文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1)業績の状況
当社は、アプタマー医薬の創製に関する総合的な技術や知識、経験、ノウハウ等からなる自社開発の創薬プラットフォームである「RiboARTシステム」を活用して、アプタマー医薬の研究開発(「アプタマー創薬」)を行っております。
また、当社は、継続的かつ安定的な収益の実現及び今後の飛躍に向け、「各創薬プロジェクトの開発ステージのアップ」、「製薬企業との新規アライアンスの締結」、「自社でProof of concept (POC)までの臨床開発の実施」を重点的な経営課題とし、それらの実現に向けた取り組みを進めております。
上記の経営課題への対応に向けて、当第1四半期累計期間において積極的に研究開発に取り組んでまいりました。
具体的な進捗を以下に要約します。
① 大塚製薬株式会社との共同研究:RBM001については、平成28年1月14日に締結した新規共同研究契約の下で、今年12月末を期限とし、大塚製薬株式会社によるライセンス導入の判断に向けた最終検討が継続しております。なお、平成27年12月末に期間満了により終結したRBM002及びRBM003に関しては、契約終了後の取扱いに関し、両社間で協議中であります。
② 大正製薬株式会社との共同研究:平成26年3月より開始した大正製薬株式会社との共同研究は、3年契約の第3年目に入っており、順調に進展しております。
③ 新規アライアンス:重点ライセンス品目のRBM006に関しては、ライセンス・アウトの実現を目指し、新規データの取得や整備を図り、交渉を継続しております。同時に、RBM006に関する研究論文を、世界的な学術誌であるNature Structural and Molecular Biologyに投稿し、本年5月号に採択・掲載されました(4月の電子版で速報)。また、新規の免疫グロブリン分離用製品であるRBM101についても、提携候補先での製品評価が継続しております。
④ 公的支援による研究開発:国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の創薬支援事業に採択されたRBM007の軟骨無形成症治療薬としての開発に関し、自社のみならず、この分野で多くの知見を有する国内外の大学との連携によって、臨床試験に向けた追加データの取得を目指す試験・研究を進めてまいりました。同時に、RBM007の研究成果について、学術集会として国際的に権威のあるGordon Research Conferenceにて6月に講演発表を行いました。
⑤ 自社臨床開発:これまで当社が創製した自社製品の中から、自社での臨床試験に最適な開発品を総合的に検討した結果、RBM007を用いた加齢黄斑変性症(AMD)の治療薬の開発を実施することを決定いたしました。AMDは、既存薬では病気の進行が最終的に抑制できない Unmet Medical Needs の疾患で、新規な作用機序の薬剤の開発が求められています。AMDの治療においては、薬剤を眼球内(硝子体)に注射するため、投与薬剤量が少なくてすみ、また大半の薬剤が眼球内に留まるため、コスト的にも安全性においても、新規なアプタマー医薬品の開発に適していると考えております。これまで開発されてきた既存のAMD治療薬である抗VEGF薬では効果が十分に得られていない患者では、その原因の一つとして瘢痕化が挙げられています。RBM007は血管新生の抑制作用のみならず、瘢痕化の抑制という作用を合わせ持つため、既存薬にはない新規なメカニズムによって、医療上で競争力のある新薬となりうるものと期待しています。現在、その薬理作用の更なる検証と、米国での臨床試験の実施に向けて、平成29年度中に米国FDA(米国食品医薬品局)に治験申請を提出するための準備を進めております。
⑥ 経営体制の整備・強化:当第1四半期累計期間には、上記経営課題への対応を迅速に推し進める体制整備を行ってまいりました。研究開発の体制面では、平成28年6月29日開催の定時株主総会において、製薬企業の取締役としての実務経験を持ち、臨床開発についての豊富な経験と深い見識を有する社外取締役を1名新たに招聘いたしました。加えて、平成28年7月1日付で、研究開発を統括する研究開発本部と臨床開発部を新設して、研究開発本部の下でアプタマー医薬の探索研究から臨床開発までを行う体制を構築し、更に積極的かつ迅速な研究開発を推し進めることといたしました。また、経営管理の体制面では、平成28年7月1日付で、経営管理を統括する管理本部、更に知的財産管理や経営戦略業務を行う経営企画部を新設(知財・調査企画部を経営企画部に統合)し、管理本部の下で、管理部と経営企画部が積極的かつ迅速な会社経営を推し進めることといたしました。
なお、自社創薬及び共同研究のパイプラインのうち、基礎探索研究を終え前臨床試験に進んでいるプロジェクトは以下のとおりです。
・医薬品開発
※:RBM002及びRBM003に関しては、共同研究期間満了後の扱いに関する詳細について大塚製薬株式会社との間で協議を進めております。
・新規用途開発
これらの結果、当第1四半期累計期間において、共同研究収入による事業収益は24百万円(前年同四半期比36.4%減)、事業費用として研究開発費は106百万円、販売費及び一般管理費は66百万円計上し、営業損失は148百万円(前年同四半期は営業損失107百万円)となりました。
また、経常損失は147百万円(前年同四半期は経常損失100百万円)、四半期純損失は148百万円(前年同四半期は四半期純損失100百万円)となりました。
なお、当社は創薬事業及びこれに付随する事業を行う単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2)財政の状況
① 資産の部
当第1四半期会計期間末における総資産は、前事業年度末に比べて128百万円減少し、3,054百万円となりました。これは、大学との共同研究費を計上したこと等により前払費用が20百万円増加した一方で、研究開発への積極的な投資を行ったこと等により現金及び預金が116百万円、流動資産のその他が31百万円減少したこと等によるものです。なお、当第1四半期会計期間末において保有している有価証券は、保有する資金を、研究開発への充当時期まで、適切な格付けを得た安全性の高い金融商品で運用することを目的としたものです。
② 負債の部
当第1四半期会計期間末における負債は、前事業年度末に比べて1百万円増加し、146百万円となりました。これは、事業収益への振替を行ったことにより前受金が27百万円減少した一方で、未払金が11百万円、流動負債のその他が19百万円増加したこと等によるものです。
③ 純資産の部
当第1四半期会計期間末における純資産は、前事業年度末に比べて130百万円減少し、2,908百万円となりました。これは、新株予約権の一部について権利が行使されたことにより、資本金及び資本剰余金がそれぞれ8百万円増加した一方で、四半期純損失148百万円を計上したことにより、利益剰余金が同額減少したことによるものです。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期累計期間において、当社が対処すべき課題に重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期累計期間の研究開発費の総額は106百万円であります。
なお、当第1四半期累計期間において、平成28年6月30日に提出の有価証券報告書に記載した研究開発活動(
研究開発戦略、研究開発の特徴について、研究開発体制について、新薬候補化合物の開発状況)に関し、研究開発戦略、研究開発の特徴、及び新薬候補化合物の開発状況については重要な変更はありません。
研究開発体制では、平成28年6月29日に開催の定時株主総会において、製薬企業の取締役としての実務経験を持ち、臨床開発についての豊富な経験と深い見識を有する社外取締役を1名新たに招聘いたしました。加えて、平成28年7月1日付で、研究開発を統括する研究開発本部を設け、その下でアプタマー医薬の探索研究から臨床開発までを行う体制を構築し、更に積極的かつ迅速な研究開発を推し進めることといたしました。