する製品の品質・サービスの向上、コスト低減などの取り組みを継続して進めております。

 当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高3,079億1千1百万円(前年同期比26.6%増)、営業利益14億2千2百万円(前年同期比66.9%減)、経常利益17億1千1百万円(前年同期比66.2%減)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は10億3千万円(前年同期比71.8%減)となりました。

 

 当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因は、次のとおりであります。

 当社グループにて製造・販売する配合飼料の主原料(とうもろこし等)の多くは海外からの調達に頼っているため、米国等の産地での作付面積・天候変動による収穫量の増減、先物相場における投機筋の動向、中国での使用量増加に伴う輸入量の増加、原料産地における地政学的リスク、海上運賃の変動等は、原料コストに大幅な変動を与える可能性があります。

 また、為替相場の急激な変動が調達コストに反映され、経営成績に重要な影響を及ぼします。このため為替予約を行い、影響を最小限に止める努力をしておりますが、計画された原料コストによる調達ができない可能性があります。

 当社グループは、連結子会社及び関連会社に畜産物、養殖魚の生産会社を有しております。畜水産物相場が大幅に変動した場合や、疾病等の発生により生産物の出荷停止や大量廃棄を余儀なくされる場合には、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 加えて、当社グループの主要な製品である配合飼料の販売先は畜産・水産生産者であり、飼料価格の急激な上昇や畜水産物相場の極端な低迷に伴う経営悪化により、債権回収面に問題が発生する可能性もあります。

 当社は配合飼料製造業者として、配合飼料価格安定制度に携わっております。同制度において配合飼料製造業者として負担する積立金の大幅な増減は、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 畜水産業界を取り巻く環境は、食の安心安全についての法制度の見直しが進められておりますが、このような状況下、生産コストの上昇を伴う法令等の改正があった場合には、経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 また、農業政策が変更された場合等により、当社グループの中核となる飼料事業を取り巻く環境が変化した場合には、経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 当社グループはこれらの状況を踏まえ、各部門にて現状把握と将来予測による戦略プランの立案・実行に努めるとともに、グループ戦略会議を実施しております。また、当社グループ内で発生した問題に対し組織単位レベルで対策を検討・実施しており、グループ全体における経営活動の更なる改善・向上を目指しております。

 

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

 

(飼料事業)

 飼料事業では、畜産・水産飼料の販売数量は前年同期を上回り、平均販売価格も前年を大きく上回ったことから増収となりました。一方、損益面においては、原材料価格や燃料費の高騰による製造原価の増加、物流費や飼料価格安定基金負担金の増加等による販売費及び一般管理費の大幅な増加から減益となりました。

 そのような環境の中で当社グループは、工場への生産設備増強等を実施し顧客ニーズを捉えた製品の供給により他社との差別化を図ってまいります。

 

(食品事業)

 食品事業では、食肉においては豚肉相場が高値圏で推移したこと、鶏卵においても鳥インフルエンザの影響により鶏卵相場が高騰したことにより増収となりました。一方で豚肉・鶏卵相場高騰の影響により、食品関係子会社の仕入コストが増加したことに加え、畜産飼料価格の上昇により農場関係子会社の生産コストも増加したこと等から減益となりました。

 そのような環境の中で当社グループは、収益の4本柱の一つである食品事業の更なる成長と効率化による収益拡大を実現するため、引き続き付加価値商材の販売拡大を目的とした設備投資の実施による増産体制構築、防疫管理及び安全衛生管理の徹底と生産の効率化に取り組んでまいります。

 

(その他)

 その他では、畜水産機材等の販売において、資材等の高騰により増収となったものの、仕入原価の上昇が上回ったことから減益となりました。

 

 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成状況は、次のとおりであります。

 当社グループは、経常利益を重要な指標として位置づけております。2022年度の経常利益は17億1千1百万円となり、第3次中期経営計画における2022年度の計画値58億円を大きく下回る結果となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

 当社グループの主な資金需要は、飼料事業における配合飼料の製造・販売、食品事業における豚などの飼育・仕入・販売及び食肉・加工品の仕入・販売、鶏卵の仕入・生産・加工・販売、水産物の仕入・販売等のための営業費用並びに設備の新設・更新・合理化工事等の投資であります。これらの資金需要につきましては、自己資金及び金融機関からの借入による資金調達を基本としております。

