文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
近年、コンピュータ・システムを取り巻く脅威はさらに多様化・複雑化し、かつ急速に変化しています。多様化する情報漏えい、増え続ける標的型攻撃などにより、既存のリスク管理プロセスだけでは十分な対応を取る事が難しくなりつつあります。的確なリスク管理を実現するためには、日々発生する新たなセキュリティ脅威に対抗するための迅速かつ正確な情報収集能力、分析能力、問題解決能力といった、強力かつ包括的なセキュリティリサーチ能力が求められます。当社グループは「世界トップレベルのセキュリティ・リサーチ・チームを作り、コンピュータ社会の健全な運営に寄与する」を経営理念とし、広範なセキュリティコア技術とリサーチ能力のバックグラウンドを軸に、さまざまな角度でお客様のセキュリティリスク管理を強力に支援します。
(2)目標とする経営指標
当社グループは従来の技術では防御が難しい脅威が増大している状況で、これに有効に作用する当社製品を早く、多くのユーザーにお届けすべきと考えています。また、究極的にはすべてのコンピュータ・システムへ当社製品を導入し、ユーザーは安心して利用できる環境とすることを目標としています。上記より、当社グループではセキュリティ・プロダクトの契約ライセンス数及びPC稼働台数に対する当社製品の導入割合を重視しています。
(3)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
社会システムのネットワーク化が進む近年において、コンピュータ・システムを取り巻く脅威は多様化しており、システムを攻撃されることにより甚大な被害を及ぼす傾向が強まっております。これらの脅威からコンピュータ・システムを守り、安定した運用を実現するためには、常に最新かつ最適なセキュリティ体制を構築することが望まれます。このような状況を踏まえ、当社グループは以下の事項を中長期的な経営戦略として、事業を推進してまいります。
(研究開発戦略)
当社グループは、サイバー・セキュリティ領域での技術研究から生まれる新しい研究成果により、他に類を見ない高い付加価値と高い市場競争力を持つ製品・サービスを開発・提供してまいります。また、サイバー攻撃技術の研究をベースにトレンドを予測し、プロアクティブな対策技術の開発に取り組むことで、将来予想される脅威に先回りする形で対策製品・サービスを提供できる体制を構築していきます。
(セキュリティ・プロダクト戦略)
研究開発により獲得した新技術及び脅威情報、蓄積したノウハウを製品開発に反映してまいります。これにより、これまでにない斬新なコンピュータ・セキュリティ製品を提供し、サイバー攻撃からコンピュータ・システムを守ることで、コンピュータ社会の健全な運営に寄与してまいります。
(セキュリティ・サービス戦略)
当社グループのセキュリティ・サービスは、当社の技術レベルを示すことによるブランドの確立を目的とし、技術的に付加価値の高いプロジェクトに特化しております。これにより、ユーザーからの当社製品・サービスに対する信頼を獲得するとともに、ノウハウを蓄積し、製品の拡販につなげてまいります。
(4)対処すべき課題
(研究開発)
IT技術が日々進歩する中、同時にコンピュータ・システムに対する新しい脅威が発生しております。また、サイバー・セキュリティ市場においては、情報漏洩等の被害発生が市場ニーズの発生契機となるケースが多数あります。当社グループでは、このような後手の対応ではなく、被害発生前に予防することができる製品・サービスの提供が重要な課題であると考えており、すでに市場ニーズの存在する製品・サービスを開発するニーズ型の研究開発と併せて、市場ニーズを予測し、掘り起こすシーズ型の研究開発を行っております。今後においても、セキュリティ技術は常に進歩していることから、当社グループは最新技術の獲得のための研究開発の強化に取り組んでまいります。
(人材育成)
当社グループが今後成長するにあたり、優秀な技術者を中心とした人材の確保と育成は重要な課題となっております。当社グループは従業員が能力を最大限発揮できる体制を構築し、優秀な人材の採用と併せて、技術者を育成することにより全体の技術レベルの底上げに取り組んでまいります。
(セキュリティリテラシー)
当社製品・サービスの拡販には、ユーザーがコンピュータ・システムを取り巻く脅威の内容及びそれに対するセキュリティ対策の必要性を正しく理解していただくことが重要であると考えています。当社グループは、通常の営業活動のほか、世間に広く流通する製品等の脆弱性や、その対策などの研究成果の一部をカンファレンスや新聞・雑誌・WEB媒体などを通じて広く情報提供することにより、ユーザーに脅威を周知し、それらに応じた適切な対策の導入を促す活動に取り組んでおります。
(ブランディング)
セキュリティ製品・サービスはその性質上、顧客において効果を実感する機会が多くないため、当社製品・サービスの拡販には、当社グループ及び製品・サービスの性能に対する信頼性の確保が課題となっております。信頼性の確保には、導入事例の紹介や実際にマルウェアによる攻撃から当社製品がコンピュータ・システムを防御するデモンストレーションの実施、講演や各種媒体への広告宣伝等を通じて当社製品・サービスの有用性を訴求することが有効と考えております。また、Black Hat※等のカンファレンスにて最新のセキュリティ技術を発表することで当社グループの技術力を示すなど、当社グループの認知度・信頼性向上のための活動強化に取り組んでおります。
