(1)業績
当社は、アプタマー医薬の創製に関する総合的な技術や知識、経験、ノウハウ等からなる自社開発の創薬プラットフォームである「RiboARTシステム」を活用して、アプタマー医薬の研究開発(「アプタマー創薬」)を行ってまいりました。
当事業年度において、自社創薬では、前事業年度に藤本製薬株式会社(本社:大阪府松原市)にライセンス・アウト(特許の使用権を許諾)したRBM004(抗NGFアプタマー)に次ぐライセンス・アウト等提携候補品目としてRBM006(抗ATXアプタマー)、RBM007(抗FGF2アプタマー)に加えてIgGアプタマーを選定し、平成27年7月に設置した事業開発部を中心として、主に欧米の大手製薬企業との間でライセンスに向けた交渉を精力的に行ってまいりました。しかしながら、RBM006、RBM007は前臨床段階の開発ステージにあることから、製薬企業がライセンス・インを決定するまでに多くの時間を要しております。
このような状況において、当社はライセンス・アウト等提携候補品目として掲げたパイプラインについて以下の取り組みを行ってまいりました。
RBM006は治療満足度が低く重篤な疾患である特発性肺線維症を当初の適応疾患とし、さらにその価値を高めるべく強皮症を適応疾患に追加して、ヒトでの臨床試験に不可欠なGLP試験の実施に向けた開発を推進し、特に類似薬効品に対抗しうるデータの構築に注力してまいりました。さらに、当事業年度において、RBM006が肝臓の線維化に対しても抑制的に働くことが動物実験により明らかになったため、肝線維症を適応症として追加いたしました。これらの活動の成果は、ライセンス交渉に利用してまいりました。また、RBM006に関して東京大学及び東北大学と実施してきた共同研究の中で、公開可能な成果は世界的に権威のある学術誌である、Nature Structural & Molecular Biologyに論文が採択され、平成28年4月の電子版に掲載されました。
RBM007は難治性の骨疾患、癌性疼痛(特に癌の骨転移に伴うもの)、及び高齢者の失明の原因ともなりうる加齢黄斑変性症等を当初の適応疾患として開発を進めてまいりました。さらに、当事業年度において、RBM007が軟骨の形成不全を抑制し、その成長を促進する作用があることを発見いたしました。この作用を利用すれば、RBM007が、難治性の希少疾患として知られる軟骨無形成症(四肢短縮による低身長を伴う)に対する新規薬剤になりうることが示唆されたため、RBM007の適応症に軟骨無形成症を追加し、本格的に開発を開始いたしました。
これらの成果を基にして国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が公募した創薬支援推進事業(希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業)に応募し、採択されました。なお、AMEDによる助成は当事業年度から平成30年3月までの3年間の予定です。
IgGアプタマーについては、抗体等の分離・精製剤としての利用に関し、目的の用途により適したアプタマーの創製に成功し、試験研究用の試作品の製造が中小企業庁からの東京都受託事業である平成26年度補正「ものづくり・商業・サービス革新補助金」の助成事業として採択されました。この助成事業を活用し、大学や企業の試験研究用としての販売を意図した製品の試作品を完成させました。現在、試作品について、評価確認を行うモニターを募集しております。なお、本アプタマーに関する事業の進展に伴い、創薬品目から独立した新規の製品コード「RBM101」を付して、試作品の商品化に向けた活動を積極的に推進することといたしました。
また、本アプタマーの工業的な使用に関するライセンス等の提携についての欧米の製薬企業との交渉を、引き続き行っております。
次に、共同研究に関しては、大塚製薬株式会社と進めていた3プロジェクト(RBM001、RBM002及びRBM003)について平成27年12月末に契約期間が満了となりました。このうち、RBM001については、大塚製薬株式会社が本アプタマーのライセンス導入の判断を行うことを目的とした、新規の共同研究契約(契約期間は平成28年12月末まで)を、平成28年1月に締結いたしました。本契約において、当社は大塚製薬株式会社に対し、本アプタマーの開発及び事業化を目的とした、全世界での独占的な開発、製造及び販売の実施許諾(再実施権付き)についてのオプション権を付与しております。
RBM002及びRBM003については、共同研究期間満了後の扱いの詳細に関して大塚製薬株式会社との間で協議を進めております。
また、平成26年3月より開始した大正製薬株式会社との共同研究は、双方の連携により第2年目である当事業年度においても順調に進展し、第3年目に入っております。
さらに、全薬工業株式会社とのアプタマー創薬に関する技術アドバイス及び研究受託に関する提携については、平成28年3月に1年間の期間延長を定めた覚書を締結いたしました。
これらの結果、当事業年度の事業収益は、大塚製薬株式会社との3つの共同研究プロジェクトについて、1プロジェクト(RBM001)は今後のライセンス・アウトを見据えた新規共同研究に引き継がれたものの、2プロジェクトが期間満了になったことに加えて、当事業年度中に当社が担当あるいは引受ける業務量が減少したこと等から、共同研究収入が予算を下回りました。また、製薬企業等との新規アライアンスについても、交渉に時間を要していることから、当事業年度中の収益計上には至りませんでした。このため、全体での事業収益は121百万円(前事業年度比74.6%減)となりました。
事業費用は、パイプラインの進捗とそのライセンス・アウトを実現するための追加データ取得のために積極的な研究開発を実施し、研究開発費として435百万円、販売費及び一般管理費として219百万円を計上し、営業損失は532百万円(前事業年度は6百万円の営業利益)となりました。
また、営業外収益として、AMEDの支援事業による助成金収入186百万円、共同研究先からの核酸合成等に係る実費補填にあたる受取研究開発費19百万円を含む210百万円を計上したこと等により、経常損失は322百万円(前事業年度は13百万円の経常利益)となりました。これにより、当期純損失は323百万円(前事業年度は10百万円の当期純利益)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比較し1,588百万円減少し、449百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は324百万円(前事業年度は134百万円の収入)となりました。主な資金増加要因は、減価償却費13百万円、共同研究収入に係る売上債権の減少額31百万円、受取研究開発費に係る未収入金の減少額12百万円によるものです。一方で主な資金減少要因は、税引前当期純損失322百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,362百万円(前事業年度は1,302百万円の支出)となりました。主な資金増加要因は、定期預金の払戻による収入1,851百万円によるものです。一方で主な資金減少要因は、有価証券の純増加額1,199百万円、定期預金の預入による支出1,962百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は98百万円(前事業年度は2,871百万円の収入)となりました。これは、新株予約権の一部について権利が行使されたことに伴う株式の発行による収入98百万円によるものです。
当社の事業は、創薬事業及びこれに付随する事業を行う単一セグメントであります。
(1)生産実績
該当事項はありません。
(2)受注状況
該当事項はありません。
(3)販売実績
当事業年度における販売実績は、次のとおりであります。
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事業の名称 |
当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
|
|
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