 なお、当社は、2018年3月に総額65億円のタームローン契約、2022年8月に総額100億円のシンジケートローン形式のサステナビリティ・リンク・ローン契約をそれぞれ締結しております。本契約締結により、借入条件と窓口を一本化し、資金調達の機動性及び安定性を確保することを目的としております。

 また、当社は、2022年8月に総額100億円のシンジケートローン形式のコミットメントライン契約を締結しております。本契約締結により、外部要因による資金需要の増加に対し、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保して事業の安定性と財務の健全性向上を図ることを目的としております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(重要な資金の借入)

 当社は、㈱横浜銀行をアレンジャー兼エージェント、農林中央金庫、㈱みずほ銀行をコ・アレンジャーとする銀行団との間で、総額6,500百万円のタームローン契約を2018年3月に締結しております。

 なお、2020年3月31日に本契約の覚書を締結し、2回目以降の実行日を変更しております。

 

(1)シンジケートローン契約締結の目的

 本契約締結により、借入条件と窓口を一本化し、資金調達の機動性及び安定性を確保することを目的としております。

 なお、本件は北九州畜産工場の建物建築、機械設備等の購入・製作に係る必要資金の一部として充当しております。

 

(2)シンジケートローン契約の概要

契約形態

タームローン(分割貸付契約)

契約金額

6,500百万円

契約日

2018年3月30日

実行日

工事請負契約に基づく決済時期に合せた複数回の分割実行とします。

 

1回目 2019年11月29日   2,782百万円

2回目 2020年8月31日   2,782百万円

3回目 2020年10月30日    936百万円

利率

市場金利等を勘案して決定しております。

満期日

2030年9月末日

担保

無担保

アレンジャー兼エージェント

㈱横浜銀行

コ・アレンジャー

農林中央金庫、㈱みずほ銀行

参加金融機関

㈱横浜銀行、農林中央金庫、㈱みずほ銀行、㈱三井住友銀行、三井住友信託銀行㈱、㈱静岡銀行、㈱山口銀行、みずほ信託銀行㈱、㈱神奈川銀行 計9行

 

(重要な資金の借入)

 当社は、㈱横浜銀行をアレンジャー兼エージェント、農林中央金庫をコ・アレンジャーとする銀行団との間で、総額10,000百万円のシンジケートローン形式のサステナビリティ・リンク・ローン契約を2022年8月29日に締結しております。

 

(1)シンジケートローン契約締結の目的

 本契約締結により、借入条件と窓口を一本化し、資金調達の機動性及び安定性を確保することを目的としております。本契約では、CO₂排出削減率をKPI(重要業績評価指標)に選定し、ローンの年限に応じてサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(以下「SPT」といいます。)を設定しております。SPTを達成した場合はインセンティブとして金利の優遇を受けることができ、その金利優遇相当額はESG、SDGs活動に活用する予定です。

 

 

(2)シンジケートローン契約の概要

契約形態

タームローン

契約締結日

2022年8月29日

借入実行日

2022年8月31日

借入金額

10,000百万円

借入期間及び金額の内訳

3年 5,000百万円、5年 5,000百万円

資金使途

運転資金

担保

無担保・無保証

参加金融機関

㈱横浜銀行、農林中央金庫、㈱三井住友銀行、三井住友信託銀行㈱

アレンジャー兼エージェント

㈱横浜銀行

コ・アレンジャー

農林中央金庫

KPI

Scope1・2 の CO排出削減率

第三者評価機関

㈱格付投資情報センター

 

(コミットメントライン契約の締結)

 当社は、㈱横浜銀行をアレンジャー兼エージェント、農林中央金庫をコ・アレンジャーとして、総額10,000百万円のシンジケートローン形式のコミットメントライン契約を2022年8月29日に締結しております。

 

(1)コミットメントライン契約締結の目的

 本契約締結により、外部要因による資金需要の増加に対し、機動的かつ安定的な資金調達手段を確保して事業の安定性と財務の健全性向上を図ることを目的としております。

 

(2)コミットメントライン契約の概要

契約締結日

2022年8月29日

借入極度額

10,000百万円

契約期間

2022年8月29日~2024年8月31日

資金使途

運転資金

担保

無担保・無保証

参加金融機関

㈱横浜銀行、農林中央金庫

アレンジャー兼エージェント

㈱横浜銀行

コ・アレンジャー

農林中央金庫

 