(海外展開)
世界の情報セキュリティ市場における日本のシェアは約10%前後に過ぎず、多くを海外市場が占めております。また、コンピュータ・セキュリティは、その製品技術の内容は世界共通であることから、海外市場への製品供給のハードルは高くなく、海外市場への製品供給は、当社グループの成長戦略上、重要な事項となっております。
(コンシューマー市場での拡販)
ランサムウェアやオンラインバンキングの不正送金といった個人を標的とするサイバー攻撃が拡大を続けているなか、既存のセキュリティ対策は高度化するサイバー脅威を前に効果が薄れてきており、有効な製品の普及はほとんど進んでいない状況となっております。また、個人向けのセキュリティ市場規模はICTの発達やモバイル端末の増加により拡大しており、当社グループは個人向け製品の拡販に取り組んでおります。
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Black Hat |
世界各国の企業や政府、教育機関等からのリーダーが一堂に会し、最先端のセキュリティ情報を発表する世界最大規模の国際セキュリティカンファレンス。 |
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本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。
このいずれかが発生した場合、当社グループの業績や株価に影響を与える可能性があります。また、これらのなかには外部要因や発生する可能性が高くないと考えられる事項を含んでいるほか、投資判断に影響を及ぼすすべてのリスクを網羅するものではないことにご留意ください。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)製品及びサービスに瑕疵が発生する可能性について
製品及びサービスを提供する際には、開発過程においてプログラムにバグや欠陥の有無の検査、ユーザーの使用環境を想定した動作確認などの品質チェックを行い、販売後のトラブルを未然に防ぐ体制をとっております。しかしながら、プログラムの特性上、これらを完全に保証することは難しいものとなっております。
万が一、製品又はサービスにバグや欠陥が発見された場合の対策として、当社グループではプログラムの修正対応や、販売時の契約において免責条項の設定などにより損失を限定する体制をとっておりますが、これらの対策はリスクを完全に回避するものではなく、バグや欠陥の種類、発生の状況によっては補償費用が膨らみ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)サイバー攻撃等を受けることにより信頼性を喪失する可能性について
サイバー・セキュリティ事業を営む当社グループは、当社グループ及び当社製品又はサービスを導入されたユーザーにおいて、当社製品又はサービスの効果の及ぶ範囲内でサイバー攻撃等による機密情報等の改鼠・搾取等をされた場合、当社グループの技術力を否定されることにより、結果として当社製品又はサービスに対する信頼性を喪失する恐れがあります。このようなことが発生した場合、信頼を回復するまでの間、製品及びサービスの販売が停滞することが考えられ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3)技術革新又は陳腐化に対応できない可能性について
当社グループが属するサイバー・セキュリティの分野は、日々発生する新たな脅威や技術革新等による環境変化に伴い、ニーズが変化しやすい特徴があります。このような中、当社グループは研究開発部門による新技術の開発や研究成果のカンファレンス等での発表、各種メディアへの情報発信などの取り組みにより、当社製品及びサービスの競争力の維持向上に努めております。
しかし、当社グループが環境変化に対応することができず、当社製品及びサービスの陳腐化又は競合他社の企業努力などの要因により、当社グループが競争力を維持することができない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4)特定事業への依存により市場環境の影響を大きく受ける可能性について
当社グループが営む事業はサイバー・セキュリティ事業の単一事業であり、ユーザーにおいて経済情勢の不調等によりIT設備投資が抑制されるなど、当該市場環境が冷え込んだ場合、その影響を大きく受け、他の事業分野で挽回するといった対応が取れず、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5)知的財産権侵害の可能性について
当社製品及びサービスの競争力維持にあたっては、特許権等による知的財産権の保護が重要となっております。当社グループは研究開発の結果、有用な技術について積極的に知的財産権の取得をするなど技術の保護に努めております。しかしながら、サイバー・セキュリティ製品には高度かつ複雑なプログラム技術が使用されており、知的財産権においてその権利の範囲を明確に定めることが難しいものとなっております。