創薬事業 |
121,911 |
△74.6 |
|
合計 |
121,911 |
△74.6 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前事業年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
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販売高 (千円) |
割合 (%) |
販売高 (千円) |
割合 (%) |
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大正製薬株式会社 |
100,000 |
20.8 |
100,000 |
82.0 |
|
大塚製薬株式会社 |
107,751 |
22.5 |
20,948 |
17.2 |
|
藤本製薬株式会社 |
272,120 |
56.7 |
- |
- |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。当事業年度における藤本製薬株式会社に対する販売実績は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。
当社は、アプタマーの医薬品としての研究開発を行い、製薬企業にライセンス・アウトした時に受け取る契約一時金、開発進行に伴ってその節目に受領するマイルストーン収入、製品上市後に受け取るロイヤルティー及び共同研究に伴って得られる共同研究収入などにより収益を獲得する創薬事業を展開しております。このようなビジネスモデルにおいて、継続的かつ安定的な収益の確保を実現するため、また将来的な事業の発展を見据え、以下に示す課題について、特に重点的に取り組んでおります。
①パイプラインの充実と質の高いデータの構築
持続的な企業成長を実現し、同時に開発中断等のリスクを低減するためには、自社パイプラインの拡充を図ることが重要と考えております。
新規開発パイプラインの策定においては、将来の提携やライセンス・アウトを実現できるよう、業界での開発指向の流れや大手製薬企業における重点領域、既存薬剤による医療ニーズの充足度等を調査、検討のうえ、最適な創薬ターゲットと適応疾患を選定することが重要です。そのため、当社では自社での評価チームによる検討の他に、製薬企業との情報交換による需要の発掘やアカデミアとの産学連携などを通じて、ターゲットの拡充と選定が適切に行われるよう努めてまいります。
さらに、選定されたターゲットに関して、製薬企業の評価に耐え得る質の高い試験データの取得に努めてまいります。また、良質なアプタマーの創製が当社の技術優位性ですが、適応疾患については、学術文献等の最新報告に留意して、可能な適応拡大を検討してまいります。同時に、適応疾患や創薬ターゲットについても、一定の試験期間の後に適切な評価を実施して、場合によっては、開発ラインから除外する判断も行います。
②新規技術の開発
今後、アプタマー医薬への参入企業が増えてきた場合でも常に技術の優位性を保てるように、新規のアプタマー創薬技術の開発に努めてまいります。具体的には、アプタマー創製の新技術の開発、iPS再生医療技術分野におけるアプタマーの活用をはじめ、アゴニスト・アプタマー(受容体作動薬)や細胞内への取り込み可能なアプタマー、細胞膜貫通型のタンパク質と結合するアプタマーなどの創製に繋がる技術を目標に、これまでに培った技術のさらなる発展、向上を図ってまいります。さらにアカデミアとも連携し、アプタマーの潜在力を生かした新しい技術を積極的に開発する方針です。
③ライセンス活動の推進
ライセンス・アウトを目標とした共同研究の実現や、自社パイプラインの成果の早期ライセンス・アウトを図るべく、国内にとどまらず、国際的な情報発信や情報交換により海外の製薬企業とのネットワークを確立し、その充実を図ってまいります。これにより、国内外の各製薬企業の需要動向(研究開発の方向性や開発パイプライン方針、具体的な提携やライセンス・インの候補テーマ等)を正確に把握し、的確な提携スキームを提案して成約件数の拡大を目指してまいります。学会での発表や学術雑誌への論文掲載を通じて、当社の技術を国内外にアピールする活動も継続してまいります。
④共同研究の推進
大手製薬企業との共同研究は、安定的な収益をもたらすだけでなく、当社のアプタマー創製に関するスキルアップにも大きく貢献し、同時に、大手製薬企業の技術を活用することで開発をより迅速に進められることから、今後も積極的に進めていく方針です。
共同研究を実現し、それを推進するためには、相手先の要請するスペックを満たすアプタマーを創製する技能が不可欠であることから、技術を一層研鑚し、共同研究の拡大に努めてまいります。
⑤自社臨床試験に向けての準備
当社は、将来において当社が大きく飛躍するためには、自社開発品の中から、アプタマー医薬品としての特性を最大限に生かしうる疾患を選んで、自社で臨床試験を実施することが必要であると考えております。具体的には、平成28年3月期にAMEDのプロジェクトとして採択されたRBM007が自社で臨床試験を実施する品目の有力な候補であると考えております。今後、臨床試験実施に向けた社内体制整備及び試験データ蓄積に取り組んでいく予定ですが、すでにその一部は実施しております。
⑥コーポレート・ガバナンスの強化
当社は、アプタマー創薬企業としてアプタマーを素材とする新薬を次々と創製し、継続的な成長と企業価値の最大化を図り、医薬品開発をとおして社会に貢献できる企業を目指しております。このような企業として社会的責任を果たしていくために、当事業年度においては社外取締役1名を選任する他、コーポレートガバナンス・コードへの対応も進めてまいりました。コーポレート・ガバナンス体制の強化により経営の健全性や透明性の向上を継続的に図っていくことは重要な課題であると認識しており、今後ともその強化に向け取り組んでまいります。
⑦組織体制の整備と、人材の育成・登用
当社は、上記①~⑥の課題に対応し、当社事業の継続的な発展を実現するためには、それに対応する組織体制の整備と、人材の育成・登用を図ることが重要と考えております。そのため、当事業年度においては事業開発部を新設し人材の配置を行いましたが、今後も事業構造や事業展開等を勘案したうえで必要な人材を育成し必要なポジションに登用する他、豊富な経験を有する人材の採用、外部ノウハウの活用などにも積極的に取り組んでまいります。
当社の事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。あわせて、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項についても、投資家の判断にとって重要であると当社が考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、本項の記載内容は当社株式の投資に関する全てのリスクを網羅しているものではありません。
当社は、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容もあわせて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
本項記載の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 創薬・医薬品開発事業全般に関する事項
当社は、医薬品開発における初期段階(探索研究及び前臨床試験)での研究開発を中心とした創薬事業を主たる事業としております。本分野は、国際的な巨大企業を含む国内外の多数の企業や研究機関等が競い合っています。また、研究開発から製造販売のための承認・許可の取得、上市に至る過程において様々な薬事規制に従い、しかも長期間にわたって多額の資金を投入する必要があります。この創薬事業は下記のとおり不確実性及びリスクを伴うものであります。
(イ) 医薬品開発の不確実性について
一つの開発候補化合物が医薬品として承認され上市に至るまでには、ヒトでの臨床試験を含む様々な試験によって有効性・安全性が確認されるのみならず、製造・販売に至るまでに様々な関門があり、その全てをクリアする必要があります。
