第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く環境は、個人消費や雇用情勢が回復傾向を見せ、緩やかな回復基調が続いていますが、金融資本市場の変動、エネルギー価格の高止まりや原材料高騰による物価上昇等により、将来的な見通しは不透明な状態が継続しております。

このような事業環境の中、当社グループはDX(デジタルトランスフォーメーション)によって自社の事業変革と自社の属する不動産業界全体の変革を目指し、ビジョンとして「DXによって不動産ビジネスを変革し、デジタルとリアルを融合した唯一の不動産デジタルプラットフォーマーになる」を掲げております。ビジョン達成に導く3大方針を「DX推進による事業変革」「M&A推進など、非連続な業容拡大への取組み」「新たな不動産DXプロダクトの開発・販売による業界変革」とし、2026年6月期には、売上高500億円、営業利益30億円の経営成績を実現する計画を立てております。

当第3四半期連結累計期間において、主力の賃貸DXプロパティマネジメント事業は、管理戸数の増加を進めると同時に、次世代管理システム『AMBITION Cloud』により、管理受託や退去されるお部屋の物件募集までの生産性が向上したことに加え、リーシング力が向上した結果、過去最高の売上と営業利益を達成いたしました。

賃貸DX賃貸仲介事業は、DX施策及び繁忙期に向けた人員の増加により、売上高は増加した一方、人材及び店舗出店(前年同期比2店舗増)等の投資により、営業利益は減少いたしました。

売買DXインベスト事業は、順調に新築マンションの引渡しが完了し、当第3四半期連結累計期間において計画通りとなりました。

新たな成長ドライバーである不動産DX事業は、主に入居者DXアプリ『AMBITION Me』の開発を進め、入居者の満足度とエンゲージメントの向上、LTV(顧客生涯価値)の最大化を実現いたします。また、M&Aやアライアンスの推進も積極的に検討しております。

その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は29,526,802千円(前年同期比5.8%増1,630,774千円増)、営業利益は1,944,653千円(前年同期比27.5%増419,529千円増)、経常利益は1,798,699千円(前年同期比23.9%増347,270千円増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,095,167千円(前年同期比20.0%増182,575千円増)となりました。

 

セグメントの業績は次の通りであります。

 

(賃貸DXプロパティマネジメント事業)

当事業は、主に住居用不動産の転貸借(サブリース)を行う当社グループ主力の事業で、管理戸数の増加及び高入居率の維持を基本方針としております。不動産賃貸管理に関わるあらゆる業務をDXする『AMBITION Cloud』により、業務効率化と生産性向上を実現しております。

当第3四半期連結累計期間におきましては、管理戸数については25,175戸(前年同期比256戸増)、サブリース管理戸数については14,449戸(前年同期比506戸増)と順調に増加いたしました。

当第3四半期連結会計期間末時点のサブリース入居率は98.8%(前年同期末は98.2%)となりました。DX施策により、売上高・利益率共に大幅に増加しております。

その結果、売上高は15,035,783千円(前年同期比5.6%増791,034千円増)、セグメント利益(営業利益)は1,382,470千円(前年同期比35.8%増364,452千円増)となりました。

 

(賃貸DX賃貸仲介事業)

当事業は、当社の管理物件を中心に賃貸物件の仲介事業を行っております。子会社のアンビション・エージェンシー(『ルームピア』を運営)、及び同アンビション・バロー(『バロー』を運営)にて、都内9店舗、神奈川県8店舗、埼玉県1店舗の計18店舗を展開しております。当事業のリーシング力の高さが主力のプロパティマネジメント事業における高入居率の維持に貢献しております。

当第3四半期連結累計期間におきましては、AI×RPAツール『ラクテック』の活用により、引き続き入力業務の人員抑制・反響数のアップに取り組んでおります。また、広告戦略の強化によるWEB集客、リモート接客・VR内見などの集客施策に加え、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用した当社独自の電子サイン『AMBITION Sign』による電子契約パッケージなどの非対面サービスの強化により、お部屋探しにおける顧客の体験価値向上を実現しております。当該施策及び繁忙期に向けた人員の増加、人材育成が奏功したことにより、売上高は増加した一方、人材及び店舗出店(前年同期比2店舗増)等により、セグメント利益は減少いたしました。

その結果、売上高は705,721千円(前年同期比6.0%増40,144千円増)、セグメント利益(営業利益)は32,162千円(前年同期比34.6%減17,006千円減)となりました。

 

(売買DXインベスト事業)