このような状況の下、他社において当社グループの知的財産権に抵触するものがあったとしても、当社グループの知的財産権侵害の主張が必ずしも認められない可能性があります。また反対に、当社グループが意図しないところで他社から当社グループに対して知的財産権侵害の訴えが提起され、その主張が認められてしまう可能性も否定できません。このようなことが起きた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6)小規模組織における経営管理体制・内部統制について
当社グループは事業規模に応じた組織体制を志向しており、現在は比較的小規模の体制で事業運営を行っております。また、当社グループは現在の人員構成における最適と考えられる経営管理体制及び内部統制を構築していますが、今後、当社グループの計画以上に事業が成長するなどにより、組織規模の急激な拡大の必要が生じた場合、以下に掲げるリスクが考えられ、経営管理体制・内部統制が有効に機能しない可能性があります。
・必要な人材を確保できない可能性
・新規採用の人員に対する教育が不足する可能性
・業務の多様化に社内業務システムの対応が遅れる可能性
・従業員とマネジメント層の間における報告体制の冗長化
また、当社グループが小規模組織であるために生じるリスクも考えられます。例えば当社グループのキャパシティを超えるような大型の開発プロジェクト等が生じた場合、当社グループは他社との業務提携などの戦略をとることが考えられますが、提携先が確保できない場合や、当社グループと提携先の間で円滑なプロジェクト遂行が困難になる等により、当該案件への投資資金の損失、失注あるいは利害関係者からの損害賠償請求等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7)情報漏洩リスクについて
当社グループが営むサイバー・セキュリティ事業では、ユーザーのセキュリティシステムに関する情報や社内で使用する検体用マルウェア等の機密情報を扱う場合があります。これらの取り扱いについて、当社グループは規程やマニュアル等に則った運用体制の整備や社員への教育を通じて機密情報の外部漏洩を厳しく管理しております。しかしながら、特に当社グループの関係者が悪意を持って機密情報の漏洩を図った場合など、情報漏洩を完全に防ぐことは困難であります。このようなことが起きた場合、漏洩した機密情報を使用されることによる損害や、当社グループの信用が失墜するなどにより、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(8)事業環境の変化について
当社グループが製品・サービスを提供している標的型攻撃対策を始めとする高度なセキュリティ・サービスの市場は、サイバー・セキュリティに対する脅威の複雑化・多様化を背景に今後拡大していくものと見込んでおりますが、市場の黎明期であるため不確定要素も多く、市場の成長スピードが当社グループの想定よりも遅れる可能性があります。
また、市場が順調に拡大した場合でも、競合他社の参入や他社から無償又は安価なセキュリティ機能が供給されることにより、当社グループが市場シェアを伸ばしていくことができない可能性があります。
このような当社グループを取り巻く事業環境の変化に有効な対抗策を講じる事ができなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(9)法律の制定又は改正により当社の事業に規制がかかる可能性について
現在、当社グループの事業に対する法的規制はありませんが、将来新たに行われる法律の制定や既存の法律の改正により、当社グループの事業が規制された場合には、その内容によっては対応費用の支出又は経営方針の変更を迫られる可能性があります。例えば、当社グループは研究開発において、実際のサイバー攻撃等で使用されたプログラム(検体用マルウェア)などを用いる場合があり、この管理取り扱いについて法的規制がかかり、その対応に多額の費用がかかるなどが考えられます。このようなことが起きた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(10)季節的要因について
当社グループの売上及び利益計上は、12月から3月に集中する傾向があります。これは、ユーザーである企業や官公庁において、年度末前後における経済状況や事業方針の決定等により、設備投資の動きが活発化する影響によるものと考えております。
当社グループは平成26年12月及び平成27年4月に個人向け製品をリリースしたことによりコンシューマー市場に事業範囲を拡大しており、今後においては売上計上時期の偏りが徐々に解消されていく見込みですが、当面は企業・官公庁向けの売上比率が大きいため、この傾向は続く見込みです。
平成30年3月期における各四半期連結累計期間の実績は以下の表に記載のとおりです。
以上より、12月から3月の経済状況、設備投資の動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
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(単位:千円) |
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平成30年3月期 |
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第1四半期 連結累計期間 |