開発過程の各段階において、開発続行の可否を判断する際、中止の決定を行うことは稀なことではありません。このような成功の不確実性は、自社で開発した場合も、あるいは製薬企業にライセンス・アウトした場合においても、避けては通れないものです。このリスクを低減・分散するため、当社は以下の基本的な対応をとっております。
・一つのターゲット(ターゲットタンパク質)に結合するアプタマーについて、有力なものが得られて
も、幾つかのバック・アップ品を準備することによって、プロジェクトの持続を図る。
・互いに独立した複数の開発パイプラインを保有する。
これらによって、一つの開発候補化合物について開発途上で何らかの障害が発生した場合でも、それに伴う事業遂行上のリスクやロスを最小限に留めるよう努めております。
しかしながら、当社のような規模の創薬企業にとって、自社創薬か共同研究かを問わず、開発パイプラインから品目が脱落する影響は大きく、その場合には当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(ロ) 収益の不確実性について
通常、医薬品(開発途上の製品を含む)のライセンスにおいては、契約締結に伴う契約一時金、開発途上におけるマイルストーン収入及び製品上市後のロイヤルティーの受領を予定しています。
しかし、契約を成立させるためには、ライセンシー(ライセンスを受ける相手先)の評価をクリアする一定の条件(有効性等に関する信頼できる試験データ、特許の存在、競合品との優位性の根拠資料等)を有した医薬候補品を創製する必要があり、また、マイルストーン収入を獲得するためには、ライセンシーによって開発が順調に進み、一定の段階をクリアすることが必要であり、さらにロイヤルティーを得るには、許認可当局からの承認の取得、製造及び販売の全ての段階において成功を収めることが必要であります。
当社は前臨床試験までの比較的早期の段階の研究開発を基本としているため、その後の開発進捗の不確実性が比較的高い可能性があり、当社及びライセンシーが前述の一連の活動において成功しない、あるいは、製品化(製品の承認取得、製造販売)に成功したとしても、薬価や市場性の問題等から、当該製品に関する事業活動を継続するために必要な採算性を確保する十分な収益を得ることができない可能性があります。
当社は、上記開発プロジェクトの適応疾患の選定及び共同研究やライセンス契約等の提携契約の締結に際して、競合品となる可能性のある既存の医薬品の市場規模等を基に市場性や採算性を検討しておりますが、万一この判断が誤っていた場合、あるいはこの判断の基礎となる状況に変化が発生した場合等には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(ハ) 遵守すべき法的規制等及び医療保険制度等の不確実性について
当社が参画する医薬品業界は、各国における事業規制法及び医療保険制度、その他関係法令等により、様々な規制を受けております。すなわち新規医薬品を製造発売するに当たっては、対象となる全ての国で当該国が定める薬事関連法規に従って一定の基準の下で承認や許可を受ける必要があり、また臨床試験の開始などについても、多くの国で厳しい薬事規制が設けられています。
当社の事業計画は現行の医薬品に関する日本など先進国での承認基準や薬事規制を前提として策定されておりますが、これらの基準及び規制は科学技術の発展に伴って、適時、改定されています。
長期間を要する新薬開発においては、その間にこれらの基準や規制、制度、価格設定動向等が大きく変動する可能性がないとは言えず、また、薬事に関する法的規制等及び医療保険制度等に変更等が生じた場合には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(ニ) 開発品目に関する潜在的な競合について
当社の潜在的な競合相手は、国内外の大手製薬企業、バイオ関連企業、大学、その他の研究機関等多岐にわたります。
アプタマー創薬を行っている企業は、現時点では当社やドイツのNOXXON社が代表的な会社であり、この分野で公開されている各社の開発ターゲット(開発品目)を見る限り、競合はほとんどありません。
しかし、アプタマー医薬は抗体医薬と類似した作用メカニズムや投与方法などから、ターゲット疾患によっては抗体医薬との開発競争や市場での競合が起こりえます。それら競合相手の中には、マーケティング力、財務状況等について当社やその提携先より優位にある企業が多数あり、当社開発品と競合する製品(特に抗体医薬)を効率よく開発し、生産及び販売する可能性があります。
したがって、許認可当局によって当社の製品候補の販売承認が得られた場合であっても、これら競合相手との競争が生じた場合、また、核酸医薬、特にアプタマー医薬のポテンシーや将来性が大手製薬企業に認識され、参入企業が増加し競争が激化する場合等には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(ホ) 賠償問題発生リスクについて
医薬品の臨床試験を実施する際には、薬剤の副作用などに伴う健康被害に対する賠償問題が発生するリスクを伴います。当社が自社で臨床試験を開始した場合には、治験薬保険などの保険への加入によって、こうした事態が発生した場合の財政的負担を最小限にする対応が可能です。
また、将来自社で医薬品を製造・販売した場合には、副作用等での健康被害に対し、製造物責任により賠償を負うケースが発生する可能性があります。
開発段階での候補品のライセンス・アウトを予定している当社の事業形態からは、販売後の医薬品が引き起こす健康被害による製造物責任を当社が負う可能性は極めて低いものです。しかし、開発に関与した者として何らかの責任を追及され、ライセンシーから賠償金を請求される可能性は皆無とは言えず、このような場合等には当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(へ) 技術革新について
当社は「RiboARTシステム」というアプタマー創薬に関する基盤技術を保有しており、あらゆるターゲットに対応したアプタマー医薬の開発を可能にしているという点で優位性を有していると認識しております。医薬品産業においては技術革新が活発であり、当社が認識している優位性を維持し続けるためには、これまでに培った「RiboARTシステム」のさらなる発展、向上を図るだけでなく、新規技術の開発に鋭意取り組む必要があります。
しかしながら、当社の計画どおりに研究開発が進捗しない場合や急激な技術革新等により新技術への対応に遅れが生じた場合等には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
② 当社事業遂行上の事項
(イ) アプタマー創薬について
当社の創薬対象であるアプタマー医薬は、これまで医薬品として用いられてきた低分子医薬品、ワクチン、抗体医薬品に次ぐ新しいカテゴリーである核酸医薬品に属するものです。
核酸医薬品は開発の歴史が浅く、現在までに3品目が上市されただけで、多くは開発途上にあります。このため、製品の効果や安全性、製造方法及び製造コストなどにつき十分な経験、実績が確立されているとは言えず、予期せぬ副作用や製造上の問題又は課題が発生する可能性があり、このような場合等には当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社はアプタマー創薬の基盤技術であるSELEX法に関する特許の使用許諾を米国・アルケミックス社より受けていましたが、当該特許は、日本及びヨーロッパにおいて平成23年6月、米国において平成26年9月に失効しました。これに伴い、当社はアルケミックス社との契約を終結させ、自由にSELEX法を実施できる環境となりました。
しかし、同時に、こうした状況下では大手製薬企業等によるアプタマー創薬への新規参入が想定されます。その場合には、わが国で先駆的にアプタマー創薬に着手してきた当社の研究者の引き抜きや流出に加えて、限られた原薬製造設備の争奪が生じる可能性もあります。
