第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

①経営成績に関する説明

 当第3四半期連結累計期間におけるサイバー・セキュリティ業界は、医療機関を狙ったサイバー攻撃による被害が世界的な増加をみせました。国内でも大手医療機関がサプライチェーン攻撃と見られるサイバー攻撃によってランサムウェアに感染し、電子カルテなど様々なシステムが利用不能となり、復旧まで2ヶ月以上の時間を要するなど、サイバー攻撃が国民生活に与える影響が深刻化しています。このような増大するサイバー攻撃を背景に、政府が令和4年12月に改定した国家安全保障戦略では、武力攻撃に至らないものの、国、重要インフラ等に対する安全保障上の懸念を生じさせる攻撃の恐れがある場合には、被害の発生前でも攻撃元の監視・侵入などで対抗する「能動的サイバー防御」の導入を盛り込むなど、サイバー防衛能力の強化へ向けた方針が明示されました。この他、サイバー安全保障分野での対応能力を欧米主要国と同等以上に向上させるという目標も掲げられており、令和9年度までに自衛隊のサイバー防衛部隊の規模を現在の4倍以上となる4千人とする計画であるなど、今後ますますナショナルセキュリティ市場の拡大が続く見通しです。

 このような環境の中、当第3四半期連結累計期間の経営成績は以下のとおりとなりました。

 

○サイバー・セキュリティ事業

(ナショナルセキュリティセクター)

 ナショナルセキュリティセクターにおきましては、国際情勢の緊張と比例してサイバー攻撃のリスクが急速に高まっており、サイバー領域における安全保障は重要な課題となっています。我が国においては、国家安全保障及び経済安全保障の両面で政府が主導する取り組みが急速に進んでおり、引き続き需要拡大が見込まれます。当社グループにおいては、ナショナルセキュリティセクターの人員を拡大し、研究開発体制を強化した他、横須賀ナショナルセキュリティR&Dセンターにて、防衛産業及び関連組織向けにセキュリティ調査・研究案件及び、教育案件を中心に実施しました。また、高度なスキルを持つ技術者の育成及び採用の強化など体制整備にも取り組んでおり、将来のナショナルセキュリティセクターでの大きな需要を取り込める体制構築を進めております。

 この結果、当第3四半期連結累計期間におけるナショナルセキュリティセクターの売上高は76,689千円(前年同期比144.4%増)となりました。

 

(パブリックセクター)

 パブリックセクターにおきましては、地方自治体におけるデジタル化の進展に伴うセキュリティ体制の見直しなどにより需要が増加している他、官公庁においては経済安全保障実現に向けたセキュリティ調査・研究などの案件が増加しています。当社グループにおいては、パブリックセクターに特化したチームによる販売活動の他、官公庁または地方自治体への販売に強みを持つ販売パートナーとの連携強化によるOEM製品や、SOCサービスの提供など販売拡大施策を進めております。

 この結果、当第3四半期連結累計期間におけるパブリックセクターの売上高は392,100千円(前年同期比14.2%増)となりました。

 

(プライベートセクター)

 プライベートセクターにおきましては、引き続き戦略的販売パートナーとの連携強化を進めた他、セキュリティの専門人材が不足する社会情勢の中、セキュリティアラートの監視や運用支援、インシデント発生時の初動対応及び調査を提供する「FFRIセキュリティ マネージド・サービス」の提供を開始しました。個人向け製品につきましては、Android端末用セキュリティ診断アプリ「FFRI安心アプリチェッカー」の提供を令和4年3月末で終了した影響により売上高が減少しておりますが、同時に販売代理店に支払う販売手数料も減少しており、利益面への影響は軽微となっております。サービス案件につきましては、セキュリティ調査・研究サービス及び車載セキュリティの関連案件を中心に実施しました。

 この結果、当第3四半期連結累計期間におけるプライベートセクターの売上高は480,418千円(前年同期比29.1%減)となりました。

 

○ソフトウェア開発・テスト事業

 ソフトウェア開発・テスト事業におきましては、品質保証業務等を中心に堅調に推移した他、将来的なサイバー・セキュリティ関連業務提供に向けた人材の育成にも取り組んでおります。

 この結果、当第3四半期連結累計期間におけるソフトウェア開発・テスト事業の売上高は314,423千円(前年同期比60.1%増)となりました。

 

 その他、NTTコミュニケーションズ株式会社との合弁会社である株式会社エヌ・エフ・ラボラトリーズにおきましては、需要増大に伴う増員及び育成を進めた他、教育・研修案件や調査・テストなどの案件を中心に受託した結果、持分法による投資利益20,760千円(前年同期比43.8%減)を計上しております。

 

 以上の結果、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高1,263,631千円(前年同期比1.2%増)、営業損失12,868千円(前年同期は営業利益9,789千円)、経常利益12,434千円(前年同期比73.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益7,456千円(前年同期比75.2%減)となりました。

 また、当社グループは事業拡大に向けてセキュリティエンジニアを中心に増員を進めております。そのため人件費が先行して発生しておりますが、期初の計画通りに進捗しております。

 

②財政状態に関する説明

(資産)

 当第3四半期連結会計期間末における流動資産は1,774,177千円となり、前連結会計年度末に比べ177,975千円減少いたしました。主な減少要因は自己株式の取得等による現金及び預金の減少208,170千円、売上債権の回収による売掛金の減少177,494千円等であり、主な増加要因は収益認識会計基準等の適用による契約資産の増加194,462千円等であります。固定資産は512,384千円となり、前連結会計年度末に比べ10,625千円増加いたしました。主な増加要因は投資その他の資産の増加26,397千円、有形固定資産の増加622千円であり、主な減少要因は無形固定資産の減少16,394千円であります。

 この結果、総資産は2,286,562千円となり、前連結会計年度末に比べ167,350千円減少いたしました。

 

(負債)

 当第3四半期連結会計期間末における流動負債は707,267千円となり、前連結会計年度末に比べ13,314千円減少いたしました。主な減少要因はセキュリティ・プロダクトにおける契約の減少等による契約負債の減少24,153千円等であります。固定負債は9,964千円となり、前連結会計年度末に比べ29千円増加いたしました。主な増加要因は資産除去債務の増加29千円であります。

 この結果、負債合計は717,231千円となり、前連結会計年度末に比べ13,284千円減少いたしました。

 

(純資産)

 当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は1,569,330千円となり、前連結会計年度末に比べ154,065千円減少いたしました。主な増加要因は親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加7,456千円であり、主な減少要因は自己株式の取得による減少161,522千円であります。

 

(2)経営方針・経営戦略等

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、82,948千円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。

 

(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、開発用パソコンの購入費用及び開発用ソフトウェアの購入費用の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらについては主に自己資金により対応しております。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 なお、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は1,436,052千円となっており、十分な財源及び高い流動性を確保していると考えております。

 現時点では新型コロナウイルスの影響を見通すことが困難なため、上記の資本の財源及び資金の流動性についての分析には織り込んでおりません。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。