第2四半期 連結累計期間 |
第3四半期 連結累計期間 |
通期 |
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売上高 |
374,198 |
780,104 |
1,199,551 |
1,673,679 |
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営業利益 |
35,301 |
100,452 |
202,388 |
309,444 |
(11)株式の希薄化について
当社グループは、取締役及び従業員等に対し、業務に対するモチベーション向上を図り、業績向上に繋がるインセンティブとしてのストック・オプションを付与しております。平成30年3月末現在、ストック・オプションの残高は6,000株であり、発行済株式総数に対する割合は0.07%に相当しております。今後ストック・オプションが行使され、新株が発行された場合、既存株主の1株当たりの利益、純資産、議決権割合が希薄化する可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるサイバー・セキュリティ業界は、サイバー脅威が日々増大しており、引き続き標的型攻撃による情報漏えい事件等が多発する中、サイバー攻撃者はインターネットバンキングの不正送金ウイルスからランサムウェア、最近では仮想通貨の採掘を勝手に行うマイニングマルウェアが流行するなど、セキュリティが弱くサイバー攻撃者にとってリスクとコストの少ないターゲットが狙われており、技術革新を進めるIT社会の運営にネガティブな影響を与えている状況です。このような中、政府・官公庁及び大手企業を中心にセキュリティ対策の動きが徐々に広まっており、国内のセキュリティ市場規模は拡大が続いております。しかしながらセキュリティ対策の動きはサイバーリスクの把握と、どのような対策が必要なのか理解できる組織に限られており、多くの組織や個人は対策が十分とは言えず、早急な対応が求められております。
このような環境の中、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなりました。
セキュリティ・プロダクトにおきましては、法人向けでは政府・官公庁や大手企業のセキュリティ対策の動きを背景に主力の次世代エンドポイントセキュリティFFRI yaraiの売上が引き続き増加しました。昨今では、従来のセキュリティ対策では防ぐことが難しい未知のサイバー脅威に対応する様々な製品及びサービスがセキュリティベンダーから提供されてきております。そのような状況において、サイバー攻撃が増加と高度化をする中、ゲートウェイの対策では守りきれずにエンドポイントでのセキュリティを強化する流れが加速しており、特に当社グループが提供するFFRI yaraiのような、未知のサイバー脅威をエンドポイントで防御する製品を総称してNGEPP(Next Generation Endpoint Protection)と定義され注目されております。
海外につきましては、当社グループは平成29年4月、米国カリフォルニア州にFFRI yaraiの販売会社であるFFRI North America, Inc. を設立し、北米で販売活動を開始しました。販売の状況としては、ユーザーによる製品選定で高い評価をいただくことができるものの、当社グループの認知度は低く、製品評価に至る手前の案件化までの過程に課題が生じております。北米セキュリティ業界の状況は日本国内と同様に新しいサイバー脅威に有効な製品は少なく、FFRI yaraiのような製品には多くのニーズが見込まれます。また、当社グループが北米ユーザーに製品を普及させるにあたっては多くの案件獲得が肝要であり、当社グループはPR活動や展示会への出展等の自社による営業展開に加え、現地セキュリティベンダーとの販売店契約といった外部営業力の活用を含めた営業活動に取り組んでまいりました。
個人向けにつきましては、FFRI安心アプリチェッカーの継続利用が高く推移し、売上が増加しました。当社グループが提供するセキュリティアプリでは、他のジャンルのアプリに比べてユーザーの継続利用率が高く、製品を導入いただくまでのハードルは高いものの、有用性を理解いただいたユーザーは長期に渡り継続利用いただいております。また、当社グループは平成29年12月に個人・小規模事業者向けセキュリティソフトFFRI yarai Home and Business Editionの販売を開始しました。
この結果、当連結会計年度におけるセキュリティ・プロダクトの売上高は1,492,572千円となりました。
セキュリティ・サービスにおきましては、車載セキュリティの関連案件やセキュリティ課題を解決するコンサルティング、受託の研究開発を中心に実施いたしました。
この結果、当連結会計年度におけるセキュリティ・サービスの売上高は181,107千円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高1,673,679千円、営業利益309,444千円、経常利益309,685千円、親会社株主に帰属する当期純利益222,534千円となりました。