当社としては、将来のこうした状況に備えて、独自の「RiboARTシステム」の開発、知財の取得、ノウハウの蓄積に鋭意努力すると同時に、研究員のリテンションのための施策を講じ、また、アプタマー原薬の製造会社との良好な取引関係の推進や、核酸科学やアプタマーの研究者・研究機関とのネットワークの維持等の対応を行っております。しかし、アプタマー創薬への新規参入企業が増加する場合等には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(ロ) 特定の提携契約に依存した事業計画について
当社は、現時点で、特定の製薬企業との限られた少数の共同研究契約及びライセンス契約を主軸とする事業計画を有しております。
しかしながらこのような提携契約は、相手先企業の経営環境の極端な悪化や経営方針の変更など、当社がコントロールし得ない何らかの事情により、期間満了前に終了する可能性及び当社の想定と異なる事態が生じる可能性があります。
このような事態が発生した場合には、他の製薬企業との新たな提携等により当社事業計画への影響を最小限に食い止める所存ではありますが、これが適時に実現できる保証はなく、このため当社の希望どおりの事業活動ができず、若しくは制約を受け、その結果、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社が現時点で有している主な提携契約としては、大塚製薬株式会社との共同研究契約及び大正製薬株式会社との共同研究契約並びに藤本製薬株式会社と平成26年4月に締結したRBM004(抗NGFアプタマー)に関するライセンス契約があります。これらを含め、当社の事業展開上、重要と思われる契約の概要は「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載しておりますが、当該契約が期間満了、解除、その他の理由に基づき終了した場合若しくは当社にとって不利な改定が行われた場合、又は契約の相手方の財務状況が悪化したり、経営方針が変更されたりした場合には、当社の事業戦略及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このうち藤本製薬株式会社とのライセンス契約によるマイルストーン収入については、所定の開発ステージの達成による収益であることから、今後の開発進捗の状況によっては予定された収益の計上時期が遅れたり、それが得られない等により、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
なお、「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載した契約の中には、一定の解除事由を定めているものがあります。
(ハ) 新規パイプライン創出について
当社は、今後も新規医薬品の候補アプタマーを自社あるいはアカデミアとの連携を通じて創出し、自社創薬品目あるいは共同研究品目の候補としていくことを基本戦略としております。
この戦略を確実に推進するため、製薬企業との情報交換による需要の発掘やアカデミアとの産学連携等により、Unmet Medical Needsを満たす新規パイプラインの選定・獲得・創出の可能性を高める努力を続けております。
また、国内外の製薬企業との情報ネットワークを活用して需要のある候補ターゲットを早期に探知し、新規パイプラインの可能性を追求してまいります。
しかしながら、現在すでに開発途中にあるもの以外の候補アプタマーを、適宜、創出できる保証が100%あるとは言えず、そのような場合には、当社の事業計画の変更を余儀なくされる等により、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 会社組織に関する事項
(イ) 小規模組織であることについて
当社の人員は、本書提出日現在、役員8名(取締役5名、監査役3名)、従業員20名と小規模であります。当社の研究開発活動については、比較的少人数による体制(取締役1名、従業員15名)を敷いておりますが、研究開発段階における提携関係と業務受託企業の積極活用により、既存パイプラインの開発並びに新規薬剤候補化合物の探索を推進しております。今後は、既存パイプラインの開発推進及び新規薬剤候補化合物のパイプライン化に伴い、さらなる研究開発人員の増加を計画しております。
また、管理部門(内部監査室を含む)の人員は本書提出日現在で6名(取締役1名、従業員5名)であり、内部管理体制も規模に応じたものとなっております。今後の事業拡大に伴い、管理部門につきましても増員を図る方針であります。
しかしながら、計画通りの人員の確保ができない場合、あるいは既存人員の流出が生じた場合等には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(ロ) 特定人物への依存について
当社はこれまで、創業者で当社の競争力の源となっている「RiboARTシステム」の創出者であり、多くの社有特許の発明者でもある東京大学医科学研究所教授であった中村義一(現 当社代表取締役社長、東京大学名誉教授)を中心として、基礎研究・研究開発をはじめとする事業の全般を推進してまいりました。当社設立は、同氏の研究成果の事業化を目的とするものであり、また、現在の当社と東京大学との共同研究においても中心となっていることから、当社の研究開発活動において重要な位置付けを有しており、その依存度は極めて高いと考えられます。
当社は、今後においても代表取締役としての同氏の会社経営の執行が必要不可欠であると考えており、何らかの理由により同氏の会社経営の執行が困難となった場合等には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(ハ) 研究開発に関する一部外部委託について
当社は、広く社外にも専門的な意見を求め、さらに機動的な事業運営を図るため、主に以下に掲げる研究開発項目の一部について、外部機関に業務委託を行っております。
・原薬(前臨床試験用の各種アプタマー)製造業務
・前臨床試験の実施
特に、原薬製造元との製造委託取引は今後も継続していく方針であり、また代替先も確保しておりますが、自然災害や所在国における不測の事態等により、当該製造元から安定的な原薬供給が受けられなくなり、かつ速やかに代替先への移行が行われなかった場合、当社の研究開発の推進に支障をきたし、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、上記以外の業務の委託についても、当社にとって不利な契約改訂が行われた場合又は予期せぬ事情により契約が終了した場合等には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(ニ) 自然災害について
当社は、事業活動の中心となる研究設備や人員が本社周辺に集中しており、地理的なリスク分散ができておりません。この地域において地震等の大規模な災害が発生した場合には、設備等の損壊、事業活動の停滞等により、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(ホ) 大学等との共同研究について
当社は東京大学を含め、複数の大学等公的機関と共同研究を実施してまいりました。今後もこれらの共同研究を継続していく考えでおります。
東京大学医科学研究所には社会連携講座(「RNA医科学」社会連携研究部門)を設置し共同研究を実施しており、その下で同研究所の施設(実験区画、動物試験施設等)や各種のインフラの利用が可能となっており、当社の研究推進に大きく寄与しております。
しかしながら、法令改正等、何らかの事情により東京大学の社会連携講座が大学において継続されず、又は共同研究契約が解消された場合等には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
④ 大株主に関する事項
平成28年3月31日時点で大塚製薬株式会社は当社発行済株式総数の30.43%(4,000,000株)を保有しておりますが、重要性の観点から持分法非適用会社となっております。また、大塚製薬株式会社は大株主ではありますが、当社の経営的支配を目的として出資をしていないため、当社の経営判断等に関して影響力を行使するなどの制約を当社に与えておりません。