当事業は、「立地」「デザイン」「設備仕様」にこだわった自社開発の新築投資用デザイナーズマンション販売を中心に展開する子会社のヴェリタス・インベストメント(以下、ヴェリタス)と、多様なルートからの物件仕入れ力により、立地を重視した分譲マンションの買取再販事業を中心に展開する当社インベスト部で行っております。

当第3四半期連結累計期間におきましては、計画通りに進捗し、当第3四半期連結累計期間の売却戸数はヴェリタス203戸(前年同期比42戸減)、当社インベスト部は、堅実な仕入れを行うとともに、販売戦略が奏功しており、当第3四半期連結累計期間の売却戸数は69戸(前年同期比3戸減)となりました。

その結果、売上高は12,802,448千円(前年同期比2.3%増286,796千円増)、セグメント利益(営業利益)は1,899,075千円(前年同期比9.5%増164,783千円増)となりました。

 

(インキュベーション事業)

当事業は、当社グループと親和性の高い事業を行うベンチャー企業への投資、資本業務提携、投資先企業の支援などを子会社アンビション・ベンチャーズが行っております。

当第3四半期連結会計期間末時点では、31社のベンチャー企業に投資を行っております。当第3四半期連結累計期間におきましては、新たに4社への投資を実行し、2社が新規上場、うち1社の投資有価証券を売却、他1社から分配金を受け取り売上を計上しております。

その結果、売上高は145,594千円(前年同期比150.8%増87,531千円増)、セグメント利益(営業利益)は39,639千円(前年同期比312.2%増30,021千円増)となりました。

 

(その他事業)

不動産DX事業(システム開発の海外子会社を含む)、少額短期保険事業、ZEH・ライフライン事業を総じて、その他事業としております。

不動産DX事業では、賃貸管理の次世代管理システム『AMBITION Cloud』を海外子会社のアンビションベトナムなどで開発し、社内DXを優先して推進しております。賃貸DXプロパティマネジメント事業におけるDXは『AMBITION Cloud』により、契約進捗管理、修繕管理、募集管理等、不動産賃貸管理業務に係る様々なシステムを開発しており、大幅な業務効率化と生産性向上を実現しております。賃貸DX事業におけるDXは、IT重説とブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用した当社独自の電子サイン『AMBITION Sign』との連携による電子契約パッケージにて実現しております。さらに、入居者DXアプリ『AMBITION Me』は、入居・更新・退去に至るまでの様々なサービスを提供しております。

当第3四半期連結累計期間においては、オンライン診療の提供を開始し、サービスを拡大しております。また、『Generative AI』を活用したFAQの機能を拡充するなど、先鋭的な技術を活用しており今後も新たなサービスを提供してまいります。当社グループ初のBtoCマッチングサービスであるお部屋探しアプリ『ルムコン』は、登録ユーザー数を46,997ユーザー(前年同期比157%増)と伸長しております。少額短期保険事業では、当第3四半期連結累計期間におきましても順調に新規契約を獲得するとともに、申込みから支払いまでペーパーレスで完結できる当社子会社開発システム『MONOLITH(モノリス)』によって当社グループのDX推進の一端を担っております。ZEH・ライフライン事業では、蓄電池、太陽光発電、外壁塗装など電力創出・省エネルギー設備の営業を行うZEH(Net Zero Energy House)事業と電気・ガス提供会社の開設・切替の取り次ぎ、ウォーターサーバーなどの営業を行うライフライン事業を子会社の株式会社DRAFTにて行っております。弊社管理物件の入居者や賃貸仲介の顧客に対しサービス提供を行うなど、賃貸DX事業とのシナジー効果を創出しております。

その結果、売上高は837,254千円(前年同期比103.2%増425,265千円増)、セグメント利益(営業利益)は13,263千円(前年同期は70,978千円のセグメント損失)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

当第3四半期連結会計期間末の総資産は25,734,809千円となり、前連結会計年度末に比べ5,218,222千円増加いたしました。これは主に、販売用不動産5,364,248千円土地871,891千円、建物及び構築物が454,274千円増加し、仕掛販売用不動産2,145,659千円のれん131,434千円減少したことによるものであります。

負債合計は20,178,377千円となり、前連結会計年度末に比べ4,262,734千円増加いたしました。これは主に長期借入金2,975,350千円短期借入金2,200,050千円前受金257,523千円増加し、1年内返済予定の長期借入金1,686,527千円1年内償還予定の社債77,500千円未払費用54,443千円減少したことによるものであります。

純資産合計は5,556,431千円となり、前連結会計年度末に比べ955,487千円増加いたしました。これは主に利益剰余金944,007千円その他有価証券評価差額金7,960千円増加したことによるものであります。

 

(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。

 

(5) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。