なお、当社グループは平成30年3月期より連結財務諸表を作成しているため、前年同期との比較分析は行っておりません。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,983,891千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果取得した資金は290,602千円となりました。この主な要因は、売上増加に伴う前受収益及び長期前受収益の増加54,384千円、税金等調整前当期純利益の計上309,685千円、法人税等の支払額36,555千円、未払消費税等の減少32,097千円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は69,586千円となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出11,037千円、無形固定資産の取得による支出58,517千円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果取得した資金は8,733千円となりました。この要因は、ストック・オプションの行使による株式の発行による収入8,733千円によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当社グループで行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(ロ)受注実績
当社グループは概ね受注から役務提供までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。
(ハ)販売実績
当連結会計年度の販売実績を提供するサービスの種類ごとに示すと、次のとおりであります。
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サービスの種類 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
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セキュリティ・プロダクト(千円) |
1,492,572 |
- |
|
セキュリティ・サービス(千円) |
181,107 |
- |
|
合計(千円) |
1,673,679 |
- |
(注)1.当社グループは、サイバー・セキュリティ事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載に変えて、当社グループが提供するサービスの種類別の販売実績を記載しております。
2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
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株式会社ソリトンシステムズ |
186,196 |
11.1 |
|
株式会社インフォセック |
179,400 |
10.7 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.当連結会計年度は連結財務諸表の作成初年度であるため、前年同期との比較分析は行っておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる当社グループの会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。なお、この連結財務諸表の作成にあたっては、一部の箇所に過去の実績や状況等を基に、合理的と考えられる見積り及び判断を用いておりますが、実際の結果は見積りの不確実性によりこれらの見積りと異なる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、2,283,885千円となり、流動資産合計2,154,536千円、固定資産合計129,349千円となりました。
流動資産の主な内訳は、現金及び預金1,983,891千円、売掛金139,704千円であります。
固定資産の内訳は、有形固定資産23,271千円、無形固定資産68,174千円、投資その他の資産37,903千円であります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、1,171,758千円となり、流動負債合計718,468千円、固定負債合計453,290千円となりました。
流動負債の主な内訳は、前受収益575,263千円、未払金58,111千円であります。
固定負債の主な内訳は、長期前受収益442,152千円であります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、1,112,127千円となりました。
(売上高)
当連結会計年度における売上高は1,673,679千円となりました。内訳としましては、セキュリティ・プロダクトが1,492,572千円、セキュリティ・サービスが181,107千円であります。
(売上原価)
当連結会計年度における売上原価は206,833千円となりました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は1,157,402千円となりました。
(営業外収益及び営業外費用)