また、大塚製薬株式会社とは共同研究契約を締結し、双方の有する技術、知識や経験を最大限に活用して研究開発の進展を図っており、双方の研究開発力の深化に大きく貢献しております。当社は大塚製薬株式会社との現状の協力関係を維持し、事業のさらなる進展を目指してまいりますが、将来において大塚製薬株式会社の経営方針やグループ戦略が変更され、協力関係が解消された場合等には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(イ) 大塚製薬株式会社との取引関係
平成28年3月期における主な取引は以下のとおりであります。
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取引の内容 |
取引金額 (千円) |
|
共同研究収入 |
20,948 |
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受取研究開発費 |
19,805 |
(注)1.上記の金額には、取引金額には消費税等が含まれておりません。
2.取引条件及び取引条件の決定方針
価格その他の取引条件は、市場実勢を勘案の上、両社にて協議の上決定しております。
(ロ) 大塚製薬株式会社とのその他特別な関係
大塚製薬株式会社との間において上記の他に特別な関係はありません。
⑤ 知的財産権に関する事項
(イ) 特許の状況について
当社の出願中の各特許については、特許出願時に特許性等に関する調査を行ってはおりますが、全ての特許出願について特許査定が受けられるとは限りません。開発品をカバーする出願中の特許が成立しなかったり、カバーする範囲が狭い場合、ライセンス・アウトが出来ず、又は出来たとしても低額な対価しか得られず、当社の事業戦略や経営成績に影響を及ぼすおそれがあります。また、特許が成立した場合にも、これらの権利を維持していくための費用が今後当社の負担になる可能性もあります。なお、当社の研究開発に関する主要な特許は、「第1 企業の概況 3 事業の内容」の項で示したとおりです。
さらに、医薬品業界においては、日々熾烈な新薬の開発競争が世界的に繰り広げられており、他社において優れた発明が行われる可能性は常に存在し、当社の特許が成立し、当社技術を保護できた場合においても、他社の特許や技術により、当社の特許が淘汰又は無力化される可能性は否定できません。
なお、本項に記載した事項については、現在、当社が開発中のプロジェクトに関して、その実施に支障若しくは支障の発生を懸念される事項は、調査した限りにおいて、存在しておりません。
(ロ) 訴訟及びクレームについて
当社においては、その事業が第三者の特許権等に抵触することを未然に防止するため、事業の着手及びその過程において、特許事務所や専門家による特許調査を適宜実施しており、現時点において第三者特許への抵触の可能性は低いものと認識しております。
また、本書提出日現在において、当社の事業に関する特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟及びクレームが発生している事実はありません。
しかしながら、当社のような創薬を事業とする研究開発型の企業にとって、事業に対する差止請求、損害賠償請求、実施料請求等の知的財産権侵害問題の可能性を完全に排除することは困難であります。万が一、当社が第三者との間の法的紛争に巻き込まれた場合、案件によっては解決に時間及び多大の費用を要する可能性があります。特に第三者の特許権等を侵害して事業を行っていた場合、当該第三者から差止請求権や損害賠償請求権を行使されたり、高額な実施料の請求等により、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(ハ) 特許の確保について
当社は、事業に必要となる職務発明につき、その発明者である役員・従業員等から特許を受ける権利を譲り受けた場合、当社は発明者に対して特許法第35条第3項に定める「金銭その他の経済上の利益(相当の利益)」を与えなければなりません。当社は社内に周知された規程に則り、発明者の認定及び金銭の支払を実施しているため、これまでに金銭の額等について発明者との間で問題が生じたことはありませんが、その可能性を将来にわたり完全に排除することはできません。紛争が生じた場合や、発明者に追加の対価を支払わなければならない場合等には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
(ニ) 情報管理について
当社の事業において、研究若しくは開発途上の知見、技術、ノウハウ等は非常に重要な機密情報であります。その流出リスクを低減するため、当社は、役職員、取引先等との間で、守秘義務等を定めた契約を締結するなど、厳重な情報管理に努めております。
しかしながら、役職員、取引先等によりこれが遵守されなかった場合には、重要な機密情報が漏洩する可能性があり、このような場合等には、当社の事業等に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 経営成績に関する事項
(イ) 過年度における業績推移について
当社の主要な経営指標等の推移は以下のとおりであります。
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回次 |
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第9期 |
第10期 |
第11期 |
第12期 |
第13期 |
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決算年月 |
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平成24年3月 |
平成25年3月 |
平成26年3月 |
平成27年3月 |
平成28年3月 |
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事業収益 |
(千円) |
229,065 |
168,613 |
151,220 |
479,871 |
121,911 |
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営業利益又は営業損失(△) |
(千円) |
△464,375 |
△411,056 |
△414,475 |
6,180 |
△532,389 |
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経常利益又は経常損失(△) |
(千円) |
△312,454 |
△275,299 |
△210,881 |
13,195 |
△322,103 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
(千円) |
- |
△153,240 |
△162,525 |
134,584 |
△324,703 |
(注) 第9期は、キャッシュ・フロー計算書を作成しておりませんので、営業活動によるキャッシュ・フローは記載しておりません。
当社は、平成15年8月に設立された業歴の浅い企業であります。したがって、今後当社が継続的な成長や、経常的な営業キャッシュ・フローを獲得できるか等を予測する客観的な判断材料としては、過年度の経営成績だけでは、不十分な面があると考えられます。
(ロ) マイナスの繰越利益剰余金を計上していることについて
当社は、医薬品の研究開発を事業とするベンチャー企業であり、製薬企業との共同研究や開発品の製薬企業へのライセンス・アウトにより収益を得ることを事業の中核としております。医薬品の研究開発では当初から多額の資金が必要になる反面、安定的な収益の計上にいたるまでには相当な期間を要し、当初は期間損益がマイナスになるのが一般的な傾向です。平成27年3月期を除き、創業以来、平成28年3月期まで当期純損失を計上してまいりました。当社はRBM004のライセンス・アウトに続く、後続のパイプラインのライセンス・アウトや新規共同研究契約の獲得を推し進めてまいりますが、将来においてこれらの施策が計画通りに進展しない場合、予定した当期純利益を計上できず、マイナスの繰越利益剰余金がプラスとなる時期が遅れる可能性があります。
(ハ) 資金調達について