6【研究開発活動】

 当社の研究開発活動は、畜産飼料の製品開発と品質管理を行う「研究所」及び水産飼料の研究開発や飼料物性などの研究開発を行う「水産研究所」で行っております。両研究所では、試験研究、製品開発について、国内・国外の最新の情報を取り入れて、より効率的でスピードアップした質の高い研究開発を充実した施設及び人員のもとで進めております。

 「研究所」は、畜産研究室と品質管理室の2室があります。畜産研究室は、福島リサーチセンター(福島県田村郡小野町)といわきリサーチセンター(福島県いわき市)において、レイヤー、ブロイラー、豚、乳牛、肉牛の新製品及び新技術開発のための研究開発活動を行っております。品質管理室は鹿島リサーチセンター(茨城県神栖市)において飼料並びに食品の品質と安全管理に関する業務を行っております。また、分析業務においてはISO17025(試験所の能力に関する国際規格)を取得しており、より信頼度の高い分析による品質管理を行っております。

 「水産研究所」は、愛媛県南宇和郡愛南町にあり、小型の陸上水槽及び海面の生簀で魚類及びエビを飼育し、水産飼料の研究開発を行っております。

 併せまして「研究所」及び「水産研究所」では、開発、管理及び分析の業務で得た最新知見を活用して、営業部門と共にお客様の経営改善のサポートを行っております。

 

 なお、当連結会計年度の研究開発費は飼料事業を中心として790百万円であります。

 

(1)養鶏用飼料

 養鶏用飼料では、最新の育種情報や栄養学に基づく新技術開発と、農場生産コスト低減等の研究成果を採卵鶏用、ブロイラー用、種鶏用の製品に応用しています。2022年度は、前年度に引き続き鶏糞量の低減、畜産物の差別化に関するノウハウ蓄積、窒素・りんなどの環境負荷物質の排出低減に関する試験研究、また、卵殻質や飼料要求率などの成績改善について取り組み、得られた知見は製品への応用や技術資料、お客様の経営サポートとして活用しております。

 

(2)養豚用飼料

 養豚用飼料では、最新の育種情報や栄養学を国内市場の動向に対応させた製品開発に取り組んでいます。2022年度は、人工乳「ママコロシリーズ」を新発売しました。「ママコロシリーズ」は基礎研究を基に新規素材を採用し、当社独自の腸管健康理論を更に深化させた、より子豚の健康な発育をサポートする人工乳です。

 また、環境負荷低減として、飼料要求率の改善や低タンパク質飼料の開発による窒素排出量の抑制研究も行っております。

 その他、IoTによる養豚産業への貢献を目的に、大学や企業との共同研究にて画像解析による体重推定システムや飼料タンク残量推測システムの開発にも継続的に取り組んでおります。

 

(3)養牛用飼料

 酪農及び肉牛生産において、生産性向上と生産コスト低減は常に重要課題として取り組んでおります。乳牛用飼料では、当社独自の飼料設計技術及びその技術に基づいた製品の開発、さらにロボット搾乳や乳牛のゲノム解析という新たな分野の研究に取り組み、酪農家の皆様への技術サポートを行っております。肉牛用飼料では、増体成績、枝肉成績の向上に寄与する研究を継続し、脂肪交雑や繁殖改善に関する技術開発を進めております。

 また、環境負荷低減のため、温室効果ガスとして牛からのメタン発生が世界的な課題となっており、当研究所でもメタン発生を抑制する飼料の研究に取り組んでおります。

 

(4)水産飼料

 水産飼料では、最新の栄養学的知見や研究成果をもとに、成長性、肉質向上、生産コスト削減、IoT技術の活用といったテーマを掲げて製品開発に取り組んでおります。SDGsの観点からは、クロマグロの完全養殖や天然資源への依存度を下げた飼料開発を実施しております。

 特に水産飼料において、持続的な養殖生産のために海洋資源の保護及び原料の安定供給の観点から魚粉及び魚油の依存度を下げることは最重要課題であり、様々なアプローチから脱魚粉・脱魚油化を推進する研究開発を継続しております。

 これまでに、マス用及びマダイ用に魚粉を含めた動物質性原料の配合率を30%程度に低減した低魚粉飼料を発売しておりますが、より低魚粉化を推進した製品の販売に向けた取り組みを行っております。

 当社では、今後もより一層の低魚粉・無魚粉化を進める上での様々な課題に挑戦し、従来の高魚粉飼料に負けない性能を持った更なる魚粉低減飼料の開発を行うことで、海洋資源に依存しない持続的な養殖業への貢献、また養殖生産コスト低減の一助となるよう取り組んでまいります。