当連結会計年度における営業外収益は332千円、営業外費用は91千円となりました。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の内容となっております。当社グループは、これらのリスク要因について、分散又は低減するよう取り組んでまいります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針
当社グループでは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の各リスク項目について顕在化することがないよう常に注意を払っております。また、当面の当社グループの課題として「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の各事項に対応していくことで、企業価値向上に努める方針であります。
⑥ 経営戦略の現状と見通し
セキュリティ・プロダクト
国内法人向けにつきましては、研究開発によってサイバー攻撃者を先回りした防御技術を製品に実装していくとともに、FFRI yaraiへのEDR機能追加を始めとしたユーザーニーズへの対応と、ユーザビリティの向上を進める予定です。また、当社グループではこれまで大手SIerの販売パートナーにより、大規模セキュリティシステムを構成する製品としてFFRI yaraiが組み込まれることで販売されるケースが中心となって伸びてきましたが、事業環境が変化する中においてはこれまでの営業方法に加え、当社製品の販売をメインに販売を行う販売パートナーとの連携を強化する予定です。海外向けにつきましては、これまで自社営業リソースによる活動に加えて、ブランド力のある他社リソースの活用を含めて販売量を重視した施策に取り組む予定です。また、北米以外の地域については、欧州を中心に進出の準備を進めており、なるべく早期に展開するべく取り組んでまいります。次に個人向けにつきましては、広く個人ユーザーにリーチできる販売チャネルの確保が重要と考えており、B to B to C の販売チャネルの強化に取り組む予定です。
セキュリティ・サービス
セキュリティ・サービスにつきましては、製品開発リソースを確保するため、投入する開発リソースを制限しつつ、付加価値の高い案件に絞って実施する予定です。内容としましては車載セキュリティ向けの研究開発を中心に最新のセキュリティ技術の知見獲得に寄与する案件を実施していく予定です。また、同時に車載セキュリティ以外のIoTセキュリティ分野についてもリサーチを進める予定です。
⑦ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、開発用パソコンの購入費用及び開発用ソフトウエアの購入費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
該当事項はありません。
当社グループが属するサイバー・セキュリティの分野は、過去に積み上げられた技術情報が少ないほか、技術革新により技術の陳腐化が著しく早くなっております。このような状況のもと、IT社会を取り巻く脅威に対抗するためには、ITセキュリティベンダーは常に最新技術の維持・獲得が求められております。
当社グループの研究開発体制は、最新防御技術を基礎研究レベルで研究する専任部署を設置し市場ニーズをつかみ、それに応える製品を開発するニーズ型研究開発のみならず、自らニーズを掘り起こすシーズ型研究開発を行っております。研究成果は当社製品及びサービスへ反映する他、一部を国際カンファレンスなどを通じて世界に向けて情報発信するなど、日本から国内外問わずITセキュリティに貢献していくための活動をしております。
当連結会計年度の主な研究開発活動は以下の通りです。
① 自動車セキュリティの研究
IoTセキュリティの対策技術の基礎研究として、自動車 IVI 向けのセキュリティ対策技術を検討し、脆弱性の可視化・攻撃防御、堅牢化、インシデントレスポンス・フォレンジックの3つの対策による多層防御コンセプトを作成しました。
コンセプトの PoC 研究開発に着手し、Automotive Grade Linux (AGL)上で動作する脆弱性の可視化システムを開発しました。今後は、軽量かつ堅牢な脆弱性攻撃の防御、堅牢化技術の研究開発を行う予定です。
② IoTセキュリティの研究
IoT技術の普及と共にますます大規模、複雑になるシステムに対する効率的な脅威分析手法の研究に継続して取り組みました。
脅威分析は,システムやデバイスにおいてセキュリティ事故や故障の原因となる脅威の有無を分析し,必要な対策を明確にする作業ですが、膨大な分析時間やセキュリティに関する専門知識、経験が要求されるため、システム開発プロセスの一部として普及していないのが現状です。
本研究では,過去の分析結果の傾向から,システム中の分析対象とする箇所に優先度を設定する事で,効率的に脅威分析を実施する手法を考案し、研究成果は電子情報通信学会の SCIS 2018 にて発表しました。
当社グループではこの他にも製品やセキュリティ・サービスに研究開発活動を通じて得た技術・知見を活用し、製品及びサービスの品質向上につなげております。
以上の結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は、90,825千円となりました。