当社は、研究開発型企業として多額の研究開発資金を必要といたします。事業計画が計画通りに進展しない等の理由から資金不足が生じた場合には、提携内容の変更、新規提携契約の獲得、新株発行等の方法により資金需要に対応してまいります。しかし必要なタイミングで資金を確保できなかった場合には、当社事業の継続に重大な懸念が生じる可能性があります。
⑦ 潜在株式の行使による当社株式価値の希簿化に関する事項
当社は、優秀な人材を確保する観点から、ストック・オプション制度を導入しており、会社法第236条、第238条及び第239条の規定に基づき、株主総会の決議において承認を受け、新株予約権を取締役、従業員及び社外協力者に対して付与いたしました。これらの潜在株式の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。また、今後も優秀な人材確保のために、同様のインセンティブプランを必要に応じて実施することを検討いたします。したがって今後付与される新株予約権の行使が行われた場合にも同様に、当社の1株当たりの株式価値は希簿化する可能性があります。
当社の経営上の重要な契約は次のとおりであります。
①ライセンス・アウトに関する契約
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契約書名 |
提携及びライセンス契約書 |
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契約相手方名 |
藤本製薬株式会社 |
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契約締結日 |
平成26年4月30日 |
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契約期間 |
締結日から、製品の販売後7年が経過する日の属する月の末日、或いは本製品の関連特許が全て消滅する日の属する月の末日のいずれか遅い日まで |
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主な契約内容 |
① 当社は、NGFに対するRNAアプタマーを含有する医薬品の開発、製造、販売に関する、全世界でのサブライセンス権付きの独占的実施権を藤本製薬株式会社に許諾する。 ② 藤本製薬株式会社は、当社に対して、対価として、契約一時金、開発の進展等に応じたマイルストーン・ペイメント(第1相臨床試験開始時、前期第2相臨床試験開始時、後期第2相臨床試験開始時、第3相臨床試験開始時、製造販売承認申請時、製造販売承認取得時、純売上高が一定額超過時)、及び市販後の一定率のロイヤルティー及び藤本製薬株式会社の得たサブライセンス収入の一定割合を支払う。さらに、当社が第三者割当の方法で発行する普通株式について、3億円分の引き受けを行う。(なお、本引き受けについては、平成26年5月12日に払込を完了しております。) ③ 当社は関連特許の50%を藤本製薬株式会社に譲渡する。 |
(注)本契約書の対象となる関連特許については、「②特許譲受に関する契約」に記載の、国立大学法人東京大学との平成20年9月16日付譲渡契約書及び平成22年3月23日付譲渡契約書、並びに塩野義製薬株式会社との平成24年9月10日付特許実施対価等に関する覚書に基づき、関連特許の譲渡を受けております。
②特許譲受に関する契約
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契約相手方名 |
国立大学法人 東京大学 |
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契約締結日 |
特許を受ける権利ごとに、個別に契約を締結しており、各締結日は下記のとおりです。 平成18年5月31日、平成18年10月31日、平成20年9月16日、平成21年5月8日、平成22年3月23日、平成24年3月22日、平成24年11月19日 |
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契約期間 |
契約締結日から契約上の権利が全て失効する日まで |
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主な契約内容 |
当社は、アプタマー創薬に関する事業化に必要な特許に関し、国立大学法人東京大学より特許を受ける権利を譲り受けております。その概要は下記のとおりです。 当社は、特許を受ける権利の対価として契約一時金、開発の進展に応じたマイルストーン及び市販後は一定率のロイヤルティーを支払う。 |
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備考 |
各契約とパイプラインとの関係は下記のとおりです。 RBM001:平成18年10月31日付契約、平成24年11月19日付契約 RBM003:平成21年5月8日付契約 RBM004:平成20年9月16日付契約、平成22年3月23日付契約 RBM007:平成24年3月22日付契約 |
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契約書名 |
特許を受ける権利等の譲渡契約書 |
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契約相手方名 |
国立大学法人 名古屋大学 |
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契約締結日 |
平成24年12月25日 |
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契約期間 |
契約締結日から契約上の権利が全て失効する日まで |
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主な契約内容 |
当社は、アプタマー創薬に関する事業化に必要な特許に関し、国立大学法人名古屋大学より特許を受ける権利を譲り受けております。その概要は下記のとおりです。 当社は、特許を受ける権利の対価として契約一時金、開発の進展に応じたマイルストーン及び市販後は一定率のロイヤルティーを支払う。 |
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備考 |
契約の対象となるパイプラインはRBM001です。 |
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契約書名 |
特許実施対価等に関する覚書 |
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契約相手方名 |
塩野義製薬株式会社 |
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契約締結日 |
平成24年9月10日 |
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契約期間 |
締結日から、特許の有効に存続する期間の満了又は失効が最も遅く到来する日まで |
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主な契約内容 |
当社は、抗NGFアプタマーを含有する製品の販売に伴う特許実施の対価を受け取った場合、塩野義製薬株式会社に対し一定率のロイヤルティーを支払う |
③共同研究開発に関する契約
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契約書名 |
共同研究契約 |
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契約相手方名 |
大塚製薬株式会社 |
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契約締結日 |
平成28年1月14日 |
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契約期間 |
契約日から平成28年12月31日 |
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主な契約内容 |
① 大塚製薬株式会社は、RBM001の当社からのライセンス導入の判断を行うことを目的に本共同研究を実施する。 ② 当社は、大塚製薬株式会社に対しRBM001についての開発及び事業化を目的とした、全世界での独占的開発、製造及び販売に関する実施許諾(再実施権付き)についてのオプション権を付与する。 ③ 大塚製薬株式会社は当社に対し、契約一時金を支払う。 ④ 大塚製薬株式会社は1ヶ月前の事前通知を行うことにより本契約を解約することができる。 |
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契約書名 |
共同研究契約書 |
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契約相手方名 |
大正製薬株式会社 |
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契約締結日 |
平成26年3月 |
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契約期間 |
共同研究の期間は契約日から3年間。但し、マイルストンの達成状況によっては、早期に共同研究が終了する場合がある。 |
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主な契約内容 |
① 共同研究により開発候補となる物質(アプタマー)を取得する。 ② 大正製薬株式会社は本共同研究の対価として、所定の金額を支払う。 |
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契約書名 |
社会連携講座等設置契約書 |
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契約書相手方名 |
国立大学法人 東京大学 |
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契約締結日 |
平成24年1月5日 |
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契約期間 |
平成24年4月1日から平成32年3月31日 |
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主な契約内容 |
① 当社は東京大学に対し、本契約において予め定められた活動経費を支払う。 ② 東京大学は「「RNA医科学」社会連携研究部門」を設置する。 ③ 東京大学と当社は共同研究を実施する。 |
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契約書名 |
共同研究契約書 |
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契約書相手方名 |
国立大学法人 東京大学 |
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契約締結日 |
平成24年3月30日 |
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契約期間 |
平成24年4月1日から平成32年3月31日 |
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主な契約内容 |
① 当社は東京大学に対し、本契約において予め定められた研究経費を支払う。 ② 当社と東京大学は、社会連携講座等設置契約に基づき共同でRNAアプタマーの研究を実施す る。 ③ 当社の研究担当者は東京大学の施設を利用し、研究を実施することができる。 |
④アドバイザリー契約
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契約書名 |
技術アドバイスおよび研究委託に関する覚書 |
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契約書相手方名 |
全薬工業株式会社 |
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契約締結日 |
平成25年4月1日 (平成23年2月に締結した「RNAアプタマー創薬技術アドバイスに関する契約」が更新を経て継続しているものです) |
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契約期間 |
契約日から平成29年3月31日 |
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主な契約内容 |
① 当社は、全薬工業株式会社に対しアプタマー創薬に関する技術上の助言を行うと共に、別途合意によりアプタマー開発に関する試験を受託する。 ② 全薬工業株式会社は、当社に対し、技術上の助言及び試験実施の対価として、別途合意した金額を支払う。 |
当社は、創薬事業及びこれに付随する事業を行う単一セグメントであります。
(1)研究開発戦略
当社は研究開発を事業とすることから、事業戦略とは研究開発戦略でもあります。当社は、アプタマー創薬に関する当社の競争優位性や強みを梃子として、以下の基本ポリシーのもとで、研究開発を推進しております。
① 自社創薬におけるパイプラインの一層の拡充・進展を図り、研究成果をいち早く知財化して競争優位性を維持、強化しライセンス・アウトを目指す。
② 共同研究を積極的に展開し、早期での収益の確保及びライセンス・アウトを目指す。
③ アプタマー創薬における当社の「RiboARTシステム」の更なる向上、発展を図るべく、次のアプタマーの創製にチャレンジする。
1)アゴニスト・アプタマー(受容体作動薬)
2)細胞内への取り込み可能な(DDS作用を有する)アプタマー
3)細胞膜貫通型のタンパク質(受容体等)と結合するアプタマー
4)iPS細胞の創製や純化、あるいは分化誘導に関連するアプタマー
④ アプタマー医薬品としての特性を最大限に生かしうる開発品・疾患については、過大な経済的負担を避けつつ、付加価値を高める観点から自社での臨床POC取得のための臨床試験を実施する。
⑤ 大学や研究機関との緊密な連携を図り、大学や研究機関での基礎研究成果を医薬品開発に応用するトランスレーショナル・リサーチを推進することにより、アカデミアにおける研究成果をいち早くアプタマー創薬に活かす。
(2)研究開発費
当事業年度における研究開発費は435百万円となっております。
(3)研究開発の特徴について
① 核酸医薬品の中でもアプタマーの創薬研究に特化
核酸医薬は、現在巨大な市場を形成しつつある抗体医薬に続く、次世代の医薬品として注目されている新しいカテゴリーの医薬品です。
当社は、その核酸医薬の中で、RNAが多様な立体構造を作り、標的となる疾患関連タンパク質に結合してその作用を阻害することに注目して、RNAアプタマーの医薬品への応用を図るための研究開発を行っております。
アプタマーを創薬のシーズとするのは、以下のような優れた特性があるためです。
1)標的となるタンパク質分子への結合という点で似たような作用を持つ抗体と比較しても、その結合活性が非常に高いことが多く知られています。
2)副作用に関しても、抗体は生物製剤であるため、免疫原性の影響は無視できませんが、アプタマーは合成品であるため、そのような懸念は今のところ報告されていません。
3)アプタマーは他の核酸医薬のように細胞内に入らなければその効果を発揮しないものと異なり、細胞内に導入する必要がないので非常に効率的です。
② アプタマー創薬に関するプラットフォーム「RiboARTシステム」
当社が有するアプタマー創薬に関するプラットフォーム「RiboARTシステム」は広汎な分野に応用可能な技術であるため、特定の疾患や領域に特化されないアプタマーの創製を行っております。
当社は、現在の技術的優位性に安住することなく、5年先、10年先の技術動向を見据え、新たなSELEX法や、抗体で難しいとされる受容体に直接作用するアゴニスト・アプタマー(受容体作動薬)、さらに細胞内に他の医薬を運搬するためのDDSに利用可能なアプタマー等の実現を目指しております。
「RiboARTシステム」のコアとなる技術の一つは、目標とする創薬ターゲット(タンパク質)に結合するアプタマーを取得するSELEX法に関する技術です。この技術は、平成23年6月までは米国のアルケミックス社が全世界で権利を有し、その高価なライセンスの対価と同社の政策により、容易に第三者が商業目的でSELEX法を実施することができませんでした。当社は、平成18年2月以降、アルケミックス社からSELEX法に関する基本特許等の使用許諾を受け、各種のアプタマーを開発するとともにSELEX法に関する技術の向上を図ってまいりました。他社に先駆けてSELEX法を実施し様々なアプタマーを創製してきたこと及びアカデミアとの連携が、「RiboARTシステム」として結実し、現在及び将来のアプタマー創薬における当社の競争優位性をもたらしております。
SELEX法の基本特許が平成23年6月に日本及びヨーロッパで、平成26年9月にアメリカで失効したため、世界各国の大手製薬企業がアプタマー創薬に参入してくることは十分に考えられます。一部の大手製薬企業が参入を開始しておりますが、当社は「RiboARTシステム」の発展を図り、核酸創薬、特にアプタマー創薬の分野において、主導的役割を果たしてまいりたいと考えております。
③ トランスレーショナル・リサーチの推進
当社の研究開発が他の創薬ベンチャー企業と際立って異なる点は、アカデミアでの研究成果を事業化のための開発に移行させるトランスレーショナル・リサーチを、長期間継続して行ってきたことであります。これにより、アカデミアにおける最新のRNA研究の内容や成果を、当社での事業化に直接反映させることができます。
④ 大学内の研究施設の活用と共同研究
当社は、本社が入居しているビルの2フロアだけでなく、東京大学医科学研究所・クレストホール内にも自社の研究室を有しております。この東京大学医科学研究所の研究室は、必要に応じて同研究所内の動物試験施設やその他の高度試験装置の使用が可能であり、これにより技術、信頼性の観点から、高いレベルの研究体制を整備しております。
また、上記の③とも関連しますが、東京大学医科学研究所とは平成17年よりRNA科学やアプタマーに関連する共同研究を行ってまいりました。平成24年4月からは新たに社会連携講座(「RNA医科学」社会連携研究部門)を設置し、その下で産学連携での共同研究による、製品・技術開発を推進しております。
(4)研究開発体制について
当社の研究開発活動は探索研究部と開発研究部が密に連携して実施しております。探索研究部はSELEX法を駆使して目標のタンパク質に結合するアプタマーを創製し、その改良等を行っており、開発研究部は創製されたアプタマーの薬効を調査、確認する研究を行っております。開発研究部での試験結果は遅滞なく探索研究部にフィードバックされ、アプタマーの改良に活かされております。
平成28年3月31日現在、両部に所属する研究員は15名であり、内6名が博士号を取得しています。同時に東京大学、東北大学、名古屋大学などのアカデミアとも共同研究を行っており、最先端のRNA研究の成果やアプタマーに関する技術動向の把握に努めております。
また、医薬品開発に必要なノウハウなどは大手製薬企業との共同開発を通じて蓄積するとともに、大手製薬企業でのグローバルな医薬品開発の経験を有する人材を社内に擁し、研究開発のプロセスを効果的に管理、運営できる体制をとっております。
医薬品の中でもとりわけ核酸医薬のような最先端の技術が関係する場合、知財は極めて重要であり、その対応には万全を期す必要があります。当社は医薬品、バイオ技術・製品に精通した複数の知財専門家と顧問契約を結び、緊密な連携のもと、対応を図っております。
なお、選定した品目について、自社での臨床試験の実施に向けた体制の整備を進めております。
(5)新薬候補化合物の開発状況
本書提出日現在における新薬候補化合物開発状況は「第1 企業の概況 3 事業の内容」の項で示したとおりです。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成に当たりましては、会計方針の決定とその継続的な適用、並びに資産及び負債、収益及び費用の会計上の見積りを必要としております。この見積りに関しましては、過去の実績や適切と判断する仮定に基づき合理的に算出しておりますが、実際の結果はこれらの見積もりと相違する可能性があります。
(2)財政状態の分析
①資産の部
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べて236百万円減少し、3,183百万円となりました。これは主に、有価証券が1,199百万円、未収消費税等が36百万円、工具、器具及び備品が34百万円増加した一方で、現金及び預金が1,476百万円、売掛金が31百万円、未収入金が12百万円減少したことによるものです。
②負債の部
負債は、前事業年度末に比べて12百万円減少し、144百万円となりました。これは主に、未払金が10百万円増加した一方で、未払消費税等が21百万円減少したことによるものです。
③純資産の部
純資産は、前事業年度末に比べて223百万円減少し、3,039百万円となりました。これは、新株予約権の一部について権利が行使されたことにより、資本金及び資本準備金がそれぞれ50百万円増加した一方で、当期純損失を323百万円計上し繰越利益剰余金が同額減少したことによるものです。
以上の結果、自己資本比率は、前事業年度末から0.1ポイント増加し、95.5%となっております。
(3)経営成績の分析
経営成績の分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要(1)業績」に記載のとおりです。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
共同研究については、大塚製薬株式会社及び大正製薬株式会社との間で共同研究契約を締結しておりますが、今後の事業収益については、契約に基づく研究費収入に加え、各社との今後の協議に従って、ライセンス料等の事業化による利益を取得することが想定されます。また、自社創薬については、藤本製薬株式会社へのRBM004(抗NGFアプタマー)のライセンス・アウトからも明らかなように、ライセンシーの評価基準を充たす医薬候補品の創成に成功すれば、そのライセンス・アウトにより共同研究と同様にライセンス収入が得られます。この場合、自社のみで候補品の研究開発を成し遂げたことから、共同研究のパイプラインでのライセンス収入以上のものが期待できます。
一方、これらの収益は、共同研究が継続していくこと、並びにライセンス・アウトに足る医薬候補品の開発が順調に推移することが前提となるため、共同研究の相手先企業の経営環境や経営方針、医薬候補品の製造トラブルや予期せぬ副作用等による開発遅延等が経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社は現在締結している共同研究契約の下で対象となっているプロジェクトの開発ステージを上げて、早期のライセンス・アウトとノウハウの蓄積を目指してまいります。また、自社パイプラインについては新たな製薬企業との提携契約の獲得に努め、経営の安定性を高めてまいります。
また、既存のパイプラインに加えて、新規ターゲットへの取り組みも強化し、パイプラインの充実を図り、開発リスクの低減を目指してまいります。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当事業年度の資本の財源及び資金の流動性についての分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりです。
(7)経営者の問題意識と今後の方針について
当社の経営陣は、当社を取り巻く事業環境や入手可能な情報に基づき、最善と考えられる経営方針を立案し実行することが重要と認識しております。
当社の事業は医薬品業界の変化に少なからず影響を受けるため、情報の迅速な入手に努め、共同研究への柔軟な対応や最新技術の活用、さらには特許に関する適切な対応等にも注力して、アプタマー創薬のリーディング・カンパニーを目指してまいります。